影が薄くてもダンジョンを攻略する。のは間違っているだろうか? 作:ガイドライン
もう少しで今年も終わりですね~
あっ、今回アドバイスを頂きまして書き方を変えました。何かありましたらどうか教えてください。できるだけ皆さんが読みやすいようにしたいです。
それではどうぞ。
僕は怒ってます。アイズ姉が吹き飛ばされリヴェ姉が心配で追いかけた後、一人であの階層主に向かって。
僕はこのゴライアスこと、ゴースーに怒りを覚えていた。こんなにも良くしてくれたアイズ姉を吹き飛ばしリヴェ姉に不安を与えたゴースーに。
ただ完全に怒り任せでやってしまうと
だけど
「まずはアイズ姉が受けた痛みをお返ししないと」
今まで受けた衝撃を分割し、まず足の裏に集めた後に一時停止を解除して高く跳躍する。ゴライアスの顔正真面まで飛び上がったが相手は未だに気づいていない。やはりこの《カミカクシ》はどんなものに対してもハジメと神様が認識したものしかハジメを見ることが出来ないようだ。
最高地点まで上がったハジメは
それもただ一時停止させただけでは意味がない。それらを一ヶ所に集めて足場を作る。もちろん足場を作るほどの密度を持てば重力に負けて地に落ちるだろうが、一時停止は事象さえも停めるために「重力に引っ張られる」というものさえも停止させた。
要は空中に空気を圧縮させた足場を作りその場に立っているということ。空を飛ぶのではなく
そしてハジメは残りの衝撃を右手の掌に集めて、
「お返しです。受け取ってください」
放たれた衝撃はゴライアスの顔面を、顔を、上半身へと。お返しと言っても明らかにゴライアスが攻撃した衝撃よりも強い。このダンジョンに入ってから、いや、
今まで少しずつ溜めてきた衝撃をこの一撃に使ったのだ。あまりの攻撃にゴライアスは仰け反り倒れそうになるが踏みとどまり、
『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ‼』
怒り狂ったように叫びゴライアスは、さっき攻撃してきた場所へ巨大な拳を向け放つ。しかしその拳は振り抜くことは出来ずその攻撃してきた場所で止まった。なにも無いところで、姿も見えないところで、だが確かに何かがある。それは明きからに「敵」になると判断出来るものだった。だから何度もその拳を降った。何度も何度も何度も。
「……怒りたいのは」
蓄積していく衝撃。それはいまハジメが感じている怒りのように。冒険者がモンスターを、モンスターが冒険者をなんて当たり前かもしれないがそれでも目の前でアイズが吹き飛ばされて無関心でいられない。
ぶっ飛ばしたいと思うハジメだがゴライアスの攻撃が止まらず攻撃が出来ない。大きすぎる衝撃を一時停止すること自体は問題ないのだが、一緒に衝撃を放つことが出来ない。一時停止は2つ同時に停止と解除ができない。だからゴライアスが攻撃を止めるまで攻撃できないのだが、
『ッッッッ!!!!!??』
突然ゴライアスの動きが鈍くなった。これにはハジメも驚いたがこのチャンスを逃さずに、向かってきていたゴライアスの拳に向かって自分の掌を向けて。
「僕の方ですよ」
ゴライアスからの衝撃を纏めた攻撃を放ち、その瞬間にゴライアスの腕は吹き飛び肩から先が無くなっていた。それでも止まらない衝撃波はダンジョンの壁に直撃し巨大なクレーターを作り出した。叫ぼうとしてゴライアスだが直ぐ様に動いたハジメがゴライアスの顎に手を当ててさっきよりも強い衝撃波を放つ。それにより吹き飛ばされた顎、これにより叫ぶことが出来なくはなったがそれでもまだ生きているゴライアス。
「止めはコレです」
そういそういって腰に下げていた「石火」を抜きゴライアスに向ける。
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「…………余計なこと、だったかしら?」
17階層と18階層を繋ぐ穴の前で、いまこの17階層で戦っている
「それにしても……こんなに
呟く声は誰の耳にも届かない。近くに、目の前に倒れている冒険者にも届かない声。いや、その姿さえ見えていない。姿無き者は18階層へ向けて歩き出した。
「早く私の元に来てね、ハジメ」
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「ここにも…影響が……」
17階層にたどり着いたリューは走りながら状況を確認、やはり16階層同様に冒険者は倒れているようだが違うのは大人数であること。そして粉塵でハッキリした姿は見えないが大きな影で分かる
ハジメは仲間思いであり、ハジメの同行者がこの現象にやられていた場合ハジメはゴライアスを倒すつもりで立ち向かうだろうと……
「………………」
言葉に出来ない今の気持ちを。心にあるのに言葉に出すことが出来ない。その不安を言ってしまうと現実になりそうで、いまもこうして考えてしまっていることが現実になってしまうかと……
いつも間にこんなにも弱くなったのか?信じることがどれだけ大切なのか分かっているのにどうしても不安が優先して思い浮かぶ。
(それだけ、私はハジメに……)
同僚の関係ではない。
仲間の関係ではない。
私は、それ以上にハジメを………
「おい、待ってくれ!!」
その声の方を見るとよくお店に来ていた一級冒険者、そして今ハジメと共にいるはずのアイズ・リヴェリアがそこに立っていた。他の冒険者が倒れているのに自分と同じように立っている
「なぜリューがここに?
もしやハジメを心配して来たのか?」
「ええ、あなた達の仲間と近くまで……しかしその人達も周りにいる冒険者同様になりまして私だけでもと……」
「それはフィンの判断だろう。なら心配しなくとも大丈夫だろう。それより私達は」
「早くハジメの所に」
やるべき事を全員で再確認しゴライアスの、ハジメの元へ駆け出す三人。そこへ近づいていくといきなり突風と音と振動が三人を抜けていった。それのお陰でさっきまで舞っていた粉塵が消え去り、そこに見えたのは片腕を無くしたゴライアスと宙に浮いているハジメ
「無事でよかった」
「しかし宙に浮けるとはな……」
「デタラメ……というのは今更ですか……」
するとゴライアスが叫ぼうとした瞬間、一気に近づいたハジメはその手をゴライアスの顎に向けて衝撃を放つ。それはゴライアスの顎を吹き飛ばしたが未だに生きている。それを確認したハジメは腰の「石火」を抜きそれをゴライアスに向ける
「その得物では、いや、ハジメの力では倒せない」
「しかしハジメが意味もなくそんな行動するとは思えません」
「きっと…何かある」
ハジメを止めるはずなのに、どうして止めに入らない。ハジメを守るはずなのに、体が動こうとしない。いや分かっている、ハジメはゴライアスを倒せる力を持っていると。だから後は見守るだけだ。
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小刀「石火」、これだけではゴライアスを倒せない。もちろん石火以外の物を使っても無理だろう。根本的にハジメの力が無いためだ。しかしそれでもこの石火を抜いた。
石火にまず一時停止による
一時停止は使い勝手のいいのもではない。一時停止はあらゆる事象を止めてしまう。つまりは止めたくないものさえも
どうして一時停止を使いモンスターを止めないのか??
動きを止めればこれほど簡単にモンスターを倒せることはない。いや必要ない戦闘もしなくてもいい。だがハジメは使わなかった。いや、使えないというべきである。モンスターに一時停止を使えば動きを止めれるだろう、しかし同時にモンスターに攻撃を与えられなくなる。モンスターの存在自体を止めてしまうのだ。止められたものは外側から何をしようとも動くことはない。つまりはモンスターに一時停止を使えば動かなくなるが、攻撃が当たらない、倒せないモンスターになってしまう。
もちろん人に使っても同じである。守ろうとして一時停止を使ってもその人自体を止めてしまい動くことは出来なくなる。ハジメの場合は衝撃自体を停めるために自身の体に影響はない。
ならば服はと思うが、服に一時停止をかけると「伸縮や折り曲げなどの特性そのものを止める」ために、まるで甲冑を着ているようになってしまう。
限定的にでも一時停止が出来ればいいが止める対象全てを止める。なので武器に使えば全く使い物にならない武器になってしまう。
しかしそれでも、問題ない。
「──貫いてください──
いくら刃の鋭さが無くなり切り裂くことが出来なくなってもゴライアスを倒すことは出来る。柄に今まで溜めた衝撃を集めてゴライアスの、モンスターの弱点である魔石がある体の中心に向けて、解放する。
────石火」
小刀としての役目を果たせない石火でも音速を越えるスピードなら壊れない小刀がゴライアスの皮膚に当たれば、
それを裂いて裂いて裂いて、
肉を貫き貫き貫き、
魔石を砕き砕き砕き、
そしてゴライアスの体を貫いた石火は地面に激突しクレーターを生み出してやっと停止した。
魔石を破壊されたゴライアスは両膝をつき、そして頭部から砂のようにサラサラと形が崩れていった。
「これは……大変なことになったぞ」
「ええ、もう隠しきれないでしょう」
目の前で起きた出来事
たった一人での
「あれが……ハジメの強さ」
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この功績は永遠に継がれることになるだろう。
しかし、その名は刻まれることはないだろう。
誰もが知っているのに、誰も知らない。
名の知らない冒険者、姿が見えない冒険者。
それでも誰も知ることになるだろう。
誰も知らないことを知っている。
誰も見えないことを知っている。
その冒険者は、影が薄すぎる冒険者であることを。