影が薄くてもダンジョンを攻略する。のは間違っているだろうか?   作:ガイドライン

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マジかぁ━━━!!!
久々のランキング入りだあああぁ!!
みんな戦争遊戯(ウォーゲーム)好きだね。
もちろん僕も好きですよ!

よし思いっきり暴れさせますか!!
誰とはいいませんが(笑)

それではどうぞ!!





影の薄さがここにきて裏目に出ました。

「これ…大丈夫かな……」

 

「えらい弱気やな……

…まぁ、向こうから仕掛けてきたんや。

こっちには証言者もおるしな」

 

 

 

気が重い。

向こうが仕掛けてきたとはいえ、手を出したのはこちらである。

確かにアポロンの言うとおりに手を出してしまったかもしれないが、こちらにも証言者がいるからイーブンにはもっていけるはず。

 

ここには第三者の証言者としてティオナとティオネ。

加害者としてハジメとベル。

そしてその神様()であるヘスティアとロキ。

 

 

昨日行われた会場に向かうために歩いているのだが

 

 

 

「大丈夫なんですか?

第三者の証言者としてありがたいですけど、これ間違いなく身内扱いにされますよ」

 

「そんな事はないと思うで。

だってウチ、ドチビ、キライやからな」

 

「うっさい!!!

僕だって嫌いだよ!!!!」

 

「なんや気が合うな!!

そうなら近づかんでくれんか!?」

 

「そっちこそ距離を取ってほしいね!!!

言っておくけどこれで恩を売れるなんて考えないことだね!!!!」

 

 

「なるほど。

これなら大丈夫ですね」

 

(……僕だけなのかな…不安なのは……)

 

 

 

ティオナとティオネは二人でおしゃべりをしている。

ヘスティアとロキはにらみ合い、言い合いをしている。

それを横で観察しているハジメ。

 

そしてそんな中で一人にツッコミ役を引き受けてしまう(強制的にやる)ことになったベル。

 

 

ここにもう一人いたらきっとこういうだろう。

 

 

カオス!!!と。

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

「来たようだなヘスティア」

 

「あぁ」

 

 

 

そこには昨日と変わらずに神様達が集まっている。

変わっているとするならヘスティア・ロキ・アポロンの元に眷族がいるということである。

 

 

 

 

「ということは分かったのだろう。

ヘスティア、君の子が私の子を傷つけたことが」

 

「……否定はしないよ。

だけど仕掛けてきたのそっちだ!!」

 

「手を出したというのにそんな事をいうのか?」

 

 

 

予定通りにアポロンが手を出したことを言ってきた。

だがこちらには証言がある。

 

 

 

「こっちの非は認めるよ。

だけどアポロンも認めるべきだ!!!

こっちには証言者としてロキ・ファミリアの眷族を連れてきたんだ!!!」

 

「証言します。

私ティオネ・ヒリュテはアポロン・ファミリアが先に喧嘩を仕掛けたことを見ました」

 

「ティオナ・ヒリュテも見ました!!!」

 

 

 

その言葉に神様達はそれが真実だと知った。

いまの神様には大した力はないが本当か嘘か見極めることができる。

 

これは確実な承認となる。

 

 

 

「ほう、あのロキがヘスティアを手助けか…」

 

「変な掻い潜りはやめてもらおうかアポロン。

言っておくけどな基本的にウチはドチビがキライや。

しかし子が親に頼まれたんや。

ウチの意地で無視するわけにはいかんやろ」

 

 

 

最もらしいことを言っているが、来る前に「やっぱり止める!!」と言ったロキを「いい加減にせんか!!!」とリヴェリア(お母さん)に怒られたのだ。

 

そんな事は誰も知らずに、ただロキの評価が上がる中でアポロンがまるで計画通りに進んでいるようであり嬉しくなったのか口の端が上がっていた。

 

アポロンが一人の眷族に、【太陽の光寵童(ポエプス・アポロ)】ヒュアキントスを顎で指示して、扉の向こうからある人を引っ張ってきた。

 

 

そのものは同じアポロン・ファミリアであり、全身が包帯でぐるぐる巻きになっており、苦しい表情と歩き方でこちらに向かっている。

 

 

 

 

「しかしだ、ここにいる我が子は凍結して大怪我をしている」

 

「なっ!!!?

そんな訳がないだろうが!!!」

 

「何を否定している?

現にこうして大怪我しているだからな」

 

「ハジメ君がそんな加減知らずな訳がないだろう!!!」

 

 

 

するとさらにアポロンの口角が上がった。

それに気づいたロキはすぐさまにヘスティアに助言をしようとしたが遅かった。

 

 

 

「ほう、ならばその()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

「ッ!!!!??」

 

(アポロンの奴……それが狙いやったわけか……)

 

 

 

そういくらここでティオネやティオナやベルが発言しようとも、実際手を出したハジメではなければ確認できないことがある。

 

アポロンは大怪我ではないことを知っておりながらわざと演技をさせて、ハジメをその目で確認するためにこうして罠を張ったのだ。

 

 

 

「そ、それは……」

 

「知っているぞヘスティア。

貴様のところのトキサキ・ハジメは、姿が見えない事を。

そして()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!!!!!」

 

「な、なんでそれを知っているんだアポロン!!!!」

 

 

 

テーブルを叩いて抗議するヘスティア。

周りの神様は「マジかよ!!」「レアスキル!!!」「てか、俺達にも見えないなら超レアスキルだ!!!」などと騒いでいるがそんな事はどうでもいい。

 

誰にも明かしていないことをどうしてアポロンが……

……ッ!!!!??

 

 

 

「ロキッ!!!!」

 

「う、ウチやない!!!」

 

「ヘファイストスッ!!!!」

 

「わ、私も違うわよ!!!!」

 

 

 

いま知っているのはこの二人ぐらい。

もちろん自分の子の可能性もあるかもだが、そんな事をするメリットがない。

 

つまりは、誰がこの情報をリークしたのか分からない。

 

 

 

「……どこだい、アポロン。

それを……一体どこで聞いたんだあぁ!!!」

 

「それを知りたければ戦争遊戯(ウォーゲーム)を受けるんだなヘスティア。

まぁ、こんなことせずともこちらはヘスティアに受けてもらうことが出来ると思うのだがな」

 

 

 

完全に嵌められた。

イーブンに持ち込み、和解に引き込むつもりが完全にアポロンに持っていかれた。

それもハジメのカミカクシが何処からか漏れてしまっている。

 

ただバレたならまだいいが、このタイミングで知られたということは完全に仕組まれたことを意味する。

 

この2つに挟まれたヘスティアに選択する余地はなく

 

 

 

「………分かった、受けるよ。

アポロン、僕は戦争遊戯(ウォーゲーム)を受けるよ!!!!」

 

 

 

その言葉に一気に神様達が沸き上がった。

 

 

 

『ギルドに戦争遊戯(ウォーゲーム)の申請をしろ!!』

『臨時の神会(デナトゥス)も開くぞ!

他の神々(ヤツラ)も招集だ!!』

『ほとんど来てるぜ!!!』

『ヤッハアアアッ!!

漲ってきた━━━━ッ!!』

『久々の(まつり)やーー!!』

 

 

 

これでヘスティアは逃げることは出来なくなった。

するとアポロンは看破いれずに

 

 

 

「我々が勝ったら……君の眷族、ベル・クラネル。

そしてトキサキ・ハジメをもらう」

 

「なっ!!!??

……最初からそれが狙いかっ………!」

 

「何を言っている?

さぁ、ヘスティアは何を望む?」

 

「……………………」

 

「まぁいい。

臨時の神会(デナトゥス)までに決めてもらえばいい。

こちらとしては要求は何でも呑むつもりだ」

 

 

 

これを聞くだけならアポロンは何てバカげたことをとなるが、むしろそれぐらいしないと割りが合わない。

それぐらいアポロン・ファミリアとヘスティア・ファミリアには差があるのだ。

 

 

 

「ベル君、ハジメ君、一週間だ」

 

「えっ?」

 

戦争遊戯(ウォーゲーム)が開催されるまで、一週間、ボクがなんとしてでも時間を稼いでみせる。

その一週間の間に、ベル君、ハジメ君、出来る限り強くなってくれ!!!」

 

「は、はい!!!」

 

「分かりました!!!」

 

 

 

決意したヘスティアはアポロンの方を向いて叫んだ。

 

 

 

「いいかいアポロン!!!

絶対にこんなことして申し訳なかったと頭をすり減らしても、どんなに謝っても許さないと分からせるぐらいに徹底してやってやるからなあああああぁぁぁぁ!!!!!」






アポロンってフラグを立てるの上手いですよね。

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