影が薄くてもダンジョンを攻略する。のは間違っているだろうか? 作:ガイドライン
余談というか自分事ですが堂本光一のshock当選です❗
いや公演まで楽しみです❗
それではどうぞ。
「長期戦だと周りに迷惑をかけるからな
ルールはこっちで決めるからええな」
「勝手にしろ、あの野郎をぶっ飛ばせるなら何でもいい」
路上にはロキ・ファミリアや『豊穣の女主人』にいたお客、そして野次馬がぞろぞろと集まってきた。それはそうだろう、あのロキ・ファミリアがそれも第一級冒険者であるベートがケンカをするのだ。そんなものがダンジョン以外で見えると分かると誰もが見たくなる。
そしてその相手が、
「本当に大丈夫なんですか?」
「大丈夫です」
「ミア母さんが大丈夫だと言ってましたが……貴方はまだ駆け出しの冒険者。十分に注意をしてください」
「はい」
ミア以外はハジメの応援の為に外に出ている。一人店にいるミアは未だに料理を続けている。それは誰のためなのか……
「……ハジメ…」
「せっかくの料理が不味くなりましたね。あっ、不味いはミア母さんに失礼ですね。うーん…………野良犬のせいで気分を害したというべきですかね」
「いくら聞こえないからって言い過ぎだと思うよ!!!!」
「ベルベルは優しいですね。明らかに向こうが悪いのに。」
そうベルは優しい。いくら自分が蔑まされようとも他の人のために一緒に考える。それはなかなか出来ることではない。だからこそベルのために
「だからこそベルベルの為に僕が怒るんです」
「……ハジメ……」
「そして再起不能にしてやります」
「完全に私情挟んでるよね!!!!」
最近はベルベルのツッコミが上手くなってきた気がするなと思いながらハジメは、人によるリングの真ん中にいるベートと対面するようにその場に移動した。もちろんそこにハジメがいると認識出来るのは仕事仲間であるリュー達だけであるために
「ロキ様。トキサキさんを見ることが出来るのは私達『豊穣の女主人』だけですので、私が審判をしても宜しいでしょうか?」
「構わへんけどヒイキはいかんで。いくらステルスが見えへんと言っても結果を確かめる術はいくらでもあるんやからな」
いつも惚けるような表情をしているロキがまるで獲物を刈り取ろうとする鋭い眼でリューを見ている。普通なら怯えたり何やら反応があるが全く臆せずに
「もちろんです。神ロキ様に誓ってそのようなことは致しません。」
「そうか、ならええで。ベートもええな」
「さっさと始めろ!!」
「短気な奴やな、今からルールを説明するからちゃんと聞きや」
クソッと舌打ちをしているベートだがそこはちゃんと割りきって大人しく聞くことにしたようだ。それを確認したロキはルール説明を始めた
「ルールは簡単や。相手に一撃を入れたら勝ちや。そやけどステルスは二回目が一撃と見なす。死に関わる攻撃は禁止。ええな?」
「あぁ」
「分かりました」
「了解したそうです」
「そか、なら準備はええか?」
戦闘体勢に入ったベートと特に構えもせずにただ立っているハジメを確認したリューはロキにOKの合図を送り、それを受け取ったロキは片手を空に向けて上げて開始の合図と共に手を振り降ろす
「開始や!!」
…………………………………………………………………………
(さぁ、さっさと来やがれ!!!)
ベートは待っていた、ステルスが攻撃するのを。
無闇に周りを攻撃すればいつか当たるだろうがそれだと格好悪い。それに一発目ではなく二発目が一撃となっているのだ、たかが低レベルの冒険者の攻撃なんぞ喰らったところで何ともない。
(その一発目から二回目に移行する間に決めてやる!!!!)
ステルスが放つ一発目から二発目の間に攻撃しようと考えている。僅かな間しかないと思うだろうがベートにすれば十分な時間がある。だから今ベートが考えるのはただ一つ
(研ぎ澄ませ!!!何処から攻撃しようが直ぐ様反撃来てやるぜ!!!!!)
ロキがステルスへとハンデをあげたつもりだろうが所詮は低レベルの冒険者で自分は第一級冒険者、これぐらいハンデにもならない。
(側面から来るか、後ろから来るか、上から来るか、飛び道具でも使ってくるか……なんにしろその一発目を当てた時点でテメェは終わりだ!!!!!)
さっきまで頭に血が登っていたベートなら、もしかしたら少しの可能性があったのかもしれない。だが冷静なベートはすでに死角からの攻撃だろうとも対処できるぐらい頭が冷えていた。
全く負けるイメージがなかった。これは一方的なものであり、憂さ晴らし、どれだけ足掻こうが弱者は弱者だと知らしめるためものだと
だから思いもしなかった。
「二発目の、一撃の攻撃が入りました。勝者、トキサキ
「………………ハァ?」
言っている意味が分からなかった。いまこのエルフは何を言いやがった………二発目が、一撃が入った…だと……!!!
気づいたときにはエルフの前に立ち思いっきり睨み付けながら
「ふざけたこと言ってるんじゃねぇ!!!!
二発目だぁ?そんなもの俺は喰らってねぇぞ!!!!!!」
「いいえ、確かに二発目が入りました」
「テメェ!!!!」
「貴方は気付かなかったかもしれませんが、
な、何を言っているのか分からなかった。ベートだけではない。周りの人達さえその真実が信じられなかった。確かに姿も認識出来ないとはいえ「攻撃」さえも感じれないというのか??
「そんな攻撃当たっても認識できへんという事か?
もう完全な
「それは……違うようです神ロキ」
「どういうことや?」
「……………詳しくは教えてくれませんでしたがトキサキさんは力「0」だそうです。なので攻撃が当たっても感じられなかったと………」
「は、はぁー!!?なんやそれは!!!!いくら魔術専門やとしても力「0」なんて、というかファミリアに入ってきた子でも0なんてなかったで!!!」
ざわめきが走る。それはそうだろう、冒険者でもあるハジメが力0でいることに。そんなの……
「……はっ、なんだそりゃ……
「ッ!!!そんな言い方!!!!」
「ウルセェよ雑魚が。あぁ、もしかして力がまったくない奴が化物を、ダンジョンを攻略できると、本気で思っているのか!!!?」
ベルの必死の言葉も簡単に崩された。それはベル自身が分かっているからだ。力無きものがダンジョンを攻略なんて、ましてやあの化物を倒すことなんて出来ないとその身にいくつも、いくつも、いくつも、いくつも、刻み込んできたのだから……
「……興が覚めたぜ、クソが……」
「ちょっとベート!!どこへいくのよ!!!!」
「ウルセェ!!!テメェには関係ねぇだろうが!!!!!!」
近くの木箱を蹴り飛ばして仲間の制止も聞かずに去っていく。その姿にファミリアの神であるロキは、
「あかんわ、あのバカいまからダンジョンに一人で行くつもりや」
「……私も、行ってくる」
「えぇ!!アイズたんも行くんか~酌してくれるっていったやんか~」
そういいながら第一級冒険者にフラれた神ロキはトボトボとお店の中に戻り、残りのファミリアと飲むことにした。そして二人の第一級冒険者はダンジョンへと向かう
その姿に困惑を隠せないベルは近くにいたリューへ話しかける。
「ど、どうして突然ダンジョンなんかに行ったんでしょうか?」
「……見ていられなかったからじゃないでしょうか?
力0という冒険者ではありえないステイタス。それでも冒険者であるというなら、あの人達にとってトキサキさんは冒険者としての
「………戒め……」
考え込むベルの元へなん気なく戻ってきたハジメは
「さぁベルベル。食事の続きといきましょう」
「……ごめんハジメ!!これで支払いしておいて!!!!!」
ベルは手持ちのお金を全てハジメに渡して走り去っていった。いつの間にか店の外に残されたのはハジメとリューだけだった
「頑張りますねベルベルは」
「……貴方は、トキサキさんは、行かなくていいんですか?」
「バイトを抜け出したら今度こそクビですよ」
「ミア母さんがそう簡単に貴方をクビなんてしません」
「…………行きませんよ。これはベルベルの冒険ですから」
「トキサキさんは、冒険はしなくていいんですか?」
少し間が空いた後、表情も声も変わらずに淡々と答えた。
「僕は……冒険しているんですかね………」