影が薄くてもダンジョンを攻略する。のは間違っているだろうか?   作:ガイドライン

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久々です。
すみません、更新遅れました。
言い訳は……ない!!


影が薄くても攻撃の術は持ってます。

次に床に落ちている物を、その手に取ったのは僅か0.5mmの小さな鉄の塊。それも掌に収まりきれないほどの量を手にしている。それを見たフィンは思わず叫んでしまった。

 

 

「今すぐに物陰に隠れろ!!!」

 

 

それと同時にハジメはベートに向けて鉄の塊を投げた。それもただ投げただけではない、衝撃を加えた鉄の塊が音速に近いスピードで飛んでいった鉄の塊はベートを襲う。すぐにその場から逃げようにも逃げられない。掌に収まらないほどの量を投げられ広範囲に広がり向かって来るのだ。逃げ切れないと判断したベートは咄嗟に脚を上げて向かってくる鉄の塊を蹴りだした

 

 

「うおおおぉぉぉぉ!!!」

 

 

飛んでくる鉄の塊は目に見えている。あとはそれを捌ききれるかどうか。ベートはすでに疲れきっているのだ、さっきまで全力の連続攻撃をしていたのだから。体力回復薬を拒んだベートにはいまの力でどうにかするしかない。

まずは顔面に迫ってくる鉄の塊を蹴り落とし、そのまま右肩に迫ってくる鉄の塊を蹴り落とし、腹部、左足、胸、次々に襲いかかる鉄の塊を蹴り落としていく。

だが最後の最後で、身体を支えたいた脚にガタがきたのか、力抜けてしまい左肩に迫っていた鉄の塊を蹴り落とすことが出来ずにその身体に受けてしまった。幸い鉄の塊はベートの身体を貫き留まることはなかったが、その勢いで飛ばされたベートの肩からは血が溢れ出ている。

 

 

「あ、危なかった……」

 

「コラー!ハジメ君!!危なかっただろうが!!!!」

 

 

物陰に隠れたヘスティアは誰も怪我はなかったが、物陰となった壁や柱は小さな穴とヒビが入っていて、これを受けていたらベートのように血を流していただろう。

 

 

「アイズ姉やリヴァ姉の一級冒険者の方々がいたので大丈夫かと思いまして、思いっきりやらせてもらいました」

 

「やり過ぎだよ!!」

 

 

確かにアイズなら簡単に捌ききることは出来ただろう。しかしあんな風に攻撃をするなんて予想出来なかった。そんな状態で本当に鉄の塊から守りきれたのかどうか……

 

 

「でしたらそちらに被害がないように訓練所全体に一時停止をかけておきましょうか?」

 

「出来るなら最初からなんでしないだよ!!!」

 

「言われなかったので」

 

「君って奴は……」

 

 

その答えに頭が痛くなったヘスティア。隣にいたベルもただ苦笑いするしかなかった。ハジメは床に手を置いて訓練所全体に一時停止をかけた。訓練所という空間から離れているヘスティア達はそこから眺めることは出来るが中に入ることは出来ない。逆も同じでハジメ達も訓練所から出ることは出来なくなった。

 

 

「それでベベート、まだやりますか?」

 

「……上から話してるんじゃねえ!!!」

 

 

怪我をしているので、といえば良かったと思ったがすでにベートはハジメに向かって走っていた。そしてベートが床に散らかっている物の一つ、木箱を踏んだのを確認したハジメは、

 

 

「あっ、それアウトです」

 

 

指を鳴らした瞬間にベートの足元が爆発した。それも訓練所全体が簡単に吹き飛ぶ火力と爆風がベートを襲った。突然のことでベートは避けることも出来ずにモロに喰らい、宙を舞うベートの身体は弧を描き地面に叩きつけられた。

 

 

「ベート!!」

 

「ちょっ、直撃したよ今の!!!」

 

 

いくら一級冒険者とはいえ間近で爆発を、直撃しなくとも確実にダメージを受けるだろう火力。それをハジメは指を鳴らすだけで、

 

 

「何ださっきのは!!?

ハジメの指で鳴らした音で木箱が爆発した!?

……新しい魔法が顕現した?いや、マジックアイテムなのか?」

 

 

困惑をしているロキファミリア。もちろん同じファミリアであるヘスティア達も何が起きたのか分かってない様子。すると爆煙が晴れた向こう側には相変わらずに無表情で怪我もなにもないハジメが立っており、ベートは傷ついた身体を動かしながら立ち上がろうとしていた。

 

 

「さすが一級冒険者です。結構強めだったんですけどね」

 

「……な、なんだ…さっきのは…」

 

「今まで使っていた一時停止の応用編ですよ。僕に与える衝撃を一ヶ所に集めて手や足裏から放出しますけど、今回は「衝撃」や「炎」や「氷」などを一ヶ所に集めて木箱に詰めて、後は一時停止解除。これで()()()()()の完成です」

 

 

「ふ、ふざけ……るな……」

 

 

ビックリ箱、要はビックリ箱(リモート爆弾)である。木箱に入れているのは中身が見えないようにするため。そうしないと色とかで推測されてしまうからだ。ちなみに炎や氷はダンジョンにいって冒険者が使っていた魔法を一時停止にしてきたもの。もちろんもらった魔法の代わりにモンスターを倒した。何とか立ち上がったベートだがいくら一級冒険者でもかなり体力が奪われているようだ。

 

 

「さっきから……なんだテメェは……」

 

「どうしたんですかベベート?」

 

「なんで攻撃してこねぇんだ、ああぁ!!?」

 

「はい??」

 

 

言っている意味が分からなかった。さっきからというのは今までの攻撃が()()()()()()とこを言っているのか??でもその攻撃を見事に喰らっているのはベートであり、どうしてそんな事をいうのかさっぱり分からない。

 

 

「攻撃当たってますよね?大丈夫ですかベベート?頭の打ち所が悪かったんですかね?」

 

「攻撃だぁ?はっ、こんなのが攻撃とは言わねぇ!!

攻撃ってのはな、拳や武器や魔法を使って、身体を、経験を、知識を使って敵をどうやってぶちのめすのか、ぶっ殺すのかを、全部出しきることだ。だがテメェはなんだ?そんな魔法(道具)しか使えねぇ奴が、喧嘩の最中に道具(一時停止)しか使えねぇ奴が攻撃なんて言ってるんじゃねぇ!!」

 

 

そうベートが一番気に食わなかったのは、レベルや人物や性格ではない。ハジメが一時停止しか使わないこと。まるでそれが唯一の攻撃だと主張していることが気に食わない。

 

 

「そんなこと言われましてもステイタスを見ているから知ってるはずですよ。僕の力は0。攻撃にならない攻撃を出しても勝てないなら魔法しか、一時停止をうまく使って戦うしか」

「試したのかよ!その攻撃をよ!!!

やってもねぇ奴が、努力しねぇ奴が、力もねぇ奴が、冒険者を名乗るんじゃねええええぇ!!!」

 

 

その言葉に黙ってしまったハジメ。ベートが言うことが分からない訳ではなかったから。何度も試したがダメだった。力が、魔法以外のステイタスが上がることはなかった。だから諦めたのだ。そして一時停止で戦うことを選んだ。その判断が間違っているとは思わない。だけどあの時諦めなかったらと考えたら……すると外野から、

 

 

「君にハジメ君の何が分かると言うんだい!!!」

 

「か、神様…落ち着いてください!」

 

 

ヘスティアが必死な悲しそうな表情でベートに食いかかる。隣ではベルやエイナが止めようとするが止まらず叫び続ける。

 

 

「何が分かるって言うんだい!!どれだけダンジョンに潜っても上がらないステイタス、誰にも見られない孤独感。それでも冒険者としてやって何が悪いと言うんだい!!!」

 

「うるせぇ!!神ごときが冒険者の何が分かるってんだ!!!!」

 

「ベート!!!貴様なんだその発言は!!!

今すぐにとり…け……せ………」

 

 

ベートを叱るリヴェリアの大きな声が掠れて聞こえなくなっていった。目の前で起きている出来事があまりにも有り得なかったからだ。

 

 

「……僕の、僕の悪口は構いません」

 

 

無表情でも明るさのあったハジメ。だがいまは凍りつくような眼差しでベートを見ている

 

 

「ですが僕の大切な神様の悪口は、」

 

 

そしてハジメの足元から霧が、いや冷気がハジメを中心にして訓練所全体に広がっていった。それを見ていたヘスティアの表情は豹変して

 

 

「止めるんだハジメ君!!()()は使ったらダメだああぁ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしヘスティアの言葉は届くことはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「許しません。」

 

 

刹那、瞬間に訓練所は真っ白な空間へと変わった。ヘスティア達の目の前にはキラキラと氷の結晶が舞っている。

この一時停止の向こう側は極寒の世界が生まれていた。そう、ヘスティア達の目の前には生き物が生きれない環境が目の前にあるのだ。




はい、言い訳いいますー(笑)
今回は短かったと思います、急展開かもしれません。
上手く表現が出来ずに更新が長引いたので「とりあえずキリのいいところで」と思い投稿させてもらいました。
展開は………ストーリー構成が上手くいかなかっただけだよーー‼
とにかく、だから、続くからお楽しみに~❗

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