影が薄くてもダンジョンを攻略する。のは間違っているだろうか?   作:ガイドライン

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どうも。
アニメを見て「これだ!」と思い書きました。
出来るだけ早く更新したいと思いますが……どうか長い目で見てください。






影が薄いと周りにも影響を及ぼす。

「ここが歓楽街ですかー」

 

 

ハジメが来たのはギルドも手出し出来ない場所"歓楽街"

そこは男が夢を見て、女がそれを貪る場所。

さらに言えば……

 

 

「ここはいわば…」

「「ダメですッッ!!!!」」

 

 

口を二人から塞がれるハジメ。

ここには命と千草もいて真っ赤な表情でハジメに詰め寄る。

 

 

「なんてことをッ!!?なんてことを言おうとしてるんですかッ!!!!」

 

「自然の摂理みたいなものですよ??恥ずかしがる必要は…」

 

「だとしても言葉に出さないでッ!!!」

 

 

強く二人に言われたので言うのをやめる。

しかしここまで大声を出したのに誰もハジメ達を()()()()()

 

 

「…しかし、凄まじいものですね…"カミカクシ"というものは……」

 

「うん。誰も私達を見てない」

 

「いいですか。僕から離れたらダメですよ。

お二人は僕の側にいるので"カミカクシ"の影響を受けてないだけなので、少しでも離れたら僕が見えなくなりますからね」

 

 

ハジメのカミカクシによって誰にもバレずにここまでこれたのだ。レベルアップにより新たに見つけた機能みたいなもの。ステイタスには乗ってないがどうやらハジメの近くに入ればその者も一緒に消えることが出きるようだ。

 

 

「で、どこにいるか分からないんですよね」

「はい。見かけたとしか…」

 

「特徴は"狐人(ルナール)"ですか。

確かに珍しい人種ですよね」

 

 

歓楽街に来たのはいいがどこにいるか宛がない。

分かっているのは命達と同じ出身地で狐人という珍しい人種ということだけ。そして名前が

 

 

「春姫。まぁ聞き込めばすぐに見つかるかもですけど」

「流石にそれは……」

「うん。私達場違いだし……」

 

「ですから僕が聞き」

「ダメ。絶対にダメ」

 

 

今度は大声ではなくもう冷えたような声で言ってくる。

相当怒っているのだろうとそれ以上言わないことにした。

 

ということで手探りで探すことに。

しかし右を見ても左を見ても娼婦がいっぱい。

もちろん女性を相手するために着飾った男性いて商売しているようだがほとんどが娼婦が多い。

 

春姫を見つけるためとはいえ周りを見ると娼婦を目にすることになる。命も千草もそんな娼婦を見て顔を赤くしているようだが

 

 

「いませんねー」

「……流石ですハジメ殿。全く動じぬとは」

 

「だって()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「……それ、絶対にこの者達に言わないでください……」

 

 

娼婦としているのに"普通の女性"なんていったらどんな目に合うか……本当に規格外な人だと改めて思った命だった。

 

それからしばらく探し回ったが全然見つからず。

歓楽街とはいえ規模は大きく、それも命も千草もハジメから離れることは出来ないために実質一人で広範囲を探しているようなもの。

 

それをハッキリと分かったのか命が

 

 

「ハジメ殿。今日はありがとうございました。

明日からは私と千草で探します」

 

「手伝いますよ」

 

「いえ。こうして全体を見渡したお陰で二人で行けると分かりました。もちろん()()()()()()()()()()()()()()()

 

「…………」

 

 

その言葉にあのハジメの表情が僅かだが変わった。

それでもよく見ないと分からないもの。

現に命と千草にはそれを気づけなかった。

 

 

「……そうですか。でも気をつけてくださいね」

 

「ありがとうございます」

 

「でもベル達に見つからないようにしてくださいね。

きっと見つかったら追いかけてくるかもですし、その時は僕も参加しますよ

ベルをこの歓楽街になんて……ふふふ」

 

「ゲスいですよハジメ殿」

 

 

おっと。とちょっと想像してしまった事が表につい出てしまったようだ。気を付けないと。

 

 

…………………………

 

 

「ハジメッ!!!こいつを持っていきな!!」

 

 

前回の戦争遊戯でハジメどころかリューまで参戦し"豊穣の女主人"の売上を下げたとミア母さんから怒られ、減らしてもらっていた仕事が元通りになってしまった。

 

なので今日は1日中こちらでお仕事。

 

 

「さっさと動きなッ!!ダンジョンに潜りたいならあと一週間分の貢献をしていきな!!!」

 

「なんか厳しくないですか?」

 

「当たり前だ!!そいつはリューの分も上乗せしてるからね。男なんだから女の分までやりなッ!!!」

 

「なるほど。分かりました」

 

 

リューの為。それなら納得する。

しかしそれを納得出来ない人もいる。もちろんリュー。

 

 

「ミア母さん。私のことは私が…」

「しつこいよリュー!!私がいいと言ってるんだ!

それにあんたの男もいいと言ってるんだ、文句は言わせないよッ!!!」

 

「わ、わ、私とハジメはそ、そ、そんな関係ではッ!!!!」

 

 

いや、何を今さら。とここにいる誰もが思った。

あんだけイチャイチャしていて恋人ではないなんて……

きちんとこれから共に生きていこうとプロポーズをしたというのに……

 

 

「そうですよ。まだキチンと告白してOKもらってませんからまだですよ」

 

「……ょっと、ちょっと待つニャ!!

リューとハジメはこれからずっと一緒にいるって約束したニャよなッ!!!」

 

「あれ??アーニャちゃんに話しましたっけ?」

 

「それ……リューが口を滑らせたの……」

 

 

シルからそれを聞いたハジメはリューを見るとそっぽむいている。いるが耳が真っ赤になっていて恥ずかしそうにしていた。

 

 

「なるほど。でも"永遠の誓い"と"プロポーズ"と"告白"ってどれも違いますよね?」

 

「違うわね」

 

「ですから正式には最初の恋人でもないんです。

でもずっと一緒にいますからリューがこういうのを少しずつ慣れてからだと考えていたんですよ。

見てください。こんな話をしただけで全身が真っ赤になるぐらいに……」

 

「も、もうやめてくださいッッ!!!!////」

 

 

「んなことより、仕事をしなこのバカ共ッッ!!!!」

 

 

 

…………………………

 

 

「……すみません。口を滑らせてしまいまして」

「いいですよ。でも珍しいですね」

 

 

仕事も終わりリューを家へ送る途中。

もちろんリューに限って悪いやつらから狙われても返り討ち出来るけど、「女性を家まで送るのが男性です」とハジメが押しきりずっとこうして送っている。

 

 

「……少しお酒を…」

「確かそんなに強くは…」

 

「ないです。ですがシルから進められて…で、つい…」

 

「話したことには全然気にしてません。

でもシル姉から言われてもお酒を断るかと思ってました」

 

 

そう、そこが意外なのだ。

いくら親友から進められてもリューなら断るかと思ったのだが

 

 

「………しくて……」

「えっ。なんて言いました?」

 

 

小さな声でいうリュー。

聞き取れなかったハジメはリューに催促するが、下へうつむき耳を赤くした状態で

 

 

「……あの時の、言葉が嬉しくて……

…そ、の……その日に……////」

 

 

それを聞いて納得した。

リューとあの日、ずっと一緒にいようと約束したあの日。

 

「リュー姉」から「リュー」と呼び方を変えて畳み掛けるように連呼し怒って帰ったあの日。

 

 

実はシル達に捕まり根掘り葉掘り聞かれたのだ。

そしてその時シルにお酒を進められてやらかした。

 

 

「かわいいですねリュー」

「からかわないで下さいッ!!!!」

 

「事実なんですけどね」

 

 

それでも堪らなく嬉しくなったハジメは、珍しくリューに断りも入れずに手を握った。

 

普段はそんなことすればハジメでも投げられる場合がある。これはただ単に恥ずかしいからなのだが。

 

リューの手を握ったときビクッと反応したが、その手は優しく力を入れて握ってくれた。それからリューの家まで何も放さなかったがたまにキュッと強く握ってくることに嬉しさをお互い感じていた。

 

 

…………………………

 

 

「ありがとうございます」

「いいえ」

 

 

リューを家まで送り帰ろうとしたハジメ。

しかしその足は途中で止まり不思議に感じたリュー。

 

 

「どうしました?」

「………止められましたが、やっぱりリューには隠し事したくないので」

 

 

そういって振り向きリューと向き合う。

 

 

「すみません。いま命さんの友達を探しに"歓楽街"に行ってます」

「ッ!!!??」

 

「もちろん友達を探すだけですが、そんな所に行っているだけでもいけないということは分かってますし、行く前にリューに話すべきでした。すみません」

 

 

頭を下げて謝るハジメ。

もしかしたらもの凄く怒られるかもしれない。

もしかしたら嫌われるかもしれない。

もしかしたら軽蔑されるかもしれない。

 

そんなことがハジメの頭の中を巡るなか

 

 

「そうですか。早く見つかるといいですね」

「……リュー……」

 

「……すみません。ハジメが友人のためにしていることは分かってます。分かってますが……気持ちを抑えられないッッ!!!!」

 

 

とても苦しい表情をするリュー。

素っ気なく放った言葉に、自分が許せなく。

それから溢れくる思いにどうも制御できなくて苦しくて……

 

ハジメはリューにそういう思いをさせなくなかった。

だけどそれでも自分が選んだことだった。

あの話を聞いて知らぬふりなんて出来なかった。

 

でもそれでリューが苦しんでいる。

だから、いま、出来ることを。

 

ハジメはリューをゆっくりと抱き締めた。

 

 

「……本当に、すみません……」

「何度言われると…私が悪くみえる……」

 

「違いますよ。いつも軽率と言われますが……今日のは一番酷いと自覚してます」

 

「……本当です……」

 

 

ハジメの腕の中でゆっくりだが落ち着いてきたリュー。

それでもまだ胸の痛みは消えない。

 

 

「…まだ、苦しいですよね……」

 

 

リューの首がゆっくりと縦に降った。

だからハジメはリューの顔が見えるように肩に手を置いて距離をあけて

 

 

「だから今日は、リューの苦しみが無くなるまで一緒にいます」

 

「………えっ」

 

「いまはまだ隣で寝ることしか出来ませんけど、それでも良ければ今日は一緒に居たいんです。どうですか?」

 

 

その言葉に顔を真っ赤にして口をパクパクして動揺するリュー。しかしハジメの真剣な表情に少しずつ落ち着きを取り戻し小さく息を吐いたあと

 

 

「……何かすれば…斬ります……」

「何もしませんよ」

 

「それは、それで……ちょっと…」

「すっかり乙女ですよね」

 

 

そういうことをいうからまたリューに睨まれるハジメ。

しかしそれは落ち着かせようとした言葉だと理解したリューはそれ以上何も言わずハジメの手を握り自宅へと招いた。

 

 

「……男性では…貴方が初めてです……」

「光栄です」

 

 

…………………………

 

 

「絶対になにかあったニャ、あれは」

「それしかないニャ」

「うん。凄く嬉しそうな表情してる」

 

 

翌日、ハジメと一緒に出社してきたリューはお昼休みまた嵐のように質問攻めにあったそうだ。

何を答えたかは……また、お話することに。


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