俺達はユイの親を探すため第1層へと移動した。相変わらずミルはユイが可愛くて仕方ないみたいで2人で手を繋いで歩いている。
「アスナ、悪いなミルが独り占めしちまって」
「ううん、大丈夫だよ、楽しそうだし…」
そう言っているアスナの顔には真逆の表情が出てる。何となくヤキモチ?妬いてんのかな、
「アスナ、顔に出てるぞ…」
横からキリトがつっこむ
「おーい、そんな早く行くなー、」
気付くとミルとユイが結構先に行ってしまっていた
「はーい」
「お兄ちゃんたちが遅いんだよー」
俺達はミルたちのとこに走って向かった…がその途中の路地裏で大人3人が子供を襲ってるように見えた。
「ちっ……クソが」
俺は方向転換するとその路地裏に向かって全力で突っ走った
「お兄ちゃん!?」
「ゼノン!?」
キリトとミルが驚いてるのを無視し突っ込んでいく
「やめてください、子供たちからもお金をとるなんて」
子供たちの中に1人女性が混じっていた
「俺達はここの治安を守ってるんだ。そのための税金くらい払ってもらわないとね」
「おい…。てめーら何してんだ」
俺がそう言うと軍のヤツらがこっちを向く
「誰だお前、」
「ガキから金うばって、守ってやってるだと…舐めてんじゃねぇか、高々1層で踏みとどまってる弱虫がいきがるな」
軍の奴らは子供たちから離れると俺の方へ向かってきた。
「おまえ、軍に逆らう気か?逆らうとどーなるか知らないぞ」
「へぇ…ぜひとも知りたいな、やってみろよ、腰抜け共
、そうだな、オレンジになる気はねーから圏内戦闘といこうか、HPも減らないしテメーらには都合がいいだろ」
俺のその言葉を聞き軍の奴らは剣を抜いた
「構えがあめぇな……」
そう言って軍の奴らに向かって一気に駆けだすそしてひとり残らず吹っ飛ばした
「圏内ではHPが減らない分いくらでも痛めつけれる、つまり、死ぬほど切られても死ねないという恐怖を植え付ける……」
俺は再び剣を振り上げる
「ひっ……」
その時、目の前に手が出てきた。ふと横を見るとアスナだった。
「もう十分じゃない?」
「お兄ちゃん、やりすぎw」
「へいへい、分かったよ」
俺は剣を収めた
「あなたたち、自分たちが何をしてたかよく考えることね」
アスナは囲まれていた子供たちの方へ向かった
「大丈夫だった?」
「はい、ありがとうございます…」
子供たちといた女性がお礼を言ってきた
「にしても、なんなんだあいつらは」
気付くと軍の奴らは逃げていっていた
「彼らは解放軍という人たちです…」
解放軍といえば以前グリームアイズと戦った際に無謀に突っ込んでいきボロボロになったやつらだ。
「あの、立ち話も何ですし、良ければ私が面倒見てる子たちを預かっている孤児院まで来ませんか?ちゃんとお礼をしたいですし…私サーシャと言います」
「俺はゼノン、そんでキリトとアスナ。そこで仲良く手を繋いでんのがミルとユイだ」
俺達はサーシャに連れられ孤児院へと向かった。
孤児院に着くと子供たちに迎えられた
「はぁ〜…」
「どーしたんだ?ため息ついて」
キリトに聞かれると俺でなくミルが答えた
「お兄ちゃん子供苦手だもんね」
そうは言っても子供には伝わらず囲まれあれこれ聞かれた。挙句の果てに剣を見せてとせがまれる…
「こーら、ゼノンさんが困ってるでしょ、」
サーシャにそう言われ子供たちからの絡みは収まった
「ところで、何のために第1層に?」
「実はさっき紹介した中にいたユイについて何か知らないかなとおもって」
サーシャはユイを、じっと見て格好などを見るが、首を横に振った
「この子は見たことないですね…」
「そうですか…」
「お話中すまない!先ほど解放軍の連中を痛めつけたものはここにいるだろうか!」
ドアの方を見ると1人の女性が立っていた。
「あの人は解放軍の…」
「へぇ、さっき解放軍を潰したのは俺だが、なんだ?そのお返しにでも来たか?」
俺が立ち上がり女性の方へ向かっていく。
ピンっと張り詰めた空気が漂う
「いや、むしろ先程のは礼を言いたいくらいだ。勝手な真似をされてて困ってたからな。今日はお願いがあってきた、この層の地下迷宮に閉じ込められたシンカーを助けて欲しい!」
突然の申し出に思わず戸惑ってしまった。
「とりあえず、話を聞くよ、あんたの名前は?」
「私はユリエール、解放軍の一員だ…と言っても街で悪さしてるやつとは違う1派の人間だ」
「そんじゃ、今日みたいなやつらは誰が仕切ってんだ?」
ユリエールさんは少し黙ると口を開いた
「あの一派を仕切ってるのはキバオウというやつだ」
キバオウ…たしか、第1層の攻略会議の時に暴れてたやつか…第1層のボス戦以来見ないと思ってたら留まってやがったのか、あいつのせいでビーターって呼ばれるようになったしな
「実は今回の件はそのキバオウが関わってるのだ。シンカーの1派とキバオウの1派はあまり仲がよくない、だがシンカーは改善したいと考えていた、そんな時にキバオウから話があるといわれた、お互い丸腰で地下迷宮で話をするという話だった。私は止めたのだがシンカーは言ってしまって、キバオウにはめられ、地下迷宮から出れなくなってしまったんだ…」
キバオウはいいやつだとは思ってなかったが、ここまでだとは思わなかった。見つけてぶちのめしたいが、今はユリエールさんの頼みを解決するのが咲と考えキバオウの事は一度頭から消した。
「キリト、どーする?」
俺はキリトの方を見た
「別にいいんじゃないかな」
キリトの発言にアスナとミルも頷く
「よし!決まりだ!ユリエールさん、一緒にシンカーさんを、助け出そう!」
「ありがとう!感謝する! 」
俺達は早速地下迷宮へ向かった
ーーーーーー
「にしても。一層にこんなとこがあったなんてな」
俺達がいた頃にはこんな所はなかったはすだ。
「多分上層が攻略されると開かれる仕組みだったんじゃないかな?」
おれの疑問にミルが答える
俺、ミル、アスナ、ユイ、ユリエールさんは一緒になって歩いていた。一方のキリトは通路にいるmobを倒しながらひたすら突き進んでいた。
「キリト君、ずっと戦闘してなかったから楽しそう」
しばらくすると俺達のとこへ戻ってきた
「いやー、戦った戦った」
「キリト君、なにかドロップした?」
キリトはふっ、ふっ、ふっと言うとストレージからあるものを出した。見た感じカエルの脚だった
「ひっ…」
アスナが悲鳴のような声を上げた
「スカベンジトードの肉だ、アスナ後で料理してくれよ」
「いやぁぁぁ!」
アスナはキリトからスカベンジトードの肉を取り上げると全力で奥に投げた。飛んでった肉は地面に落ちるとパリンっとポリゴン片となって散った
「あぁぁ!何するんだアスナ!」
「あんなの調理しないわよ!」
キリトはボソッとそれならと言いストレージから大量のスカベンジトードの肉を取り出した。アスナはそれを見ると片っ端から遠くへ投げた。そんなアホみたいなやり取りを俺は呆然と見てた、すると
「ふふふw」
不意に横から笑い声がした。見るとさっきまで全く笑顔を見せなかったユリエールさんが笑っていた
「あー、お姉さん笑ったー」
ユイがそう言うとキリトとアスナがこっちを向いた
「すまん、なんだか可笑しくてw」
俺達は和やかな雰囲気で奥に進んでいった
しばらく行くとシンカーがいると思われる安全エリアが見えそこには誰かがいた。
「シンカー!」
ユリエールさんはそう叫ぶと走り出した。しかし、
「来るな!ユリエール!」
俺はその言葉を聞き安全エリアの手前に路地みたいなのがあるのに気づいた
(まさか…)
俺は後ろからユリエールさんを追った。
ユリエールさんが路地に差し掛かった時横から鎌が切りつけてきた
「うおぉぉぉ!!」
俺はなんとかユリエールさんに追いつくとそのかまを受けた、しかし、威力が強すぎて後ろへ吹っ飛ばされた
「ぐっ…」
「お兄ちゃん!!」
ミルが叫びながら走ってくる、
「ユリエールさんは早くユイを連れてシンカーさんのとこへ!キリト、アスナ、ミル、手貸せ!こいつやばい」
ユリエールさんはユイを抱っこして安全エリアに走る
謎の敵、大鎌を持った死神みたいなやつは奇怪な笑い声をこちらを見た
「ステータスが見えない…おそらく90層クラスだ」
90層…今の最前線は第75層だからそれよりも10数層上のクラスということになる
「へっ、こりゃ腹くくんなきゃな、隙を見て離脱する方面で行こう」
俺の意見にみんなが合意した
「よし、行くぞ!」
俺達は奴に1発食らわせ引き下がるつもりだった。だがあまりにも強すぎる…好きを見せるどころかこちらがどんどん消耗するばかりだ
「こりゃやばいな…」
俺達は既に限界に達していた
「行っちゃダメだ!」
ふと、シンカーさんの叫び声がした。ふと、そっちを見るとなんと、ユイがこちらに向かってきていた
「ユイ!?」
「ユイちゃん来ちゃダメ!」
アスナとキリトの言葉を耳に貸さず死神の前に立つ
死神は思いっきり鎌をユイに向かって振りかざした。だが…それはユイに当たることは無かった、目の前で障壁のようなものに弾かれたのだ
「破壊不能オブジェクト…」
ユイの前に出た障壁にはそう書かれていた
「パパ、ママ、ゼノンさん、ミルさん、すぐ終わりますからね」
ユイは燃え盛る剣を作り出すと死神に向かって切りつけた。死神は悲鳴をあげると消滅した
「みなさん、私全部思い出しました……」
安全エリアに移動するとユイは話し始めた
「メンタルヘルスケアプログラムYUI、これが私の本当の名前です…」
ここからの話は俺も信じがたかった、ユイはいろんな人の絶望の感情を見ても助けることは許されない、そんな状況にたたされていたため、途中でプログラムが崩壊し記憶を失ったようだった
「ユイ……今のお前はどうしたい?」
ユイは少し黙ると涙を漏らしながら話した
「私は…これからもパパとママと一緒にいたいです」
「大丈夫だ、これからもずっとユイは家族だ」
そう言ってキリトはユイを抱きしめた。だがこの時のユイの表情は暗かった
「でも、それは出来ないです…さっきの私の行動はカーディナルシステムに違反した行動です、多分間もなく私は有害なプログラムとして削除されます」
「そんな…」
「私、短い間でしたが皆さんと居れて幸せでした」
そう言うとユイの体が光だし粒子になって消えてしまった。
「嘘…だろ…」
俺もあまりのことに絶句した
「くっそ!思い通りにさせるか!」
キリトはユイが、座っていた台を一生懸命操作し出した
少しするとキリトは何かの衝撃に吹っ飛ばされた
「キリト君!」
アスナが、キリトに駆け寄るとキリトは右手をグーにして差しだした、アスナがその下に手を広げると水晶のようなものがアスナの手に落ちた
「キリト君、これは?」
「ユイの…心だ」
その言葉を聞きアスナは涙ぐむ
「うぅ、ユイ~!!!」
ミルがユイの名前を呼びながら泣き出した、無理もないあれほど仲良しになったんだし
「ミル……」
俺はミルを抱き寄せると頭を撫でてやった
ミルは俺の胸の中で泣きじゃくった
「ひとまず22層に戻るか、お互い整理したいこともあるしな」
俺達はそう言って解散した。その後俺達のホームではミルをなだめるのには手を焼いた、まぁ、こうなることは分かっていたし、ミルが落ち着くまでそばにいてやった
泣きはしなかったものの今日の出来事は俺もだいぶ応えた、そしてこのゲームを早くクリアしなければっていう思いがいっそ強まった。
ユイとの別れ、キリトやアスナだけでなくミルとゼノンにも相当応えたようです、そろそろSAO編は完結といこうと思っております。