影が薄くてもダンジョンを攻略する。のは間違っているだろうか?   作:ガイドライン

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超ー久しぶりです!
いつの間にかアニメ始まりましたねー
ヤバい、間違いなく追い付かれる……

しかし、アニメで見てもザニスとヒュアンキトスはウザイ顔してましたねー
よかった!この小説で両手両足消しておいて(笑)





影の薄さって、日々を過ごせば濃くなる。(byベル)

「結果発表―。

全員脱落、お疲れ様でしたー!!」

 

「ふざけんなッ!!このクソ野郎がッッ!!!!」

 

 

結果、誰もヘスティア・ファミリアに入ることはなかった。

 

ベート、ロキ、アイズの課題は難問で最後の方は誰も残っていなかったのだ。というか中には「これじゃロキ・ファミリアの程度が知れるな」とほざいた奴が現れてそいつは、その後ロキ・ファミリアの三人に連れられて消えていったという。

 

ちなみに、帰る間際に

 

 

「もう二度とこんなことで呼ぶんじゃねぇぞ!!!」

「また極上の酒、よろしくな~」

「……また、ね……」

 

 

と、口々に言ってから帰っていった。

ベートに関してはツンデレと化している。

…言ったら即否定で手を上げるだろうなー

 

 

「せ、せっかくの…入団者が……」

「ちょっ、ちょっとハジメ様ッ!!」

 

 

落ち込んでいるヘスティアに、流石に気の毒と感じたリリはハジメを引っ張りだし

 

 

「なんであんなことしたんですかッ!!

入団者0って、やりすぎですよッ!!!!」

 

 

そう、やり過ぎである。

しかしリリは分かってなかった。

だって、その入団試験にはもちろんリリやベル達も関わっていたのだから。

そしてもちろんそこをハジメは、どうして誰も入らなかったのか、知っているのだ。

 

 

 

「でも、リーリ。ノリノリだったんですよね?」

 

「ッ!!?」

 

 

その言葉にリリはすぐさまヴェルフの顔を見た。

口笛を吹いて誤魔化しているが、そんなの誤魔化しになるはずもない。

 

 

「とある鍛治師から聞きましたよ。

色んな人に変身して撹乱させて、皆が疑心暗鬼になってるところにモンスターをつかせてみたりとか。終いには「今ですヴェルフ様ッ!!」と叫んで魔剣を振るわせて入団者をダンジョンごと破壊してしまいそうになっていたと。とある鍛治師から聞きました」

 

 

「ヴェ、ヴェルフ様アアアアアァッッ!!!!」

「内緒にしてられねぇのかてめぇはアアアアアァッッ!!!!」

 

 

ハジメに内緒話など無駄なのである。

こうなると予想出来なかったヴェルフが悪い。

 

 

「し、仕方ないじゃないですかッ!!

こっちだって簡単に捕まるわけにはいかないんですよ!!

混乱させるのは戦略的なものであって、魔剣に至ってはヴェルフ様の加減が悪いんです!!!」

 

「お前ッ!!

ストレス発散をするかのように「みんな困ってしまえばいいんですよ!!」とかいってたじゃねえか!!!」

 

「うわああああぁぁぁ!!!!」

 

 

ヴェルフに飛びかかり「この口ですか!!塞いでほしいのはこの口ですかッ!!」と針と糸を取り出して縫い合わせようとするリリ。それは流石に不味いとベルが止めるが抵抗しながら

 

 

「離してくださいベル様!!!

あの口の軽さは一度ギュッと縛り付けたほうがいいんですよッ!!」

 

「それだったらハジメにもやれよなッ!!」

 

「出来るわけないですよ!!!まず針がもったいないですッ!!」

 

 

ちょっと失礼なことを言われた気がしたがスルーすることにした。で、あっ、と思い出してもう一組のことも話してみる。

 

 

「ベルベルもいけませんよ。

相手が赤いハンカチを取れそうになるたびに超加速して逃げて、取れそうになると逃げて、取れそうになると逃げて、もう希望と絶望を交互に与える。もうドSの境地ですね」

 

「ち、ぢがううううううぅぅぅぅッ!!!!」

 

 

もう真っ赤な顔をするベル。

他の皆は一歩二歩と下がった。流石のベルの性癖にドン引きである。

 

 

「だ、だって!!簡単に取られるわけにはいかないでしょう!!!僕だって必死だったんだから!!」

 

「なるほど。つまり楽しんだと」

 

「言ってないッ!!?」

 

 

しかしそんなこと聞くわけない。

ベルの評価はやる時はドSになると分かったことだった。

 

で、今度の標的になったのは命。

ヒィッとビクついた命を見ても構わずに

 

 

 

「そういえば命さんは…」

「「「ちょっと待ったアアアアアァッッ!!!!」」」

 

 

いきなりのことで流石のハジメも驚いている。

いきなり制止させられる理由が思い付かない。

 

 

「何ですか。何か変なこと言いましたか?」

「言ってますよ。ええ、言ってますよ」

「まぁ、普通はそれがおかしいけどな」

「でもハジメに関してはそれだと納得していかない」

 

 

リリ、ヴェルフ、ベルの三人はギロッとハジメを睨みながら言ってくる。これには命もヘスティアも訳が分からない表情をしていた。

 

 

「一体何ですか?ただ命さんの…」

「「「なんで命(様)だけ普通に呼んでるんだアアアアアアアアァァァァァッッッ!!!!」」」

 

 

誰もが引くぐらい大声で言ってくる三人。

呼ばれた本人はもうビクビクしている。

 

 

「おかしいだろうッ!!人の名前をネーム負けぐらいに変えたくせによ!」

「そうですよ!!リリなんて安直にもほどがありますッ!!!!」

「神様やリューさんは分かるとしてもなんで命さんは変わらないのが納得いかないッ!!!!」

 

 

……確かに、ヘスティアやリューは変わらない。

それは何となくハジメの中で「特別」な人だからだろう。

しかし命はこの前一緒に戦った中とはいえ、ハジメの「特別」に入るようなことをしたようには見えなかった。なのに変なあだ名がないなんて納得いかないのだ。

 

 

そしてその答えは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっ。一応「みこっちゃん」や「みこりん」とかあったんですけど可愛すぎて合わないので」

 

「「「「…………あぁ……」」」」

 

「なんか…納得いきません……」

 

 

普通は嫌がるものだけど、この反応や可愛すぎて合わないという言葉に、どうしても納得いかない命。

別にあだ名が欲しいわけでもなく、可愛いと言われたい訳でもない。でも……どうしても納得いかないのだった。

 

 

……………………………

 

 

「それでハジメ君、どうして誰もいれなかったんだい?」

 

 

混乱が治まり新しい新居に各々やりたいことをやろうとバラバラに散った。そしてハジメはどうしようかなーと悩んでいるとヘスティアから呼ばれて誰もいない客間でこんなことを聞かれた。

 

 

「試験に合格出来なかったからですよ」

 

「それもあるだろうけど、君は何かを隠してる」

 

「そうですね。神様には話しておきますね」

 

 

そういってヘスティアの正面に座り

 

 

「しばらくここを離れようと考えてます」

「ッ!!!ど、どうしてッ!!?」

 

「僕を狙っているフードの者。

どんな形で僕の前に現れるか分かりません。

もしかしたら神様やベルベル達も狙われるかもしれません」

 

「それは分かってるだろう!!

だからロキの所の子供達に護衛を」

 

「そうです。

でもいまここで余計な新入団員を増やしたら……もしかしたらそれがフードの者だったら?」

 

「!!?……そこまで……」

 

 

ヘスティアも警戒はしていた。

しかしこの入団試験に紛れているという考えまではいたらなかった。新しい新居や環境に誰もが浮かれていた。そこに間違いはない。

そんな中でもハジメは、危険を排除しようと無理難題な試験を用意したのだ。

 

 

「でも、この試験を突破する()()()()()はいませんでした。ということは内側ではなく外側から攻めてくる。なら分かりやすいです。僕がこのファミリアから離れれば大丈夫です」

 

「なにを言ってるんだいッ!!!!

君だって危険なんだ!!そんなこと認められるか!!!」

 

「でも、過信でなければあれを倒せるのは僕だけ。

他の人は巻き込まれてしまったら…死んでしまう可能性があるんですよ」

 

「ッ!!?……それでも…それでもダメだッ!!!!」

 

 

ハジメの言っていることは分かる。

それでも大切な子でもあるハジメを危険なところに送り出すことなんて…出来るわけがない。

 

 

「すぐには離れませんし、勝手にいなくなりません。

少なくともベルベル達が僕なしでも大丈夫と思えるまでは」

 

「………僕は認めないよ……」

 

 

そっぽをむきハジメを見ようとしない。

それでも自分の思いは伝わったと頭を下げたハジメは部屋から出ていった。

 

 

「………出来る、わけ…ないじゃないか……」

 

 

誰にも聞こえない声は、静かに、部屋に広がり消えていった。

 

 

…………………………

 

 

「うん??チグーに命さん?」

 

 

千草と命が玄関先でなんか慌てたように話していた。

その瞬間ハジメの頭の中で「面白いことかも!」と閃いたの。"カミカクシ"で二人の認識を解除したハジメは堂々と二人に近づいた。

そんな二人、もちろんハジメに気づくわけもなく秘密の話を続けていた。

 

 

「ほ、本当なのですかッ!!」

 

「わ、分からない…でも…特徴は…スゴく似てるよ……」

 

「確かに……あの方の種族は珍しい……」

 

 

何のことか分からないが続きの話にハジメの興味がある言葉が出てきた。

 

 

「でも…"歓楽街"に…本当にいるのかな?」

「分かりません…しかし無視出来る話ではない」

「そうですねー」

 

「ねぇ、命。一緒に来てくれない?」

「そうですね。一人であそこには…危険です」

「そうなんですねー」

 

「ありがとう命!」

「いえ。私も知りたいのです。本当にあの場所にいるのか?」

「それじゃ行きましょうー」

 

「「………………ええええぇッ!!?」」

 

 

途中から存在を認識出来るようにしたのだが、話に夢中で全然気づかれなかったハジメ。何度か会話に入ってやっと気づいてもらったが、時すでに遅し、二人が聞かれたくない人物に聞かれてしまった。

 

 

「ハ、ハジメ殿…こ、これは……」

 

「ちょっと待っててくださいね。

流石に場所が場所なので、リューに話してきますのでー」

 

 

「「絶対にダメええええぇぇぇぇぇッッ!!!!」」

 

 

そんなこと聞くわけもなくハジメは去っていった。

ただ二人は祈るしかなかった。

ハジメがダンジョンよりも命が消えるかもしれない所へ向かったことに、僅かでも生きて帰ってくるようにと………


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