影が薄くてもダンジョンを攻略する。のは間違っているだろうか?   作:ガイドライン

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一ヶ月ぶりです。
………特に言うこと無し!!
それではどうぞ!!!


影が薄いから対話に苦労します。

「そんなに警戒しなくてもなにもしないわよ」

 

「……………」

 

「まぁ、あんなところで私がいたら警戒もしたくなるのでしょうけどね」

 

 

自己紹介が終わり「悪いけどちょっと着いてきて」と言われハジメはすんなりと着いていったが、リューはヘファイストスに対して警戒をしている。説明も無しにただ着いてきてと言われたらそれは警戒するのが普通だろう。ただハジメが着いていったので黙って付いてきただけなのだが、

 

 

「なら理由を話して頂きたい」

 

「もう少し待って。部屋を押さえてあるからそこで話しましょう」

 

 

それならとリューもそれ以上はなにも言わなかった。そしてヘファイストスの言うとおり直ぐにお店に入った。1つ1つの武器が圧倒的な存在感を放ち、どれもこれも並みの冒険者では手が出ないほどの金額が書かれてある。

ここで話を戻すがヘファイストスとハジメが初めて出会った時はハジメの姿は見えていなかったが、すでにヘスティアから「ハジメを認識」出来るようにしてある。なのであとはハジメだけだったのでいまはハジメの姿が見えている。

で、お店に並んである武器に驚かせるのが普通なのだがハジメは()()()()()()()()()()。その姿を見たヘファイストスは思わずため息をつきそうになった。

 

 

(全く…自信無くすわね……)

 

 

ヘファイストスファミリアの中でも団長である椿の作った物が多く置いてあり、言ってしまえばヘファイストスが一番と認めていると言っていいだろう。それをいくら話があるからと言っても目に入れば魅力され凝視してしまう。元より武器に興味がなくとも引かれていきいつの間にか見ていたということが起きるのだがハジメにはそれがない。

かといって見なさいよなんて言うのはありえない。なのでそのままお店の奥へと案内する。そこには客間があり購入するさいに手続きをする場所だと思われる。客間に通しソファーに着いた二人と向かい側にヘファイストスが座った。するとこのお店の店員が飲み物を持ってきて、その場から離れたところで話し合いが始まった。

 

 

「さて、改めて自己紹介するわね。私はヘファイストス、貴方の主神であるヘスティアとは……まぁ腐れ縁よ」

 

「昔から神様がお世話になってます。いえあのダメ神が本当にご迷惑をかけて申し訳ありません。つきましては計画的に借金の方を……」

 

「ちょっと待って!別に借金の催促をしている訳じゃないの。………まぁ、ヘスティアにはハジメから話してもらいたいわね」

 

 

否定をするが現実問題この借金は金額が多過ぎであり、二人ともヘスティアの性格を知っているからこそお互いに申し訳がないという気持ちがある。

 

 

「でもハジメには感謝してるわ。それにロキにも。ヘスティアに大金を渡したらどうなっていたのか……」

 

「無くなります」

 

「いや、金遣いが荒いって訳じゃないでしょう…」

 

「ですがヘファイストス様に全額返すとも思いません」

 

「あぁ……否定できないわ……」

 

 

何かを思い出しているヘファイストスはそこでため息をついた。なんか大変なことがあったのだろうと思い追及するのはやめた。

 

 

「まぁ借金のことは…良くはないけど今はいいのよ。私があの場所にいたのはロキから聞かされていたからなの」

 

「ロキ様から?ですがここに来るなんて言ってませんが」

 

「今日買い物していたんでしょう。自分でいうのもおかしいけど()()()ならここに立ち寄るものよ」

 

「なるほど、今まで武器や武具を買ったことも「買う」という概念もありませんでしたからその発想はありませんでした」

 

「冒険者が武器や武具を買わないって……ロキやヘスティアに聞いた通りの鍛冶師(スミス)泣かせね……」

 

 

ここでまたため息をついたヘファイストス。鍛冶師は武器や武具を作る。それは己自身を磨くためでもあり冒険者を危険から救うことに繋がる。もっと言えば専属鍛冶師となれば冒険者のオーダー通りに作りダンジョンに向かう。その武器や武具のお陰で命を落とさずにすむ。鍛冶師はオーダーに応えるためにそれを作り、ダンジョンから帰って来た冒険者を見て自分の力を確認する。

 

もちろんそれだけだとは言わないがコレが冒険者と鍛冶師の関係といえるだろう。そんな中武器も武具も付けない冒険者がいたら、それはただの無謀な奴か、または鍛冶師に信頼を向けていないか

もちろん後者なんていないだろう。しかしヘファイストスは知っている。ハジメはただ無謀にダンジョンに言っている訳ではない、己の力を信じているからこそ武器や武具を使わない。両方とも当てはまらないが鍛冶師泣かせには間違いない。

 

 

「でも鍛冶師を泣かせだからあの子が惹かれたのかもね」

 

「それはどういう……」

 

 

リューがその質問を投げ掛ける前にノックの音がしたあと客間の扉が開き

 

 

「失れ……おお!!主神様!!!もしかしてそこにトキサキがおるのか!!?」

 

「落ち着きなさい椿。あなた興奮しすぎよ」

 

 

見えているわけではないようだが、事前にヘファイストスから話を聞かされていたのだろう。リューの右側が空いている場所にハジメがいると思いジロジロと観察するように近づいて凝視する。

 

 

「ごめんなさいね。この子普段は冷静なのだけど…」

 

「構いませんよ」

 

 

やっと満足したのか椿はやっとヘファイストスの隣に座り

 

 

「いやいやすまぬな。名は椿・コルブランド、ヘファイストスファミリアの団長をしておる」

 

「トキサキ ハジメです」

 

「…………………………と言ってます。私はリュー・リオンです」

 

「うむ、人伝の会話は変な感じがするの。お主には悪いがよろしく頼む」

 

 

リューの顔を見ながら喋る椿に軽く首を縦に振る。もとよりそうしなければハジメと会話することは難しいだろう。前にやったように何かに文字を書けばいいがそれはあまりにも効率が悪い。ということでこれからのハジメの言葉をそのまま椿に伝えることになったリューは、さっそく発した言葉を椿に伝える

 

 

「僕にどんなご用件でしょうか?」

 

「まずはお主らに謝らんといかんな。デートの邪魔をして悪かったな」

 

「なっ!!?ち、ち、ち、ち!!!」

 

「それは最後に言うつもりだったのですが」

 

「最後とは一体どういうことですか!!!今日は買い物をすると言ってましたよね!!?」

 

「……主神様、一体何を言っておるのだ?」

 

「ハジメはこのデートのことを隠していたみたいよ」

 

 

椿にはハジメが見えていないがリューの顔が少し赤くなり動揺している姿をみて、ハジメとは気が合いそうだなと感じた。

 

 

「話を進めてもよいか?」

 

「す、すみません…どうぞ」

 

「用件は簡単じゃ。()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

その言葉にリューは目を見開き、そのあとハジメの方を向いた。ヘファイストスファミリアの武器といえばオラリオが誇る一級品武器を作る。その中でも椿は己が作った武器を試し切りするためにダンジョンに向かいレベル5まで登り詰めた鍛冶師。その椿が自ら武器を作らせて欲しいと言ってきた。数多くの冒険者が求める武器が、力が、手の届くところにあるのだ。

 

 

「先程お主らが店内に入った来たのを見ていてのう、まさか全く武器に興味を示さないとは思わなかったぞ。だが、だからこそお主の」

 

 

「椿、ちょっと待ちなさい」

 

「なんじゃ、まだ話しておるだろう」

 

 

まだ肝心なことが言えておらずにムッとする椿。だが目の前にいるリューがどういうわけかまた顔を赤くしていることに気づき改めてヘファイストスへ視線を向けた

 

 

「ハジメが「そういう話はやっぱりキチンと顔を合わせた時にしたいので、明日改めて話してください。今日はデートなので」って言っているの」

 

「そうじゃった、そうじゃった!主らはデート中じゃったな!!明日でもいつでも話を聞いてくれるなら手前は構わぬ」

 

 

改めて「デート」という単語を意識してしまったリューだった。

 

 

…………………………………………………………………………

 

 

「良かったのですか?聞きたいことがあったのでは?」

 

「そうですね、まぁ明日来てもらうことになりましたのでいいですよ」

 

 

バベルを出るまでリューの顔が赤いままだった。今は大分落ち着いたがやはり「デート」と単語はリューにとっては心を大きく揺らすものだった。

しかしハジメとしてはこのデートが優先させるもの。聞きたいことがあってもそれは後回しにする。例え重要なことだとしても、今はこれが重要なことなのだから。

気づけばもう日が落ち始めており、そろそろデートも終わりに近づいていた。リューは今日仕事をお休みにしてもらっていたがやはり人気のある所は常に人手が足りなくなる。特にリューのように優秀な作業員なら抜けた穴は大きいものだ。

 

 

「すみません、私が防具を買いにいこうと言わなければこんなことには…」

 

「気にしてませんよ。まぁ予定外なことはありましたがこれはこれでいいと思いますので」

 

「………トキサキさん、貴方は一体何を考えて……」

 

「あっ、そうです。実は最後に寄りたいところがあるんですがまだ時間はありますか?」

 

 

明らかな誤魔化しだが「大丈夫です」と返事を聞いたハジメはリューと一緒にこのオラリオを取り囲む外壁の最上部へと向かった。ここからは街を全体から見渡すことが出来て、

 

 

「やっぱり夕日が一番綺麗に見えます」

 

「……綺麗です」

 

 

オレンジ色に染まる街が、ゆっくりと黒へ変わる空が、ポツポツと夜の為にその人の生活が感じれる優しい灯りが心を打つ。

だからなのか……いままで聞けなかったことを、言いたかったことを言葉に出してしまったのは、

 

 

「…トキサキさん、どうして貴方は……こんな私に構うのですか?」

 

「どうして、といいますと?」

 

「前にもいいました。他の女性と違い愛想もなければ好意を持たれることもない。私はトキサキさんに……好かれる要素を何一つ持ち合わせていない。

……それに()()()()()()()()()()()()()()()()()、その意味が、その行動が、その背景がすでにお分かりになっていますよね」

 

 

ここでリューが言おうとする「何故ダンジョンにいたのか?」は、ハジメが心配だったからを指している訳ではない。

もちろんあの時はそれが一番ではあるが今は、

 

 

《ただのウェイトレスがどうしてダンジョンにいるのか?》

《どうして18階層まで降りてこれたのか?》

《どうして冒険者のように強いのか?》

 

 

そして、もしリューが冒険者だったのなら、

 

 

《どうして冒険者なのに「冒険」をしていないのか?》

 

 

その全てを分かった上でハジメは何も言わなかった。そしてそれを分かった上でリューはあえてその答えを口に出した。

 

 

 

「私は、私の名は、ギルドの要注意人物一覧(ブラックリスト)に載っています」

 

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