※1変更点:『セイバー』→『ペンドラゴン』
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朝5時を示す時計を見つめながら、ヘスティアは焦りを積もらせていた。
「遅いなぁ.....」
それもそのはず、自身のたった二人のベルとアッシュがホームであるこの隠し部屋に居なかったのだ。
喧嘩別れの様な形であったため元々不機嫌だったが、出迎えも無しということでより一層不機嫌になり、さっさと寝てやろう、とベッドに入り込んだのだが、深夜、そして早朝になっても帰ってこない2人に危機感を覚え、ベッドを飛び出していったのだ。
しかし、収穫はゼロ。
そして泣く泣く諦めて、戻ってきたのだ。
「もしかして、事件とかに巻き込まれたとかじゃないよね.....‼︎そうだとしたら、」
こうしてはいられない、ともう一度探しに行こうとドアに向かうと、ドアがいきなり開け放たれ、ヘスティアは顔面を強打する。
「ンッッッ〜〜〜!」
ドアによって吹き飛ばされたヘスティアは、顔の特に花の部分を押さえ、悶絶する。すると頭上から声がかかる。
「すいません、ヘスティア様!」
無事に帰ってきた己の眷属を目視し、歓喜の笑みをこぼす。が、2人の体を見渡すと一気に顔色が青へと急変する。
なぜなら、2人とも全身が生傷が絶えず、至る所で血が滲んでいたからだ。しかも、ベルはアッシュに背負われる形でもたれ掛かっており、アッシュよりも傷が酷く深い。
「ど、どうしたんだい⁉︎な、何かあったのかい⁉︎例えば、その、襲われたとか⁉︎」
「いえ.....ダンジョンに潜ってました」
「なっ、何を馬鹿なことをしているんだい⁉︎装備も無しに潜るなんて愚の骨頂だよ⁉︎」
「ごめんなさい、神様.....」
「.....どうしてそんな無茶を.....?」
その質問にベルは口を閉ざす。明らかな拒絶を示したいた。
「汲んでやってください、神様。色々あったんです.....それに俺も止めずに乗っかりました」
「はぁ.....分かった、何も聞かないよ。ベル君は意外と頑固だし、アッ君も口も割らないだろうしね。.....さてと!傷の汚れを落とすためにシャワー浴びておいで。その後、傷の手当をしようか」
「「ありがとうございます」」
双方辛そうにしているのを見計らって、アッシュの反対側に回り、同じ様にベルの肩を貸す。
「今日は2人ともベッドで寝ること。怪我人を床で寝かすわけにはいかないからね」
「すみません、ありがとうございます」
その代わり、とヘスティアはニヤリと悪戯を思いついたように口角を上げる。
「ボクも同じベッドで寝かせてもらうよ?僕もヘトヘトなんだ。まさか断るわけ「いいですよ。寝ましょう」ないよ、ね?.....えっ⁉︎」
ベルは疲れて正常な判断ができないのか、朧げに返答をする。アッシュに目を向けると、肯定を表すように頭を縦に振った。
ムムムッっと頬を若干染めつつ膨らませていると、ポツリとベルは呟く。
「僕、強くなりたいです」
この言葉で誰を見据えているのかは、瞳を見れば明らかだった。
ベル・クラネル
Lv.1
力:H120→G221
耐久:I42→H101
器用:H139→G232
敏捷:G225→F313
魔力:I0
《魔法》
【】
《スキル》
【
・早熟する。
・懸想が続く限り効果持続。
・懸想の丈により効果向上。
丸一日が経過した。
徹夜のダンジョン探索は流石に堪えたのか、ベルは丸一日のすべての時間を睡眠に費やした。アッシュは半日程度で回復した。そして、起きた後直ぐにステイタスの更新を行っている。
ベルの背中に神聖文字を刻んでいると、ピタリとヘスティアは手の動きを止めた。何故なら、ステイタスが圧倒的な飛躍を遂げていたのだ。
ざまざまな思考を巡らせた後、意を決したのかベルの背中から手を離し、口を開いた。そして、ベルの尋常ならざる成長速度を告げた。憧憬一途は伏せた状態で。
何故なら、神々というものは"レア"というものに敏感であるからだ。神の前では嘘がつけないため、何より嘘が苦手なベルに伝えると即座に広まってしまう恐れが少なからずあるからだ。そうなってしまうとちょっかいをかけられたりなど色々と面倒なことになるのだ。ヴァレン何某に対してジェラシーが9割ほどあるわけでは決してない。断じて。
話し終えた後、改めて周りを見渡すとやはりアッシュの姿は無かった。なぜ居ないのかと疑問に思い、ベルは問いかける。
「あのー、神様。アッシュはどこに行ったんですか?」
「アッシュ君はベル君が起きる少し前に出かけて行ったよ。用事があるみたいで、先に広場に行っててくれ、だってさ」
「そうなんですか」
それなら仕方が無いと思い、一人支度をする。そんなベルにヘスティアは、何日か部屋を留守にするということを伝える。なんでも、友人もとい友神の開くパーティーに出席するようだ。
それに対しベルは、アッシュにも伝えておきますね、と言い、了承したのだった。
ベルが外へと行ったのを確認すると、ヘスティアはベルが起きる数十分前に済ませたもう一人のアッシュのステイタスを綴った紙を取り出した。
アッシュ・ペンドラゴン
Lv.1
力:I79→H101
耐久:I41→I72
器用:H105→H140
敏捷:H107→H139
魔力:H137→H171(C771)
《魔法》
【ソードフル】
・投影魔法
・詠唱式『投影、開始(トレース・オン)』
《スキル》
・任意発動(アクティブトリガー)
・超越存在を除き読み解くことが可能。
・任意発動(アクティブトリガー)
・魔力に補正。
・異世界の剣が異空間で出現。
・剣の所持者もその空間に出現。
・早熟する。
・願望が続く限り効果持続。
・願望の丈により効果向上。
ベルと同じようなスキルを発現させたここにはいないアッシュに対し、ため息を零したのだった。
太陽が丁度真上に位置する頃、ベルはある場所へと向かっていた。
「なんだかちょっと気まずいなぁ.....」
その場所とは豊饒の女主人である。あの時にお金を払わず駆け出して行ってしまったのだ。その時の代金を払いにやってきたのだった。
意を決し扉を開けるとそこには二人の店員がいた。こちらを振り向き、姿を確認すると何かに気づいたかのように視線を向けてきた。
「おミャーはあの白髪野郎だニャ!食い逃げして行った!」
「貴方は黙っていなさい。.....失礼しました。シルとミア母さんを呼んできます」
そう言って奥へと獣人の少女を引きずって行った。微妙な空気の中少しすると奥からシルさんがやってきた。
「一昨日はすみませんでした。お金も支払わずに勝手に出て行ってしまって.....これ、一昨日の分です。足りないのなら上積みしてお返しします」
「いえ、大丈夫ですよ。こうして戻ってきてくれただけで十分です」
心優しくシルさんは僕を許してくれた。その優しさにありがたく思っていると、シルさんはハッと目を見開いて、僕に一声かけてキッチンの方へと向かって行った。戻ってくるとその手にはバスケットがあった。なんでもダンジョンに行くのなら昼食として持って行ってアッシュと一緒に食べて欲しいというのだ。始めは断ったが、とうとう押し負けて頂くことにした。
と、それと同時にバーの奥からミヤさんがやって来た。
「よう坊主。金を返しに来たんだって?ほぉ...関心関心」
「え、ええと...はい」
ミヤさんの、なんというかオーラ?みたいのに若干気圧されながらも答える。
その後は、冷や汗がダラダラ流れ落ちるような話をされた。(土に返っていたとか、湖に沈んでいたとか、斬られてたとか.....)
でも、ちゃんと払いにきたから御咎めなし、という結果になった。危なかった...
そんなこんなで頭を下げ、お店から去ろうとしたとき、後ろから声を掛けられた。ミヤさんだ。
「冒険者なんてカッコつけるだけ無駄な職業さ。最初の内は生きることだけに必死になってればいい。弱かろうがみじめだろうが、足掻いて足掻いて、最後まで二本の足で立ってたヤツが一番なのさ」
その言葉は、僕の胸に大きく突き刺さった。でも、昨日のような冷たい感じではなく、じわりと体に染み渡る、温かさがあった。目に涙がたまるとバン!と背中をたたかれ、「辛気臭い顔してるんじゃないよ。そら、行った行った」と笑いながら言われた。
「アタシにここまで言わせたんだ。くたばるんじゃないよ」
その言葉に、「はい!」と大きく返事をして、僕はお店を後にした。
僕の胸にはもう、暗雲なんて立ち込めていなかった。
「で、こんな感じでいいかい、
ベルが去ってしばらくすると、ミヤは厨房に向かって声を掛けた。すると、一人の青年が奥から姿を現した。
「はい。ありがとうございます、ミヤお母さん」
実は、アッシュの用事というものは豊饒の女主人に来ることだった。そして、ミヤお母さんにベルを励ましてもらうように頼み込んだのだった。さらに、きっとお金を払うから何も言わず受け取ってほしいということも。もちろん自分のことは伏せて。
そのことにミヤお母さんは、アッシュが数日間働くことを条件に、了承してくれたのだった。
「それにしても、アンタはまあ物好きなことをするもんだね」
傍から見ればそうかもしれない。けれど、アッシュにとってベルは、
「家族、ですから。いつものように元気でいてほしいんです」
そう。彼にとってかけがえのない大事な存在だから。
その答えに対しミヤお母さんはふぅん、と呟き、「なら、
「もちろんです」
と笑顔で答えた。
時は流れ場面も変わり、とある場所に数多くのヒトが集まっていた。
ヒト、といってもヒューマンではなく、デミ・ヒューマンでもない。
それは、”神”。古の時代から降臨する
その神々が気まぐれで開く開催時期不定の宴。
ヒトはそれを『神の宴』と呼ぶ。
そこに今、1人の女神が降り立った。その存在に、神々(特に男神)が騒ぎ出す。いや、それは必然的だった。
『おい、ロリ巨乳が来てるぞ』
『おお、ロ・リ・が・み・!』
『めっさ食ってんなぁ...』
容姿と行動が特徴的なら、目立つのも当然である。
「もぐもぐ...(さっさっ)」
注目の神――ヘスティアは、
そんな奇行に走る神に近づく1人の神がいた。
「何やってんのよ、あんた...」
「むぐ?むぐぐ!」と謎言語を発するヘスティアを赤髪の眼帯をした神――ヘファイストスは隠れていない左目で呆れるように見る。
その姿に急いで口に入れていた食べ物を喉の奥に押し込む。
「ヘファイストス!やっぱり君も来ていたんだね」
そう。ヘスティアがここに来た理由は、この宴ならば
そんな親友――神友に何かを感じ取ったのか、ジトッとした目線になる。
「何よ。もうお金は一ヴァリスも貸さないからね」
ギクリとしたヘスティアは、「し、失敬な」と慌てて否定する。もっとも信じてもらえているかは定かではないが。
その後も、正論を言われ吃りながらも否定するという、他から見たらじゃれ合っているようにしか見えない争いを続けていると、そこへ一柱の違った意味でこの二人より目立つ神が入り込む。
「相変わらず仲がいいのね、二人は」
その神、いや、美に魅入られた神を視認すると、ヘスティアは露骨に嫌な顔をする。ヘスティアは素直なのだ。ゆえに苦手、あるいは嫌いな神物には歪めた顔を向ける。
そんな顔に美の神――フレイヤは、うふふと笑みを浮かべ、「あなたのそういうはっきりしたところ、好きよ」と返した。
でも、まあ、フレイヤはまだいい方なのだ。ヘスティアには彼女よりも苦手な――いや、嫌いな神物がいるのだ。見れば、今まさにこちらへやってくる一柱の神を目に収めると、先程から歪んでいた顔が、ヘファイストスの言葉を借りるなら『凄い顔』になっていた。
その神――ロキは、ヘスティアを見るやいなや悪態を吐く。それにカチンときたヘスティアはすかさず応戦する。そして、いつも通りのケンカへと発展していく。
結局、自身のコンプレックスに敗北したロキが、泣きわめきながら退散していったのだった。
先程まで引っ張られ持ち上げられていた頬をさすりつつ、ヘファイストスとの会話を再開する。途中、フレイヤが「確認したいことは聞けたし、私も失礼させてもらうわ」と言って帰って行った。
その不思議な行動に若干の疑問は残るものの、まあいいかと意識の隅に追いやる。改めて二人は向き合い、ヘファイストスはこの後どうするかとヘスティアへ問いかける。ヘスティアは自分の目的を思い出し、「頼みたいことがある」と言って切り出した。
そして、勢いよく頭を下げ、
「ベル君と、アッ君.....ボクのファミリアの子たちに武器を作って欲しいんだ!」
彼女は、
メリクリ、明けおめ、ことよろ!
.....ハイすみません。お久しぶりです。
もう、言い訳はしません。存分にキレてください(心の中で)。
いやーそれにしても、前回でかなりの低評価を食らいましたね。口調があってないだとか、性格がちげえよだとか、ないわーだとか、色々思った人もいると思います。ですが、変えるつもりはありません。このまま貫きます。
それに、英霊たちと会わせないと、今回出てきた『真打願望』の理由が説明できないんですよ。
その辺については、活動報告に概要として載せるので見てください。
※1
タグから『Fate/』を削除しました。理由として、よくよく考えたら『他作品キャラ&剣一部登場』のタグに含まれているので、わざわざ入れる必要がないと判断しました。
※2
『ヒロイン募集』のタグを、『ヒロイン複数予定』に変更しました。
それについても活動報告で触れようと思うので、良ければ見てください。
※3
『解析の魔眼』のルビを変更しました。それに伴い、第四話と第六話とデータファイルNo.1のルビも変更しました。
※4
【投影・剣】から【ソードフル】に変更しました。
原作を読みなおした結果、魔法は漢字にルビを振るのではなく、カタカナ表記が正しいということに気が付いたためです。
それに伴い、第四話と第六話とデータファイルNo.1の表記も変更しました。