ウルトラマンゼロ物語(ストーリー) in RED ZONE STAGE 作:剣音レツ
お正月を迎えたと言う事でふと思いついた番外編です。
タイトルこそほのぼのしてますが、実は後半に非常に驚きの展開が待っています。
※オリヒロの真美ちゃんが主役なので、櫂君や海羽ちゃんはほとんど出て来ないと思っていてください。
(OP:青い果実)
私は新田真美。
福岡県出身だけど、今は将来看護婦になるために霞ヶ崎の麟慶大学医学部に在学していて、それ故に一人暮らしをしているの。
みんなからは「文武両道」「美人」「優しい」「良い匂い」なんてよく言われて、とても高い信頼を得ているんだけど、私は特に特別な事はしてなくて、ただ人として当然の事をして普通に過ごしているだけだよ。美人や良い匂いは分からないけど……そこは生まれつきなのかな?(笑)
まあ、確かに勉強に関しては結構努力したけどね。
特に仲の良い友達の中には、同じ大学に在学している幼馴染みの竜野櫂君や大学で知り合った眞鍋海羽ちゃんがいるんだけど……この二人は今、とても凄い力を持っているの。
櫂君は私以上の文武両道と性格の良さ、海羽ちゃんはみんなを元気にする明るさと人を虜にする可愛らしさと、それぞれ特有の凄い力を持っているんだけど、それにも負けない凄い力………。
二人は今、ウルトラマンの力も持っているの。
櫂君はウルトラマンゼロ、海羽ちゃんはウルトラウーマンSOL(ソル)にそれぞれ変身できるの。
私は最初は動揺したけど、怪獣頻出期以来3年ぶりに襲って来る敵の存在を知って、私はウルトラ戦士に変身して戦う彼らをできる限りサポートしてきたわ。
そして櫂君達、それからこの霞ヶ崎に駆けつけてくれたウルトラマン達のおかげで霞ヶ崎は何度も救われてきた。
私はウルトラ戦士に変身できないからあまり戦えないけど、傷つき疲れる戦士を応援して癒して、それによって櫂君達が元気になってくれて、それによって平和を守るのに繋がるなら、私はそれをこれからも一生懸命やっていくわ。
今日も、櫂君達ウルトラマンがヤプール軍団から霞ヶ崎を守ってくれたの。
………これから話すのは、そんな一生懸命戦ってくれる櫂君と海羽ちゃんを見て、ふと思い出した事。
思えばあの時は、未だに信じられない夢のような経験だったわ………。
それは、遡る事ちょうど7ヶ月前の1月1日。
私は地元に帰って正月を過ごしていたの。
紅白等を見たり年越しのカウントダウンをしたりして夜更かしをした大晦日の翌日のA.M.8:00、家族がまだ寝静まっている間、私は青が基調の袴姿で近くの神社に初詣に行ったの。
因みに早朝で初詣に行くことは前日前もって親に言っています。
あ、そういえば私、元日早々に少し不思議な夢を見たの。
それはとある廃工場で、子供が怪物に襲われそうになっていて、助けようと手を伸ばした瞬間、私は突然光に包まれて、気がつくと私の目の前に石柩のような物が現れた……て言う夢なんだけど…。
一体何だったんだろう?……私は少し気になっていた………。
あ、話をずらしてごめんね。
初詣。早朝は流石にまだ寝静まっている所が多いのか、それほど人がいなかったからそのお陰でスムーズにお賽銭箱に小銭を入れて鈴を鳴らし、じっくりと願い事を拝むことが出来たわ。
え?何を願ったって?
「今年一年も、平和でみんなが幸せでありますように」ってね。
最も、その6か月後にこの街が戦いの舞台になってしまうとは思いもしなかったけど………。
参拝を終えた私は絵馬に願い事を書こうとした時、ふと何かに気付いた。
そこには鳥居のそばで座り込んで、どこか悲しそうな顔をしている9歳ぐらいの男の子がいたの。
私は気になってその子の元に歩み寄った。私、こういう風に困っている人を見ていると放っておけなくて、助けずにはいられないの。
「僕、どうしたのかな?」
私はその子のそばに歩み寄り、同じ目線までしゃがんで優しく話しかけてみたけど………その子は返事をする様子は無く、顔を他所へ向けてしまった。
多分、話しづらいというのもあるかもしれないけど、何より私と言う見ず知らずの人物が話しかけたことに戸惑いを隠せないのかもしれない。
「どうしたのよ…。一人で悲しそうに………。」
私は折れずに、その子の横に座り込んで優しく話しかけ続ける。その子は私が怪しい人じゃないと思い始めたのか、横目ながら少しづつ私に視線を向け始める。
「ねえ、私で良かったら言ってみて。力になるよ。」
その子は遂に話す決心をしたのか、若干ぎこちなさがありながらもワケを話してくれた。
その子の名前は佐久間裕(さくま ゆう)。その子は私よりも早い時間・A.M.7:00頃にママ(美智子)と初詣に出かけてたらしいの。
何でも参拝を終えて帰ろうとした時、突如怪物が襲ってきて、何とか振りほどくことが出来たけど襲われた際に裕君のママが怪我をして家で寝込んでしまったみたい。
それにより裕君は元気をなくしてしまったみたいなの。
私は話を聞いた時、“怪物”と聞いた途端ふと夢の事を思い出し少し嫌な予感もしたけど、それよりもまだ幼くして親が怪我をした裕君が可哀想で仕方なかったわ。
「……そっかそっか。それは辛かったね。ごめんね、思い出させちゃって。」
「…いえ………大丈夫です。ただ………折角お正月ママと遊ぼうと思ったのに………。」
因みに裕君は7歳の妹を入れた三人暮らしで、既にパパがいないみたいなの。私は思わず同情の涙が出そうになったけどぐっとこらえた。
「じゃあ、私のところに来る?ぜんざいやおせちとかもあるよ。」
私は気落ちしている裕君に気晴らしを提案する。
「………え?」
私は少し驚く裕君の肩に優しく手を置いた。
「ずっとここに独りで、寒かったでしょう?一回温まって落ち着こうよ。」
その時、裕君は少しだけ笑顔になって「うん。」と答えてくれた。
私は親に事情を話して、裕君を家に入れてぜんざいをご馳走したの。因みに、私の手作りです(苦笑)
「おいしい……おいしいです。ママが作ったのと同じくらい……。」
「良かった。気に入ってもらえて。」
裕君はとりあえず笑顔になってくれて私はひとまず安心した。
その後、裕君と色んな話をした。学校の事、楽しかった事、好きなテレビ、お正月の楽しみなど。
私としばらくお話した後、裕君は寝込んでいるママの面倒を見るために帰る事にしたの。
「ありがとうございます。真美さん。」
「いえいえ。頑張ってね。それから…」
私は裕君に携帯電話番号をメモした紙を手渡した。
「寂しくなったり、困ったりしたら、いつでも言ってね。助けてあげるから。」
「……ありがとう。お邪魔しました!」
裕君は元気よく挨拶した後に手を振りながら私の家を後にする。私はそれを笑顔で手を振って見送った。
「……あの子、辛い思いしてるはずなのに、偉いよ。」
私は家に入った後そっと呟いた。
「私もあの子に負けないように強くならないとね。じゃ、引き続き正月を楽しみますか。」
私が再び家族の部屋へ行こうとしたその時、
“ドーン”
突然、何かが爆発するような音がして私は驚いた。
「…!もしかして…」
その爆発音はよく耳を澄ましてみると裕君が去って行った方から聞こえていた。
「パパ、ママ、ちょっと行ってくる!」
私はママ達の制止を振り切って急いで音がした方へ駆けて行った。
すると、現場に着いて私は驚愕する。
そこには、仰向けで後ずさりする裕君、そしてその前には見たことない不気味な二体の等身大な怪物がいたの。
真美が目撃した二体の怪物。一体は全身茶色い体毛に覆われ、頭や手足は昆虫、節足動物を思わせる形状をしている『インセクティボラタイプビースト アラクネア』。
もう一体はカエルを思わせる外見が特徴の『アンフィビアタイプビースト フログロス』
二体とも普通の怪獣とは違う『スペースビースト』という存在であり、スペースビーストとは「情報を得ることで急激に成長する」「知的生命体の恐怖を餌に成長する」という特徴を持っており、生物を捕食する事により成長・増殖する宇宙から飛来した恐るべき存在である。
大きさは等身大から数十メートルなどとまちまちであり、裕を襲っていたアラクネアとフログロスは等身大の約2メートルの大きさである。
私、新田真美は今目の前で起こっている事が信じられないでいた。今目の前で一人の少年が見知らぬ不気味な怪物二体に襲われているのだから。
目の前で襲われている裕君を助けたいけど、私も恐怖で足がすくんであまり動けないでいたの。
その時、一体のカエルみたいな生物(フログロス)が口から火の玉を裕君目掛けて打ってきたの!
でもその時、さっきまですくんでいたのが嘘のように私の体は無意識に動き、裕君を抱いてその場から離れる事で辛うじて彼を火球から救う事ができた。
恐らく、私の普段から思っている「人を助けたい」という想いにより、本能的に私を動かしてくれたのかもしれない。
でも、それも束の間今度はもじゃもじゃの生物(アラクネア)が襲い掛かろうとして来たから私は裕君を連れて必死で走って逃げたの。
何とか廃工場まで逃げる事ができたけど、流石の私も息切れが激しかった。私、運動神経はある方なんだけど、今は袴姿。所謂走りづらい姿で走ったのだから体力の消費は激しかったの。
「大丈夫ですか?真美さん。」
「ええ。ありがとう。」
「いえ、礼を言うのはこちらです。真美さん、足速いんですね。」
「エヘヘ……。」
でも、安心するのも束の間、私たちを嗅ぎつけてきたのか、二体の怪物が再び私たちの目の前に現れた。
カエルちゃん(フログロス)は驚く私たち目掛けて火球を連打して来て、それが近くの鉄塔やドラム缶に命中して爆発。裕君を庇った私は鉄塔の下敷きになってしまい、残された裕君は恐怖によって固まりその場を動けないでいた。
フリーズしている裕君に容赦なくもじゃもじゃ(アラクネア)が忍び寄る。
私は必死で手を伸ばしながら抜け出ようと踏ん張るけど鉄塔は重くてなかなか抜け出れない。そうしている間にももじゃもじゃは再び倒れ込んで後ずさりをしている裕君に襲い掛かろうとしている。
絶体絶命な状況の中、私は心が折れそうになりながら、僅かながらも可能性を信じて踏ん張りつつ祈り続けた…。
(…こんな時、あの人なら…絶対に諦めないはず……!)
(だから私も諦めない……私は絶対、諦めない……!)
と、その時、
“ピシャン ボワン”
突然、音とともに私の目の前に一筋の光が現れる。私がそれに驚いて目を見開く中、その光の中から一つのスティックのようなアイテムがが現れた。
私は動揺しつつも、直感的にそのアイテムを掴む。すると、アイテムから光の柱が放射され、私の上に乗っかっていた鉄塔を吹き飛ばした。
自由になった私はすぐさま裕君の元に駆け寄り、二体の怪物にアイテムを向ける。するとアイテムから丸く青い光のバリアーが展開され、カエルちゃんが吐いてきた火球を防ぐことができたの。
「真美さん、あいつらです!僕とママを襲ったのは!」
「え⁉︎」
私が裕君の真実の言葉に驚いたその時、
突如、空から赤黒い光線が降ってきて、二体の怪物を直撃した。すると、怪物は徐々に大きくなっていき、最終的には見た感じ40メートルぐらいまで巨大化した。
因みに、光線が照射された空の彼方からとある謎の声が聞こえた。
???「……さあ……僕に刺激を味わせてくれたまえ………。」
私、新田真美は突然巨大化した二体の怪物から裕君と共に逃げていた。
でも、怪物たちは執拗に追ってくる。まるで私を狙っているようにも見えた。
そしてカエルちゃん(フログロス)の火球が近くで爆発し、私たちは吹っ飛ばされてしまう。
私はすぐさま裕君に「大丈夫?」と体を揺するけど、裕君は気絶してしまったのか返事をしない。
怪物は止まった私たちに容赦なく近づく。
……その時、私の脳裏には「ある人」が浮かんでいた。こんな時も絶対に諦めないであろうあの人の顔が………。
その時、私の持っているスティック状のアイテムが少し光を放った。
それを見た私は何かを察した。多分、誰かが諦めない私に力を貸してくれたのかもしれない……。この力で、裕君やその他の人々の笑顔が救えるのなら………!
遂に決心を決めた私は立ち上がり、怪物たちの方を振り向く。そして、手に持ったスティックを高く挙げた!
スティックを挙げた真美は、振り挙げたことでスティックの鞘が抜けて、溢れ出る光に包まれる。そして、光の中から右腕を突き出す銀色の巨人が飛び出し、着地する。
現れたのは、銀色のボディが特徴の光の巨人『ウルトラマンネクサス(アンファンス)』だった!
ウルトラマンネクサス。それはデュナミスト(適能者)と一体化する事で力と肉体を得る正体不明の光。その正体は伝説の『ウルトラマンノア』でもある。
ネクサスにはこれまで(変形態含めて)6人ものデュナミストが変身している。
そしてネクサスは今回、新田真美を新たなデュナミストに選んだのだ。
恐らく真美は、ある人との絆や、目の前で襲われそうになっている子供を救いたい気持ちにより、絶体絶命の現状にも抗い続け諦めなかった事によりデュナミストに選定されたのであろう。
即ち、真美が夢で見た石柩は『ストーンフリューゲル』であり、変身に用いたアイテムは『エボルトラスター』だったのだ。
しかし、正月の袴姿の美女がウルトラマンに変身するとは…カオスと言うかシュールと言うか…(笑)
「……何?……これ。」
真美は変身した自分の姿に戸惑う。だが、そうしている隙にもアラクネアとフログロスが襲い掛かろうとしていた。
「……よく分からないけど、これが私に与えられた力なら、やれるだけやってみるよ!」
真美はとりあえず考えるのを止め、戦う決心をした。
ネクサスは構えを取る。
一方、突如現れたネクサスを、とある人物が遠くから見上げていた。
「…何だ?あれは…。」
ネクサスは二体のビーストに駆けて接近する。
まずはフログロスの突進を、フログロスを土台に側転する事でかわし、その後フログロスの背後にいたアラクネアを左側へ一回転しての左脚蹴りで吹っ飛ばす。
フログロスはネクサス目掛けて火球を発射するが、ネクサスはそれを右腕を突き出して光粒子エネルギーの刃『パーティクル・フェザー』を発射して相殺し、その後両手を十字に組んで光線『クロスレイ・シュトローム』を発射。光線はフログロスの胸部に命中して爆発し、フログロスは少し怯む。
だが、真美は戦いながらふと思っていた。これ以上この場所で戦うと、裕君や周りの街が巻き添えにされてしまうかもと。
ネクサスはバク転して距離を取って体勢を立て直した後、胸の『エナジーコア』に左腕を当てた後下ろす。するとネクサス(アンファンス)は揺らぐ水面の様な現象と共に青い光に包まれ、姿が変わった。
ネクサスは基本形態のアンファンスから、アンファンスの力を解放する事により、戦闘形態の『ジュネッス』へと二段変身することができる。
ジュネッスは、アンファンスから形状が変わるだけでなく、デュナミストによって色も変わるのだ。
真美のジュネッスは、青い体色が特徴で、右腕には『アローアームドネクサス』を装着している『ジュネッスブルー』だ。
ジュネッスブルーへと変身したネクサスは、左腕を右側のアームドネクサスに当てる形でクロスして左腕を左側に回した後に上に挙げて青い光線『フェーズシフトウェーブ』を上空に放つ。
これは、現実世界からは不可視であるネクサスの戦闘空間『メタフィールド』を作り出す光線であり、それを作り出してビーストを引き込む事で、ネクサスは本来の能力を発揮する事が出来るのだ。
上空で光線が爆発すると、そこから黄金の光が滝のように降り注ぎ、地表からは水泡のような光が立ち上る現象が起こる。そしてその光がネクサスとビーストの周囲を包み込むように広がり、やがてオレンジがかったオーロラのような光が満ちている空に、赤土のような色合いの地面に発光する物質がある空間が出来る。
現実世界から見れば、突然ネクサスとビーストが消えたようにしか見えない。
「!………消えた⁉」
ネクサスを見上げていた青年は突然消えたことに驚いた。
ネクサスのメタフィールド展開が完了し、ネクサスお馴染みのBGMと共に、メタフィールドでの戦闘が始まった。
ネクサスはアラクネアの振り回してくる両腕をことごとくかわし、次に横に一回転して繰り出してきた尻尾攻撃を跳躍してかわした後に、左腕で右腕を、右腕で頭部をそれぞれ掴んで一本背負いで投げ飛ばす。
アラクネアは遠方に飛んで地面に落下した。
次にフログロスがネクサス目掛けて火球を発射するが、ネクサスは即座に右腕を突き出して青く輝く水面の波紋の様な円形状のバリア『サークルシールド』を展開してそれを防ぐ。
ネクサスはアラクネアが振り下ろしてきた右腕を即座に右腕で掴んで受け止め、同時にカウンターの如く右脇腹に左拳を決め、その後右脇腹に右横蹴りを打ち込んで吹っ飛ばす。
その後、フログロスに駆け寄りながら跳躍して胸部に右膝蹴りを決め、その後頭部に右の手刀を打った後回転しながら後ろに回り込み背部に左の手刀を打ち込み転倒させる。
真美は初めて、しかも突然にウルトラマンに変身した事で最初こそ戸惑いを隠せなかったが、とりあえず与えられた力で目の前の敵を倒す事だけを決めた。
そう、彼女は運動神経が抜群だけでなく、頭の切り替えも早いため、ビーストと戦えているのだ。
その戦闘スタイルは、大和撫子の如く滑らかな動きでスタイリッシュに戦う感じである。
二体は今度は同時にネクサスに襲い掛かる。
ネクサスから見て右側のアラクネアは左腕を振り下ろし、左側のフログロスは突進の形で頭突きを繰り出してくるが、ネクサスはフログロスの頭突きを左腕で、アラクネアの攻撃を右脚でそれぞれ受け止めて防ぐ。
そして、フログロスの顔面の左側面に右の掌を打ち込み、次にアラクネアの頭部に右振りの右拳を打ちこみ、その後跳躍して脚を垂直に開いて二体に同時に蹴りを浴びせて吹っ飛ばす!
一旦距離を取ったネクサスは体勢を立て直し、右腕を突き出して、アローアームドネクサスから光の剣『シュトロームソード』を形成させ、フログロス向かって駆け始める。
フログロスは向かって来るネクサスに火球を連射するが、ネクサスは光の剣で火球を斬って弾きつつ駆け寄り続ける。
そして、すれ違い様に右腕を振るってフログロスを横に一刀両断する!
フログロスは切り口から光を放ち、やがて爆発して光の粒子となって消滅した。
フログロスを撃破したネクサスに今度はアラクネアが跳びかかり始める。
ネクサスは掛かって来るアラクネアの方を振り向いて体勢を立て直し、右腕を胸のエナジーコアに当てる。
すると、エナジーコアの光が右腕のアローアームドネクサスに投影され『アローモード』が形成される。
ネクサスはアローモードの光の弓を左腕で引き絞り、左腕を放す事で超高速の光の弓『アローレイ・シュトローム』を放つ!
これは、ウルトラマンネクサス(ジュネッスブルー)最大の必殺技であり、広い命中範囲と高い切断・貫通力を持ち、敵を粒子にまで消し去ることが出来るのだ。
高速で飛ぶ光の弓は、ネクサスに跳びかかるアラクネアを縦真っ二つに直撃!アラクネアは青白く発光した後爆発して光の粒子となって消滅した。
ビースト二体を撃破したネクサスは光と共に消滅する。そして、現実世界に光と共に新田真美が戻って来る。
真美はさっきまでの出来事がまだ信じられないのか、少し唖然とした顔でそっと右手のエボルトラスターを見つめる。
すると、エボルトラスターは光を放って粒子となって消滅した………。
私、新田真美はさっきまでの出来事がまだ信じられないでいた。
ただ人を助けたい、その一心で頑張っていた私は突然光を得てウルトラマンに変身して怪獣と戦った……それは正夢だったけど、本当に夢を見ているような一時だった。
あの二体の怪物は何だったんだろう…?何者かが送り込んで来たのかな?
そして私に一時的に力をくれたウルトラマンは一体……?
突然の出来事を理解できずにいた私はとりあえず考えるのを止め、裕君そして人々を救うことが出来た事を喜んだ。
私は裕君の元へ歩み寄る。裕君は目を覚ましていた。
「…大丈夫?」
私は仰向けの裕君に話し掛ける。すると、裕君は右手で私の右頬を軽くつねり、笑顔を見せる。
「大丈夫。」
「……良かった。」
裕君の安全に私は安心した。
その後、私は裕君と一緒に話をしながら実家に向かい始めた。
「僕ね、夢を見たの。真美さんが光になって怪物をやっつけてくれたんだ。」
「うふっ、何?それ…」
裕君の言葉を私は少し気になりながらも私は裕君と笑い合いながら歩いていた。
裕君と共に歩いて実家に向かっている最中に、一人の青年が駆け寄って来た。
スマートな長身に精悍な顔つきのイケメン、駆け寄って来た彼は私の幼馴染の竜野櫂君だった。
「大丈夫だったか?真美。」
「あ、櫂君、私は大丈夫。ありがとね。」
私の無事に、櫂君は嬉しそうな顔をした。
「あの怪物たちに巨人はどうなったんだ?」
「………巨人が怪物を倒して去って行ったわ。私、この目で見たの。」
疑問を投げかける櫂君に私はそれらしい事を言って誤魔化した。その後、櫂君も入れて三人で会話をしながら帰り道を歩いた。
思えば、私は櫂君の事を想いながら諦めなかった……私がウルトラマンに選ばれたきっかけは、もしかしたら櫂君と私の絆も関係していたのかもしれない………。
絆…………ネクサス…………分かったわ。あのウルトラマンは、『ウルトラマンネクサス』。
私の実家に着いた後、私は再び裕君と別れようとする。
真美の母「裕君のお母さんから連絡が来たわ。お母さん、大した怪我じゃないから安静にしてれば普通に暮らせるみたいよ。」
真美「良かったね、裕君。」
裕「うん。これでお母さんとお正月が過ごせます。真美さん、今日は本当にありがとうございました。」
私は礼を言う裕君の頭に優しく手を置く。
「これからも家族を大事にね。」
「はい。あ、あとこれを。」
裕君は私に神社で買った『お守り』を渡してくれた。どうやら初詣の時に余分に買ってしまってたみたい。
「真美さん、今年も元気でいてください。」
「ありがとう。私、裕君を忘れないわ。」
「僕も真美さんが好きです……ママの次に。真美さんは体力あるし、頭良いし、美人で優しいし、スタイル良いし、それに……」
裕君は目をつむり、私の肩に顔を近づけた。
「と~っても良い匂い!」
「裕君ったら………ありがとね。」
私は裕君に微笑みかけた。
そして、何度もお礼を言いながら歩き去って行く裕君を私は手を振って見送ったの………。
以上の事が、私が正月に経験した不思議な出来事。
今、ウルトラ戦士として一生懸命戦ってくれている櫂君や海羽ちゃんを見ているとふと思い出したの。
思えば、あの時裕君にもらったお守りは今でも大事に持っていて、さっき櫂君がやプール達と戦う時も握ってお祈りしてたわ。
変身はあの時の一回きりだったから、今はウルトラ戦士に変身して戦う事が出来ないけど……今後も私なりのサポートで櫂君達をサポートをしていこうと改めて思った。
あ、因みに私がウルトラマンネクサスに変身したのは櫂君にも海羽ちゃんにも内緒にしてるの(笑)
でも、あの時がきっかけで私は信じるようになったの。
絆が、みんなを一つにしてくれるって。
櫂「おーい真美!飲み会が始まるぜ。」
真美「はーい、今行くわ。」
私は櫂君の呼ぶ方へ駆けて行った。
今現在の事、そしてあの時の事。それらを想うと、私たちがウルトラ戦士に変身できたのは何かの運命なのかもしれない………。
だから今は、そんな運命により選ばれ戦っている櫂君達を今後も全力でサポートしていこうと思う。
女も、見てるだけじゃ始まらないもんね!
(ED:飛び立てない私にあなたが翼をくれた)
読んでいただきありがとうございます!いかがでしたか?
今回を思いついたきっかけはお正月が来たと言うのもありますが、ウルトラマンⅩ第20話の影響もあります。
今回明かされた真実により、今作の主要人物三人ともウルトラマンに変身したと言う事になりました。
竜野櫂(ウルトラマンゼロ)、新田真美(ウルトラマンネクサス)、眞鍋海羽(ウルトラウーマンSOL(ソル))。
まあ、この中の内二人は一度きりの変身&オリトラウーマンですが(笑)
実はこの真実が今後の展開の大事なポイントにもなったりすりのです。
さて、次回からは後半戦に突入し、物語が大きく動き出します。
今後ともよろしくお願いします!
感想・指摘・アドバイス・リクエスト等をお待ちしています。