影が薄くてもダンジョンを攻略する。のは間違っているだろうか?   作:ガイドライン

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調子がいいですよ。
また更新しますね。

日間ランキングに入っているとこんなにも頑張れるだな~。

それではどうぞ!!!




影の薄さのせいでまた怒られました。

「えぇー!!!

リリが連れていかれた!?」

 

「すまねぇ……

…ソーマ・ファミリアの奴らにな。

こっちの言い分も聞かずに……くそがっ!!!」

 

 

 

戦争遊戯(ウォーゲーム)が決まりただでさえ戦力が必要なヘスティア・ファミリアに取ってリリが連れていかれたことは大きな痛手になった。

いま黄昏の館ではヘスティア・ファミリア、ロキと一級冒険者、ヴェルフと椿が話し合っていた。

 

 

 

 

「どうするんやヘスティア?

まぁ、あのパルゥム(リリ)がいたところで『改宗(コンバージョン)』せな参加も出来んかったけどな」

 

「そ、それは…そうだけど……」

 

 

 

かといって、リリをそのままに出来るわけがない。

しかしいま出来ることはないだろう。

するとハジメが立ち上がり部屋から出よう歩きだすのをロキが制止する。

 

 

 

「待て待て!!

ハジメどこにいくつもりや!!!」

 

「散歩です」

 

「見え透いた嘘をつくな!!

いまソーマ・ファミリアの所にいっても何も出来へんで!!」

 

「関係ありません。

……前から気に入らなかったんですあのファミリアは。

いい機会です、誰にも気付かれずに()()()()()()()()

 

「待ったああああぁぁぁ!!!!

出来るからこそ止めええええぇぇ!!!」

 

 

 

そうだった。

間違いなくハジメが本気でやれば誰にも気付かれずにソーマ・ファミリアを壊滅することは出来るだろう。

 

しかしそれは

 

 

 

「いまそんな事をしたらギルドに間違いなくバレる。

これはハジメのカミカクシがあるからなんて関係ないで!

この戦争遊戯(ウォーゲーム)は間違いなく仕組まれとる!

それもおそらく、パルゥム(リリ)が連れていかれたことも」

 

 

 

その言葉にハジメはロキの方に振り向いた。

リリが連れていかれたことは仕組まれていた。

そしてソーマ・ファミリアに何かあればギルドに連絡がいき間違いなく不利になる。

 

 

 

「………つまりは正攻法ではないと無理だということですか」

 

「その正攻法がないから困っとるんやろ

言っておくけどな、ウチは金は貸さんで。

ただでさえこんな風に作戦会議しとるだけでもヘスティア・ファミリアに加担してるんやからな。

この戦争遊戯(ウォーゲーム)はあくまでもヘスティア・ファミリアとアポロン・ファミリアやからな」

 

 

 

そうだからなのか。

さっきからロキ・ファミリアの一級冒険者は誰一人として言葉を発することがなかった。

参加するにはヘスティア・ファミリアに入る必要がある。

 

つまりはロキ・ファミリアを抜けるということだ。

そこまでしてヘスティア・ファミリアを助けるとなると天秤はどちらに傾くかは簡単に分かる。

 

 

 

「……ヘスティア、分かってたはずやで。

明日の神会で有利に条件が飲めたとしてもウチらが手を貸すことは出来へんということはな」

 

「……あぁ」

 

「まぁいつも通り部屋は貸したる。

せやけど、それだけや。

戦力として考えてもらっても無理やからな」

 

「……分かってるよ」

 

 

 

分かっていてもその事実を突きつけられると落胆する。

いまの現状、戦力はベルとハジメだけ。

いくらハジメが強くても限度がある。

強くても、無敵というわけではないのだ。

 

するとベルが意気込む表情で

 

 

 

「フィンさん!!ガレスさん!!ベートさん!!アイズさん!!

僕に……僕と()()()()()()()()()()()!!!!!」

 

 

 

その言葉にヘスティアは驚いた。

いつもなら稽古をつけてもらっていると言っていたのに、いまハッキリと戦ってもらえませんかと言ったのだ。

 

稽古と戦いとは全く違う。

それを分かってベルは発言したのだろう。

 

そしてその思いはフィンに届いたようで

 

 

 

「……君がそこで稽古と言っていたら何もするつもりはなかったよ」

 

「それって……」

 

「時間がない。

ベル・クラネル、限界を超えてもらうよ

戦いというなら()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「は、はい!!!!」

 

 

 

ベルとベルに呼ばれた者達は部屋から出ていった。

その時のベルの顔はいつもよりも意気込んでいたのが分かった。

 

 

 

「……タダの冒険者というわけやなかったみたいやな」

 

「当たり前だ、ベル君なんだから」

 

 

 

戦争遊戯(ウォーゲーム)に参加することも手助けも出来ないロキ・ファミリア。

でも、ロキ・ファミリアの冒険者と()()ことは別である。

 

その裏に気づいたベルはもう昔のベルではない。

 

するとヴェルフが何かを決めたような表情で立ち上がり歩こうとしたところで椿に腕を掴まれた。

 

 

 

 

「……よく考えたんか」

 

「あぁ。

戦争遊戯(ウォーゲーム)が決まったときから考えていた……

……考えて考えて、考え抜いた答えだ」

 

「……そうか。

でももう少し我慢せえ」

 

「椿っ!!!!!」

 

「手前に考えがあるんじゃ。

ええから少し待て、ヴェル吉にとっても悪い話じゃないわ」

 

 

 

そのいつもの弄ってくる椿とは違うことに気づいたヴェルフは素直に頷いた。

 

 

 

「そういうことでな、ヴェル吉は借りていくぞ」

 

「元々ヴェルフォードはヘファイストス・ファミリアですので」

 

「アハハハッ、そうだったの!!」

 

 

 

バチッバチッとヴェルフの背中を叩きながら二人も部屋から出ていった。

椿の考えとはどんなものか気になるがハジメには考えないといけないものがあった。

 

 

 

「ハジメ君。

正直、君を強くするために何が出来るか僕には分からない」

 

「せやな。

ウチも多くの眷族はおるけどサッパリ分からんで

お母さんはどうなんや?」

 

「誰がお母さんだ。

……全く想像がつかない。

ベルと同じように誰かと戦わせるのが一番なのだろうが………正直なところ()()()()()()()()()()()()

 

 

 

それを聞いたティオネもティオナも思わず頷いた。

相手にならないというのは勝てないということではない。

戦っても無意味なことだと分かっているからだ。

 

確かに戦闘経験を積ませれば変わるかもしれない。

しかしそれではハジメにとって経験するものが一生では足りない。

誰もがそう感じているのだ。

 

 

一級冒険者さえも手も足も出なかった相手を倒したハジメに対して。

 

 

するとハジメはいつも通りの表情であることを頼んできた。

 

 

 

「僕としては博識であるリヴェ姉とネネ姉、ナナ姉には協力してもらいたかったのですが」

 

「私達に?」

 

「でも何も出来ないわよ?」

 

「そんな事はありませんよ。

僕なりに強くなれる?かは分かりませんが、この状況を変えられることが出来るかも知れないことを思い付きました」

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

「どうしてこのようなことを……ザニス様……」

 

「一つはアポロン派から依頼を受けたのだ。

報酬を約束する変わりに【ヘスティア・ファミリア】との抗争に協力してほしいとな。

そして一つは……アーデ、お前だ」

 

 

 

それを聞いたリリは悟った。

リリは死んだことになっていたが、何処かで生きていたことに気づかれたのだろう。

そして未だにリリはソーマ・ファミリアの一員。

そんな一員がヘスティア・ファミリアに唆されたと言えば………

 

大義名分が出来上がってしまっている。

それはリリのせいでヘスティア・ファミリアひ、ベル様に迷惑をかけてしまう。

 

 

 

「……お願いです、ザニス様……」

 

「なんの事だ?」

 

「……ベル様には、ヘスティア・ファミリアにはこれ以上……

リリは、ソーマ様の元に戻りますので……」

 

「……あぁ、アーデは()()()()()()

 

 

 

正直そんな言葉は聞きたくなかった。

その言葉はベルやハジメから聞きたい言葉。

でもなにも出来ない自分が情けなくて波だが溢れてきそうになる。

 

連れてこられた部屋に入れられたリリは抵抗することなくそのまま部屋に鍵をかけられて出られなくなった。

 

それでもいいと思った。

リリさえ動かなければこれ以上みんなに迷惑を……

 

すると扉の格子の向こうからザニスが不適な笑顔で

 

 

 

「仲間だからこそ、こんな風にされたアーデのためにヘスティア・ファミリアは潰さないとな」

 

「そんなッ!!!??

約束が違います!!!!!」

 

「分かっているアーデ。

私達を気遣ってくれているのだろう。

それは大丈夫だ、ソーマとアポロン……2つの派閥にかかればすぐに終わらせれる」

 

「違いますッ!!

待ってください!!ザニス様!!!!」

 

 

 

リリの制止の言葉は届くことなくザニスは闇の向こうに消えていった。

 

 

 

「……ベル様…ハジメ様……」

 

 

 

届かないその名を呟くリリ。

自分が出来ることはもう祈ることしか出来ないのかと………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、なんですか?」

 

「キャアアアアアアアアアアアアアァァァァ!!!!!!」

 

 

 

直後に思いっきりリリに叩かれたが一時停止によりダメージ0であるが、リリに思いっきり説教されるなかで叫び声に気づいたソーマ・ファミリアの団員を見られる前にアイス・ゼロで凍らせて黙らせたら、またそのことでリリに説教を受けることになり……

 

 

 

「……リリの……リリの悲しみにくれた時間を…返してください……」

 

「僕でもそれは無理ですね」

 

 

 

ハジメのペースに乗せられてしまい、さっきまでの時間はなんだったのかと後悔するリリであった。






そういえば日間ランキング、最高5位までいきました!!
皆さんの応援のおかげです!
ありがとうございますm(._.)m

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