カーディナルとよんだり、よばなかったりするものでごぜーます。
好物はカレーです。
別の作品がまだ完結してないのですが、息抜きがてらに書いていたらここまでかけてしまったので投稿することにしました。
知っている方は知っているであろう原作。当サイトでぱにぽに関連のSSが一つもなかったので迷いながらも投稿。
10年前くらいに私がお熱を持っていた原作&アニメですが、久しぶりにアニメ見ながら妄想してたら……かけていました。
まだ一話しかないので、タグには登録してないですが今後
R-15、ハーレム?とかその他色々なタグが追加されていくかもしれませんのでご了承ください。
この話は桃月学園と呼ばれる、私立高校のとある天才先生と学生たちを中心としたストーリー……に本来いなかった存在が加わる話である……
「とまぁ、それっぽく言ってるみたいだけど早い話が学園生活を文章化しただけという」
「誰に言っているんですか?」
「なんか言わないといけない気がしただけ」
朝のHR前、自身の席に座って携帯ゲームを弄ってる手を止め虚空に向かって言う男子学生。
その発言に対し、隣の席に座ってる茶髪のお下げをした女子学生が反応する……茶髪と言っても断じて染めてるわけではなく、ギャル風といった感じもなく、むしろまったくの逆である。
その落ち着いた印象をもつ彼女は独特な雰囲気を身にまとっており、同じクラス内の学生からは謎に包まれたミステリアスガールである。ちなみに学級委員長である。
ここは個性溢れる生徒が多数存在することで有名?な桃月学園の1年C組の教室。
授業開始前ということで、クラス内では学生が思い思いの事をしており、この二人も例外ではなかった。
男子の方は至って平凡な容姿で肩にかからない程度の黒髪に、少し釣り上がり気味の眉。何処にでもいそうな外見を持つ男子学生は
で、教室内だというのに湯のみを持参しマイペースにお茶を飲んでいる彼女は一条さん。
……断じて苗字が一条で、名前がさんというわけではない。彼女は一条さん。それ以外の何者でもない。
他に妹がいるらしい。
「何をなさっているのですか?」
「今流行りのソシャゲー。ぽよドラ」
「あ、知っています。四角い物体を操って、立ちふさがるドラゴンを消していくという」
「いや……合ってるようで間違ってるから。敵が消えるのはそういう演出だからな?」
ススっとスライドするように恭介の背後に回りこみ、画面を覗きこむ一条さん。
どうやらゲームのタイトルは知っているだけで、内容までは詳しく知らないらしい。
「興味あるのか?一条もやるか?ぽよドラ」
「いえ、私は…」
誘われて内心テンションが高まったが、ゲームをあまりやらない一条さんは断ろうとし―――――
「今さ、新規で初めた人とパートナー登録するとお互い激レアアイテムが配布されんだ。で、ゲームを進行すればするほどさらにアイテムが配布されるから一条もやってくれたらなんt―――――」
「やります」
「え?」
「やります。学級委員一条、板垣さんのパートナーを努めさせていただきます」
「お、おう……なんでそんなに気合い入れてんの?」
急に目に見えてやる気が上がっている一条さんにずいっと詰め寄られ、思わず仰け反る恭介。
「まぁ、やってくれるならありがたいからいいんだけどさ……ほいじゃさ、一条スマホとか持ってる?」
「いえ、私が使ってるのはガラゲーなので」
「Oh……一条、ぽよドラはガラゲーじゃできないぞ?」
「!?なんと……!」
一条さんが持ってる携帯を取り出し、恭介に見せるが自分の携帯でぽよドラが出来ないことを知るとポロっと携帯を落としてしまい、背景に雷が落ちたかのような衝撃を受ける一条さん。
「そんな……私の最新のガラゲーではプレイできないと言うのですか……!学級委員一条一生の不覚っ」
「ガラゲーの最新て……つーかお前こんなことで嘆くなよ」
orzになっている一条さん。
地べたにそんな姿勢でいると、本来ならスカートの中が見えてしまいそうなのだが絶妙な調整加減で後ろからは見えなくなっている。
とはいっても、彼女の席は最後尾で後ろには誰もいないのでそんな心配はいらないのだが。
「おっ?なになに?何の話ししてるの?」
そんな話をしていると、前方の方から興味を持ったのか恭介の席に近づいてくる女子学生がいた。
「ん?地味子か、はよーっす」
「朝っぱらからの一声がそれ!?地味子言うな!!」
地味子と呼ばれたことに憤慨し、バンっと恭介の机を叩く女子。
この恭介以上に普通な彼女は地味というこの単語に異常な反応を示すようだ。
「くるみさん、おはようございます」
「あ、うんっおはよう一条さん!……ほら!恭介も一条さんを見習って!!」
「おはようございます。地味子さん」
「そこじゃねーよ!?礼儀正しく挨拶しろってことじゃないから!大事だけど!!」
はぁはぁ、と肩で息をするくるみ……フルネームは桃瀬くるみ。恭介とは小学生の頃からの付き合いがあり、いわゆる幼馴染のようなもので、常日頃から地味地味と連呼されている。
だが、地味と言われてるが本人の容姿は平均よりも高く、スタイルもいまどきの女子高生にしては発育が中々なのだが……恭介曰く、見た目よりもなんかまとってる雰囲気が地味。と、理不尽な理由で地味呼ばわりされ続けている。
「はぁ……もういいや。で?いったい何を話してたのさ」
「別に取り留めもない話をしていただけだっての」
「ふーん?どんな話し?」
「相対性理論について話しあってた」
「どこが取り留めもない話しなの!?普通の学生が日常会話で話すものじゃないでしょそれ!!」
「はぁ……くるみ、何時まで経っても普通普通って普通の事を求めてるからお前は普通なんだ」
「うるせーーー!!普通の何が悪いのよ!!!」
「いや、別に普通は悪くない。悪いのは普通を求めてるふつ子のお前」
「ウガーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
恭介に全力で弄られ続け、遂に両手を大きく上げ吠えるくるみ。
今にも恭介に掴みかかろうとするが、一条さんに羽交い締めにされる。
「離して一条さん!その馬鹿殴れない!!」
「落ち着いてください、くるみさん。私の携帯上げますから」
「いらないよ!?てか、それ人にあげちゃだめだから!!」
余程ぽよドラが出来ないことに不服なのか、他人に自分の携帯を渡そうとする一条さん。
「とまぁ、ホントの事を言うと一条をぽよドラに招待しようとした」
「初めからそういいなさいよ……そういや今そんなキャンペーンやってんだっけ」
そう言って、自分のスマホを取り出し、ぽよドラを起動するくるみ。
ちなみにくるみがぽよドラを始めたきっかけは恭介に誘われたから。ゲームを始めてから結構経つが、今現在までなんだかんだで続けている。
「そそ。そんなわけもあって一条をこっちに引き込もうとしたんだが……」
「……一条さんの携帯じゃプレイできないわけね」
「そういうことだ。このキャンペーン新規の人じゃねーといけないのがネックなんだよなぁ」
一条さんの携帯を見てある程度の事を自力で把握したくるみ。
「くるみさんはぽよドラをやっているのですか?」
「あぁ、うん。恭介がどうしてもって土下座してきたからさー」
「ちなみに、後日母と兄にスマホを弄りすぎだと言われ注意をされたくるみちゃんでした」
「ちょっと!?なんで知ってんの!?あ!違うからね一条さん。私は恭介に嫌々やらされたわけであって、やってみたら案外楽しいとかそんなんじゃなくって……」
「スマホの件については修が面白おかしく語ってた」
「あんの馬鹿兄貴ぃいいいい!恭介には絶対言わないでって念を押したのに……!」
意向返しとでもいうべきか、恭介をハメようとしたら、見事に倍カウンターをくらい自分から暴露していく。
ちなみに桃瀬修はくるみの双子の兄。そのうち登場するので詳細は省くが。
「よ〜く見ておけよ一条。これがあのかの有名なドツボにハマる少女だ」
「なるほど。くるみさん、1足す1はー?」
「にぃー!……じゃない!一条さんもノリノリで撮らないで!?写真名に変なタイトルも付けないで!!」
哀れむように指差す恭介に、物珍しそうにしガラゲーのカメラをくるみに向ける。
条件反射でカメラ目線でピースをしてしまったくるみは写真を撮られ、『天然記念物☆桃瀬くるみ』というタイトルを付け、くるみに見せていた。
そんなタイトルの写真を他の人に送られたら堪ったもんじゃない。恭介を筆頭にこのクラス内に送ってはいけない人物が他にもいる。
写真をネタにからかわれるのは確定的に明らか!そう考えたくるみの行動は早く、一条さんが反応するよりも早く携帯を奪い、データを削除した。
その際に、良かったらその携帯差し上げますよと冗談なのか本気なのかまったくわからないことを言ってた。
……当然くるみはデータを削除したらちゃんと返却したが。
なんて事をしているとーーーー
「ニュースニュース!大ニュースだよーー!オメガ大ニュース!!!!」
廊下から大声で叫びながらこの教室に猛ダッシュで駆け込んでくる女子学生が。
「ま゛っ!」
勢いが強すぎて入室した直後、つまづいて教卓を巻き込んで派手にすっ転ぶ。
「ちょっと!朝からうるさいわよ!」
思わずキラーンと擬音が出てしまうほど眩しく光輝くお凸を持つメガネっ娘がすっ転んだアホ毛が特徴の女子生徒を注意する。
「どーした姫子。宇宙人でも発見したか?」
同じくメガネをかけた……だがこちらの方は第一印象としては知的でクール。如何にも仕事ができそうな感じの女子がUMA特集の本を窓際側の自身の席で読みながら声を掛ける。
あえて言うがOLではない。
「姫子さん、大丈夫ですか?」
涼し気な水色の髪を白のリボンで結ってツインテールにしている女子生徒がダウンしてるアホ毛少女を心配そうに気づかう。
「いつも以上に騒々しいな片桐のやつ」
「そう?姫子はいつもあんな感じじゃん」
朝からハイテンションで教室に来た女子生徒は片桐姫子。
元気の良さは底を知らず。その分比例して集中力のなさは皆無。特徴的なあほ毛と特徴的な口癖がチャームっぽい。
ちなみに学校の成績はすこぶる悪い。
唯一このクラスで机にノートを広げて朝から真面目に勉強していたおでこちゃんは上原都。
メガネよりも注目するべき点はそのおでこ。常日頃から磨いているんじゃないのかと考えこんでしまうくらいそのおデコは眩しい。
太○拳が放てるんじゃないかと恭介とくるみは密かに話していたり……
こちらはメガネよりも注目するべき点はとても女子高生とは思えない雰囲気を身にまとってる、スタイル抜群!UMAの存在を信じている!学年トップクラスの知能の持ち主!橘玲とは彼女である。
その頭脳と持ち前の性格から、人は彼女の事を魔女と称したりする。早い話が彼女はSということ。
時には魔女と言うよりも女王様であながち間違いじゃないかもしれない。
最後にこのクラスの唯一の良心、癒し系少女は6号さん。
今どき珍しいくらいに良い子。この年頃の女の子は少し背伸びしたりするが、そういう子たちが6号さんを見ると自分が汚れきってしまっていると感じるのは何もおかしくない。
ちなみに、彼女の本名は鈴木さやか。一条さんと違って、公にフルネームが知られていないわけではない。
なぜアダ名が6号さんなのかは謎。
「マホーッ!ニュース!大ニュースよー!!」
「「「「担任の○○がやめたぁ!?」」」」
「そう!昨日だってさー。大ニュースでしょ!」
クラス内のほぼ全員が姫子の話しに興味を持ち、教卓前に集まる。
「ふーん、あのティーチャーやめたのか。……クビにされたんじゃねーのかね」
一部を除いて。
「板垣さんは前任の先生がやめた話に興味がないんですか?」
一条さんも前の方には行かずに、自分の席に戻り視線は前に向けたまま恭介に聞いてくる。
恭介は恭介で携帯を動かす手を止めずに堪える。
「なーんかねぇ。良くも悪くもなかった先生だったからな。やめたんだ。ふーん、そうとしか言えん」
「そうですか。私は興味があります」
「そっか」
「はい。たいへん興味があります」
「……」
「……」
……会話が途切れる。前の方では姫子にやめた理由はなぜかと問われ、そこまでは知らないと答えていた。
「……何に興味が有るのか聞かないんのですか?」
「……聞いて欲しいのか?」
「はい」
ぷよドラをやってる手は止めずに一条さんの方に振り向く。いつの間にか恭介の方をジーっと見ていたようで、その澄んだ瞳を見ていると、なぜか無碍に対応するのは抵抗がかかる。
コクリと素直に頷く一条さんに恭介はめげずに何度も話しかけてくる一条さんに根負けし、携帯をズボンの後ろポケットにしまい、一条さんと会話することにした。
なんだかんだで付き合いは良い男であった。
「そうだな……ちょうどあいつらが辞めた理由はうんたらかんたら言ってるからな。一条はなんで辞めたと思う?」
そう話の話題を吹っかけると、一条さんは待ってましたと言わんばかりになぜか、スッと立ち上がって
「出家です」
そう断言した。
一条さんが立ち上がったこととタイミングが重なったこともあり、教卓側に集まってた生徒たちの視線がこっちに集中してきた。
「出家?」
「え、マジで?」
「出家ておい……」
都とくるみが一条さんの言葉にいち早く反応した。
恭介はもしそれがホントだったらあの先生は何があったのだろうかと考えていた。
一条さんの言葉が真実なのかとクラス中の視線が一条さんに集中してから数秒経ち……
「出家しましょう」
「一人で行って来い」
断言→願望に切り替えた一条さんであった。
入学してから今までの一条さんのことを考えたら、冗談かホントなのかわかりにくいためあまり質がよろしくなかったりする。
クラスの内の半分は信じていたようだったし。
「言い方が変わった……」
「ありゃ、知らないな……」
そして一条さんの出家発言に半信半疑だったくるみと玲はため息を吐いて落胆していた。
実際玲の言ったとおり一条さんでも知らなかった模様。
「板垣さんはどう思いますか?」
席を立ったまま恭介に聞いてくる一条さん。
机に肩肘を付いて、その手の甲の上に顎を乗っけて人差し指を立て自信満々な表情で。
「そりゃ決まってんだろ。夜逃げだよ夜逃げ」
『夜逃げ!?』
クラス全員の表情が驚きに満ちていた(一条さんだけはなるほど。夜逃げですかと納得していた)
「なんだお前ら知らなかったのか。あの先生実はああ見えて、無類の賭け事好きでな。俺ともたまに何か賭けて勝負してたしな。あの人は利益よりもどっちかっつーと勝負そのものを楽しんでた感じだったな。だから、BETも毎回少なかったりしたんだが……だがな、ある日の放課後俺は見てしまったんだよ……」
「み、見たって何をですか……?」
見てはいけないものを見てしまったかのような言い方をし、一度そこで区切る。
恭介の巧みな話術により誰もが恭介の言葉に耳を傾ける中、皆を代表として6号さんが恐る恐る聞いてくる。
「……商店街の路地裏でガラの悪い連中に絡まれていたんだよ」
「そ、それってもしかしてヤクザ……?」
「さぁな。そこまではわからないが、少なくとも穏やかな雰囲気ではなかったな」
「マホ!きっとヒットマンだよ!もしくは先生の命を狙ってやってきたターミ○ーターだよ!」
「んなわけないだろ……何時からこの街はそんなものが徘徊するようになったんだ」
デコを輝かせ、これまた6号さんと同じように躊躇いつつも都が確認するかのように聞く。
デコではないが、こういった面白そうな話しが好きな姫子が目を輝かせて断言した。
まぁ、そんなわけもなく玲はありえないとバッサリ切り捨てていたが。
「まぁ、相手がなんだろうと今はいい。そこは重要じゃない。……話を戻すが、俺は先生がなんであんな連中といるのか気になったから、先生たちに気付かれないように話を聞いてたんだが……そしたらとんでも無い事を耳にしちまってな」
「と、とんでもない事?」
「あぁ……それはな―――――」
『……それは?』
よもや自分の幼馴染がそんな物騒な事に首を突っ込んでいたのか、とか色々他にも聞きたいことは山ほどあったくるみだったが、今は恭介の話の続きが気になってしょうがなかった。
誰もが喉を鳴らし、恭介の次の言葉が紡がれるのを待つ。
「……おっと、もうこんな時間だ。残念だがこの話は終わりだ」
『ええええええええええええええええっ!?』
何事もなかったように携帯を取り出し、ぽよドラをプレイする恭介。
絶妙すぎる打ち切り宣言に皆大絶叫。一条さんも叫びはしなかったが、そわそわしていて話の続きが気になっているのがわかる。
「おいおい、そこで止めるか」
「ちょっと!?最後まで言ってよ!」
「そうよ!このままじゃ気になって夜も寝れないじゃない!!」
「うぅっ、続きが気になってしょうがないオブジイヤーですぅ……」
「そうだそうだーっ!ヤクザの正体はなんだったのか!……はっ!ひょっとして宇宙人!?」
クラス中から大ブーイングを受ける中、当の本人はもう自分の世界に閉じこもったようで、何処吹く風である。
「……板垣さん」
そんな中、学級委員である一条さんが手を上げて立ち上がる。
たったそれだけの動作でクラスが鎮まり返る。
「んー?どした一条」
「私今の話で気になったことがあるんですが……」
そう!続きが気になってしょうがない!……とおそらくクラス全員の思ってることはほぼ合致するだろう。
一条さんの言葉に期待し、一条さんならなんとかして話を続ける方向に持っていってくれるかもしれない!と期待に満ちていた。
「ヤクザさんの人数は何人だったのですか?」
「3人だ」
『そこじゃねえだろおおおおぉぉぉぉ!?』
ありがとうございます。と言って着席する一条さん。本人はそれなりに満足しほっこりしていたが、その他のクラスメイトは大不満足であった。
都と玲が中心となって、幼馴染のくるみに続きを話すように頼み込んでくれ!なんてやりとりをしていると……
「諸君!静粛に!席に座れぃ!!……なんじゃ、なんで儂そんなに睨まれてるの?」
恭介の言ったこんな時間というのはこういうことだったのだろう。隣のクラス、D組の担任であるおじいちゃんがやってきた。
……あまりのタイミングの悪さに殺意の篭った視線を浴びさせられ、おじいちゃん先生ことジジィは泣きそうになっていた。
「……そうそう、念のため言っておくがさっきの話は実話を元にしたフィクション……半分嘘だからな」
『つくり話かよ!?』
「マホ……フィクションって何?」
余りにも自然すぎる話の流れに誰もが実話だと思っていたが、最後の最後でそれが覆されたのだった。
「見てみて恭介、本当にちびっ子だよ金髪さんだよ」
「んーそうか」
「……恭介聞いてる?」
ジジィ先生からの教師が辞めた理由について&新任教師がどんな人物か等の通達を終え、D組に帰って行った。
その後新任先生のニックネームでも決めよう!とクラスで話しあっていたりして時間を潰していたら、初日から大遅刻をしようやくやってきたようだ。
……その間この男は一切話しに参加せず携帯を弄っていたが。
ちなみにジジィから前任の先生が辞めた理由をクラスが聞いた時……恭介が即席で作ったフィクション話と似た感じの理由だったので、ひょっとしたら、あの話はほぼ真実なのかもしれない……と思ったりして慄いた学生がちらほらいた。
「おー。聞いてる聞いてる」
その新任ちびっこ先生ことレベッカ・宮本(10歳♀)先生が出席を取ろうと……する前に今日遅刻してきたことを言いにくそうに、まごまごしながら謝罪を入れていた。
その謝罪の仕方が、悪戯をした子供が怒られるのを恐れるようなアレと同じでしかもレベッカは同年代の子と比べると頭脳はもちろんのこと容姿も恵まれていた。
まだ子供なので手入れなんてしてないんだろうが、遠目から見てもサラっとしているプラチナブロンドの髪に青い瞳。
外にもでず室内に籠ることがほとんだったのだろうシミ一つない白い肌。それでいて不健康な生活を送っているのに健康体に見えるのだ。
早い話がかわいい女の子がそんなことをしたら……このクラスにはブレーキのかからない暴走列車がいるわけで……
「マホー!!オメガカワイイかもーっ!はいはいはーい!ちびっ子せんせーにしつも~ん」
テンション値が最大からカンストした姫子を筆頭に、レベッカ先生に聞いてみようタイムに突入した。
「ちびっ子いうなー!」
どうやらこの先生は頭脳は天才級らしいが、感情面に関しては歳相応といったところか。姫子のオメガ発言に疑問符を浮かべ、ポカンとしてたがちびっ子発言に怒る。
少し背伸びをしたいお年ごろらしい。
「本当に……?じゃあさ、恭介はアレがなんだかわかる?」
「……アレ?」
他のクラスメイトが姫子に続き、次々に質問しようとしているところでくるみは教卓の近くにいる白い物体について気になっていた。
さっきから対応が雑になってきてる恭介がちゃんと自分の話を聞いてるかどうか調べるためにも話を振った。
くるみのアレ発言により、携帯を見ていた視線を上げてくるみが指している方向に目をやる。
「なんだありゃ?」
「ウサギなのかな」
二足歩行で立っているうさぎらしき物体。長い耳と蹴鞠みたいな白い尻尾からして、ウサギの特徴はあるのだが一目見ただけではうさぎと断定できるわけはなかった。
その予想外すぎる生命体を見たせいで、くるみに何かと聞かれても思わず恭介も何かと聞き変えしてしまった。
実際この二人は多分ウサギなんだろうけど、100パーセント確信を持ってウサギだとは言えなかった。
「ウサギなんじゃないか?……俺の知ってるウサギとは大分かけ離れてるが」
恭介のイメージするうさぎとは目が赤くて、もふもふしてて、お座りしてて、クンカクンカしてて……このイメージも偏りすぎてるがまぁ、4足歩行という点は他の人も認識してそうな特徴ではありそうだが。
「食べられるかな」
「腹壊しそうだよな。それより、こいつをどっかの動物園とかに売り飛ばして金に換えたほうがいいんじゃね?」
ベッキー(恭介がポチポチやってる間に玲や姫子を中心になって考えたレベッカに対するアダ名)に対する質問が怒涛のごとく続いてる隙に、くるみが影の薄さ(自覚なし)を利用しウサギの耳を掴み恭介のとこまで持ってきた。
「持ってみる?」
「あぁ…………ホントにウサギなのかこれ?」
ハイ、と差し出され反射的に耳を掴み受け取る恭介。顔の前にウサギを持ってきジーっと見つめ始める。
このウサギの目を見てるとなぜか無性に殴りたくなってる衝動が湧き上がって着ているようだが、なんとか抑え目の前の白い物体を観察する。
その間にくるみはベッキーに生まれたのはアメリカなのか日本なのかとハーフに関する質問をしていた。なんとも普通の質問である。
「お前……ウサギなの?」
目の前のウサギに聞いたつもりはなく、無意識のうちに発したのだろう。眉を潜めて見れば見るほどこれがウサギに見えなくなってきているようだった。
「ハイ……ですからそろそろ離していただけませんか?」
「……!?」
キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!
まさか、言葉を話すウサギだとは思わず心の底で叫び、思わず手を離してしまう。
ウサギは急に落とされたので、尻もちを付いたものの特に気にせず哀愁ただよう背中を恭介に見せ、テクテクとベッキーの元に戻っていった。
まさかの出来事にウサギが去っていった方向を呆然と見つめていた。
周囲はベッキーの質問に白熱しすぎ、他のクラスから苦情が出そうなほどやかましくなっているためウサギが喋ったのを聞いたのは恭介だけだった。
「……ああいうウサギもいるんだな」
世界は広いと自己完結して、無理やり納得させスタミナを消費する作業に戻る恭介だった。
「さぁ!恭介、恭介の出番だよ!」
「ん……?」
スタミナ消費を終えた恭介はぽよドラからアイドルを育成してアイドルと仲良くなるゲームにシフトして、またまたスタミナ消費をする作業に勤しんでいるとくるみが机をバンと叩き正面から詰め寄っていた。
「なんだ揃いも揃って……」
恭介が顔を上げるとくるみの他に玲、姫子、都、6号さんといった一条さんを除いた1-C主要人物がこっちに集まってきていた。
「あーいやね、「ベッキーをカーテンの魔の手から救って欲しいの!」……」
「……ベッキー?」
代表として玲が話そうとしたのだが、それよりも先に姫子が先行し遮る。
カーテンの件もそうだが、ベッキーが着任してからまるで話を聞いてなかった恭介はベッキーって何?と問題外の反応をしていた。
「ちょっと板垣君。また授業中に携帯なんてしてたの!?」
勉強命、一条さんよりも学級委員長をしている生真面目都は恭介がずっと携帯をいじくっていたことにご立腹なご様子。デコを光らせて詰め寄る。
「問題ないぞ上原。今は授業中じゃなくHR。何より俺は携帯ではなくゲームをしていたからだ!」
「なお悪いわ!」
「あ~俺のけーたーい」
キリっ言ってみたが、余計に都の怒りを煽っただけだった。そんでもって未だにピコピコやっていたら、くるみに携帯を没収される。
携帯を取り戻そうとくるみに向かって座ったままで携帯に手を伸ばしていたが、立ち上がる様子は見せないので本気で取り戻す気はないようだ。
「はぁ……んで?俺になんか用?用がなければ俺さっさとスタミナ消費したいんだけど。てかベッキーって何?」
「お前……もしかしてベッキーが来たことすら気づかなかったのか?いいか、べ「おぉ!くるみちゃん!恭介君のこのデータオメガすごいよ!Sレアアイドルがいっぱい!」…………」
「え、なになに。これってそんなすごいの?」
「わぁ……かわいい女の子がいっぱいです」
「すごいのなんの!アタシもこれやってるけどアタシが見てきた中でオメガやばいよ!」
「へぇ……板垣君ってこういうゲームやるのね」
「巫女、水着、ウェディングドレス、メイド……こういうのが趣味なのですね」
「おい、橘。要件って俺の趣味嗜好を暴きに来ただけなの?辱めにきただけなの?おい、くるみさっさと返せやこのやろー」
またもや玲が説明する前に絶妙すぎるタイミングで姫子が遮る。
姫子がくるみの手元を覗きこんで、ゲーム画面を見ると頭上のアホ毛がピコピコ反応しだし興奮したように語りだす。
ぽよドラならそれなりにわかっているくるみだがこのゲームについてはまったく知らないくるみは何がすごいのか、姫子の説明じゃまったくわからない。わかるはずもなかったがゲーム好きの姫子がここまで豪語するってことはかなりやり込んでいることはわかった。
6号さんもゲームのことは何一つわからなかったが、画面に出ているアイドル(主に服装)を見て興味深そうに覗きこんでいた。
都は都で注意していた側だったが、どんなゲームをするのかなんとなく気になっていたので皆に習って除く。
一条さんに至っては……メモっていた。
さすがにこれは恭介も恥ずかしく……いや、それよりも怒りが勝っていた。さすがに今度ばかりは女子が反応できないような速度でくるみから携帯を奪取する。
「あぁいや、そういうわけじゃないんだ。スマン。…………アイドルねぇ」
「おいこら、その目はなんだ」
謝罪を入れつつ、こっちに来てくれと手招きをする玲についていくことにした恭介だが……玲に心底どうでもいい趣味してるなーと言わんばかりの視線を向けられ、青筋が立ち始める。
「HR中とはいえ、好き勝手にゲームなんかしてるお前が悪いだろ?」
「ぐっ……ここぞとばかりに正論いいやがって」
「で…だ。板垣に何とかして欲しいのはアレだ」
この女に口で勝つ可能性はイーブン。いや、それよりも低い。分が悪いと悟った恭介は苦虫を噛み潰したような表情になる。
数秒して案内された先には―――――
「ベーーーッ!」
束ねたカーテンに隠れ、玲に向かって思いっきりあっかんべーをするちびっ子先生がいた。
「……どゆこと?」
まるで状況を掴めない恭介は説明を求めるように後ろを振り返る。
「見ての通りだ」
「見てわけんねーから聞いてんだよ。つか誰なの?」
「ベッキーだよ!ちっちゃくて金髪でちびっ子先生でかわいいの!」
「意味2つ被ってるし……で、ベッキーってこの子の名前でいいのか?」
「はーい、姫子はちょーっとこっちにこようね~?」
くるみと都に両腕を取られ、離れた場所にと連行される。
マ゛ーという叫び声が聞こえたが誰も気にしなかった。
「いーや、ベッキーはあだ名だ。本名はレベッカ・宮本らしい」
「博士号を持っていて、MITを卒業しているすっごい先生らしいです!」
「10歳なのに先生……らしいです」
「お前ら……はっきりしなさすぎだろ。てか一条の言うとおりホントに先生なの?うちのクラスの?」
前情報はすでにじじぃ先生から聞いているのに、現実離れしすぎてる展開により玲、6号さん、一条さんの回答ははっきりしてなかった。
「そうだ」
「マジで?」
「マジだ」
「……前の先生は?」
「○○○○○○○で辞めたそうだ」
「そうか」
伏せ字になってしまうほど衝撃的な言葉が玲から発せられたが恭介は特に動揺していなかった。
ただ単に気にするだけ無駄と悟っただけなのだが、その反応を見て6号さんはもしかしたら板垣君は○○先生がやめた理由を本当は知っているんじゃないでしょうかと考えていた。
「……で、具体的に俺は何をすりゃいいの?」
完全にカーテンを盾にし隠れているベッキー……いや、カーテンを改めて見る恭介だが結局のところ何をしてもらいたいのか聞かされていない。
「先生に出席をとってもらえるように何とかして欲しいんだ」
「いや、できればどうやりゃいいかも教えて欲しいんだが……てか、なんで俺が?」
「色々手は尽くしたんだけどねぇ。くるみが板垣ならなんとかしてくれるって言ってたんだよ」
「は?あいつが?」
何をどう考えたら俺ならなんとかなるって考えに至ったんだあいつは?と考えていると
「そう!だってロリコンの恭介ならベッキーを救い出してくれるっ」
「地味から空気に格下げされたいか?あぁん!?」
「いふぁいいふぁい!ふぉおをひっははないへ~!」
姫子を連行しに行ったくるみがこっちに戻ってバーン!と存在をアピールしに戻ってきた……が、ロリコンと言われた恭介は怒りを隠さずに、くるみの両頬を思いっきり引っ張る。
「まぁ、そう怒るなってロリコン」
「そうよ、ロリコンでも手を出さなきゃ大丈夫だって」
「板垣さんがロリコンでも私は板垣さんのお友達ですよ!」
「板垣さんはロリコン属性もお持ちなのですね」
「マホー!恭介君はオメガロリコンだー!」
「……プロローグにしていきなり変なキャラ付けされるってどういうことなの……俺はロリコンじゃないからね?」
「まぁまぁ、ロリコンでもいいじゃん。私は気にしないよ」
「俺が気にすんだよこの背景が!」
「は、背景!?私そこまで影薄くないし!!」
全員にロリコンよばわれされ、理不尽すぎる展開にメタ発言してしまう。しばらくくるみの相手はしてやらんと心に決めた恭介だった。
背景と言われたくるみはそこまで言われるとは思わなかったのか、ショックで体が透明になっていた。
「……一応なんとかやってみるがあんま過度な期待はすんなよ?後次ロリコンと言ったらぶっ飛ばす」
「はいはい。そいじゃ行ってきてくれ」
「やっぱりここはこのお団子でイチコ―――――」
「それはもういいって……」
ひらひらと手を振って見送る玲に、一条さんがさきほど使おうとしたイチコロするほど上手い団子(物理的に)をまた持っており玲に使わせようと差し出していた。
「……(にしても、いったいどうすりゃいいのやら……ようわからんけど、いじけてるちびっ子先生を立て直せってことかね)」
皆で作戦会議?してる間にベッキーのことを観察していた恭介はベッキーがたまにこちらの様子を伺おうとしカーテンの後ろから顔だけを出していたりしていた。
今は完全に姿を隠しているが、一度顔を出してきたらそこが勝負だと機会を伺うことにした。
「それにしても、板垣君どうやってベッキーを出す気なのかしら……」
「板垣は板垣で一条みたいに掴みにくいところがあるしな」
「きっと私と同じように美味しい食べ物でイチコロさせるんじゃないかと」
「「いや、それはない」」
「まー、あいつなんだかんだで小さい子には好かれる体質だからさ。なんとかなるんじゃない?」
「そうなんですか?」
「うん、兄貴の友達にベッキーと同い年くらいの妹がいるんだけど、その子とたまに遊ぶことがあったんだけど……すっごい人見知りする子なのよね」
「くるみの兄貴っていうと……A組の桃瀬修か」
「あれー?くるみちゃんにお兄さんっていたんだ!」
「姫子アンタ……くるみに兄がいることは一度聞いたでしょうが」
「マホ?そだっけ?」
「……で、話戻すけどアタシや兄貴にはその子とちゃんと話せるようになったのは何ヶ月もかかったんだけど……」
「―――――板垣にはすぐに心開いたってわけか」
「そ。まさか、出会った初日で仲良くなるとは思わなかったなぁ。その子の兄貴もめっちゃ驚いてたし」
「ということは板垣さんなら……」
「期待はできるってわけだな」
そんな事を後ろで話していると一度ベッキーが身を出してきた。
「ひうっ!?」
……が、目の前にいたのが玲でも姫子でも見たことない男子学生だったのでビビってまた隠れてしまう。
自分よりも小さいこどもに怖がられる。心にグサッとダメージを負ったが、恭介はめげずに一度しゃがむ。
「……」
今度はそーっとスライドするように左側半分まで出てくる。
恭介がお互いの目を合わせるまで高さを調整し、しゃがんだため恭介とベッキーの目と目が合う。
何も言わずに右手握りこぶしをベッキーの胸辺りに差し出し
「……?」
開く。ベッキーが確認するが手の上には何もない。
天才のベッキーでも目の前の男が何をしようとしているかわからず、後ろで見守っているギャラリー組も恭介が何をしでかそうとしてるのか予想がつかなかった。
ただ、幼馴染のくるみだけはひょっとしてアレをやるつもりなんじゃと予想はしていた。
で、今度は開いたままの拳を閉じる。じーっと恭介の手を見ているのを確認し腕を右に移動させる。
「……」
ベッキーの視線も右に移る。今度は腕を左に。
「……」
例のごとくベッキーの視線も(ry
やべ、ちょっと楽しいと思いこのまま続けていたいと思った恭介だが自重し元の位置に腕を戻す。
ベッキーの視線が腕に固定するのを確認し
「ドナルドマジック」
某教祖様の魔法名を唱え、握りこぶしを開くと手のひらの上にいちごだいふく(包装済み)が置いてあった。
「!?」
『!?』
目の前のベッキーはもちろんのこと、ギャラリー組もオメガ驚いていた。くるみだけはあー、やっぱりかー。恭介のそれ久しぶりに見たなーと頭に腕を組んでそんなことを言っていたが。
「え、なに?どうやったんだお前!?」
カーテンに半分隠れていたベッキーだが目の前で非科学的な減少を見せられ、興奮し飛び出てきた。
そんなベッキーに恭介は何も言わずベッキーの片手を大福を乗っけた手とは逆の手で取り。
「な、なんだよ!?先生だぞ!?」
急に手を取られ、玲の時みたいにまた虐められるんじゃないかと怯えるベッキーだったが恭介はこれ以上恐怖心を煽らないようにゆっくりとした動きでベッキーの手を開かせ、その上に両手で包み込むようにし大福を置いた。
そしてゆっくりと手を離す恭介。
「えっと……あの」
どうしていいかわからず、恭介と大福を見比べるベッキー。
「……た、食べてみて……いい?」
せっかくもらった?ため包装紙の上からでも漂ってくる甘い匂いに我慢できなかったご様子。
頬を赤くしつつ、尋ねてくるベッキーに恭介は無言で頷く。
……今のベッキーに心をやられた人が一名後ろで発狂してるが誰も気にしていなかった。
恭介に許可をもらい、ベッキーは待ちきれなかったようで急いで包装紙を取りはむっと一口かじる。
人はホントに美味しいものを食べる時は言葉が出なくなるという。今のベッキーもその通りに無我夢中で食べて……綺麗に完食。
見ているこっちが嬉しくなるくらいに笑顔になっていた。
「美味しかったか?」
「あぁ!こんな美味いお菓子は初めて食べたぞ!」
「そりゃよかった。……そういや、まだ名乗ってなかったな。俺は板垣恭介。先生の生徒やることになりました」
「板垣…恭介……恭介って呼んでいい?」
「おう。先生の好きに呼んでくれればいい」
「そ、そうか!私はレベッカ・宮本。恭介の先生だ!」
「みたいだな。……先生はすごいな。あのMITを卒業している上に高校教師をすることになるなんて」
「え、えへへ……はっ!す、すごいだろ!私は天才なんだ。そんな天才な私の元で勉強できるなんて光栄に思うんだぞっ」
「あぁ。先生には色々学ばせてもらうとするさ。まぁ、この学園に置いては俺の方が先輩だ。だから、何か困ったことがあれば俺に言うといい。できることなら先生の力になるさ」
「ほ、本当に……?いじめたりしない?」
「それは先生次第だなー。先生がちゃんと先生しなかったら怒るかもしれない。逆にちゃんと先生していればいじめることなんてないさ」
「そうか……よし!恭介さっそく出席を取るぞ!手伝ってくれ」
ズンズンと今までとは打って変わって意気揚々と教卓の前に進むベッキー。
「……これでいいのか?」
「あ、あぁ……想像以上の成果だったよ」
色々と凄まじすぎる光景を見て玲のメガネはズレ、珍獣を見るような目で恭介を見ていた。
「いやーやっぱ恭介に任せて正解だったね。ちょっとベッキーと仲良くなり過ぎな気もするけどやったね!」
「むー!アタシよりも先にベッキーの頭を撫でるなんて恭介君抜け駆けはずるいぞ!ベッキー!私にも撫でさせてー!!」
「みゃっ!?なにすんだよー!離せ先生だぞぉ!」
「まさか、板垣君にこんな才能があったなんてね……意外すぎるわ」
「板垣さんは小さい子供が大好きオブジーヤーなんですね!」
「おい鈴木。その言い方だとロリコンと言ってるようなもんだからやめろ」
「コラー!恭介以外はさっさと席に座れー!出席を取るんだぞ!」
恭介の周りを囲んで褒め称えたり?してると何時まで経っても席に座らない姫子たちに叫ぶベッキー。
……姫子に頬ずり&頭をナデナデされながら…だ。
もうちょっと話していたかったようだが、せっかくベッキーが教師をやめる!等と言い出さずにやる気になってくれたため全員が席に付く。
「あの……板垣さん」
「どうした一条。早く席に付かないと―――――」
「あの手品。どうやってやったのですか?」
「はい?」
今までにないくらに目をキラキラと輝かせている一条さんにこんな一条見たことないと今までの記憶を振り返る。
「どうやってって……いいか、一条?手品とかっていうのはだな、種も仕掛けもないっていうくらいであって―――――」
「すごい……!魔法みたいです!」
「……まぁ、間違ってはいないわな」
教祖様の技を使うんじゃなかったな……でもアレ一度やってみたかったんだよ。と己の浅はかなネーミングに後反省はしつつも後悔はしていない恭介であった。
「お願いします板垣さん、今度私に手品を教えてください」
「え!?……いや……俺人に教えれる程すげーわけじゃないs」
「何卒お願いします。師匠!」
「………………しょ、しょうがないな。今度暇な時にでも教えてやるよ」
頭をペコリと下げてご教授を願う一条さんに、咳払いをし満更でもない表情で約束する恭介。
……師匠と呼ばれたのが余程嬉しかったのだろうか。
「おい!学級委員は早く席につけ。恭介はさっさとこっちこーい!……この女をなんとかしろー!」
「ありがとうございます、板垣さん。約束。ですよ?」
小指を立てて一瞬だけだが、微笑む一条さんに。恭介は珍しくドキっとしてしまった。
一条の笑う姿ってもしかして、今見たのが初めてじゃねーか……とどこぞのギャルゲー主人公が思うような事を恭介も思っていた。
「……これからどうなるか楽しみだ」
誰にも聞こえないほどの声のボリュームで呟き、これからの学園生活がどうなっていくかを想像すると笑みが自然と浮かんでいった恭介だった。
「はぁ……結局あの男の人以外とはぼくをのこと認識してくれなかったなぁ……それにしてもお腹が空きました。もうかれこれ朝から何も口にしてないからなぁ……あっ!あんなところにお団子が……なんでこんなところに?……あれ、お皿の横になんか紙が……」
『よろしければ召し上がってください by 学級委員の一条です』
「あの人が……ありがたくいただきましょう……今度あったらお礼を言わないと。それではいただきます~」
過程は違っても、結果が同じ場合がある。
とゆうわけでプロローグでした。
ちなみにこのSSのベースですが、アニメと原作の混合でいくつもりです。
……続くかはわかりませんが。
設定に関しても混合する場合があるかもしれないです。
ex
原作 ベッキーはコロンビア大学取得
アニメ ベッキーはMIT卒業済
となってたり、ベホイミが原作では転校生。アニメverでは既に在籍。
……等、色々違う点があったりしますがご了承くださいませ。
ちなみにこのSSでのベッキーはアニメ版設定でいってます。