赤き旅人の巡る物語   作:morumo

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2話連続投稿です。


第9話 学ぶべきもの

ニビジム

 

「フシくん“つるのむち”‼︎」

「ダネフシッ‼︎」

「イワッ⁉︎」

 

ドスン!

 

「イワーク戦闘不能フシギダネの勝ち‼︎よって勝者チャレンジャーブルー‼︎」

「やったぁー‼︎」

「ダネフシッ‼︎」

 

そこではレッドに続きブルーがジム戦を挑みブルーのフシくんがタケシのイワークを倒し、タケシに勝利したところだった。

 

「・・・マジかよ、フシくんだけで2匹倒しやがった・・・」

 

そう、ブルーはフシくんだけでタケシのイシツブテ、イワークを撃破。2匹目のロコン、コンちゃんを使うことなく勝利した

・・・・・2匹使ってギリギリ勝利した俺と違いフシくんの能力を存分に発揮させてだ・・・・ブルーが勝ったことは嬉しいけど・・・なんかトレーナーとしての差をみせつけられたみたいでなんか・・・複雑。

 

「完敗だよ。はいグレーバッチだ。」

 

「ありがとうございます」

 

ブルーはテクテクと俺の元へやってくる。

素直に褒めろ!悔しい気持ちを外に出すな‼︎

もし出したら絶対にからかわれるからな‼︎・・・もしかしたら説教されっかも。

 

「ナ、ナイスバトル・・」

どもっちまったー⁉︎

 

レッドはぎこちない笑顔と軽く裏返った声でブルーに声をかけた。

 

「・・・・・・・・」ニヤッ

 

カッチーン!

今俺カッチーンときました♪

た、確かに俺の方がトレーナーとしての実力は下かもしれないけどさ、そんなあからさまな笑みをみせなくたっていいじゃない!

あぁ〜もう!悔しい悔しい悔しいぃ〜〜〜‼︎‼︎

 

「な、なんだよぉ〜‼︎」

 

「いや、ふふ、可愛いなぁーって」

「そ、それは男に言うセリフじゃねぇよ‼︎」

「でも赤くなってるじゃない。照れちゃってもう、かわいい〜ふふっ」

「う、うっさい‼︎俺をからかって遊ぶんじゃない‼︎」

 

レッドはプイッと顔を反らすと早歩きでジムを後にする。

 

「あっ、ちょっと待ってよ!」

 

ちょっと待ってよ!って言われたって誰が待つか‼︎コンチクショーめ‼︎‼︎

ん?そういえば・・・

 

レッドはピタッと止まりクルッとブルーの方に振り返る。

 

「俺とブルーっていつまで一緒に行動するんだ?」

「へ?」

 

ブルーは目を大きく見開いて動きを止める。

レッドも同じくその場で動きを止める。

 

「・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・って長ぇよ沈黙‼︎TV番組だったら放送事故だよ⁉︎」

 

「・・・・・・・・」

「ってまだだんまり⁉︎⁉︎ブルー姐さんどうしたのさ⁉︎しっかりしろよぉ⁉︎」

 

「ぁぁ・・・」

「ど、どうした⁉︎」

 

いきなりなんか色っぽい声出して・・・不覚にもドキッとしてしまっただろう‼︎

俺にはナナミさんがいるのに・・・まだ告白もできてないけど・・・付き合ってもいないけど・・・

 

「姐さんって響き・・・最高ね‼︎」

「そこに反応するんじゃないよぉ⁉︎」

 

もう駄目だ!ブルーは壊れた!

混乱状態だ‼︎いや、もしかしたら思考が戦闘不能状態かもしれん‼︎意味わかんねーよ‼︎

あぁ‼︎もうノリツッコミしちまった⁉︎もう俺のテンションまでおかしな事になってんだろーがぁぁぁぁ‼︎

 

「レッドは私と行動するの・・・嫌?」

「ふぇ⁉︎」

 

何て言った?

Please say one more time?(もう一回言ってください)

 

「だから、私と一緒に旅をする事ってレッドにとって苦痛?」

 

「え?えぇと、あの・・・その・・・うぅぅ・・・・///」

駄目だこりゃ⁉︎

 

「ふふっ」

笑うなぁ〜⁉︎

 

「〜〜〜〜〜〜〜‼︎」

 

「ははははははっ!そんな顔で訴えても『可愛い』としか思わないわよ!ふふっ!」

 

そんな顔って・・・多分俺顔真っ赤だな・・顔熱いもん・・・本当にどうしたんだ?俺・・・

 

「俺が思ったのは男と女が一緒に旅をするってアレだなって思っただけだ‼︎」

「変態」

「えぇぇぇぇ⁉︎⁉︎」

 

ブルーさん⁉︎

目が冷たいっす‼︎目から冷凍ビームでてるっす‼︎・・・え、あの、ちょっと本当に怖いからやめて⁉︎

 

「はぁ〜、レッド考えてみてよ・・・私とあなたの目的。」

「え?えぇと・・・ジムバッチを全てゲットする事、あ」

 

「ポケモンジムはカントーで8つしかないのそしてジム巡りの旅をしていると分かれ道がヤマブキシティまでないのよ。」

 

確かにこの先のおつきみやまを越えた先にあるハナダシティの更に先にある街、カントー1の都会街ヤマブキシティから南に行くとクチバシティ、西に行くとタマムシシティ、ジムはないが東に行くとシオンタウンと分かれ道がある、逆に言えばそこまで分かれ道がないのだ。

ハナダシティにもイワヤマトンネルとヤマブキシティのどちらかで分かれ道があるが、イワヤマトンネルは最近事故があったせいでイワヤマトンネルへの道は塞がれてしまったためイワヤマトンネルへは行けない。

 

「それに私はフシくんの件をオーキド博士に伝えてないし、もしかしたらレッドと同じポケモン図鑑が貰えるかもしれないのならレッドと暫く行動を共にしていた方がよくないかしら?」

「あっ・・・そうだ、それがあった。」

 

完全に忘れてた、ていうか図鑑の件はあんまり期待して欲しくないんだけどなぁ・・・

 

「忘れないでよ、結構楽しみにしてるんだから」

「いやいや、図鑑の件はあんまり期待すんなって言ったろ⁉︎」

 

オーキド博士は一応世界的権威を持つ研究者だから、お願いするっていうのは一般の人から見れば恐れ多い事のはずなんだよ。

俺は小さい頃からオーキド博士と暮らしていたからそれが他の人より無いっていう自覚はあるけどそれでもあまり労力を煩わせるたりするのは気がひける。

・・・そんな俺と同じかそれ以上にオーキド博士に軽い感じのブルーのこの感じは一体何処から来るんだろう・・・。改めてブルーについて考えるとなんか・・・とんでもない奴だな・・・こいつ。

 

「まぁ、いいや。じゃあポケモンセンターでオーキド博士に連絡するか。」

「賛成ー‼︎」

 

とりあえず、俺とブルーはヤマブキシティまで一緒に行動する事になりましたとさ。

 

 

 

ポケモンセンター

 

「ーという事です」

 

『つまりフシギダネは今、ブルー君の手持ちになったっというわけじゃな。』

 

俺たちはオーキド博士にフシくんの件について話していた。

 

『ブルーさん』

「はい」

 

そして驚いた事にブルーの奴、オーキド博士の前でも緊張する事なくいつも通りに喋っている・・・ブルー、恐ろしい子・・・‼︎‼︎

 

『わしにフシギダネを見せてくれんかの?』

「いいですよ。出てきて、フシくん!」

「ダネフシッ‼︎」

 

フシくんがブルーに抱えられる状態でモンスターボールから出てきた

 

 

『おおっ!久しぶりじゃのうフシギダネ‼︎元気にしとる「ケッ‼︎」かぁ・・・・ぉぉ・・・』

 

「・・・・・・・」

「・・・・・・・」

 

え?・・・・フシくん⁇⁇・・・・

 

今、ペッてした・・・すげー顔で・・・フシギダネの外見を止めていない顔で・・・

 

『ぁぁ・・・ぇぇ、うぅ・・・フシ・・ギダネ「ケッ‼︎」?・・・・』

 

再びフシくんがつばを吐く。

するとオーキド博士も再び落ち込んだがすぐに何かひらめいたようでポンっと手を叩いた。

 

『あぁ‼︎そうか‼︎元気にしとったか?フシく「ペッ‼︎‼︎」ん・・・』

 

「ダネダネ、フシフシィ〜‼︎」

 

あぁ・・・なんか、身体中をかきはじめた・・・いかにも『お前にニックネームで呼ばれるのは生理的に無理』と言っているような顔で・・・ていうか実際そう言ってそうだ・・・

 

『うぅ‼︎落ち込んでもしょうがない!フシギダネは君に懐いているようじゃしフシギダネは君にあげよう。どうか、フシギダネを大切にしてやっておくれ。』

 

「はい‼︎」

 

そんな事よりもフシくんの博士への態度の理由がスゲー気になる・・・。

っと、それよりも・・・

 

「それで博士・・えぇと・・・ポケモン図鑑って余ってる?」

『余っとらん‼︎』

「そう・・・」

 

残念ブルー、君の望みは潰えてしまったよ・・。

俺は期待すんなって言ったからな⁉︎言ったよ⁉︎だから責めないでね‼︎・・・てなんなのかなその顔は⁉︎博士に見えないように隠れて俺にジト目を向けるのはやめてもらえるかな⁉︎

 

『しかしあと1台くらいなら作る事は可能じゃ、お前も知ってると思うがグリーンが壊しよった図鑑の修理のためにパーツを購入した際に余分に買っておいた』

 

おおぅ‼︎これは・・・これは・・・

 

「!じゃあ・・・」

 

『ブルー君にも図鑑を渡せるというわけじゃ。』

 

希望の光キタァァァァァァァ‼︎

グリーンさまさま⁉︎Yes‼︎Green samasama‼︎

っておかしなテンションは置いておいて本当によかった・・・

 

「ありがとうございます‼︎」

 

ブルーが博士に感謝の言葉を述べる

 

「・・・ダネフシ」

 

おぉ‼︎フシくんも感謝の言葉を博士にいった‼︎()()に‼︎渋々だけど‼︎()()だけど‼︎

 

『おぉ・・・フ、フシギダネ‼︎わし・・わし頑張るからな‼︎すぐに作るから‼︎』

 

博士の目に涙が浮かんでいる・・・よかったね、博士

 

 

それから俺たちは博士と話をした。

図鑑の完成には少なくとも1週間はかかるみたいなので、俺とブルーはそこまで自由に旅を続けて貰って結構らしい、どうやって届けるのかはわからないが旅を止める必要がないのはありがたい。

 

「さぁ、ブルーどうする?今日はここでポケモンセンターの宿に泊まるか、それとも先に進んで野宿するか」

 

現在の時間は丁度午後4時と先に進むのも進まないのも微妙な時間だったためブルーにその選択をしてもらうために問いかけた。レッドは別に野宿でも気にしないがブルーは女性だ、川辺で水浴びではなくやっぱりちゃんとしたお風呂に入りたいと思うだろう、そのためだ。

 

「進みましょ。」

「!」

 

意外だな・・・絶対に宿に泊まると言うと思ったのに・・・

 

ブルーは正直に意外そうな顔を出したレッドに自分へのフォローのため・・・汚れとかそういう事を気にしない女子に思われないために理由を説明した。

 

「この先の3番道路には川辺があるのはわかってるしコンちゃんに頼めばちゃんとお風呂に出来るし、そのための機材や入浴剤も持ってるから野宿したとしても大丈夫なの。1週間ここに滞在するなんて時間の無駄したくないし、1週間しかないのよ。それだとギリギリハナダシティまでいけるかどうかなの、だから少しでも先に進みましょ。」

 

すげぇ舌を巻いて話し出した・・・

 

ブルーの弁明、フォローよりもブルーの吐く言葉の早さに圧倒されたレッド、ブルーもそれに気づいたのか少し頬を赤くして俯く。

 

「えぇと・・・じゃあ行くか。」

 

「・・・うん」

 

 

 

 

 

 

 

レッドたちが先に進む事を決意した時

 

ー3番道路 おつきみやま側ー

 

「ゼニガメ、“みずでっぽう”」

「ゼニー‼︎」

 

グリーンは野生のポケモン達とバトルしていた。

グリーンがオーキドから貰ったポケモン、ゼニガメの口から勢いよく放たれた水流が野生のポッポ、コラッタに命中そのまま戦闘不能状態に追い込む。

 

「よくやったゼニガメ。」

「ゼニゼニガメガー‼︎」

 

スッとグリーンの手が右腰のポケットに回されるがピタッとグリーンの動きが止まる。

 

「ちっ、図鑑がないせいでいちいちポケモンセンターに行かないとステータスがわからないのか・・・」

 

どうやら図鑑を取り出そうとしたらしいがグリーンの図鑑は壊れ現在オーキド博士に修理を頼んでいた。

どうやらグリーンはレッドよりも図鑑を使いこなすが故に図鑑に頼ってしまっていたようだ。

 

「ダメだ、図鑑は確かに便利だが依存するのはよくない。」

 

グリーンはボソボソと自分を叱責する。

スッとグリーンは周囲を見渡す。

 

そこには1番道路で見かけたポッポやコラッタは勿論、ピンク色の所々に濃いピンク色の斑点がある体に大きな耳と額から伸びだ長いツノが特徴のポケモン ニドラン♂とニドラン♂よりもツノが短く、ピンク色のニドラン♂とは違って薄いブルーと濃いブルーの斑点がある体をしたポケモン ニドラン♀などが生息していた、が・・・

 

「何か慌ただしい・・・」

 

ポケモン達がバトルをふっかけてくるのだがそれも全て自分達の意思でやっているというより『邪魔だからどいてくれ』と言っているかのような雰囲気なのだ。

グリーン達は確かにポケモン達から見たら邪魔者かもしれないが縄張りから追い出すにしてはおかしい、普通ポケモン達が縄張りがかかった勝負をする時は群れでかかってくるはずだからだ。

 

しかもポケモン達の姿にはバトルが始まってもいないのに焦りが目立つのもおかしい。

 

「何かあったのか」

 

ポケモン達がグリーンの進行方向から来るということは

 

「おつきみやま。」

 

おつきみやまで何かが起こっているとグリーンはそう予測した。

 

今の俺の手持ちは2匹・・・力量(レベル)から言っても問題はない・・・

 

「行くか・・・」

 

そう言うとグリーンはゼニガメをモンスターボールに戻しておつきみやまへと続く道を歩いて行った。

 

 

 

 

ー13番道路 ニビシティ側ー

 

最初は木々に囲まれた自然が垣間見えるような道路だがその先にあるおつきみやまに近づくにつれて木々はなくなり岩場の道となるこの道路でレッドとブルーは

 

「ヒッポ“ニトロチャージ”‼︎」

「フシくん“つるのむち”‼︎」

 

13番道路のトレーナーに挑まれたタッグバトルを行っていた。

お互いにオーキド博士から貰ったポケモンを使う事で、ポケモン同士のコンビネーションも見ず知らずのポケモンと行うよりもずっといいものになっている。

 

ヒッポはニビジム戦で見せた『ノーモーションニトロチャージ』をものにしていた、というよりニビジム戦以降、ヒッポが放つ技の溜めやモーションが少なくなっている。

『もうか』発動の反動がいい方向でヒッポの身体に現れたらしい、一瞬の隙が命取りにもなりゆるポケモンバトルにおいてモーションを少なくするということはとても大事なことだ、ヒッポにはこの感覚を忘れないように沢山バトルすることによって体に染み込ませて貰おうとレッドは考えていた。

 

「はやっ⁉︎くっ・・・コタロウ“かみつく”‼︎」

「させるか‼︎“ひのこ”」

「カァッ‼︎」

「コラッ⁉︎」

 

ヒッポの攻撃がコタロウ、コラッタに命中する。

 

今までのヒッポの“ひのこ”は発動時、一瞬の溜めが必要になったが今、放たれた“ひのこ”にはその動作が見られなかった。

 

「くっ、コタロウをフォローするぞ‼︎ポタロウ“かぜおこし”‼︎」

「させない‼︎フシくん“つるのむち”でポッポの動きを封じるのよ。」

「ダネフシッ‼︎」

 

フシくんの蔓がポタロウ、ポッポの体に巻きつき指示された技“かぜおこし”を封じる。

 

「レッド‼︎」

「あぁ‼︎ヒッポ、ポッポに“ニトロチャージ”‼︎」

 

ヒッポは身体に炎を纏い蔓に縛られたポッポに突撃する、フシくんはヒッポの攻撃がポッポに命中する瞬間に蔓を離したことによってダメージを受けることはなかった。

ポッポは戦闘不能状態になって地面に墜落した。

 

「ポタロウ‼︎」

「あとはコラッタだけだ‼︎ヒッポ“えんまく”!」

 

ヒッポとコラッタを黒い煙幕が包み込む。

 

「コタロウ‼︎煙幕から脱出しろ。」

「ヒッポ“ひのこ”‼︎」

 

ヒッポは自身の放った煙幕で周囲が見えないなか火の粉を放つ、しかしコラッタには命中することなくコラッタは煙幕のなかを脱出する。

しかし

 

「とどめよ、フシくん“たいあたり”‼︎」

「フシッ‼︎」

「コハッ⁉︎」

 

 

そこにはフシくんが待ち構えていた、ヒッポは“ひのこ”でコラッタを誘導していたのだ。

コラッタも戦闘不能になり地面に倒れた。

 

「しっ!」

 

「あぁ・・・負けちゃった。バトル受けていただいて有難うございました。」

 

レッドとブルーがタッグバトルをした相手の片方、黒髪を七三に分けたまだレッドよりも随分年下の子供が礼を言いに来た。

トレーナーズスクールの生徒だろう胸にトレーナーズスクール生徒の証であるワッペンがあった。

 

「いや、こちらこそ。いいバトルだったよありがとう。」

「・・・・・」

 

笑顔を見せて子供達と同じ目線に下がり感謝を述べるレッドとは逆にブルーは冷たい目線で少年2人を見つめる。

 

「君達、トレーナーズスクールの生徒よね。」

 

ー冷たい視線に冷たい声ー

 

それによって2人の少年が体をビクッと強張らせる。

 

「おい、ブルー。」

「レッド、あんたもわかってるんでしょ。」

 

明らかにブルーに対して恐怖を抱いた子供達を見てレッドはブルーを制止するために声をかけたがレッドに対してもブルーは子供たちと同じかそれ以上の冷たい視線を向けた。

その迫力とブルーの言っていることを理解しているが故にレッドは黙ってしまう。

 

「この子たちはまだトレーナーズカードを持っていないのよ。」

 

トレーナーズカード

例えて言うならば車の免許証と同じだ。

10歳になると全ての人が貰うことのできるポケモンを扱うことを許可されたカードだ。

これを持ってはじめてポケモントレーナーと言われるのだ

詳しく言えば、ポケモンを扱ってバトルすることを許可するカード、これを持っていないのにバトルをすると警察から注意がくる、2回目からは罰金、そして最悪の場合ポケモンの保護の名目のもとにポケモンを没収される。

 

レッドとブルーはお互い11歳、この少年達は明らかに10歳に至っていない。

つまり、トレーナーズカードを持っていないのだ。

 

「あぁ、わかってる。」

「なら何でバトルを引き受けたの。」

 

ブルーの声に圧がかかる。

 

「断ったとしてもまた別のトレーナーにバトルを申し込むだけだろ?なら、俺たちがバトルして戦闘不能にすれば嫌でもポケモンセンターに行かないといけないだろ?時間からしてポケモン達の回復が終わったら外は暗いから家に帰るだろう。」

 

「ぬるいわよ。レッド」

 

ここからブルーの反論が始まる。

 

「そんなことしてもこの子達は明日また違う誰かに勝負を挑む、そしてこれからずっとそうなるわ、そしていつか取り返しのつかないことになるのよ!」

 

警察にポケモンを没収されるか・・・・・

自分かポケモンが大怪我を負うか

 

ポケモンの扱いは一歩間違えたら危険なものだ。

だからこそ、トレーナーズスクールでポケモンのことを学ばないといけない。

だからトレーナーズカードがある。

 

「君達のせいで君のポッポやコラッタが命の危険にあってもいいの⁉︎」

 

ブンブンと2人の少年は首を振る。

 

「・・・・理由」

 

ポツリとレッドが言葉を発する。

ブルーと少年2人がレッドの方を振り返る。

 

「君達には何か理由があったんじゃないかな?」

 

レッドは少年2人に問いかける。

ブルーとは違い温かい視線と温かい声音で。

 

すると先程感謝を述べた少年が口を開きだす。

 

「俺・・・明日引っ越すんです。カロス地方に」

 

これまた遠いところに・・・と同時に引っ掛かりが取れたと思った。

 

レッドはバトルの最中、ポケモンに集中すると同時にトレーナーである少年2人にも注目していた。

バトルを挑んだ時の2人の姿には何かしら切羽詰まった感じと何が何でもバトルをしたいという思いが感じ取れた。

それはポケモン達にも同様に感じ取れた。

 

戦闘不能にしたのとさっきのブルーへの言葉はポケモンを持つものとしての最低のルールを破ったことをブルーは必ず許さないだろうと思ってやった、いわゆるブルーへの建前だ。

既にレッドの右手にはブルーに見られないように2人のポケモンの体力を回復するには十分な量のオレンの実が握られていた。

 

「俺が・・・提案したんです。」

 

するともう片方の少年、少しつり目気味のコラッタを使っていた少年が前に出て話し出した。

 

「最後に、タッグバトルをしようって、トレーナーズスクールで貸してもらえるポケモンじゃなくて・・・お互い小さい頃から一緒に暮らしてきたコタロウとポタロウでって。」

 

「でも・・・ダメですよねやっぱり、正式なポケモントレーナーにもなれてないのに、やっちゃってから反省しても遅いと思いますけど。」

「・・・・・」

 

レッドは少し黙った後立ち上がる

 

「ブルー‼︎予定変更‼︎」

「はい?」

 

そう呟くとレッドはヒッポとアイコンタクトをとると

 

「カゲッ‼︎」

「ダネダネッ‼︎」

「えっ⁈フシくん⁉︎」

 

ヒッポと声を掛け合ったフシくんがブルーの右手首に蔓を巻きつける。

 

「さあ!お前らも行くぞ‼︎」

「えっ⁉︎」

「はい⁉︎」

 

そう言ってレッドは少年2人を引っ張って走り出す。

フシくんはブルーを引っ張りヒッポはブルーを押してレッドについていく。

 

「ちょっ⁉︎ちょっと‼︎どこ行く気⁉︎」

 

レッドが走っている方向は今進んでいた方向とは逆、つまりニビシティの方向へ向かっていた。

 

 

 

 

ーニビジムー

 

「ポタロウ“かぜおこし”‼︎」

「コタロウ“かみつく”‼︎」

 

「ヒッポ“ひのこ”‼︎

キーク“けたぐり”‼︎」

 

少年2人のポッポとコラッタとレッドのヒッポとキークが2対2のバトルを繰り広げていた。

 

「いいんですか?ポケモン協会公認のジムリーダーがこんな事して。」

 

ブルーが隣に位置する人物に声をかける。

 

「ジムリーダーがトレーナーズスクール生徒にポケモンバトルの事を教える事に何にも問題はないさ、バトルフィールドを貸し出すこともね。」

 

その隣の人物、ニビジムジムリーダー タケシは少年達のバトルを優しく見守っていた。

 

レッドはニビシティへ戻るとすぐにニビジムに直行しタケシに事情を説明し、ジムリーダーの役職を利用して少年達に大きなバトルフィールドでめいいっぱい戦わせてやってくれと頼んだ。タケシはこれを聞き入れるとすぐにジムを閉館し少年達のためにバトルフィールドを貸し出した。

 

「それにあんなに必死にお願いされちゃあ人としても断るわけにもいかないしな」

 

「ポタロウ‼︎」

「コタロウ‼︎」

 

「「“すなかけ”‼︎」」

 

「うおっ⁉︎」

 

そう話している間にも3人は楽しそうにバトルをしている。

 

「あいつはきっと立派なポケモントレーナーになるよ。」

 

タケシがレッドの姿を見て呟いた。

ブルーも黙ってその言葉に耳を傾ける。

 

「ポケモントレーナーとしての技術はまだまだ未熟だけど、そんなものは経験を積めば勝手につくもの、最初のステータスなんてただスタートの切り出しがいいか悪いかの違いだけのこと最後の結果には何の関係もない。」

 

「だけどあいつは、レッドにはたとえ経験を積んでもつく事のないものが沢山ある。人の気持ちを感じ取りそれに親身になって行動する優しさ、行動力、それによって伴う人の痛みにも敏感に感じ取れる。簡単そうに見えるけどそれを本当にやるとすると自分へのリスクを上げる事になるんだ。」

 

この事はブルーは認めていた。

レッドは2人の少年との一瞬の会話だけで違和感を感じ取り、バトル中のポケモン達とのシンクロを見て事情がある事を察知し、自分の旅の予定を遅らせてここにきたレッドにブルーはタケシと同じような事を思っていた。

 

「たった一度のポケモンバトルだけで俺はそれを感じ取ったんだ、俺よりも長く一緒にいる君ならもっと感じ取れただろう。」

 

その言葉にブルーは少しドキッとした。

確かにレッドから感じ取ったものは多い、しかしタケシの言葉には裏がある

 

 

君はレッドから感じ取ったものを学習したか

 

 

そうなるとブルーは怪しい、レッドから感じ取ったものを自分のものへと出来たか

ブルーはそれを学ぼうと思った事さえ怪しい。

心の中でお人好しのレッドを馬鹿にしている自分がいる。

トレーナーの技術という結果とは関係のない最初のステータスで自分より劣っているレッドを少なからず見下し、馬鹿に、上から目線でレッドの全てを見ている自分がいる。

 

心の中でレッドを認めるのを拒んでいる自分がいる。

 

だからこそ

 

「そうですね。」

 

ブルーには心のこもっていない返事しか出来なかった。

普通の人なら流しそうなブルーの返しの変化に流石ポケモン協会が認めたトレーナーであるタケシ、その変化にピクッと反応した。

 

「そうか・・・」

 

「だけど、すぐに認めざるおえなくなるさ。」

 

そう呟くと

 

「おーい!レッド‼︎俺も混ぜてくれ‼︎」

 

タケシはレッド達の元へと走って行った。

 

「・・・・・・・・・」

 

ブルーはその場で黙りジッとする事しか出来なかった。

 

 

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