ウルトラマンゼロ物語(ストーリー) in RED ZONE STAGE   作:剣音レツ

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 くどうようですか、前回は私のやりたい放題にやってしまったので、今回は原点回帰を目指した王道のストーリーを意識して作成しました。

 登場怪獣も王道なものです。

 因みに、今回はバトルシーンが多めなので文字数が前回より多くなってしまいました(笑)

 あと、最後に驚きのサプライズが待っています!


第15話「命は美しい」

 (OP:TAKE ME HIGHER)

 

 それは、ウルトラマンゼロと竜野櫂たちが、メフィラス星人キョウとターラ星人、レボール星人の総攻撃を破った後の夜、深夜2:00頃の事だった。

 

 静かに寝静まっていたとある山中の田舎町。そこの二ヶ所に突如、地面が大爆発して大きな土煙の柱と共に、二体の怪獣が現れた。

 

一匹は、全身が蛇腹のような凹凸に覆われたマッシブな身体に、体形は頭頂部にかけて細くなっていく様な巨大感のある容姿が特徴の『どくろ怪獣レッドキング』。

 

 もう一匹は、レッドキングと同じくマッシブな身体に頭の二本の巨大角、全身の鱗に包まれたような銀色の皮膚、背中から尻尾にかけて生えている棘、瞳の無い眼などが特徴の『剛力怪獣シルバゴン』だ。

 

 二体は現れるや咆哮を上げ、民家を踏み潰したり、剛腕で岩山を崩したりなどして暴れ始める。

 

 二体の怪獣の力は凄まじく、民家や建物が次々と破壊され、崩された岩山からは雪崩のように岩が崩れ落ちる。

 

 のどかだった田舎町が一気に怪獣達の地獄に変わり、人々は逃げ惑う。怪獣達はそんな人々をあざ笑うかのように我が物顔に暴れ続ける。

 

 そしてシルバゴンが逃げる人々の一部に追い付き、踏みつぶそうとした。

 

 その時、

 

 「ビクトリーハイパーキック‼」

 

 “ズゴーン”

 

 シルバゴンは突如、上空から現れた『ウルトラマンビクトリー』のV字型の光を纏った右急降下キックを胸部に喰らい転倒する。

 

 シルバゴンを吹っ飛ばしたビクトリーは顔前で両腕をクロスして土煙を上げながら着地する。そしてゆっくり立ち上がりながら構えを取る。

 

 レッドキングは現れたビクトリー向かい地響き立てて走り始め、ビクトリーも駆け寄り始める。

 

 ビクトリーはレッドキングと左右互角なパンチの応酬を始める。だが、レッドキングのパワーは凄まじく、ビクトリーはやや押され気味である。

 

 ビクトリーはレッドキングの大振りの右フックをしゃがんでかわし、腹部に右拳を打ち込み、続けて左アッパーを下顎に決める。

 

 その後レッドキングが怯んだ隙に左右交互に横蹴りを腹部に決め、続けて一回転しての右後ろ回し蹴りを胸部に打ち込んで後退させる。

 

 ビクトリーはレッドキングに右ヘッドロックを掛けるが、レッドキングはそのままビクトリーを持ち上げ、バックドロップの如く後ろに投げるが、ビクトリーは上空で回転して体勢を立て直し着地する。そしてその直後にレッドキングの背部に右横蹴りを叩き込んで吹っ飛ばす。

 

 レッドキングは近くにあった岩を持ち上げ、ビクトリー目掛けて投げつけるが、ビクトリーは避けるどころか、V字型の光を纏った華麗な左回し蹴りで飛んで来た岩を叩き砕いた!

 

 この蹴りはビクトリーの技『ビクトリウムスラッシュ』の応用であり、本来足のクリスタルから発射する黄色の光弾を足に纏ったまま蹴りを放つものである。

 

 砕かれた岩の飛び散る破片の一部がレッドキングの頭部に当たった。これにより逆上したレッドキングはもう一度近くの岩を、投げつけようと持ち上げる。

 

 「ビクトリウムスラッシュ‼」

 

 ビクトリーは即座に右足から回し蹴りの様にビクトリウムスラッシュを発射する。V字型の光弾はレッドキングが投げようとしている岩に命中して爆発。驚いたレッドキングは思わず岩を手放してしまい、自分の足に落としてしまう。

 

 岩を足に落としてしまったレッドキングは大げさなポーズで痛がり始める。レッドキングは怪力自慢で力勝負だと負けないのだが、頭が悪いのが玉に瑕。そのためこのように頭脳的な戦いを挑まれるのに弱いのである。

 

 ビクトリーはレッドキングが痛がっている隙に駆け寄り、スライディングしながらの右足払いをレッドキングの左足元に決めて仰向けに転倒させ、更に畳みかける様に跳躍して前方に一回転しての右踵落としを叩き込む。

 

 「よし、一気にトドメを……」

 

 “バゴンッ”

 

 「‼ぐっ……」

 

 ビクトリーはレッドキングに止めを刺そうとした時、油断したためかシルバゴンの尻尾の一撃を頭部に喰らい吹っ飛ぶ。

 

ビクトリーは立ち上がるが、そこで寄って来たレッドキングの右フックを顔面の左側面に受け吹っ飛び、その後背後からシルバゴンに締め上げられる。

 

 シルバゴンは怪力で首を締め上げるが、ビクトリーは腹部に右肘を数発打ち込み、更に右裏拳を顔面に決めて怯ませる事で何とか脱する。

 

ビクトリーは受け身を取って距離を取った後、膝を付いて止まり、寄って来る二体を見つめ始める。怪力怪獣コンビにどう対処しようか考えているのだろう。カラータイマーは赤く点滅を始める。

 

 「時間が無い、このままでは………」

 

 ……だが、シルバゴンは止まっているビクトリー目前まで近付いた時、突然様子が変わる。

 

 それも、ビクトリーを攻撃する様子は無く、むしろどこにいるのか探しているような感じだ。シルバゴンの様子の変化にレッドキングも動揺する。

 

 シルバゴンは怪力だけでなく体皮も頑丈と、攻守共に優れた強力な怪獣だが、唯一の弱点は視力の悪さであり、動いていないものを確認することが出来ないのだ。ビクトリーはたまたま膝を付いて動きを止めていたため、シルバゴンに攻撃されずに済んだのである。

 

 《ウルトランス! EXレッドキングナックル‼》

 

 ショウは二体が動きを止めた隙に、EXレッドキングのスパークドールズをビクトリーランサーにリードし、右腕をEXレッドキングの拳『EXレッドキングナックル』に変える。

 

 そして、まずは目前のシルバゴンを炎を纏ったパンチで殴り飛ばし、続けてレッドキングに駆け寄りながら一回転しての打撃を腹部に決めて吹っ飛ばす。

 

 ビクトリーは右腕を元に戻しビクトリウムシュートの体勢に入ろうとするが、レッドキングは近くの岩をがむしゃらに投げ始める。

 

 ビクトリーは即座にそれを避けたりパンチ、キックで砕いたりしていく。すべての岩を砕いた後、再びビクトリウムシュートを打とうとするが、気が付いたら二体は既に姿を消していた。ビクトリーが岩を避けている間に地中に逃げたのだろう。

 

 ビクトリーは光と共に姿を消し、『ショウ』の姿に戻る。

 

 「………こんな時にヒカル(ギンガ)がいれば、今の時点で勝てていたかもしれない」

 

 ショウは夜空を見上げながら呟いた。

 

 「ヒカル……今どこにいるんだ?………必ず助け出してやるからな。」

 

 ショウはそう言うと、何処かへ駆け出す。

 

 (あの二体は、恐らく次は霞ヶ崎に現れる……早く櫂達のところへ行かなければ………。)

 

 

 

 そして、夜が明けて7月31日の霞ヶ崎。いつもの様に、朝焼けの日差しが照り、蝉の声が響き、ウキウキと遊ぶ子供たちの声が聞こえる爽やかな夏の朝が来た……。

 

 

 

 が、それも束の間、そんな平和な朝を迎えていた霞ヶ崎の街に突如、一匹の巨大怪獣が現れ、大暴れを始める!

 

 そいつは、背中にこぶを持ち、頭に一本角を持った比較的シンプルな外見が特徴の怪獣『不死身怪獣リンドン』だ!

 

 何の前触れも無く突如現れたリンドンは、怪力で腕や足、尻尾などを使い、ビルや高速道路、マンションなどを次々と破壊し、口からの火炎『フェニックサンディ』を吹きながら傍若無人に暴れ続ける。その姿はまるで暴れる事を生き甲斐としているようだ。

 

 リンドンはこの様に怪獣らしく、怪力や火炎が最大の武器なのだが、別名が示す様に、もう一つ恐るべき能力を隠し持っているようにも思える………。

 

 怪獣頻出期が去った後も僅かながら残っていた自衛隊の戦闘機が出撃してリンドンに攻撃するが、全く効き目が無く、リンドンの暴れるペースは劣る様子も無い………。

 

 リンドンは尚もビルを崩しながら暴れ、人々は突然の怪獣出現による大パニックで我先にと逃げ惑う。

 

 そして、リンドンの頭突きで砕いたビルの破片が、逃げ遅れた親子に襲い掛かろうとしている!しゃがんで泣き叫ぶ女の子に、それを庇うようにしゃがむ母親。絶体絶命の状況に………!

 

 「レッツ、ゼロチェンジ‼」

 

 “ピシャン ギュイイィィィィン”

 

 逃げ惑う人混みとは反対方向に走っていた竜野櫂は、跳躍してウルトラゼロアイを目に当て、光を身に纏い巨大化する。

 

 そして、逃げ遅れて瓦礫に潰されそうになっていた親子を掴み、安全な場所へ降ろす。

 

 親子は自分たちを助けてくれた光の巨人を見上げる。すると、巨人を包んでいた光は徐々に消えていき、『ウルトラマンゼロ』が姿を現す!

 

 (BGM:ウルトラマンゼロのテーマ)

 

 ゼロ「よお、もう大丈夫だぜ。(フィニッシュポーズ)」

 

 女の子「うん、ありがとう!」

 

 女の子はゼロに礼を言った後、母親と共に安全な場所へ移動を始める。

 

 ゼロはゆっくりと立ち上がる。そして、振り向き様に跳躍し、牽制とばかりにリンドンに右足跳び蹴りを打ち込み吹っ飛ばす。

 

 リンドンは瓦礫や土を振るい落としながら立ち上がり、警戒体勢を取る。ゼロは着地してポーズを取った後、リンドン向かって駆け寄る。

 

 二体は組み付き、その衝撃で激しい土煙の柱が上がる。ゼロは腹部に右膝蹴りを決めて一旦引き離す。

 

 続けてゼロはリンドンの右振りを左腕で、左振りを右腕で防いだ後、腹部に右拳を打ち込み、少し後退した所で右前蹴りを腹部に打って追い打ちをかける。

 

 リンドンは角を突き立てた頭突きを繰り出すがゼロはそれを跳躍でかわして、一回転しながらリンドンを跳び越え着地する。

 

 リンドンはゼロの方を振り向き、反撃として火炎・フェニックサンディを噴射する。

 

 ゼロは巨大な光のバリアー『ウルトラゼロディフェンサー』で迫り来る火炎を防ぐ。だが、バリアを消滅させた時、いつの間にか近づいていたリンドンの右振りの殴り込みを胸部に喰らい、左腕を掴まれ、怪力で遠方へと投げ飛ばされる。

 

 地面に落下したゼロは即座に跳ね起きで起き上り、右手で口元を擦る仕草を取る。彼が余裕である証拠だ。

 

 「へッ……やってくれるぜ。」

 

 ゼロは突進して来るリンドンに側転・バク転しながら近づき、目前まで近付くと右手で顔を抑え込んで難なく突進を止め、その後左拳を顔面に打ち込み、続けて跳躍して右拳を胸部に打って後退させる。

 

 リンドンは反撃として左振りの殴り込みを繰り出すが、ゼロはそれを右手で受け止め防ぎ、そのまま腹部に左拳を二発打ち込み、右横蹴りを左横腹に打った後、更に右拳を胸部に打って吹っ飛ばす。

 

 圧倒的な力でリンドンを圧倒していくゼロ。何しろ彼はベリアルやハイパーゼットン等様々な強敵と戦ってきて強くなった歴戦の勇士であるため、怪獣一体ぐらいならほぼ苦戦することなく戦えるのだ。それに加え、現在一体化している人物も超絶な身体能力を有しているため、それにゼロの力が加わった、所謂向かうとこ敵無しのウルトラマンゼロとなっているのである。

 

 二体の激しい戦いに周りの地面は小さな爆発土煙を巻き上げる。ゼロは渾身の右跳び蹴りでリンドンを遠方へぶっ飛ばした。

 

 リンドンはゼロの攻撃で弱りながらも立ち上がり、再びゼロに火炎を噴射するが、ゼロは右横側に跳んでかわし、そのまま右腕を胸の前で曲げて額のビームランプから『エメリウムスラッシュ』を発射!緑色の光線はリンドンの胸部に命中、奴はもうグロッキーだ。

 

 ゼロは受け身を取って立ち上がりながら左手で左側のゼロスラッガーを投げ飛ばす!一つの宇宙ブーメランは凄まじい速さで一直線に飛び、リンドンの首を貫く!ゼロスラッガーで貫かれたリンドンの首元は爆発を起こした。

 

 ゼロは帰って来るゼロスラッガーを頭部に戻す。すると、リンドンの首は時間差で切れ、頭が地面に落ち、体も力尽きたのか、崩れ落ちる様に倒れ込んだ。………恐らく絶命したのだろう。

 

 リンドンが絶命したのを確認したゼロは両手を握り、両腕をそれぞれ顔の横で折り曲げる。すると、ゼロは光に包まれ小さくなっていき、櫂の姿に戻った。

 

 変身を解除した櫂は、駆け付けて来た新田真美と合流する。

 

 真美「大丈夫?櫂君。」

 

 櫂「ああ。楽勝だったぜ。」

 

 櫂は得意げに話す。

 

 ゼロ「ナイスファイトだったぜ。昨日休んだ甲斐があったな、櫂。」

 

 真美「やっぱり凄いわ、櫂君。」

 

 櫂「い…いや、それほどでも…」

 

 ゼロと真美に褒められた櫂は右手を頭の後ろに、照れ笑いをするが、その最中ひっそりと不敵な笑みを浮かべる………。一体今度は何を考えているのだろうか………?

 

真美「私、この後災害地の医療ボランティアに行って来るから、櫂君はゆっくり休んでて。お疲れ様。」

 

真美は櫂にチョコレートを手渡す。因みにチョコレートは彼女の好物でもあり、常に所持しているのだ。

 

櫂「………サンキュー。」

 

櫂は意味深な笑顔で受け取る。

 

真美は、麟慶大学医学部所属で、将来は看護婦を目指している。そのため、高校生辺りの頃からこのように、毎年災害地の医療ボランティアにも積極的に参加しているのだ。

 

櫂「じゃ、頑張れよ、真美。」

 

真美「(笑顔で)うん。」

 

櫂は真美と別れ、貰ったチョコレートを懐に大事そうにしまいながら帰り道を歩く………。

 

 

 

一方、地球目前の宇宙空間に静止しているう宇宙船『テライズグレート』では。

 

バスコ「ど〜だ、俺様の作戦は。」

 

テロリスト星人バスコが自慢気に話す。どうやら昨夜の怪獣や今朝のリンドンは彼が放った怪獣みたいだ。

 

敏樹「ただ怪獣を暴れさせるのが作戦?」

 

櫂達の友人だが、何故か『ウルトラマンテラ』の軍に就いていた青年『桜井敏樹』がバスコに話しかける。

 

バスコ「ん?今日は敏樹か?じゃあテラ様はいないのか。」

 

バスコは意味深な言葉を言いながら敏樹に気付く。

 

バスコ「どうよ?理屈よりもとにかく怪獣を暴れさせて人々の恐怖・苦しみからマイナスエネルギーを集める。…手っ取り早くて素晴らしい作戦だとは思わないかい⁉︎現に今でも、マイナスエネルギーが集まりつつある!」

 

バスコは自画自賛するかの様に作戦を話す。するとその言葉に反応してナックル星人ゲドーがやって来る。

 

ゲドー「良いじゃないか、バスコ。これで良いんだよ!キョウみたいにチマチマ作戦立てるよりも手っ取り早くて良いぜ!」

 

バスコ「うおっ?分かってくれるじゃねーか、お前とも良いダチとなりそうだぜ」

 

ゲドー「いやーそうかそうか。」

 

バスコ・ゲドー「「ハハハハハハ!」」

 

バスコとゲドーは、まるで酒を飲んだ酔っ払い同士の様に話が弾み、笑い合う。だが敏樹はその様子を、どこか冷やかな眼差しで見つめていた。

 

敏樹「でも、一体(リンドン)はもう倒されてしまったじゃないか。」

 

バスコ「ま〜だまだ!お楽しみはこっからだぜ。じっくり見てくれよ。俺がすぐに必要なマイナスエネルギーを集めて差し上げますからね!」

 

バスコは上機嫌で敏樹に言った後、ゲドーと共に笑いながら歩き去って行った………。

 

敏樹「ったく……これだから野蛮な連中は………。」

 

敏樹は何処か意味深な事を言いながら、冷やかな視線で歩き去るバスコ達を見つめていた………。

 

 

 

場所は地球に戻る。ゼロがリンドンを倒して約二時間後のP.M.13:00頃、櫂は『豪快パイレーツ』の伊狩鎧、『特急レインボー』のライトとミオ、カグラの手伝いとして、楽器を、預けていた楽器屋さんに取りに行く最中だった。

 鎧「いや~すいませんね。手伝ってもらって。」

 

櫂「まあ、良いってことよ。ライブも明日だし、俺も歌うしな。」

 

 豪快パイレーツ、特急レインボーは、翌日の8月1日、麟慶大学の恒例行事『夏休みライブ』を控えていた。これは、麟慶大学軽音部のバンドが勢ぞろいし、盛り上がるライブを展開する、売店付きの、大学以外からも客が集まるほど人気のイベントである。

 

 一番の目玉は、櫂と真美がゲストボーカルとして参加する事であり、櫂は豪快パイレーツの演奏で『青い果実』、真美は特急レインボーの演奏で『飛び立てない私にあなたが翼をくれた』を歌うのだ。

 

 因みに豪快パイレーツの代表曲は『英雄』、特急レインボーの代表曲は『ウルトラ6兄弟』である。

 

 櫂はこのライブの手伝いをしているのだ。

 

 鎧「頑張りましょうね櫂さん!」

 

 ライト「俺には見えている。明日素晴らしいライブが展開されるのを!」

 

 ミオ「二人とも、気を付けないと楽器落っこちちゃうよ。」

 

 ミオは楽器を持ちながらはしゃぐ鎧、ライトを注意する。

 

 櫂「きっと良いライブになると思うぜ。俺と真美も頑張るよ。」

 

 カグラ「うん、そうだね。きっと良いライブになるよね。(できたらヒカルさんにも聞かせたいな………)」

 

 カグラは今でも、闇落ちしているヒカルが気掛かりだった。

 

 その時、櫂達の反対側から真美が歩いてきた。

 

 櫂「お、真美。ボランティアお疲れ。」

 

 真美「ええ………。」

 

 櫂の言葉に真美は反応するが、何処か笑顔が固かった。それどころかよく見てみると、一人の子供を連れて来ていた。見た感じ九歳ぐらいの男の子だった。

 

 櫂「?何かあったのか?」

 

 真美「それが………一応全員の治療は完了したの…。でもほら、怪獣、いきなり出て来たでしょう………?だから、逃げ切れなかった死傷者も結構いたの………。それに、昨夜の怪獣災害の負傷者も結構来ていて………」

 

 真美は子供の方に視線を向ける。

 

 真美「この子のお母さんも、さっきの怪獣によって重傷を負って………今、病院で診てもらってるんだけど、まだ意識が戻ってないの。」

 

 真美の言葉に、子供は泣き始め、真美は子供目線でしゃがんで優しく頭を撫でる。

 

 その言葉を聞いた櫂達も深刻な顔になり、櫂は密かに拳を強く握る。

 

 櫂「………俺…いや、ウルトラマンがもっと早く来てくれれば……。」

 

 真美「櫂く……ウルトラマンは何も悪くないよ。」

 

 「いや、ウルトラマンのせいだ!」

 

 突然子供が涙声で叫び、櫂達は驚く。

 

 「ウルトラマンは何のんびりしてんだよ‼あの時もっと早く来てくれれば、母さんも怪我せずに済んだじゃないか‼」

 

 子供は悲しみと共に半ばやり場のない怒りでウルトラマンを責める。

 

 櫂は密かに舌打ちしながらも、いつもの『良人モード』で子供に駆け寄り、子供目線でしゃがみ込む。

 

 櫂「ウルトラマンだって、一生懸命やってるさ。」

 

 櫂の言葉を子供は聞き始める。

 

 櫂「だが、この世界あちこちに悪がうろついてやがる。だからウルトラマンも、ここだけじゃなく、そいつらを倒すのにも精一杯なんだ。何故だか分かるか?」

 

 子供は櫂の言葉を聞き始める。

 

 櫂「この世界に存在する、すべての命が美しいからだ。例えそれが悪い人でも、良い人でも…命はこの世に生まれた……それだけで美しい物なんだ。それらを守るため、彼らは命がけで…いろんな所の悪と戦う…ここだって、そんな命を守るため、他方で悪がうろつく中、急いで駆けつけてくれた。だから君のお母さんも死なずに済んだんだ。」

 

「……ウルトラマンは、僕たちの為に戦ってくれてるの?」

 

櫂の言葉に子供は納得し始める。

 

櫂「ああ。全ては、君みたいな境遇の子を、これ以上増やさない為なんだ。」

 

櫂は子供の肩に手を置く。

 

櫂「ウルトラマンは全ての怪獣を必ず倒し、君のお母さんも必ず元気になる……マイナスに考えずに信じるんだ。そうすれば、希望は訪れる。」

 

「うん!」

 

子供は涙を拭いて少し笑顔で頷く。櫂の言葉を納得してくれたみたいだ。真美は櫂を笑顔で見つめる。

 

櫂も安心の笑みをみせるが、その一方で密かに不敵な笑みを浮かべていた………。

 

 真美「お母さんのところは、私も一緒にいてあげるから、元気出してね。」

 

 真美は再びしゃがみ、子供に語り掛け、子供は笑顔で頷く。

 

 その後、櫂は立ち上がる。

 

櫂「ゼロ……これ以上こうならない為にも、」

 

ゼロ「ああ、早く悪を殲滅しないとな。」

 

櫂はゼロと、左腕のウルティメイトブレス(以降:UB)を通じてひっそり決意の話をする。

 

そして、櫂と真美は見つめ合う。まるで、言葉を話さなくても意思が一致してるかのように。最も、一致してない物もあるのだが……。

 

鎧「あの〜、ところで、今朝倒した怪獣は何ですか?」

 

鎧が問いかける。彼はあの時、たまたまリンドンの現場にいなかったのだ。

 

櫂「ああ、確か〜…リンドンとかいう奴だったな。安心しろ。首チョンパしてやっつけてやったぜ。」

 

その時、鎧の顔色が変わる。

 

鎧「…リンドン…首チョンパ…!櫂さん、その死体は⁉︎」

 

櫂「死体?…あー…たぶん死体処理班が間に合ってなくて、今頃まだ街の真ん中で転がってるかもな。」

 

鎧「大変です‼︎今すぐ死体を跡形もなく焼いてください‼︎」

 

鎧は突然騒ぎ始める。

 

櫂「⁉︎、どうしたんだよ一体………?」

 

 

 

一方、霞ヶ崎と森林をつなぐ草原に立っているショウは、懐からビクトリーランサーを取り出す。そして、前に突き出して念を入れ始めた。

 

そして、ビクトリーランサーから放たれた光に包まれた後、目を開けると、ショウは闇の空間のような所に立っていた。

 

そして目前には……闇を放つ一人の人間が立っていた……その人はショウと同じ『UPG』と刻まれたオレンジのスーツを着ている……。

 

そう、なんとショウの前に闇落ちした礼堂ヒカル(以降:闇ヒカル)が立っているのだ!ショウはビクトリーランサーの力により、ギンガダークにライブしている闇ヒカルの精神世界に来ているのだ。

 

ショウは精神世界に来てまで、ヒカルを説得しようとしているのだろうか……?

 

闇ヒカル「!お前は……ショウなのか?」

 

ショウ「ヒカル……随分と荒れてるみたいだな。」

 

闇ヒカル「何しに来た?俺は少しでも早く、ダチを殺す奴らを倒さなければならないんだ!」

 

ショウ「お前は騙されてるだけだ。」

 

ショウは闇ヒカルに語りかけるが、闇ヒカルは聞く耳を持とうとしない。

 

闇ヒカル「邪魔するなら…容赦しない‼︎」

 

闇ヒカルはショウに襲いかかる。闇ヒカルは右フックを繰り出してショウはそれをしゃがんでかわし、右アッパーを繰り出すが闇ヒカルはそれを体を反らしてかわす。

 

その後ショウは右横蹴りを繰り出し闇ヒカルはそれを左腕で弾いて防いだ後右横蹴りを繰り出し、ショウはそれを左腕で防ぐが、その直後打ってきた左前蹴りを胸部に食らってしまう。

 

スピーディーに格闘する二人。だがショウは、あくまでヒカルを説得するために来たため、やや控えめだった。

 

ショウはヒカルの両肩を掴み抑え込むが振り払われ、ヒカルは左手でショウの胸ぐらを掴み、殴ろうと右拳を振り上げる‼︎………

 

が、その時、突然闇ヒカルの動きが止まる。そう、かつてヒカルとショウが出会ったばかりでまだ考えの違いで対立していた頃、ショウがヒカルの胸ぐらを掴んで殴ろうとして思いとどまった時の様に………。

 

 ショウ「やはりな………」

 

 ショウの思わぬ言葉に闇ヒカルは少し目を見開いて驚く。

 

 闇ヒカル「……どういう事だっ⁉」

 

 ショウ「お前の心はまだ完全に闇に染まっていない。」

 

 ……ショウは気づいていた。ヒカルの心は僅かながら完全に闇に染まってなかったと言う事を。正のヒカルが闇のヒカルと戦い続けている証だ。ショウの言葉を聞いた闇ヒカルは少しためらった後、掴んでいた胸ぐらを放し胸を突き飛ばす。

 

 ショウ「…完全に闇に染まってない間に教えてやろう。」

 

 ショウはついに本題を放し始める。闇ヒカルは一旦ストップして聞き始める。

 

 ショウ「お前は確かテラとかいう奴に、この世に存在する全ての者はお前の友人を殺そうとしていると言われたな。」

 

 闇ヒカル「…何が言いたい⁉」

 

 ショウ「……実はな、この世に存在する者全てにお前の友人を殺す様に命じている張本人を見つけたのだ。そいつを倒せば、お前の友人は殺されずに済む。」

 

 ショウの言葉に闇ヒカルは「はっ!」と反応する。

 

 ショウ「どうやらそいつは死ねない体の様でな、完全に撃破しないと倒せない相手なんだ……。できればお前と一緒に倒したいのだがな。」

 

 ショウの言葉に闇ヒカルは何かを考え始めたのか、俯き始める。

 

 ショウ「お前にこれが伝えたくて来たんだ。ま、どうするかはお前が決めるがいい………。」

 

 そう言うとショウは、光と共に姿を消し、現実世界へ戻って行った。

 

 残された闇ヒカルは、尚も俯き続ける。ショウが闇ヒカルに言った言葉は、一体何を意味しているのだろうか………?

 

 

 

 場面を櫂達に戻す。

 

 真美「じゃあ櫂君、頑張ってね。」

 

 櫂「おう。真美はその子のお母さんを、見守っててくれ。」

 

 子供は真美と共に、母親が入院している病院へと向かい歩いて行った。

 

 ライト「……勝ちに行くんだね?櫂。」

 

 櫂「おう。分かってくれるじゃねーかライト。俺にはもう、怪獣に勝っているイマジネーションが浮かんでるぜ。」

 

 ライト「ヘヘッ、言ってくれるじゃん。」

 

 カグラ「……どうか気を付けて。」

 

 ミオ「無理しないようにね。」

 

 櫂「ハハハ、心配すんなって。俺を誰だと思ってんだ?」

 

 そして櫂は鎧の方を向く。

 

 櫂「ありがとな、鎧。まさかリンドンが再生する怪獣だったとは。」

 

 鎧「いえいえ、では櫂さん、頑張ってきてください!」

 

 櫂「おう!」

 

 櫂は鎧からリンドンの能力を教えてもらったのだ。リンドンは『不死身怪獣』と肩書が示す通り、驚異的な生命力を持ち、背中のこぶに詰まった再生細胞と強靭な心臓を持っているため、例え首を切断されてもしばらくすると首がくっ付いて再生してしまうのだ。

 

 櫂「さ~て、まずはリンドンの死体を念入りに焼いてきますか。」

 

 櫂はリンドンの死体処理に向かおうとゼロアイを出そうとする。

 

 と、その時、

 

“ズドーン”

 

突如、少し遠くの霞ヶ崎のビル街の二ヶ所の地面が爆発と共に土柱を起こし、中から二体の怪獣が現れる。櫂達は驚き振り向く。

 

そいつらは、昨夜山中の田舎町で暴れたシルバゴンとレッドキングだ!

 

二体は現れるや剛腕でビルを崩しながら暴れ始める。

 

ビルが並び立つ街で怪獣がビルを発泡スチロールの様に容易く崩し暴れる光景は、正に怪力自慢の怪獣が現れる所を際立たせる。

 

暴れる二大怪獣を見つめながら、櫂は何かを決意したかのような表現になる。

 

櫂「………行ってくる。(サムズアップ)」

 

ライト「ああ。」

 

ミオ「櫂君…」

 

カグラ「気をつけてね。」

 

鎧「やっちゃってください櫂さん! でも、レッドキングとシルバゴンは強力な怪力怪獣です。気をつけてくださいね。」

 

櫂「ああ。誰が相手だろうと、俺は負けないぜ!」

 

鎧達に見送られる櫂が向かおうとしたその時、

 

ショウ「俺も行くぜ。」

 

何処からかショウも歩み寄ってくる。

 

櫂「ショウ…!」

 

ショウ「俺は昨夜こいつらを逃してしまった…だから、それによって出来てしまった災害のためにも、俺はあいつらを倒さなければならない。」

 

櫂「……そうか…そうだな。これ以上、誰かの涙を見ないためにも(やや本心:これ以上、自分様がディスられないためにも)奴らを倒そうぜ!」

 

櫂はショウと見つめ合いながら二体を倒すことを誓う。半ば本心である自分がディスられず讃えてもらうため、半ば人々(特に真美)の笑顔のためという複雑な心境で……。櫂はまたしてもひっそりと何か企んでるような顔になる………。

 

ショウ「行こう、櫂。」(ビクトリーランサーを取り出す)

 

櫂「ああ、こっからは、男と男の戦いだ!」(左腕を胸の前で折り曲げる)

 

櫂のUBからウルトラゼロアイが現れる。櫂とショウは、鎧達を後ろに横に並び立つ。

 

そして、二人のW変身が始まった!ショウはビクトリーランサーから現れたビクトリーのスパークドールズをビクトリーランサーにリードする。

 

《ウルトライブ‼︎ウルトラマンビクトリー‼︎》

 

ビクトリーランサーの先端の矢尻の部分が開き、ビクトリーの顔を象った彫刻が現れる。

 

櫂は左腕を胸の前で折り曲げ、UBから現れたウルトラゼロアイを浮遊させた状態で呼吸を整える。

 

櫂「レッツ、ゼロチェンジ‼︎」

 

櫂は掛け声を上げ、ゼロアイはそれに応えるかのように櫂の目にくっ付く。

 

そして、二人は眩い光に包まれて巨大化する。そして、徐々に消えていく光の中からウルトラマンビクトリー、そして、ウルトラマンゼロが現れた!

 

その様子は、遠くの病院にいる真美達も病院の窓から見ていた。因みに子供の母親のお見舞いに眞鍋海羽も来ていた。

 

海羽「来たわ!櫂君達。」

 

真美「(子供を見ながら)安心して……あのウルトラマン二人が、絶対怪獣を倒してくれるから。」

 

子供「……うん。」

 

海羽「あの威厳ある立ち姿……私は変身しなくてもいいみたいね……。」

 

海羽は、雄々しく立つゼロとビクトリーの姿に何かを察したのか、戦闘を止めて見守る事にする。

 

子供「え?変身って?」

 

先ほどの言葉が子供に聞こえてしまった。

 

海羽「へっ⁉︎(←裏声で)……え、え〜と、あれだよ!私、チアガールに変身して応援しようかな〜と思ってたけどその必要無いかな〜……ってな感じ〜」

 

海羽は、自身がウルトラ戦士である事を真美達以外に知られる訳にはいかないため、何とか苦し紛れの誤魔化しを披露する。

 

子供「……ぷっ、何だそれ、ハハハハハ…」

 

子供は、海羽が苦し紛れで言った誤魔化しを、可笑しな冗談だと思い笑い始め、つられて真美も笑い、そして、海羽も笑い始める。

 

病室はもはや、安心の色で染まっていた。

 

 

 

(BGM:ウルトラマンゼロのテーマ)

 

ゼロ「(横向きに二体に指を差して)よお……覚悟は出来てんだろうな…?」

 

ショウ「今度こそ、お前らをぶっ倒す!」

 

二人は気合いを入れる。だが二大は、暴れるのに夢中なのか、二人にまだ気づいていない。これは怪力怪獣であり、脳筋コンビの表れなのだろうか?(笑)

 

しばらくすると、シルバゴンがゼロ達に気づく。

 

ゼロ「…っておい!ようやく一体気づいたのかよ、遅せーんだよ‼︎」

 

ゼロは軽口と共に飛び上がる。そして、太陽までに届くかのように高く飛んだ後、そこから急降下してレッドキングに背後から右脚蹴りを浴びせる!

 

 背後から蹴りを入れられたレッドキングは吹っ飛び、近くのビルに激突する。レッドキングは驚きながらもすぐさまゼロの方を振り向く。

 

 レッドキングはゼロ向けて突進するが、ゼロは跳躍して背中にチョップしながらそれを難なく受け流す。レッドキングは勢いが止まらず、ビルとビルの間に頭を突っ込み挟んでしまう。ゼロは早くもレッドキングの脳筋さに気づき、それを活かしたのだろう。

 

 レッドキングが抜け出そうともがいてる間に、シルバゴンがゼロに突っ込む。

 

 ゼロは突進してくるシルバゴンの頭部の角を掴んで食い止め、そのまま跳躍して顎に左膝蹴りを入れ、その後腹部に右前蹴りを打ち込む。

 

 ゼロがシルバゴンと組み合ってる最中、ようやく抜け出たレッドキングはゼロ目掛けて突っ込む。だがゼロは既に見切っていたのか、組み合ったまま跳躍して、後ろから寄って来るレッドキングに後ろ両足蹴りを胸部に打ち込む。

 

 そしてレッドキングが怯んだ隙に、角を掴んで抑えていたシルバゴンをレッドキング目掛けて押し飛ばす。二体は激突した後、転倒した。

 

 何かを考えながら、ゼロの強さを改めて見つめるビクトリー。自身及びギンガも戦いを重ねればあれほど強くなれるのだろうか……そして強くなれば闇に負ないのだろうか……恐らくそう考えているのだろう。

 

 ゼロは二体の攻撃を難なくかわしながら、側転してビクトリーの元へ。

 

 ゼロ「おーい、何ボサっとしてんだ?一緒にこいつら倒そうぜ!」

 

 ショウ「……おう!」

 

ゼロ「……さあ、お前ら、罪のない者を恐怖に陥れた罪、重いぜ‼︎」

 

 二人のウルトラマンは構えを取った後に地面を蹴り、二体目掛けて勢いよく飛び込む。

 

ウルトラマンゼロVSシルバゴン、ウルトラマンビクトリーVSレッドキングと、それぞれの戦いが始まった!

 

ゼロは飛び掛かると、その落下スピードを活かして右肘打ちを胸部に打ち込む。

 

(BGM:DREAM FIGHTER)

 

シルバゴンは怯みながらもそのゼロの右腕を掴み、怪力の一本背負いでゼロを投げるが、ゼロは体制を立て直し、シルバゴン目前で着地する。

 

そして、逆にシルバゴンの右腕を左手で掴み上へ上げた後、腹部に左拳を叩き込み、続けて腹部に右膝蹴りを打ち込む。

 

シルバゴンは反撃として左腕を振るうが、ゼロは即座にそれを右腕で掴んで受け止め、そのまま左拳で腹部にパンチを連打する。

 

その後、シルバゴンは今度は右腕を振るうがゼロはそれをしゃがんでかわし、その後腹部に左膝蹴りを叩き込み、その後畳み掛けるように高めの左横蹴りを右半身に連打し、相手が怯んでしゃがんだところで跳躍して右足を大きく振り上げ、渾身の踵落としを叩き込み転倒させる。

 

流石はゼロは歴戦の勇士だけあって、剛力怪獣を苦戦する事なく圧倒していく。

 

シルバゴンは起き上がった後、今度は一回転して、大きく尻尾を振って攻撃を仕掛けるがゼロはそれを跳躍してかわすと同時に尻尾を両脚で挟み、そのまま宙に浮いたまま回転する事でスピンさせて地面に叩きつける。

 

その後ゼロは着地すると、横たわるシルバゴンの尻尾を掴み、力一杯放り投げ地面に叩きつける。

 

ビクトリーはレッドキングと格闘戦を展開していた。両者は互いの手を掴み合い、力比べを展開する。ビクトリーはレッドキングの怪力により両腕を下にねじ下ろし締め上げられそうになる。

 

ショウ「ビクトリウムバーン‼︎」

 

ビクトリーはレッドキングの右腕に左膝蹴りを打ち込んだ後、ゼロ距離でビクトリウムバーンを浴びせる事で何とか締め上げを振り解く。

 

その後ビクトリーはレッドキングの左足元に右ローキックを放ち、バランスを崩したところで更に右ハイキックを左半身に連発し、その後跳躍しての左足蹴りを胸部に打ち込んで後退させる。

 

《ウルトランス!グドンウィップ‼︎》

 

ショウはビクトリーランサーに『地底怪獣グドン』のスパークドールズをリードしてビクトリーの右腕をグドンの鞭『グドンウィップ』に変形させる。

 

そして、グドンウィップをレッドキングの首に巻き付けて思い切り引っ張り転倒させる。

 

ショウ「まーけーるーかーーー‼︎」

 

ショウは気合いの叫びと共に走りながら、右腕の鞭でとらえたレッドキングを引きずる。そしてしばらく引きずった後、力一杯右腕を振るい放り投げた。

 

ビクトリーは右腕を戻した後、首筋に右手のチョップ一閃!そしてその後、首筋を両手で掴んでそのまま持ち上げる『ネック・ハンギング・ツリー』を決める。レッドキングは、喉が詰まって苦しいのか、手足をバタつかせてもがき苦しむ。ここまで来ると、もはやどちらが怪力自慢か分からない(笑)

 

レッドキングを締め上げているビクトリーは、そのままジャイアントスイングで振り回して地面に叩きつける。

 

そして畳み掛けるようにレッドキングの首を掴み、豪華な首投げで地面に叩きつける!

 

ビクトリーは、いつもはスタイリッシュに戦うのだが、今回は怪力怪獣が相手故か、それともいつもより気合いが入っているのか、果てや怒りからか、レッドキング相手にパワフルに戦う。レッドキングは立ち上がるが、立て続けに投げ技を喰らった事で完全に弱っていた。

 

一方のシルバゴンと交戦しているゼロ。ゼロは両手で角を掴み、首投げの要領で投げつける。シルバゴンはレッドキングの側に落下する。

 

ゼロはビクトリーと並び立つ。

 

ゼロ「さ〜て、これで止めだ‼︎」

 

ゼロはUBを右手で叩き、エレキギターのようなサウンドと共に炎に包まれ『ストロングコロナゼロ』へと姿を変える。そして再びUBを右手で叩き、左腕に炎のエネルギーを溜める。

 

ビクトリーは両手でV字型のエネルギーを描き、それを右手に集めて腕を十字に組む。

 

ショウ「ビクトリウムシュート‼︎」

 

ゼロ「ガァァァルネイト、バスターーー‼︎」

 

ビクトリーは十字に組んだ腕からV字型の必殺光線『ビクトリウムシュート』を、ゼロは突き出した左拳から炎状の強力光線『ガルネイトバスター』を放つ!

 

ガルネイトバスターはシルバゴンを、ビクトリウムシュートはレッドキングをそれぞれ直撃!光線を浴びた二体は大爆発を起こし、二人はその爆風を背にポーズを決める。

 

子供「やったあ、やったあ、やったあー!」

 

海羽「やったねー!」

 

子供は海羽と手と手を取り合って、ウルトラマンの勝利を喜ぶ……と思ったら海羽はいつの間にかチアガールの格好をしていた。恐らく途中で着替えて応援していたのだろう(笑)

 

真美は笑顔でウルトラマン達を見つめ、言葉に出さずに喜びを見せる。

 

余談だがこうして見ると、子供っぽい海羽と大人っぽい真美とで喜び方に若干違いが見られるだろう(笑)

 

 

 

 

だが喜ぶのも束の間。………そう、ゼロに首を切り落とされ死体となったリンドンの頭の目が光り、頭が磁石に引き寄せられるかの様に体にくっ付く。そして起き上がった。

 

リンドンが復活したのである!

 

リンドンは復活するや否や暴れ始め、二人のウルトラマンはそれに気づき身構える。

 

ショウ「後はこいつだな。」

 

ゼロ「さあ、行くぜっ‼︎」

 

二人がリンドンに掛かろうとした時、突如上空から降り注いだ光の中からテロリスト星人バスコが現れる。

 

バスコ「やってくれるねウルトラマン共。だが、俺様のとっておき(リンドン)を倒せるかな〜?」

 

バスコはリンドンに加勢してゼロ達を倒そうとしている。リンドンは恐らく粉々にしても蘇るだろうから完全に細胞を破壊しないといけない…その為にはどうすればいいのか?二人はそれを思い、立ち止まる。

 

バスコ「…怖気付いたか⁉︎なら、俺様も暴れちゃうもんね〜」

 

バスコも手に持った剣『テロリストソードワイルダー』を振り上げ暴れようとする。

 

………その時だった。

 

ゼロ「…!ッ、何か上空から来るぞ!」

 

ゼロは早くも殺気を感じて上空を見上げ、ビクトリーも上空を見上げる。バスコもそれに気づき見上げる。

 

空の彼方から、何やら黒いオーラの様な物を放ちながら一つの影が飛び降りてくる。

 

そして降りてくるや、強烈な右拳をリンドンの胸部に打ち込んで吹っ飛ばし、着地する。

 

それを見たショウは驚愕する。飛んで来て着地したそいつはギンガダークだった!

 

それを知ったゼロも驚愕する。何しろ、かつてギンガダークと戦い、躊躇してたとは言え敗れた事があるのだから…。

 

ショウ「…ヒカル…。」

 

ゼロ「何てこった…こんな時にギンガダークまで……!」

 

ギンガダーク初見の櫂と真美、海羽は少し警戒している様だった。

 

ライト・カグラ「‼︎ヒカルさん⁉︎」

 

鎧「え?……ヒ、ヒカルさん?」

 

ミオ「二人共、あの巨人の事を知ってるの?」

 

ライトとカグラは驚きながらも、ギンガダーク初見の鎧とミオに、自分達がかつてギンガに助けてもらった事、その直後にギンガが闇落ちしてしまった事(第4話参照)などを話した。

 

鎧「……て事は、あ、あ、あれは伝説のウルトラマン……ウルトラマンギンガって事ですかー⁉︎」

 

鎧は、唐突にこの世界では存在を知られておらず、伝説として語られているウルトラマンギンガの闇落ちした姿だと知って驚きと共に、ギンガを見れた喜びからか興奮する。

 

ミオ「…信じられない……。」

 

バスコ「おお、これはギンガダーク。丁度良い。3対1でこいつら倒そうぜ!」

 

バスコの言葉にギンガダークは了解したのか、上を向いて雄叫びを上げる。

 

ゼロ「くっ……上等じゃねーか‼︎」

 

ゼロは覚悟を決め、ギンガダークと戦おうとしたその時、ビクトリーはギンガダーク目掛けて駆け寄り始める。

 

ゼロ「⁉︎ショウ、何をする気だ!」

 

ゼロの言葉も聞かず、ビクトリーはギンガダークに駆け寄り、両肩を掴む。

 

ショウ「ヒカル!良い加減目を覚ませ!」

 

だが、ギンガダークは問答無用でビクトリーに殴りかかる。ビクトリーは連打してくるパンチを避けながら語り続ける。

 

ショウ「全員に、お前の友人を殺せと命じている張本人が、今ここにいるんだぞ!」

 

ギンガダークを必死に説得するショウの姿をゼロは見つめている。

 

櫂「どうしたんだ?ゼロ。」

 

ゼロ「…ここはアイツ(ショウ)に任せようぜ。」

 

ゼロはどうやら何かを察したみたいだ。

 

ビクトリーは、パンチを打ってくるギンガダークの拳を受け止めるが、その直後に右膝蹴りを腹部に食らう。だがそれでも怯まず語りかける。

 

ショウ「…お前言ったよなあ……「仲間がいるから、俺は強くなれた」と……そんなお前が、仲間のために弱くなってどうするんだ⁉︎」

 

ショウの意味深な言葉にギンガダークは少し俯き、ためらう様な反応をするが、再びビクトリーに襲いかかる。

 

ビクトリーは再び殴りかかってきたギンガダークと組み合う。

 

ショウ「…俺は信じてるぞ……お前がそれ程ヤワじゃないってな。」

 

ビクトリーの語り掛けにギンガダークは僅かながら攻撃の手が緩み始めている様だった。ビクトリーとギンガダークは組み合続ける。

 

バスコ「ハハハハハ、良いね〜こう言う仲間同士の潰し合いって。」

 

バスコは二人の戦いを見つめ笑う。

 

バスコ「面白いところだが、そろそろ二人まとめて殺っちゃおう。リンドン、焼き殺せ!」

 

バスコの指示に応じたリンドンは、組み合ったまま離れないビクトリーとギンガダーク目掛けて火炎を噴射する。

 

炎は二人を包み、やがて大爆発を起こした!爆発は凄まじく、二人が木っ端微塵になってもおかしくない程である。

 

ゼロ「ヒカル!ショウ!」

 

ライト「ヒカル!」

 

カグラ「ヒカルさーん‼︎」

 

ゼロを始めるほとんどの人は、二人のウルトラマンは死んだのだと悟り始める………。

 

が、その時、爆風から何やら青白い光が現れて爆風を吹き飛ばし、白い煙だけが残った。

 

ゼロ「⁉︎……何だ?今のは………。」

 

 白い煙は徐々に消えていき、ゼロを始め全員それを見つめる。すると、全員ある違和感に気づく。

 

 煙の中から一つのしゃがんでいる影が、連続で光を発しながら現れるのが見える。それはギンガのように見えるが、よく見るとビクトリーの様な模様もあり、外見も派手なものになっている……。

 

 やがてその巨人は、立ち上がると共に気力で煙を全て吹き飛ばす。

 

 現れた巨人は、ギンガの姿にビクトリーの意匠が加わった派手な外見が特徴の『ウルトラマンギンガビクトリー』だ!

 

 ゼロ「…‼︎ギ、ギンガビクトリー⁉︎」

 

 ギンガビクトリー登場に全員、特にゼロは驚愕する。

 

 ギンガビクトリーは、ギンガとビクトリーが合体(フュージョン)した超強化形態であり、かつてヒカルとショウが、『時空魔人エタルガー』という強敵を倒すためにゼロから受けた特訓をクリアした際に、ゼロからヒカルに与えられた『ウルトラフュージョンブレス』にビクトリーランサーをタッチする事によりより変身する。

 

 また、ウルトラフュージョンブレスにはゼロ達平成ウルトラ戦士の力が宿っているため、ティガ〜ゼロまでの平成ウルトラマンの必殺技も使えるなど、正にチート級の強さを誇るウルトラマンなのだ。

 

 さっきまで戦い合っていて、それどころかギンガは闇落ちしていたのに何故ギンガビクトリーになれたのか……?ゼロの動揺は止まらない。

 

 ギンガビクトリー内の光の空間で、二人は会話する。

 

 ヒカル「ショウ……俺は一体……。」

 

 ショウ「やっと戻れたな。ったく……心配かけやがって。」

 

 ヒカル「…何だか知らねーが、とにかくあいつ倒そうぜ!」(リンドンを指差す。)

 

 ショウ「おう!」

 

 (BGM:ウルトラマンギンガの歌 2015)

 

 呆気に取られているゼロ達を他所に、ギンガビクトリーは構えを取る。

 

 バスコ「どんな姿になろうと、俺様の自信作は倒せないぜ‼」

 

 バスコはリンドンと共に駆け寄り始める。

 

 ヒカル「そいつはどうかな?」

 

 さっきまでダークだったヒカルの表情は、いつもの明るさを取り戻していた。

 

 因みに観戦している鎧達はと言うと、鎧は見たことないウルトラマンの登場に興味津々で、カグラは嬉し泣きし、ミオはそんなカグラの頭を撫でる。

 

 ギンガビクトリーは、直立したまま突進してきたリンドンの角を右手でつかんで余裕で止める。そして右拳を胸部に叩き込む。

 

 殴り飛ばされたリンドンは数百メートル吹っ飛んで地面に落下した。

 

 櫂「………強ええ…。」

 

 ゼロ「流石だな、あの二人は。」

 

 リンドンは今度はバスコと共に掛かる。ギンガビクトリーは再び突進してきたリンドンを抑え込むが、その隙に後ろからバスコが斬りかかろうとする。

 

 だが、ギンガビクトリーはリンドンを掴んだまま、後ろのバスコが振り下ろして来た剣を左足蹴りで弾き、その後リンドンに右ヘッドロックをかけて地面に叩きつける。

 

 バスコは今度は右横に剣を振るうがギンガビクトリーはそれをしゃがんでかわし、腹部に右前蹴りを打ち込む。

 

 少し怯みながらもバスコは今度は上から振り下ろすがギンガビクトリーは素早くバスコの右側に回り込み、剣を振るう右腕を右手で掴み、そのまま腹部に左拳を決め、更に背部に左横蹴りを打ち込んで吹っ飛ばす。

 

 今度はリンドンが殴りかかる。ギンガビクトリーは振って来たリンドンの左腕を右腕で防ぎ、胸部に左右交互にパンチを打った後一回転して腹部に右拳を叩き込む。

 

 リンドンは反撃として右腕を振るって殴りかかるが、ギンガビクトリーはそれを左腕で防ぐと同時に腹部に右拳を決め、そのまま続けてパンチを連打した後に胸部に左前蹴りを打ち込んで吹っ飛ばす。

 

 バスコとリンドンの二体がかりを圧倒するギンガビクトリー。ギンガビクトリーは、平成ウルトラ戦士達を圧倒した強さを誇るエタルガーを倒した程の強さを持っているため、並みの怪獣に宇宙人が加わった程度の相手なら敵ではないのだ。

 

 鎧「あのウルトラマン、とんでもなく強いですよ~!」

 

 ミオ「(笑いながら)も~鎧君ってばそれにしか興味が無いの?」

 

 ミオ達は安心もあり、笑い合う。

 

 ゼロも再び二人の成長ぶりを感じたのか、戦いを見つめながら頷く。

 

 櫂「…結構やるじゃねーか。」

 

 ヒカル「お前は再生できる、死ぬ事の無い体みたいだが、それだからこそ俺達には勝てない。」

 

 ギンガビクトリーのヒカルはリンドンを見つめながら意味深に語り始める。

 

 ヒカル「お前は不死身だからこそ、命の価値が分かっていないんだ。命とは、限りがあるからこそ美しく、価値がある。………自身は死ぬことが無く、他の命を簡単に切り捨てるお前なんかに、俺達が負ける訳ないんだ‼」

 

 ヒカルはウルトラフュージョンブレスを構える。

 

 鎧「気を付けてください!リンドンは再生する怪獣です!完全に破壊しないと倒せません!」

 

 鎧はギンガビクトリーにアドバイスする。

 

 ヒカル「サンキュー。なら、とっておきの技があるぜ。」

 

 ヒカルはフュージョンブレスのギンガビクトリーの横顔を象ったレリーフを回転させて『必殺技モード』に変えた後、レリーフの内側にあるウルトラ十勇士の姿があしらわれたディスク『ターレット』を回転させ、スイッチを止める。

 

 ディスクには、受け継がれていく光、そして、絆の力で戦うウルトラ戦士『ウルトラマンネクサス』の顔が現れる。

 

 ヒカル・ショウ「ウルトラマンネクサスの力よ!」

 

 二人の掛け声と共にギンガビクトリーは構えを取る。すると、隣に『ウルトラマンネクサス(ジュネッス)』の姿が浮かび上がる。

 

 ギンガビクトリーはネクサスのビジョンと重なりながら、両腕を伸ばした状態でクロスした後左右斜めに上げてL字に組む。

 

 ヒカル・ショウ「オーバーレイ・シュトローム‼」

 

 ギンガビクトリーは、L字に組んだ腕から必殺光線『オーバーレイ・シュトローム』を発射する!これは、敵を分子レベルまでに分解・消滅させるウルトラマンネクサス(ジュネッス)最大の光線技である。

 

 凄まじい光の奔流はリンドンを直撃!リンドンは身体を青白く発光させた後、爆発と共に光の分子となって消滅した。

 

ショウ「よし、これで奴は、二度と復活出来ない!」

 

 バスコ「うおあ~バカな!俺様の自信作(リンドン)が~!」

 

 ギンガビクトリーは、動揺するバスコに視線を向ける。

 

 ヒカル「ついでにお前もぶっ飛ばしてやるぜ!」

 

 ヒカルはフュージョンブレスのディスクを回しスイッチを止める。

 

 ディスクには、最強・最速のウルトラ戦士『ウルトラマンマックス』の顔が現れる。

 

 ヒカル・ショウ「ウルトラマンマックスの力よ!」

 

 構えを取るギンガビクトリーの隣にウルトラマンマックスの姿が浮かび上がる。

 

 ギンガビクトリーはマックスのビジョンと重なりながら、左手を天高く揚げて光を集中し、腕を逆L字に組む。

 

 ヒカル・ショウ「マクシウムカノン‼」

 

 ギンガビクトリーは、逆L字に組んだ腕からマックス最強最大の必殺光線『マクシウムカノン』を発射する!

 

 バスコは、即座にテロリストソードで迫り来る七色の強力光線を防ごうとするが、威力の凄まじさに剣で光線を受けたまま光線に押されて吹っ飛び、岩山に激突して爆発する。

 

 バスコ「お…おのれウルトラマン……。」

 

 バスコは砂煙の中から石つぶてを振るい落としながら立ち上がる。

 

 が、気が付いたら手に持っていたテロリストソードは刃の部分が砕けて無くなっていた。

 

 バスコ「俺のテロリストソードが‼」

 

 ヒカル「一気にトドメを……!」

 

 バスコ「くっ……ここは撤退だ!」

 

 “シュゥゥン”

 

 バスコは不利と見たのか、光と共に姿を消して退散した。

 

 雄々しく立つギンガビクトリー。ギンガビクトリーの圧倒的な強さを目の当たりにした櫂達は、その立ち姿に見入っていた………。

 

 

 

 ウルトラ戦士達は変身を解いた。真美達は鎧達と合流し、歩いて来る櫂達を迎える。歩いてきたのは櫂、ショウ、そして、いつもの表情に戻っていたヒカルだった。

 

 ライトとカグラは真っ先にヒカルの元へ駆け寄る。

 

 カグラ「良かった……本当に良かった………。(嬉し泣き)」

 

 ヒカル「ヘヘヘ、悪いな。心配かけちまって。」

 

 ライト「俺は信じていた…いや、見えていた。ヒカルが俺達の元に戻ってくるのが。」

 

 ヒカル「……おお。」

 

 再開を果たした三人は笑い合う。

 

 真美「お母さん、峠を越えたそうよ。良かったね。」

 

 真美は子供の母親の無事を伝える。しかし、完治までにはもうしばらくかかるため、退院まであと三日はかかると言う。

 

 子供「せっかくお母さんとまた過ごせると思ったのに………。」

 

 子供は再び少し暗い顔となり俯く。

 

 海羽「(笑顔で)夏休みなんだし、お姉さん達と一緒に遊ぼう?待ってるからね。」

 

 真美「寂しくなったら、いつでも言ってね。いつでも相手するから。だから元気出して。」

 

 子供「………ありがとう。」

 

 真美は笑顔で、少し元気を取り戻して礼を言う子供の肩に優しく手を置く。その温かい感触から、これまで張りつめていた感情の糸が切れたのか、子供は嬉し泣きを始める。

 

 真美は、チアガール姿の海羽と共に慰める。

 

 一方、ゼロショウは、ビクトリーランサーを通じての精神世界で何やら二人きりで話をしていた。

 

 ゼロ「しかし、何でヒカルは正気に戻ったのだ?」

 

 ショウ「……ヒカルはどうやらある物から、『すべての人類が彼の友人を殺そうとしている』と言う偽りの真実を植え付けられていた。だから俺は、その偽りの真実に上書きをしたのさ。」

 

 そう、ショウはヒカルが『ウルトラマンテラ』から植え付けられていた偽りの真実に、『すべての人類にヒカルの友人を殺す様に命じている者がいてそれはリンドンである』という偽りの真実を語りかけて上書きしたのだ。そして、それによってヒカルの闇が僅かにゆがんだ隙に、ほぼ強引にビクトリーランサーをヒカルのフュージョンブレスにタッチして、ギンガビクトリーに変身する際の光でヒカルを正気に戻したのである。

 

 ゼロ「……流石だな、ショウ。」

 

 ショウ「だが、これは偽りの真実に偽りの真実を重ねたに過ぎない……だから、まだアイツの中に闇はある。だから、今度はそのアイツの中の闇を完全に消す。」

 

 そう、今回の作戦は、偽りの真実を利用してヒカルの中に彼の闇を封じ込めた、所謂その場しのぎの作戦に過ぎなかった。

 

 ショウは、ライトとカグラと笑い合うヒカルを見つめながら、いつかは彼の闇を完全に消し去ると決意を決めた。

 

 櫂はヒカルの元に歩み寄る。

 

 櫂「ギンガ、今後も一緒に頑張ろうな。」

 

 ヒカル「あなたがゼロの変身者ですか?よろしくお願いします。」

 

 櫂「おう!」

 

 ひっそりと不敵な笑みを浮かべながらヒカルにフレンドリーに接する櫂。

 

 新たにウルトラマンが加わった嬉しさなのか、それとも邪の考えからなのか………?

 

 何はともあれ、今ここにゼロとギンガの地球をかけた戦いが再び始まった。

 

 霞ヶ崎に集結したゼロ、ギンガ、ビクトリー、パワード、コスモス、ソルのウルトラ六勇士。この先彼らの戦いはどうなるのだろうか?彼らを待ち受ける物とは?………今後も見守って行こう。

 

 

 

[エピローグ]

 

 宇宙船テライズグレートでは、『異次元超人巨大ヤプール』が何やら企んでいるかのように不気味に笑っていた………。

 

 ヤプール「ギンガが復活してしまったか。そろそろ、本気で行きましょうかね。フフフフフフ………。」

 

 ヤプールは一体何を企んでいるのだろうか………?

 

 To Be Continued………

 

 (ED:赤く熱い鼓動)




 遂にギンガが復活しました。しかしショウが言うように、まだ完全にヒカルの闇が消え去っていないため、まだ油断はできない状態です。

 また、今回のギンガビクトリーの戦闘シーンのBGMは、当初は『英雄の詩』にする予定でしたが、この曲は私にとってとっておきであり、後半戦のOPにするつもりなので、ギンガ復活と言う事もあり、『ウルトラマンギンガの歌 2015』に変更しました。

また、『DREAM FIGHTER』は、私的にゼロのみならずビクトリーにも当てはまる曲だと思いましたので、ゼロとビクトリー共闘シーンにはピッタリだと思いました。


 さて、前半戦も残すところあと二話となりました!残りの二話は、前後編形式の怒涛の展開が待っています!楽しみにしていてください!


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