赤き旅人の巡る物語   作:morumo

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第1話 旅立ちの日

カントー地方の南に位置する村マサラタウンとその先に位置するトキワシティを繋ぐ1番道路。

 

「むぅ・・・」

 

1人の白衣を着た老人が左手にポケモンを捕まえるための道具モンスターボールを握りしめ、汗を垂らして・・・

 

「ラタ‼︎」

 

紫色の体に大きい前歯を持つねずみポケモン、コラッタと対面していた。

・・・ちなみにコラッタの全長は0.3mである

 

老人は数秒何もせずただ唸り声を上げると一つ息をつく。

 

「やりお「どこがだ‼︎」オブッ⁉︎」

 

老人の一言に間髪入れず癖っ毛の強そうな黒髪の黒いアンダーシャツを着た少年が老人の頭に拳を入れる。

 

「なんするんじゃ、レッド‼︎」

 

殴られた頭を抱えながら老人は自分に意味のない暴力をふるったと認識した少年・レッドに問いかける。

 

「なにするんじゃって・・・こないだ今日研究所に来るようにって約束したのに留守だと思ったらコラッタなんかに手こずって、なにしてるんですか?オーキド博士‼︎」

 

「コラッタなんかとはなんじゃ‼︎コラッタに失礼じゃろ‼︎」

 

「あーはいはい、スミマセン失言でした〜、で、約束を破ってなにやってるんですか?」

 

「見てわからんか‼︎コラッタをゲッ「それは約束を破ってまでしなければならないことですか?」・・・・」

 

あからさまに黙るオーキドにレッドは溜息を吐くとスッと目の前のコラッタに目をやるとその後オーキドの手に握られているモンスターボールを拝借する。

 

「借りま「それカラじゃよ」っ・・・て‼︎手持ちのポケモン持たずにここに来たんですか⁉︎危ないですよ⁉︎」

 

1番道路生息するポケモンは基本自ら人間を襲おうとしないが何かの拍子に怒りをかってしまった場合、たとえコラッタ一匹だろうが不用意に逃がしてコラッタの進化系であるラッタを呼ばれたりなどして更に群れまで呼ばれたりなどしたら人間単体では対処できない状況に追い込まれてしまう。

その為に手持ちのポケモンで倒すか捕まえるか逃げるなどしてその場から離れるなどしなければならない。

なのでこの世界では『ポケモンを持っていなければ草むらに入ってはいけない』という暗黙のルールがある。

 

「そのルールを世界権威の博士が破ってどうするんですか・・・」

 

「いや‼︎持っておるよ⁉︎一匹‼︎」

 

スッとオーキドが腰に装着しているベルトから一つのボールをレッドに見せる。

レッドはそれを受け取ると、開閉ボタンを一回押しサイズを大きくすると中身に存在するポケモンを確認する。

 

「なんで使わないんですか・・・」

 

持ってるのに・・・と少し呆れた視線をオーキドに向けるが、それがどういう理由であれ自分がこのポケモンを使うのは変わらないので直ぐにコラッタに視線を移す。

 

「まぁいいや。頼むぞ‼︎」

 

モンスターボールの開閉ボタンを再び押して投げる、すると空中でボールが開き中から光の塊がコラッタの目の前に落ち、モンスターボールはレッドの右手に返ってくる。

地面に着地した光の塊が徐々に整っていき最後に弾け飛び中にいたポケモンが姿を現わす。

 

「カゲ‼︎」

 

中から現れたのは、橙色の体に大きな瞳、そして長い尻尾の先に灯る炎が特徴のとかげポケモン『ヒトカゲ』

 

「いけ‼︎ヒトカゲ‼︎」

 

「カゲ‼︎」

 

レッドの指示でヒトカゲがコラッタに向かって走り出すと同時にコラッタは体を強張らせ臨戦態勢に入る

 

ーさぁ、まずは

 

レッドは考えていた。

ヒトカゲとは今あったばかりでどれくらいの力量(レベル)なのか、どんな技を使えるのかを全く知らない。

レッドはポケモンバトルにおいて出来るだけポケモンを傷付けず楽しく戦わせるような指示を出すのがポケモントレーナーの義務であると思っている。

その為、このような小さなポケモンバトルにおいてもそれを意識していた。

 

「“ひっかく”だ‼︎」

 

ヒトカゲが小さい体を大きく右側にひねりコラッタに向けて指示された技を放つ。

コラッタは背後にジャンプし避けようとしたがほぼモロに攻撃を受ける。

 

コラッタはそのまま空中に投げ出され地面に激突、立ち上がるもその足取りはさっきよりも大分不安定だ。

 

ー思ったよりダメージが大きいな・・・なら・・・

 

「ヒトカゲ‼︎“ひのこ”だ‼︎」

 

レッドはヒトカゲに先程とは別の技を指示する。

そしてヒトカゲは

 

「・・・・・」

 

沈黙

 

「・・・・・」

 

レッドも沈黙

 

「・・・・カゲェェ・・」

 

そしてヒトカゲ涙目でレッドに振り返る。

 

「あぁぁぁぁぁ⁉︎ごめん⁉︎ごめん⁉︎」

 

ー“ひのこ”が使えないヒトカゲにあれ程のダメージをもらうっていう事はあのコラッタの力量(レベル)はそんなに高くないっていうことか・・・

 

ーそれにしても炎タイプにとって炎が出せないことはよっぽど辛いのか・・・・1つ勉強になった・・・かな?

 

「ヒトカゲ‼︎突っ込んでとにかく連続で“ひっかく”だ‼︎」

 

「カゲ‼︎」

 

ヒトカゲがさっきと同じようにコラッタに迫りひっかくを連続で放つがコラッタはバックステップで次々とかわしていく、ヒトカゲの“ひっかく”は先程とは違い()()()という指示が出ている為前ほどの腰の捻りによるタメはないが次々に放たれるせいでコラッタは反撃出来ずに避けることしかできていない。

 

ー力押しだけど・・・ここは森の中・・・

 

バックステップで避けていくコラッタだが不意に何かにぶつかる。

 

コラッタは思わず背後を見る。そこには大きな木、そして目の前には怯んだ隙に最初の一撃と同じように大きく体を捻っているヒトカゲ。

 

ー障害物ならいっぱいあるんだよ‼︎

 

ヒトカゲの渾身の“ひっかく”が今度はほぼとは言わず完璧にコラッタの急所にヒットする。コラッタはもう一度木に強く激突しそのまま前のめりに倒れる。

 

「今だっ‼︎」

 

レッドは先程間違えて拝借したモンスターボールをコラッタに投げる。

ボールはコラッタの頭部にぶつかると開き、ヒトカゲがボールから出た時に纏っていたものと同じ光が出てきてコラッタを包み込むとボールの中に吸い込まれボールが閉じて地面に落下する。

3回ほど揺れた後、カチッという音とともにボールが静止する。

 

「よっしゃ‼︎コラッタゲット‼︎」

 

レッドはガッツポーズを作ると直ぐに駆け足でボールを取りに行く。

実はレッドは普通にバトルしてポケモンをゲットしたのはこれが初めてだ。

子供は10歳までトレーナーズスクールに通ってポケモンの事などや基本的な倫理や道徳などを学ぶ、その際にポケモンのくりだし方や捕獲の仕方を学んだ時は

 

『くりだす時はボールは戻って来るようにしてるのになんで捕まえた後は戻って来るようにしないんだろう?取りに行くなんて面倒くさいことしなくていいのに。』

 

と疑問に思ったが初めて普通にバトルしてポケモンを捕まえてみた今、そんな疑問を抱いた自分が馬鹿らしく感じる。

 

ー取りに行くまでゲットした後の高揚感が続くからいいんじゃないか‼︎

 

コラッタなんかといって少し馬鹿にしていたが今自分はとてもこの感動を与えてくれたコラッタに感謝してる、

同時にオーキド博士に対しても約束を破った事はどうかと思うがこの感動のきっかけを作ってくれた事を考えれば許してやろう。

 

ニヤニヤと子供らしい年相応の笑みを浮かべて戻ってきたレッドに、オーキドは笑みをこぼすと

 

「研究所に戻ろうか。レッド、そこで大切な話があるんじゃ」

「?」

 

 

 

 

 

 

ーオーキド研究所ー

マサラタウンの離れに位置しており広大な土地を持っているが殆どはポケモン放牧用の庭で、研究所は世界で最も有名な研究者のものとは思えないくらい古びている。

孫娘であるナナミさんに『流石に建て替えたら?』といわれているが断固として拒否している、でも最近話によると先輩の研究者にこの研究所のボロさで怒られて決意が揺らいでいるらしい。

・・ちょくちょく博士の話に登場する先輩ってどんな人なんだろう・・・

まぁそんなことはおいておいて。

 

「で、大事な話って何ですか?」

 

大事な話をする為に結んだ約束を博士自身が破ったのはどうかと思うが

 

「お前にわしの研究の手伝いを「いやです」おぉう・・・即答ぅ・・・」

 

「ナナミさんと違って俺は進学してませんから博士のやってる研究なんて全くわかりませんよ。」

 

ナナミさんは俺より2つ年上でトレーナーズスクールの義務教育終了後も勉強を続け、専門知識を学んでいてその勉強の合間に博士の研究の手伝いをしている。

 

博士のレポートを見ても正直難しい言葉とか数値だらけで全く何書いてあるかわからなかった。

 

「いや、研究の手伝いとは言ったものの内容はいわゆるフィールドワークみたいなものじゃよ、あー、もう実物を見せたほうがいいか」

 

すると博士は自分の仕事用のデスクの金庫から何かを取り出してきた。

 

「これじゃよ。」

 

「これは・・・?」

 

博士が見せてきたのは手のひらサイズの赤い機械だった。

 

「ポケモン図鑑と言ってポケモンの生態や生息地などを記録するハイテクな機械じゃ。レッドにはこれを完成させて欲しいんじゃ。」

 

「・・・・ドユコト?」

 

どうやって完成させるの?。

俺は何をすればいいの?。

そしてそれをやる事に俺にメリットはあるの?。

 

博士は俺の顔を見て、そんな俺の疑問を感じ取ったのか視線を俺から外して少し考えると再び視線を俺に戻して

 

「わかりやすいように簡単に言うと・・・この地方を旅してすべてのポケモンを捕獲して欲しいという事じゃ」

 

「わかりやすい説明どうもありがとうございます」

 

流石博士、俺が子供の頃からずっと面倒見ててくれただけあって俺の考えている事をわかってくれている。・・・メリットについての話はまだかな〜♪

 

「受けてくれるか?」

 

・・・そんな話はしないようだ。まだまだ読みが甘いぞ〜オーキド博士よ。

まぁでも『この村から外に出る』事が十分なメリットなんだけとね。

 

「えぇ、もちろん‼︎」

 

「旅をする為には必要なものが3つある。

一つ目は、最低限の知識とマナー

二つ目は、ポケモン

三つ目は、気合いと根性 じゃ」

 

「最後は精神論ですか・・・」

 

「これは昔ワシがバリバリのポケモントレーナーとして旅に出た時の経験から基づくものじゃ、これでもワシはポケモンバトルの最高峰であるポケモンリーグで優勝した事があるんじゃよ‼︎そんなワシがいう事じゃ信用してくれて構わん‼︎」

 

確かに博士は第何回目か忘れたけど確かにポケモンリーグで優勝している。というか博士の家にその時のトロフィーと写真が飾ってあった。その後、各方面からスカウトがきたそうだがその全てを蹴って研究者の道に進んだそうだ。だけど・・・

 

「今じゃコラッタもロクに捕まえられない人の経験談に基づいてもな・・・」

 

「おぉふ⁉︎」

 

「なんか・・・そこまで衰えたかと思うと・・・歳をとるって虚しいですね。」

 

「はぐぅ⁉︎」

 

正直、そんな事を聞くとコラッタの件が本当に信じられない。あのヒトカゲだって確かに力量(レベル)はそこまでだったかもしれないけど、コラッタに苦戦するはずがって・・・そういえば博士ヒトカゲのモンスターボールを持たずに空のモンスターボールを構えてたよな・・・

なんで博士はヒトカゲを使おうとしなかったんだ?

 

「あ、あー・・・まぁ、そんなことはおいといて・・・この三つの中でお前に足りないものは一つ‼︎ポケモンだ‼︎」

 

「・・・・・」

 

レッドは思わず無言になる。

 

「あっすまん、不謹慎じゃった・・・・・」

 

「いや、構いませんよ。確かにポケモンは足りませんよ。手持ちは6匹までOKなんですから。」

 

ポケモン協会は人が一気に持ち込めるポケモンの数を6匹と決定している。理由は簡単だが人が満遍なく愛情を込められるポケモンの数は6匹だとオーキドによって科学的に証明されたからだ。

 

その為、ポケモンリーグなどのポケモンバトルにおいては昔はキリの良い5匹によるバトルだったが、今では6匹となっている。

しかしそれによって6匹以上のポケモンを持ち歩いているトレーナーは嫌悪されるようになった。

その事についてオーキドとしてはそこまで影響が出るとは思わなかっため少々頭を悩ませる結果となってしまった。

 

「そうじゃのだからレッドにワシから1匹ポケモンを与えようと思う。」

 

スッとオーキドは腰のモンスターボールをレッドに差し出す。

 

「これって・・・さっきのヒトカゲのモンスターボール」

 

すると博士はニッコリ笑みを浮かべて

 

「元々、そのヒトカゲはお前に与えるつもりだったんじゃが、ちょっとトラブルが起こっての・・・」

 

「あぁっ‼︎・・・ありがとうございます‼︎‼︎」

 

レッドは早速モンスターボールの開閉スイッチを押して真上にモンスターボールを投げる

とそこから飛び出したのは先程レッドと共にコラッタを捕獲したヒトカゲだ。

 

「カゲ‼︎」

 

ヒトカゲはそのままレッドの腕の中に包み込まれる、その顔には満面の笑みが浮かんでいる。

 

「おぉっ‼︎本当にありがとうございます‼︎」

 

「喜んで貰えて何よりなんじゃが・・・ちょいとさっき言ったトラブルの件で頼みがあるんじゃ。」

 

ポリポリと右手の人差し指で頬を掻きながらそう話すオーキド

 

「何ですか?」

 

「実は、ヒトカゲ以外にもう2匹用意しとっての、その中から1匹を選んで貰おうと思ってたんじゃ。」

 

ん?何か嫌な予感がする

 

「ナナミに弟がおることは知っておるよな。」

 

「はぁ、確かジョウト地方でポケモン留学をしているんですよね。」

 

ジョウト地方とはカントー地方を西に言った先にある地方で気候が少し違うせいで生息しているポケモンが違うらしい。

そこでオーキド博士の孫息子、ナナミさんの弟はポケモンバトルの為の学校に通っているらしい。

確か、俺と同い年らしい。

 

「そう、そして昨日孫息子が留学から帰ってきての、その祝いとして3匹の中から1匹、ゼニガメを与えたんじゃ。」

 

「別にいいことじゃないですか。」

 

自分の孫にプレゼントをすることは別におかしなことでも理不尽な事でもないし、俺はポケモンをもらえることがとても嬉しいし、選択肢が減ったくらいでグチグチ言うような小さい人間でもないし、何より俺はヒトカゲで十分満足している。

 

「そう、カントーを旅するとも言っておったからついでにこのポケモン図鑑も預けれたおかげでワシの研究にも役立つから良かったんじゃが、問題は次での。」

 

「どうしたんですか?」

 

「残った2匹の中の1匹、フシギダネが逃げてしまったんじゃ。」

 

「・・・・・」

 

レッドは沈黙・・・

 

「・・・・・」

 

・・・いや・・・これは・・・・

 

「なぁぁぁにぃぃいやぁってぇんのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ⁉︎⁉︎」

 

嵐の前の静けさだった。

 

「いや、ちょっと間違えてボールを開けてしまっての、慌ててるうちに・・・テヘ☆」

 

カチンッ‼︎

 

「ヒトカゲ・・・“ひっかく”」

 

「カゲー‼︎」

 

レッドの指示に従いヒトカゲがレッドの腕から飛び降りオーキドに向かって指示された技の構えをとる。

 

「うぁぁぁぁっ⁉︎スマンスマン⁉︎」

 

オーキドはすぐに背後のデスクの隣にある本棚の後ろに隠れる。

 

「何が『テヘ☆』だ‼︎それどころじゃすまされないだろぉぉぉ⁉︎」

 

「本当にすまん‼︎だからもし見つけたらすぐに捕獲して欲しいんじゃ‼︎フシギダネのモンスターボールは渡しておく。」

 

オーキドは恐る恐る自分のデスクを本棚の後ろに隠れたまま探ってモンスターボールをレッドに差し出す。

レッドはそんな情けない姿を見せる世界的権威を持つ研究者に溜息を吐き

 

「わかったよ。」

 

と言ってまだ“ひっかく”の構えをとっていたヒトカゲに静止の合図を送ってフシギダネのモンスターボールを受け取る。

するともう攻撃されないと悟ったオーキドはホッと息を吐いて元の場所へ戻って来る。

 

「それで、出発はいつにするんじゃ?」

 

「今から行こうと思います。」

 

「今から⁉︎」

 

オーキドの上ずった声が研究所内に響く。

 

「何をそんなに驚いているんですか?」

 

「いや、旅立ちを祝って今夜ご馳走でもと思っていたんじゃが・・・」

 

「そんなのいいですよ。別に戻ってきますし。」

 

レッドは今どうしても外の世界に早く踏み出したかった。

自分の目で世界を見て、色々な出会いをして、色々な事を知りたい。

この旅にはそんな事が沢山待ってる。そう思うだけでじっとしている事は不可能だった。

そして旅を続けていく事で・・・・

 

「そうか、じゃあ家に寄ってくれんかの。ナナミが用があるみたいじゃ。」

 

「わかりました。じゃあ、行ってきます。」

 

 

 

 

 

 

ーオーキドの家ー

 

オーキド博士とその孫娘ナナミの家は研究所みたいに古びてはいないが、ここカントーの田舎町であるマサラタウンにふさわしいような風情のある家だ。

 

「レッド君‼︎来てくれたのね‼︎」

 

この人がオーキド博士の孫娘ナナミさん、焦げ茶色の髪の毛を七三に分けて腰まで伸ばしている、正直2つ以上年上なんじゃないかと疑うくらい大人っぽく・・・・・

い・・い・・色っぽい///

ナナミさんは俺を部屋の中へと案内してくれると

 

「これ、レッド君に似合うと思って、旅立ちのお祝いに」

 

クローゼットの中から赤い帽子と、赤色のジャケットとそして黄色の大きいリュックサックを取り出してレッドに渡す。

 

「あ、ありがとうございます‼︎」

 

「こら‼︎」

 

「ふぁいっ⁉︎///」

 

ナナミがレッドの顔を覗き込む。

その距離の近さに思わずレッドの顔も赤く染まる。

 

「確かに私の方が年上だけど、いつも言ってるでしょ?敬語で話すような関係じゃないって」

 

そう、俺は4歳の時に両親が事故で行方不明になりその時から両親と仲の良かったオーキド博士に引き取られ一緒に暮らしていたんだトレーナーズスクールに通っていた去年まで。

 

「あぁ////・・・いや////、でもぉ//////」

 

暮らさなくなった理由は見ての通りこういうことです///・・・

 

「ふふっ、まぁいいわ。早速着てみて」

 

「ふぇっ⁉︎着る///」

 

ーこれを着るってことはここで脱ぐってことであぁううぁぁあ☆¥$%////・・・・

 

スッと黒のアンダーシャツに手をかけたレッドを見てナナミが慌てて止めにかかる。

 

「レッド君⁉︎アンダーシャツの上から着るの‼︎それは‼︎」

 

今までの人生において最も恥ずかしい出来事でした。 ーby REDー

 

着替え終わった後のレッドの姿は帽子によって右側だけツンツン尖っていた癖毛の黒髪が潰れることによって、やんちゃそうな雰囲気が少し落ち着き、ほんの少しクールな雰囲気を醸し出している。

 

「帽子かぶるだけで、結構雰囲気変わったね。いいよ。すごくカッコいいよ‼︎レッド君」

 

「そ、そうですか///」

 

カッコいいって‼︎

カッコいいだって‼︎〜〜〜〜〜〜ヒャッフゥー‼︎‼︎‼︎

惚れてもいいんだぜ‼︎ナナミさん‼︎

 

「ちゃんと中も用意してあるから、気をつけてね。」

 

「はい‼︎」

 

カッコいいと言われたことがとても嬉しかったのだろうレッドの顔は帽子によって生み出されたクールな雰囲気を完全に消す程のやんちゃそうな笑みを浮かべていた。

 

「そういえば、どんなポケモンをおじいちゃんから貰ったの?」

 

「よし、出てこい。ヒッポ‼︎‼︎」

 

レッドはボールを投げずに開閉スイッチを押すだけでヒトカゲを繰り出した。

 

「ヒトカゲね、ニックネームつけたんだ。」

 

「ヒトカゲっていうのは種族名ですから・・・火が灯っている尻尾が印象的だったんで『ヒッポ』てつけました。」

 

「カゲ‼︎」

 

「いい名前ね、フフフッ‼︎」

 

何故かいきなり笑みをこぼし出すナナミ。

 

「何か可笑しいですか?」

 

「いや、違うの。初めてレッド君がポケモンをゲットした時のことを思い出して・・・フフフッ、レッド君あの時と同じ顔してるんだもん」

 

ナナミになんか子供っぽいねと思われたと感じ取ったレッドはさっきカッコいいと言われた所為もあってムスーッと拗ねる。

 

「・・・あの子は連れて行くの?」

 

ナナミのいうあの子がヒッポを指していないことはわかっている。

レッドは膨れっ面から少し悲しげな笑みを浮かべながら話し出す。

 

「はい、一緒に旅をして・・・知らない外の世界を見ることで、外に出てきてくれるかもしれないから。」

 

ナナミもレッドと同じような笑みをこぼす。

 

「気をつけてね、あいつらもこないだ自分達で旅に出たらしいから」

 

「大丈夫ですよ。俺は強くなりますから、守れなかったものを今度は守れる強さを身につけますから、それは一緒に旅をしてくれるポケモン達の為でもあるし、俺の夢の為でもあります。」

 

ナナミが少し驚いたような表情をレッドに向ける。

今までレッドと過ごしてきた中で見たこともない・・・一言で言うと自分の中の慈愛に満ちた眼差しを眼差しじゃなく表情で表しているような。

 

「レ、レッド君の夢はなんなのかな?」

 

ナナミはレッドに見とれていると気付くとすぐに頭をふると、レッドにその事は気付かれていないのに取り繕うように言葉を発した。

 

それが一番の謎を生み出すとは知らずに・・・・・・

 

「命の恩人を捕まえる事です。」




RED
捕まえたポケモン 2匹
手持ちのポケモン
NEW ヒッポ(ヒトカゲ♂)
⁇⁇⁇(⁇⁇⁇⁇)

ちなみにレッドの服装は赤緑のもので髪型はポケスペのレッドのツンツン頭を落ち着かせた感じでポケスペのレッドと違って帽子を浮かせずキチンと被っています
年齢は11歳です
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