ウルトラマンゼロ物語(ストーリー) in RED ZONE STAGE   作:剣音レツ

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 今回、満を持してあのウルトラマンが登場します。

 また、今回はところどころショッキングな描写もありますのでご了承ください。


第12話「闇からの勝利」

 (OP:TAKE ME HIGHER)

 

女子優勢の高校生活により生まれた闇で稲葉健二が妄想ウルトラセブンに変身して暴走する事件が解決したほぼ同じ頃、その健二と(小野)早苗が通っている高校では、その日は部活がある日であったため、健二と早苗以外の学生ほぼ全員が学校に来ていた。

 

 因みにこの学校の部活は顧問がおらず、女子学生が指導する様になっている。そのため、部活だけの休日は基本、先生たちはお休みなのだ。

 

とある男子生徒たちが、バレーボールの練習をしながら健二の事について話をしていた。

 

 男子A「健二の奴、今日も来なかったね。」

 

 男子B「ほっとけあんな奴。今に始まった事じゃないだろ。」

 

 男子A「しっかし最近は早苗も来なくなったよな~」

 

女子A「そこ!練習中におしゃべりしない!」

 

 男子B「!……うぃー。ったく、それにしても女子ったら……自分たちが優勢だからって威張りすぎな気がすんだよなー。なあ。」

 

男子Aは話しかけるが、男子Bはどうした事か、上を向いたまま固まっている……。

 

 「っておいおい!一喝されたぐらいで固まんなよ!」

 

 だが、男子Bは一向に反応しようとしない……。男子Aもその方向へ振り向いてみる。

 

 すると、空の向こうから何やら奇妙な物体が急接近してくるのが見える。それも、自分たちの方へとだ!その物体は身体を縮小した円盤形態で飛んでいる『円盤生物シルバーブルーメ』である!

 

 「こ、校舎になにかが接近してくるぞ……わーぶつかるー!」

 

 “ドガーーーン‼”

 

 突如空から襲撃してきたシルバーブルーメは、校舎に勢いよく激突。校舎は崩れていき、中に入っている学生たちも必死に逃げようとするも空しく、校舎の倒壊に巻き込まれ次々と死んでいく………。

 

 突然の出来事に校外で部活をしていた学生たちもパニックを起こし、我先にと逃げ惑い始めるが、即座にシルバーブルーメが放った毒ガスや溶解液により、次々と学生たちが殺られていく………。

 

 男子Aと男子Bも逃げ惑うが、その時、彼らの前にフランス人形を持った幼い少女が立ちふさがる。

 

 男子A「お、おい君!早く逃げないと君も殺されちゃうよ‼」

 

 「逃げる必要はないよ……。」

 

 少女は無邪気な声で話し始める。

 

 男子B「……それは、なぜ?」

 

 「それはね………もうすぐお兄ちゃんたち、全滅だから。」

 

 少女がそう言うと、彼女が持っていたフランス人形の口からガスが噴射される。そのガスは冷凍ガスのようで、それを浴びた男子A及び男子Bは、僅か数秒で全身が凍り付き、凍死した………。

 

 その高校はやがて、シルバーブルーメの攻撃により全壊し、学生たちも、屋内屋外含め、シルバーブルーメの攻撃や謎の少女のフランス人形の冷凍ガスによって全滅してしまった………!

 

 さっきまで大勢の学生で賑わっていた高校があっという間に全壊し、沈黙に変わった……あまりにも早すぎる激変は正に不気味である。

 

 フランス人形を持った少女は廃墟となった校舎を歩きながら何やらフランス人形に紫色のエネルギーを集めていく。恐らくマイナスエネルギーであろう。そして、吸収し終えた後、少女は可憐な顔には似合わない不敵な笑みを浮かべた後。その場から姿を消した………。

 

 シルバーブルーメは、次は町を破壊しようとしている。

 

 と、その時、

 

 シルバーブルーメは町を破壊しようと進もうとした時、何者かに掴まれ抑え込まれる。『ウルトラマンパワード』だ。彼はギンガダークとの闘いの後、無事だったようだ。

 

 だが、どうした事か、カラータイマーは赤く点滅している。ダメージがまだ癒えてないのだろう。

 

 数秒の力勝負の後。パワードは何とかシルバーブルーメを押し飛ばすが、その直後に右膝を付いてしまう。

 

その隙にシルバーブルーメは、触手を伸ばし、パワードの首、両手足に絡めて持ち上げる。そして、締め上げ始める。

 

 「ウルトラマンパワード、これで貴様も最期だ!」

 

 ガストの声と共にシルバーブルーメはパワードに止めを刺そうとする………!

 

 その時、

 

 「ビクトリウムスラッシュ‼」

 

 突如、横から巨人が飛び込んできて、すれ違い様に回し蹴りの如く足の黄色いV字型のクリスタルからV字の光弾を放ち、触手を切断してパワードを開放する。

 

 パワードは「はっ」と巨人の方を向く。その巨人は赤と黒で構成されたスマートなボディに、全身にV字の黄色いクリスタルが備わっているウルトラマン、『ウルトラマンビクトリー』だ。

 

 彼はギンガの世界でウルトラマンギンガと共に戦ったウルトラマンであり、地底の民『ビクトリアン』の守護神でもある。彼もギンガ同様、ウルトラウーマンSOL(ソル)に呼ばれてこの世界にやって来たのだ。

 

 シルバーブルーメは、ビクトリー目掛けて触手を伸ばすが、ビクトリーは軽い身のこなしでそれを避けていく。そして、跳躍して上空のシルバーブルーメに右横蹴りを叩き込んで落とす。

 

 「ビクトリウムバーン‼」

 

 ビクトリーは、頭部のクリスタルから破壊光線『ビクトリウムバーン』を放ち、シルバーブルーメを吹っ飛ばす。シルバーブルーメは既にグロッキーだ。

 

 「くそっ、だが目的は果たせた。シルバーブルーメ、ここは一旦引け!」

 

 シルバーブルーメは、身体を縮小させ、空の彼方へ飛んで去って行った………。

 

 二人のウルトラマンは変身を解く。ダメージで座り込むケンイチ・カイの前には、礼堂ヒカル(ギンガの変身者)と同じく「UPG」のユニフォームに身を包んだ、ビクトリーに変身する青年「ショウ」が立っていた。彼はギンガの世界の地底の民『ビクトリアン』の青年であり、所謂地底人でもある。

 

 「……またしてもお前に助けられたな……。」

 

 「ったく無茶しないでください。まだダメージが残ってるのですから。」

 

 そう、ギンガダークとの闘いからパワードを助けたのはビクトリーでもある。カイは、ギンガダークとの戦いのダメージが癒えてない状態で、シルバーブルーメに戦いを挑んでいたのだ。

 

 「すまねえな。しかし、シルバーブルーメから校舎を守れなかった……。」

 

 「ああ。奴のスピードはあまりにも早く、俺でも間に合いませんでした。申し訳ありません。」

 

 ショウは、廃墟となった校舎を見つめながらカイに謝罪し、怒りからか拳を強く握る。

 

 「次また奴らが攻めて来た時のために、早く傷を治さないとな。」

 

 カイは、傷を病院で診てもらう事にした。二人は最寄りの『日暮第三病院』に向かって歩き始める。

 

 (しかしヒカルの奴……なぜあんな事に……)

 

 ショウは、カイの腕を自身の肩に回しながら、戦友の事を思い続けていた………。

 

 

 

 そして翌日、竜野櫂と新田真美、眞鍋海羽は、早苗と共に日暮第三病院で入院している健二のお見舞いに来た。医師の話によると、彼は特に大きな怪我は無く、僅か三日で退院できるみたいだ。

 

 三人は健二の病室に入る。

 

 海羽「失礼しまーす。やっほー。見舞いに来たよ。」

 

 早苗「具合はどう?ケンちゃん。」

 

 話しかけるが、健二はベッドに座り、どこか憂鬱そうな顔で窓の外をぼーっと見つめている。

 

 櫂「具合自体は悪くなさそうだが……」

 

 真美「あまり元気がないみたいね………。」

 

 ゼロ「そのようだな…ま、結構苦しんでたんだ。そうすぐには立ち直れないだろう…。」

 

 櫂と真美は心配そうな顔で見つめながらひそひそ話を始める。

 

 真美「看護婦も、昨日からあんな感じで、話しかけても素っ気ない返事ばかりだと言ってたし……」

 

 櫂「闇のエネルギーを消し飛ばすだけじゃ、彼の心は救えなかったのだろうか………。」

 

 海羽と早苗が話しかけても軽く頷くだけで口を開こうともしない……。四人は深刻になり始める。

 

 と、その時、

 

 「今はやめた方がいいぞ。相当気落ちしているみたいだしな。」

 

 突然隣のベッドから話しかける声がしたので四人は振り向く。そこには、健二と同じく昨日から入院しているケンイチ・カイだった。

 

 海羽「⁉カイさんも⁉……一体何が?」

 

 「い…いや~…ち、ちょっと色々あってな。大丈夫。翌日には退院できるみたいだから。」

 

 カイは、ギンガダークの事を今は話すまいと何とか苦笑いで誤魔化した。

 

 ゼロ(……あの様子…何かあったに違いない……)

 

 カイ「それよりも、そろそろお見舞いが来るはずだ。」

 

 真美「お見舞い?」

 

 その時、病室の扉が開く。入って来たのは、カイのお見舞いに来たショウだった。

 

 「具合はどうですか?カイさん。」

 

 「ああ、だいぶ良くなっている。」

 

 海羽は恐る恐る近づき話しかける。

 

 「あ…あの~…もしかしてショウさんですか?」

 

 「?そうだが、なぜ俺を知っている?」

 

 ショウはいきなり見知らぬ少女に話しかけられた事に少し困惑する。だが、すぐに察した。

 

 「…もしかして、俺を呼んだのはお前か?」

 

 「はい、そうです!来てくれたのですね!」

 

 ゼロ「よ、エタルガーとの闘い以来だな」

 

 海羽は嬉しそうに返事をする。櫂と真美は少し困惑する。

 

 ショウは櫂達に全てを話した。自信の出自、ギンガとの関係、そして、自身もウルトラウーマンSOL(ソル)に呼ばれて来たと言う事を……。

 

 真美「つまり、この世界では伝説であるギンガも来てくれてるって事なのね。」

 

 櫂「で、そのギンガの変身者ってのはどこなんだ?」

 

 「い…いや、実はその……」

 

 ショウは、少しためらいながらもギンガダークの事を話そうとした、その時。

 

 「続いてニュースです。昨日午後五時ごろ、霞ヶ崎市の高校が謎の倒壊を起こしました……」

 

 突然のつけていたテレビのニュースの声に四人は思わずテレビに見入る。その倒壊した高校とは、昨日シルバーブルーメによって破壊された健二と早苗の高校だった!

 

 ニュースの声によると、余りにもいきなり過ぎたため、目撃者もほとんどおらず、謎の老朽化による倒壊事故として見られているとのこと………。テレビには、全壊して廃墟となった校舎や殺された生徒たちの親族たちの悲しむ様子が映っていた………。

 

 「そんな………高校が…全壊するなんて……」

 

 ほぼ嫌な思い出しかないとはいえ、いきなりの母校倒壊の事実を聞かされ、早苗は驚き、すすり泣きを始め、櫂達も悔しさからか拳を握って下を向き、ショウも再び自身の無力さを痛感したのか、少し俯く。

 

 「くそっ…円盤生物め……。」

 

 カイも悔しさで顔をしかめながら小声で呟く。

 

 「これにはきっと何かがある…。原因を突き止めないとな。」

 

 櫂が言ったその時!

 

 「ふんっ!男を虐げたりするから天罰が当たったのさ!」

 

 突然、健二が立ち上がって思わぬことを言い出す。櫂達と早苗は驚愕する。

 

 「これでいいんだよ!結局は女性優勢事態間違っていたって事だ!男女平等だか女性の社会進出だか知らねーが、だからって男を雑に扱えばいいってもんじゃねーし!世の中まだまだ男性社会なんだよ!」

 

 健二の言葉に早苗は暗い顔になり始める。ゼロも信じられない地球人の発言に言葉を失う。健二はなおも言葉の暴走を続ける。

 

 「ふはははははは、ざ・ま・あ・み・ろ!所詮女の時代はこんなもんなんだよ!はははははは…」

 

 「もうやめて‼」

 

 気が狂ったかのように言いたい放題の健二の声を遮るように早苗が叫ぶ。

 

 「……嫌な事ばかりだったかもしれなかったけど、校舎が壊され、たくさんの犠牲者が出たんだよ?……。そこは悲しもうよ……。」

 

 早苗は健二の右肩に右手を置く。

 

 「…それに、言ったじゃない。もう苦しむことは無いって…。私が、友達として出来る限りサポートするから。」

 

 だがその時!

 

 「だからそれが気に入らねーんだよ‼」

 

 健二はあろうことか、早苗の手を乱暴に振り払い、さらに肩を突き飛ばす!他の五人もその光景に驚愕する。

 

 「女にコケにされ続け、今度は女に助けられるのかよ………!まるで俺が、みじめな男みたいじゃねーか!」

 

 そう。健二の消え切ってない闇とは、自身がいつまでも女に弱い者扱いされているのではないかと言う事からの“男としての”劣等感、情けなさだった……。

 

 看護婦に優しく話しかけられても素っ気ない返事ばかりだったのも、そのことに対する意地からだったのだ。

 

 「そもそも俺に限らず、男は差別され過ぎではないのか⁉ 男女平等だか知らないが、それだからって何をしてもいいってことは無いだろ‼」

 

 「ケンちゃん…」

 

 「そもそも所詮女は昔差別されてた身だろ⁉そのくせに今ではやりたい放題でさ!生意気なんだよ!」

 

 健二の暴言を聞く櫂は、顔をしかめて怒っているように見せかけて、ひっそりと不敵な笑みを浮かべる……。そう、忘れてはならない。彼もまた、ほぼ同じような考えを持っていることを……。

 

 「男は強い……立場も高い……少なくとも女よりは遥かにな!俺だってそれなりの強さを持っている!それなのに、何でいっつも女なんかにコケにされなきゃなんないんだ⁉」

 

 健二の残酷な言葉を聞き続ける早苗は再びすすり泣きを始め、海羽ももらい泣きしようとしている………。

 

 と、その時、ベッドに座っていたショウが立ち上がり、健二の元に歩み寄る。そして、

 

 “バゴンッッ!”

 

 ショウは、あろうことか右拳を健二の顔面の左側面に叩き込む!

 

 驚愕する櫂達六人。健二もベッドに倒れこみ、左頬を押さえながら驚きつつも睨み付けるような顔で見つめる。

 

 海羽「ちょ……何するんですか⁉」

 

 真美「怪我人ですよ?」

 

 健二「な……何だ⁉お前……。」

 

 ショウは健二を数秒睨んだ後話し出した。

 

 ショウ「哀れだな……。」

 

 健二「…何がだよ⁉」

 

 ショウ「お前は何も分かっていない。それが哀れだと言っているんだ!」

 

 健二「そうか…分かったぞ!お前が女どもをまとめ上げているボスだな⁉」

 

 ショウの意味深な発言に健二はまたしても気が狂い逆上する。

 

 「お前は自身を見失っている……。自分が一番不幸で、それを演じる事によって他人の同情を買おうともしている……違うか?」

 

 「…だまれ………エイリアンめ………!」

 

 健二は荒い呼吸をしながらショウを睨み付ける。

 

 「エイリアンか……確かにそれみたいなもんだ。ウルトラマンに変身できるからな。だが、自尊心を傷つけられた事への混乱で暴走しているお前こそ、エイリアンじゃないのか?」

 

 ショウの言葉に健二ははっと思いとどまる。

 

 「俺はお前の全てを知っているわけではないが、お前の気持ちが分からないわけでもない。俺もかつて、強さを持った自分は、一人で十分戦えると思っていたからな。」

 

 ショウは、自尊心で暴走している健二に、かつての自分を重ねる。そして、『キングジョーカスタム』のスパークドールを取り出して見つめ始める。

 

 「だが、協力してくれる仲間たちを見て気付いたんだ。人の助けを借りない事は、強いとは違うと…。強さは、一人で作り上げる物じゃないと言う事を…。」

 

健二はなおもショウの言葉を聞き続ける。

 

 「個人的なプライドを持つのは決して悪い事ではない。だがそのために、邪な考えに負け、他人を傷付けてはならない……自分が一番大切だと思うモノを思え…そして勝つんだ、己の心の闇に。」

 

 ショウは健二に拳を突き付け語った。

 

 ゼロ「ショウ……へッ、お前、良い事言うじゃねーか。」

 

 ゼロはショウの成長を感じていた。更に、カイが横から語り掛ける。

 

 「君は、『レディーファースト』というのを知ってるか?」

 

 健二ははっと顔を上げる。

 

 「欧米風の習慣ではあるんだが…単に女性を優先するのとは違う。女性に親切にすることだ。男の強さにこだわる君は、もしかしたら昔堅気なところがあるのかもしれない…それはそれで良い事だ。だがな、男は女に親切にしてこそ、本当に強くなれるんじゃないのかな。」

 

 カイは、外人らしくレディーファーストを例にアドバイスをする。カイの言葉に健二は何かを考えるかのように俯き始める。ショウたちの言葉に考えを変え始めたのだろうか………?

 

 と、その時、

 

 「あーあ、せっかくその人(健二)からマイナスエネルギーが集まってたのに……」

 

 突然、少女の声がしたので全員振り向く。そこには、フランス人形を持った少女が立っていた。

 

 「どうしたの?君。迷子?」

 

 真美が歩み寄り話しかけたその時、少女はニッと笑い、フランス人形の目が光る。

 

 「ッ!危ない!」

 

 ショウは咄嗟に真美を突き飛ばす。すると、フランス人形の口から冷凍ガスが発射される!ガスは花の入った花瓶に当たり、花瓶はあっという間にカチンカチンに凍り付いた。驚く櫂達。

 

 フランス人形は、今度はショウ目掛けて冷凍ガスを噴射するが、ショウはそれを受け身を取ってかわし、ビクトリーに似たカラーリングの槍状のアイテム『ビクトリーランサー』を取り出し、拳銃型のガンモードに変形させ、フランス人形を打ち抜く!

 

 穴の開いたフランス人形は床に落ち、やがて爆発し砕け散った。

 

 ショウ「お前は何者だ⁉」

 

 「ふふふふふふ……やってくれたなウルトラマンビクトリー。だが、必要なマイナスエネルギーは既に十分集まっている。ついでに皆殺しだ!」

 

 少女はそう言うと、目を光らせて消滅する。すると、空から二つの円盤が飛来する。

 

 一方はシルバーブルーメ、もう一方は、円盤の様な姿から前後両方に顔を持つ二本足を持つイカの様な外見の生物『円盤生物ブリザード』に変形する。

 

 因みに先ほどの少女とフランス人形はブリザードの分身体であり、フランス人形にマイナスエネルギーを集めては本部に戻り、ブラック指令ガストに届けていたのだ。

 

 「シルバーブルーメ、ブリザード!今度はその病院を破壊して皆殺しだ!」

 

 どこからか響いたガストの声を受け、二体の円盤生物は病院を破壊しようとする。

 

 ショウ「……健二、お前に見せてやる。協力する事が、強さを……勝利をもたらす事を。」

 

 海羽「それと、強い女性もいることもね(ウィンク)」

 

 ショウはビクトリーランサーをガンモードから槍状のランサーモードに変形させ構える。櫂と海羽もそれぞれ『ウルトラゼロアイ』と『ハートフルグラス』を取り出し構える。

 

 櫂「てめーらが大勢を殺し、健二たちをさらに苦しめやがったのか……許せねえ……!」

 

 ショウ「行くぞッ‼」

 

 ショウはビクトリーランサーを前に突き出し、ビクトリーのスパークドールを出現させ、それを手に取り、ランサーの柄の中央のスパークリーダーに左足のライブサインを当て、リードする。

 

 《ウルトライブ‼ウルトラマンビクトリー‼》

 

 電子音声と共にランサーの先端の矢尻部分が開きビクトリーの顔を象った彫刻が現れる。そして中から光となったビクトリーが現れ、ショウもそれと同時に飛び、一体化した後、右手を揚げて巨大化する。

 

 「レッツ、ゼロチェンジ‼」

 

 櫂と海羽も、櫂の掛け声でそれぞれゼロアイとハートフルグラスを目に当て、光に包まれ『ウルトラマンゼロ』と『ウルトラウーマンSOL(ソル)』に姿を変え巨大化する。

 

 まばゆい光が円盤生物の前に現れ、中からゼロとソル、そして『ウルトラマンビクトリー』が姿を現した!健二と早苗は驚き顔を揚げる。

 

 健二「……あいつらは一体……?」

 

 真美「あなた達を闇から救ってくれるウルトラ戦士よ。」

 

 真美は優しく健二の肩に手を置く。真美達四人は戦いを見守り始める。

 

 「…!かっこいい~!」

 

 ソルは思わずビクトリーを二度見する。

 

 「言ってる場合じゃないぞ…」

 

 ショウはクールに言う。だが、女の子にかっこいいと言われたためか、どこか嬉しそうだった。

 

 ゼロ「さあ、行くぞ。ブラックホールが吹き荒れるぜッッ‼」

 

 ゼロの掛け声とともに、三人は構えを取る!

 

 (BGM:ウルトラマンビクトリーの歌)

 

 三人は円盤生物目掛けて駆け寄る。ビクトリーVSブリザード、ゼロ&ソルVSシルバーブルーメとそれぞれの戦いが始まった。

 

 ビクトリーは跳びかかるとともに右肘を胸部に叩き込む。ブリザードは両手を振るって反撃するが、ビクトリーはそれを両手で防ぎ右拳を腹部に決める。

 

 ブリザードは怯まず右腕を振るうがビクトリーはそれを左足で回し蹴りの如く弾いて防ぎ、そのまま半回転して右足蹴りを胸部に叩き込み、更に畳みかける様に時計回りに一回転して右回し蹴りを顔面に叩き込む。

 

 ビクトリーの怒りの攻撃は続く。それに応えるかのように両者の戦いは周りの地面は小さな爆発を起こし、石のつぶてや土煙が舞い上がる。ブリザードが両腕を上から振り下ろすのを両手で防ぎ、右脇腹に左横蹴りを決め、更に右膝蹴りを腹部に打ち込んで後退させる。

 

 その後、駆け寄りながら右後ろ回し蹴りを腹部に決め、更に左右ミドルキックを左右腹部に決めた後、跳躍して右跳び蹴りを胸部に打ち込む。そして畳みかける様にもう一度跳躍して、左斜め上に上げるような右横蹴りを叩き込んでダウンさせる。

 

ブリザードは立ち上がり、反撃として腹部の噴射口から冷凍ガスを噴射する。ビクトリーはそれを軽い身のこなしでかわしていく。

 

 《ウルトランス‼ハイパーゼットンシザーズ‼》

 

 ショウは、『宇宙恐竜ハイパーゼットン(イマーゴ)』のスパークドールをビクトリーランサーにリードする。すると、ハイパーゼットンの鳴き声の音声と共にビクトリーの右腕が変化していき、ハイパーゼットンの右腕に変わる!

 

 これは『ウルトランス』と言うビクトリー最大の能力であり、怪獣のスパークドールズをビクトリーランサーでリードする事で、その怪獣の力を身に纏う事が出来る能力である。

 

 ブリザードはビクトリー目掛けて再度、冷凍ガスを噴射する。ビクトリーは正面から突っ込み、ハイパーゼットンの右腕からの熱で冷凍ガスを消し飛ばしながら跳びかかる。そして、ハイパーゼットンの右腕の先端を腹の噴射口に突き刺し、ゼロ距離から暗黒火球を叩き込む!

 

 火球を叩き込まれたブリザードの腹部は爆発し、噴射口は潰れ、冷凍ガスが吹けなくなった。ビクトリーはブリザードの胸部に右前蹴りを打ってその反動を利用して後ろに跳んで距離を取る。

 

 するとブリザードは今度は身体を裏返し、赤い身体をビクトリーに向ける。そして、同じく腹の噴射口から火炎をビクトリー目掛けて噴射する。

 

《ウルトランス‼キングジョーランチャー‼》

 

 ショウは今度は『キングジョーカスタム』のスパークドールをリードする。ビクトリーの右腕はハイパーゼットンの腕から、キングジョーの音声と共にキングジョーカスタムの銃『ペダニウムランチャー』に変形する。

 

 ビクトリーは、火炎を右横に跳んで避け、そのまま光の弾丸を乱射する。

 

弾丸の雨あられはブリザードに命中し、体力を奪っていく。そして、弾丸の一つが火炎の噴射口に見事に当たり、噴射口は爆発して潰れる。

 

 ブリザードが怯んだ隙に、ビクトリーは右腕を元に戻した後、後ろに跳び、ビルを蹴って空高く跳ぶ。そして、右足をVの字に光らせて急降下キック『ビクトリーハイパーキック』を叩き込む!ブリザードは爆発して数十メートル吹っ飛んで地面に落下した。

 

 (BGM:Rising High 二番)

 

ゼロとソルも、シルバーブルーメと激しい戦いを繰り広げていた。シルバーブルーメは、二人目掛けて突き刺すように連続で触手を伸ばし始める。ゼロとソルはお互い背中合わせ、手と手を取ったりしながら、フォークダンスをするかの如く華麗な動きで難無くかわしていく。

 

そして、ゼロは『ゼロスラッガー』を取り出し、ソルは両手をピンクの光で包んで『ライトニングハンド』と言う光の手刀に変え、触手を軽快にかわしつつそれを切り落としていく。

 

 ゼロは、上空のシルバーブルーメ目掛けて飛び始める。シルバーブルーメは叩き落とそうと触手を振るうが、ゼロは接近しつつナイフの様に使うゼロスラッガーでそれを切り落としていく。そして、一回転しての右踵落としを叩き込む!シルバーブルーメは地面に落下し、激突する。

 

 ソルは、地面に落下したシルバーブルーメに駆け寄り、すれ違い様にライトニングハンドを叩き込む。そして、振り向き様に右回し蹴りを打ち込み吹っ飛ばす。

 

 シルバーブルーメは、反撃とばかりに再び二人目掛けて触手を伸ばし始める。

 

 「行くぞ、海羽!」

 

 「オッケー!」

 

 ゼロはゼロスラッガーを投げつけ、ソルは右手を突き出し『ゴッドスラッシュ』を発射する。二本の宇宙ブーメランは高速で複雑な軌道を描きながら飛び、黄金の矢尻型の光弾は高速で一直線に飛ぶ。そして、次々と触手を切断していき、やがて全て切り落とした。

 

 シルバーブルーメは戦意喪失したのか、飛んで逃げようとする。そこへ、

 

 「させるか‼」

 

 “バゴンッ‼”

 

 いつの間にかビクトリーが上空で待ち構えていた!そして、既にウルトランスでEXレッドキングの拳『EXレッドキングナックル』に変形させていた右拳で炎を纏ったパンチを叩き込み、地面に叩きつける。シルバーブルーメは完全にグロッキーだ。

 

 右腕を戻し、着地した後、戦いながら二人の戦いを見ていたビクトリーは、二人の戦いぶりに感心する。

 

 ビクトリー「あんた等も良い蹴り持ってんな。」

 

 ゼロ「ああ!(フィニッシュポーズ)」

 

 ソル「エへッ♡(首をかしげて敬礼ポーズ)」

 

 一方、戦いを見ていた健二も、ある事に気付いたのか、口を開けて見入っていた。

 

 それは、戦いの凄さではなく、ウルトラ戦士のかっこよさでもない。怪獣の力を借りて戦う戦士を、そして、連携して戦う男女2人のウルトラ戦士を見て、彼は気づいたのだ。

 

 そう、『協力する事の大切さ』を。そして、男女が力を合わせる事で、真の強さが発揮できることを……。

 

 同時に思い出す。思えば、女子にこき使われたり、軽蔑され続けていた自分を常に支え続けていたのは、他でもない早苗だと言う事を……そう、健二がいじめを苦に自殺しなかったのも、早苗が常に味方してくれたからだ。

 

 「………俺は、間違っていた……いくら自分が強くても、一人じゃどうしようもない事もある……協力する事で、真の強さが発揮できる……その協力する相手に、男も女もない!」

 

その時、健二は横から早苗に抱きつけられる。早苗は嬉しさからか涙を流していた。

 

「…やっと気づいてくれたのね。」

 

「…ああ。」

 

真美は健二が変わったことでの安心からか、二人の様子を笑顔で見つめた。

 

 

三人のウルトラ戦士は、円盤生物を完全に追い詰めた。三人は、ビクトリーをセンターに並び立つ。

 

ゼロ「よ〜し、そろそろ止めと行くか‼︎」

 

ソル「ええ。」

 

ゼロとソルは二、三歩前に進んだ後、ゼロは両腕を十字に組んで『ワイドゼロショット』を、ソルはアキレス腱の如く左足を後ろに伸ばし、右手を突き出して『ミスティックシュート』をそれぞれ放つ!

 

二人の光線は途中で一つになり、強力な破壊光線となりシルバーブルーメを貫く!破壊光線の威力は凄まじく、シルバーブルーメはあっという間に砕け、大爆発した。

 

ゼロ「決まったぜ!」

 

ソル「イエーイ!」

 

ゼロはフィニッシュポーズを決め、ソルは右手の拳を上げて飛び跳ねる。

 

今度はビクトリーがゼロとソルよりも二、三歩前に進む。

 

「力を貸してくれシェパードン‼」

 

 《ウルトランス‼シェパードンセイバー‼》

 

 ショウは、彼らビクトリアンの守護獣であり、何より彼の戦友でもある怪獣『地底聖獣シェパードン』のスパークドールをランサーにリードする。これは、普通のスパークドールズと違い、ショウのために尽くして死んでいったシェパードンの魂が宿ったものであるため『クリスタルスパークドールズ』と言われている。

 

 すると、ビクトリーが地面から引く抜く形で、シェパードンの上半身を象った鍔に背部のビクトリウムを模した七色に輝く刃が特徴の聖剣『シェパードンセイバー』現れる!

 

 ビクトリーはシェパードンセイバーをVを描くように振るい、相手をV字型に切り裂く『シェパードンセイバーフラッシュ』を繰り出す!ブリザードはV字型に切り裂かれ、その部位に光の帯が走り、動きが止まる。

 

 今こそトドメの時!ビクトリーは両手でVを描くようにエネルギーを発生させ、それを右腕に集めた後両腕をL字に組む。

 

 「ビクトリウムシュート‼」

 

 ビクトリーは、正面に向けた右腕の甲にあるVクリスタルからV字型の必殺光線『ビクトリウムシュート』を放つ!光線はブリザードの胸部に命中し、ブリザードは大きくVの字を浮かべた後大爆発した。

 

 「よしっ!」

 

 「やった~!」

 

 ゼロとソルは、ビクトリーのブリザード撃破を喜ぶ。ビクトリーは徐々に消えていく爆風を背に雄々しく立つ。

 

 

 

 ……だが、喜ぶのも束の間、なんとゼロとソルによって切り落とされたシルバーブルーメの触手が浮かび、それが束となってビクトリー目掛けて飛び始める!不気味にもシルバーブルーメ本体が死んでも、触手はまだ生きていたのだ!

 

 ビクトリーは触手が背後から向かってくるのに気づいておらず、ゼロとソルもハイタッチをしているためそれに気づいていない………危うし!

 

 と、その時、

 

 突如、横から青白い十字型の光線が飛んで来て、ビクトリーに迫っていた触手を一瞬で焼き尽くした!その音にビクトリーは気づいて振り向き、ゼロとソルも気付き、向いてみる。

 

 そこには、腕を十字に組んで『メガスペシウム光線』の構えをしているパワードが立っていた。先ほど触手を焼いたのはパワードのメガスペシウム光線だった。三人のウルトラ戦士は少し驚き、真美も驚きカイのベッドを見てみると、当然ながらカイはいなかった。

 

 パワードはゆっくりと光線の構えを解く。

 

 カイ「…借りは返したぜ。ショウ。」

 

 ショウは「やれやれ…」とばかりに苦笑いをした後、カイ(パワード)にお礼のサムズアップをする。

 

 

 四人のウルトラ戦士は見つめ合った後、変身を解き、病室に戻る。

 

 「………早苗、ごめんな。ひどい事を言ってしまって。俺って最悪だよな。」

 

 健二は冗談交じりに自分を卑下しながら謝罪する。早苗は「ニッ」と笑った後、健二の両手を軽く握る。

 

 早苗「いいんだよ。ありがとう。それより……退院したら、デートしない?」

 

 健二「ああ。それから……学生たちの葬式にも出てやろうな。」

 

 健二と早苗は無事和解し、笑顔で見つめ合う。櫂達は、その様子を見て安心したのか、笑顔で見つめ合う。その後、健二はショウの元へ歩み寄る。

 

 健二「ありがとうございます。俺に、本当の強さを教えてくれて。」

 

 ショウ「フッ、…これからも協力し合って、頑張って行けよ。」

 

 ショウはわざとクールに言って、健二と早苗は「はい!」と元気よく返事をする。

 

 海羽「あれ~?ホントは礼を言われて嬉しいんじゃないの?」

 

 櫂「照れちゃって照れちゃって!」

 

 櫂と海羽は照れ隠しをするショウをからかう。櫂がショウの背中をたたいた時、ショウの懐から一枚の写真が落ちる。健二がそれを拾い見てみると、ショウを含めたUPGの集合写真だった。健二たちはショウの横に立っている女の子『サクヤ』に目が留まる。

 

 彼女はショウと同じビクトリアンかつUPG隊員であり、ショウの幼馴染で、彼を兄の様に慕っているのだ。

 

 健二「なーんだ、ショウさんにも彼女がいるんじゃないですか!」

 

 健二は写真をショウに見せつけからかう。

 

 「!バ…バカッ!彼女とは違う!…」

 

 ショウは、クールだがどこか慌てて言いながら、写真を取り戻そうと焦る。健二は早苗と共にからかいながら写真をパスし合う。真美と海羽は、その光景を笑いながら見ていた。

 

 しかし櫂は、笑いつつもどこか不満そうな顔をして軽く俯いていた。

 

 「?どうした?櫂。」

 

 「え?い、いや、何でもない。」

 

 ゼロの言葉に櫂は少し慌てて笑顔に戻る。

 

 

 

 その後、ショウは病院の屋上で、夕焼けの空を見上げていた。

 

 (……ヒカル……俺は信じている。一度闇に負けても、お前なら立ち直れることを。いつか、お前を絶対救ってやるからな。)

 

 ショウは、ビクトリウムのペンダントを見つめながら、決意を固めた。

 

 

 

 [エピローグ]

 

 『テライズグレート』では、『ブラック指令ガスト』が、何やら水晶を見つめていた。

 

 「あーあ、ブリザードもシルバーブルーメもやられちまったか……。まあいい。十分なマイナスエネルギーは集まった。そろそろ最終段階と行くか。」

 

 果たして、奴は何を企んでいるのだろうか?ゼロを抹殺するための最終段階とは?

 

To Be Continued……

 

(ED:赤く熱い鼓動)




 読んでくださりありがとうございます。私にとって初の重苦しい前後編の話でしたがいかかでしたか?

次回も驚きの展開が待っております。

 感想・指摘・アドバイス・リクエスト等をお待ちしています。
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