ウルトラマンゼロ物語(ストーリー) in RED ZONE STAGE   作:剣音レツ

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 約四か月もかかっちゃってすいません!


 今回はクリスマスに投稿ということで、クリスマス特別編として製作した番外編です!

 主役は本作のヒロインの真美ちゃんです。


 また、あの“50周年の戦士”も登場するという事で、劇中の台詞に歴代ウルトラシリーズのサブタイトルをいくつか隠してみました(笑)


 まあとりあえず細かいことは気にせず楽しんでもらえたらなと思います。


 それでは、どうぞ!


 ※ウルトラマンオーブ最終回のネタバレも少し含まれています。


番外編
番外編「新田真美物語(ストーリー)私のクリスマス」


 これは、今から8か月前、即ち今現在繰り広げられている激闘が始まる前に起こったクリスマスでの出来事を描いた物語である。

 

 

 (OP:英雄の詩)

 

 

 

 時はこの世界で西暦2014年。

 

 この年の12月23日。クリスマスが近く、例年のように町は賑わい、子供たちがどのプレゼントをサンタさんに頼もうかとウキウキしている時期から、この物語は始まる………。

 

 

 

 ごきげんよう、皆さん。そして、メリークリスマス。

 

 

 私は新田真美(にった まみ)。

 

 

 福岡県生まれ&育ちで現在は女子大学。

 

 

 私はただ普通に過ごしてるだけなんだけど、大学のみんなからは「文武両道」「美人」「優しい」「天使」さらには「良い匂い」とまで言われて高い信頼を受けてるの。

 

 美人や良い匂いはとりあえず置いといて(生まれつきかな?笑)………私で良いのなら、信頼してくれるのはとても嬉しいわ。

 

 

 優しいについてなんだけど…私はただ人として、悲しんでる人を放っておけないだけなの。

 

 自分だけ幸せになろうと思わず、みんな全員にも幸せになってほしいと思ってるからね。

 

 そういう理由もあって将来は看護婦を目指していて、今は時々地域の医療ボランティアにも参加しつつ、東京の『霞ヶ崎』の私立大学『麟慶大学』の医学部に在学していて、それ故に一人暮らしをしているの。

 

 

 今日(12月24日)は学期終了日の翌日で、つまり今日から冬休み。

 

 そしてクリスマスイブということで、この日私は地元福岡に帰省して、地元のクリスマスボランティアに参加してセール店のチラシとか、子供には軽いプレゼントをクリスマスで賑わう街中で配ることになってるの。

 

 

 ある人と一緒にね。

 

 

 その人は、竜野櫂(たつの かい)君。

 

 彼は私と同じ麟慶大学の学生で、工学部在学なの。

 

 彼と私は実は幼馴染、つまり彼も福岡生まれで、幼稚園かな?確かそれぐらいからずっと一緒なの。時々その事を思うと、何だか不思議な気持ちになるんだけどね。一体何なんだろう………?

 

 あ、そうそう。実は櫂君、工学部に所属してるけど、学力は医学部の私以上どころか学園一とも言われる程高くて、それに運動神経も学園最強と言われる程とても高いの。

 

 それ故に勉強では私に引けを取らない程信頼されていて、運動部でも各部長・部員から信頼されていて時々助っ人で参加したり、部長代理をしたりしているの。

 

 それに性格も男女関係なく誰にでも人当たりがいいの。

 

 

 (もっとも、真美はこの頃、櫂があの恐ろしい性格を隠し持っているとは思うはずもなかった。)

 

 

 あ、ここだけの話。実は櫂君、昔はとても軟弱でいじめられっ子だったの。

 

 でも誰よりも一生懸命努力して、今ではこのように万能な才能を手に入れたんだから、私は彼を尊敬もしているんだ。

 

 

 (まさかそんな櫂が後にウルトラの力を手に入れるとはもちろん思うはずもなかった。)

 

 

 ボランティア開始時間(午前10:00)10分前、開始場所の商店街前で櫂君と合流した。

 

 商店街は既にこの時間から賑わっており、至る所にツリーが置いてあったり、ある店はクリスマスセール、ある店はクリスマス限定商品やパーティーの食品を売ったりなど正に全体がクリスマスムードだったわ。

 

 

 因みにボランティアに参加する人はほとんどがコスプレしていたけど、もちろん私たちもコスプレしているよ。

 

 

 櫂「俺………どうかな?この格好。」

 

 真美「(満面の笑顔で)とっても似合ってるよ。」

 

 

 櫂君はサンタのコスプレをバッチリ決めて来ていたわ。

 

 普段は精悍でシャープな顔つきのクールな雰囲気の櫂君だけど、サンタコスをするとなんだか普段と違う感じが出ていて、私はこんな櫂君も魅力的だと思うわ。

 

 それに、櫂君には赤が似合うね………。

 

 

 因みに私のコスプレは、トナカイ。

 

 

 ………え?てっきりサンタだと思った?

 

 実は私、トナカイ結構好きなの。

 

 子供にプレゼントを届けるのはサンタだけど、トナカイがいないとその子供たちの元に行けないわけだから、そのために一生懸命頑張ってソリを引っ張るところが魅力的に感じて…

 

 それに、よく見たら可愛い。………私の感性、もしかしてちょっと変わってるかな?(苦笑

 

 

 トナカイの角のカチューシャを頭に付け、茶色いふさふさの丸襟や丸いボタンの付いた、スカート付きのベージュ色の衣装でトナカイコスをバッチリ決めてみた私。

 

 黒いニーソックスは履いてるけど、太ももがちょっと露出しちゃってるからそこがちょっと寒いかな?(苦笑

 

 真美「どう?………変かな?」

 

 櫂「おお、なかなか可愛いんじゃねーか?」

 

 真美「………ありがとう。」

 

 良かった~(ピース)

 

 

 開始の10時が来た。流石たくさんの人が出歩いているだけにチラシや子供用のプレゼントはあっという間に人々の手に渡っていく。

 

 途中おもちゃ屋の前で「買ってよ~」と親にせがむ子供がいたけど、その子にもプレゼントを渡したの。そしたらその子、落ち着いて笑顔になって「ありがとう」と言ってくれたわ。

 

 

 因みに何のプレゼントを渡したかというと………ウルトラマンゼロの人形。

 

 (もっとも真美は、後に櫂がゼロとして戦う事になるとは思うはずもなかった。)

 

 

 僅か一時間でチラシ等は完売し、ボランティアはあっという間に終了した。

 

 

 せっかくコスプレ決めて来たのに僅か一時間で帰るのもアレだから、ちょっと櫂君と街中を出歩くことにしたの。

 

 ………え?サンタとトナカイのコスプレで街を歩くのが恥ずかしくないのかって?

 

 大丈夫。この時期は割と多くの人、特に私たちぐらいの若いカップルとかはサンタとかのコスプレして出かけてるの。

 

 だから、何ともないわ(笑)

 

 

 でも、実は櫂君、別のクリスマスボランティアに参加する予定が入ってて、そのために午後から別の地方に移動しないといけないの。

 

 だから、櫂君と出歩く時間はざっと一時間しかないけどね。

 

 でも櫂君が別の地方でも子供たちを笑顔にしてくれてるなら、私はそれを応援するわ。

 

 

 櫂「流石にクリスマスは人が多いし、どの店も飾ってるな。」

 

 真美「そうだね。子供たちは嬉しそうだし、カップルは楽しそう。」

 

 

 櫂「………ごめんな、真美。今日忙しくて。」

 

 真美「ううん。気にしないで。櫂君がそうすることで子供たちが笑顔になるのなら、私は応援するわ。

 

 だってクリスマスは年に一度で、年一番ハッピーな日なんだもん。」

 

 櫂「そうか………ありがとな。俺、頑張るぜ。」

 

 私が満面の笑みで応援すると、櫂君はガッツポーズで返してくれた。

 

 

 櫂「じゃあさ真美、明日、福岡タワーの展望台に行こうぜ。」

 

 真美「………え?」

 

 櫂「(頬を少し赤らめて)い、、いやあ、天気予報によると今日晩から明日は大雪だからさ。きっと明日になると、とても幻想的で美しい景色が見れると思ってな。」

 

 真美「………とても楽しそうだね。分かったわ。」

 

 

 真美は笑顔で翌日のデート(?)を了解した。

 

 それにより櫂は笑顔で安心するような表情になるが、ひっそりと不敵な笑みを浮かべているのを真美は知らなかった………。

 

 櫂(明日は真美と二人っきりで………これで俺と真美の距離は少し縮むかな?)

 

 

 私、新田真美は櫂君の誘いを了解した。

 

 クリスマスの日に展望台から見る大雪の街………とてもロマンチックで素敵だと思うわ。

 

 

 櫂「そうだ真美、あと40分ぐらいしかないけど、今から近くのショッピングモールに行かないか?

 

 そこにはクリスマス限定の松坂浩二さんの写真展がやっているんだよ。」

 

 真美「松坂浩二さんって………最近あの南極でオーロラを撮ったという写真家の?」

 

 櫂「そうそう、きっとスゲえ写真がいっぱいあると思うぜ。」

 

 真美「…いいね、行こう。」

 

 櫂君と手を繋いで向かおうとしたその時、

 

 

 “ガッ”

 

 真美「ああ、ごめんなさい。」

 

 私は人とぶつかってしまった。

 

 その人はレザーコートに身を包んだ精悍な顔つきの青年だったような…。

 

 因みに片手には何故かラムネを持っていたわ。

 

 ???「おお、気を付けるんだぞ、トナカイの姉ちゃん。」

 

 その人は怒ることなく、気さくに返し、何処かへと歩いて行った。

 

 ………でも、その人を見た瞬間、私は反射的に何かを感じた。

 

 たくさんの人がクリスマスの街中を歩いている中、彼だけ何となく違う雰囲気を感じたような………。

 

 まあ、気のせいかな?(笑)

 

 

 

 先ほど真美とぶつかった青年は、たくさんの人が歩いている中、ふと立ち止まって辺りを見渡し始めた。

 

 ???「…さすらいの旅の途中で謎の反応を感じてここに辿り着いたのだが………この世界で、何が起ころうとしているんだ………?」

 

 一体彼は何のことを言っているのだろうか………?

 

 ???「だが、僅かだが何やら気配を感じるのは確かだ。もう少し様子を見てみるか。」

 

 そう言うと青年は何処かへと去って行った。

 

 ………しかもただ歩くではなく、瞬間移動のようにその場から消えるように!

 

 彼、もしかしてただの人間ではないのだろうか………?

 

 

 その一方で、そんな彼から遠くのビルの屋上では一つの影が。

 

 よく見てみるとその姿は人間ではなく、氷の塊のような鋭角的な体とランタン・シールドのような両腕が特徴の異形の姿をしている。

 

 宇宙人である事には間違いないであろう。

 

 

 ???「フフフ………この世界を狙ったのは当たりだった。今のタイミングなら、相当なマイナスエネルギーが集まるはずだ。」

 

 

 謎の怪人が自信満々げに笑っていたその時、

 

 

 ???「謎の反応の正体はお前か。」

 

 

 突然声のした方へ振り向く。

 

 

 そこには、先ほど辺りを見回していた男がいつの間にか立っていたのだ!

 

 

 ???「なっ!?………いつのまに!?」

 

 

 ???「生憎俺はお前みたいな妙を嗅ぎつけるのには慣れてるもんでね。」

 

 

 

 ???「へッ、まさか貴様もここに来ていたとは…なっ!」

 

 怪人は男に気付くや問答無用で襲い掛かり、男も持っていたラムネを真上に放り投げるとそれに応戦する。

 

 

 男と怪人は互角の組手を開始する。

 

 男は回転しながら右、左脚で回し蹴りを繰り出し、怪人はそれを身体を反らして避けると右腕を振るって殴り掛かり、男はそれを両腕で受け止めて腹部目掛けて右横蹴りを繰り出し、怪人はそれを左腕で弾いて防ぐ。

 

 

 両者はそのまま組み合う。

 

 

 ???男「この世界で何を企んでいる!?」

 

 ???怪人「ふっ、貴様に話すまでもないが、まずは名前だけ言ってやろう。

 

 俺様の名はグローザ星系人・グレイザ―だ!」

 

 

 そう、奴こそかつて暗黒四天王の一人であって、ウルトラマンメビウスなどを大苦戦させた『グローザム』や、ウルトラマンベリアルに仕えてウルトラマンゼロ抹殺を企む宇宙人軍団・ダークネスファイブの一人である『氷結のグロッケン』の同種族である『グローザ星系人』だったのだ!

 

 

 名乗ったグレイザーは右腕から氷の剣・グレイザ―ブレードを出すとそれを振って斬りかかり、男は咄嗟にバク宙で後ろに跳んでそれをかわし着地する。

 

 

 グレイザ―「あのお方のために、俺様は大量のマイナスエネルギーを集めなければならないのだ。

 

 それにより今このタイミングでこの世界を襲えば、クリスマスを地獄にされた人々は絶望し、巨大なマイナスエネルギーを発するに違いない。ヒーヒヒヒヒー!」

 

 

 ???「そういう事か………だが、貴様がどんな事をしようと、俺は全力で止める!」

 

 グレイザ―の企みが分かった男はそう言うと、先ほど投げたラムネが落ちて戻ってきたためにそれをキャッチする。

 

 

 グレイザ―「ヒーヒヒヒヒ、かっこいいなあ。だが、貴様にそれが出来るかな?」

 

 ???「なに?」

 

 グレイザ―「出来るモノなら止めてみるがいい!」

 

 

 そう言うとグレイザ―は、瞬間移動のようにその場から去って行った………。

 

 

 一人残された男は、俯きながら帽子をかぶる。

 

 ???「必ず止める………この世界の人たちも。」

 

 そう言うと男も、瞬間移動のようにその場から去って行った………。

 

 

 果たして、グレイザ―と対峙していた男は何者なのだろうか?

 

 

 とりあえず確かな事は、何かが起こりそうなことである………………。

 

 

 

 私、新田真美は櫂君と一緒にショッピングモールの写真展に着いた。

 

 櫂君の言う通り、綺麗なオーロラの写真がいっぱい飾られていて、その他にもいろんな場所の海、山、街並みなどの絶景写真が飾られていて、自然と見入ってしまうようなものばかりだったわ。

 

 真美「まあ、何て素敵な。」

 

 櫂「だな。まだ若くして(29歳)こんなにもいろんな世界の絶景を撮ってるんだから、スゲエよこの人は。」

 

 真美「確か松坂さんは、今も日本の山脈で写真を撮ってるんだよね?」

 

 櫂「ああ。嫁も子供もいるのに、クリスマスぐらい家族と一緒にいればいいのにな!(笑)」

 

 真美「でも………素晴らしい事だよ。

 

 子供に限らず、いろんな人の笑顔のためにいろんな場所を飛び回ってるなんて………ほら、写真を見てる人、みんな笑顔だy………」

 

 

 すると、私の声を遮るように、

 

 

 ???「ふんっ!こんな写真大っ嫌いだ!」

 

 

 突然思いもしない叫び声が聞こえ、その方向へ振り向くと、そこには小学生ぐらいの男の子がどこか不機嫌そうな顔で立っていた。

 

 すると、その子は何処かへと走り去っていった………。

 

 

 櫂「………何なんだ?あの子は………。」

 

 こんなにも素晴らしい写真のどこが嫌いなんだろう?

 

 櫂君が軽く受け流す中、私はあの子に何かあったのだろうと思ってはいた。

 

 でも一体何が不満だったんだろう………?私たちはもちろん、周りの人も、知るはずもなかった。

 

 

 

 やがて正午が過ぎて、櫂君が出発する時間が来てしまった。

 

 櫂「んじゃ、行って来るな。」

 

 真美「うん………気を付けてね。」

 

 櫂君は笑顔で私にサムズアップをした後、サンタコスのまま電車に乗り込み、やがて櫂君を乗せた電車は走り去って行った。

 

 クリスマス前に、櫂君と“あるもの”を観れないのは残念だけど、櫂君と言うサンタが、別の地域の子供たちに笑顔をプレゼントしていくのなら、大丈夫だから。

 

 

 櫂君を見送った後、時間は12時半ぐらいだったかな?私は駅を出た後、さっきのショッピングモールへと歩いていく。

 

 でもその間、どこか寂しい感じもした。さっきまで櫂君と一緒にいたからなのかな?

 

 

 やがてショッピングモールに着いた。でも私はその時、ある者に気付く。

 

 それは、とある少年がどこか悲しそうな表情でベンチに座り、チラシの様な物を見つめてるものだった。

 

 すると、突然風が吹いて少年の持ってたチラシが私の方に飛んで来る。

 

 私はそれを拾って見てみると、

 

 

 それはクリスマスイルミネーション大会のチラシだった。

 

 

 私が、本当は櫂君と一緒に見たかった、今夜開催するクリスマスイルミネーション大会………

 

 

 それは、今年初めて開催される、タワーの近くで、イルミネーションの蔦で出来た様々なアートを飾っていく…っていうイベントなの。

 

 

 私がそう思っていると、少年は手を振って乱暴気味に私からチラシを取り返す。

 

 その際私は少年の顔を目の当たりにする。

 

 

 ………それを見て私は驚愕した。その少年は、さっき写真展で見かけた男の子と同一だったの。

 

 

 悲しそうな表情をしている少年は走り去ろうとする。

 

 

 真美「あっ…ちょっと待って…」

 

 “ガッ”

 

 “ドサッ”

 

 少年は躓いて転んでしまった。その場に座ったまま擦りむいた膝を痛そうに見つめる少年の元に私は歩み寄る。

 

 真美「大丈夫?」

 

 

 私は鞄の救急箱でその子の手当てをした。

 

 真美「これで大丈夫。 痛かったよね? パパとママは?それとも一人で来たの?」

 

 でも、その子は暗い表情で俯いたまま何も言わない。

 

 どうしてなのか分からないけど、とりあえず私はその子を元気付けようとしてみた。

 

 真美「大丈夫よ。ほら、笑って。折角のクリスマスなんだし、プレゼントでも考えて…ケーキとかチキンも食べられるし……」

 

 ???「プレゼントなんて……いらないよ………。」

 

 真美「………へ?」

 

 その子は思わぬことを言ったの。

 

 折角のクリスマスなのに、プレゼントがいらないだなんて………。

 

 真美「それはどうして?」

 

 私は気になって聞いてみたけど、その子は何も言わないどころか再び暗い表情で俯いたまま、顔を横に向けてしまった。

 

 多分相当辛いことがあったのだろうけど、同時に私と言う見ず知らずの人に話しかけられた事への抵抗感もあるのだと思う。

 

 

 私は折れずにその子の目線までしゃがんで優しく話しかける。

 

 真美「どうしたの?辛そうに………何かあったの?」

 

 

 真美の親身な語り掛けを受けた少年は、少しながらちらっと真美の方へ顔を向け始める。

 

 そっと向けた視線の先には、じっと微笑みかけて見つめる真美の顔があった。

 

 その柔らかい笑顔はまるで女神が微笑みかけている様で、更に純白な垂れ目から来る優しい眼差しからは、自然と彼女が悪い人ではないという事が分かり始める。

 

 

 真美「何でも言ってみて。力になるよ。」

 

 

 更に光が弾け飛ぶかのようにニコッと笑いながら、耳障りの良い甘い艶声で話しかける。

 

 初対面ながらも、邪気を感じない真美の優しさに触れた少年は、遂に話す決心をしたのか、数秒黙った後、重い口を開いて話し始める。

 

 

 私、新田真美は話し始めたその子の話を聞き始める。

 

 

 その子の名は『松坂裕太』。

 

 聞いて驚いたことがあって、なんとその子はあの松坂浩二さんの息子さんなの。

 

 浩二さんは確か今は写真撮影のために日本の山脈に行ってるはずだから………そう、裕太君はパパとクリスマスを過ごせないという事なの。

 

 ママと妹の佳那はいるみたいなんだけど、パパとクリスマスとか過ごせるのは滅多に無いらしくて、今年ようやく一緒に過ごせると思ってたから急な仕事が入った事がショックだったみたい。

 

 

 〈回想〉

 

 2日前のある日、裕太はどこか不機嫌そうな顔でテレビゲームをしていた。

 

 側にはくしゃくしゃになったクリスマスイルミネーション大会のチラシが置かれていた。

 

 すると、スーツ姿で荷物をまとめた彼の父が出てくる。

 

 

 浩二「ごめんな、裕太……ホントに急な仕事が入ったんだ…

 

 お正月は絶対一緒に過ごせるから。だから…」

 

 

 裕太「父さんの嘘つき。 いつもいつもそうやって約束破って………。」

 

 父・浩二の詫びを遮るように裕太が冷たい言葉をぶつける。

 

 浩二「裕太………。」

 

 すると、裕太はゲームのリモコンを軽く叩きつけ、テレビの画面を切って立ち上がる。

 

 裕太「僕より仕事の方が大事なんでしょ?

 

 はぁ…もういい。嫌いだ!」

 

 浩二「あっ、裕太!」

 

 そう言うと裕太は涙を流しながら駆け足で階段を上がって行った………。

 

 浩二「………。」

 

 父はショックや、息子を悲しませてしまった罪悪感から何もかける言葉が何も無かった………。

 

 その後、父は何も言わず家を出て行った。

 

 〈回想終了〉

 

 

 事情を聞いた私は裕太君が可哀想で仕方がなかったわ………。

 

 クリスマスってやっぱり、家族全員で楽しく過ごしたいもんね………。

 

 

 真美「はぁ……そっかー………………それは辛いよね。」

 

 私は優しく語り掛けながらその子の頭を撫でてみた。

 

 真美「クリスマスはイブから家族と過ごしたいもんね…。 ごめんね。辛い事話させちゃって…。」

 

 

 すると、裕太君はこう言い出したの。

 

 裕太「父さんは僕のとこなんてどうでもいいんだ………。仕事の方が大事だから、いつもいつもこうやって…。」

 

 

 真美「本当に…そう思う?」

 

 裕太「…え?」

 

 真美「私はむしろその逆だと思うけどな~…。

 

 パパは、裕太君のことが大好きなんだよ…だから、仕事も一生懸命頑張ってるんだと私は思うけどな…。」

 

 裕太「でも………本当にそうなら家族を優先するはずだよ…。」

 

 

 私は折れずに語り続ける。

 

 真美「私もね………さっきショックな事があったの………。」

 

 その言葉に裕太君は少しはっとなる。

 

 真美「私もね、大好きな人と今年もクリスマス過ごせると思ったんだけど………彼は彼でやる事があって、一緒に過ごせなくなったの………。

 

 でもね、彼は別の場所で子どもたちを笑顔にしに行ってるんだよ。だから私は、それを応援することにしたの。」

 

 

 

 一方、別地域では、

 

 櫂「ヘクシューン!!

 

 ふぅ~………サンタ姿は意外と寒いぜ。」

 

 

 

 真美「彼は今頃、たくさんの子供たちを笑顔にしているわ。あなたのパパも同じじゃないのかな?」

 

 裕太「僕の父さんも………同じ?」

 

 真美「うん。 ねえ、さっきの写真展の写真、覚えてる? あれはね、あなたのパパがこのクリスマスのために撮って来たものなんだよ。

 

 あれを見ていた家族は、実際楽しそうに笑ってたわ。

 

 裕太君だけじゃない。クリスマスに多くの子供たちを楽しませるために頑張ってたんだよ。

 

 今仕事に行ってるのも、家族のためなんだから………。」

 

 裕太「分からない………分からないよ。僕。」

 

 父が頑張るのは家族のため………その話はまだ小学生の裕太君には難しかったみたい………。

 

 真美「………そうだよね………ごめんね………なにも慰めになれなくて………。」

 

 

 私、ダメだわ………悲しんでる子の気持ちは分かるはずなのに、まだこんなにも不器用だったなんて………………。

 

 私は裕太君への同情と自分の不甲斐なさに涙が出そうになったけどぐっとこらえた。

 

 

 その時、裕太君の鞄から何かが落ちるのに気づく。

 

 真美「あら?何かな?これ………。」

 

 気付いた裕太君もそれを拾い上げる。

 

 それは、小銭がいくつか入るかぐらいの小さな巾着のような財布だった。

 

 

 すると、裕太君は何かを思い出したのか、拾い上げた財布をじっと見つめ始める。

 

 真美「どうしたの?」

 

 私は気になってどうしたのか聞いてみる。

 

 

 財布の中には百円玉が六枚、所謂六百円が入っていた。

 

 実はそのお金は、パパが裕太君と妹の佳那ちゃんのために出発前に置いといてくれたイルミネーション大会の入場料だったの。

 

 

 それを見たことにより、裕太君はパパの愛情や、自分たちの事を思っていることを改めて感じたんだと思う。

 

 私も自然と笑顔になれたわ。

 

 

 真美「………嫌いだったら、こんな風に小遣いくれたりしないよ………。」

 

 私はパパと過ごせない寂しさに、愛情を感じたことによる嬉しさが重なったことにより涙目になり始める裕太君の背中を摩りながら語り掛ける。

 

 彼もゆっくりと頷いてくれたわ。

 

 

 でも、やっぱり寂しさは簡単には拭い去れないみたい………。

 

 そうだよね………まだ小学生だもの………。

 

 真美「(涙で目が少し潤みながら)そうだよね………寂しいよね……一緒に過ごしたいよね………分かるよ………………。」

 

 私も、大切な人とクリスマスイブを過ごせない、所謂彼と同じ境遇だからより気持ちが分かるわ。

 

 

 ちょっとでも寂しさを紛らわそうと、私は指で涙を拭いた後こんな質問をしてみたの。

 

 真美「ねえ、プレゼント、何が欲しい?」

 

 裕太君は少し黙った後答えてくれた。

 

 裕太「………ラジコン………。」

 

 真美「そ………じゃあ、折角だし、サンタさんに頼もうよ。」

 

 裕太「え?」

 

 真美「裕太君、今だって寂しくてもパパの事情を知ってて頑張てるじゃない。きっと、そんなあなたの所に、サンタさんは来てくれるよ。

 

 それに、折角のクリスマスなんだから。」

 

 私の話を聞いた裕太君は、ゆっくりと頷いてくれた。少し気分が落ち着いて、プレゼントが欲しい気持ちを取り戻したみたい。

 

 真美「じゃあ、お願いしよっか。」

 

 私がそう言うと、裕太君は再びゆっくり頷いて、そして両手を合わせて握ってお祈りを始め、私も一緒にそれをやり始める。

 

 真美「(目をつぶって)………お願いします………。」

 

 数秒お祈りをした後、私たちは両手を解いた。

 

 真美「よし、これできっとサンタさんも来てくれるよ。」

 

 裕太「………うん。」

 

 裕太君の顔には少し笑顔が戻ってる様だった。

 

 とりあえず良かった…。

 

 

 その時、私はある物に気付いたの。

 

 それは、裕太君の首にぶら下げている小さなカメラだった。

 

 真美「そのカメラは…どうしたの?」

 

 裕太「これは…父さんが去年のクリスマスにプレゼントでくれた物………これを下げとけば、少しでも寂しさを紛らわせるかと思ったんだけど………。」

 

 

 その時、私はそのカメラをきっかけにある事を思いついたの。

 

 真美「ねえ、パパが帰って来るのって確か明日だよね?」

 

 裕太「うん………明日の朝帰って来るんだけど…。それがどうかしたの?」

 

 真美「じゃあ、そのカメラで今夜イルミネーション大会で最高の写真を撮って、明日パパに見せてあげよう?」

 

 裕太「………え?」

 

 真美「子供の撮ったいい写真、きっとパパは喜んでくれると思うわ。

 

 一緒に過ごすのが出来ないなら、明日笑顔にさせるという楽しみを持とうよ。」

 

 

 私の提案を聞いた裕太君しばらく黙った後、私の方を向いて…

 

 裕太「うん。やってみるよ。」

 

 賛成してくれたみたい。

 

 真美「(笑顔で)ありがとね。まだ小学生なのに………偉いよ。」

 

 裕太「よーし、絶対にすっごい写真を撮って、父さんを驚かしてやるぞー!」

 

 気合が入る無邪気な小学生。それを見ると私は自然と笑顔になっていた。

 

 

 こうして、私は裕太君と後に大会にて合流する事を約束して、一旦別れたの。

 

 どうか今夜、最高の夜になれますように………。

 

 

 

 一方、そんな真美たちのやり取りを、一人の人間が遠くから見つめていた。

 

 

 先ほどグレイザ―と対峙していた“ラムネのお兄さん”である。

 

 

 ???「こんなに賑やかな時期でも………悲しんでる子がいたとはな………。

 

 そしてそんな子を元気づけようと尽力する姉ちゃん…いい女じゃねーか。

 

 彼女たちのためにも、どうにかしてこの世界のクリスマスを守らないとな。」

 

 

 男が決意を新たにしたその時、

 

 

 “バシ バシンッ”

 

 「うおあーっ!!」 「きゃーっ!!」

 

 

 突然近くから強力なフラッシュ音とともに数人の悲鳴が聞こえ、男はその方へと急行する。

 

 そこには、「目が見えない!」と叫びながらのたうち回る人間が数人いた。

 

 

 ???「どうしたのですか!?」

 

 

 男は目が見えない人の一人に話しかけてみる。

 

 よく見てみると、その人は目をつぶっているだけでなく、そこから血を垂らしているという何とも恐ろしい状態であった。

 

 その人はパ二クっていてうまく話せてなかったが、どうやら突然異形の生物が現れたかと思うと、その瞬間強烈なフラッシュが放たれてそれから目が見えなくなったという………。

 

 

 目が見えない人たちは、すぐさま病院送りとなった。

 

 楽しいはずのクリスマスにこんなにも恐ろしい事が起こるなんて………、

 

 あまりにも不吉な出来事。すると男は何かを感じ始めていた………。

 

 

 ???「グレイザ―が動き始めたか?………早いとこ止めないとな。」

 

 

 そう言うと男は再び何処かへ去って行った………。

 

 

 

 そして夕方近くになると、グレイザ―がとあるビルの屋上で、

 

 グレイザ―「ふっふっふっふっふ………順調順調。マイナスエネルギーは集まりつつある………さて、そろそろ最後の仕上げと行くか………。」

 

 不気味に笑うグレイザ―。いよいよ悪魔の計画の本番を始めようというのであろうか………………?

 

 

 

 

 そして、ついに夜が来た。

 

 

 私、新田真美はタワー間近のイルミネーション大会に来た。

 

 流石クリスマス。夜でも昼と同じくらい賑わってて、このイルミネーション大会もたくさんの人が来ていてとても楽しくなりそうだわ。

 

 

 遂に一斉に展示物のライトアップが始まる。

 

 クリスマスのサンタさんやトナカイ、スノーマンはもちろん、星や家や町など、いろんなものがライトの付いた蔦で作られていたわ。

 

 雪が降る夜の街でそれらが一斉に光り、クリスマスソングが流れるその光景はまるで幻想的で、このひと時だけ、私も含めて見る人を別世界に誘っているみたいな素敵な感覚がするわ。

 

 

 展示物の中には、実はウルトラマンとかもあるの。

 

 私が特に目に付いたのは、ウルトラマンゼロとウルトラマンネクサス。

 

 細かい部分までもがしっかりと作られていて、まるで今にも動き出しそうな感じがしたの。

 

 

 最も、真美は後に自身がウルトラマンネクサスに変身し、また友人の櫂がウルトラマンゼロとして戦う事になるとは思ってもいなかった………。

 

 彼女がゼロとネクサスの造形に惹かれたのは、何かしらの運命だったのかもしれない………。

 

 

 私、新田真美はクリスマスの夜の幻想的な世界をなおも楽しく歩いていた。

 

 その時、私は目の前の親子に気づいたの。

 

 その親子は、さっきの裕太君がママと妹の佳奈ちゃんと一緒に楽しくしている姿だったわ。

 

 

 裕太「お母さん、ちょっとそこらの写真撮ってくる。」

 

 母「ええ、気をつけるのよ。」

 

 

 すると、私に気づいた裕太君が、ママに一言言った後私の方に歩いて来たわ。

 

 昼間と違って笑顔になってて良かったわ。

 

 

 裕太「真美さんもやっぱり来てたんですね。」

 

 真美「(満面の笑みで)ええ。楽しい?」

 

 裕太「はい。これも真美さんのおかげです。」

 

 真美「良かった。写真の方はどう?」

 

 裕太「なかなか良い感じにならなくて………。」

 

 真美「そう…なかなかしっくり来ないのね。」

 

 裕太「でも、必ず父さんをあっと言わせるのを撮って見せます。」

 

 真美「頑張ってね。」

 

 良かった。昼間より生き生きとしてて。きっとこれが本来の彼だよ。

 

 

 真美「でも………なんだかやけに寒いわ………特に雪が激しく降ってるわけでもないのに………。」

 

 私がそう一人ぼやいたその時、

 

 

 「うおあーっ!!」 「キャーッ!!」

 

 

 真美「!………何かしら? ちょっと待ってて。」

 

 突然、近くから悲鳴が聞こえて気になった私は気になって行ってみる。

 

 真美「どうかしたのですか?」

 

 「目が………目が見えないの!」

 

 話しかけてみると、その人は目が見えないらしく、目をつぶっていて、なんとそこから血が垂れていたの。

 

 驚きつつも私は事情を聞いてみると、普通にイルミネーションを見て楽しんでいたら、突然そこから強烈な光が発せられてそれを見てから目が見えなくなったみたい…。

 

 

 どういうことだろう?………イルミネーションの明かりだけで失明するなんてあり得ないし、それも血が流れるほど…。

 

 誰かが影で暗躍しているのかな………?

 

 

 私が不思議に思っているその時、更にあちこちから悲鳴が聞こえ、そこの人たちはみんな失明して目から血を垂らしていく………。

 

 それにより、さっきまで楽しんでた人たちが一斉にざわつき始める………。

 

 

 折角のクリスマスなのに、こんなにも不吉で妙な事が起こるなんて、一体どういう事?

 

 

 

 その時、

 

 

 グレイザ―「ふっふっふっふっふ………どうだ?光を奪われた思いは!」

 

 

 どこからか声が聞こえ、それを聞いた周りの人たちは当たりを見渡し始める。

 

 

 すると、とある建物の屋上に何か妙な姿の影が現れたの………!

 

 その姿は、まるで氷でできたような姿をしていて…両腕には、まるで楯のような物を付けているわ………。

 

 裕太「真美さん………あれは………?」

 

 真美「………人じゃ…ないみたい………。

 

 まさか、あれが姿なき挑戦者の正体?」

 

 

 真美達の前に現れたその者こそ、先ほど侵略のタイミングを狙っていたグレイザ―だった!

 

 

 グレイザー「どうもどうも!この世界の愚かな人間ども!

 

 俺様はグローザ星系人・グレイザーだ!!」

 

 

 名乗りを上げるグレイザー。人々の中には怯える者まで出始めていた。

 

 

 真美「………宇宙人なの?」

 

 真美は突然の宇宙人の出現に驚きと動揺を隠せない。

 

 

 グレイザー「さあ、これから最終手段といこう!

 

 楽しい夜を潰された絶望により、マイナスエネルギーをたっぷりと生み出すがいい!」

 

 

 そう言うとグレイザーは、青い光を纏って巨大化をする!

 

 

 突如現れた宇宙人の巨大化により怯える人がさらに増える。

 

 

 裕太「真美さん………。」

 

 真美「大丈夫………早く安全な所へ…」

 

 

 グレイザー「先ほどの目つぶしフラッシュは、こいつらの仕業さ。

 

 出でよ!!」

 

 

 グレイザーがそう叫ぶと、彼の左右からそれぞれ黄色い光、青白い光と共に二体の巨大生物が現れる!

 

 

 一体は、硬質な皮膚に覆われ、黄色に光る大きく見開いた目が特徴の怪獣『高熱怪獣キーラ』、

 

 もう一体は、環形生物をも思わせる雪の結晶のようなフォルムにガスマスクのような赤い頭部、パイプ状の口が特徴の超獣『雪超獣スノーギラン』である!

 

 

 二体は現れると咆哮を上げながらグレイザーの左右に立ち、グレイザーの方を向く。

 

 どうやら二体はグレイザーの子分に当たるのだろう。

 

 

 グレイザー「お前たちよくやった。事前に失明した人間は、今頃マイナスエネルギーを発しているだろう!」

 

 

 キーラは目から発する強烈な閃光・ショック光線、スノーギランは頭部から強烈な閃光・フラッシュ光線を発射できる。

 

 どちらも相手の目を潰す効果があるため、昼間から起こっている失明事件はこいつらの仕業だと思われる。

 

 

 グレイザー「怪獣墓場から連れて来た子分怪獣はこれだけじゃない!

 

 出でよ!我が怪獣どもよ!」

 

 

 グレイザーの叫びにより、更に二つの稲妻のような光が降り注ぎ、そこからもう二体怪獣が現れる!

 

 

 一体は全身氷柱のような棘が生えているのが特徴の超獣『氷超獣アイスロン』、

 

 もう一体は青白いごつごつした皮膚に頭部の巨大な二本の角が特徴の怪獣『冷凍怪獣ラゴラス』である!

 

 

 グレイザーは計四体もの怪獣を怪獣墓場から子分として引き連れて来たのだ!

 

 しかも冷凍星人らしく、そのほとんどが冷凍怪獣である。

 

 先ほど真美が、いつもよりやけに寒く感じたのは、恐らくアイスロンの熱を吸収する性質がある皮膚によるものであろう。

 

 キーラは恐らく、スペシウム光線も効かなかった分厚い皮膚に覆われているため、寒さも寄せ付けないのであろう。

 

 

 裕太「真美さん、僕怖い。」

 

 真美「………そんな………。」

 

 突然の悪夢の始まりのような光景に真美は愕然としてしまう。

 

 

 グレイザー「さあ!最後の仕上げだ!怪獣ども!クリスマスに浮かれるこの街をめちゃめちゃにしてやれ!」

 

 

 グレイザーの指示を受けた怪獣たち。

 

 すると、まずはキーラとスノーギランが合図とばかりに同時に閃光を放つ!

 

 そして怪獣たちは一斉に暴れ始めた!

 

 

 キーラとスノーギランの閃光光線により、また更なる人々が失明してしまう!

 

 それは、裕太の母と妹・佳那もそうだった!

 

 裕太「お母さん!佳那!」

 

 

 キーラは怪力でビルなどを崩し、スノーギランは口や両手から冷凍ガスを噴射、アイスロンも口からの冷凍ガス、ラゴラスは口からの-240度の冷凍光線を吐きながら傍若無人に暴れ回る!

 

 怪獣たちの咆哮やビルやガラスの破壊音、逃げ惑う人々の悲鳴などが響き渡り、さっきまでクリスマスソングや賑わう人々の声で溢れていた街が一気に凄惨なモノへと変わっていく………!

 

 そして冷凍ガスや光線により周囲のビルなどが凍り付いていき、逃げ惑う人々の一部も凍り付いていく………。

 

 

 そしてグレイザーも、口からの冷凍ガス・ヘルフローズンブレスで周囲の物を凍り付かせたり、両腕の剣でビルなどを切り崩して暴れていく。

 

 

 グレイザー「ひゃーはははは!これで集まる………あのお方のための極上のマイナスエネルギーがー!!」

 

 

 グレイザーが高笑う中、人々の中には恐怖や失明などにパニ来る人々、恐怖で泣きじゃくる子供などが出始め、正に楽しいクリスマスが地獄に変わろうとしている………!

 

 

 グレイザーの狙いはこれだった!

 

 あるお方(不明)へのマイナスエネルギーを集めるために、地球人の特に楽しい時期の一つ・クリスマスに攻めにかかることで、楽しいクリスマスを地獄に変えることで人々をその分大きく絶望させ、より多くマイナスエネルギーを生み出させるのが目的なのだ!

 

 

 真美「どうしてこんな………………。」

 

 

 真美はショックで悲しみに暮れそうになりながらも、心で祈った。

 

 

 

 真美(助けてください………罪もない………幸せだった人々が悲しむのは見たくない………神様でも何でもいいから、どうか人々を………楽しいクリスマスを助けて………………!)

 

 

 

 僅かにも奇跡を信じ、とにかく助けを求め、祈り続けた………。

 

 

 

 そんな真美の懇望をも嘲笑うかのように、グレイザーや怪獣軍団の攻撃がイルミネーション大会までに牙をむこうとした。

 

 

 その時!

 

 

 

 真美の諦めず、前を向いて一心に祈る想いが、運命の限界を超えた………!

 

 

 そして今、世界中が待っている者が現れる!

 

 

 

 「ん?」

 

 「何だ?」

 

 裕太「真美さん………?」

 

 真美「何?………この音は………。」

 

 突如、どこからともなくハーモニカのようなメロディが聞こえ始め、その音色に真美達は一旦静まり、耳を傾け始める。

 

 暴れていたグレイザーたちもその音色に気付くと一旦暴れるのが止まる。

 

 

 その音色は決まってどこか物悲しい印象を受ける独特なメロディだが、真美達人々には、まるで現れた救世主のメロディのように聞こえていた。

 

 

 グレイザー「ぐっ!?………なっ、何だこの酷いメロディは!?」

 

 ハーモニカの音色を聞くグレイザーは何やら頭痛を感じるのか頭を抱え、怪獣たちも動揺するような反応を見せる。

 

 どうやらこの音色は、清らかな心の者にはいい音色に聞こえ、逆に邪悪な者は聞くだけで頭痛が起きるほどの拒絶反応をするみたいである。

 

 

 グレイザー「………誰だっ!!」

 

 

 グレイザーが叫ぶ。そのハーモニカを吹いていた人物はどこかビルの陰に隠れており、なんと先ほどグレイザーと対峙していた男であった!

 

 

 男はそのハーモニカを懐にしまうと、叫び返す。

 

 

 ???「お前みたいなゲス野郎に名乗るつもりはないが、敢えて名乗ってやろう!」

 

 

 グレイザー「何だとっ!?」

 

 真美「この声は一体………?」

 

 

 そう言うと男はとあるアイテムを取り出す。

 

 そしてそのアイテムこそ、彼が光の戦士である証!

 

 

 男が左手で持つそのアイテムは、青いリング部分に取っ手が付いた外見をしている。

 

 

 そして男が右手に持つカードに描かれている聖剣を持った戦士こそ、彼の変身する光の戦士!

 

 

 彼こそ、『ウルトラマンオーブ』に変身する青年『クレナイ・ガイ』なのだ!

 

 

 ウルトラマンオーブ。それは、ガイが左手に持つアイテム・オーブリングに歴代ウルトラ戦士の力を宿したカード・ウルトラフュージョンカードを二枚リードすることで、そのウルトラマンの力を借りることでそれぞれ特製の違う様々な姿にフュージョンアップするという特殊な能力を持つウルトラマンだ。

 

 だが、フュージョンアップできるようになったのには事情があり、かつて世界を破滅させる存在であって、ウルトラ戦士に封印されていたが復活した魔王獣を倒していた頃、ルサールカで光ノ魔王獣マガゼットンと戦った際に、その規模の大きさによって「ルサールカ大爆発」を引き起こしてしまい、またその際にそこで知り合った大切な少女・ナターシャを傷つけてしまった罪悪感もあって、本来の姿を失ってしまっていた。

 

 だが、それから108年後に地球人の少女・夢野ナオミと出会った事により、自分と彼女の宿縁、そして自分を信じる勇気を知った事により本来の自分の力を取り戻し、その後も決意を新たにして地球を守り抜いたのである。

 

 

 先ほどガイが奏でていたハーモニカは、入手した経緯は現時点では不明だがガイにとって大切な物である楽器・オーブニカである。

 

 

 なお、彼にはかつて戦友だったが、彼がオーブの力の手に入れたのをきっかけに敵対関係になってしまった宿敵・ジャグラス・ジャグラーがおり、彼とも幾度か激突した事がある。

 

 

 ガイ=オーブは、最大の魔王獣・マガタノオロチを、ジャグラーやSSP、ビートル隊との協力により撃破した後にさすらいの旅に出ており、その最中にグレイザーという謎の反応を感知して追っていく内にこの世界に辿り着いたのだと思われる。

 

 

 そして今、そんなさすらいの風来坊が、この世界の人類のために光の戦士となる時である!

 

 

 ガイが右手に持ってるカードに描かれている戦士は、ウルトラマンオーブ本来の姿であり最強の姿『オーブオリジン』である!

 

 そしてオーブオリジンが持っている剣は『オーブカリバー』であり、オーブ自身の紋章と、火・水・土・風の四つの属性が描かれた円形の盤面が特徴である。

 

 これはガイがとある場所の光の輪からオーブの力を手に入れた際に手に入れており、正にこの剣こそが、ガイが光の戦士・ウルトラマンオーブである証なのである!

 

 

 ガイはオーブリングを突き出した後、オーブオリジンのカードをリングにリードする。

 

 

 《覚醒せよ!オーブオリジン!!》

 

 

 ガイ「オーブカリバー!!」

 

 

 オーブオリジンのカードをオーブリングにリードする事により、音声と共にガイが叫んで手を伸ばすと、そのリングの光の中からオーブカリバーが飛び出し、ガイはそれを手にする。

 

 そして、カリバーのリング・カリバーホイールを回した後上に挙げてトリガーを引く。

 

 すると、オーブニカの音色のようなメロディと共にすべての紋章が点灯し、そこから溢れた光に包まれる。

 

 

 そしてその光の中からウルトラマンオーブ・オーブオリジンが右拳を突き出して飛び出す!

 

 

 オーブ「テアーッ!!」

 

 

 

 真美達は、突如現れた眩い光に戸惑いつつ目を覆っていた。

 

 だがその光は、先ほどのキーラたちのような邪悪な感じはせず、希望を感じる聖なるものだと感じていた。

 

 

 そしてその光がやがて人型になり、徐々に姿を現す………!

 

 

 グレイザー「くっ………何だっ!?」

 

 

 同じく目を覆うグレイザーが問う先に光の中から現れたのは、聖剣・オーブカリバーを手に雄々しく立つウルトラマンオーブ・オーブオリジンだった!

 

 

 オーブ「俺の名はオーブ、ウルトラマンオーブ!」

 

 

 遂に人々の前に姿を現したオーブオリジン!その姿は円形のカラータイマーに、赤と銀と黒で構成されたスマートでシンプルな姿をしている。

 

 人々は動揺しつつも、その輝かしい姿や剣から彼が正義の味方であると確信し、徐々に歓声を上げる声が上がっていく!

 

 

 裕太「わあ………ウルトラマンだ!

 

 頑張れー!ウルトラマーン!」

 

 裕太も失明した母と妹を庇いつつもウルトラマンオーブの登場に喜びを見せ、応援を始める。

 

 

 

 私、新田真美は、目の前の出来事が信じられなかった………。

 

 でも、私の瞳に映る現れた巨人から溢れる鮮やかな光は、どこか先ほど沈んでいた心を癒すものを感じ、同時に希望を感じるモノがあった。

 

 

 そして私は確信した………………想いが通じ、奇跡が起こったのだと。

 

 

 真美「みんなの………私の想いが届いて………奇跡が起こったのね。」

 

 

 気が付くと私は、自然と笑顔になっていて、知らぬ間に嬉し涙が一滴、頬を伝っていた………。

 

 

 頑張って!ウルトラマン!

 

 

 

 

 グレイザー「チッ、ウルトラマンか!

 

 だがしかし、我が軍団に一人で勝てるかな?

 

 かかるぞー!」

 

 グレイザーは怪獣軍団と共にオーブ目掛けて接近を始める!

 

 

 オーブ「銀河の光が、我を呼ぶ!」

 

 

 オーブは名乗りと共にオーブカリバーを頭上で回して光の弧を描いた後、両手持ちで構える。

 

 そして、オーブニカのメロディにも似た戦闘BGMが始まると共にグレイザー軍目掛けて颯爽と駆け寄る!

 

 

 牽制でスノーギランとアイスロンが同時に冷凍ガスを噴射して攻撃を仕掛けるが、オーブはそれを跳躍してかわす。

 

 そして空中からカリバーを思い切り横に振って、青く光る衝撃波を放つ!

 

 衝撃波を受けた四体の怪獣はその威力により同時に転倒してしまった。

 

 

 グレイザー「何ッ!?」

 

 

 グレイザーが動揺している隙に、オーブは上からカリバーを振り下ろして斬りかかり、辛うじてそれに気づいたグレイザーは両腕の剣でそれを防ぐが、その隙にオーブは無防備になったグレイザーの腹部に右足蹴りを打ち込んで後退させる。

 

 グレイザーは怯まず右腕の剣を振るって斬りかかるが、オーブはそれをしゃがんで避けると同時にすれ違い様に右横腹に斬撃をお見舞いする。

 

 そして互いに振り向いて向き合うと、オーブカリバーとグレイザーの左腕の剣が火花を散らしながらぶつかり合い、その隙にグレイザーは右腕の剣を振るうがオーブはそれを即座に左拳で弾き飛ばすと胸部に左肘を打ち込み、更に右足蹴りを腹部に叩き込んで吹っ飛ばす!

 

 その後オーブは、下から斜め上に振り上げる渾身の斬撃を浴びせる!

 

 

 “ズガーン”

 

 

 グレイザー「ぐおあああぁぁぁッ!!」

 

 

 渾身の斬撃を受けたグレイザーは爆発と共に大きく吹っ飛んで地面に落下して転がる。

 

 

 大ダメージを受けたグレイザー。だがすぐさま立ち上がって両腕の剣を振るってオーブに襲い掛かり始め、オーブもカリバーを手に駆け寄る。

 

 

 オーブはグレイザーの右腕の剣を身体を反らしてかわすと同時にカリバーの一振りでそれを叩き折る!

 

 

 グレイザー「ぐおああっ!?………ッまだまだー!」

 

 

 グレイザーは負けじと今度は左腕の剣を振り下ろすが、オーブはそれをカリバーで受け止め、そのまま右の手刀を下から振り上げて叩き折り、怯んだ隙にカリバーを両手持ちで一回転しての一撃で左腕の盾を叩き砕く!

 

 

 逆上したグレイザーは、がむしゃらに腕を振るって殴り掛かるが、オーブはそれをカリバーや腕脚でことごとく弾き、そして腹部に右脚での横蹴りを打ち込んで怯ませた後、小さく跳躍してカリバーを振り下ろし、光を纏った渾身の斬撃で右腕の盾を叩き割った!

 

 

 そしてグレイザーが動揺している隙に横一直線の斬撃を叩き込み、それを喰らったグレイザーは爆発と共に吹っ飛び地面を転がる。

 

 

 自身の光の力と聖なる剣で敵を圧倒するオーブ。

 

 様々な試練の末に本来の力を取り戻し、様々な強敵を倒して来たオーブにとって、人々を不幸にする事を考える卑劣なグローザ星系人は敵ではなかった!

 

 

 グレイザー「貴様っ………何故そんな力が!?」

 

 

 ガイ「俺だけの力じゃない………みんなの想いが、俺に更なる力をくれる………俺の世界の“彼ら”のように!」

 

 

 グレイザー「バカなっ………俺様は、あのウルトラマンメビウスを苦しめた、不死身のグローザムの仲間なんだぞー!」

 

 

 ガイ「愚痴ならあの世で仲間にぬかせ!」

 

 

 ガイ(オーブ)は、かつて自身が活躍した世界のとある人物たちの事を思いながら答えた後、再びオーブカリバーを構える。

 

 

 ガイ「お前の野望もここまでだっ!!」

 

 

 グレイザー「くっ!ほざけええぇぇぇ!!」

 

 

 ガイの言葉にグレイザーは逆上して駆け寄り始める。

 

 そして、オーブ目掛けて渾身のヘルフローズンブレスを噴射する!

 

 

 ガイ=オーブはカリバーを構え直すと、カリバーホイールを回して“火”の紋章を選択し、トリガーを引いた後さらにホイールを回す。

 

 

 カリバーの火の力の必殺技・オーブフレイムカリバーを放つ時だ!

 

 

 そして、カリバーの刃先に纏った炎で円を描き、カリバーを振るう事でそれを飛ばす!

 

 炎の輪は、冷凍ガスをかき消しながら飛んで行き、やがてグレイザーに直撃して閉じ込める。

 

 

 グレイザー「んなっ!?何だこれは!! 体が………体が熱くて溶けるー!!」

 

 

 炎の輪に閉じ込められたことによって体が氷で出来たも同然のグレイザーが苦しんでいる隙に、オーブは炎を纏った刃の一撃を叩き込む!

 

 

 オーブ「オーブフレイムカリバー!!」

 

 

 “ズギャーン”

 

 

 グレイザー「ぐおああああー!!」

 

 

 グレイザーは体中炎が付いた状態で上空に吹っ飛んでいく。

 

 その最中も、炎が付いている体の溶解は進んでいた。

 

 

 今こそトドメの時!ガイはオーブカリバーをオーブリングでリードする。

 

 

 《解き放て、オーブの力!》

 

 

 リングに読み込んだことによりオーブカリバーの力が解放され、ガイはホイールを回転させて全紋章を転倒させた後トリガーを引く。

 

 

 オーブは揚げたカリバーで光の円を描いた後、それを刃先に結集させて突き出し、虹色の必殺光線・オーブスプリームカリバーを放つ!

 

 

 オーブ「オーブスプリームカリバー!!」

 

 

 七色の必殺光線は上空のグレイザーを直撃!

 

 

 グレイザー「ぐおあああああああー!! おっ…俺の野望があああぁぁぁ………!!」

 

 

 “ズドガガガーン”

 

 

 グレイザーは次第に体が削れていき、やがて無念の叫びと共に大爆発して跡形も無く消し飛んだ!

 

 氷と相性の悪い炎の技に、最強技のコンボを喰らった事によって文字通り、二度と再生できない程に跡形も無く消し飛んだのである。

 

 

 見事、オーブがグレイザーを撃破した事により、街の人々は歓声を上げ、更なる応援の声も聞こえ始める。

 

 

 裕太「すげえ!………あのウルトラマン。」

 

 真美「(笑顔で)ええ………そうだね。」

 

 

 真美達も安心の表情でオーブを見つめており、目くらになっている裕太の母と妹も、安心を感じたのかいつの間にか落ち着いていた。

 

 

 早くも子分の怪獣たちを残して先に倒されてしまったグレイザー。怪獣たちは早くも親分が倒された事に動揺を隠せない。

 

 オーブの力に加え、真美達人々の想いの強さにより、グレイザーの悪事は脆くも崩れ去った!

 

 あとは子分の怪獣軍団だけである。

 

 

 

 オーブ「クリスマスだからな。特別に、凄いモノを見せてやるぜ!

 

 

 (8枚のウルトラマンのカードを取り出して)諸先輩方! 力、お借りします!」

 

 

 

 そう言うとガイは再びオーブリングを構え、オーブは紫の光に包まれる………。

 

 

 そう、ここからは、オーブ最大の能力・フュージョンアップを活かした戦いの始まりだ!

 

 

 

 ガイ「ウルトラマンさん!」

 

 《ウルトラマン!》

 

 ウルトラマン「ヘアッ!」

 

 

 ガイ「ティガさん!」

 

 《ウルトラマンティガ!》

 

 ウルトラマンティガ「デヤッ!」

 

 

 ガイは、ウルトラマンとウルトラマンティガ、所謂昭和と平成のファーストウルトラマンのカードをダブルリードし、ウルトラマンとティガのビジョンがガイの両側に並び立つ。

 

 

 ガイ「光の力、お借りします!」

 

 

 ガイはオーブリングを揚げ、同時に二人のウルトラマンもそれにシンクロして左腕を揚げる。

 

 

 《フュージョンアップ!》

 

 

 オーブリングは音声と共に側面のカバーが展開し、シンセサイザー調のメロディと共にガイは光に包まれ、リングはマンとティガと共に青、黄色と光った後に紫に輝く。

 

 

 そしてガイはマンとティガのビジョンと合体するかのように重なり紫に光り、やがてその光が下から消えていき姿を現す。

 

 

 《ウルトラマンオーブ! スペシウムゼペリオン!》

 

 

 全身に纏っていた光が消えて姿を現したオーブは、光の中から右腕を突き出して飛び出す!

 

 

 人々の前に姿を現したオーブ次の姿、それは、フュージョンアップによりウルトラマンとティガのパワーを借りた姿であり、パワーとスピードのバランスに優れ、光線技を得意とする形態・ウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンである!

 

 外見は赤、紫、黒で構成されたボディに肩のプロテクターなど、正にウルトラマンとティガが合体したような姿であり、額のランプの色は紫に輝いている。

 

 

 (BGM:オーブの祈り(full))

 

 

 オーブ「闇を照らして、悪を撃つ!」

 

 

 オーブ・スペシウムゼペリオンは、リング状の光を発生させながら決め台詞を言って構えを取ると、颯爽と自身に向かって来る怪獣たちの方へと駆け寄る!

 

 

 

 オーブの戦いを見守る真美たち。

 

 裕太「あ、ウルトラマンとティガだ!」

 

 裕太は相当なウルトラマン好きなのか、オーブを見ただけで元のウルトラマンを嬉しそうに当ててしまっている。

 

 真美「本当だ………凄いね、あのウルトラマン。」

 

 それを聞いた真美も、オーブのフュージョンアップの凄さに気付く。

 

 他のウルトラマンの力を借りることへの凄さに興奮しているのか裕太のウルトラマンオーブへの応援もさらに活発になり、真美も変わらず満面の笑みでオーブの戦いを見守り続ける。

 

 

 真美「………頑張って、ウルトラマン。」

 

 

 

 オーブは駆けながら跳躍し、先陣切って突っ込んで来たキーラの頭部を踏み台にしながら飛び越えるとその先のラゴラスの左肩に落下スピードを活かした右の手刀を浴びせ、続けて右腕の水平チョップ胸部に浴びせる。

 

 ラゴラスは反撃で右腕で殴り掛かるがオーブはそれを左腕で弾くと腹部に右脚蹴りを決め、続けて一回転して右回し蹴りを頭部に打ち込んで後退させる。

 

 

 次はアイスロンが左側から殴り掛かるがオーブはそれを右手で掴んで受け止め、そのまま右側から襲って来るスノーギラン、そして左側のアイスロンと続けて右脚蹴りを打ち込んで吹っ飛ばす。

 

 

 その隙にキーラが背後から突進してくるが、オーブはそれを跳躍して反転してかわしキーラの背後に着地するとキーラの背中に右前蹴りを叩き込んで転倒させる。

 

 

 次にラゴラスが頭突きの突進を繰り出し、オーブはそれを素早く右にそれて両腕で角を掴むと、赤い模様を発光させてティガ(パワータイプ)の力を発揮させて背負い投げで地面に叩き付けた!

 

 

 スペシウムゼペリオンの戦闘スタイルは、正にウルトラマンのパワフルさとティガのスタイリッシュさが合わさっていて見事にバランスが取れている。

 

 フュージョンアップ形態の中ではオールマイティな基本形態なのだ。

 

 

 ラゴラスは立ち上がると、オーブ目掛けて渾身の冷凍光線を放つ!

 

 

 オーブは体勢を立て直すと、両腕を左右に大きく広げて紫色の光エネルギーを溜めてそれを右手に集束させてリング状に変形させる。

 

 

 オーブ「スペリオン光輪!」

 

 

 オーブは叫びと共にウルトラマンの八つ裂き光輪の派生技でもある光の輪・スペリオン光輪を投げる!

 

 光輪はラゴラスの冷凍光線を切断して消し飛ばしながら飛んで行き、やがてラゴラスの口元まで光線を相殺すると同時にすれ違いざまに頭部の右の角を切り落とす!

 

 

 ラゴラスが怯んだ隙にオーブは右腕、左腕の順番に両腕をL字に広げてエネルギーを溜め、それにより前面に光の輪が展開する。

 

 

 オーブ「スペリオン光線!!」

 

 

 オーブは叫びと共に両腕を十字に組んで必殺光線・スペリオン光線を発射!

 

 光線を浴びたラゴラスは大爆発して木端微塵に吹き飛んだ。

 

 

 キーラ、スノーギラン、アイスロンはそれぞれショック光線、ダブル冷凍ガスをオーブ目掛けて放つ。

 

 オーブはそれを跳躍してかわすと上空で反転し、その状態でガイは再びオーブリング構えて、オーブは次は青い光に包まれる。

 

 

 ガイ「ジャックさん!」

 

 《ウルトラマンジャック!》

 

 ウルトラマンジャック「シェアッ!」

 

 

 ガイ「ゼロさん!」

 

 《ウルトラマンゼロ!》

 

 ウルトラマンゼロ「デェェェイッ!」

 

 

 ガイは今度はウルトラマンジャックとウルトラマンゼロ、所謂武器や技などに共通点のあるウルトラマンのカードをダブルリードし、ジャックとゼロのビジョンがガイの両側に並び立つ。

 

 

 ガイ「キレの良いやつ、頼みます!」

 

 

 ガイは両側のウルトラマンと共にジャックの変身動作にもある右腕を揚げた後、ウルトラゼロアイをかざすようにオーブリングを目の位置に構えた後上に揚げる。

 

 

 《フュージョンアップ!》

 

 

 リングは、オーケストラ調の壮大なメロディと共に緑、青と光った後に青に輝く。

 

 

 《ウルトラマンオーブ! ハリケーンスラッシュ!》

 

 

 姿が変わったオーブは光の中から右腕を突き出して飛び出す!

 

 そして、とある高層ビルの上に着地する。

 

 

 次のフュージョンアップ形態は、ジャックとゼロのパワーを借りた姿であり、スピード戦を主体とする形態・ハリケーンスラッシュである!

 

 その姿は赤・青・黒で構成されたよりスマートなボディに右色のクリスタル、頭部にゼロスラッガーのようなスラッガーを持つのが特徴である。

 

 

 オーブ「光を越えて、闇を斬る!」

 

 

 オーブは決め台詞と共に両腕を回して青い風のような光を走らせながらポーズを決めると、ビルから飛び立ち地上のスノーギランの頭部に右横蹴りを叩き込む!

 

 次にキーラと組み合うと、そのままキーラに振り回される形で跳躍しながら両脚を振るい、それによる蹴りで背後にいたアイスロンを吹っ飛ばす。

 

 そして地面に足を付くと、組み付いていたキーラの右腕に左膝蹴りを打ち込んで一旦引き離すと、右回し蹴りを頭部に叩き込んで吹っ飛ばす。

 

 次にアイスロンが腕の鋭い突起を突き立てるが、オーブは側転してかわすと同時に蹴りでその攻撃を弾き、胸部に右脚蹴りを叩き込んで吹っ飛ばす。

 

 そしてオーブはスノーギランに駆け寄ると同時に跳躍して右、回って左と胸部に二段蹴りを決めて吹っ飛ばした!

 

 

 軽やかな蹴り主体で戦い、蹴りが炸裂する度に青い風のような青いラインが走り火花が飛び散る。

 

 ハリケーンスラッシュはこの様に身軽さを活かしたスピーディーでキレのある格闘戦が得意なのである。

 

 

 オーブは体勢を立て直すと、頭部のスラッガーから光の刃・オーブスラッガーショットを飛ばす。そしてそれを前方で回転させることで光の渦は発生する。

 

 その光の中から、オーブスラッガーショットが合体したハリケーンスラッシュ専用の三又槍状の武器・オーブスラッガーランスを取り出す!

 

 

 オーブ「オーブスラッガーランス!」

 

 

 オーブは構えを取ると、怪獣たち目掛けて颯爽と駆け寄る。

 

 アイスロンは先陣切って突進するが、オーブはそれをランスの柄で受け止め、一回転して腹部に斬撃を決めて、続けて先端を胸部に突き立てて後退させる。ランスでの斬撃が決まる度に火花が飛び散る!

 

 怯まずアイスロンは至近距離から冷凍ガスを噴射するが、オーブはランスを高速回転させてそれを防ぎ、同時に赤と青の光の竜巻を発生させてそれに巻き込まれたアイスロンは上空高く巻き上げられる!

 

 それを追うようにオーブもランスを手に飛び立ち、身動きの取れないアイスロンのいる高さまで飛んで静止すると、ランスのレバーを三回引いて、穂先に光の刃を形成させる。

 

 

 オーブ「トライデントスラーッシュ!!」

 

 

 オーブはランスの穂先の光の刃で、残像を伴いながら目にも止まらぬ速さで相手を滅多切りにする最強の切断技・トライデントスラッシュを放つ!

 

 上空でアイスロンを滅多切りにしたオーブは地上に着地してポーズを決め、滅多切りにされたアイスロンは、上空で時間差で大爆発して消し飛んだ!

 

 

 ラゴラス、アイスロンと撃破され、怪獣軍団は残り二体となってしまったが、キーラとスノーギランは怯まず身構える。

 

 

 オーブは今度は赤黒い光に包まれる。

 

 

 ガイ「ゾフィーさん!」

 

 《ゾフィー!》

 

 ゾフィー「ヘアッ!」

 

 

 ガイ「ベリアルさん!」

 

 《ウルトラマンベリアル!》

 

 ウルトラマンベリアル「ゼェェアッ!」

 

 

 今度はゾフィーとウルトラマンベリアル、所謂光と闇代表のウルトラマンのカードをダブルリードし、ガイの両側にゾフィーとベリアルのビジョンが並び立つ。

 

 

 ガイ「光と闇の力、お借りします!」

 

 

 ガイはゾフィーとベリアルのビジョンと共に右腕を揚げた状態から左腕を大きく回した後リングを揚げる!

 

 余談だがこの動作は、まるでベリアルが宇宙牢獄から解放された際の肩慣らしの動作のようである。

 

 

 《フュージョンアップ!》

 

 

 リングは、オーケストラ調だがより荘厳で禍々しいメロディと共に黄色、濃い紫と光った後に赤黒く輝く。

 

 

 《ウルトラマンオーブ! サンダーブレスター!》

 

 

 姿が大きく変わったオーブは闇も混じったような光の中から右腕を突き出して飛び出す!

 

 そして、爆音と共に土砂を高く巻き上げながら着地する。

 

 

 次のフュージョンアップ形態は、ゾフィーとベリアルのパワーを借りた形態・サンダーブレスターである!

 

 外見は赤と黒で構成された筋肉質のボディに、ベリアルのように赤く釣り上がった目、鋭く尖った爪、肩にあるゾフィーのウルトラブレスターが特徴であり、他の三形態よりも大きく異なった姿をしている。

 

 戦闘力も他の三形態を凌駕するが、当初ガイはその力を制御できずに幾度か暴走し、周囲を顧みない暴れるような戦いぶりの末にナオミを傷つけてしまい心に深い傷を負ってしまったが、後に無事だったナオミの言葉によって自分を信じる勇気を取り戻し、闇を恐れなくなったことで制御可能となった。

 

 そしてその後も、ハイパーゼットンデスサイスを撃破したり、巨大ジャグラーやマガタノオロチと比較的互角に戦ったりなどそれなりに活躍している。

 

 

 因みに余談だが、サンダーブレスターの戦い方は某赤い通り魔を連想させるんだとか………?(笑)

 

 

 そんな見るからにヤバそうな雰囲気漂うサンダーブレスター。見ている人々の中にはビクつく子供も見られたが、オーブ自身であることに変わりはないためすぐに応援の声が飛び交う。

 

 

 オーブ「闇を抱いて、光となる!」

 

 

 オーブがドスの利いた口上と共に構えを取ると、身体の赤い模様が発光する。

 

 そして高速で飛んで接近すると、スノーギランに赤黒い光を纏ったパンチを叩き込み吹っ飛ばした!

 

 百メートル以上は吹っ飛んで地面に落下したスノーギランの姿に驚きつつも、キーラは攻撃を仕掛ける。

 

 キーラは両腕を振るって殴り掛かるが、オーブはそれを易々と両腕で防いでいき、右聖剣突きを腹筋で受け止めるとその右腕を乱暴に叩き落とし、頭部に右拳のパンチを決め、腹部に右、左と交互にパンチを打ち込んだ後、右脚蹴りを腹部に叩き込んで吹っ飛ばす。

 

 

 打撃が炸裂する度に、どこか骨が砕け、何かが潰れるような生々しい音が聞こえる。

 

 それほどサンダーブレスターのパワーは強力であり、やはり制御可能な今でもベリアルから受け継いだラフファイトは健在のようである。

 

 

 キーラは再度接近し、至近距離でショック光線を放って目つぶしにかかる!

 

 ………だがオーブ・サンダーブレスターは目を抑えるどころか、ダメージを受けた様子は全く見せなかった!

 

 自身の得意な目つぶしが効かない事に「そんな馬鹿な~!?」とばかりに動揺するキーラ。

 

 

 ガイ「闇の力も秘めたこの目を………潰すことはできないぜっ!」

 

 

 ガイがそう叫ぶと、オーブは赤黒い光を纏った正拳突きを顔面に叩き込み、怯んだ隙にヤクザキックにも似た右足蹴りを胸部に叩き込んで遠くに吹っ飛ばす!

 

 更に立ち上がったキーラ向かって駆け寄り、拳を握った状態で両腕を大きく広げてダブルラリアットのような打撃を叩き込んで転倒させる。

 

 

 オーブは右手に闇、左手に光のエネルギーをチャージし、それにより前面に白と赤黒い稲妻のような光の輪を発生させた後、両腕を十字に組む。

 

 

 オーブ「ゼットシウム光線ッッ!!」

 

 

 そして十字に組んだ腕から赤・黒・黄の稲妻を纏った光と闇の必殺光線・ゼットシウム光線を発射する!

 

 

 光線が直撃したキーラ。光線の威力も絶大であり、スペシウム光線も効かなかったキーラの体は、光線が命中した部位から抉れた肉片が飛び散って行く………!

 

 そしてキーラはその場で大爆発を起こし、大きな爆風と共に木端微塵に吹き飛んだ!

 

 

 オーブの連続フュージョンアップのコンボにより、残る怪獣は超獣スノーギランだけとなった。

 

 

 スノーギランは負けじと冷凍ガスをオーブに浴びせ始める。

 

 だが、オーブはなんと避けるどころか体で浴びるように受け止め始める!

 

 

 オーブ「最後は、お前の氷を溶かしてやるぜっ!」

 

 

 そしてそのままガイはオーブリングを構え、オーブは今度は金の光に包まれる。

 

 

 ガイ「タロウさん!」

 

 《ウルトラマンタロウ!》

 

 ウルトラマンタロウ「トアーッ!」

 

 

 ガイ「メビウスさん!」

 

 《ウルトラマンメビウス!》

 

 ウルトラマンメビウス「テヤッ!」

 

 

 ガイはウルトラマンタロウとウルトラマンメビウスの師弟コンビのカードをダブルリードし、ガイの両側にタロウとメビウスのビジョンが並び立つ。

 

 

 ガイ「熱いやつ、頼みます!」

 

 

 ガイはタロウとメビウスのビジョンと共に、一度両腕を広げた後、左側に体をひねり勢いよくリングを揚げる!

 

 

 《フュージョンアップ!》

 

 

 リングは、エレキギター調のメロディと共に赤、白と光った後に黄に輝く。

 

 

 《ウルトラマンオーブ! バーンマイト!》

 

 

 姿が変わったオーブはメビウスの輪状の炎のような光の中から銀のリングと共に右腕を突き出して現れる!

 

 なお、この際に他の形態とは違って右手を広げた状態なのが特徴である。

 

 

 最後のフュージョンアップ形態は、ウルトラマンタロウとウルトラマンメビウスのパワーを借りた姿であり、炎の力を駆使した格闘戦を得意とする形態・バーンマイトである!

 

 その外見は赤・金・黒で構成されたボディに額の黄色いランプ、頭部にはメビウスの赤いラインとタロウのウルトラホーンのような角が生えており、胸部にはメビウス・バーニングブレイブのファイヤーシンボルに似た模様があるのが特徴である。

 

 その燃えるような真っ赤な姿は、まさに二人の熱い闘志にガイの情熱が合わさっているようである。

 

 

 スノーギランはなおもオーブに冷凍ガスを浴びせ続けるが、全身に炎を纏って歩いて現れるオーブ・バーンマイトには通用しない。

 

 

 オーブ「紅に、燃えるぜっ!」

 

 

 オーブは口上と共にポーズを決めると同時に、周囲に炎を爆散させて冷凍ガスを吹き飛ばす。

 

 

 その炎のパワーは、少し遠くで観戦している真美たちにも熱が伝わる程であり、いつの間にか凍り付いていた人たちも元に戻っていた。

 

 

 真美「今年のクリスマスは、例年より暖かいわね…。」

 

 戦いを見守る真美は嬉しそうな表情でそっと呟いた。

 

 

 オーブは人々の歓声や応援が飛び交う中スノーギランと交戦する。

 

 まずオーブはスノーギラン向かって駆け寄り、すれ違いざまに右膝蹴りを腹部に叩き込む。

 

 次に振り向いたスノーギランの胸部に正拳突きを打ち込んで怯ませた後、頭部を掴んで腹部に左膝蹴りを2発打ち込んで頭部に右手の空手チョップを叩き込む。

 

 次にオーブは、右拳に炎を纏わせる。

 

 そしてその炎の拳・ストビュームナックルでスノーギランの顔面、腹部に2発とパンチを打ち込んだ後、頭部に渾身のラリアットを決めて転倒させる!

 

 それと同時にスノーギランの頭部の発光部が破壊され、フラッシュ光線が打てなくなった。

 

 

 スノーギランは負けじと口と両手から同時に冷凍ガスを噴射するが、オーブはそれをしゃがんでかわすと同時に足に炎を纏って滑り込むように突っ込み、炎の蹴り・ストビュームフットを足払いのように繰り出し、それを足元に受けたスノーギランはバランスを崩し始める。

 

 その隙にオーブは高く飛び上がると、そのまま空中で数回ひねりや回転を加えた後、その回転力や落下のスピードを活かして飛び蹴りを放つ。

 

 これぞタロウから受け継いだ蹴り技・スワローキックだ!

 

 蹴りはスノーギランの胸部に直撃すると爆音が鳴り響き、スノーギランはたまらず吹っ飛んで地面を転がる。

 

 豪快な格闘技の連続にスノーギランは完全にグロッキーとなった。

 

 

 ガイ「俺に触ると…火傷するぜっ!!」

 

 

 ガイ=オーブはそう吠えると、再び右拳に炎を纏わせ、ストビュームナックルでアッパーカットを叩み空叩くぶっ飛ばす!

 

 そして上空高く吹っ飛ぶスノーギランを追うようにオーブも飛び立つ。

 

 

 ガイ「ストビューーーム、ダイナマイトォォォォォォ!!」

 

 

 ガイ=オーブは激しく技名を叫びながら赤い閃光と共に両腕を胸部の位置に交差させる。するとオーブの全身が金色から七色へと発光した後全身が炎に包まれ、そのままスノーギラン目掛けて突っ込んでいく。

 

 これぞバーンマイト最大の必殺技であり、全身を炎と化して敵に突撃するストビュームダイナマイトである!

 

 炎に包まれたオーブは上空でスノーギランを羽交い締めにした後一気に爆発する!

 

 それによりスノーギランは撃破され、オーブは上空の大きな爆風の中から現れ地上に着地する。

 

 

 連続フュージョンアップのコンボにより見事グレイザー率いる怪獣軍団を撃破したオーブ。

 

 オーブはバーンマイトのままその場に立ち尽くし、人々はオーブの勝利に歓喜の声を上げる。

 

 

 そしてスノーギランが撃破された直後に、まるでクリスマスに平和が戻った事を象徴するかのようにちらちらと雪が降り始め、同時にジングルベルの音楽もしっとりと鳴り始める。

 

 

 真美「ありがとう………ウルトラマンオーブ。

 

 クリスマスを取り戻してくれて。」

 

 真美は両手を広げて雪を受けながら、満面の笑みでオーブを見上げて礼を言う。

 

 

 だが、失明した人々はそのままである………。

 

 

 すると、オーブは振り向いて右手を人々に、左手を病院の方へと向け黄色い光線を浴びせる。

 

 その光線を浴びる人の中で目の見える人はその眩しさに目を覆う。

 

 

 すると光が治まった後、失明していた人々が次々と目を開け始める!

 

 オーブは光線で失明した人々を治したのである。恐らく先ほどの光線はタロウのリライブ光線からの派生技なのであろう。

 

 

 裕太「お母さん大丈夫?」

 

 母「………目が見えるわ。」

 

 佳那「本当だ!」

 

 失明した目が治った裕太の母と妹も喜ぶ。

 

 真美「まあ、良かったね裕太君!」

 

 裕太「うん!」

 

 裕太も母と妹の完治を喜び、真美も松坂浩二の妻子の無事を喜ぶ。

 

 

 ガイ「これでこの世界も大丈夫だな。

 

 

 シュワッチ!」

 

 

 ガイ=オーブは人々の完成やお礼の声を受けながらこの世界の無事を確信し、両腕を揚げて飛び立つ。

 

 

 この世界を出て、再びさすらいの旅に出ようとしているのであろう。

 

 

 空高く飛び去ろうとした時、オーブは近くのタワーに気付く。

 

 

 オーブはタワーに手を向け、星屑のような光線を浴びせる。

 

 するとタワーは光に包まれ、光が消えるとなんとタワーはデコレーションされ、クリスマスツリーのようになった!

 

 タワーを巨大なクリスマスツリーに変えたオーブ。

 

 タロウはかつて東京タワーをキングブレスレットの力でクリスマスツリーに変えたことがあり、恐らくそれからの派生能力なのであろう。

 

 

 巨大なクリスマスツリーとなったタワーを人々は喜びや興奮の声を上げながら見上げる。

 

 

 ガイ「ちょっとサービスし過ぎたかな………ま、いいか。

 

 

 あの世界の“あいつら”のように、この世界の人たちにも、平和の夜明けをいつまでも見ていてほしいからな。」

 

 

 

 

 その頃、別世界、所謂オーブが活躍した世界の地球では、

 

 

 東京の北川町に一軒の小さなオフィスビルがあった。

 

 

 それは、怪奇現象追跡サイト・SSP(正式名:Something Search People)のオフィスビルである。

 

 SSPは、「世界のミステリーや怪奇現象を解明すること」をモットーとし、「ネバー・セイ・ネバー(できないなんて言わないで)」を合言葉としており、

 

 メンバーは、発起人兼代表(キャップ)の夢野ナオミ、ウェブ・カメラマン担当の早見ジェッタ、調査分析担当要員・松戸シンの三人で構成されている。

 

 

 彼らは魔王獣復活と共に現れたガイと出会ってから、魔王獣との戦いなど様々な事件に遭遇していき、またそれを通じて居候させていたガイと親しくなっていた。

 

 

 だが、ガイ=オーブがマガタノオロチを倒した(魔王獣が完全に滅んだ)後、彼らのもとから去って行ってさすらいの旅に出かけたため、それ以降大した怪奇現象に出会う事も無く平和な日々を送っており、そしてクリスマスイブを迎えていた。

 

 

 クリスマスイブということで、飾りなどが若干クリスマス仕様になっているオフィス内。今日も三人は集まっており、全員サンタ帽子をかぶっていた。

 

 

 ジェッタ「あーあ、マガタノオロチが滅んでからは、怪奇現象とか全く起こらなくなったね。」

 

 シン「そうですね、それじゃあ僕はそろそろ未来予測システムの開発を再開しましょうかね。」

 

 

 ナオミ「ガイさん………元気にしてるかな?………。」

 

 ジェッタとシンが平和になった事を語り合っている時、ナオミは旅立ったガイの事を気に掛けていた。

 

 

 ジェッタ「きっと大丈夫だよ。だって、ガイさんだもん。」

 

 シン「そうですね、今頃どこかで呑気にラムネかシュワシュワコーヒーでも飲んでたりして。」

 

 

 ナオミ「………そうだね。ガイさんはガイさんで今頑張ってるだろうし、私たちも、今やれる事を頑張らないとね。」

 

 

 三人が決意を新たにしたその時、

 

 

 ???「タ〇ル殿! 不可思議現象、発生ですぞ~!!」

 

 

 突然オフィスの外から声がして三人がそれに気づいたその時、

 

 

 一徹「おいかまいたち!…じゃなかったお前たち! さっきお坊さんみたいな人から、この近くで怪奇現象が起こったとの通報があった。」

 

 

 オフィスのドアを開けて入りながら、この世界の防衛チーム・ビートル隊の情報特務隊隊長でありナオミの叔父・渋川一徹が三人に知らせる。

 

 

 シン「おお、久々の怪奇現象ですね!」

 

 ジェッタ「ああ。今日もバッチリ、スクープを撮るぞー!」

 

 

 ナオミ「よーし、サムシング・サーチ・ピープル、出動!!」

 

 ジェッタ・シン「了解!!」

 

 三人は颯爽とオフィスの外に出て行く。

 

 

 一徹「ふふ、久々だけに、気合が入ってんな。」

 

 渋川もそんな彼らを見て微笑みながら、後を追い始める。

 

 

 一徹「ガイ君………このように、此方も頑張っている。

 

 (夜空を見上げて親指を突き出しながら)だから、そちらも頑張れよ。」

 

 

その一方で、SSPオフィス近くで、スーツ姿にサンタの帽子をかぶったジャグラーが、まるで何を考えているのか分からない表情で…

 

ジャグラー「ウルトラマンオーブ………違う世界でも、お前は希望の光か?………。」

 

 

 

 

 ガイ=オーブも、そんな彼らの頑張りを離れていても感じたのか、少しふっと笑っている様であった。

 

 

 ガイ「ひとまず、この世界はもう大丈夫だな。

 

 あばよ!」

 

 

 オリジンの姿に戻っていたオーブ(ガイ)はサムズアップをして渋川の台詞を言った後、空の彼方へと飛び去り、やがて星になった。

 

 その最中、またしてもオーブニカのメロディが街中に響いている様であった………。

 

 

 再びさすらいの旅に出かけたガイ=オーブは、次はどこへ向かうのか?………それは誰も知るはずがなかった………………。

 

 

 

 私、新田真美はさっきまで目の前で起こっていたことが信じられなかった。

 

 突然悪夢が襲ってきて、もう駄目かと思ったその時、同じく突然現れて悪魔を倒してくれたウルトラマン・オーブ。

 

 その光景は正に神が舞い降りてくれたようだったわ。

 

 

 でも、長らく現れなかったウルトラマンや怪獣が突然今になって現れるなんて、一体どういう事なんだろう………?

 

 何だか僅かに胸騒ぎも感じるけど、とにかくクリスマスが平和に戻ってくれた事が、私はとにかく嬉しいわ。

 

 だからオーブには本当に感謝している。

 

 

 オーブはどこへ行くのだろう?………どこかに旅立って行ったのかな………?

 

 またいつか来てくれると嬉しいな………。

 

 

 とりあえず私は考えるのをやめ、裕太君や彼の母や妹と一緒に、ツリーに変わったタワーを見上げていた。

 

 

 真美「綺麗ね………裕太君。」

 

 裕太「うん………ウルトラのクリスマスツリーだ。」

 

 

 すると裕太君はすかさずカメラでそのツリーを一回撮った。

 

 その写真はタワーとイルミネーションが同時に写っていて、ちらちらと降る雪がそれにデコレーションを加えてるかのようで、とても良い写りの写真になってたわ。

 

 

 裕太「父さんに見せる写真………これにするよ。」

 

 真美「(満面の笑みで)うん、それがいいかもね。」

 

 裕太君のパパに見せる写真も撮れたことだし、正にめでたしめでたしだわ。

 

 

 

 もうしばらくイルミネーションを堪能した後、私は裕太君の家族と別れることにした。

 

 

 母「どうも息子がお世話になりました。」

 

 真美「いえいえ。当然のことをしただけですよ。

 

 それより、明日からはお父さんとも一緒のクリスマス、お正月と楽しんでください。」

 

 

 佳那「じゃあねートナカイの姉ちゃん。」

 

 そう言えば私、まだトナカイのファッションのままだったわ(笑)

 

 真美「(しゃがんで佳那の頭を撫でながら笑顔で)うん。プレゼント楽しみだねー。」

 

 

 そして私は裕太君の方を向く、

 

 裕太「真美さん、今日は、本当にありがとうございました。」

 

 真美「私の方こそ楽しかったわ。明日からまた楽しんでね。

 

 あと、これからも家族を大事にね。」

 

 裕太「お礼に、これを。」

 

 裕太君は一枚の写真を私に渡してくれた。

 

 それは、さっき撮ったタワーのツリーとイルミネーションの写真だったの。

 

 

 真美「………ありがとう。大事にするよ。」

 

 裕太「僕、真美さんが好きです。父さんと母さんと、佳那の次に。

 

 綺麗で、優しくて………とってもいい匂い!」

 

 真美「(照れ笑いしながら)裕太君ったら………。」

 

 照れ笑いする私につられるように、裕太君やママ、佳那ちゃんも笑い、私たちは笑い合った………。

 

 

 私は笑顔で手を振りながら裕太君達を見送ったわ。

 

 どうかあの家族が、最高のクリスマスやお正月を過ごせますようにと祈りながら………。

 

 

 そして会場を出て、街灯やイルミネーションで光る帰り道を鼻歌を歌いながらルンルンと歩いて帰って行ったの………。

 

 

 え?どうしてって?

 

 

 明日、大切な人とようやくクリスマスを過ごせるからね~ 

 

 

 

 翌日、カーテンの隙間から穏やかに差し込む光で私は目が覚めた。

 

 朝が来たことに気付いた私は約束の時間が過ぎたかと思って慌てて起きたけど、時間はまだ朝の7時。

 

 

 約束の時間は9時。まだ間に合うわ。

 

 

 急いで顔を洗って、化粧水を塗って、髪形を整えて、朝食をとった私は鞄を持って出かける。

 

 

 今日は25日、クリスマスの日。

 

 

 昨夜の雪が屋根や道路に積もっていて、朝の冷たい空気は美味しくて、天気は穏やかに晴れていて、耳を澄ませてみると近所にこどものはしゃぐ声が聞こえるわ。

 

 多分子供たちがサンタさんが届けてくれたプレゼントで喜んでるんだわ。

 

 

 それを聞いている私はなんだかとても嬉しい感じになったの。

 

 本当に、平和なクリスマスが来たんだな~って思えるから。

 

 だからウルトラマンオーブ、本当にありがとう!

 

 

 すると、前から子供が一人、私の方に入って来たの。

 

 裕太君だったわ。

 

 

 真美「あら裕太君、おはよう。そして、メリークリスマス。」

 

 裕太「真美さんこそ、メリークリスマス。

 

 今日は気合が入ってますね。」

 

 真美「(照れくさそうに)そう?………ありがとう。」

 

 裕太君は私の衣装を気に入ってくれた。

 

 

 因みに今日はサンタコスにしてみたの。

 

 

 昨日がトナカイだったって事もあるけど(笑)、今日はクリスマスの日だし、大切な人と出かけるから、確かにちょっと気合を入れてみたの。

 

 早速気に入ってもらえて嬉しいわ。

 

 

 裕太「プレゼントのラジコンも届いたし、父さんがさっき帰ってきました。」

 

 真美「そう。良かったね。」

 

 

 裕太「そして、写真………

 

 気に入ってもらえました。」

 

 

 真美「(満面の笑みで)やったね。」

 

 裕太「これも真美さんのおかげです。

 

 本当にありがとうございました。

 

 これからもらった小遣いで父さんへのお疲れのプレゼントを買いに行くところです。」

 

 真美「そう、気を付けてね。

 

 それと、楽しいクリスマスとお正月を迎えてね。」

 

 裕太「はい!」

 

 

 私は、元気いっぱいに手を振りながら走って行く裕太君を笑顔で手を振りながら見送った。

 

 初めて会った時と違って元気になって本当に良かったわ。

 

 それに、とっても親思いで良い子だわ………だから、そんな子が、これからも幸せに暮らせますように。と私は思いながら、私は再び歩き出したの。

 

 

 “ある人”が待つ場所に向かって………。

 

 

 しばらく歩くと、約束通り、“彼”が待ってくれていたわ。

 

 

 櫂「………やあ、おはよう、真美。」

 

 

 櫂君は笑顔で、どこか照れくさそうに挨拶してくれた。

 

 

 真美「おはよう櫂君。」

 

 私も返事をし返したわ。

 

 

 因みに櫂君もサンタコス。

 

 つまり、今日は櫂君と私、ペアルックで出かけるという事だね。

 

 

 櫂「………………サンタ姿………なかなか可愛いじゃねーか。」

 

 

 良かった~………。櫂君はどこか照れくさそうに褒めてくれたわ。

 

 

 真美「ありがとう………。」

 

 

 櫂「んじゃ、行こっか。」

 

 真美「うん。」

 

 

 待ち合わせ場所で合流した櫂と真美は、お互い笑顔で手を繋いでタワー向かって歩き始めた。

 

 櫂はその最中も、ひっそりと不敵な笑みを浮かべていたが………………。

 

 

 私、新田真美は、櫂君と手を繋いで歩いて行った………。

 

 今日も楽しい一日になりますように!

 

 

 

 (ED:Shine your ORB)

 

 

 

 クリスマスで賑わう街を歩いていても、サンタ姿で歩く櫂と真美の姿は目立つものだった。

 

 

 何しろ二人は、麟慶大学が誇るイケメン&美人学生なのだから。

 

 シャープだが凛とした顔つきがかっこいい櫂と光るような笑顔がかわいい真美。二人ともサンタ姿が似合うわけである(笑)

 

 二人は楽しそうに笑って他愛もない話をし合いながらタワー向かって歩き続けた………。

 

 そんな他愛もない話も、クリスマス故か弾んでいる様であった………。

 

 

 だが、タワーに着いた瞬間、、、

 

 

 櫂「んなっ……………なっ………………なあああんじゃこりゃああぁぁぁぁぁ!!?」

 

 

 櫂はクールな顔つきから想像できない程に驚いてしまっていた。

 

 

 それは、タワーがまだツリー状であったからである。

 

 

 真美「あ、………(苦笑いしながら)そっか、櫂君昨夜いなかったもんね………。」

 

 

 真美は、何も知らない櫂の驚く姿を、どこかおかしそうに笑うのであった………。

 

 しばらくして櫂が落ち着くと、櫂と真美はタワーへと入って行った………。

 

 

 昨夜いなかったが故に、オーブが活躍した事を知るはずもなかった櫂………。

 

 後にそんな櫂が、ウルトラマンゼロと一心同体になって戦う事になるとは、真美はもちろん誰も思うはずもなかった………。




 読んでいただきありがとうございます!

 いかがでしたか?


 今年(ウルトラシリーズ50周年)もあと少しで終わるということで、ウルトラマンオーブの活躍を描いてみました!

 また、母性溢れる優しさを持つ真美ちゃんが主役ということで傷ついた少年との交流を主体に描いてみました。


 ウルトラマンオーブはとても面白かったので、私はしばらくオーブロスが続きそうです(笑)


 因みにみなさんはオーブのフュージョンアップ形態だと何が好きですか?

 私はオリジンとバーンマイトです。


 ※今回、本編よりも櫂君と真美ちゃんがラブラブに見えるという点では人によって違和感を感じるかもしれませんが、そういう時は今回はパラレルワールドのストーリーだと思えば楽になれます………多分(笑)


 感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています。


 ※今回出たイルミネーション大会は、実際あるわけではなく私が適当に考えたものなのでご了承ください。



 因みに隠れていたサブタイトルは、

 「姿なき挑戦者」(ウルトラセブン第1話)

 「不死身のグローザム」(ウルトラマンメビウス第46話)

 「ウルトラのクリスマスツリー」(ウルトラマンタロウ第38話)

 でした。(登場順)
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