ウルトラマンゼロ物語(ストーリー) in RED ZONE STAGE 作:剣音レツ
因みに私、ウルトラマンだとゼロが特に気に入っています(笑)
(OP:TAKE ME HIGHER)
突然の怪獣騒動が去って翌日の7月20日、霞ヶ崎の人々は昨日の出来事に戸惑いながらも、何気無い平和な生活へと戻っていた。そしてこの日は、『麟慶大学』の一学期の終業の日でもあった。
麟慶大学。それは、霞ヶ崎に建つ唯一の有名な私立大学である。基本的に優等生が多く集い、就職率は85%以上、OB・OGは3000人以上輩出などと高い実績を誇り、更には学生の大半が美男美女と言われている等、いろんな面で評価の高い大学である。
この日は、休憩時間も放課後も、男子・女子共に昨日のウルトラマンと怪獣についての話題で盛り上がっていた。
「昨日は大変だったな……ったく怪獣のヤロー…派手に暴れやがって……」
端正な顔立ちにカールがかかったように左右に跳ねた髪型をしている美青年がかったるそうに話す。彼は『キャプテン・マーベラス』。本校の学生であり、ジョー・ルカ・ハカセ・アイム・鎧を入れた仲良し6人組の中でもリーダー的存在。やや尊大で、考えるよりも先に行動するタイプだが、冷静さも持ち合わせており、芯は強い。また、尊大ではあるが基本的に他の学生とは対等な関係で接しており、本心は仲間思いである。
「『超獣』ですよマーベラスさん。それにしても、ウルトラマンパワード…格好良かったなぁ〜」
鎧は僅かながら昨日の興奮がまだ冷めてないようだ。
「ったく……お前はさっきからそればかりだな。」
クールな顔立ちで長髪を後ろで一つに束ねた美青年が、興奮する鎧に向かって無愛想ながらフッと少し笑って言った。彼は『ジョー・ギブケン』。6人組のサブリーダー的存在である。常に冷静沈着で口数が少ない事から無愛想に見えるが、根は優しく生真面目な努力家。なので、時間があれば腹筋・腕立てなどの筋力トレーニングをしている。また、菓子(特にケーキ)作りが得意と言う一面もある。
「しかしどう言う事でしょうか……怪獣頻出期が去ってから今まで、一度もウルトラマンも怪獣も出て来なかったのに……」
純白なドレスの様な私服姿に、しなやかなポニーテールをしている可憐な美女が柔らかな物腰で話す。彼女は『アイム・ド・ファミーユ』。優しい性格で、誰にでも柔らかな物腰で接するが、おっとりした性格故か、マイペースで天然な一面もある。また、彼女は『ファミーユ財閥』のお嬢様でもあるため、その出自故に誰に対しても丁寧な口調で話し、先輩・同級生・後輩関係無く「さん」付けで呼ぶ。
「とにかく、何かが起ころうとしているのは確かなんだけど……」
ルカは右側面の髪を指で擦りながら言った。6人の不安は募る一方である。ハカセはそんな雰囲気を変えようと話しかけた。
「まあ、いつまでも深刻そうにしてても仕方無いし、今は僕達が出来る事、やるべき事をやって行こうよ。」
「そうですね。そうすればいつかはウルトラ戦士の皆さんのお役に立てるかもしれませんし。」
アイムも笑顔で答えた。
「よ〜し、そうと決まったら、早速部室に行きましょ〜!夏休みライブや文化祭で演奏する曲、夏休み中に完成させるのですから〜‼︎」
鎧は、ハカセとアイムの肩に手を回し、ハイテンションで言った。
「フッ…夏休みは始まったばかりだと言うのに、えらいやる満々だな。」とジョー。
「いいじゃねーか。よし、今日の練習も、派手に行くぜっ‼︎」とマーベラス。
6人はひとまずいつもの調子に戻り、部室へと向かい始めた。
因みにマーベラス達6人は、仲良し6人組であり、麟慶大学の軽音部で結成されたバンド『豪快パイレーツ』のメンバーでもある。この内、鎧以外の5人は海外出身である。
彼らは今、夏休みライブや二学期の文化祭で演奏する曲をマスターしようと日に練習に励んでいる。
場所は変わって、マーベラス達が住んでいる宇宙とは別の宇宙(通称:アナザースペース)では、一人の巨人が謎の大群を相手に激闘を繰り広げていた。その巨人は、赤と青と銀の三色で彩られたボディに、頭にはトサカの様な二つの刃物が並んでおり、目つきが若干鋭い。
彼の名は『ウルトラマンゼロ』である。彼はこれまで様々な宇宙で、数々の強敵を打倒して来た歴戦の勇者であり、その戦いの中、ウルトラの星がある宇宙とは別の宇宙で出会った仲間達と一緒に『ウルティメイトフォースゼロ』と言う宇宙警備隊を結成。宇宙の平和を守るために戦う日々を送っている。
現在、ゼロが戦っているのは突然襲って来た『無双鉄神インペライザー』と『破滅魔虫カイザードビシ』の大群である。ゼロは一人で数百体を相手すると言う圧倒的に不利な状況に立たされているにも関わらず、その動きからは全く苦痛を感じず、むしろ力を抜いている様にも見えた。
既に燃える様な真っ赤なボディが特徴の『ストロングコロナゼロ』になっていたゼロは、ウルティメイトブレス(以降:UB)を右手で叩く様な仕草を取り、右拳に炎のエネルギーを集中させて大群目掛けて突き出した。
「ガルネイトバスター‼︎」
ゼロは飛行しながら右拳から炎状の破壊光線を放ち、大量のインペライザーを次々と粉砕して行く。全部破壊したかに見えたが、残りの二体がそれぞれ左右からゼロに迫り来る。だがゼロは慌てる様子を見せないどころか肩をすくめる余裕すらあった。
「…甘いな!」
そう言うとゼロはまず左側の個体に炎を纏った前蹴りを決め、その反動を利用して反対側のインペライザーの方へ飛ぶ。インペライザーは光弾を乱射して迎え撃つが、ゼロはそれらを余裕でかわし、胸部に炎を纏った右拳を打ち込んだ。インペライザーは二体共爆散した。ゼロは爆発するインペライザーを背に、得意げに右上の口元を右親指で擦る。
残るはカイザードビシの大群だ。カイザードビシは光弾を発射し、両手の鎌を振り回しながらゼロに襲い掛かる。だがゼロはそれらをまるで動きが読めているかの様に全てかわす。そして、距離を取ろうと後ろへ跳び、宙返りをしながら青い光を発して、澄み渡る空の様な青いボディが特徴の『ルナミラクルゼロ』へとタイプチェンジした。
ゼロは全身に光を纏い、高速で飛行しながら炎を纏った跳び蹴り『ルナミラクルゼロキック』を放ち、カイザードビシを次々と撃破していく。そのスピードは余りにも速く、カイザードビシはあっと言う間に残り数十体となった。
次にゼロは空中で静止し、右手の指を額に当てて精神を集中させ、念力で分裂させたゼロスラッガーを右手を突き出して放った。
「ミラクルゼロスラッガー‼︎」
念力で複数に増えたゼロスラッガーは、超高速かつ複雑な軌道を描きながら飛び、カイザードビシを次々と切断して爆散していく。そして、数十体いたカイザードビシは瞬く間に全滅した。
インペライザーとカイザードビシを全滅させたゼロは、黄色い光と共に通常の姿に戻り、とある小惑星に着地した。着地したゼロの眼前には、一匹の怪獣が待ち構えていたかの様に立っている。
「フッ……どうやらお前が、最後の一匹みたいだな!」
ゼロが指を差した先には、腹部に真っ赤で巨大な吸血植物の花『チグリスフラワー』を付けた怪獣『宇宙大怪獣アストロモンス』が、待ってたぜとばかりに咆哮を上げて立っていた。
ゼロはアストロモンスと睨み合いながらゆっくりと構えを取る。そして叫んだ。
「さあ、行くぜッ‼︎」
アストロモンスはその声に反応したのか、上等だとばかりに吼え、ゼロに向かって走り出した。ゼロもアストロモンスに向かって走り出す。大きい者同士が走り合っている事で地響きも激しく、互いに足が地に着く度に土煙が舞い上がる。
ゼロは走りながら組み付く体勢を取る。アストロモンスもそれを真似るかの様に組み付く体勢を取るが、それはゼロがかけたフェイントに過ぎず、ゼロは組み付くと見せ掛けて前向きに一回転して右浴びせ蹴りを繰り出す!蹴りは見事アストロモンスの胸部に命中。
アストロモンスは少し怯むが、先ほどの攻撃で逆上し、右手の鞭を振るって襲い掛かる。だがゼロはまるで相手の動きが読めているかの様に華麗にかわす。アストロモンスは今度は左手の鎌を左フックの様に振るうが、ゼロはそれを素早くしゃがんでかわし、腹部の花の中央に鋭いボディブローを決める。引き続きその部分にボクシングの如くパンチを連打する。相当効いているのか、アストロモンスは声を上げて苦しむ。
たまらずアストロモンスは鎌を振るって反撃しようとするが、ゼロはそれをかわしながら後ろ向きに跳び、距離を取る。
アストロモンスは両腕を左右に広げ、腹部のチグリスフラワーの中央の口から溶解液を発射しようとする。
「させるか‼︎」
素早く見切ったゼロは左腕を横に伸ばした後胸に当て、額のランプから『エメリウムスラッシュ』を放ち、アストロモンスのチグリスフラワーの中央に当て、破壊した。
すかさずゼロは頭部にある二つの『ゼロスラッガー』を手に持ち、猛スピードでアストロモンスに駆け寄る。そして、手に持ったゼロスラッガーですれ違い様にアストロモンスの鞭と鎌を切り落とした!
全ての武器を失い、怯むアストロモンス。
「止めだ‼︎」
ゼロはアストロモンスに背を向けた状態で左腕を横に伸ばす。そして、振り向き様に右腕と左腕をL字に組んで必殺光線『ワイドゼロショット』を放った!ワイドゼロショットはアストロモンスの腹部に命中。アストロモンスは大爆発した。
「 …ヘッ、呆気無かったぜ。」
ウルトラマンゼロは、様々な苦境を切り抜け強敵を倒して来た強力戦士。怪獣一匹ごときどうと言う事無く、例え雑魚が束になって掛かって来ても、決して遅れを取る事は無い。
戦いを終えたゼロは、辺りを見渡しながら呟いた。
「ダークネスファイブが去り、エタルガーを破った後も、悪がうろ付き回ってやがる……まるでこの俺を、新たな戦場に招待している様だぜ…。」
ゼロは不吉な予感がしながらも、辺りに敵がいない事を確認し、その場を飛び去ろうとした。
………と、その時、
「ゼロ………ウルトラマンゼロ……」
突如、何処からか謎の女性の声が響いた。
「‼︎ッ……誰だ。」
ゼロは驚き、再び辺りを見渡し警戒したが、宇宙に浮かぶ小惑星以外何も見当たらなかった。
(……幻聴か?)
だが、謎の声は、静かにゼロを連呼する形でなおも響き続ける。
「ははぁ………さてはこの声、別の宇宙から俺を呼んでるのか?」
ゼロはかつて、バット星人の侵略により危機的状況に追い込まれた別宇宙の地球『フューチャーアース』にいち早く駆け付けていたウルトラマンダイナに呼ばれ、そこを訪れてダイナ、コスモスと共にバット星人を倒した事があった。今響いている声も、ダイナに呼ばれた時と同じ感覚なのでゼロは察しが早かった。
「私は今、別宇宙の地球からあなたを呼んでいる……。この星は、かつて怪獣や侵略者の襲撃に苛まれていましたが、あなた達ウルトラ戦士達の活躍により平和を取り戻しました。しかし、再びこの地球に悪魔が舞い降り、侵略を始めようとしている。」
「何だって⁉︎」
ゼロは驚きを隠せなかった。
「急いで。……ゼロ、あなたが最後の一人よ。私の地球の『霞ヶ崎』に来て、勇者達と共に、侵略者を倒して………。」
そう言うと謎の声は、木霊しながらフェードアウトする様に消えて行き、やがて響かなくなった。
謎の声を聞いたゼロは、少し俯いた後、決意を固めた。
「………分かったぜ。どうやらそこが、俺の新たなステージみたいだな!」
ゼロは左手を上に挙げ、UBから銀色の楯『ウルティメイトイージス』を召喚し、装着した。
「ヘッ…………久しぶりだな。女の子に頼まれたのは…………よし、行ってみるか、更に別宇宙の『地球』とやらに‼︎」
ゼロは、イージスの力で作り出した時空と時空を繋ぐワームホールへ飛び込んで行った。
(ED:赤く熱い鼓動)
次回は主人公含む、オリジナルキャラが初登場です。
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