INFINITE STRATOS ~業火の腕で掴むもの~   作:Mr. P.C.

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プロローグ最終話です。やっとIS学園に行けます。
この話では、靖人が少しチート能力を発揮します。


プロローグ6:物語の始まり

「うわあぁぁぁっ!!!」

無数の銃口から吐き出される弾丸を受け、靖人は絶叫する。しかし、彼の体には傷1つついていない。

IS『不知火』の強固な装甲が、迫り来る弾丸から彼を守っていたからだ。

事件から3日後、体調が回復した靖人を待っていたのは、不知火の性能テストだった。

『突如現れた試作機のより実践的なデータを取得したい』という政府の命により、特務機関監視の下実施された。テストにあたり、不知火を開発した倉持技研から数人の研究員が派遣されていた。

IS小隊の兵士による指導を受けながら、靖人はまず前進や停止、旋回などの基本的な操作を行った。その時の速度や関節の動きなどのデータが事細かに記録されていく。

更に飛翔や降下などの動きを行い、運動性能のデータがある程度とれた所で、性能テストは次の段階に入った。

『不知火の防御能力の測定』・・・突如展開された無数の機銃に、靖人はなす術もなく蜂の巣にされた。

 

 

『よし、そこまでだ。』

研究員の指令が入り、機銃掃射が終了する。弾幕から解放された靖人は、冷や汗を流しながらがっくりと膝をついた。

(いくらISの防御力が高いとはいっても・・・生きた心地がしない・・・!)

今までISどころか、武器なんて物には縁のない一般人だった靖人にとってあまりにも恐ろしい体験だった。しかし、あれだけの攻撃を受けたのにも関わらず、不知火の武骨な装甲に目立った損傷は無い。シールドエネルギーの消費も少なく、不知火の高い防御力に研究員たちは感嘆の声を上げていた。

『お疲れ様神谷君。しばらく休憩をとろう。1時間後にテストを再開する。』

研究員の1人が靖人を気遣い、テストを一旦中止する。慣れないISの操作にすっかり辟易した靖人は、不知火を解除し、思い足取りでピットに向かった。

 

 

「はぁ・・・。ISってこんなに疲れるものなのか・・・。」

ピット内のシートに倒れこみながら、靖人はため息を漏らす。先程の機銃掃射を始め、ISの操作はかなりのハードワークであった。まず、ISのハイパーセンサーは搭乗者の視覚に直結し、遥か遠くの場所や後方が見えるようになる。それが気持ち悪く、テスト開始直後に気分が悪くなったりした。

加えてISの基本操作はイメージによる物が多く、例えば空を飛ぶためには『空を飛ぶイメージ』を持てば良いらしい。・・・が、空を飛べない人間が空を飛ぶイメージを浮かべるのはとても難しい。指導してくれる小隊の人たちが『背中に翼が生えたような感覚』やら『自分が弾丸になったような感覚』やら、具体的(?)なイメージを教えてくれたおかげか、何とか飛翔する事ができたが、途中でふらついたり失速したりとおぼつかない物だった。何より、高い位置から地表を見たときの恐怖感が半端ではなかった。

「映像だと、今日よりはスムーズに動けてたみたいだけど・・・あの時の事、よく覚えてないんだよなぁ・・・。」

ISに搭乗するために外していた眼鏡をかけながら、ひとりごちる。

昨日、自分が黒いラファール・リヴァイブに襲われた時の映像を見せられた。その時の自分の動きは先程のテストよりも速く複雑な動きをしていた(が、千冬曰く「なってない」動きだったらしく、映像では確かに敵の攻撃をもろに食らっていた)。あれは俗に言う『火事場の馬鹿力』だったのだろうか。結局あの後も気を失ってしまったので、やはりISに慣れてないという事だろう。

ちなみに不知火に搭乗する前、もう一度IS適性があるかどうかの検査をするために打鉄を起動させようとしたが、やはり起動しなかった。なので自分は正確には『ISを起動できる男』ではなく、『不知火を起動できる男』という事になる。

「たかだか2回の搭乗であそこまでやったら、流石に身が持たないか。にしても、情けないな。」

「千冬さん・・・。」

ピットの入口から千冬に声をかけられた。靖人は慌てて姿勢を正す。

「ISの操縦には慣れが必要だ。どれ程長くISを動かしたかが鍵となる。入学までの数日間、できる限りISを起動するように。それと・・・。」

千冬が持っていた袋から何かを取り出す。シートに置かれたそれはドスン、という重量感のある音を立てた。

「・・・千冬さん。これは一体?」

置かれたのはタ○ンページ級の大きさの本だった。表紙にでっかく「必読!」と書かれている。「あぁ、それはだな」と千冬が口を開く。

「IS学園に入学するにあたって、事前学習のために用いられる参考書だ。お前には入学するまでにその本の内容を全て覚えてもらう。」

「え・・・。」

千冬の言葉に靖人は絶句する。IS学園入学まで、残り2週間を切っている。その短い期間でこのタ○ンページの中身を覚えろと?

「本来その参考書はIS学園の受験を考えている者は事前に購入し、大抵半年はかけて内容を覚えてくる。2週間足らずで覚えてくるのは至難の技だと思うが・・・。」

千冬がニヤリと笑う。

「お前ならできるだろう。日本一過酷と言われるエリート高、『明心高校』に合格したお前ならな。」

一夏から聞いたぞ、と千冬が付け足す。靖人はパラパラとページをめくる。やばい、専門用語が多すぎる。何を説明しているのか分からない。分からなすぎて・・・。

「・・・面白い!」

靖人が眼鏡を押し上げる。そこからの靖人の行動は早かった。研究員に頼んでノートと筆記用具を持ってきてもらうと、参考書の内容をぶつぶつと反芻しながら、ノートにまとめていく。

(一夏からこいつが勉強熱心なのは聞いていたが、まさかこれ程とはな・・・。)

周りの研究員を始め、けしかけた千冬も靖人の熱中ぶりに呆れていた。

休憩が終わり、テストを再会しようとしても靖人の手は止まらず、見かねた千冬がチョップで彼を現実に戻した。1時間にも満たない時間で、靖人は全400ページ以上に及ぶ参考書の30ページ分を頭に叩き込んでいた。

こうして靖人はIS学園の入学までの数日間、不知火の性能テスト兼訓練と、IS知識の修得を続けた・・・。

 

 

―世界の、とある場所。

「すまない・・・任務を完遂できなかった・・・。本当にすまない・・・!」

高級ホテルのスイートルームで、一人の女性が苦虫を噛み潰した顔で口を開く。それを聞いたもう一人の女性はまるで気にしていないかのように話し始める。

「あのような事態になるとは私も思っていなかったわ。でも、これで私たちのターゲットが特定できた。」

女性は悔しげな表情を浮かべる仲間に近づき、優しく抱き締める。

「あなたはよくやってくれたわ。今は休みなさい・・・。」

「わ・・・分かった。」

抱き締められた女性は驚いた表情を浮かべた後、照れ臭そうに笑った。

 

 

「あとは、あの子に任せるわ。」

金髪の美しい女性は、窓の外の夜景を眺めながら、妖艶な笑みを浮かべた。




不知火(シラヌイ)
形式:強化外装・七一式
世代:第二世代
国家:日本
分類:遠距離砲撃型
仕様:防御シールド高速修復、エネルギー被膜形成システム「摩利支天(まりしてん)
靖人が操る銀色のIS。日本の第二世代末期の機体で、打鉄の後継機にあたる。打鉄の防御性能を引き継ぎ、さらに装甲表面ににエネルギーフィールドを形成することで高い防御力を得ている。
靖人の母が開発に携わり、靖人の手に受け継がれた。
ISらしからぬ重装備で、顔を除いて全身装甲。見た目は鈍重だが、メインスラスターの出力と多数のバーニアスラスターによってある程度の高速移動が可能。
非固定浮遊部位は盾とスラスターを複合している。
主に砲撃戦用の武装を装備し、味方機の援護を担当する。
武装
・近接ブレード「(こがらし)
鋒諸刃造(きっさきもろはづくり)(刀身の先端から半分にかけて両刃になっている)の刀。打鉄の装備「(あおい)」より刀身はやや短く反りがない。これは不知火の重装甲だと斬りに適した動きがとりづらいため、攻撃を突きに特化させた結果である。
・大型盾「天城(あまぎ)
左腕、非固定浮遊部位に装備される縦長の大盾。装甲と同様にエネルギーフィールドを張ってあり、通常武装ではダメージを与えられない程強固。
・12.7mm六銃身ガトリング砲「針雨(しんう)
左腕装備の天城の裏側に搭載されるガトリング砲。一分間に2000発程の連射性能をもち、弾薬を量子変換することで運用が可能になっている。
・3連装マイクロミサイルポッド
不知火の至るところに装備されるミサイルポッド。
非固定浮遊部位に4基ずつ、肩に2基ずつ、腰に2基、脚に3基ずつ、計20基=60発装填されている。通常時は量子変換されており、発射時のみ展開される。


不知火はとにかく武骨な感じです。個人的なイメージは、『ソロモンの悪夢が操る戦術核搭載機』ですね。武装は思いっきり『重腕』だ、今気づいた(笑)


さて、靖人君はとにかく頭が良いです。書いてる私が一番羨ましいです。


さて、次からIS学園だ。プロローグが真面目だったので、本編ではちょいちょいネタを入れたいですね。
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