赤き旅人の巡る物語   作:morumo

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第22話 陰謀の影 前編

24番道路

 

「ピカチュー“でんきショック”!」

 

ピカチューから放たれた電撃がポッポにヒット、効果抜群の電気タイプの攻撃を受けたポッポはそのまま戦闘不能になる。

 

「あぁ⁉︎、チッチ⁉︎」

 

ーチッチと呼ばれたポッポの元にミニスカートの少女が近づいていく…見えるかな?見えないかな?…

 

スッとレッドが目を細めて男の下劣な欲を一点に浴びがちな布がチラッと見えるのを待つ…

 

そしてミニスカートの少女が座り込んだ瞬間

 

「!」

 

ースパッツ…だと…⁉︎

 

そこから覗いたのはレッドが全ての男が求めるものを守るための黒い鉄壁。

 

レッドの望みはそのスパッツに阻まれてしまった。

 

「……」

 

レッドは真剣な表情で黙り込む。

 

そして…

 

 

ーそれもいい…

 

 

幸せそうな表情を浮かべた。

 

 

24番道路にある豪勢な道、その名もゴールデンボールブリッジ…卑猥な名前だと思ったお前ら…ド変態だな‼︎

 

 

 

…俺もな!

 

 

 

「あぁ、それにしても…」

 

俺は視線を左右に向けると見えるのは人、ポケモン、人、ポケモン。この卑猥橋のあちらこちらには何故か目をキラキラさせてバトルしているトレーナーの姿があり、そしてポケモンバトルに負けた者は次々と橋を降りて行っている。

 

「一体何なんだ?これ…」

「みんな賞品を欲しがっているのよ。」

「!」

 

 

背後からの聞いたことのある声に思わず振り返る。

 

そしてそこにはオレンジ色の髪を右上に1つに束ねた俺と同い歳くらいの…っていうか俺と同い歳の水タイプのエキスパート

 

「カスミ!」

 

の姿があった。

 

「昨日ぶりねレッド!」

 

その姿はジム戦で見た水着姿ではなくへそだしルックの黄色いノースリーブTシャツに赤いサスペンダー付きのショートパンツ姿だ…どちらにしろ露出が多い事に違いはないが…

 

 

「相変わらず色気を感じねぇ…」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 

「本当に申し訳ございませんでした…許してください…俺みたいなゴミがカスミ様の溢れんばかりの色気に気づくはずがないですよね…死んでるしっていうか生物じゃないから…ははっ…ははははははははは。」

 

身体中痣だらけずぶ濡れ混乱状態のレッドは仰向けで倒れながらブツブツと同じ台詞を繰り返す。

 

「ぴかちゅぴ…┐('~`;)┌」

 

ピカチューは頭が逝かれたレッドの元に近づくと…

 

「ぴ〜か〜っちゅー‼︎」

「あびあばばばばばばばばばっ⁉︎⁉︎」

 

電気ショーック‼︎

 

水浸しになり電気をよく通す体となったレッドに強烈な電撃が身体中を走り抜ける!

 

 

「殺す気かぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎」

 

 

 

「起きたわね」

「ぴかちゅ」

 

 

 

「お前ら2人揃って俺を殺す気か⁉︎⁉︎」

 

「そのまま死ねばよかったのに。」

 

カスミは冷たい瞳で吐き棄てるかのように言葉を口にした。

 

「冗談だよな⁉︎冗談だと言ってくれ⁉︎あんなに熱いバトルを交わした仲じゃないか⁉︎」

 

「ジョウダンダヨー」

 

「心のこもった棒読みありがとぉぉぉっ…」

 

 

 

俺、本気でデリカシー学ぼう。

 

 

 

「でぇ…賞品って一体どゆ事?」

 

「『きんのたま』が貰えるのよ。」

 

金の玉…⁉︎

 

「お⁉︎…女の子がそんな破廉恥な事言うんじゃありません‼︎‼︎ゲボォ⁉︎≡○)゚д。)、;’.・」

 

「破廉恥なのはアンタでしょ‼︎

そっちのきんのたまじゃないわよ‼︎」

 

 

 

「え?そっちってどっちの事かなぁ〜⁇

ニヤーリ♡(´^ิ∀^ิ`*)」

 

「(◞≼◉ื≽◟◞౪◟,◞≼◉ื≽◟)」

 

「申し訳ございません、許してください、土下座するんで⁉︎ていうかもうしてるんで⁉︎」

 

 

 

《悲報》俺、本気でデリカシーを学ぼうと決意して僅か10秒でデリカシーのない事を放ち土下座する。

 

 

「『きんのたま』っていうのはショップで高く売れる金色の球体の事よ。

それをこのゴールデンボールブリッジの橋にいるトレーナーに全勝したら貰えるっていう事よ。」

 

「全勝って…」

 

見渡す限り30人近くはいるぞ⁉︎

 

これを連続で相手する事になるっていう事は…

 

「やってやらぁ‼︎」

 

俺とポケモン達にとってこれ以上ない試練になるじゃねぇか‼︎

まてよ…てことは…

 

「じゃあカスミも賞品を取りに…」

 

「違うわよ、私はこの先にある25番路に住んでるマサキって奴に会いに行くのよ。

あるポケモンについての情報を貰いにね。」

 

「マサキってポケモンセンターとかにある『ポケモン預かりシステム』の開発者のあのマサキ?」

 

ポケモン預かりシステムは俺が図鑑完成のためにポケモンを捕まえては博士に送っている転送装置のシステム。

そしてそれを開発した若き開発者の名前がマサキ。

 

「そうよ。」

 

「確かジョウト地方のコガネシティにいるはずじゃあ…」

 

オーキド博士からの話に出てきた時は確かジョウト地方の大都市コガネシティ特有の訛り…コガネ弁で話すという事を聞いた事がある。

 

研究者という立場上、標準語を使わなければならない筈なのに本人はどれだけ練習してもコガネ弁が抜けないらしくマサキの研究内容を賞賛していたオーキド博士はそれに少々頭を抱えていた覚えがある。

 

「それは出身がコガネシティってだけで今はこのハナダシティの北に進むとある25番路の民家でひっそりと暮らして居るのよ。」

 

「へぇ〜…」

 

カスミはポケモンの情報をマサキに貰いに行くためにこの道を通る必要があったと…ジムリーダーが欲しがるポケモンの情報を持っている奴にねぇ〜。

 

「じゃあ私はお先に…「俺も行く!」ふぁっ⁉︎」

 

「俺もマサキに会いに行く!

俺はオーキド博士の家族みたいなもんだ!問題はない‼︎」

 

「駄目よ⁉︎だいたいどうして問題ないって断言できるのよ⁉︎」

 

「だからオーキド博士の「関係ないわよ駄目。」…」

 

「じゃあついていってもいい…「駄目」…」

 

断固として同行する事を許してくれそうにないな…ましてやその最中にポケモンバトルの指導して欲しいって言ったらもっと拒否されそうだ…

 

「!」

 

そうだ…ニヤーリ♡(´^ิ∀^ิ`*)

 

何かを思いついたようにゲスい顔をするレッド、そして…

 

 

 

「ハナダジム・ジムリーダーのカスミはSMプレイ好き」

 

 

 

「⁉︎⁉︎⁉︎」

 

カスミの顔が一気に青く染まる

 

「お転婆人魚カスミはSMプレイ好きの超ド変態」

 

「⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎」

 

カスミの顔が紫色に染まる。

 

「これ…色んな人達に言いふらしちゃおっかなぁ〜」

 

実はこのレッド、ブルーから色々話を聞いていたのだ。

俺が部屋に閉じ籠った時に俺のポケモン達が俺に叱責した時に起こったポケモン達の叫びと技を発した時に起こった音と俺の叫びを聞いてこいつ・カスミはレッドがポケモン達とSMプレイをしている⁉︎レッドってマゾだったんだ⁉︎⁉︎と1人興奮していた事を‼︎‼︎

 

事実じゃないにしろ、こんな噂はたてられたくないはずだ。

 

「ふ、ふん!言いふらすなら言いふらしなさいよそんなデマ‼︎私はジムリーダー、あなたはただの子供、どっちを信用するかなんて目に見えてるじゃない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあオーキド博士を通じてポケモン協会理事長に…」

 

「申し訳ございません本当にすみませんでした許してくださいお願いします…‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

–そうだこいつには超偉い家族(オーキド博士)がいたんだった⁉︎⁉︎

 

 

 

 

微妙に正しくないとはいえ世界的権威を持つオーキド博士と上司であるポケモン協会理事長にそんな疑いを持たれるのはさすがにまずい。

 

 

そのカスミの態度に思わず俺の心の内の何かに怪しい光が灯り思わずニヤッと笑みを浮かべる。

 

「え〜どうしよったかなぁ〜?いいネタだしなぁ〜」

 

ワザとらしく煽ってやるとカスミの顔が真っ赤に染まる。

 

 

「あー‼︎わかったわよマサキのところまで案内してあげるわよ」

()()()()()?」

「〜〜⁉︎…案内させてください、お願いします。」

 

顔を真っ赤にし、俺をその瞳でしっかりと睨みつけながら言葉にするカスミ、その表情が逆に俺のS心を刺激しているとは知らずに…。

 

俺はニヤッと笑みを浮かべるとそのまま同じ様な笑みを浮かべているピカチューを肩に乗せて言った。

 

「じゃあ、俺が優勝するまでアドバイスよろしくぅー!…断ったら…わかるよな?」

 

「…わかったわよ‼︎」

 

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 

ハナダシティ

 

レッドが出発してからしばらくして、1人の女性・ナナミはハナダシティの外れにある小さな草むらであるポケモンを待っていた。

 

するとナナミに近づいてくる小さな翼を羽ばたかせる音。

 

ナナミは顔を上げるといつもと変わらない優しい笑みを浮かべた。

 

「やっときたわね、ピート」

 

ピートと呼ばれたポケモン、ポッポはナナミの元に失速しながら近づいていきその右腕に乗る。

 

「モンスターボールの外で放し飼いにしてても呼んだらスグに飛んできてくれるなんて本当に良い子ね。」

 

ナナミは自身の腕に止まっているポッポを撫でる、そしてそれに喜んでいるポッポの足にはよく見ると小さな機械がつけられている。

 

このポッポはナナミが()()()()()でマサラタウンを上方に進んでいくとある1番道路で捕まえ、それからしばらく躾けた後、そのまま放し飼いにしているのだが呼び出すときに一々1番道路まで行って探すのが面倒なのでナナミは無線機能を搭載した腕輪型の機械をポッポ・ニックネームピートの足に装着さしたのだ。

 

その無線で連絡をし、ここまで来るように連絡したのだ。

 

「本当に良い子…だけど…」

 

優しく微笑んでいたナナミの雰囲気が一変、ドス黒いオーラをピートに放ち優しく撫でていた手はスッと人差し指を鉤爪の様な形にするとそれでガッガッガッ‼︎と引っ掻いて痛みを与える。

しかしピートはそんな痛みよりもナナミの纏うオーラ、優しい笑顔の裏に隠された激しい怒りの方に自分の身の危険を感じ身体を震わす事しかできない。

 

 

ナナミが怒っている理由は1つ。

 

 

 

 

 

 

「レッド君を襲ったのは許せないわ」

 

 

 

 

 

スーッとピートの体全体が恐怖で青く染まる。

 

 

 

そう、このポッポはレッドが1番道路でゲットに失敗し、傷付けられた腹いせに大量のポケモンの群れで襲い、旅立ち初日のレッドにポッポの恐怖を刻みつけたあのポッポである。

 

 

「レッド君を守る為に貴方を捕まえて躾けたのに貴方がレッド君を傷つけたら意味がないでしょ。」

 

 

ナナミがこのポッポを捕まえてきっちり躾けてまでやりたかった事、それは…

 

 

『レッドをいじめていた奴らのいるトレーナーズスクールの襲撃』

 

 

ナナミは時間をかけピートを躾け、1番道路にいる全てのポケモン達と深い仲を作らせ、集団でトレーナーズスクールを襲わせたのだ。

 

これによってイジメを見て見ぬ振りをしていた教員や子供達に怪我をさせ+αオーキド博士を代理教員にする事が出来た。

 

つまり、レッドは気づいていないがナナミはレッドの心の支えであり、それと同時にイジメからレッドを救った恩人でもあるのだ。

 

「まあ、もう済んだ事だし何も言わないわ、後でしっかり再教育してあげるわ」

 

その言葉を聞いてナナミの腕の上で白目をむいて自分の未来に絶望しているピートを他所にナナミは今回ピートを呼んだ理由を話し出す。

 

「この女を襲って欲しいの。」

 

ナナミが差し出したのは一枚の写真、そしてそこに写っているのは焦げ茶色の長い髪を振るい黒いノースリーブ型ワンピースをきた青い瞳の少女が写っていた。

 

「今頃5番道路にいるはずだわ、ヤマブキシティに向かっているんだとすればその後に向かうのはあの女の手持ちを見るにクチバシティのはず、だから6番道路で打ち取りましょう。」

 

「ヤマブキジムに挑戦するんだとしたら今のあの女には時間がかかるはずよ、なんてたって不在のトキワジムのジムリーダーを除けばヤマブキジムのジムリーダーは全ジムリーダー最強だから…。」

 

そう言うとナナミはピートの首元に手を手をかけピートの思っているより深いフサフサの体毛を漁る。

 

「枷を外してあげるわ。」

 

カチッと何かが外れた音が聞こえ、そしてナナミの手が引き抜かれるときにチラッと首元に見えたのは赤い首輪、そしてナナミが体毛を漁っていた手には小さな石が、恐らく首輪にその石を固定し更に体毛で覆っていたのだろう。

 

そして一つ間をおいてピートの身体がビクンッ‼︎と跳ねる。

 

するとピートの身体が光で包まれ徐々に形を変えていく。

 

進化の光。

 

 

「ピジョッ‼︎」

 

 

光が弾け姿を表したのはポッポの進化系、ピジョン。

 

 

そしてピジョンへと進化を遂げたばかりのピートの身体が再び光で包まれる。

 

 

『かわらずのいし』

 

 

持っているポケモンの進化を止める特殊な石。

 

ナナミがピートから取り出したのは(まさ)しくその石だった。

つまりピートは今までかわらずのいしに押さえつけられていた進化のためのエネルギーを一気に解放しているのだ。

 

 

 

「ピジョットォォォォォッ‼︎‼︎」

 

 

 

姿を現したのはポッポの最終進化系ピジョット。

 

大きく美しい翼に赤と黄色の二色に変化した頭部の羽は見る人を魅了する程の美しさを誇っている。

 

全鳥ポケモンの中で最も最高速度が速いポケモン・ピジョット。

 

その美しさとは相反してピートから普通のピジョットには見られないドス黒いオーラが溢れでている。

 

その姿はまるで別のポケモンに見えるくらいに顔つきが悪かった。

 

 

「…育て方を間違ったのかしら?」

 

その通りです。

 

 

 

最終進化したピートはその大きな翼を羽ばたかせナナミの元を離れ、6番道路の方へと飛んでいった。

 

 

それを見つめるナナミはボソッと呟いた。

 

 

 

「レッド君…」

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

2番道路

 

バシィッ‼︎

 

トキワの森を抜けてちょっと歩いた所には鋭い棘で構成された棘の道があった。

そしてそこに響くのは高速で回転する甲羅が次々と棘を切り裂いていくカット音。

 

「よくやったカメール。」

「メッ‼︎」

 

完全に棘を切り裂いたカメールがトレーナーであるグリーンの目の前に着地する。

 

「ここがディグダの穴か…」

 

グリーンがその視線の先に捉えているのは少し盛り上がった小さな洞窟。

11番道路と2番道路を繋ぐ野生のディグダとダグトリオが掘った穴である。

 

グリーンはロケット団による事件で少し旅のスペースが遅れたため、その遅れを取り戻す為に旅の経路を変更する事にした。

ハナダシティを後回しにしディグダの穴を通じて11番道路にでて先にクチバシティのジムを攻略するという流れに変更した。

 

しかしこの経路を通るには一つ大きな問題があった。

 

「ダグトリオをどう攻略するか…」

 

このディグダの穴には主であるディグダの進化系ダクトリオがおり、その力量(レベル)はかなり高いと有名である。

 

しかもその力量(レベル)のダクトリオはうじゃうじゃといるため、いくらグリーンの手持ちには地面タイプであるダクトリオに相性のいい水タイプのカメールがいたとしても対処しきる事は難しい。

 

「…」

 

 

スチャッとグリーンはオーキド博士に直してもらったポケモン図鑑を開ける。

 

 

カメール(カメール♂)Lv.24

勇敢な性格 体が丈夫

特性 げきりゅう

 

主な技

みずてっぽう

まもる

こうそくスピン

かみつく

 

「…」

 

「カメッカァー‼︎」

 

「いや、お前を信用してないってわけじゃない。けど最悪の事態が起こった時にお前1匹じゃ対処しきれないだろ。」

 

自分の力を信用してくれよと訴える様に声をかけてきたカメールにグリーンは優しく現実を説明する。

 

「さぁ、どうするか…」

 

「コラッ」

 

「そんな怒るなよ、ちゃんと自分の実力を判断しないとっ……コラッ?」

 

スッとグリーンが突如聞こえたカメールのものとは違う鳴き声の方向を向く。

 

 

 

「コラッタ…?」

 

 

 

そこにいたのはグリーンの故郷マサラタウンからトキワシティまでによく見かけていたポケモン、コラッタなのだが

 

 

その体皮は鮮やかな紫色ではなく霞んだ黄色で赤いはずの瞳は落ち着いた青色になっている。

 

「色違いの個体…⁉︎」

 

ポケモンにはごく稀に普通のその個体ではありえない色彩のポケモンが生まれる事がある、そのポケモンは色違いのポケモンとしてとても希少なポケモンである。

 

「一生に一度会うことも難しいポケモンだ、カメール!捕獲するぞ。」

「コラッ‼︎」

 

カメールとグリーンが臨戦態勢に入った瞬間、色違いのコラッタの身体が炎で包まれそのまま突撃してくる。

 

「カメッ⁉︎」

「っ⁉︎“かえんぐるま”だと⁉︎⁉︎」

 

コラッタが今放った技は身体中に炎を纏い回転しながら相手に突撃する炎タイプの物理攻撃技“かえんぐるま”

 

「流石色違い、覚えている技も珍しいな…」

 

グリーンは笑みを浮かべるとカメールに視線を向ける。

 

カメールは“かえんぐるま”の直撃を受けたものも効果は今ひとつ、すぐに立ち上がり臨戦態勢に入る。

 

「“こうそくスピン”」

 

カメールは甲羅の中に入り回転しながらコラッタに向かって突進攻撃を繰り出す。

 

しかし

 

「コラッ‼︎」

 

コラッタは“かえんぐるま”をカメールの“こうそくスピン”と逆回転に放ちその勢いを粉砕、お互いに突進の反動で弾き飛ばされる。

 

「今だ“みずでっぽう”」

 

カメールが“みずでっぽう”の態勢に入った瞬間…

 

「ラッ‼︎」

 

コラッタが急接近し、その隙に重い一撃をカメールの顎にヒットさせそのまま上空に投げ出す。

 

「“ふいうち”か…カメール‼︎“からにこもる”だ‼︎」

 

この後の連続攻撃を予想したグリーンは防御力を上げ相手を流れに上手く乗せない様にするが…

 

それはコラッタの狙い通りだった。

 

「ラァッ‼︎」

 

「⁉︎」

 

コラッタの叫びとともにコラッタの身体に強力な電気が纏わされそのまま殻にこもって防御力を高めているカメールに向かって飛び上がり突進する。

 

 

“ワイルドボルト”

電気タイプの強力な物理攻撃技

 

 

「⁉︎カメール“こうそくスピン”で回避しろ!」

 

グリーンの指示も虚しくコラッタの強烈な一撃はカメールにクリーンヒット。

 

そのままカメールは地面に向かって急降下し墜落。

 

「カメール⁉︎」

 

カメールはなんとか耐えたものも大ダメージを受けまともに動く事が出来ない。

 

隙をつくなら今だが、コラッタは“ワイルドボルト”の反動のダメージでカメールと同じく動く事が出来ない。

 

「ラァッ!」

 

いち早く動ける様になったのは色違いのコラッタ、そしてコラッタは三たび炎を身体に纏わせ回転し、地獄車さながら突撃してくる。

 

「カメールっ“まもる”‼︎」

 

一足遅れて動けるようになったカメールは周囲にシールドを貼り火炎車を受け止める。

 

「“みずでっぽう”‼︎」

 

炎の威力をシールドでうち消すとすぐさま強烈な水流をコラッタにヒットさせる。

コラッタはそのまま三回地面に激突して地面に伏せる。

 

「ラァッッ‼︎」

 

 

バチバチバチィッ‼︎‼︎

コラッタの身体に電気が纏わされそのままカメールに突進。

 

グリーンはスッとその鋭い瞳を更に鋭く尖らせるとカメールに指示をする。

 

 

 

「地面に向かって“みずでっぽう”」

 

 

 

グリーンの指示通りカメールは地面に向かって水鉄砲を放つと水流の勢いでカメールの身体が浮き上がりそのまま飛び上がる。

 

コラッタは上空に飛び上がって突進する事が出来ずそのまま“ワイルドボルト”の威力に任せて水流を貫く。

 

「⁉︎」

 

しかし次の瞬間コラッタのその普通の個体とは違う鮮やかなブルーの瞳が大きく見開かれる。

 

 

 

コラッタの目の前にはカメールのトレーナーであるグリーンが空のモンスターボールを持って突進してきたコラッタを待ち構えていた。

 

 

グリーンが軽くボールを投げるとそのままコラッタはボールの中に吸い込まれる。

 

「?」

 

グリーンはその瞬間に違和感を感じたのか妙な表情を見せる。

 

するとコラッタが入ったモンスターボールは一切揺れる事なく捕獲完了の合図である少し低めの音が鳴った。

 

「こいつ…」

 

グリーンはそのモンスターボールを拾うと少しご不満そうに先程感じた違和感を呟いた。

 

 

「最初から俺にゲットされるつもりでいたな…!」

 

グリーンがコラッタがモンスターボールに入る瞬間に見たのは

 

グリーンに視線をやりニヤリと笑みを浮かべるとスッと瞳を閉じてなすがままにゲットされようとするコラッタの姿だった。

 

「どういう事だ…ていうか最初からゲットされるつもりなら…」

 

スッとグリーンはポケモン図鑑を取り出すとカメールのステータスを確認する。

 

 

「バトルしなくてよかっただろ…」

 

 

カメールのHPは既に4分の3失われていた。

 

 

「キズぐすりもタダじゃないんだぞ…」

 

 

グリーンはディグダの穴に備えて買い貯めておいた回復道具を思わぬ所で消費する事になり1人嘆いた。

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 

24番道路

 

 

「ピカチューとどめの“でんきショック”‼︎」

「ぴかちゅーっ‼︎‼︎」

 

ピカチューの強烈な電撃がニドリーナにヒットしそのままニドリーナは力尽き目を回して倒れる。

 

ぐるぐるお目目は戦闘不能の証だ

 

「うおっしゃぁぁぁっ‼︎」

 

レッドはこの高級な道具きんのたまを巡る大会?に見事勝利した。

 

倒したトレーナーの数は30を超えた。

 

使ったポケモンはピカチューのみ。

成績としては良すぎる結果だ。

 

その嬉しさを分かち合うかの様に2人はお互いに抱きしめ合う。

 

「…」

 

しかしそれをジッと見つめているハナダジムジムリーダー・カスミは何やら言いたげな表情を見せている。

 

「…どうしたんだよカスミ?そんな難しい顔をして…」

 

そのカスミの表情に気づいたのかレッドはカスミに声をかける。

 

「レッド、そのピカチュー“でんきショック”以外に電気技を覚えているの?」

「…“ボルテッカー”」

 

その言葉にカスミの表情が更に硬くなる。

 

「“でんきショック”と“ボルテッカー”だけって…公式戦用とはいえ私のスターミーを倒したほどの力量(レベル)をして持っている筈なのにどうして…?」

 

その言葉に今度はレッドの表情が硬くなる。

 

ピカチューは体内に『でんきだま』を取り込んでいるため『でんきだま』の効力が攻撃技だけでなくステータス全体に影響を及ぼしているためとてつもない能力を持っている反面、一つ問題があった。

 

 

 

 

力量(レベル)が上がらない

 

 

 

 

ポケモンの力量上昇(レベルアップ)のために必要な経験値の量がピカチューは初めの段階から多いのだ。

 

普通、ポケモンは力量(レベル)が上がっていくにつれてその量が多くなる。

特に力量(レベル)が40を超えるとその量は著しく多くなる。

そのため一般の人のポケモンは高くてもLv.35〜42までの間に止まっている。

 

しかしプロ…ジムリーダーやその先の四天王になるとLv.50は当たり前、チャンピオンクラスになるとLv.60越えのポケモンだって持っているという程だ。

 

そしてピカチューは恐らくもう既にLv.40に必要な程の経験値量が必要な状態になのかもしれない。

 

今現在力量(レベル)が低くてもピカチューのステータスの高さでなんとかなっているが…どうしようもない事が一つある。

 

 

使用できる技の数が少ない事だ。

 

 

ポケモンは力量(レベル)が高くなる程新しい技を覚え、その数はどんどん増えていく。

その多くの数の技を瞬時に出せるかどうかはトレーナーの技量とポケモンの知能に左右される。

 

しかしピカチューはステータスが高くとも力量(レベル)は低いため覚えている技の数が少ない、そのため対戦相手が強い程、ピカチューがよく覚えよく指示され使われるであろう電気技を“でんきショック”一つと反動が大きく多用しにくい“ボルテッカー”のみで戦う事に違和感を感じるだろう。

 

そしてそれが現在のこの状況だ。

 

俺自身、そしてピカチューのためにもあまり『でんきだま』の件を話したくない。

 

カスミには悪いけどここは話を濁させてもらおう。

 

 

「いや、あの…えぇと…」

「レッド?」

 

 

こういう時になんでスラスラと言葉がでないのかなぁ⁉︎俺はっ‼︎‼︎‼︎

 

 

言葉を発しようとすればする程頭が真っ白になりいい籠もる事しか出来なくなる典型的なコミュ障を発症したレッドを見たカスミはフッと呆れた様にため息を吐くと

 

「言いたくないのならいいんだけど、一つ言わせてもらうわ。」

 

 

「どんなにそのピカチューが強くてもまともな電気技が“でんきショック”だけじゃこの先勝ち進めないわよ。」

 

ピクッと俺が抱きしめているピカチューの長い耳がカスミのその言葉に反応した。

 

「この先あとアンタが挑戦するとしたらヤマブキジムだと思うけど、あそこのジムリーダーは私達トキワジム・ジムリーダーを覗くと私達カントー地方ジムリーダーの中で最強よ。」

 

ヤマブキシティ…ハナダシティを南に進むとあるカントー屈指の大都会。

 

俺が次に挑戦しようとしたジムだ。

 

「それだけじゃないいずれアンタが挑戦するであろうクチバジムは電気タイプのジム、あそこのジムリーダーは他のジムリーダーと同じ様に一つのタイプの専門(エキスパート)…電気タイプのね。

その際にピカチューを使おうと思っていたんなら辞めときなさい、まともな電気技一つじゃクチバジムジムリーダーには、マチスには勝てないわ。」

 

「っ…」

 

じゃあどうしろって言うんだよ‼︎

 

と言いたいところだがそれを言うともうピカチューの件を言わないと事情をちゃんと理解してもらえない気がするため口には出せない。

 

するとカスミはその視線を細め…

 

「私に聞かれてもわからないわよ、アンタみたいな状況なんて知らないんだし、あるとしたら…技マシンを使うか…」

 

 

 

「頭を使うか…かしら?」

 

 

 

そういうカスミはフッと笑みを浮かべると頭に銃を突きつけているポーズをとってそう言った。

 

「さぁ、さっさと優勝賞品を貰いに行きましょ!」

「お、おう‼︎」

 

カスミとピカチューを抱いた俺はそのままゴルーデンボールブリッジを渡りきった先にいる黒いコートを着て、更に黒の帽子を深く被った男に声をかけかける。

 

「!…ジムリーダーのカスミ…⁉︎」

 

その男はカスミを見た瞬間に小さく驚いた声をあげた。

するとカスミは後ろから走ってやってくる俺を指差して

 

「トレーナーを全員倒したのはこいつよ、さぁ私はその付き添い。」

 

「…好都合だ…。」

 

「!」

 

何やら怪しい言葉が俺の耳に届いた。

同じくピカチューにも聞こえた様で俺はピカチューを地面に放した。

 

すると案の定…

 

 

「いけっ‼︎」

 

男がそのコートから3つのモンスターボールを取り出すと地面に向かって投げる。

 

現れたのは紫色で胴体が広くその胴体には奇妙な模様が描かれてある蛇型のポケモン、アーボの進化系アーボック。

 

そしてドガースの進化系で2つの顔が繋がり身体中からガスを発生させている毒ガスポケモン・マタドガス。

 

そして黄土色の身体に長い髭、そして額に刻まれた赤い星の模様に、腹部の赤い波の模様、片手にスプーンを持ち、すでに臨戦態勢となりサイコパワーを放っている念力ポケモン・ユンゲラー。

 

「何よ⁉︎」

 

急に襲いかかってきたその男に向かってカスミが叫ぶ。

 

「なんだかんだと聞かれたら答えてあげるが世の情けってな‼︎」

 

その男はバッと黒のコートを脱ぎ去るとそこには見た事のあるRの文字が胸にプリントされた黒い団服が…

 

「ロケット団⁉︎」

「ピカチュー‼︎“フラッシュ”‼︎」

 

カスミが驚いている間に俺はピカチューに敵の目をくらますために“フラッシュ”を指示。

指示に従いピカチューは少し駆け出すと飛び上がり目をくらます様な強烈な閃光を発する。

 

「グッ⁉︎」

 

強烈な閃光にロケット団の団員含め3匹のポケモン達も怯む。

 

「ホスタ“ハイドロポンプ”‼︎」

 

閃光の中放たれたのは水タイプの技“みずでっぽう”とは比べ物にならないほどの水流いや、激流。

 

「っ…ユンゲラー“まもる”だ‼︎」

 

その技名に危機感を覚えたロケット団団員はすぐにユンゲラーに技名を指示、ユンゲラーもそのサイコパワーを生かして激流の位置をサーチし、その場所…アーボックの目の前に立つと防御壁を展開する…しかし…。

 

「ユッ⁉︎」

 

防御壁は突き破られそのままアーボックとともに吹き飛ばされる。

 

「なにっ⁉︎」

 

視界の戻ったロケット団団員は吹き飛ばされるユンゲラーとアーボックを目にして驚きの声をあげる。

“まもる”は絶対防御の技の筈…

 

しかし

 

「レベルが違うのよ‼︎」

 

技を放ったのはジムリーダーであるカスミのベストメンバーの1匹、レッドがジム戦で戦った同じ種類のポケモンとは纏う雰囲気も力量(レベル)も天と地ほどの差がある。

 

 

スターミー・ニックネーム『ホスタ』

 

 

絶対防御の技など存在しない、レベルの高い相手の攻撃を前に“まもる”は無意味だった。

 

「くそっ⁉︎大丈夫かユンゲラー‼︎アーボック‼︎」

 

ユンゲラーとアーボックは“まもる”によってダメージ軽減したおかげでなんとか戦闘不能にならなかったがHPを半分以上削られたのは目に見えていた。

 

「ピカチュー‼︎“でんきショック”‼︎」

「ぴかっ‼︎」

 

ロケット団団員の視線が2匹に向いた瞬間ピカチューが“フラッシュ”を放った位置から飛び上がり残り1匹マタドガスに向かって強烈な電撃を浴びせる。

 

「マタドガス⁉︎」

「もう1発だ‼︎」

 

今度は技のダメージで動けないマタドガスに捕まり、再び強烈な電撃を浴びせる。

 

「マ〜タドガ〜〜ス…⁉︎」

 

マタドガスは間髪入れずに放たれた強力な電気に耐え切れずそのまま力尽き地面に浮いていたその身体を地面につけた。

 

「まず1匹‼︎」

 

レッドとピカチューの鋭い視線が今度はアーボックとユンゲラーに向く。

 

「ちっ⁉︎ユンゲラー“テレポート”‼︎」

 

ユンゲラーはアーボックを連れ、そのままロケット団団員の元へと飛ぶ、そして

 

「もう1度だ‼︎」

 

そう言うと再びユンゲラーはテレポートの体制に入る。

 

「させるか‼︎ピカチュー‼︎」

「ホスタ‼︎」

 

ピカチューの電撃とホスタの激流がユンゲラーとロケット団団員に向かって襲いかかるが一足遅くロケット団団員は30メートル先にテレポートする。

 

「⁉︎短っ⁉︎」

 

あまりに近い距離へのテレポートにカスミのツッコミが入る。

 

「ダメージで長距離移動が出来ないんだ‼︎

カスミ‼︎追い詰めて取っ捕まえるぞ‼︎」

「ええ‼︎」

 

そう言うとレッドは腰のモンスターボールを1つ取り出しポケモンを繰り出す。

 

「ザッ‼︎」

 

繰り出したのはヒッポ。

 

「ピカチューは連続で“でんきショック”

ヒッポは“ニトロチャージ”で素早さを上げ続けろ‼︎」

 

隙を見せた瞬間上げた素早さを活かした“つばめがえし”でユンゲラーをおとす‼︎

 

そしてカスミは…

 

「ホスタ戻って‼︎」

 

移動する相手にスターミーじゃ無理だと判断したカスミはホスタを戻し

 

 

「トゲピ‼︎お願い‼︎」

 

 

繰り出されたポケモンは真っ白なまるで全翼機の様なフォルムをし、腹部には赤色と青色の三角形が散りばめられた模様をしている、何か見てると心が暖かくなる様な天使のオーラを纏ったポケモンが現れた。

 

「なっ…?」

 

レッドの間抜けな声が響く。

カントー地方以外のポケモンに基本的に疎いレッドだが、このポケモンは知っていたのだ。

 

レッドが最もポケモントレーナーとして尊敬し、憧れ、そして魅了されたトレーナーの手持ちの一匹。

 

お互いの存在を認め合い無駄に争わない人の為に様々な恵みを分け与え、揉め事の起こる場所では決して現れない

 

 

 

祝福ポケモン トゲキッス

 

 

 

カスミが繰り出したのは正にそのポケモンだった。

 

「トゲピ“エラスラッシュ”‼︎」

 

空をも切り裂く空気の刃がユンゲラーに襲いかかる。

 

「っ⁉︎アーボック‼︎」

 

ロケット団団員は一旦戻したアーボックを再び繰り出したが…

 

 

「シャーボック⁉︎⁉︎」

 

 

アーボックはどうする事も出来ずに空気の刃を直に受けそのまま戦闘不能。

更にレッドの指示を受けたピカチューとヒッポが襲いかかる。

 

「“テレポート”だっ‼︎」

 

ヒュンッと音を立ててユンゲラー達は姿を消した。

 

「どこだっ‼︎」

 

レッドとカスミは辺りを見回すもその姿は見当たらない。

 

「逃げられたか…」

 

「さっきよりもエネルギーのチャージ時間が長かった…恐らくもうこの周辺にはいないと思うわ。」

 

カスミはトゲキッス、ニックネーム『トゲピ』をモンスターボールに戻し、レッドにそう言った。

 

「っ…」

 

レッドも血眼になって探すのを諦め大人しくヒッポをボールに戻す。

 

「今は切り替えてマサキの元へ行きましょ、それまでにアンタはアンタでやらなきゃいけない事がなるでしょ?ヤマブキシティに行くまでにね。」

 

「…あぁ。」

 

そう言うとレッドとカスミはマサキの元を目指して歩き続ける。

 

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 

どこがわからない、機械音のする

 

「部下から連絡が入ったわ、現在ハナダジムはジムリーダーが不在だそうよ。」

 

以前にトキワの森で耳にした女の声…アテネの声が耳に入る。

そしてその声の先にはその時と同じ話し相手、セロリアンブルーの髪色のシュッとした男・アポロは右手を顎に当て何かを考えると

 

「そうか、少し計画とは違うが…まずはハナダから攻めようか。」

 

 

物騒な言葉を口にした。

 

「5分で準備をしろ、すぐに出発する。

使用するポケモンは水タイプのポケモンに相性のいい電気タイプ、草タイプのポケモンを中心に奇襲を得意とする()()()()を使用する。」

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

「なんだこれは…⁉︎」

 

 

グリーンの驚きの声が穴の中に響きわたる。

 

 

 

グリーンが目にしたのは…

 

 

 

散々に荒らされたディグダの穴の姿だった。

 

 

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