影が薄くてもダンジョンを攻略する。のは間違っているだろうか? 作:ガイドライン
ちょーーーー遅くなりました。
はい、リボーン書いてます。それが原因です。
だって書きたくなったので仕方ありません。
でもこっちも負けてませんよ!!
タイトル通り決着しました。
どんな感じに終わらせたのか?
皆さんの予想から外れていたら幸いです。
それではどうぞ!!!
「な、何を考えてるんだ!」
「で、ですけど、これしか…」
「いま自分が言ったことが分かっているのか!?
それをやったら間違いなく無事ではすまない!!」
「ですけどあのミノタウロスを一撃で仕留めるにはそれしかありません。
リヴェリアさんの魔法でも一撃は難しいんですよね?」
「くっ!
だが、だがそれとベルが負うリスクが…」
作戦内容を説明したベルにリヴェリアは真っ向から反対した。それはあまりにもベルが負うリスクが高すぎる為だ。
しかしリヴェリアにもその作戦しかないということは分かっている。だが納得が出来ないのだ。
「ならその役目は他の者にやらせよう。
満身創痍とはいかなくともベルの体調は万全ではない。
そんな状態でやらせるわけには……」
「これは僕にしか出来ません。
どういうわけかあのミノタウロスは僕を
油断している間にやるにはこれしかありません」
「だ、だが…」
その作戦は利にかなっている。
だがそれは人として同意するものではない。
死ぬかもと分かっていてそれに挑む愚か者。
まさにベルはそれをしようとしているのだ。
「リヴェリア、君も分かっているはずだ。
そして僕もベルと同じ立場なら同じ選択をしていた。
そして君はそれを止めようとはしないだろう」
「当たり前だ!!
ベルはまだ冒険者として」
「だがもう冒険者だ」
「!?」
「それに僕はこれがベルへの試練じゃないかと思っている。
ならベルの成長の為、僕達が後押しするものじゃないか?」
痛いところをつかれて黙ってしまったリヴェリア
「冒険者」になったなら必ず訪れる試練
それはフィンもリヴェリアも体験したものである。
それがいまベルに向けられた。
それから逃げることは「冒険者」として終わりを意味してしまうだろう。それはリヴェリアもここにいる者達も望まない。
だからいまリヴェリアが出来ることは
「……分かった。ベルを信じよう。
だが、ギリギリの判断は私が決めさせてもらう。いいなフィン」
「あぁ、リヴェリアに任せる。
だからベルは思いきってやってくるんだ。」
「はい‼」
「リヴェリアはベート達にこの事を伝えたくれ。
僕はアイズ達に伝えてくる」
アイズ、ティオナ、ティオネは吹き飛ばされたベート達からミノタウロスを近づけないようにと交戦しているが、致命的な攻撃が当たってもすぐに再生してしまい体力だけが削られている。
そこに近づいてきたのはベル。
それによりミノタウロスの目標がベートやアイズ達よりもベルが敵としての対象が上となった。
「来い!!ミノタウロス!!!」
ベルの声と共に駆け出していくミノタウロス。
何かが始まったとしか分からないアイズはとにかくベルの援護に周り、ティオナとティオネはフィンも元へ戻り何が起きているのかを確認する。
そして説明が終わったタイミングでベート達もリヴェリアから説明を受けて戻ってきた。
「そんな無茶なことをベルに!!」
「それしかないと思う。
現に致命傷を与えても傷が治るミノタウロスには確実に一回の攻撃で殺らないと復活するだろう。
それに今もベルに対しては攻撃の手を緩めている。
それが
ベルがミノタウロスと対峙しているときは、死に至る攻撃をしているが「当たれば絶対に死ぬ」ものではない。
そしてフォローに回っているアイズが来ると全力の攻撃をしている。
「で、要は俺達は何をすればいいだフィン」
「アイズと一緒に援護に回って出来るだけミノタウロスの機動力を削いでくれ」
…………………………
「はぉはぁ…くっ、はぁ……」
間違いなくミノタウロスはアイズさんと比べて手加減をしている。
それでもマトモに攻撃を喰らえばもう立ち上がれない力はある。
僕を簡単に殺さないようにしているのか?
それとも何かの意図があるのか?
それは分からない。
分からないけど、そのミノタウロスの行動を利用して倒すしかない!!
駆け出すベルはミノタウロスが振り下ろす大剣をギリギリに避けたあと腹部に目掛けて更に加速した。
とにかくさっきと同じようにミノタウロスを仰向けに持っていく作戦なのだが、それはただのミノタウロスなら通ったのだろうがこのミノタウロスは違った。
その体型からはあり得ないスピードでバックステップをして距離を置いたミノタウロスは、天井にある氷柱のような形をした岩をジャンプしてつかみ取った。
(や、ヤバい!!!)
ベルの本能が叫んだのと同時にミノタウロスの掴んだそれはすぐさま形を変えて大剣となり、地上にいるベルに向かって投擲してきたのだ。
反応が出来ず動けないベルの元へアイズ、そしてベートがとっさに飛んで来る大剣に衝撃を与えて軌道を反らした。
しかし大剣が突き刺さった瞬間の衝撃は消すことは出来ずにベルは吹き飛ばされる。
飛ばされたベル方向へ向かい地上に着地したミノタウロスは駆け出す。
体勢を立て直せないベルの援護にティオネ、ティオナ、ガレスが行く手を阻もうとするが、
「なっ!!!」
誰が声を出したのか分からないがその驚いた声の通りのことが起きた。
先ほど突き刺さった大剣により盛り上がった岩盤をミノタウロスが殴ったり蹴ったりしてティオナ達飛ばしてきたのだがそれが巨大な矢じりとなって飛んで来たのである。
流石に回避に間に合わないと判断した各々はその矢じりに対処する羽目になり、その間にミノタウロスが駆け抜け突き刺さった大剣を手にとってベルに向かって突き進む。
しかし先ほどのミノタウロスの行動が、その走りから足止めに割いた時間がアイズとベートが追い付く時間として足りた。
「このくそウシがああああぁぁぁ!!!」
「行かせない」
アイズが両足を目にも止まらぬスピードで切り裂き、ベートが大剣を持った腕に向かって渾身の一撃を叩きつける。
それにより僅かな時間動けなくなったミノタウロス
しかしすぐさま再生能力が働き、二秒もかからず治りかけていた。
だがその二秒がミノタウロスとって更に追い詰められることになる。
その僅かな二秒の間にアイズはミノタウロスの足から背中にかけて切り刻み付け、ベートはそのまま頭部や肩周りを蹴りで打ち付ける。
そして矢じりを対処した三人も加わり、腕、足、腹部と一体のモンスターに対しては一級冒険者が五人も攻撃を仕掛けている。
まるで階層主との勝負のように。
だが、明らかに階層主よりもその再生スピードは上回っている。
現に五人で攻撃をしているのにも関わらず受けた攻撃はすぐさま再生をしており攻撃をしている意味を感じなくなる感覚が出てきてしまう。
それでも攻撃をしているのは足止めをするため。
体勢を立て直しているベルのために一級冒険者が全力で援護に回っている。
「さっさとしやがれクソ兎があぁ!!!」
「ベルならきっと大丈夫だよ!!」
「団長が認めたのだからしっかりね」
「コレぐらいの試練、さっさと終わらせんか」
「……頑張って、ベル」
その声援もありベルは立ち上がった。
もうボロボロでナイフ持つにも限界がきている。
しかし倒れるわけにはいかない。
こうして皆が助けてくれているから。
「アイズさん!!
皆が離れて、僕がたどり着く時間を」
稼いでください‼と言われる前にアイズは一旦ミノタウロスから距離をとり
「
エアリアル
風属性の
「リル・ラファーガ」
エアリアルの風を纏って放つ突撃による刺突技をミノタウロスの腹部に向けて喰らわせた。
とっさにミノタウロスから離れた面々は巻き沿いになることなくミノタウロスのみ吹き飛ばされて壁へ激突した。
粉塵が舞いミノタウロスの様子は見えないが間違いなくミノタウロス腹部には大きな穴が空いているはずだ。
そしてその粉塵へとベルが駆け出す。
(気を付けてねベル…)
…………………………
アイズの予想通りミノタウロスの腹部には大きな穴が空いてあり、魔法の影響のためか再生速度が落ちている。
しかしなんの障害もない。
穴が空いていようが体は動く。
首吹き飛ばされた時も動いたミノタウロスには腹部に穴が空いていようが関係はない。
立ち上がりこの粉塵から抜け出そうとするミノタウロスの元へ
「ファイアボルトオオオオオオオオォォォ!!!!」
ベルの掌から放たれた炎雷は再びミノタウロスの腹部へと直撃する。
これにはさすがのミノタウロスも悲鳴を上げてもがく。
その間にベルは一気にミノタウロスに近づいて《バゼラード》を突き刺さるだろう眼球に突き立ててもう一度魔法名を言い放った。
「ファイアボルトオオオオオオオオォォォ!!!!」
剣に魔法が伝わりながらミノタウロスの脳天に魔法が放たれる。
地獄以上の苦しみを味わいながら頭部が吹き飛んだミノタウロスと共に消し炭となった《バゼラード》は形を崩していく。
頭部がなくなったミノタウロスは未だに腹部と頭部の再生をしようともがいているが、ベルはその傷口に
その異物を取り込むように傷口は、その細胞は異物を覆い被さろうと動いている。
そしてその傷口が塞がる前にベルは掌をミノタウロスの腹部に向ける。
取り込まれる前に、この位置で、このタイミングで、魔法をその異物に放つ必要がある。
その異物とは「ゴライアスを一撃で仕留めることの出来る爆発物」である。
「うおおおおおおおっ!!!」
それもミノタウロスには2つも爆発物が埋め込まれてある。
その1つにベルの魔法を打ち込めば間違いなくミノタウロスは倒せるだろう。
しかし至近距離からの魔法を打てない状況にあるベルにはその凄まじい爆発を
「ファイアボルトオオオオオオオオォォォ!!!!」
その身に受けることになる。
しかしただその爆発を受けるわけではない。
ファイアボルトが爆発物にぶつかり破裂、凄まじい衝撃と爆風が飛び出した瞬間にもう一度放ったのだ。
「ファイアボルトオオオオオオオオオオオオオオオォォォ!!!!」
相殺するとは出来ないが爆風と衝撃を、
ファイアボルトのぶつかり合いによりベルの体は爆発物によるものに巻き込まれる前に吹き飛ばされた。
そしてその凄まじい爆発はダンジョンの内壁を大きく崩して吹き飛んだミノタウロスの真上へと降り注いだ。
吹き飛ばされたベルはアイズにより壁へ叩きつけられることはなかったがもう見る限り体はボロボロ。
ファイアボルトを放った腕に関しては酷い火傷を負っている。
それでもベルは、嬉しそうな表情で、
「……や、やりました…よ……アイズさん……」
「うん、よく頑張ったね」
満足そうな表情をしてベルは気を失った
そんなベルの頭をアイズはゆっくり優しく撫でた。
その姿は姉が弟を介抱しているかのようだった。