影が薄くてもダンジョンを攻略する。のは間違っているだろうか?   作:ガイドライン

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ギリギリになりましたが更新です。
ってか、明日で11月かよ!
自分の周りが色々と変化していき自分も大変な目にあってます。それでも更新は続けるよ、期待しててください‼
それではどうぞ!!!




影が薄くて仕方なく話してしまうのは罪ですか?

結局昨日はヘスティアが寝込んでしまいダンジョンに向かうことが出来なかった。ベルはヘスティアの看護を行いハジメはヘスティアの変わりにバイトに向かった。

そして今日になってもうなされているヘスティア。ベルはリリとダンジョンに向かう約束をしているためハジメにヘスティアを任せてバベルの前まで来たのだが、

 

 

「ベル様?」

「!? あっ……リ、リリ、おはよう」

 

 

ヘスティアの容態と看護を任せたハジメのことが気になってリリに声をかけられるまで気づかなかった。そんなベルを気にも止めずにニコニコしていた。

 

 

「ベル様、今日は10階層へ行きませんか?」

 

「えっ、でも10階層はダメだって……」

 

「ここ最近のベル様の実力を見させてもらいましたが、本当に10階層にいっても問題ない実力の持ち主!

でしたら躊躇う必要はありません。もちろんちゃんとした準備や注意をしないと簡単にやられてしまいますが、そこはこの私がしっかりとサポートさせてもらいます」

 

 

その押しの強さに思わず頷いてしまったベル。いつも押しの強いリリだがなんだか今日は一段と強い感じがする。何かあるのかと気になったがそれを聞く暇もなくリリから話しかけてくる。

 

 

「心配なさらないでください。さっきも言いましたがベル様は十分に10階層に行けるほどの実力はあります。それにリリは何度か10階層へと行った経験があります。それにあくまでも経験を積むのが目的ですのですぐに9階層に戻れるように入り口近くだけですので」

 

 

「………リリがそういうなら……」

 

「はい!それでは行きましょう!!」

 

 

先頭を切って歩き出すリリの後ろを置いてかれないよう歩き出すベル。リリのそのやる気に満ちた後ろ姿はどういうわけか何かに焦っているように感じられた。

 

 

………………………………………………………………………………

 

 

「うぅ……ううぅ………」

 

「なんやなんや、まだ寝込んどるのか」

 

「はい、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

額には置かれた濡れタオルを新しい物に取り替えていたところで、明らかにヘスティアをからかいにきたロキが現れた。

その後ろにはアイズも一緒のようだが部屋に入ってきたのはロキだけであり、アイズは部屋の外で待機しているようだ。

 

 

「何かあったんですか?」

 

「何かあったのはそっちやろ、昨日はずいぶんと騒いどったやないかないか。うちらは遠征前にドチビの様子見にきたんや」

 

「遠征…ですか。それはまた随分と急ですね」

 

「前から決めとったやつやし、それに直ぐに帰ってくるからな」

 

 

そうなんですか、と話し合っていると不意にアイズと目があったのでゆっくりとお辞儀をしてみると、向こうも返事するようにお辞儀を返してきた。でもその表情はちょっと不満そうな顔である。どうしたのだろうと思っているとそれに気づいたロキが、

 

 

「アイズたんは今回の遠征から外したんや。それやからチョイと拗ねとるんや。それはそれでかわええやけどな!!」

 

「それはどうでもいいんですけど、どうしてアイズ姉を外したんですか?」

 

「どうでもいいってなんや!アイズたんはもうめちゃくちゃ可愛いやろ!ジャガ丸君を食べれなかったときのアイズたんの表情はもう最高やで」

 

「………とりあえず、ロキ様もなかなかのお人だということは改めて分かりました」

 

「なんや誉められとる気はせんな。まぁアイズたんはそこのドチビの護衛や。ハジメやベルと違って神達は一般人並みやからな。それにドチビの護衛ならジャガ丸君も食べられるっていったら機嫌直してくれたしや」

 

 

あぁ、だから不満そうな顔をしてる割にはしっかりと護衛のスタイルをしているのか。その姿に本当にジャガ丸君好きなんだなと思っていたら「う、うぅ……」と(うな)されながらヘスティアがゆっくりと目を覚ました。

 

 

「……こ、ここは……」

 

「なにベタなことをいってるんですか神様。

しっかりしてください。昨日のことは覚えてますか?」

 

「き、昨日……

………あっ!ベル君!!ベル君はいまどこにいるんだい!?

まさかあの本を持ち主に返したんじゃ!!!」

 

 

「大丈夫ですよ。とりあえずは保留にして起きましたから」

 

「そうかい、なら良かったよ。

………って良くないよ!!ハジメ君、君も読んだのかい!?」

 

「はい」

 

 

それを聞いたヘスティアは頭を抱えて苦しみだした。

なんのことなのかと気になったロキはハジメに聞こうとしたが、

 

 

「ハジメ!!手前と一緒にダンジョンへ向かうぞ!!」

 

「突然どうしたんですかツバッキー」

 

 

その突然現れた椿に驚きもせずに平然としているハジメだが、その椿の後ろには「勝手に入ってもらっては困りますよ!!」とロキファミリアの団員が息を切らしていた。どうやら許可もなくここまで突っ切ったようで、現れた椿に対してロキも驚いているようだ。

 

 

「あまり好き勝手にしても困るで。いくら友好関係にあっても限度ちゅうもんがあるんや」

 

「それはすまぬ」

 

 

といいながら全く謝った感が出ていない椿。それを見たロキはハァ~とため息をついて「ここはええから戻っときー」と団員に下がらせた。

 

 

「それでどうしたんですか?

武器が出来たから試し切りみたいなことをするんですか?」

 

「いやまだ武器は出来ておらぬが…

だからこそお主とダンジョンにいかなければならぬのだ」

 

「すみません、どうも意味が分からなくて…詳しく教えてくれませんか?」

 

「簡単な話じゃ。手前はおぬしのことが知りたいんじゃ」

 

 

周りから聞いたらある意味告白に取れるセリフを簡単に言ってきた椿。案の定ヘスティアは「なっ!?」と驚いている。ロキはなんか面白そうだなと楽しんでいる表情をしてアイズとハジメは変わらずな表情でいる。

 

 

「僕のことを知ることと武器を作ることは関係あるんですか?」

 

「分からん!」

 

「またハッキリと言いましたね」

 

「分からんもんは分からんのだ。ただ普通に武器を作っていただけでは作れぬということが分かっておる。なら少しでもおぬしの側で見続ければ何か分かると思っての」

 

 

「はぁ…そんなものなんですか……」

 

 

曖昧な回答に戸惑うハジメだが、まぁ一緒にダンジョンに向かうことぐらい問題ないだろうと考え、

 

 

「分からないならやってみないと分かりませんね。神様ももう大丈夫そうですし」

 

「一緒にいってくれるのか?」

 

「はい」

 

 

そうか!そうか!とハジメの手を握りブンブンと上下に振る椿。その姿に面白くないと感じたのだろうヘスティアが頬を膨らませながら、

 

 

「椿君といったかな?いくらハジメ君の武器を作ると言っても、ハジメ君がいいと言ったとしても、主神である僕がいる前でよくも堂々と」

 

「うむ、それは失礼した。ヘスティア様にはこれを見せれば素直に応じると言われておったので気にしていなかったのでな」

 

 

なんのことを言っているのだろうと疑問に思ったヘスティアだが、椿が取り出したある一枚の紙を見たとたんに表情が一変した。

 

 

「なっ!?」

 

「我が主神からの伝言からは「普通ならこれだけの金額をタダにするのだから協力しなさい」だそうだ」

 

「こんなの脅迫じゃないか!!大体武器を作ってくれなんて頼んでないし、そっちが勝手に…」

 

「そんなことを言い出したときはコレを見せろと」

 

「なあっ!!?

なんでヘファイストスがそれを!!!」

 

 

さっきまで強気でいたヘスティアが一変して弱々しくなり苦笑いしながら、

 

 

「………ハジメ君、よろしく頼むよ………」

 

「そうですね。これ以上神様はクズだといわれないようにしないとですね」

 

「ぐぅ!!よろしくお願い…します……」

 

 

これが神様なのか?と思うぐらいの姿に、ロキは若干引いてる。

 

 

………………………………………………………………………………

 

 

「さて、ハジメも行ったことやし」

 

「……なんか用があるのかい?」

 

「そんな嫌な顔をするなや、こっちやて好きで話したくないわ。

しかし今回はそうはいかんのや、。ちゃんと説明しろや()()()()()。なんで()()()()()()()()()

 

 

部屋にはロキとヘスティアだけとなっていた。

ハジメと椿はダンジョンへ、アイズには二人で話し合うために部屋の外で待たせることにした。

真剣な表情のロキが指を指したのはヘスティアが倒れる原因となった魔導書(グリモア)。それは一級の武器が買えるほどの貴重品。それはヘスティア達借金持ちが手に入るものではない。

 

 

「こ、これはハジメ君達がバイト先から借りきてきた物らしいんだけど魔導書とは知らずに読んだらしくて……

けして盗んだじゃないよ!!それにベル君もハジメ君も魔導書だって知らなかったわけだし」

 

「そんな所まで聞いてないわボケ!!

……あの色ボケ女神が、狙いはこれやったんか……」

 

 

その悪口でヘスティアもそれが誰のことなのか、そしていま何が起きているのか分かったようで、さっきまで焦っていた表情がさらに険しくなった

 

 

「ちょっ、ちょっと待つんだロキ!!

狙いってなんのことなんだい!!君は何を知ってるんだい!!!」

 

「うるさい、先にウチの質問に答えろ。あとからちゃんと話したるわ。

自分、いつハジメのことを話したんや?」

 

「たしか……怪物祭(モンスターフィリア)の時だったような……」

 

「ちぃっ!あのときか……

このドチビが……一体どこまで話したんや自分は!!」

 

「は、ハジメ君のことは姿が見えないってことぐらいで……し、仕方なかったんだよあの時は!!それに見えなきゃ大丈夫だろうって……」

 

「アホか自分はあぁ!!!

あの色ボケ女神が神の興味をひく奴(ハジメ)を見逃すわけがないやろうが!!!」

 

 

ご、ごめんなさい…と自分のファミリアでもないロキに激怒されて凹んでしまったヘスティア。しかしそんな姿を見ようがいっこうに怒りがおさまらないロキ。

魔導書を手に取りそれを自分の顔の近くに持っていき三秒、何かを確信したように目を開き

 

 

「ご丁寧にウチだけに分かる香水を吹きかけとる…」

 

「ど、どういうことなんだい…」

 

「この香水はな、あの色ボケ女神と話し合いで会ったときに付けとったもんや。それをわざとつけとるということは……」

 

 

その真意に気づいたロキは魔導書を地面に叩きつけた。古いものなのだろう、背表紙は折れ曲がれ数ページは破れて飛び散った。

 

 

「面白いわ、実に面白いわ。なんでウチにケンカを売っとるかは知らんけど、ケンカを売っとるなら買ったるわ!!」

 

「ちょっと!勝手に完結しないでくれよ!!!」

 

「安心せいドチビ!!もううちらは完全に自分らを100%サポートしたるわ!!!誰にもあの二人を渡したらあかんで!!!」

 

「気持ち悪い!!気持ち悪いよロキ!!!そんなことをいうなんて君じゃない!!!」


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