影が薄くてもダンジョンを攻略する。のは間違っているだろうか?   作:ガイドライン

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すみませんーーー!!

かなり、もうかなり更新遅れました!!!
なんとか納得いくお話になりました。
今年はこれが最後の更新となります。

一年間ありがとうございました。
また来年もよろしくお願いします。




影が薄い、のにやる気満々です。

「……スゴいね……」

「……スゴいな……」

「……スゴいですね……」

「……スゴすぎます……」

 

 

 

 

城が大爆発を喰らい芸術的なオブジェに変わり果てた姿を四人は呆然と眺めていた。

あの球体を持たされた時点で何かが起きると思っていたがまさか……城がほぼ壊滅しているものを目の辺りにすることとなるとは。

 

その光景はもちろんオラリオ全てに流れていて、予想していたはずのヘスティアさえも開いた口が塞がらなかった。

 

と、まぁ異常すぎる光景に圧倒されている四人の元へハジメとリューが近づいていた。

 

 

 

 

「こういう風にやるなら最初からやれば良かったのでは」

 

「今回は()()()が目的ですのでまずは戦力差というものを見せようかと」

 

「なるほど。

ならこの魔剣を使用し圧倒させながらも城へ攻め込まない理由が分かります。

ですが、始めの氷はいりませんよね?」

 

「あれは、ノリです」

 

「なら仕方ありませんね」

 

「仕方ありません」

 

 

 

そんなカップルのような会話をしている二人に、この目の前の惨状について聞いた。

 

 

 

「ハジメ、これはやり過ぎじゃ…」

 

「まだ足りませんよ」

 

「だがな、わざわざ城をほぼ崩壊させる必要は…」

 

「あります」

 

「しかしもし他の冒険者がいたら」

 

「それを防ぐためにこうして派手に暴れてもらい情報操作で城から()()()()()以外を出したんですが」

 

「だとしてもどうしてリリ達に話さなかったんですか!!?」

 

「………あっ、話してませんでしたね。すみません」

 

 

 

 

その言葉に脱力感を感じる四人。

頭が物凄く痛い、どれだけハジメと接してもその人柄が掴めない。

 

隣にいるリューはなんかハジメという色に染まってきたようで、「話忘れはないかと確認しましたよね??」「抜けていたようです」「……気を付けてください」と強く言ってくれない。

 

しかしこれ以上何かをいうと話が拗れる。

特にリューがハジメに甘いという内容をいえば否定をする行動の際に恥じらいで暴れる可能性がある。

無意識にいちゃついている事を意識させたときには周りに被害が及ぶことはすでに経験づみ。

 

 

 

(((……なんだこのカップルは……)))

 

 

 

と状況を知らない命を除き三人は心の中でもツッコミを入れた。

もちろん口に出したら真っ赤になってリューが暴走してしまうリスクがあるために絶対に言葉には出さない。

 

 

 

 

「さて、決着をつけにいきましょうか」

 

「だな」

 

「油断してはいけませんよ、相手は各ファミリアの中核なんですから」

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

「糞が!!どうして開かねぇ!!!?」

 

「……………」

 

 

 

 

内心ヒュアキントスは焦っていた。

定期連絡する筈の冒険者が来ないところからおかしいと感じていた。

例え倒されたとしても周りのやつがくるはずだ。

なに、いくら待とうとも誰も来ない。

 

それはザニスも同じように感じ取っており、自ら出撃しようと扉に手をかけた時にやっと異変に気づいた。

 

叩こうが、蹴ろうが、魔法を放とうがビクともしない。

扉だけではない、この部屋全体が同じようにキズ一つ受けないのだ。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

考えられることは一つ。

 

 

 

 

(トキサキ・ハジメ……

やはり、アイツがこの勝敗のカギとなるのか……)

 

 

 

倒すべき相手、そして未知なる相手。

どういう()()を使えばこんなことが起きるのかは分からないが、あの男を倒さないとこの戦いが終わることはない。

直感的にそう感じているとき、突然体が宙に浮くような感覚に襲われる。

 

 

 

「な、なんだッ!!!?」

 

「ッ!!!?」

 

 

体が宙に浮いているわけではない。

これは()()()()()()()

城内いるというのにこれは間違いなく落ちている。

 

得体の知れない恐怖に声を出してしまいそうになる前に、視界は真っ暗になり全身に強い衝撃が走った。

 

 

 

…………………………

 

 

 

「………ねぇ、ハジメ」

 

「なんですかベルベル?」

 

「あれをするためにお城をあんな風にしたの?」

 

「意外と怖いものですよ。

城が崩れ落ちる想像は出来ても、()()()()()()()()()()……いいアイデアですよね」

 

「………うん、ソウダネ……」

 

 

 

もう何を言ったらいいのか分からずにいま地面に激突した城を虚ろな目で眺めていた。

 

 

 

「ほらベルベル、現実逃避している場合ではありませんよ。

向こうも冒険者としてはプロのはず。

そろそろ襲いかかってきますよ」

 

「う、うん……」

 

 

 

全員が武器を構えて待ち受けていると瓦礫の中から立ち上がった一つの影。

 

 

 

「く、クソガアアアアアアァァァァァ!!!!」

 

 

 

現れたのはザニスであり完全にぶちキレている。

ふぅ、とハジメがため息をついて

 

 

 

「あれは僕が相手します。

ベルベルはヒュルヒュルをお願いしますね」

 

「……ハジメ、ヒュアキントスですよ」

 

「アハハ……

うん、分かったよ」

 

 

「皆さんはベルベルのサポートを。

まぁ、よっぽど追い詰められてない限りは一人でいいので」

 

「だろうな」

 

「ベル様も、ハジメ様も負けるイメージが出来ませんし」

 

「ご武運を」

 

 

 

皆に見送られながらハジメはザニスの元へ。

向こうもハジメが近づいてくるのに気づいたようで、ぶちギレたザニスは走りながら、ハジメを歩きながら、二人はベル達から少し離れた場所へと向かった。

 

そしてザニスがいた場所から爆発がおき、粉塵の中からヒュアキントスの姿が現れた。

 

 

 

「………俺をよくもコケにしたな……」

 

「貴方の相手は、僕です」

 

「……レベル2が、レベル3に勝てるとでも思っているのか!!」

 

「勝ちます」

 

 

 

冷静を保っていたヒュアキントスはとうとうキレて、ベルに向かってくる。

ベルも駆け出してヒュアキントスへと。

 

こうしてそれぞれのファミリアの中核が激突する。






毎回余談で、なんだとは思いますが一言。
KinKi Kidsのカウントダウンコンサートに行ってきます!

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