影が薄くてもダンジョンを攻略する。のは間違っているだろうか? 作:ガイドライン
さてさて、中々物語が進みませんね~
予定ではそろそろ結末なんですけど、
書けば書くほどアレもコレもと
書いてしまい終わらない……
はい、愚痴もここら辺でどうぞ!!!!
あっ、明日も投稿しますのでヨロシク♪
「いくぞオオオオォォォォ!!!!!!」
「「「「「オオオオオオォォォォォォ!!!!!!!」」」」」
18階層から17階層への入り口では多くの冒険者が集まっていた。誰もが武器を手にして力強く叫んでいるのは気合いをいれるため。普通にダンジョンを進むだけならここまでしなくてもいいだろう。それをするということは、
「もしかして階層主が現れたんですか?」
「みたいですね」
その光景を離れたら場所からハジメとリヴェリア、アイズが眺めていた。ハジメには16階層辺りでモンスターと戦ってもらうことにしていた。
実際の所は
自分達が何を言って、何をやっているのかなんて分かりきっている。それでもやることにしたのは自分達の主神であるロキの言葉があったからだ。
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「何を考えてるんだロキイイィ!!!!!」
「ヒィッ!!!ちょっ、ちょっと待つんやリヴェリア!!!
とりあえずその椅子を下ろすんや‼」
温厚で面倒見のいいリヴェリア、怒らせたらまるでお母さんに怒られているようなリヴェリア。しかしいまのリヴェリアは完全に冷静を失い感情に身を任せている。すぐさまガレスがリヴェリアが持つ椅子を握り
「落ち着けリヴェリア。お前らしくないぞ」
「この駄神が何を言っているのか分かっているのか!!?
レベル1にゴライアスをぶつけるなどとほざいているのだぞ」
「ロキが変な事をいうのはいま始まった訳じゃなかろう」
「助けるんか非難したいんかどっちなんやガレス!!!」
というよりも事実を言っているだけだと思うとここにいる皆は思っていた。
数時間前ハジメと冒険の契約をしたロキは、一級冒険者を全員ロキの部屋に集めて、これから行う計画について話したのだが
「しかしリヴェリアが怒るのも無理はない。こんなことをいうのは相手に失礼だが、僕はその子の心配ではなく「ファミリア」の心配をしているんだ」
「どういうことや?」
「分かっていて言っているのかい?ロキファミリアが認めたレベル1の少年を18階層へ一緒に連れていく。これだけでも大変なことなのに本人にも内緒でゴライアスと戦わせるなんて………
もしこの事がバレたら、いや、少年にもしもの事があったらロキファミリアの信頼は失墜して、最悪は解散なんて話にもなる」
その時誰もが息を飲んだ。皆が頭のなかで過っていたこと、しかしそれを口にすることはしなかった。もしそれを口にしたら「起きてしまう」と感じてしまったからだ。
しかしフィンはそれを口にした、誰もが拒んだことを、誰かが言わないといけないこと。だからこそいま話さなければいけない。
「そ、そんな大袈裟な……」
「けして大袈裟ではないよティオナ。普段は意識していないかもしれないが僕たちのファミリアはこのオラリオでトップの位置にいる。
そのトップであるロキファミリアがレベル1の冒険者を階層主と戦わせたなんて知られたらどう思う?
信頼も何もかも失うだろう、ギルドから目をつけられ二度とダンジョンに潜れない可能性もある」
真剣な眼差しに観念したのかふぅ~と息を吐きながらロキは
「考えすぎやフィン。そうならんこと皆に手伝ってもらうんやからな」
「……どういうこと?」
「そのままの意味や。第一、階層主に単独で戦わせるわけないやんか。もちろん冒険者としての資質がないとあかん。それをダンジョンで見極めてからや。まぁ問題ないやろうけどな」
「つまり階層主と戦わせる前に実力を判断して、ということか?で、誰がやるんだ?」
「アイズとリヴェリアや」
「ふざけるな‼」
すると今度はベートが反論を言ってきた。さっきまではイライラしながらも大人しく聞いていたのだが、
「なんであんな野郎のためにアイズがやる必要があるんだ‼」
「出たよ、ベートのいつものが」
「うるせぇ!!!大体なんであんな野郎のために俺達がそこまでやる必要があるんだ‼!そんなことしてファミリアを潰すつもりか!!!!!」
「おっ、珍しく正論を言ってる」
一回一回口出しをするティオナに「うるせぇ!!」と声を張り上げるベート。しかしここに誰もがベートと同じように感じている。どうしてそんなリスクを負ってまであのレベル1の冒険者を
「そうやな、そりゃ納得いかんか。
しかしな、ウチはあのステイタスを見る前からやるって決めてたんや」
「どういうことなんだいロキ?」
「ハジメを鍛えるため?ドチビに恩を売るため?いつかウチらプラスになるため?そんなん違う、ウチは単純に
分かるか!!あんな力を持った
「……なるほど、ロキらしい……」
「せやろ!!せやろ!!」と言ってくるロキに対して誰もが呆れてこれ以上言葉を言えない。興味を持てばそれを追求したくなる。面白ければさらに盛り上げる。殆どの神様が自身の娯楽を最優先に行動し人格者な神は少ないが、その中でもロキは人格者なのだがやはりロキも神様である。目の前にある楽しみを逃さないようだ
「せやけど皆に迷惑をかけるわけにはいかん。だからハジメを守りつつ階層主と戦わせてランクアップさせる‼これがウチの真の目的やあああああぁぁぁぁ‼!!!!」
「……バカだ……バカがいる……」
頭を押さえて苦痛な表情を浮かべるリヴェリア。
「すでに巻き込んでおいて何が迷惑をかけるわけにはいかないだ。言っておくが私の査定は厳しいからな」
「やる気なのかいリヴェリア?」
「こうなったら聞かないだろう。それにロキがいった通りに戦いになっても私達が守ればいいだけだ」
「俺はやらねぇからなそんな茶番劇は!!!‼」
舌打ちをしながらベートはロキの私室から出ていった。
「あんなこといいながら絶対に着いてくるよベートの奴」
「ベートのことはいいとして、まず私とアイズがハジメと一緒にダンジョンに潜り階層主と戦えるか判断する。あとから来たフィン達と共に階層主との戦闘をして、トドメをハジメにしてもらう、ということでいいのか?」
「まぁ、1日目で階層主が出ても二人ならハジメを守りながら抜け出せるやろ」
「口でいうのは簡単だが、やるのはこっちなんだぞ……」
ったく……とため息をつくリヴェリア。
「しかしロキが気になる者か……」
「やっぱり強いの!!!!」
「ちょっと落ち着きなさい…」
「アイズさん、気を付けてくださいね」
「うん」
「二人だからね安心してのんびり向かわせてもらうよ」
「団長であるフィンまでそんなことをいわないでくれ……」
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『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォッッ‼』
その叫び声と共にリヴェリアは現実に戻ってきた。ぼぅーとしていたわけではないがどうしてこのタイミングで思い出したのかと頭をよぎったがそんな暇はもうなかった。
17階層、階層主ゴライアス
圧倒的な大きさと威圧感が離れていても伝わってくる。いくら一級冒険者だといえども油断したら命を落としてしまう、それだけ階層主というモンスターは特別である。
「ハジメは私から離れないように」
「了解です」
ハジメにはまだゴライアスと戦わせるなんてことは言っていない。階層主とはどういうものか?ということで見てみたほうがいいだろうと戦闘に参加している
アイズはというと前線でデスペレートを抜き
「
アイズの風属性の
発動する事で自身と武器に『風』を纏い、武器に纏えば「攻撃力と攻撃範囲の拡大」、体に纏えば触れる事すら出来なくなる。「鎧」に転じる事から攻防共に隙が無く、精神力の燃費も良い為に長期戦も可能である
そんなエアリアルを纏ったアイズはゴライアスに向かって跳躍して、デスペレートをつき出して膝に一撃を入れる。流石に貫くことは出来なかったがそのままその巨大な足を駆け降りながら切り裂いていく。
ダメージを受けたゴライアスは方膝をつきながら怒号を放ち、アイズは後退をして再度攻撃体制に入る
しかし、アイズが攻撃することは出来なかった。正確にいえばアイズの攻撃が邪魔されたのだ。目の前にはさっきまでいたアイズの後ろで待機していた18階層にいた冒険者達。アイズが階層主を膝をつかせたのを見計らって一気に自分達の手柄にしようとしているのだ。階層主を倒せばドロップアイテムや魔石は相当なものになる。
「今だぁ!!!畳み掛けろ!!!!!」
冒険者達は各々の作戦、タイミング、攻撃方法でゴライアスに向かっていく。ファミリアとは違いここにいるのは18階層にいた冒険者達は協力というものは存在しない。あるものは剣を、あるものは槍を、あるものは魔法を、そのバラバラな攻撃にアイズはゴライアスに攻撃出来ずにいた。いまここで飛び出せばゴライアスの攻撃ではなく冒険者達からの攻撃を受けてしまう
「アイツらは……」
「連帯ということ知らない、いい見本ですね」
「目の前の
「本当に、邪魔ですね」
ハジメがその言葉を放った瞬間、アイズがこちらに向かって振り向いた。その表情はまるで驚いたものでありながら、モンスターを刈るような強い表情でもあった。
そして一瞬の間が命取りになる。
「ッ!!!アイズ!!!!!!」
「ッ!!!」
リヴェリアの声が届いたときにはすでに遅かった。ゴライアスのような巨大なモンスターの時近くに寄らなければ攻撃が出来ない。というよりこれはどんなモンスターでも当てはまるだろう。しかし巨大なモンスターの近くにいると分からなくなるのだ、モンスターの攻撃が。
特に腕による攻撃は上を見上げなければ分からない。しかしずっと見ていると足から攻撃がくる。そしてアイズが一瞬目を離した時に腕による攻撃が始まった
冒険者達に迫りくる拳が次々に冒険者を撥ね飛ばしていく。回避しようにも間に合わないと判断したアイズは
「
もう一度自身に風を纏わせて防御をあげることにした時にはゴライアスの拳がもう目の前にあり、振り抜かれた攻撃によりアイズの体は吹き飛び17階層の壁に激突した。
「アイズウウゥ!!!!」
まさかのことだった。いつも冷静なリヴェリアが声を上げてアイズが飛ばされた所へ駆け出した。こんなはずではなかった。油断していたわけではなかった。ただ「戦いだから」こういうことが起きたのだ。絶対なんてあり得ない。常に勝てる相手でも一瞬のことで殺られる。分かっていていたのに、頭にあったのに、後悔が止まらない。無事だという確信があるまで収まらないだろう
その場に取り残されたハジメは動けずにいた。
目の前には倒された冒険者、それを助けている冒険者、吹き飛ばされた冒険者、心配で駆け寄る冒険者。
様々なものが見えてくる。これが戦いの場と。
そんな生と死の場所で、ハッキリとしたものが目の前にいる
『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ‼』
勝者の叫びなのだろうか、本能によるものだろうか、ゴライアスは先程よりも大きな声を張り上げている。
誰もが思った。こんなはずではなかったと。
あんな連帯感のない戦いでもここまで追い込まれたことはなかったと、一級冒険者がやられるなんてことを。
何かが違う、そう感じた時には皆が階層主を恐れた
そんな中、それを見上げていたハジメは
「あぁ、そうでした。ダメだったんですよね」
「神様と約束していたんですよね」
「うーん……
一歩踏み出した。
あれに挑むために、いま感じている怒りに任せて。
「倒しますか」