INFINITE STRATOS ~業火の腕で掴むもの~   作:Mr. P.C.

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サブタイトルの題名は本当に悩みます。小説家や作曲家は凄いなぁ、なんて実感し始めている今日この頃。


プロローグ4:告げられた事実

「・・・つまりあのアンノウンを操っていたのは、男だったという事か?」

「はい、残念ながら黒いラファールは既に姿がありませんでした。」

千冬とIS小隊がアンノウンを確保し、特務機関の本部に帰投してから20分が経過していた。千冬は梶原に事の全容を報告していた。

 

「アンノウンを操っていたのは、織斑一夏と同じ男子だった。」

 

この事実に本部は先程のスクランブルより更に騒然となり、そこかしこで職員が駆け回っている。

「神谷靖人だったか?彼は今どうしている?」

「意識不明の状態だったため現在メディカルルームにて治療を受けています。ISは技能班が詳しいデータを解析中です。」

千冬の報告に、梶原はため息をつく。予期せぬ出来事が続き、かなり参っている様子だった。

「むぅ・・・。先日の検査ではISを動かせなかった少年が、何故ISを・・・。あのアンノウンに秘密があるのか?」

梶原はしばらく考え込むが、今の段階では何の結論も出ない。

「とりあえず、ご苦労だった織斑。そしてすまないが事態が落ち着くまで暫く此方にいてくれ。また色々と頼むかもしれん。」

「了解しました。では、失礼します。」

千冬は踵を返し、メインルームを出ていく。

長い廊下を歩きながら、彼女は靖人について思案していた。

(一夏に続いて、まさか彼までISを動かすとは。だが、ISを動かせる男はもういないのは、あの検査で明らかな筈だ。彼が検査に参加していなかった訳がない。となるとやはりあのISに秘密が・・・。)

そこまで考えたところで千冬の足が止まる。あのISに何か引っ掛かる物を感じる。次の瞬間には千冬は走り出していた。

「まさか、貴女が関わっているのか?『博士』・・・。」

千冬は技能班が解析を行っている部屋に辿り着くと、勢いよく扉を開けた。

 

 

 

真っ暗だ。

何も見えない。

ここは何処だろうか。

見渡しても見渡しても、辺りにあるのは闇ばかり。

何もない。・・・いや、違う。

誰か・・・いる?

僕の目の前に誰かいる。

でも、暗くて誰か分からない。

君は誰?

どうしてここにいる?

 

 

 

「・・・・は、・・・・・・え・・。」

 

 

 

目を開くと、蛍光灯の光が目に入った。

眩しさに顔をしかめる。ベッドの上だろうか。靖人は起き上がろうとする。しかし体に上手く力が入らず、体を起こすことができなかった。見ると、自分の腕に点滴が打たれていた。となると、ここは病院なのだろうか。

(どうして・・・どうしてこんな所に?)

記憶を探ってみる。確か一夏と電話した後、本屋に行って新しい本を買って、帰ってた時に・・・。

 

そうだ。黒いISに襲われて、そして・・・。

 

輝きを放つ指輪。

現れた銀色の鎧。

間近に迫る雲。

真下に見える町。

迫り来る弾丸、凶刃、爆弾。

 

「僕は・・・ISを動かしたのか?」

そんな馬鹿な。ISを動かせる男はこの世でただ一人、一夏だけの筈。だが、自分が思い出した記憶は、自分がISに乗って敵と戦った物だった。

ふと右手を見たが、中指に指輪が無かった。どこかに落としたのだろうか、あれは大切な物なのに。

「あの指輪は現在此方が預かっている。心配するな。」

靖人が焦っていたとき、部屋の入り口から声が聞こえた。裸眼のため立っていた人物が一瞬分からなかったが、輪郭と声で見当がついた。

「千冬さん・・・!」

「学校では、弟が世話になったな。」

千冬は少し笑みを浮かべながらベッドのそばまで歩いてくる。一夏の姉で、IS操縦者。かつて日本代表としてIS操縦者の頂点を決める大会、『モンド・グロッソ』にて優勝し、『世界最強(ブリュンヒルデ)』の称号を得た人物。

その織斑千冬が、何でここに?

「千冬さん。ここは一体・・・。」

靖人の問に千冬が答えたとき、靖人は頭を殴られたような衝撃を受ける。

「ここは政府直属のIS特務機関の本部だ。お前は・・・、ISを動かしてここに保護された。」

真剣な眼差しで語る千冬が、嘘をついているとは思えなかった。やはりあの記憶は嘘ではなかったのだ。

「何で・・・この前の検査じゃISを動かせなかったんですよ!?」

あまりにも不可解な事実を告げられ、靖人は叫ぶ。千冬は靖人に落ち着くように諭してから、言葉を続けた。

「お前がISを起動した事は勿論想定外だったが、実はイレギュラーがもうひとつあった。あのISは、これまでの機体の中に該当機種が無かった。そこから、新たに開発されたISではないかという意見が上がった。」

「え・・・?」

更に頭がこんがらがってきた。男である自分が、ISの新機種を操縦?訳が分からない。第一、自分がISに触れる機会なんて・・・

「それで、お前のISについて調べさせてもらった。

 

 

お前がいつも身につけていた指輪をな。」

千冬の言葉を聞き、ある仮説が靖人の頭に浮かぶ。そうだ、自分とISを繋ぐたった1つの、大きなファクター。

「まだ全て解析できていないが、コア内の記録からあのISが日本のある研究所で開発されていた事が判明した。そして開発に携わった人物の名前も記されていた。」

仮説が確信に変わっていく。千冬が次に口を開いたとき、靖人の頭の中で全てのピースが一致した。

 

 

 

「『神谷椿(かみやつばき)』・・・彼女の名前も記録されていた。」

 

 

忘れるはずもない。自分にあの指輪を託し、事故でこの世を去った・・・靖人の母親の名だった。




話がかなり難しくなりますね。早く楽しい雰囲気の入学後の話を出したい。
靖人のISと椿に関しては次回詳しく説明します。(できるかな?)
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