ウルトラマンゼロ物語(ストーリー) in RED ZONE STAGE   作:剣音レツ

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 お待たせしました。

 今回、驚きの展開&衝撃の真実が発覚します。

 因みに今回、櫂とゼロがアツいです!(笑)

 また、第2章『暴走する本能』に基づいた内容でもあります。


第13話「激情チェンジ‼」

 (OP:TAKE ME HIGHER)

 

稲葉健二と小野早苗の闇を振り払ってから三日後の7月29日、入院していた健二は昨日無事に退院し、竜野櫂達に謝罪とお礼を言って笑顔で別れた。

 

 因みに健二と早苗は、彼らの高校が壊滅したと言う事で、学力向上などの理由もあり、麟慶大学付属の高校に特別採用で入学する事になった。女尊男卑の環境で育ってきた彼ら(特に健二)にとって、男女平等の環境の高校ほど憩いの場は無いだろう。彼らは9月から入学する予定である。

 

 駆け付けて来たショウ(ウルトラマンビクトリー)は、ウルトラマンギンガ救出のためと言う事もあり、主に櫂達と共に行動する事にした。この日、ショウは異変探しで霞ヶ崎を探索している。

 

この日、櫂は一人でデパートに買い出しに出かけていた。そこへ、仲良さそうに手を組んで駆け寄って来る一組の男女を見つける。デートの真っ最中の健二と早苗だ。

 

 櫂「お!お前ら、随分楽しんでるみたいだな。」

 

 健二「はい、櫂さん。先日は本当にありがとうございました。」

 

 櫂「はは、良いって事よ!」

 

 ゼロ「どうやら二人とも、すっかり元気になったみたいだな。」

 

 早苗「はい。今後は、亡くなった生徒たちの葬式とかにも参加したりしたいと思います。」

 

 櫂「それは良い事だな。ま、そいつらとは悪い思い出しかないと思うが、同じ人間だからな。」

 

 櫂は気さくに健二と早苗と話す。二人とも、特に早苗はデートの為か、一際おしゃれな格好をしていた。

 

早苗「櫂さんは今日は一人ですか?」

 

 櫂「ああ。ちょっと、プライベートの買い出しでな。」

 

 健二「たまには二人の彼女さん(新田真美・眞鍋海羽)とも、遊んでやらなきゃだめですよ」

 

 櫂「かっ……そ、そうだな、アハハハハ…」

 

 健二は冗談半部で言い、三人とも笑う。だが、櫂だけ顔を赤らめ、何処か固い笑いだった…。

 

 早苗「ケンちゃん、そろそろ行こう?私、今度はあの店に行きたい!」

 

 健二「ああ。そうだな。……あ、そういえば櫂さん、あなたに言いたいことがります。」

 

 櫂「ん?何だい?」

 

 櫂は健二の言葉に踏みとどまる………。

 

 

 

 一方、眞鍋海羽と新田真美は、二人っきりの、所謂ガールズショッピングをしながら街を歩いていた。今ちょうど、迷子探しを終え、親子と別れた所である。

 

 海羽「真美ちゃんって、とっても優しいんだね。」

 

 真美「いえいえ、他人として当然のことをしてるだけだよ。」

 

 褒める海羽に真美は笑顔で返す。

 

 「それに、私、将来は人を救うため、看護婦を目指してるの。だから、今からでも、多くの人を助けていけば、少しづつ夢に近づける気がしてね。」

 

 真美は、積極的に人助けをしているのは将来の為でもあると言う事を話す。海羽は、真美の話に聞き入っている。

 

 「それに私、満足よりも、安心感があるの。人が苦しみから解放された気がしてね。」

 

 真美はそう言いながら、鞄から『ウルトラセブン』の人形を取り出す。

 

 真美「だから私、セブンも結構好きなの。」

 

 海羽「ああ、セブンも確か、多くのウルトラ戦士を助けて来たからね。」

 

 真美「それに、何よりも『バクちゃん(超獣バクタリになってしまった貘)』を助けてくれたしね(小笑)それに、彼のカプセル怪獣のミクラスちゃんも可愛くて好きだしね。」

 

 真美は、セブンが好きな本当の理由を話ながらも(笑)多くのウルトラ戦士のサポートをしてきたセブンを気に入っている事を話した。

 

 真美「だから、櫂君がセブンの息子であるゼロの変身者になった時は、とっても嬉しかったの。」

 

 海羽「ウルトラマンゼロはカッコいいし強いもんね。まさに櫂君にピッタリだよ!」

 

 真美「意外と似た者同士だよね、あの二人。」

 

 真美・海羽「「ハハハハハハ……」」

 

 

 

 櫂・ゼロ「「ハ…ハクショーン‼」」

 

 同じ頃、櫂とゼロは同時にくしゃみをしてしまっている。

 

 ゼロ「何だ?二人そろって夏風邪か?」

 

 櫂「まさか。誰かが噂してるんだな……?まあいい。とにかく、真美達のところへ急ぐぞ!」

 

 櫂は何を急いでいるのか、走っていた。先ほど健二から、何を聞いたのだろうか………?

 

 

 

 場面を真美達に戻そう。

 

 真美「私は、櫂君や海羽ちゃんみたいに変身はできないけど、これからも全力でサポートするわ。」

 

 海羽「ありがとう。でも私、真美ちゃんならゼロになれる気がするんだな~。頭良いし、運動できるし、優しいし…」

 

 真美「ありがとね。言ってくれるのは嬉しいけど…ゼロは櫂君の方がいいと思うわ。運動も勉強も彼の方が優れてるし…それに私、戦い疲れた戦士を癒す役目の方が向いてるかな~って何となく思ったりしててね。」

 

 真美は、海羽に礼を言いながらも自身の役目について話した。

 

真美「因みに私、こないだ妄想ウルトラセブンが出たでしょう?あの時、正直ショックだったの…。」

 

 真美は、事情が事情とはいえ自身の好きなウルトラセブンが一時的に闇落ちしたことがショックだったみたいだ。

 

 真美「櫂君もあんな風にならなかったらいいけど……まさかね。」

 

 海羽「そうだね。櫂君、文武両道だけじゃなくて性格も良いもんね。」

 

 真美は冗談で話し、海羽もそれに乗る。二人とも、特に真美は幼馴染なだけに櫂に厚い信頼を持っていた。彼の本性を知ることなく…。

 

 同じ頃、

 

 「ハックション、ハックショーン‼」

 

 櫂はまたしてもくしゃみをしてしまっている。しかも今度は二発である(笑)

 

 ゼロ「やはり夏風邪じゃないのか?」

 

 櫂「まさか。俺はここ十年病気になんてなってないんだぜ?最も、真美の方は生まれてから一度も病気になってないが(苦笑) とにかく、さ、急ぐぞ。」

 

 櫂はまたしても真美達と合流しようと走り出す。

 

 

 

 一方、宇宙船『テライズグレート』では、『ブラック指令ガスト』が、水晶を見つめながら地球の様子を伺っていた。まるで何かのチャンスを待ち構えてるかのように…。

 

そして、語り出した。

 

「フフフ、そろそろ、始めるとしますか。『デスゲーム』を。果たしてクリアできるかな~?」

 

ブラック指令ガストは不気味に笑う。いったい何を始める気なのか?彼の言う『デスゲーム』とは一体何なのか………?

 

 

 

場所は戻って、櫂は一旦歩き始め、自身のスマホから真美のスマホに電話をかけていた。

 

 真美「もしもし櫂君?」

 

 櫂「おお、真美。今どこにいるんだ?」

 

 真美「海羽ちゃんと『霞ヶ崎商店街』を出た所だけどどうしたの?急いでるみたいだけど…」

 

 櫂「悪いがすぐ到着するからそこにいてくれ。折り入って話が………」

 

 櫂が話しているその時、

 

 “ゴアッ”

 

 突然、怪獣の様な声が響く。電話をしている櫂と真美、そして海羽は町を見渡す。

 

すると、信じがたい光景に櫂と真美、海羽は驚愕する!

 

 突如、霞ヶ崎の街中に三体の怪獣が現れたのだ。それも、ただの怪獣ではない。

 

 そこにいる三体とは、

 

 金属質のボディに頭部にはトサカの様な突起があるロボットの様な外見の怪獣『カプセル怪獣ウインダム』

 

 マッシブな身体に牛に似た顔をしており、頭部には大小二本ずつ角が生えている怪獣『カプセル怪獣ミクラス』

 

 恐竜プロトケラトプスに似た外見に頭部に生えた一本角が特徴の怪獣『カプセル怪獣アギラ』。

 

 この三体は『カプセル怪獣』と呼ばれ、『モロボシ・ダン(ウルトラセブン)』が変身できない時などに代わりに戦う怪獣たち、所謂セブンの仲間の怪獣である。

 

 そんな彼らが突如街に現れた………櫂達をはじめ街の人々は驚きと共に少し戸惑っている。因みに先ほどの鳴き声はミクラスの物である。

 

 しかし、三体は暴れる様子も無く、まるで何かを待ち構えているかのようにじーっと止まっている。

 

真美「ミクラスちゃん達…?どうしていきなり……?」

 

海羽「悪い怪獣なんていないのに……」

 

真美達の戸惑いは続く。だが真美は、戸惑いながらも自身が好きな怪獣・ミクラスに少し近づいて話しかける。

 

真美「ミクラスちゃーん、どうしたの?いきなり出てきて…」

 

だがミクラスは、真美に気づきはするが興味を示す様子はまるで無い。

 

真美「…なんか変……まるで、何かが出て来るのを…もしくは誰かの命令を待ってるみたい………。」

 

 

 

 因みにゼロが驚きを隠せないのは言うまでもないだろう。何しろ、自身の親父の仲間の怪獣たちが、突然現れたのだから…。しかし、様子がおかしい事にすぐさま気付く。

 

 櫂「……どうなってんだ?……一体………。」

 

 ゼロ「三体そろい踏みってことは…親父の事だ。何かあるに違いない。変身だ!櫂。」

 

 ゼロは動揺の所為か、やや焦り気味に変身を促す。

 

 櫂「どうしたんだゼロ?」

 

 ゼロ「カプセル怪獣が三体も出たんだ。何か強大な敵が出るかもしれないだろ。それに……近くに親父もいるかもしれない…。」

 

 櫂「なるほどな…海羽の奴、セブンも呼んでくるとは粋な事をしてくれるぜ。」

 

 櫂はUBの付いた左腕を顔の前で折り曲げる。

 

 櫂「行くぜ、ファザコンゼロ。」

 

 ゼロ「うっ…うるさいっ!とにかく変身だ!」

 

 櫂「ははは、冗談だ。じゃ、いくぜっ!」

 

 UBから『ウルトラゼロアイ』が現れ、櫂もゼロも呼吸を整える。

 

 櫂「レッツ、ゼロチェンジ‼」

 

 ゼロアイは櫂の掛け声に応えるかのように櫂の目にくっ付き、櫂は光と共に高く跳躍する。櫂は光の中でゼロの姿に変わり巨大化する。

 

 街中のカプセル怪獣の前に降り立つ『ウルトラマンゼロ』。カプセル怪獣達はそれに気づく。

 

 海羽「…!ゼロ?」

 

 真美「櫂君…どうしたのかな?一体。」

 

 真美達もゼロの登場に反応する。

 

 ゼロとカプセル怪獣達は見つめ合う。お互い警戒しているのか?

 

 「フフフフフ…現れたなゼロ。」

 

 テライズグレートからその様子を見ていたブラック指令ガストは何やら不気味に笑う。

 

 ゼロとカプセル怪獣達が見つめ合う中、突如、両者の間に渦の様な紫の光が《ギュィィィィン》というどこか聞き覚えのある変身音と共に現れ、その光が徐々に消えていき、中から一人の巨人が現れる。

 

 その巨人を見て、櫂及びゼロ、更には真美達も驚愕する。

 

 渦の光から現れたのはなんと『ウルトラセブン』なのだ!しかし、よく見てみると身体は黒く、目や白のラインは赤くなっている。かつて『ウルトラマンギンガ』と戦った『セブンダーク』の姿をしているのだ。

 

 ゼロは動揺しながらも恐る恐るセブンダークに近づきながら話しかける。

 

 「……親父?……親父なのか?」

 

 しかし、セブンダークは答えようとしない。

 

 「親父もソルに呼ばれて来たのか?…何だよその姿は?……なあ……答えてくれよ!」

 

 ゼロが肩に手を置いた瞬間、

 

 “バコンッ”

 

 「‼?ぐはっ!」

 

 セブンダークはゼロの手を振り払い、右拳をゼロの顔面の左側面に打ち込んでふっ飛ばした!ゼロは驚きながらも吹っ飛び、真美達もその光景に驚く。

 

 「…ッ、何すんだ親父‼」

 

 ゼロは動揺しつつも叫ぶ。

 

 「櫂君、私、セブンは呼んでないわ。」

 

 「!何だと⁉」

 

 ソル(海羽)のテレパシーがゼロに聞こえる。彼女はセブンを呼んではいないみたいだ。ゼロの動揺は深まる。

 

 その時、セブンダークはカプセル怪獣達のいる背後を一瞬振り向いた後、ゼロの方に指を差す。まるで「やれ!」と命令しているようだ。

 

 するとウインダムは、額の発光部から『レーザーショット』を発射し、それがゼロの右肩に当たり爆発する!

 

 「⁉うぉあっ!」

 

 思わぬ攻撃に怯むゼロに今度はミクラスとアギラが突っ込む!

 

 ゼロはミクラスの突進を角を掴むことで食い止めるが、その隙にアギラの頭突きを腹部に喰らい後退する。さらにウインダムが大の字の格好で跳躍してゼロにのしかかる!

 

 ウインダムはそのままゼロを仰向けに倒して馬乗りになり、チョップを連打して攻撃するが、ゼロは無防備な背中を蹴る事で馬乗りを解く。

 

その後ゼロは跳ね起きで起き上るが、すぐさまミクラスが左右腕を振るって襲い掛かる。ゼロはそれを手足で弾きながらかわしていく。

 

 だが、その隙に後ろで待ち構えていたウインダムの右チョップを背後から喰らってバランスを崩し、ミクラスはその隙にゼロの胸部に右拳を一撃浴びせた後、右腕を掴んで怪力を活かした背負い投げで投げ飛ばす。

 

 ゼロはうつ伏せで何とか立ち上がろうとするが、アギラはダメ押しとばかりにゼロを角でかちあげる!ゼロは上空に吹っ飛んだ後地面に落下した。

 

 ゼロはなおもミクラス達と防戦一方の戦いを続け、セブンダークはあざ笑うように腕を組んでそれを見つめる。自身の親父(セブン)の仲間であり、自身の幼馴染(真美)が好きな怪獣が相手故か、ゼロは思うように戦えない。

 

 真美「ミクラスちゃん達、どうしちゃったのかな?」

 

 海羽「それよりもセブンだよ…。あんなに黒くなっちゃって……」(もしかして、私が知らない間にギンガと同じく闇堕ちに………?)

 

 動揺しつつも戦いを見守る真美達の不安は募る一方である。

 

 

 「フフフフフフ………どうやら何が起こっているのか理解できてないみたいだな。」

 

 ブラック指令ガストは、何処からか戦いを見ながら不気味に笑う………。

 

 

 

 一方、カプセル怪獣とゼロの戦いは麟慶大学からも見えていた。軽音部の『豪快パイレーツ』のアコギ担当であるドン・ドッゴイヤー(通称:ハカセ)は、この日は兼部している理科部の活動をしに来ていた。

 

 理科部のメンバーも逃げる中、ハカセだけ何やら四角いサングラスの様な物が付いた機材を持ちながら戦いを見ている。彼もカプセル怪獣がゼロに襲い掛かる事に違和感を感じているのだ。

 

 「これはきっと、何かあるかもしれない……。よーし、今こそこれが役立つかも。」

 

 ハカセは持っていた四角い機材を置き、サングラスをコードでつないでかけてスイッチを入れる。

 

 すると、ハカセは驚愕する。普通に見ればゼロがカプセル怪獣と戦っているのが見えるのだが、サングラス越しに見てみると、なんとカプセル怪獣達は映っておらず、ゼロが一人で暴れており、セブンダークがそれを見つめている様子しか見えないのだ!

 

 「!分かったぞ。あのカプセル怪獣は幻だ‼」

 

 彼が持っていた機材は、彼が理科部で独自に開発していたもので、サングラス越しに実在するものしか映さない万能な物である。要するに、その機械のサングラス越しではカプセル怪獣達は映らないため、ゼロが戦っているカプセル怪獣達は幻だと判明したのだ!

 

 「大変だ!」

 

 真実を知ったハカセは急いで真美にスマホで電話を掛ける。

 

 真美「もしもしハカセ君?」

 

 ハカセ「真美、今すぐ櫂に戦いを止める様に言って!」

 

 真美「どうしたの?」

 

 ハカセ「今ゼロが戦っているカプセル怪獣達は、幻なんだ!」

 

 真美「!ミクラスちゃん達が……幻………?」

 

 ハカセから真実を聞かされ驚く真美。それを聞いていた海羽も、変身アイテム『ハートフルグラス』を目にかざし『スコープモード』で見てみる。カプセル怪獣達は確かに映っておらず、暴れるゼロとそれを見つめるセブンダークしか映っていなかった。

 

 海羽「本当だわ……。じゃあ、あのセブンは一体……?」

 

 真美「誰かが陰で暗躍してるって事なの………?」

 

 

 

 三体が幻とも知らずに防戦一方で戦い続けるゼロ。突進してくるミクラスとアギラをそれぞれ両手で受け止め抑え込みながらセブンダークに必死に叫ぶ。

 

 「なあ親父!これは一体どういうことだよ⁉なあ‼」

 

 だが、セブンダークは一向に答えない。

 

 「なあ……答えてくれよ………親父……答えろーーー‼」

 

 ゼロの必死の叫びも空しく、二体はゼロがセブンダークに気を取られている隙に突き飛ばす。ゼロは吹っ飛んで地面に落下する。

 

 「櫂君!戦いを止めて!ミクラスちゃん達は幻よ!」

 

 「⁉なんだって⁉」

 

 真美から真実を聞かされ驚愕するゼロ及び櫂。しかし、その隙にミクラスは口から赤い熱戦、ウインダムはレーザーショット、そしてセブンダークは腕をL字に組んで青い『ワイドショット』を同時に放ち、ゼロを攻撃する!

 

 三つの光線が胸部に直撃し、倒れるゼロ。ゼロは立て続きに受ける攻撃により既に大きなダメージを受けており、更に追い打ちをかける様にカラータイマーが赤く点滅を始める。

 

 「フフフ、そろそろ終わりにしますかな。」

 

 ガストが呟く。すると、カプセル怪獣達は煙の様に姿を消した。驚くゼロと真美達。

 

 すると、黒いオーラの様な物と共に一匹の怪獣が現れる。そいつは、黒と青を基調とした体色に、地面に届くほどの長い腕に、胸に目の無いイルカの様な頭部、両肩に分裂した犬のような隻眼の頭部と、ケルベロスの如く三つの頭部を持つ『ダークガルベロス(フィンディッシュタイプビースト)』だ!

 

 奴は『ガルベロス』の暗黒強化種であり、催眠波動で死んだ人間を操って人を襲わせたり、幻覚を見せて相手を翻弄することが出来る。そう、奴は後者の能力でカプセル怪獣の幻覚を出現させてゼロを動揺させ、翻弄して追い詰め消耗させたところを一気にやっつけようとしていたのだ。

 

 ゼロ「そうか………カプセル怪獣は全てあいつが作り上げた幻……」

 

 海羽「何て卑怯な奴なの………。」

 

 ゼロと海羽達は、幻覚はダークガルベロスが作り上げたものだと気づく。

 

 ダークガルベロスは、両肩の頭部でそれぞれゼロの首、左腕に噛み付いて持ち上げ、そのまま両腕で腹部に打撃を連打し、ゼロの体力を奪っていく。

 

 そして、左足でゼロの腹部を蹴り上げ吹っ飛ばす。ゼロは攻撃された部位だけではなく、噛み付かれた部位にもダメージが来ていた。ダークガルベロスの噛む力は強力であるのだ。かつて通常のガルベロスが、『ウルトラマンネクサス』の左肩に噛み付いて負傷させた程である。

 

 ダークガルベロスは横たわるゼロに三つの口から火炎弾を連射する。火炎弾の雨あられを成す術なく浴びるゼロ。もうエネルギーは半分以上減り、カラータイマーの点滅も早くなっていく………。

 

 「立って!櫂君!」

 

 真美の必死の呼びかけも空しく、エネルギーの少ないゼロは仰向けに横たわる。

 

 「フハハハハハ‼まさかここまで計画がスッキリ進むとはな!」

 

 突如、何処からか声が響いた瞬間、真美達の前にブラック指令ガストが現れる。驚き身構える真美達。

 

 海羽「あなた……一体何をしたの⁉」

 

 「俺はブラック指令ガスト。ゼロ抹殺計画の実行者だ。」

 

 真美「ゼロ抹殺計画?」

 

 「そうだ。この作戦のために、あの少年を執拗に狙ってマイナスエネルギーを集めたのだ。」

 

 真美「もしかして……健二君の?」

 

 「そうだ。そして、その集めたマイナスエネルギーをガルベロスに与えダークガルベロスへとパワーアップさせた。おかげでガルベロスは格段とパワーアップし、幻影能力も相手が動揺するほどに完璧な物を作れるようになったのだ。」

 

 ガストの言葉に真美達は驚愕する。そう、闇を抱える健二を妄想ウルトラセブンに変身させたのも、健二と早苗の高校を破壊したのも、すべてこの日の作戦のための準備に過ぎなかったのだ!

 

 因みにセブンダークも、集めたマイナスエネルギーで作り上げた物だと考えられる。

 

 「そんな………じゃあ、そのために健二君たちは苦しめられて………」

 

 真美は、健二たちの闇が利用された事、そして、偽物とはいえ自身の好きなセブンやミクラスが利用された事へのショックで膝を付く。

 

 「おっと?俺の作戦が完璧すぎて驚いてるのか?ハハハハハ!では、そろそろ俺自身でゼロを。」

 

そう言うとガストは、セブンダークの額の『ビームランプ』に飛び込む。そして、セブンダークと一体化した。そして、ダメージにより右膝をついて動かないゼロに近づく。

 

「まずは、その厳つい顔面を叩き潰してやっぜ。」

 

セブンダークはゼロに拳を振り下ろそうと右拳を上げる。そして、ゼロ目掛けて拳を振り下ろす!もはやここまでか⁉︎

 

 

だが、大ダメージにより体力が減ってるはずのゼロの右手が、セブンダークの拳を受け止めた!「はっ」と驚くセブンダーク。そして、ゼロは拳を掴んで膝をついて俯いたまま櫂の意思で語り出す。

 

「ほほう…そうか…そういう事だったのか……。ありがとよ。ご丁寧に説明してくれてよ…」

 

ガスト「バカな…貴様の体力はもう限界のはず…!」

 

ガストの動揺は募る。ゼロは尚も語り続ける。

 

「俺はなあ…自分自身がいくら痛めつけられても構わねえ……。だがな、そのためだけに、苦しんでいる少年の闇を利用したり…罪のない人を殺したり……」

 

ゼロは語りながらゆっくり立ち上がり、左拳を後ろに引きながら顔を上げる。

 

「何より、ゼロの親父であり、俺(櫂)の愛する者の好きなものを使って、その子を傷つける事が、一番許せねーんだよっっっ‼︎」

 

〝バゴンッ‼︎〟

 

「‼︎ぐぉあっ‼︎」

 

ゼロは熱い叫びと共に、渾身の左拳をセブンダークの顔面中央に叩き込む!セブンダークはたまらず吹っ飛んで地面に落下する。

 

 「「そこまでして俺を潰してーなら、何人でもいいから真っ向から実力で迫って来やがれ‼」」

 

 互いが同じ怒りを抱いているため、ゼロと櫂の声がシンクロする。例え体力が少なくても、愛する者を想う故の怒り『激情』により、立ち上がったのだ。

 

そう、男は、誰かのために強くなるのである!

 

 ゼロは左腕の『ウルティメイトブレスレット』を右手で叩く仕草を取る。すると、UBからエレキギターのような効果音が鳴り、全身が炎に包まれ、やがて姿が変わった。

 

 ゼロは、金色のゼロスラッガー、カラータイマー、ボディラインを持ち、上半身が赤、下半身が銀色を基調とした燃えるようなボディが特徴の『ストロングコロナゼロ』にモードチェンジ!

 

 ゼロは『フューチャーアース』でダイナ、コスモスと合体して『ウルトラマンサーガ』へ変身した際、彼らの力がUBに宿った事で、彼らの力を開放する事でモードチェンジできるようになったのだ。

 

 ストロングコロナゼロは、ダイナのストロングタイプとコスモスのコロナモードの力を併せ持つ『赤きウルトラマンゼロ(超パワー戦士)』だ。

 

 海羽「うわ~かっこいい~!」

 

 真美「櫂君…」

 

 ガスト「⁉何だあの姿は!」

 

 ゼロの変身に真美達は目を奪われ、セブンダークの中のガストも見たことないゼロの姿に動揺する。

 

 ゼロ「さあ、こっからが俺の…」

 

 櫂「ああ、俺達の…」

 

 ゼロ・櫂「ビッグバンだ‼」

 

(BGM:英雄)

 

 ゼロは土煙を上げながらダークガルベロスに駆け寄る。

 

 ダークガルベロスは迫り来るゼロに一回転して尻尾で迎え撃つが、ゼロは駆けながらそれを跳躍してかわし、そのまま右横蹴りを打ち込んで吹っ飛ばす。

 

 ダークガルベロスは立ち上がり右腕を振るって攻撃するが、ゼロはそれを左腕で受け止め右拳を二発腹部に、そして中央の顔に強烈なアッパーを叩き込む。

 

 その後ゼロは右肘を左側の頭部に打ち込み、左横振りの左拳を頭部の左側面に打ち込み、更に時計回りに一回転して左拳を腹部に叩き込む。

 

 ストロングコロナ本来の力に加わった激情の力により、打撃が炸裂する度に爆発が起こる。

 

 ダークガルベロスは左横蹴りを打とうとするが、ゼロは即座にそれを左足で弾き、返り討ちとばかりに右足のミドルキックを腹部に叩き込み、更に左足の回転ハイキックを決める。

 

 キックの衝撃でダークガルベロスが半回転して背を向けた所でゼロはダークガルベロスの尻尾を掴む。そして、そのままきりもみ状態で倒れ込んでその回転力で地面に叩きつける投げ技『ドラゴンスクリュー』を決める!

 

その後ゼロは、ダークガルベロスの尻尾を掴んだまま立ち上がり、今度は回転しながら『ジャイアントスイング』で何度も振り回し、遠方へとブン投げる!ダークガルベロスは地面に落下しフラフラに。

 

 ダークガルベロスは何とか体勢を立て直し、ゼロ目掛けて火炎弾を乱射するが、ゼロはそれを側転、バク転をしつつ弾き飛ばしながらダークガルベロスに近づいていく。

 

 そして、ゼロはダークガルベロス目前まで近付くと、炎を纏った打撃技『ストロングコロナアタック』を繰り出す!

 

 まずは炎を纏った横降りの右拳でダークガルベロスの右側の頭部を粉砕し、次に炎を纏った左回し蹴りで左側の頭部を粉砕。そのまま一回転し、炎を纏った右回し蹴りを腹部に打ち込んで吹っ飛ばす。

 

 ガスト「バカな……あり得ない!」

 

 真美「!…すごい…。」(←あまりの凄さに言葉を失っている)

 

 海羽「ちょ~パワフルだね。」

 

 ガストはうろたえ、真美達はストロングコロナゼロの強さに見入っている。

 

 ゼロ・櫂「「砕け散れ!番犬野郎‼」」

 

 ゼロはダークガルベロスを頭から掴む。

 

 「ウルトラハリケーン‼」

 

 ゼロは叫びと共にダークガルベロスを『ウルトラハリケーン』で放り投げる!ウルトラハリケーンとは、相手を竜巻の様に高速回転させながら上空に放り投げ、空中で磔にする様に拘束する投げ技である。

 

 ダークガルベロスは竜巻に巻き込まれ、回転しながら上空で拘束される。

 

 ゼロはUBを右手で叩くような仕草を取る。そして、炎のエネルギーが集まっていく右拳を後ろに引いていく。

 

 「ガァァァルネイト、バスターーーーー‼」

 

 ゼロは叫びと共に、上空のダークガルベロス目掛けて右拳を突き出し、炎状の強力光線『ガルネイトバスター』を放つ!

 

 光線はダークガルベロスを直撃!ダークガルベロスは空中で大爆発した。

 

 ダークガルベロスを撃破したゼロは、ゆっくりとセブンダークの方へと向きを変える。ガストはその表情から殺意を感じていた。

 

 ガスト「…んなっ…何をする気だゼロ?…ま、まさか偽物とはいえ親父を殴るほど不良じゃないよな?な?」

 

 ガストは言い逃れをしようとする。だが、ゼロは右拳を強く握る。やがて、怒りで力を入れて握っていることで小刻みに震える右拳を上に揚げる。

 

「……ふざけるな……そんな出来損ないの偽物に化けといて、親父を名乗ってんじゃねーーー‼」

 

 “バゴンッッッ‼”

 

 「ぐおあぁぁぁ‼」

 

 ゼロはセブンダークに駆け寄り、握った右拳を思い切り顔面に叩き込んだ‼セブンダークは吹っ飛んで地面に落下する。

 

 ゼロは光に包まれ通常の姿に戻る。そして、構えを取った後、怯むセブンダークに駆け寄り右ヘッドロックで首を締め上げる。

 

 「いい加減にしやがれ……どいつもこいつも……そんなに死にたいか………?」

 

 ゼロは、櫂の意識で憎しみを込めたようなドスの利いた声でセブンダークに囁き始める。

 

 「てめーらみたいな屑はなあ、邪魔なんだよ!」

 

 ゼロはもはや、愛する者を悲しまされたことでの怒り心頭の櫂の意識が前面に出ている。いわば、半分暴走状態なのだ。

 

 ゼロは、セブンダークにヘッドロックをかけたまま左肘を左肩に数発決め、その後前方へ突き飛ばした後、胸部に怒りを込めた右ドロップキックを叩き込み吹っ飛ばす。

 

 セブンダークは立ち上がって『アイスラッガー』を投げつける。だが、ゼロはそれを避ける事無く、それどころかゼロは、迫り来るアイスラッガーを右手刀で叩き折る!

 

 二片に分かれたアイスラッガーは、ゼロの左右後方に飛び爆発する。

 

 櫂の変身するゼロは、ゼロ本来の超絶な力に櫂の身体能力や知能が合わさる事で、本来よりも格段と能力(特に格闘技)が強くなるのだ。しかも、櫂が怒り心頭し、彼の意識が前面に出る事で、更に格闘技の破壊力が上がり、このように素手だけでアイスラッガーを叩き割ることも出来るのである。

 

 だが、この能力にも一つ、最大のリスクがあった。それは、櫂の意識が前面に出る事で普段よりも櫂自身の消耗が激しくなるのだ……。既にカラータイマーが赤く点滅しており、怒りと同時に苦しみも感じるような荒い呼吸をしている。

 

 「親父の出来損ないなんて……跡形も無く消し飛ばしてやる‼」

 

 セブンダークが動揺している間にゼロは、ゼロスラッガーをカラータイマーに装着し、光刀のエネルギーを集中させる。

 

 「ゼロツインシュート‼」

 

 ゼロは、カラータイマーに装着したゼロスラッガーから広域に照射する強力光線『ゼロツインシュート』を放つ!これは、通常のゼロが使う中では最強の光線技である。

 

 ゼロツインシュートを浴びたセブンダークは、消し飛ぶように光線の中で消えていき、やがて大爆発した。

 

 「やった~!」

 

 「櫂君……ありがとう……。」

 

 海羽はゼロの勝利を喜び、真美は櫂の思いが少し通じたのか知らないが、櫂及びゼロに笑顔で静かに礼を言う。

 

 セブンダークを撃破したゼロは、ゼロスラッガーを頭部に戻し雄々しく立つ。

 

 が、それも束の間、体力がほとんど無いのか、ゼロは両膝、そして右手を付いてしまい、カラータイマーの点滅も早くなる。そしてゼロは、光と共に姿を消した………。

 

 

 

 真美達が急いでその場へ行ってみると、そこには仰向けに横たわっている櫂の姿があった。

 

 「櫂君!………大丈夫?」

 

 真美は真っ先に駆け寄り、語り掛ける。すると、櫂は横たわったままVサインをし、目を開けて少し硬い笑顔を見せる。

 

 真美「…良かった~。」

 

 櫂「はははは…悪い悪い、少し無茶しちまってな…」

 

 櫂はやせ我慢にも見えるように気さくに答える。

 

 ゼロ「ったく、ここまで無茶な奴とは知らなかったぜ。」

 

 海羽「(気さくに)でも、無事倒すことが出来て良かったじゃない?」

 

 櫂は流石に自身の意識で戦い続けたため、体力がほとんどなくなっているのか、起き上る気配がない。健二を元に戻すために一方的にやられ続けた妄想セブンとの戦い(第11話参照)に、幻覚により翻弄され怒りで乗り切った今回の戦いと、ハードな戦いが続いたための疲労であろう。

 

 真美「疲れてるの?救急車呼ぼうか?」

 

 櫂「あ、ああ、サンキュー。………あ、そういやあお前らに伝えたいことがあるんだ……。」

 

 真美「伝えたい事?」

 

櫂は、疲れていることで、少しかすれた声で話し始める。

 

 「健二から聞いた話だが……彼に闇を与えた人物は………暗い表情に……逆立った茶髪に……ダークなスーツを着てい……た…………と………………。」

 

 櫂は、伝えたいことを告げた後、疲れによりフェードアウトする様に眠りについた。

 

 ゼロ「フッ……よっぽど疲れてたんだな。ま、無理もないか。」(しかし…俺の意識を一時的に乗っ取った激情……この青年…一体どこにこんな強い精神力が………?)

 

 ゼロは疲れにより眠りについた櫂を見つめながら、一時的に自身の精神を乗っ取った櫂に疑問を感じていた………。櫂に乗っ取られている間、一応ゼロの意識も残っているのだが、どうやら制御できなかったらしい………。

 

 一方、櫂の言葉を聞いた瞬間、真美達の表情は少し深刻になる。健二に闇のエネルギーを与えた人物に心当たりがあるのだろうか………?

 

 海羽「……真美ちゃん……その男って……」

 

 真美「……間違いないわ………」

 

 

 

[エピローグ]

 

 一方、テライズグレートでは、ブラック指令ガストが無事帰還できていた。

 

 ガスト「ふう~危なかった。セブンダーク消滅前に間一髪脱出来て良かったぜ。」

 

 ゲドー「しかし、またしても作戦は失敗してしまったな……。」

 

 キョウ「一体、どうすればウルトラマン共を……」

 

 

 ???「まあ、そう焦るなって…。」

 

 幹部達が途方に暮れる中、後ろから声がして振り向く。

 

 ………そこには、例のダークな表情に逆立った茶髪にダークなスーツを着ている青年が立っていた。青年はなおも話す。

 

 ???「焦らずじっくりと考えなよ……そしてじわじわと痛めつけようぜ。………それこそ、最高の刺激じゃないのかい?」

 

 青年は、暗い表情に似合わない陽気な口調で話す……。

 

 ガスト「……フッ、お前さんも随分と陰湿な奴ですなあ。流石はテラ様が見込んだだけはありますぞ………………………桜井敏樹。」

 

 ‼衝撃な真実が発覚!この青年こそ、消息が立っていた櫂達の友人『桜井敏樹』だったのだ!

 

 敏樹は不敵な笑みを浮かべる。そう、邪な考えをしている櫂のように………。

 

 はて、彼はどのようにしてウルトラマンテラの軍団に入ったのだろうか?そして、なぜ闇のエネルギーを人間に与えているのだろうか………?

 

 To Be Continued……

 

 (ED:赤く熱い鼓動)




 少し急展開な気もしますが(笑)ついに衝撃の真実が暴かれました。

 なぜ桜井敏樹がテラの軍団に入ったのか…それは今後分かって行きます。

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