影が薄くてもダンジョンを攻略する。のは間違っているだろうか? 作:ガイドライン
今日は久々のおやすみ!!何しようかな~
それではどうぞ!!!
「うわぁ~………………おはようハジメ君……」
「おはようございます神様」
まだ眠たそうな神様はその小さな手で目元を擦りながらソファーに座った。目の前のテーブルには昨日の残りであるジャガ丸くんとハジメが作ったスープが用意されていた
「おお!!!ハジメ君が作ったのかい?」
「これをベルベルと神様が作ってくれると助かるのですが」
ハジメもソファーに座り食事をすることに。ベルはというとヘスティアが起きる前に、いやハジメが起きる前に出かけたようだ。一応朝ごはんを作りおきしている
「そんなこと言わないでくれよ~!ハジメ君の料理は美味しいからね~」
「そういって作るのが面倒くさいんですよね」
「な、な、なわけないじゃないか!!!」
「なら神様
「ちょっ、ちょっと待ってくれないか!!!さすがに練習なしに料理なんて出来ないよ!!僕にはバイトが!!」
「なら夜にすればいいだけですよ。それに二日間はベルベルと二人きり、ここでベルベルの胃袋を掴めば…」
「やるよハジメ君!!!!これからのヘスティアファミリアの食事は僕に任せたまえ!!!!!!!」
こんな簡単に乗せられていいのか?と一瞬考え直ぐに消し去ったハジメは、今日からの冒険について再度ヘスティアと話し合うことにした。誓約については問題はないようだが
「基本的にモンスターとはアイズ姉とリヴェリア姉が戦ってもらい、倒せるぞというときだけ戦闘に参加します」
「うん、そのそうがいいね。何度もいうけど君はレベル1なんだ。中層に向かう時点であり得ないことだってことは理解しておくように」
「…………了解です」
「ちょっと待つんだハジメ君!!なんだい、いまの間は!!!
君は一時停止のせいで嘘をついているのか分からないんだよ‼正直に言うんだ‼何を隠してるんだい!!!!」
ベルのステイタス更新を遅くしたり、神が子の嘘を見抜くその目が効かなかったりと、本当に一時停止は規格外である
「中層なら何回か行ったことあります。原因としては友達欲しさに冒険者に付いてって気づいたら中層の入り口にいてそこから何故かよく縦穴に落ちてしまい、帰りが遅くなってました。今まで話さなくてすみませんでした」
「そうかそうか…………って、誰が許せるもんかあああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
テーブルをひっくり返しそうとしたのでその前にテーブルに触れて一時停止で固定。もちろんひっくり返そうとしたヘスティアは動かないテーブルに力を入れていたので指と腕と肩を一気に痛めた
「あ、あうううううぅぅぅぅ………」
「ダメですよ、食べ物を粗末にしたら」
「誰のせいだと思っているんだい……」
本当に痛そうだったのでハジメは「失礼します」といった後にヘスティアの腕を掴んで揉み始めた
「な、何をしてるんだい君は!!!!」
「こういうことは、神様はベルベルに触ってほしいと思いますが、いないんですから我慢してください」
「そういうことじゃなくて!!!」
「僕のせいですよね、ならこれくらいさせてもらいます」
なんとも強引な償いなんだと、思いながら言われるままハジメにその身を委ねた。なんとも力加減が上手く気持ちいい~と思いながら
「……これまでのことは仕方ないとしてもだ、これからはホイホイと冒険者に着いていかないこと。もう君にはベル君とダンジョンに潜ったり、ろ、ろ、ろ、ロキファミリアと冒険することだってあるんだ。勝手な行動すると周りが危険な目にあうんだ、よく考えて行動するように、分かったね??」
「はい、キチンと話してから行きます」
「まず、行かないことを前提に出来ないのかい君は……」
「出来たら……神様やミア母さんやエイナ嬢に怒られないのでしょうね」
「分かってやっているんだから、本当にいい性格をしてるよハジメ君は………」
はぁ、とため息をつきながら「ありがとう」と緊張した筋肉をほぐしてくれたハジメにお礼をいった。いえいえ、といいながら立ち上がろうとしたところをヘスティアが腕を握り引き止めた
「神様?」
「分かっていると思うけど
「あぁ、
「ハジメ君はやり過ぎる時があるからね、気を付けないと周りを巻き込んでしまうからね」
…………………………………………………………………………
神様から助言をもらい出発前に寄るところがあるとヘスティアに言い残して後片付けを頼み出てきた。向かう先は昨日約束したものを貰うためだ
『豊穣の女主人』に近づくと外で掃除をしているシルを発見した
「シル姉、おはようございます」
「おはようございます」
「早いですね、営業準備はまだ先ですよね?」
「ふふふ、ちょっとお手伝いをしてたんですけどね、追い出されました♪」
「そうですか、いま御一人ですか」
「そうなんですよ、一人なんですよ♪」
お互い含みのある言い方をしながらも通じあっているようだ。それはそうだろう、ハジメがここに来た理由、お手伝い、一人、とくれば知っているものなら予想つくだろう。
「楽しみですね」
「あんなに頑張っている姿、初めてかも知れないですね」
「それだと普段がやってないように聞こえますよ」
「そんなわけないじゃないですか♪」
「おはようございますリュー姉」
「おはようございます」
リューがお店から出てきて失礼なことを言っていたシルを見ると、何か目で合図をしているようだったがすぐにハジメの方を見て丁寧にお辞儀をする。そのリューの手にはここに来た理由があった
「どうぞ、上手く出来ませんでしたがこれが私の精一杯です」
「どうもありがとうございます、お昼が楽しみです」
感謝を伝えて受け取ったそのお弁当箱を手にしてそれをどう見ても冒険には足りないバックに入れて集合場所であるバベルの前に向かおうとしたのだが、
「ちょっと待ってください。バックの中身が見えてしまったのですが…何も入ってませんよね?」
「はい、出来るだけ魔石やドロップアイテムを入れたいので」
「そういうことではなく……回復系のアイテムさえ入ってないのはどういうことですか?」
「そう言われても買ったことありません。それより大事なのはダンジョンでお昼ご飯です」
「……貴方には必要ないかもしれませんが、くれぐれもお弁当のために自分が危険な目に遭わないように」
「分かりました、それでは行ってきます」
全く話を聞かずにお辞儀をしてこの場から歩き出すハジメ。その後ろ姿を見てリューは
「……本当に分かっているのかどうか………」
「気になるなら付いていったら♪」
「……これは、彼の冒険ですので……」
「なら、今度はリューがお誘いしたらどう?」
ちょっとイタズラをしたような表情でシルはお店の中へ入っていったが、リューはトキサキの背中が見えなくなるまでその場に残ったあと
「………私は……許されない者だ………
………私では…彼の隣には………………」
……………………………………………………………………………
「遅くなりました」
「いや私達もさっき来たところだ」
「……おはよう……」
すでにバベルの前にはロキファミリアのアイズとリヴェリアが到着していた。そしてその隣にはロキとヘスティアがまたしてもケンカをしている。会えば必ずしないといけないのだろうか………
「リヴェリア姉、二人を止めなくていいんですか?」
「止めてもまた始めるから無駄だ。それよりその「姉」というのは止めてくれないか?」
「私は…このままでいい」
「…………ならリヴェリア母さん………」
「誰が母さんだ。それならまだ「姉」のほうがいい」
なにかを思い出したのかはぁ~とため息を付くリヴェリア。するとさっきまでケンカをしたいたロキが
「ハジメは見る目あるな~リヴェリアはロキファミリアのお母」
「ロキ、それ以上いうなら…分かっているな?」
「じ、冗談やでリヴェリア……なっ、機嫌治してな~」
何か弱味を握られているのかと思うぐらい神という立場を簡単に捨てて下手に出ているロキ。そんな姿を見たヘスティアは
「神としてそれは如何なものかと思うよロキ…」
「うっさい!!!リヴェリアが怒ったほうが重要や‼」
「つまり神様がベルベルにベタベタみたいな姿は、神という立場を捨ててまで重要なことなんですね」
「か、関係ないと言いたいのに否定出来ないなんて……」
「分かるでドチビ、アイズたんに抱きつくときは神なんて立場なんて捨ててもええと思うわ~」
「やっぱりそうかい!!!いや~初めてだよ、ロキと意見が合うなんて♪」
「こればかりは認めるしかないな♪」
何か変なところで意見が合った神達。お陰さまでリヴェリアは頭が痛くなったのか手で押さえている。
そんなことをしているとさっき話題に出てきたベルがこっちに向かって走ってきた
「良かった間に合って~!」
「ダンジョンに行っているかと思いましたが」
「ハジメに渡したいものがあって……」
するとベルの体で隠されていた物を目の前に差し出した。それはベルが使っているヘスティア・ナイフと同じ長さの剣を持っていた。剣と言ってもこのオラリオには珍しい「刀」であり「小刀」というものだった
「どうしたんですかこれ??」
「この前お店の中を見ていたらこれが目に入って。きっとハジメに合うんじゃないかな~って!!」
嬉しそうに話すベルだが身なりはボロボロでどうやらダンジョンに潜っていたようだ。そして換金したお金でこの小刀を買ってきたのだろう。
そんなベルは小刀をハジメの前に付きだし、それを受け取ったハジメは鞘から刃を抜いてみた
「高かったんじゃないんですか??」
「まぁ、ちょっとね…少しだけ足りなかったからローンを組んだけど……」
「ちょっとベル君!!!!只でさえ貧乏なファミリアに更に借金が!!!!」
「五月蝿いですよ、借金の9割9分である神様は黙っていてください」
真実なのは分かっているがこうも有無も言わさず言われてしまったヘスティアはガクッと落ちこんだ
「無理しなくてもよかったんですよ」
「無理なんて……無理なんてしてない。
それにこれは僕のためなんだ」
どういうことなのか分からないがベルの瞳は真剣そのもの。ハジメは黙ってベルの言葉を聞くことに
「僕はある人に、その強さに追い付きたい。
そしてハジメ……
……僕はハジメにも追い付きたい‼」
「僕…ですか?
僕なんてステイタスもレベルも上がらないんですよ」
「でもハジメはロキファミリアと一緒に冒険に、
ううん、遠征まで誘われている。それもレベル1で……
それはきっと魔法とスキルのお蔭だとハジメはいうかも知れないけど、それは
それがハジメの強さだって思うんだ。
だからその強さに追い付きたい、
横に並んで戦えるように…………
でもただ追いかけるだけじゃダメだって、
ハジメも更に強くなってほしいって思ったから……だから………」
上手く言葉に出来ずに止まってしまったベル。それを見ていたハジメは
「分かりました。これを使えるぐらいに強くなります。だからベルも頑張ってください」
「う、うん!!!!!」
なんとも嬉しそうな表情をするベル、そして周りは微笑ましい表情でそれを見ていた。ハジメはその小刀をベルトに取りつけた
「おお!!!様になっているね~‼」
「………………皮剥きに使えそうですね」
「ちょっとハジメ!!!ちゃんと使ってよ!!!!!」
「冗談です」と言っているがここにいる誰もがやりかねないと思っているだろう。話が終わったところでハジメはアイズとリヴェリアの前に立ち
「それでは行きましょうか」
「そうだな、ではロキ行ってくる」
「行ってきます」
「気を付けてな~二人とも‼」
「頑張ってくるんだよハジメ君~‼」
「ハジメ!!頑張って!!!!」
バベルに向けて歩き出す三人。後ろではまだ見届けてくれる人達がいる。そんな中、誰も聞こえない声で
「……本当の強さというのはベルみたいな……」
「なにか言った??」
「……はい。冒険が楽しみです」
「うん、楽しみ」
「あぁ楽しみだな」
まるで冒険というよりピクニックにいけような感じだが、この時はまだ「あんな事があるなんて」ハジメは思っていなかった。
そう、これはただの冒険ではない。
はい、ハジメに小刀を持たせました。
初めは「刀」にしようと思いましたが、どうしても振り回すイメージが浮かばず、なら小刀でよくねぇ?と思いこちらにしました。
さて、どのように小刀を扱うのか?ハジメなら普通の扱いをしそうにないな~と思いながらも、それだと考える自分大変じゃねえと頭を抱えそうです。
ああ、何故刀や小刀を持たせたのかって??
るろうに剣心を見たからです!!!以上!!!!!
…………いつまで小刀持っているかな?