影が薄くてもダンジョンを攻略する。のは間違っているだろうか? 作:ガイドライン
お久しぶりです!!
ここから更新を増やしていきたいと思います。
まぁ、あまりあてにならないかもですがやる気はありますのでよろしく!!
またまた余談ですが、KinKi Kidsの20周年コンサート横浜スタジアム最終日当たったああああああぁぁぁぁぁー!!!!!
もうテンションめちゃくちゃ高いです!!!
もうー!!もうー!!もうー!!
くうううぅー!!!!
………鬱陶しですね。すみません。
それでは、どうぞ。
「…な、んだ、あれは……」
「……止まっては、いないのか……」
フードの者に当たると思われたカードはまるで一時停止のように空中で止まっている。
いや正確には空中から地面に落ちずに、そしてゆっくり回転しながら近づいている。
「ふふふ。
それはそうよ、一時停止とは訳が違う。
でも
じっくり観察して推理すればいいわ。
分かったところでどうしようもできないのだから」
フードに隠れて見えないが微笑みながらさらにハジメに近づいている。
ハジメは抵抗するかのように更にカードを投げつけるが全て止められて、いや、速度を落とされている。
「無駄だと分からないの?」
意地になっているのか次から次へとカードを投げつけるが、しかし全てのカードは速度を落とされてしまっている。
「いや、違うわね。
諦めて自棄になっているわけじゃない。
そんな人のする目をまだ貴方はしていない」
そう、自棄になってカードを投げていたわけではない。
カードを投げた際にそのカードによってフードの者に見えないタイミングである方向へ投げていた。
それはフードの者の周りを囲むように四方八方に散らばっており、そのカードを起点に一時停止の展開したハジメはポケットから小さな箱を両手合わせて6個取り出して投げ込んだ。
その瞬間に大爆発が起きた。
投げ込んだそれはベルが使った爆発物。
ものすごい爆発が起きたが取り囲むカードによる一時停止により周りには影響は出なかった。
しかし地面には一時停止がかかっていなかったようであり、そこには大きな大穴が空いていており下が見えないほどの深さ。
一体どれだけの階層まで縦穴が空いたのか分からないがそれほどの大爆発だ、流石にこれならフードの者も無事ではいられないだろうと誰もが思っていた。
粉塵で見えなかったが少しずつ薄まっていき現場の状況がハッキリと見えてきた。
そしてそれと同時に誰もが
「ハッキリいって失望ものよ。
炎で出来た球体が現れた。
そして次の瞬間にはその球体もまるで何もなかったように消えてしまい球体の中からフードの者が現れた。
「どうして分からないの?
貴方と似ている力なら
そして理解しなさい。
私の攻撃は貴方に通じるということを」
宙で浮遊しているカードを一枚手に取るフードの者。
そしてそのカードをハジメに向けて
「さて、そろそろ終焉としましょうか?」
そして軽く手首を振るった。
そう、ただそれだけだった。
なのにその刹那、持っていたカードが無くなり、
そして、同時にハジメの体から左腕も無くなった。
「ッ!!!!??」
正確には切り離された。
飛び散る血はまるで噴水かのように吹き上がる。
すぐさま一時停止により出血を抑えたが、気力も体力も尽きたのか、腕を無くしたことにより体内感覚が狂ったのか。
ふらふらとふらつきながら二歩、三歩と千鳥足のあとに座り込んでしまった。
「ここまできたというのに何も変わらなかった。
いえ、変わろうとしなかった。
だったらもう、必要ないわ」
大穴が空いているのにも関わらず何もなかったように宙を歩きゆっくりと近づきながらフードの者はその手をハジメに近づける。
誰もが分かった。
あの手が触れたらハジメは死んでしまうと。
どんな原理、理屈かは分からないが直感が警告している。
誰もが無理矢理体を動かそうとしている。
完全に止められてないため抵抗出来るが、その代わりに血管が破ける程の力を入れてやっと少しずつ動く位なのだ。
それでも皆はハジメの為に動く。
「…………………」
一体何をしているのだろうか?
ハジメが今、置かれた状況とこの目で見える光景でそう感じた。
目の前に迫ってくるフードの者が自分の事を知っている。
そしていま僕を殺そうとしている。
知りたかった、自分の事を。
一体このフードの者は何を知っているのかを。
だから自棄になって自分らしくもなく頭に血が回っていた。
だけど腕を切り落とされて血が浮き出て血の気が引いた為かいまは頭がスッキリして何でも考えられる。
そう、今は、今は一番優先することを考えるんだ。
間違いなく負けるだろう相手にこれ以上挑む必要があるのか?
答えはNOだ。僕は僕なのだから今すぐ僕を知る必要はない。
ならここまでやられて黙って終わられる事が出来るか?
出来る、つまりはYESだ。
別に負けることが恥だなんて思わない。
なら、いまは生き残る事を考えろ。
ここにいる皆を助ける事を考えろ。
帰るべき地上に、待っていくれている人の元へ。
『私は、私は一人で生きなくてもいいんですか。
シルやミア母さんと一緒にいても……トキサキさんと一緒にいても』
『はい、いてください。
そして、リュー・リオン。僕は貴方の傍にいます』
帰らないといけない。
僕はあの人の元に帰らないといけない。
「さよなら、ハジメ」
フードの者が伸ばす手を、手首を掴み取った。
その行動に驚いている感じはしたがすぐに元に戻り
「なに、まだ抵抗するの?」
「……か…ない…」
よく聞き取れないと顔を近づけようとしたフードの者だったが何か違和感を感じた。
足元が動かない。
そしてどんどん体が、下半身から動かなくなっている。
一時停止ではこんなことはならない。
「……僕は、帰らないといけません……」
フードの者を動かなくさせているのは氷。
そう氷付けにしているのだ。
一時停止によるこの現象は空気中の分子を停止させることによって対象物を氷付けにさせる。
そしてさらに今回は氷になると同時にその分子に一時停止をかけているためまず溶けることがない。
あっという間にフードの者の体は頭部を残し凍りついた。
「……出来る…じゃない……」
「…アイス…ゼロ……」
なんの事を言われているのか分からなかった。
いや、分からなくても良かった。
フードの者を最後まで凍りつかせたハジメは地面に衝撃を与えて大穴の縁を更に広げた。
それにより凍りついたフードの者は瓦礫と共にダンジョンの底へ落ちていった。
それを見届けたハジメは視界が歪む中、自分の名前を呼び駆け寄ってくるアイズ達に「…大丈夫ですよ」と声になったか分からないままその場に倒れた。
…………………………
「……見ていたかしらオッタル……」
「はい」
『神の鏡』と呼ばれる、下界で行使を許された『
それにより全てを見ていた。
もちろんハジメの戦いも、姿は見えずとも、そこにある
フレイヤには、『洞察眼』というべき下界の者───『魂』──の
恐らくハジメの瀕死の状況により『カミカクシ』の力が弱まったと思われるが、それを確かめることは出来ないだろう。
それでも確かに、僅かではあるが見えたハジメの魂。
いや、それも
「……あれは、なんなのかしら……
……あんな、魂……見たことがないわ……」
何故なら魂そのものを
ベルのように純粋な魂とかそういうものではなく、そこに魂があるだけしか分からなかった。
だからこそフレイヤは歓喜していた。
自分に見れても分からない魂。
そんなものがあるなんて天界にいたときでも見たことがなかった。
「……いいわ…すごくいいわ………」
歓喜から恍惚へと移ろわせるフレイヤ。
一人の魂はフレイヤの瞳を焼くほどに輝きながらも、その色は澄みきった透明色。
一人の魂はフレイヤの瞳でも確認出来ず、それでも確かに存在する霞かかった魂。
汚れも穢れも知らない、純然な意志。
二人の中で、『可能性』が芽吹いた。
はい!!!!
以前「ハジメの力」はこういうのですよね!と、推理された数名のお方。
いやーもうー、バレたのかとヒヤヒヤしてました~。
中々正体を明かす機会がありませんでしたがやっと出来ました。
そして名前は「アイス・ゼロ」です。
凍らせるのと同時に分子を一時停止という絶対冷凍させる恐ろしい技です。
まぁ、一時停止さえ使わなければ凍らせるとだけなので安全な攻撃です(笑)
さて伏線を回収できたところもありながらもまた伏線を張ったりといつ終わるんだと思われるかもしれませんが、少なくともまだまだ続きますので。
なのでこれからもよろしくお願いします。