・・・読んで下さればわかると思います・・・。
「たのもー‼︎‼︎‼︎」
大声をあげて俺はハナダジムの扉を開ける。
そして俺の背後には耳を押さえつけているブルーとナナミさんの姿が・・・ナナミさんごめんなさい。
「・・・それ毎回やるの?」
「これは俺なりの気合いの入れ方なんだよ。しまるだろ?」
「・・・逆に鼓膜が開ききっちゃいそうよ」
うんうん、やっぱりこいつとは合わない。
・・・さっきの言葉は何かの間違いだ、うん間違い。
俺がこいつに恋愛感情を抱くはずはない。
俺が先程ポケモンセンターの一室での発言を思い返しながら次からは自らの変なノリで誤解を招くような発言をしないと自分の心に深く誓ったところで
「来たわね、巨乳好きの変態とその彼女」
「それもういいから⁉︎勘弁してくれよ⁉︎⁉︎しかも彼女って⁉︎ナナミさん見に来てくれてるんだから誤解を招くような事を言わないでくれ‼︎‼︎」
「か、カノジョ・・・カノ・・」
「ほら⁉︎ブルーが彼女扱いされたショックで壊れたじゃないか⁉︎⁉︎」
(レッド君、それ逆だと思うんだけど・・・)
「あれ?もう1人いるじゃない・・・二股?」
「違うから、もうお前黙れ。」
俺の視線の先にいる、オレンジの髪を1つに束ねた貧乳娘はハナダジムジムリーダー・カスミ。
通称
おてんば人魚カスミ(笑)
「・・・今すごくバカにされた気がしたのは気のせいかしら?」
「プッ自意識過剰(笑)」
「バカにしてるのはわかった、ちょっとこっち来い、人魚を怒らせるとどうなるかあんたの身体に直接味あわせてあげる」
「自分のこと人魚って・・・(笑)
ぶりっ子もいいとこだよな(笑)」
「お、ま、えェェェェェェェェェ‼︎‼︎」
「ブルーもそう思うよな。」
「まぁ・・・少し痛いわね」
「あんたもそっち側か‼︎‼︎」
俺とブルーを敵に回したお前にもう勝ち目はねぇ・・・口でもバトルでもな(-_☆)キラーン
「さあ、茶番もこれくらいにしてさっさとジム戦を始めようや、ぶりっ子カスミ‼︎」
「潰す・・・!絶対に潰してやる・・・‼︎」
カスミを煽ったところでまずは俺は玄関を進んですぐに設置してあるエントリーボックスにポケモン図鑑をかざし、ジム戦に使用するポケモンと技を入力する。
RED AGE 11
BADGE 1
ENTRY COMPLETE
「エントリーボックスに表示されていたと思うけど使用ポケモンは2体!いいわね?
そしてバトルフィールドは・・・」
「もう見えてるよ。」
俺の目の前にあるバトルフィールドであるそれはバトルフィールドよりもプールといったほうがいいのではないかというほどのものだ。
水タイプを
唯一の救いは全てが水に埋め尽くされているんじゃなくて所々に水ポケモン以外のポケモンの足場となるシマが設置されている事だろう。
これなら俺のポケモン達が高速で動く分には大丈夫だろうが・・・
(死角が多すぎるな)
水中に潜って戦うであろう相手のポケモンに対してシマの上にいると360度どこから攻撃されるかわからない。
プールの水深も深い分相手のポケモンが移動した時の波を見て判断するのも難しい。
(相手を水中に潜らせないかが重要だな)
「これより!マサラタウンのレッドとジムリーダー・カスミのジム戦を行います。それでは・・・」
審判の掛け声とともにスッとレッドとカスミがモンスターボールを構える。
「バトルスタート‼︎」
「ピカチュー‼︎」
「ヒトデマン‼︎」
レッドが繰り出したのは水タイプに相性のいいポケモンであり相棒のピカチュー。
対してカスミが繰り出したのは星型の形をした黄色いボディの中心に赤く光る
「レッドの選抜はやっぱりピカチューね。」
「ピカチューなら相性もいいし相手の様子を見るのにも最適だからでしょうね。」
観客席でブルーとナナミはレッドのバトルを眺める。
「何よりピカチューは電気タイプ、水は電気をよく通すからヒトデマンは水に潜ることは出来ない。」
「水タイプに有利なこのフィールドが逆に不利な状況を作り出しているわけですね。」
「まぁ、相手も自分のバトルフィールドで対策していないわけがないでしょうけどね。」
「ピカチュー‼︎“でんきショック”‼︎」
ピカチューの体から鋭く尖った電気の槍がヒトデマンに向かって放たれる。
「水面に向かって“みずのはどう”‼︎」
コォォッとヒトデマンのコアに水の塊が現れそれを水面に向かって放つ、すると水が弾けとび水の壁となって襲ってくる電気の槍を水中へと放電させた。
「⁉︎」
「電気は抵抗の少ないものに流れようとする、だから自分より抵抗の少ないものでカバーすれば何も怖くないのよ‼︎」
ー電気の性質を利用した防御ってことか・・・だけど
「どちらにしろ水中に潜れないのは変わらねぇ‼︎突っ込めピカチュー‼︎」
ピカチューがヒトデマンとの距離を詰めんと高速でシマを移動する。
ー水を使ってのガードはピカチューとの距離があってこそできる技、接近戦に持ち込めばヒトデマンに電気技を防ぐすべはない‼︎
「それが狙いだって気付かないの‼︎ヒトデマン“あやしいひかり”‼︎」
「何⁉︎」
ピカチューが次のシマに乗りうつらんと飛び上がった瞬間“みずのはどう”と同じようにコアから放たれたその名のとおりあやしいひかりがピカチューの目の前に来ると一気に弾け飛んだ。
「しまった・・・⁉︎ピカチュー‼︎大丈夫か⁉︎」
“あやしいひかり”はポケモンを混乱状態にする技、混乱状態に陥ったポケモンはトレーナーの声が届かなくなり、最悪我を忘れて自らを攻撃するという自滅行為を行なってしまうのだが・・・
「・・・・・」
攻撃を受け、シマを着地した瞬間からピカチューはじっとして動かない。
「ピカチュー‼︎大丈夫か⁉︎」
もう一度レッドが声をかける。
「・・・・」スッ
「おぉ!」
ピカチューはレッドの声に応えるかのように右手を上にあげた。
「さすがピカチュー‼︎ダテに普通のピカチュウやってないぜ‼︎」
「ピカッチュ(;,;; ิ;;◞౪◟;; ิ;)) 」
「アウトぉぉぉぉぉ‼︎‼︎顔アウトぉぉぉぉぉ‼︎」
ピカチューが振り向いた瞬間、レッドの目に見えたピカチュウとは思えない顔はレッドに人の限界を超えたスピードでモンスターボールにピカチューを戻すことを可能にさせた。
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
そしてピカチューのその顔はハナダジムに
「なんか・・・ごめんなさい」
「しょうがないよ・・・真剣勝負だし・・・。」
レッドは虚ろな目でカスミの謝罪に答える、レッドはこの時頭の中で今のピカチューの表情を必死に記憶から消そうと頑張っていた。
これを覚えていることがピカチューに悪いと思ったからである。
しかし忘れようと思えば思うほど記憶とは定着してしまうもの・・・人の脳はなんと不便なものなのか。
「ブルーちゃんはレッド君の2匹目はなんだと思う?」
「ヒッポですね。」
「?、水タイプが苦手なヒッポを?」
水タイプを苦手とする炎タイプのヒッポをこの戦闘において使用するのはこのバトルフィールドの都合も考えてないのではないかと普通なら考える、しかし
「確かにヒッポは水タイプが苦手です、だけどそれは『受け身』が苦手なだけで実は『攻め』に関してはピカチュー以外のポケモンよりも優秀なんです。」
「説明してくれるかしら?」
「ヒッポの使用する主な技は“ニトロチャージ”“つばめがえし”“りゅうのいかり”“えんまく”です、運がいいことにヒッポはバランスよくいろんなタイプの技を覚えているんです。」
「“えんまく”で相手の視界を奪いつつ“ニトロチャージ”で相手を攻撃し自分の素早さを上げほぼ確実に相手に命中する“つばめがえし”とフェアリータイプ以外のタイプ相性を無効化してダメージを与える“りゅうのいかり”で攻撃していく・・・この戦法で戦えばある程度のタイプ相性の不利も関係なく有利に戦うことができるんです。」
しかもジムなどの室内では外の風の影響などを受けないため“えんまく”がうまく機能しやすい。
しかし
「私は違うわね。」
「ナナミさんはなんだと思うんですか?」
「私はー」
ナナミが言葉を発しようとした時、我を取り戻したレッドが2体目のポケモンを繰り出そうとしていた。
「ドドラかしら♡」
「頼むぞ‼︎ドドラ‼︎」
出てきたのはナナミが予想した通りニドラン♂・ニックネーム・ドドラだった。
「⁉︎」
ブルーも驚いている。
確かにブルーの考えはタイプ相性を度返しした比較的柔軟な考えをしないと選択しないものだ、しかしブルーはポケモンの選択や柔軟な考えにおいてこの域にまで上り詰めていると思っていた。
「さっきね、ブルーちゃんが出て行った後少し話したの、そしたらレッド君もピカチューとヒッポで行くって言ってたわ。
だけどね、私少しアドバイスしたの。」
「・・・何をですか。」
ブルーが不機嫌になるのは最もだ、レッドの2匹目を聞く以前にナナミはレッドパーティー構成を知っていた、いや、誘導していたのだから
「それはちょっとまだ先かしら?
けど、レッド君がこの博打に乗ってくるとは思わなかったわ♡」
「ヘェ〜ヨカッタデスネ。」
「ドドラ‼︎“どくばり”を放ちながら近づくんだ‼︎」
「らっ‼︎」
紫色の針を放ちながら小さな体にある強力なバネを存分に利用してシマを次々に飛んでいく。
「ヒトデマン!プールに潜って‼︎」
「ヘアッ!」
ヒトデマンがプールの中に潜る、ドドラのどくばりはギリギリ届いていない。
レッドはクッと歯を食いしばる。
ーどうする⁉︎どうする⁉︎
この水深じゃ“どくばり”は届かない・・・
‼︎・・・そうだ‼︎
「ドドラ、集中しろ‼︎」
「らっ」
「ピカチューの時はフィールドの状況もあったけどジムリーダーとして弱点に対しての対策はしっかりしているというアピールをするためにわざと派手な方法で技を逃れた、けど今度は別に自分が得意なタイプでも苦手なタイプでもない、なら最善の手をとるはずだわ。・・・プールに潜るっていうね。
そうしたら・・・」
「“みずのはどう”‼︎」
パッとドドラの背後からヒトデマンがコアに水球を溜めて水中から姿を現した。
「“ふいうち”で攻撃するチャンスね」
「“ふいうち”‼︎」
「らっ‼︎」
「へがっ⁉︎」
ドドラの強烈な蹴りがヒトデマンの水球を潰し、水球の中の水エネルギーが逆方向に流れヒトデマンをプールサイドへと吹き飛ばす‼︎
「追撃だ‼︎“にどげり”‼︎‼︎」
レッドの指示を受けるとドドラは空中で一回転しその勢いを利用して空中から蹴りを放つ。
2回の大きな音と共にプールサイドの一部にヒビが入り、その勢いでプールが波打つ。
「“ふいうち”ですって⁉︎」
「ドドラ!連続で“にどげり”‼︎」
1回2回、3回4回、5回6回
合計3回の“にどげり”がヒット、一撃一撃の威力は先程の攻撃よりも低いが塵も積もれば山となる、相手に攻撃する暇がないうちにダメージを蓄積させる。
「相手はヒトデマン・・・ダメージを蓄積されたら・・・」
「ドドラ‼︎下がれ!」
「ヒトデマン!“こうそくスピン”‼︎」
ヒトデマンがドドラの蹴りの乱舞から脱するために放った回転攻撃はドドラに次の攻撃の起点になるダメージを与えることなく回避される。
「回復したくなるわよね。」
「ヒトデマン“じこさいせい”‼︎」
ヒトデマンの身体が光りだし1,2秒たち光が消えた後にはドドラの攻撃によって傷ついた身体はほぼなくなっていた。
「体力を回復する技か・・・」
「ふふふ、大丈夫よレッド君♡」
「・・・さっきの“ふいうち”を起点にした攻撃の乱舞がレッドにしたアドバイス・・・てわけじゃないみたいですね。」
「そうね、それ
(この人・・・一体何者?)
ナナミは今の攻防、更にはこの先の未来まで見通しているかのように話している。
正直、ブルーには理解できない。
“じこさいせい”を持つ相手にドドラが勝つという事を余裕を持って言えることが。
確かに“ふいうち”による先程の連続攻撃はカスミにも相当堪えただろう。
しかし、カスミも若いとはいえ立派なジムリーダー、次は確実に“ふいうち”を考慮した戦法でくるはずだ。
そうなるとドドラの他の攻撃で“じこさいせい”の回復力を上回る攻撃を出来るかどうか・・・正直、厳しいとしか思えない。
ーだいたいこの人は自慢気に話してるけどやっぱりドドラには悪いけどヒッポで行ったほうが絶対良かったに決まってる!
ブルーが心の中でナナミに悪態をついていたその時
「!くるわよ」
「へ?」
「ヒトデマン“みずのはどう”‼︎」
「避けるんだドドラ‼︎・・・ドドラ⁉︎」
ヒトデマンの攻撃を避けるようにとレッドはドドラに指示したがドドラはその場を動かない。
いや、動かないのではない。
「ドラぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎‼︎」
「‼︎」
「⁉︎嘘でしょ⁉︎これは・・・‼︎」
「進化の光・・・‼︎‼︎」
「知ってる?ブルーちゃん。」
スッと声のした方向・・・ナナミの方にブルーは顔を向ける、驚きのあまり立ち上がってしまったためブルーはナナミの魅惑的な上目遣いを目にした。
しかし、これは別にブルーをピンク色な世界に突入させるものではなかった。
どちらかといえばブラックな世界・・・何処か挑発的な視線だった。
「ポケモンの進化のタイミングはそれぞれ個体によって違うため正確には測れないの、ポケモンの中には進化することを嫌がるポケモンもいるしね。
だけど平均の数値はわかるの。」
無意識のうちにブルーは喉を鳴らした。
「ニドラン♂の進化する平均
「〜〜〜〜‼︎」
ドドラを包む光が弾けとび姿を現したのは、ニドラン♂だった頃より身体が2倍近く大きくなり、ヒトカゲのリザードへの進化と同じようで顔が可愛らしいものから少し強面なものへと変わりそしてニドラン♂よりも鋭く長く尖った角を持つ
どくばりポケモン・ニドリーノ
「リッノォォォォォォォッ‼︎」
ニドラン押すだった頃とは違い重く低い声がハナダジムに響き渡る。
レッドは顔を下にして体を震わせている。
「〜〜〜‼︎いくぜドドラ‼︎‼︎進化したお前の力を見せてくれ‼︎‼︎‼︎」
「くっ・・・!ヒトデマン“みずのはど「“ふいうち”‼︎」しまっ・・・!」
ヒトデマンが技を発動せんと構えた瞬間、ドドラの成長した角が突き刺さる、バキッという音と共に今度はプールサイドを超えてジムの壁まで衝突する。
「“にどげり”‼︎」
ドゴゴォォォォッ
「ヒトデマンッ‼︎‼︎・・・あぁ・・・」
ニドリーノへと進化を遂げたドドラの放った“にどげり”はヒトデマンのHPを全て削り取り戦闘不能状態に陥らせていた。
「ヒトデマン戦闘不能ニドリーノの勝ち!」
ヒトデマン
select skill
みずのはどう
こうそくスピン
じこさいせい
あやしいひかり
「ふふっドドラが進化したことだけに気を取られて“ふいうち”への警戒を忘れるなんて・・・まだまだ若いってことかしら?」
「レッドにドドラがもう直ぐ進化するって教えたんですか。」
「そうね、あとは諸々の戦い方をぼやかして教えただけよ、私の発したキーワードを繋げて戦法にしたのはレッド君自身よ。」
ふふっと笑みを浮かべてレッドとカスミのジム戦を見つめるナナミにブルーの肌は限界を迎え鳥肌が立っていた。
(レッド・・・あんたの好きな女はとんでもない人よ。)
そう思った瞬間、自分の手をグッと握りしめるブルーは自分とナナミとの様々な事の差に嫉妬し悔しがっているのだと気づきはしなかった。
「やるわね、でもこの子が相手ならどうかしら?」
ブルーが繰り出したのはヒトデマンと形状が似た、五芒星が2つ重なった形の紫色の身体の中心に八角形の赤い
なぞのポケモン・スターミー
「確か・・・エスパータイプを持ってたよなそいつ。」
レッドの言う通りスターミーは水タイプの他にエスパータイプを持っているそして
「あんたのニドリーノは毒タイプ!残念ながら私のスターミーとの相性は悪いわよ。」
毒タイプのポケモンはエスパータイプの技に弱い。
「・・・いや、まだだ。」
レッドは呟く。
「それでいいのよ、レッド君♡」
ナナミは笑みをこぼす。
(交代させろ交代させろ交代させろ交代させろ交代させろ交代させろ交代させろ交代させろ交代させろ交代させろ交代させろ交代させろ交代させろ交代させろ交代させろ交代させろ交代させろぉぉぉぉぉぉぉ‼︎)
そしてブルーは心の中で呪文を唱える。
「まだドドラには仕事が残ってる‼︎」
「スターミー‼︎“スピードスター”‼︎」
「ドドラ‼︎“どくばり”で向かい打て‼︎‼︎」
煌く星の攻撃に紫の針が次々と突き刺さり消滅する。
「ドドラ決めろ‼︎
“あまごい”‼︎‼︎‼︎」
「なっ⁉︎」
ドドラのいる上空を中心に雨雲が姿を現しバトルフィールドを包み込む、そして大量の雨が降り注ぐ。
「“あまごい”って・・・」
「私がレッド君に『技マシン』をあげたの♡」
「またあんたか・・・」
『技マシン』とはポケモンの潜在意識の中に眠る技を呼び起こす道具である。
ポケモンは様々な技を覚えることが可能だがそのポケモンがその種類のポケモンが覚える全ての技を覚えるとは言えないのである。
例えていうならレッドのヒッポが覚えている技“ニトロチャージ”と“つばめがえし”はヒトカゲやリザードが必ずしも自然に覚える事の出来る技ではない、他のヒトカゲやリザードによっては自然にこの技を覚えないポケモンもいるのだ。
しかし、それは自然に覚えることが出来ないだけであってその技を扱うための素質や潜在能力は持ち合わせているのだ。
その潜在能力を引き出すのが『技マシン』という道具である。
引き出したい技によって別々の波動を流し込みその潜在能力をポケモンに一切の負担をかけることなく引き出すことが出来る。
ポケモンの道具においてモンスターボールや転送システムに続いて有名で役に立っているものである。
「これさえあれば・・・再び出番よ。」
「ドドラ戻れ!頼むぞピカチュー‼︎‼︎」
「ピカッチュー‼︎\\\\(۶•̀ᴗ•́)۶////」
混乱状態による顔面崩壊によりボールに戻されたピカチューだが混乱状態はモンスターボールに戻ることにより治る状態異常なためもう事故は起こしていない。
「さぁ、舞台は整った。やろうじゃないか、お前の痺れるバトルを‼︎」
「チャー‼︎」
「バカね!スターミーはヒトデマンの進化形なの‼︎
同じような技を覚えてる可能性だってあるのよ‼︎“あやしいひかり”‼︎‼︎」
先程ピカチューを混乱状態に陥らせた技がスターミーによって繰り出される。
しかし
「光には光だ‼︎ピカチュー“フラッシュ”‼︎」
カッと強烈な光がピカチューから放たれ混乱状態に陥らせる“あやしいひかり”を完全に打ち消す。
そしてその強烈な光は同時にスターミーとトレーナーであるカスミの目を眩ます‼︎
「今だピカチュー!スターミーを水中に叩き落とせ‼︎」
その指示が言い終わる前にすでにピカチューは動き出していた、シマをテンポ良く飛び移りスターミーに近づく。
しかしスターミーの目が慣れるの方がはやかった、スターミーはピカチューの突撃を交わしピカチューの背後をとる。
「スターミー!“みずのはどう”‼︎」
「“でんきショック”で迎え撃て‼︎」
電気の槍と水と空気の塊が衝突、しかし
「貫けぇぇぇぇぇ‼︎」
電気の槍が水と空気の塊を貫きスターミーに突き刺さる。
“あまごい”は雨を降らせることによって水タイプと電気タイプの技の威力をあげ、炎タイプの技の威力を下げる技、ピカチューとスターミーの強化されたもの同士の技の衝突は相性と貫通性に富んだ電気タイプの技が勝利した。
「スターミー‼︎」
「今だピカチュー!“でんきショック”‼︎」
「避けて⁉︎」
バチィッと電気の槍がスターミーのいるシマに突き刺さるがスターミーは身体を回転させることによって空中に浮いてそれを避けた。
「ピカチュー‼︎」
「スターミー‼︎」
「“でんきショック”‼︎」
「“みずのはどう”‼︎」
電気の槍を通さんが如く“みずのはどう”で巨大な水の壁が作り出される。
しかし天候は雨、そして激しくバトルを繰り広げたせいでシマは水浸しになっている。
「“じこさいせい”‼︎」
全ての電気を放電するのが不可能だと判断したカスミは放電しきれなかった電気分のダメージを回復させる為に“じこさいせい”を発動させる。
「っ‼︎これじゃあ・・・」
ピカチューの力こそ強いがそのステータスの割に
普通の“でんきショック”を超える威力を放っていても、元々の技の威力が低い分、今のピカチューの力をフルパワーで使うには技のスペックが劣っている。
ー“ボルテッカー”を使えれば・・・‼︎
おつきみやまでロケット団を一網打尽にした強力な技“ボルテッカー”。
ピカチュウが夫婦が“でんきだま”をして持った状態でピチューを産むことによって唯一ピチュー系列のポケモンが覚えることができる電気タイプ最大級の技。
しかしこの技は反動が大きく、何よりもピカチューのピカチュウを超えたステータスを持たせている原因は体内の“でんきだま”にあった、その技の根源である“でんきだま”の影響でピカチューの“ボルテッカー”は“でんきショック”以上に強化されている、言うなればピカチューのステータス並みにだ。
その技の反動は今のピカチューでは耐えられない、しかも、おつきみやまで放った“ボルテッカー”もピカチューの
ジム戦前にピカチューが“ボルテッカー”を選択して欲しいと頼んできたのだ。
レッドがピカチューを先発にしたのはそのためである、
ピカチューは自分がピンチに陥った時に“ボルテッカー”を放ち最低相手を道連れにするつもりでいたのだ。
正直ピカチューにそんなバトルをレッドは望んではいない。
しかしピカチューの意志に負けてしまい、“ボルテッカー”を選択してしまった。
そして今、唯一の電気タイプの技である“でんきショック”が相手に通じないとわかった今、ピカチューの耐え切れない大技にすがってしまっている自分が嫌で嫌で、情けなくて情けなくて仕方がない。
ーこの程度なのか・・・!俺自身の実力はこの程度なのかよ‼︎
「ピカッチュ‼︎‼︎‼︎」
「!・・・ピカチュー・・・。」
ピカチューはレッドを呼ぶと後ろ足で地面を蹴るポーズをとる。
「ピカチュー、それは・・・」
それはピカチューが“ボルテッカー”を選択してくれと頼んだ時に“ボルテッカー”を示したポーズであった
ボルテッカーは全力で走ることにより発動する為、唯一ピカチューが走ることによって放てる技というとそれしかない。
「でも⁉︎」
「チュッ‼︎」
ピカチューは天井を指差す、天井にはドドラが引き際に放った“あまごい”による雨雲が・・・
「チャッ‼︎」
そして次に下を指差す、そこには激しいバトルによって波打つプールがなった。
「雨・・・プール・・・!そういうことか・・・でも⁉︎それでも・・・」
「ピッピカッチュ!」
最後にピカチューは自分の胸をトントンっと叩きニヤッとやんちゃそうな笑みを浮かべる。
「信じろってか・・・」
「ピカッチュ!」
ーピカチューが覚悟を決めたんだ、俺がオロオロしてんのはおかしいよな・・・。
頼むぜ相棒‼︎
「ピカチュー‼︎接近しながら“でんきショック”だ‼︎」
「何度やっても同じよ‼︎“みずのはどう”で防御よ‼︎」
水の壁が雷の槍をやはりスターミーに届かせることなく抑え込む、
「“スピードスター”‼︎」
「走れピカチュー‼︎」
水の壁のサイドと上から星の輝きを纏った攻撃がピカチューを襲うがピカチューは走るスピードをあげ一気にプールサイドまで飛び移ると更にスピードをあげる。
「させないわよ‼︎“みずのはどう”‼︎」
「ボルテッカぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎‼︎」
ピカチューが巨大な黄金の雷に包まれ水浸しの周囲に放電しながらスターミーに突撃する、そしてスターミーが放った“みずのはどう”と激突するが
「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ‼︎‼︎‼︎」
「ピカッチャァァァっ‼︎」
突き破る‼︎
黄金の閃雷はそのままスターミーとともにプールの中へと消え・・・
ドゴォォォォォッ‼︎‼︎‼︎
プールの中が激しい爆発音とともに黄金の光を放つ‼︎
「なんて威力・・・‼︎予想以上だわ⁉︎」
「でも反動が・・・⁉︎」
ナナミとブルーが目を凝らせながらバトルフィールドを見つめる、やがて光は収まり雨雲も消え去った。
そして全員が息を殺してバトルのどちらかポケモンが出てくるのを待つ。
そして真っ先に出てきたのは
「・・・スターミー」
身体中を黒く焦がしながら現れた戦闘不能状態のスターミーだった。
「これでレッド君の勝利は決定したわ。」
「相打ちでもレッドにはドドラがまだ残ってますからね。」
でも・・・ピカチューを犠牲にしての勝利なんてレッドは望んでいない。
全員が再び息を飲んでピカチューが出てくるのを待つ・・・すると
「ピィカぁ・・・( ̄u ̄;)」
身体中をスターミーと同じようにボロボロにしながらもHPを僅かに残したピカチューの姿があった。
「スターミー戦闘不能ピカチューの勝ち!よって勝者、チャレンジャー・マサラタウンのレッド‼︎」
スターミー
select skill
みずのはどう
じこさいせい
スピードスター
あやしいひかり
「ピカチュー‼︎‼︎」
レッドはプールに飛び込むとピカチューの元にまで行ってピカチューをギュッと抱きしめる。
「良くやったぞ!良くやった‼︎」
「ピカチュ❤︎」
「ドドラも良くやった‼︎」
「ドッラ!」
レッドはピカチューを褒めるとボールからドドラを繰り出しピカチューと同じように抱きしめる。
ピカチュー(ピカチュウ♂)
select skill
でんきショック
フラッシュ
しっぽをふる
ボルテッカー
ドドラ(ニドラン♂→ニドリーノ)
select skill
どくばり
ふいうち
にどげり
あまごい
「私の負けね。お互いいいバトル・・・いや、あんたの一方的な勝利よ。」
カスミがプールサイドに上がろうとしていたレッドの腕をとって引き上げ、レッドのことを称賛した・・・その顔には隠しきれない悔しさが浮かんでいる。
「自分のペースに持ち込もうとした瞬間にニドラン♂が進化するなんて・・・動揺して“ふいうち”のこと完全に忘れていたわ。・・・私の未熟さが全面に出ちゃったわね。」
「そんなこというなら俺もだよ、ピカチューに叱責されるまでうじうじと悩んでいたから。・・・もっとしっかりしないと。」
ふふふっと笑みを零しながらお互いの反省点を話し合う2人、そしてそれを眺める観客席では
「ピカチューが“ボルテッカー”の反動に耐えた・・・」
ブルーがボソッと呟いた言葉にナナミがいつものような微笑みでその答えを教える
「やった事は相手のポケモンがやった電気技封じと同じよ、水中に敵を引きづりこんで技を炸裂させ、プールの水を通じて雨粒に至るまでに放電させる事によって技の反動を減らしたのよ。・・・それでもギリギリだったけどね。」
「この威力でまだ未完成なんて・・・」
恐ろしい。
「ブルーちゃんはこの後どうするの?」
「え?」
「ブルーちゃんはハナダジムに勝利した後どうするの?」
「え、それはレッドと一緒に・・・」
「それでいいの?」
「え?」
何を言ってるんだこの人は?
「私がレッドと一緒に旅をする事に何か文句があるんですか・・・!」
ブルーは軽くナナミを睨みつけて言葉を放つ。
バトルの最中からナナミへの敵意は着々と募っていったがまさか直接こんな事を言われるとは思いもしなかった。
しかしナナミはいつもの笑みを崩す事はなく
「別に文句なんてないわよ?私が言いたいのはレッド君とブルーちゃんが一緒にいてもお互いこの先いい結果は得られないわよって事よ。」
「どういうこと・・・‼︎」
「ブルーちゃんはレッド君と一緒に旅をしている間に思ったんじゃない?お互い足りない部分が見えてきただとか、お互いのいいところを自分のものしていこうだとか。」
「‼︎」
確かにレッドとの旅を通じて学んだものはいくつもある、その中でナナミの言う通りに思ったことも幾度とある。
「それのどこが悪いのよ。」
「そう思うことは悪いことじゃないわ、だけど一緒にいてもそれをアウトプットが出ないのよ。」
「アウトプット・・・?」
「インプット・アウトプットって言ってねビジネス用語でインプットは関する知識や技術を取り込む、学習するという意味でアウトプットは吸収した経験や学習を元にして出来た、成果や実績のことを言うの。」
「・・・レッドと一緒に旅をしていても結果には結びつかないって事ですか・・・‼︎」
「人と一緒にいるっていう事はインプットする事に関しては効率がいいの、だけど取り込んだ知識の使い方を知らなければそれは無駄な知識。
人は無意識のうちに楽をする方を選んでしまう、だから自分が足りないと思っている事は自覚できても、その部分のフォローをもう片方、レッド君に任せてしまう節があるんじゃないの?」
何も言えなかった。
レッドと旅をして学んだ事は・・・インプットした事は沢山ある、だけどそれが結果・・・アウトプット出来てるというとそれはわからない。
正直、レッドから学んだものは勉強で問題を解くみたいに簡単に証明できるものではない。
しかし、ナナミの言っている事は的を得ている。
だけど、ブルーの心の中でナナミのいう事に従っては行けないという信号が出ている。
理由は今のレッドのジム戦だ。
レッドの喜びようからするに本人は気づいていないみたいだがレッドを勝たせたのは間違いなくナナミだ。
ドドラの進化しかり、“ふいうち”による戦法、そして恐らく・・・いや、確実に“あまごい”の技マシンを託し“あまごい”とこの水のバトルフィールドを利用して“ボルテッカー”を放てるように誘導したのも彼女だ。
ー悔しい・・・!
ブルーは自分から溢れんばかりに湧き出る悔しさがナナミのトレーナーとしての実力が完全に自分を上回っていた事ではない事くらいわかっていた。
ブルーが悔しいのは
旅の中で自分が『ライバル』として認めたレッドをまるで操り人形のように簡単に操作している事だ。
ー・・・・・。
「そうですね、決めました。」
スッと視線をレッドの方に向けてブルーは更に言葉を・・・自らの意志を口にする。
「このジム戦が終わったらレッドとは別れます。」
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
「そろそろ始まりますね、ブルーのジム戦。」
今度はブルーのいた席にレッドが今から始まるブルーのハナダジム戦を目に焼き付けんと少し前かがみの姿勢で座る。
「ふふふっ♡」
「機嫌がいいですね、ナナミさん」
ーそんなに俺がジム戦に勝利した事が嬉しかったのかな?そうなんじゃないかな⁉︎ていうかそれ以外ありえないんじゃないかなぁ⁉︎⁉︎
レッドが心の中でデヘヘヘッとしている中ナナミは一体目のポケモンのモンスターボールを握るブルーの姿をジッと見ていた。
ーまずこれで1つ抑えた。
ーあとは・・・
スッと今度はレッドの方に顔を向け、ふふふっと笑みをこぼす。
それを見たレッドに再び変な思考のスイッチが入り顔を真っ赤に染める。
ーレッド君、あなたよ♡♡♡
スッとナナミは自らのポーチの中のモンスターボールをその指でさする。
ーあぁっ♡楽しみっ!
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
−このジム戦が終わったらレッドとは別れる。
ブルーは持っているモンスターボールを強く握りしめる。
−だけど、例え離れていたって私とあなたが一緒に過ごしてきた時間が消えるわけじゃない。
「これより!マサラタウンのブルーとジムリーダー・カスミのジム戦を行います。それでは・・・」
審判の声がジム内に響き渡る。
−時間が消えないのなら、そこで作り上げた絆も消えない。
「バトルスタート‼︎」
−なら私は誓う。
ブルーとカスミが同時にポケモンを繰り出す。
「ヒトデマン‼︎」
カスミが繰り出したのはレッドと戦った時とは違う個体のヒトデマン。
−あなたを守れるくらいに強くなると!
−あの女の支配からあなたを解き放ってみせると‼︎
「ニドちゃん‼︎」
そしてブルーが繰り出したのはレッドとの旅の最中にゲットしたポケモン、ニドラン♀・ニックネーム ニドちゃん。
しかしー
−だから、しっかり私のバトルを見て、このバトルは私とあなたが・・・
もうニドちゃんはニドラン♀ではなかった
「嘘でしょ⁉︎また⁉︎」
「・・・」
「ハハッ‼︎流石だよ。」
−今日まで同じ道を歩んできた証になるから‼︎
「流石
「リッナァァァァァァァァァッ‼︎」
ブルーの思いに応えるかのように自らの姿を変えたニドちゃんの姿は、自らの角を成長させ突進による攻撃を得意とする形へ進化したニドリーノと違い二本足で立つその姿を見ると、殴る蹴るの肉弾戦を得意とする形へ進化したとわかるその姿は、ブルーの思いの強さを現していうかのように凛々しく輝いている。
ニドちゃんはニドラン♀からニドリーナへと進化を遂げた。
「さあ、始めましょう・・・‼︎」
ナナミさんが今回色々行動を起こしている原因は主に15話のレッドとブルーの出来事をレッドにつけていた盗聴器ですべて聞いていたからだったり・・・。
前の話で引きこもっていたピカチューが出てきたのもヒッポがヒトカゲからリザードへ進化していたのも実はレッドに会う前から知ってたり・・・つまりその時のナナミさんの反応は・・・?
・・・ナナミ、恐ろしい女・・・‼︎