ウルトラマンゼロ物語(ストーリー) in RED ZONE STAGE 作:剣音レツ
また、最後には驚き&まさかの展開が待ってます。
因みにタイトルは、割と印象深い『帰ってきたウルトラマン』のあのエピソード(敢えて何かは言いません笑)のオマージュです。
(BGM:英雄の詩)
ウルトラマンゼロ達がドギューと戦う前日。そう、ヤプール総攻撃による大決戦が展開された日、ヤプールが敗れた後、地球目前の宇宙空間で浮遊している宇宙船『テライズグレート』では、桜井敏樹が『テロリスト星人バスコ』と『メフィラス星人キョウ』に何やら指令を送っていた。
バスコ「何だい?敏樹の旦那。」
キョウ「ヤプール亡き今、新たな作戦でも思いつきましたか?」
すると敏樹は、二人に『テラバトルナイザー』(第8話参照)を手渡す。
敏樹「ヤプールは死んだ。だがしかし、奴は気前が良い事に作り置きを置いて逝ってくれたのだ。その作り置きの一部をお前たちに与えよう。」
バスコ「作り置きだあ⁉」
キョウ「ヤプールの事だ。きっと素晴らしい物を残してくれたに違いない。」
敏樹「ああ。ある意味“明後日攻め込むには”相応しい奴らだ。有効に扱えよ?」
一体敏樹は、二人に何を与えたのだろうか………?
そして、ゼロ達がドギューと戦い、タイショーを救う戦いをしていたほぼ同じ頃、事件は起こっていた。
とある中部地方ののどかで平和な田舎町。その町の線路を新幹線が走っていた。
その新幹線はトンネルの中へと入ろうとしていた。
平和な田舎町を快調に走る新幹線。もはや何も起こらないように思えた。
だが、そこから少し離れた森林より、木を踏みつぶしながら一匹の生物が接近する!
その生物は緑色のボディに、鶏冠のような巨大な背びれが特徴の超獣『鈍足超獣マッハレス』だ!
マッハレスは遅めの足取りで新幹線の方へと一直線へと向かう。
そしてトンネルの出口まで近付いたその時、マッハレスはトンネルを出たばかりの新幹線を蹴飛ばす!
マッハレスに蹴飛ばされた車両は近くの岩山に激突し爆発。マッハレスは残りの車両も両手で持ち上げ地面に叩き付け破壊した。
突然起きた参事。だがそれも束の間、今度は旅客機が飛んで来て、マッハレスの上空を通り過ぎようとしていた。
するとマッハレスは、今度は上空を向いて旅客機目掛けて口から爆発性白色ガスを噴射。ガスを浴びた旅客機は上空で大爆発し木端微塵に吹き飛んだ!
マッハレスは騒音と高速に動くものを極端に嫌う超獣なのである。なので地底から突如現れてはジェット機や新幹線を次々と破壊していくのだ。
新幹線と旅客機を破壊したマッハレスは勝ち誇るかのように咆哮を上げる。そして気が済んだのか、その場で地面を掘り地中へと姿を消した。
平和だった田舎町に突如起こった超獣による大参事。それはあまりにも唐突で早すぎたため、他のウルトラ戦士も気付けなかった。一体何人もの命が失われたのだろうか………。
更に同じ頃、いくつかの都会街でも奇妙な出来事が起こっていた。
なんでも、全国のあちらこちらで怪獣らしきものが一瞬にして現れ、一瞬にして消えるという不可思議現象が多発していると言う。
一瞬なので被害はないものの、そもそも一瞬故にそれが怪獣なのかという疑問すら抱える人も多かったんだとか。
そして現れては消えるを繰り返していく内に、その出現区域は、次第にある一つの場所に集中している様であった………。
更に更に同じ頃、霞ヶ崎付近の岩山でも不思議な事が起こっていた。岩山の上空に突然、ワームホールのような穴が開き、中から一つの光と共に、青を基調とした巨大な宇宙船が現れたのである。
船内では、何やら爽やかなイケメン顔の男性と髭を生やした中年の男性が会話をしている。
二人とも青とグレーを基調とした隊員スーツと思われる服を着ている。
「ようやく着いたみたいですね、ボス。」
「ああ。」
「謎の声の主……ここにはいないみたいだが。」
「そうだな。しかし、ようやくここまで来れたんだ。徹底的に探すぞ。」
「了解!」
そういうと宇宙船は、霞ヶ崎の方へと飛んで行った。
テライズグレートではないが、突如現れた宇宙船は何なのだろうか?そして、その船に乗っている人とは………?
そして翌日の8月3日、麟慶大学夏休みライブが再開された!
二日前、ヤプール総攻撃により中断になってしまったため、今回はその続きである。
二日前と同じく、各学科の売店付きで、初めから観客が押し寄せる好スタートを切った。
因みにこの日の朝、前日の大参事の事が新聞に載っていたこともあり、麟慶大学はライブで稼いだ金を被災地の寄付としても使う事にした。
だが、この参事はあまりにも唐突だったため、新聞記事もマッハレスの仕業と知らず、新聞では『不慮の事故』としてとらえられていた。
また、ライブは午前中に終わる予定なので、これにより新田真美はライブの後、被災地ボランティアとして現地に行くことになったのだ。
真美「と言うわけで、終わった後すぐ行くことになったわ。帰るのは深夜になりそう……ごめんね、櫂君。」
櫂「いいよいいよ。頑張って来いよ。被災地ボランティア。」
真美「うん。ありがとね。」
真美は竜野櫂に詫びるが、櫂は気さくに真美を応援する。
櫂「しかし、これが不慮の事故には思えないんだが………。」
真美「確かに。それに各地で不可思議な現象も起きてるみたいだし…これ以上何も起こらなければいいけど………。」
櫂と真美は、昨日の出来事を思い少し不安になりつつある。
ゼロ(確かにただの不慮の事故で新幹線と旅客機が同時に爆破するはずが無い……これは何かある……絶対。)
ゼロも嫌な予感を感じ始めていた。
その時、豪快パイレーツのメンバーの一人でありキーボード担当のアイム・ド・ファミーユがどこか深刻そうな顔で歩いて来た。
真美「あら、アイムちゃん、どうしたの?」
アイム「…今朝、ニュースを見たんです。……不慮の事故により無くなった者の親族達が悲しんでました………。」
彼女は今朝のニュースの惨状を見て、同情により少しブルーになっていたのだ。
アイム「一体誰が…あんな酷い出来事を引き起こしたのでしょう………。」
鎧「そんなに深刻になる必要無いんじゃないですか?」
その時、豪快パイレーツのドラム担当であり、ウルトラ・怪獣オタクの伊狩鎧が気さくに話しながら歩いて来る。
鎧「もう既に、現場に捜索班が着いてるはずです。必ず原因は分かりますよ!」
アイム「…そうですね。」
鎧の前向きの励ましにアイムはひとまず笑顔を取り戻す。
海羽「そうだね、とりあえず今は楽しもう!ね?(首をかしげる)」
眞鍋海羽は櫂と真美の肩に手を置き、鎧とアイムの方を向いて明るく語り掛ける。
真美「………そうだね。とりあえず楽しもっか。」
櫂「俺達はトリだしな。よーし、燃えてキター!」
鎧「良いですね~、じゃ、早速行きましょー!」
ゼロ「フッ、どうやら好調になったみたいだな。楽しんで来いよ」(ま、今はとりあえず考えるのを止めとくか。)
櫂と真美達も了解する。そして四人でライブステージの方へと向かい始める。
因みにこの日は、まず残りバンド3組がライブをし、その後『特急レインボー』の演奏で真美が『飛び立てない私にあなたが翼をくれた』を歌い、最後にトリとして櫂が『豪快パイレーツ』の演奏で『青い果実』を歌う事になっている。
ライブは大盛況の中快調に進み、櫂と真美が歌う時は特に盛り上がった。
本ライブのトリだからと言うのもあるが、何より麟大一人気と信頼を集める美男美女が歌うためである。
因みに櫂と真美は昨年、大学内にて開催された『ミスター&ミス麟大コンテスト』で、当時一年ながらグランプリを獲得しているのだ。
そんな凄い二人がライブのトリを務めるのであるから盛り上がるのも無理は無いであろう。
更に言えば、櫂はウルトラマンゼロに変身できるわけだから尚更である。
「櫂君も真美ちゃんも素敵~!」
「ある意味麟大のG5プリンスとG3プリンセス的存在だな!」
学生たちは盛り上がる。因みに『G5プリンス』と『G3プリンセス』とは、この世界の人気アイドルユニットである。
やがて、トリである櫂が歌い終え、見事なフィナーレを飾った………。
だが、会場の歓声の盛り上がりの勢いは静まっていなかった。
「もう一回!もう一回!もう一回!………」
なんと、アンコールが始まった。
これには櫂もテンションがMAXでアンコールに応える………と、思われたその時、
“ドンッ”
突然櫂は、機嫌悪そうな顔でステージの床を強く踏みつける!音はマイクまで通じて、会場中に響き渡った。
予想外の櫂の行動に学生たちはビクつき、ざわつき始める。
すると櫂が語り出した。
櫂「お前ら………何考えてんだよ⁉」
明らかに怒っている………。学生の中には焦る者もいれば、「もしかしたら過労で疲れてるんじゃないのか?」と心配する者も多数見られる………。
櫂はなおも語り続ける。
櫂「今日は一昨日の代理日なんだぞ⁉………代理日だから………………二倍楽しまなきゃなんねーよな⁉」
怒り顔だった櫂は突然元の爽やかな笑顔に戻る。
どうやらさっきの怒りはちょっとした脅しパフォーマンスだったようだ。
それを知った学生たちは再び歓声を上げる。
櫂「もう一丁行きますか男子ー‼」
「おー‼」
力強い歓声が響く。
櫂「もう一丁行きますか女子ー‼」
「いえーい!」
黄色い歓声が響く。
櫂「よーし、じゃあ行くぜ麟大。」
「「いえーい‼」」
男子と女子の歓声が合わさって響く。櫂達も既にスタンバイが完了していた。
櫂「それじゃあもう一丁、派手にいくz………」
“ズドーン”
櫂「⁉うおああぁぁっ⁉」
「キャッ!」
「な、何だっ⁉」
櫂が気合いの叫びと共にアンコールを始めようとしたその時、突然大きな地響きが起こり全員驚愕する。
真美「………一体何なの?」
海羽「…あれは⁉」
海羽が指差した方向に何人か振り向く。
振り向いた先の向こうには、一匹の生物が現れていた。
その生物は、四角めのボディに、頭部にはカラフルな斑点が着いた三日月状の突起が付いている変わったフォルムをしている超獣『騒音超獣サウンドギラー』だ!
奴は『音』をエネルギー源にしており、音を食べると言う変わった習性を持った超獣である。
昨日、世界各地に現れては消えていた者の正体はこのサウンドギラーであり、エネルギー蓄積のために世界各地の騒音が発生する場合に現れては消えるを繰り返していく内に、やがて出現場所を比較的騒音が多い日本に集中し、そして遂にはエネルギーが満タンになり実体化を果たしたのだ。
超獣出現に学生たちはパニックを起こしながらも安全場所へと避難を始め、我先にと駆け始める。
アイム「もしかして、昨日の事件の犯人はあいつが………?」
鎧「いいえ、サウンドギラーは音が大好きなので違います。」
アイムは新幹線と旅客機の事故の犯人をサウンドギラーと疑うが、サウンドギラーの習性を知っている鎧はそれを否定する。
サウンドギラーはビルを薙ぎ払いながら麟慶大学へと向かう。まるで「もっと騒音(ライブ音声)を出せ!」と煽っている様だ。
マーベラス「俺達のライブを騒音扱いかよ…ふざけやがって………!」
豪快パイレーツのリーダーであり、メインボーカル&ギター担当のキャプテン・マーベラスは苛立ちを感じる。
学生たちが避難していく中、真美は逃げる際に転んで怪我をした女子大生を庇いながら避難している。
櫂「どうやら戦うしかないみたいだな。」
ゼロ「ああ。一丁やりますか!」
櫂「行くぜゼロッ!」
遂にゼロと櫂は戦う決心をし、櫂は変身に移ろうとする…。
その時、
“ズドーン”
櫂「うぉあっ⁉︎……今度は何だ⁉︎」
櫂は変身しようとしたところ、新たな地響きに体勢が崩れる。
その時、サウンドギラーの後ろ側にもう一匹生物が現れた。
そいつは、昨日大暴れをしたマッハレスである!
鎧「うおおぉぉあー!まさかマッハレスまで現れるなんて〜!」
鎧はマッハレス出現に興奮する。
何しろ、対をなす習性を持つ超獣が同時に出現したのだから。
マッハレスも恐らくライブの音声に反応し、会場を破壊するために現れたのだろう。
アイム「では……昨日の事故の犯人はあいつが……?」
アイムは鎧からマッハレスの習性を知り、新幹線と旅客機を襲った張本人だと察する。
すると、サウンドギラーはマッハレスの出現に気づいた瞬間、マッハレスの方を振り向く。
そして、互いに睨み合いを始めた。バトルが起こるのだと思われる。
何しろサウンドギラーとマッハレスはそれぞれ「騒音が好きな超獣」と「騒音が嫌いな超獣」。ウマが合わず対立するのも当然である。
二体は、同時に咆哮を上げたと共に互いに駆け寄り始める。
そして激しく組み付き殴り合いを始める。街中で『大怪獣バトル』ならぬ『大超獣バトル』が始まった!
それも、ライブ音声(騒音)を駆けた争いなのだから困った話ではある。
サウンドギラーはマッハレスの左横腹に右横蹴りを打って引き離した後腹部に横振りの頭突きを打ち込んで後退させる。
その後接近し、更に攻撃を加えようとするが、マッハレスはカウンターの右前蹴りを腹部に打ち込み、更に顔面の左側面にパンチを打って後退させる。
その後マッハレスは長い尻尾を振るって攻撃を仕掛けるがサウンドギラーはそれを掴んで受け止め、横に放り投げる。
ゼロ「怪獣同士の戦いか………“あの男”を思い出すな…。」
ゼロはとある人物を思い出してるようだった
真美「あのまま同士討ちで倒れてくれたらいいけど………。」
真美が願い始めたその時、
櫂「…ん?あれは何だ?」
櫂は何かに気付く。真美や海羽もその方向を振り向いた時、唖然とする。
キョウ「マッハレスを引っ込めろよ!今回の作戦はサウンドギラーの方が有効的なんだ!」
バスコ「まーたチマチマした作戦かよ⁉ 手あたり次第騒音の場所を破壊した方が効率的だ!」
キョウ「やれやれ、いつもそうやって計画性の無い破壊活動ばっかり……!」
バスコ「んだとぉー⁉」
そこには、テロリスト星人バスコとメフィラス星人キョウが喧嘩を始めていた。
どうやらサウンドギラーはキョウのもので、マッハレスはバスコのものだったみたいだ。
敏樹が二人に送ったヤプールの置き土産とはこの二体の超獣だったのである。
「有効的に使え」と命じて与えたはずが、二人は同時に召喚してしまったため、このようないざこざが生じてしまったのである。
バスコ「えーい!お前なんかラッキョウに埋もれろ!ラッキョウに!」
キョウ「何ぃー⁉ お前なんかその切れ味抜群のなんちゃらソードでビー玉ばかり斬っとけ~!」
バスコ「ぅおーい!それ言うんじゃねー!同胞のトラウマが………!」
………とまあ、こんな感じで二人の喧嘩は取っ組み合いにまで発展してしまっている。
意見の食い違いで喧嘩をする二人の宇宙人と、そんな二人とシンクロする様に争う彼らが使役する超獣二体。その光景を見てみると少し可笑しなものである。
「ペットは飼い主に似る」と言う言葉はあながち間違っていないみたいだ(笑)
だが、これ以上二体を放置しておくと被害が拡大するかもしれない。
海羽「と、とりあえずあの二体を止めないと………私、行って来る!」
海羽は懐から『ハートフルグラス』を取り出し、一回転して上に揚げた後目に当てる。
グラスを目に当てた海羽は跳躍し、赤とピンクの光に包まれ巨大化し『ウルトラウーマンSOL(ソル)』に変身完了し着地する。
ソルは土煙を上げながら組み合う二体の超獣に駆けて接近する。
だが、ソルが跳び付こうとした時、サウンドギラーと組み合っていたマッハレスは「女は引っ込んでろ!」とばかりに張り手でソルの胸を突き飛ばす。
正に、喧嘩の仲裁に来た女子高生を「邪魔だ!」と突き飛ばす不良みたいである。
吹っ飛ばされたソルは一旦立ち上がり、立ち止まり二体を見つめ始める。
海羽「あ~もう、これじゃあ近付き辛いよ~!」
ソルは自分をそっちのけで争い続ける二体を見て困り果てる。
櫂「俺も行くぜ海羽!」
櫂がゼロアイを召喚しようとした時、彼の目の前に数体の『ヤプールコマンド』が現れる。
櫂「チイッ…お前ら…邪魔すんな!」
櫂はヤプールコマンド軍団の相手を始める。
だがその頃、テライズグレートから此方の様子を伺っていた敏樹はあきれ顔である。
敏樹「…ったく、あいつらに二体を与えた俺が馬鹿だったよ………。アクマニア星人!」
アクマニア星人「了解しやっさー!アクマニア念力照射‼︎」
『宇宙悪霊アクマニア星人』は、敏樹の命令に独特な返事で答えた後、地球向けて大きな一つ目から『アクマニア念力』を発射する!
アクマニア念力は組み合っているサウンドギラーとマッハレスに降り注ぐ!
赤黒い渦のような光線を浴びた二体は争いを止め、同時にソルへと視線を向ける。
海羽「!またあの光線が…⁉︎」
ソルが動揺してる間にも、二体はソル目掛けて駆け寄り始める!
どうやらアクマニア念力の力により、二体は今ではアクマニア星人の意のままなのであろう。
バスコ「あ゛ー!勝手に俺たちの超獣を〜!」
キョウ「やれやれ……。」
バスコとキョウも喧嘩を止め、操られる二体の戦いを見つめ始める。
ソルは二体目掛けて掛けながら跳んで、先陣を切って来たサウンドギラーの肩を踏み台にして跳躍し、マッハレスの首に脚を挟んで『フランケンシュタイナー』で地面に叩き付ける。
その後寄って来たサウンドギラーの振り下ろして来た右腕を左チョップで弾き腹部に右肘を叩き込んだ後、反対方向のマッハレスの腹部に右前蹴りを打ち込む。
だが善戦も束の間、その直後背後からサウンドギラーが体当たりを仕掛ける!
頭突きのタックルをモロ背中に受けたソルはたまらず吹っ飛び、反対方向にいたマッハレスがそれを受け止める。
マッハレスは二発ソルを殴った後、サウンドギラーの方へ投げ飛ばし、サウンドギラーは飛んでくるソルの背中を叩き、地面に叩きつける。
相性が合わない事でさっきまで争っていた二体が一転、完璧なまでの連係プレーで一人のウルトラウーマンを圧倒していく………アクマニア念力の力は絶大なのだ。
二体はソルをそれぞれ左右から腕を掴んで起き上らせた後、左右それぞれから同時に横蹴りを腹部に打ち込む。
その後マッハレスが横降りの頭突きをソルの腹部に打ち込んでサウンドギラーの方へ吹っ飛ばし、サウンドギラーはソルを受け止め羽交い絞めにしたところでマッハレスが身体をぶつけるようなタックルを繰り出し、その後二体同時にそれぞれ左右から挟み込むようにタックルを決める。
二体の重量を活かした攻撃を喰らったソルがふらついた隙に、二体は同時にソルの背中を殴り吹っ飛ばす。
住民や学生たちの声援も空しく二体に圧倒されていくソル。その光景は正に二人の不良がか弱い女子高生をいじめている様にも見えるから実に見苦しい物である。
怪獣を超えた力を持つ『超獣』。それが二体がかりで連携するのだから圧倒されるのも無理なく、厄介な話である。ソルはもはや勝ち目がない状況まで追い込まれていた。
ソルは何とか立ち上がろうとするが。サウンドギラーは頭部からリング光線を発射してソルを拘束した後両手を突き出し、指先からミサイル弾を乱射する。
ミサイルの雨あられを成す術なく浴びるソル。ダメージにより再び仰向けに倒れ込んだ。
櫂「海羽!……くそ~!」
櫂は苦戦するソルを見て、怒りと共にやや焦り気味にヤプールコマンドへの攻撃ペースを上げる。
だがそうしている隙にも、二体は仰向けに横たわるソルに接近し、サウンドギラーは馬乗りになり、マッハレスはしゃがみ込み、そしてなぶる様に殴るなりして追い打ちをかける。
学生たちが不安になりながらもソルに声援を送るが、中には「女の子相手に…」と言う風なブーイングすらいくつか飛び交い始めていた。
櫂の相手しているヤプールコマンドはあとわずかになっていたが、全滅させた後だと手遅れのリスクが高い状況だった。
櫂「どうすりゃいいんだぁぁー‼」
櫂の叫びが響いたその時、
「はっ、あれは何⁉」
一人の学生が何かに気付く。その方向に振り向いてみると、遠くから何やら一機の宇宙船が飛んで来る。
徐々に近づいて来るうちにその宇宙船の姿が分かり、更にそれは砲塔が付いてたりと戦闘用の宇宙船の様である。
それは青を基調としたカラーの大型宇宙輸送船『スペースペンドラゴン』である!
スペースペンドラゴン。それは宇宙開拓時代を迎えた近未来で必要な豊富な資源の輸送や惑星開拓等のスペースミッションを目的に結成された宇宙規模の組織『ZAP SPACY』の宇宙船である。
惑星間の輸送任務等を主とするが、元は対怪獣用の戦闘艦でもあるため攻撃用の武器も設置されているのだ。
ペンドラゴンを操縦しているのは、スペースペンドラゴンの船長『ヒュウガ(日向浩)』である。
ヒュウガ「ようやく見つけることが出来た。派手に暴れてるな……ワイバーンミサイル発射‼」
ヒュウガはソルを叩きのめすマッハレスとサウンドギラーに狙いを定め、『ワイバーンミサイル』を一斉発射!
ミサイルの一斉攻撃を受けた二体は怯む。ソルはその隙に馬乗りになっていたサウンドギラーを蹴りで吹っ飛ばし、転がってその場から脱し立ち上がる。
櫂「………何だ?あの宇宙船は………。」
櫂はペンドラゴンを見上げる。
二体はペンドラゴンを狙い始め、サウンドギラーはミサイル弾、マッハレスはガスを噴射するが、ヒュウガの操縦するペンドラゴンはそれをかわしていく。
ソルはペンドラゴンを狙う二体を止めるべく二体に背後から跳びかかり左右それぞれ同時にヘッドロックをかけるが、超獣二体のパワーは凄まじく振り飛ばされそうになる。
二体の猛攻を受けたダメージによるものか、ソルのカラータイマーは赤く点滅を始める………。
ヤプールコマンドを全滅させた櫂が二体に手こずるソルを見上げていたその時、一人の人間が櫂の前に降り立つ。
櫂が少し警戒する中、振り向いたその青年はZAPのクルーであり、怪獣を操り戦う者『レイオニクス』である青年『レイ』だ!
彼は一見普通の地球人だが、その正体は、自身の後継者を決めるため、『四次元怪獣ブルトン』で『惑星ボリス』を怪獣無法惑星に変えたり、『惑星ハマー』にレイオニクスを集結させ、勝ち残った者を後継者にしようと企んだりなどして宇宙に大怪獣バトルを仕掛けた張本人『究極生命体レイブラッド星人』の遺伝子を持つ地球人であり、レイブラッド星人『レイモン』に覚醒・変身する事も出来る。
彼は、レイブラッド星人の遺伝子を持つが故に、その邪悪な血がもたらす闘争本能と葛藤しながらも仲間との協力もあり、暴走を克服後レイブラッド星人を倒し、宇宙での大怪獣バトルに終止符を打っている。
その後もウルトラ戦士達と共に怪獣墓場で『ウルトラマンベリアル』率いる怪獣軍団と戦ったり、ゼロやその仲間たちと共に『惑星チェイニー』で偽ウルトラ兄弟たちと、『ビートスター天球』でビートスター率いるロボット軍団と戦っている。
そして今回、彼もソルの声に呼ばれ、謎の光に導かれ、ヒュウガと共に駆け付けて来たのだ。
だがしかし、彼らだけの力では時空を越えるのは不可能。ウルトラ戦士か何者かが彼らをここに連れて来たのであろうか………?
ゼロ「おお、レイ!久しぶりだな!」
レイ「ああ、久しぶりだな。ゼロ。」
櫂「え?あ、あの~ゼロ、あいつと知り合いなのか?」
鎧「何言ってるんですか櫂さん!レイさんですよレイさん~!」
ゼロはレイとの再会を驚きつつも喜び、鎧は本物のレイに会えたことで興奮する。
ゼロ「お前もソルに呼ばれて来たのか⁉」
レイ「ソル?……今戦っているあの娘(こ)の事だな。どうやら今は再開を喜んでる場合じゃなさそうだ。」
そう言うとレイは、『ネオバトルナイザー』を取り出す。これは、怪獣を操るアイテム『バトルナイザー』が進化した姿であり、最強クラスのレイオニクスの証でもあるのだ。
学生たちもレイの方に注目が集まる。
レイ「ここは俺が行く!」
そう言うとレイはネオバトルナイザーを揚げる!
(BGM:レイの戦い)
“ピン ピン ピン”
《バトルナイザー モンスロード!》
ネオバトルナイザーはアナライズ音と共に下部の三つのボタンが発光し、中央のプレート部が左右に開く。
そして中からカードのようなエネルギー体が出現し、中央のウインドウ部にスキャンされた後遠方へ飛んで行く。
エネルギー体は徐々に実体化していき、やがて怪獣の姿となった。
現れたのは、知らない人はいないであろうあの強豪怪獣。
前方に大きく彎曲した首、三日月状の巨大な角、太く大きな尻尾が特徴の怪獣『古代怪獣ゴモラ』だ!
ゴモラはレイの主力パートナー怪獣であり、これまで惑星ボリス、惑星ハマー等で様々な強敵と戦い勝利してきた。
また、動きも以前のゴモラでは考えられない軽快かつダイナミックな所も特徴であり、正に怪獣の粋を超えた最強クラスの強さを持っている怪獣であり、ある意味“怪獣界のウルトラマンゼロ”と言えよう(笑)
ゴモラは土煙や土砂を天高く巻き上げ着地して咆哮を上げる。
ゴモラの登場に学生たちは驚愕し、中には彼が味方と知らず、新たな怪獣が出たと怯える者もいる。
ヒュウガ「大丈夫。あの怪獣は見方だ。」
いつの間にかペンドラゴンから降りていたヒュウガが学生たちに語り掛ける。
「おじさま、何なの?あのイケメン…。」
一人の女子生徒がヒュウガに問いかける。
ヒュウガ「(お、おじさまって………)彼は………怪獣使いだ。」
レイ「行け!ゴモラ!」
レイの指示でゴモラは二体目掛けて接近する。
二体はまたしてもソルを仰向けに倒し殴り始めている。
ゴモラは駆け寄りながらマッハレスの左肩に右足蹴りを叩き込んで吹っ飛ばし、続けてサウンドギラーに掴みかかりソルから引き離した後、腹部に左膝蹴りを打ち込み、続けて角を活かした横降りの頭突きを腹部に打ち込んで吹っ飛ばす。
その後ゴモラはサウンドギラーに一回転しての尻尾攻撃を叩き込んで吹っ飛ばした!
ゴモラはソルに歩み寄る。ソルは少し驚くが、ゴモラが手を差し伸べた時察する。
海羽「私を………助けてくれ…た……?」
ソルはゴモラの手を借りて立ち上がる。
海羽「(首をかしげて角を撫でながら)ありがとね、ゴモちゃん♡」
ソル(海羽)に礼を言われ、ゴモラは「礼を言われる程でもないぜ…」とばかりに頬を少し赤らめる。彼女のキュートさは怪獣をもメロメロにしてしまうのであろうか………?(笑)
レイ「(ゴモちゃんって………)戦え!ゴモラ!」
海羽「行くよ!ゴモちゃん!」
レイの声を受けゴモラはソルと共に構えを取る。
そして同じく並び立つ二大超獣向けて駆け寄り始める。
(BGM:エターナル・トラベラー)
ゴモラVSマッハレス、ソルVSサウンドギラーとそれぞれの戦いが始まる。
ソルはサウンドギラーの振り下ろして来た右腕を受け止め、「えい、とうっ!」と言う掛け声で右脇腹に左横蹴りを二発打ち込む。
その後胸部に右肘を打ち込んだ後、一回転しての右足払いを左足元に打ち込んで転倒させた後、「それーっ」と言う掛け声と共に跳躍して仰向けに倒れるサウンドギラーに座り込むように伸し掛かる。
ゴモラは先手必勝として跳躍してマッハレスの胸部にドロップキックを浴びせる。
その後マッハレスが怯んだ隙にゴモラは接近し、左横降りの左拳を顔面に、右拳を腹部に打ち込んだ後跳躍しての角を活かした体当たりを胸部に浴びせて吹っ飛ばす。
ゴモラは再び接近するが、振り下ろした右腕を受け止められ、右腕で殴り飛ばされる。
レイ「負けるな!ゴモラ!」
レイの叫びでゴモラは気合の雄たけびを上げ、マッハレスに跳び付く。
そしてマッハレスの振って来た右腕を身体を反らしてかわした後、腹部に頭突きを繰り出し、続けて左足、右足と前蹴りを打ち込み、それによりマッハレスが屈んだ隙に頭から掴んで投げつけて地面に叩き付ける。
レイのゴモラはこれまでゼットンやタイラント、キングジョーブラック等の強敵と戦い倒している。いわば通常の怪獣には考えられない次元の違う戦闘力を持っているため、例え超獣が相手でも後れを取ることは無いのだ。
海羽「ゴッドスラッシュ!」
ソルは左拳を腰に右手を突き出し『ゴッドスラッシュ』を数発発射する。矢尻型の光弾を身体に数発受けたサウンドギラーはダメージを受け怯む。
ソルは今度は駆け寄りながら両手を赤とピンクの光で覆った『ライトニングハンド』でサウンドギラーに手刀を浴びせる。
左右斜め、右横一直線にと火花を散らせながら手刀を炸裂させた、腹部に右横蹴りを浴びせた後、ライトニングハンドで挟み込むようにサウンドギラーの身体を掴む。
海羽「ハイスピンサンダー!」
ソルはライトニングハンドで身体を掴んだ状態で相手に赤とピンクの電撃を流し込む『ハイスピンサンダー』を浴びせる!
サウンドギラーは大ダメージを受けグロッキーとなった。
マッハレスは大きく回転して尻尾攻撃を繰り出す。ゴモラも真似する様に一回転して尻尾攻撃を繰り出す。
両者の尻尾は激突するが、尻尾の力だとゴモラの方が上だったみたいで、マッハレスはダメージを受けたような素振りを見せる。
その隙にゴモラは再び一回転し、マッハレスの腹部に強烈な尻尾の一撃を浴びせ転倒させる。
ゴモラはうつ伏せに横たわるマッハレスに接近する。
そしてマッハレスの大きな背ビレを両手で鷲掴みする。
“ブチ ブチ ブチッ”
ゴモラは怪力でマッハレスの背ビレを力一杯引きちぎる!背ビレは火花を散らしながら千切れた。
ゴモラは千切った背ビレを得意げに持ち上げ、そして投げ捨てた。
だが、そんなスプラッタな光景に、戦いを見守る学生達の中には興奮する男子もいれば、思わず「きゃあっ!」と悲鳴を上げて目を覆ったり顔を背けたりする女子も存在していた。
そう、怪獣の戦い方とはウルトラ戦士以上にパワフルかつワイルドなのだ!
立ち上がったマッハレスはだいぶ弱っている。ゴモラはマッハレスに駆け寄り右膝蹴りを腹部に打ち込み、それにより屈んだところで頭を左手で掴んで顔面に数回右拳を打った後、右足で顔面を蹴り上げ、更に跳躍し角を活かしたタックルを胸部に打ち込んで吹っ飛ばす。
ゴモラは跳躍して一回転し、18番の打撃技でもある尻尾での浴びせ蹴り『大回転打』を叩き込む!
強烈な打撃を頭部に受けたマッハレスは数回回転しながら吹っ飛び地面に落下する。
それを見たソルもそれを真似るかのように跳躍して一回転し、右足での浴びせ蹴りをサウンドギラーの頭部に叩き込む。
サウンドギラーも数回回転しながら吹っ飛び地面に落下した。
サウンドギラーはふらつきながらも立ち上がり、最後の力を振り絞って両手の指先から渾身のショック光線を発射する!
ソルは背筋を伸ばした後、両手を胸の前でクロスし、それを左腰に移しながら左足をアキレス腱を伸ばす様に後ろへ伸ばして赤とピンクの光エネルギーを溜め、更にその動作でショック光線を避けたため光線はソルの背後で大爆発する。
海羽「ミスティックシュート!」
ソルは爆風を背に右拳を腰に、左腕を突き出して必殺光線『ミスティックシュート』を放つ!
光線はサウンドギラーの腹部に直撃!サウンドギラーは大爆発し、ソルはその爆風を背に「イエイ!」と首を傾げて顎下に右ガッツポーズを決める。
ゴモラは跳躍し、マッハレスの真上で一回転してマッハレスの頭部に強烈な尻尾の一撃を浴びせる!マッハレスはもう既にグロッキーとなりふらついている。
レイ「ゴモラ!超振動波だ‼」
レイの叫びと共にネオバトルナイザーがオレンジの光を放つ。
レイのトドメの指示を聞いたゴモラは着地した後、頭部の角にオレンジ色のエネルギーを溜め、マッハレスに突っ込む。
そしてマッハレスの腹部に鼻先の角を突き刺して必殺の『超振動波(ゼロシュート)』を叩き込む!
超振動波。それはゴモラが本来地面を掘削する際に使用するものだが、このように必殺光線としても使用できるのだ。地面を掘る際にどんなに硬い岩盤をも砕くために使用するだけあって破壊力は抜群であり、このように鼻先を相手の体に突き刺して体内に流し込む『ゼロシュート』の他にも光線技の様に遠距離攻撃としても使用できる。
体内に超振動波を流し込まれるマッハレスはもがき苦しむ。そしてそのまま全身を発光させた後大爆発し、跡形も無く消し飛んだ!
マッハレスを撃破したゴモラはレイの方を振り向き誇らしく勝利の雄たけびを上げる。
ソルはゴモラの元へ歩み寄る。そして頭の角を撫でる。
海羽「やったね、ゴモちゃん。」
ソル達の勝利に学生たちは喜びの歓声を上げる。そして、レイにもお礼の言葉を掛ける者もいた。
ゴモラはその歓声に反応して雄たけびを上げ、ソルは首を傾げて「イエイ!」と言い、右手ピースを突き出す。
バスコ「おいおい、やられちまったぜ。」
キョウ「せっかくのヤプールの置き土産を無駄にしてしまいましたね………。」
バスコ「少なくともあの小娘(ソル)はもうエネルギーが僅かのはず………今のうちに巨大化して止めを………」
バスコとキョウが巨大化しようとしたその時、
ゼロ「よーお、お前ら、まだいたのか?」
バスコ「‼………ゼロ!」
キョウ「いつの間に⁉」
櫂はいつの間にかウルトラマンゼロに変身して巨大化していた!驚く二人を見下ろすゼロ。
ゼロ「わいどぜろしょっと。」
“ビー”
“ズドーン”
バスコ・キョウ「ギャぁぁぁぁぁ‼」
ゼロは軽い言い回しと共に、二人目掛けて腕をL字に組んで『ワイドショット』を発射し、バスコとキョウはその爆発により上空に吹っ飛ぶ。
キョウ「こんなのありですかよー!」
バスコ「俺達今回、いいトコ無しだったじゃねーか!」
キョウ「それじゃ、一緒に、」
バスコ・キョウ「嫌な感じ~‼」
“キラーン”
二人は空の彼方へ吹っ飛びやがて星となった。
吹っ飛ぶ二人を見上げた後ゼロはゴモラとソルの元へ歩み寄る。
ゼロ「よくやったな、ソル。ありがとな、ゴモラ。」
海羽「エヘッ。じゃ、私はここで。」
そう言うとソルは、光と共に小さくなっていき、海羽の姿に戻った。
学生たちの方へ駆けて行く海羽。学生たちはそれを出迎える。
「やったな眞鍋!よくやった!」
「海羽ちゃんありがとう!お疲れ様。」
海羽「みんな…ありがとう。」
海羽は学生たちに笑顔を向ける。ゼロとゴモラはその光景をどこか嬉しそうに見下ろしている。
だが、その時、
ゼロ「‼危ない!」
“ズドーン”
勝利を喜ぶのも束の間、突如どこからか白い光線が飛んで来て、避けたゼロ達の足元で爆発する。
ゼロ「………ッ、何者だ⁉」
身構えるゼロとゴモラの先には、新たに現れた一匹の怪獣が立っていた。
それは、一見『巨大魚怪獣ムルチ』の様だが鰭の色が黄色であり、下半身に青い結晶が埋め込まれており、目つきも瞳がある凶悪な面構えになっている。
そいつはムルチを強化改造した怪獣『巨大魚怪獣ゾアムルチ』だ!
先ほどの光線はゾアムルチが吐いた破壊光線である。
ゼロはゾアムルチを見た瞬間、「はっ!」と何かに気づく。ゾアムルチからは何やら強大なマイナスエネルギーを感じるのだ。
ガスト「ハハハ、ゼロ!流石に勘が鋭いな。」
突如、ゼロの目の前に『ブラック指令ガスト』が黒いオーラと共に現れる。
櫂「………ッ!てめえ!」
櫂はガストを睨み付ける。何しろ以前彼の卑劣の作戦により自身の愛する者の好きな物が利用され、自身は追い詰められた事があるのだから。(第13話参照)
ガスト「昨日、超獣により理不尽に殺された者たち。その人数があまりにも多かったものでな、そんな奴らの残留思念をムルチに注ぎ込むことで誕生したゾアムルチだ!」
ゼロや真美達は、ゾアムルチの正体を知り驚愕する。そう。このゾアムルチは、マッハレスにより破壊され全滅した新幹線と旅客機の乗客の怨念によるエネルギーを、通常のムルチに注ぎ込むことで誕生したのである。
ゾアムルチは咆哮を上げゼロ達に襲い掛かろうとする。その姿、顔つきは正に理不尽に殺された者の行き場のない恨み、怒りを表してるようだ。
敏樹「なるほど…殺された人々の魂を怪獣パワーアップに利用してウルトラ戦士と戦わせる…いい。良い刺激だね~。」
キョウ「正に見事ですな。」
バスコ「キイ~!抜け駆けされた~‼」
テライズグレートから見ている敏樹は感心し、ゼロにぶっ飛ばされてボロボロとなって帰ってきたバスコとキョウも悔しがりながらもガストの作戦に感心する。
ガスト「ハハハハハ!どうだゼロ!お前は無意識に殺された人々を相手するに等しいのだ!そんな奴らと戦えるかな~?」
ガストは勝ち誇る様に笑う。ゼロはしばらく下を向いて拳を握り止まったままである………。
……だが、しばらくするとゼロは顔を上げ、そしてゆっくりとゾアムルチ向かい歩き始める。
ガスト「おや?とうとう殺す決心がついてしまいましたか?」
ガストはゼロに挑発する様に言い放つ。
ゼロ「………何言ってんだ……ありがとよ。またしても丁寧に説明してくれて。」
ゼロの思わぬ言葉にガストは驚く。よく見てみるとその表情は何処か決断に満ちていた。
ゼロ「俺はこいつを殺す気はない………だからと言ってやられるわけでもない………ただ、もし無念の思いを抱える人々の魂が怪獣になっちまったのなら………俺はそんな奴らの想いを受け止めた上で、奴らを楽にするまでだ!」
(BGM:すすめ!ウルトラマンゼロ)
そう言うとゼロはなおもゾアムルチに歩みを進める。ゾアムルチはゼロ目掛けて破壊光線を連射する。闇雲に乱射するその姿は正に怒り狂い暴徒と化した人々の様である。
だが、ゼロは足元や自身の周りの地面に光線が当たり爆発が起こりながらもゾアムルチ向かい歩き続ける。
そしてゼロは歩きながら静かに左腕のウルティメイトブレスレット右腕でを叩く。するとゼロはハープのような効果音と共に全身が青い光に包まれ姿が変わった。
ゼロ「ルナミラクルゼロ。」
ゼロはウルティメイトブレスレットの力により、鮮やかな青い体色が特徴の、ミラクルパワーを見せる青きウルトラマンゼロ(超高速戦士)『ルナミラクルゼロ』へとモードチェンジした!
これはウルトラマンダイナとウルトラマンコスモスから授かった力によるもので、コスモスのルナモードとダイナのミラクルタイプの力を併せ持つ姿である。
ゾアムルチは歩いて来るルナミラクルゼロになおも破壊光線を連射するが、ゴモラが光線の様に発射した超振動波を胸部に喰らい怯むことで光線の発射が止まる。
ゾアムルチの光線が止まった隙にゼロはゾアムルチ向かって駆けて接近する。
ゾアムルチもすぐさま体勢を立て直し、邪念を込めるような大振りの殴る、蹴る等で向かい打つが、ゼロはそれらを腕や脚等で素早く弾いて行き、そしてゾアムルチの右フックを左腕で受け止めた後腹部に右の掌を打って撥ね飛ばす。
ゾアムルチは人々の怨念によりパワーアップしているはずなのだが、迷いなく戦うゼロの力はそれを凌駕している。
そして、戦う姿はまるでコスモスのルナモードの様だが、ルナミラクルゼロはそれよりもスピーディーであり、撥ね飛ばす力も強力である。
ゾアムルチは怯ますゼロに接近し右腕を振っての殴り込みを繰り出すがゼロはそれを左手で掴んで受け止め、そのまま左腕で抱え込むように締め上げる事でゾアムルチを自身から離れないように固定する。
そしてゼロはそのまま右の掌をゾアムルチの胸に当て、光のエネルギーを開放する。
すると、ゾアムルチは優しい光に包まれ、背部から何やら魂のような小さな光が次々と抜けて天に昇っていく。
ゼロは、ルナミラクルゼロの力により、ゾアムルチに取り込まれていた怨念こもった人々の魂を浄化し、解放しているのだ!
邪念のこもった人々の魂が抜けていくことにより、さっきまでもがき暴れていたゾアムルチは動きが次第に鈍って行く。
ゼロ「レボリウムスマッシュ!」
そして、ゾアムルチからすべての魂が抜けた所でゼロは右の掌をゾアムルチの胸に当てたまま衝撃派『レボリウムスマシュ』を打ち込み吹っ飛ばす。
ガスト「バカな⁉俺の自信の作戦が、いとも簡単に………!」
自身の作戦があっけなく失敗したガストは動揺を隠せない。
眩い光となり、天に昇って消えていく魂を見上げる真美達。
真美「これで………殺された人たちは少しでも救われたのかな。」
真美は安心の表情で、どこか問いかける様に呟いた。
ゾアムルチは立ち上がり、再びゼロ達に襲い掛かろうとする。人々の怨念の魂が抜けたとはいえ、まだムルチとしての凶暴さが抜けていないのだ。
ゼロ「フルムーンウェーブ。」
ゼロはすぐさまゾアムルチの周囲を高速回転しながら右手を突き出して鎮静光線『フルムーンウェーブ』を放ち、ゾアムルチを泡状に包み込む。
するとゾアムルチは凶暴さが収まって動きが止まり、完全に大人しくなった。
ゾアムルチを大人しくさせたゼロはゴモラの横に立ち、「決まったぜ!」とばかりにフィニッシュポーズを決め、学生たちも歓声を上げる。
「櫂様ーゼロ様ー素敵~!」
「すげー!怪獣を一瞬で大人しくさせるなんて!」
「櫂君流石ー!」
自信のあった作戦がいとも簡単に破られたガストは、空中で浮遊した状態で地団太を踏んで悔しがる。
ガスト「えーいおのれゼロ!今度こそ…今度こそは貴様をー!」
そう言うとガストは黒いオーラの様な物と共に姿を消した………。
レイ「ゴモラ!よくやった。 さあ、戻れ。」
レイはネオバトルナイザーを突き出す。するとゴモラはカードのようなエネルギー体へと変わり、ネオバトルナイザーへと飛んで行き入った。
ゴモラが戻り、残ったのは通常の姿へと戻ったゼロと、大人しくなったゾアムルチだけとなった。
櫂「あーあ、あんにゃろー(ガスト)、怪獣見捨てて行っちまったよ………。」
ゼロ「そうだな………さ~て、こいつ(ゾアムルチ)をどうしようか………?」
ゼロと櫂がゾアムルチをどうしようか悩んでいたその時、レイのネオバトルナイザーが一定の効果音と共に僅かな光を放つ。
それを見たレイは何かを悟ったのか、ゾアムルチ向けてネオバトルナイザーを向ける。
すると、ゾアムルチはオレンジ色の光に包まれ、やがてカードのようなエネルギー体へと変わり、レイのネオバトルナイザーへと飛んで行き収納された。
なんとレイはゾアムルチを新たなパートナー怪獣にしたのである!
かつてレイは、『古代怪獣ゴモラ』と『原始怪鳥リトラ(S)』の他に『宇宙怪獣エレキング』もパートナー怪獣として共に戦っていたが、エレキングはレイのライバル『キール星人グランデ』の怪獣『暴君怪獣タイラント』との戦いに敗れ消滅してしまったため、現在使用できる怪獣はゴモラとリトラだけであった。
だが今回は、エレキングの後を継ぐ新たな水棲パートナー怪獣としてゾアムルチがレイの新たなパートナー怪獣となったのである。
恐らくゾアムルチ自身も、既に自身は主人(ガスト)に捨てられたと悟り、レイのパートナーとして戦う道を選んだのであろう。
レイがゾアムルチを回収する光景を見たゼロは少し驚く。その後変身を解いて櫂の姿に戻る。
ゼロが変身を解く姿を見て、お礼の声を上げる学生も何人かいた。
(フッ………そうだ。俺はみんなのために戦う…所謂良い事をしている良い奴なんんだ………もっと俺を称えるがいい………。)
櫂はそう心で呟きながらそっと不敵な笑みを浮かべる。だがすぐさま良人モードに戻り学生たちの元へ駆けて行く。
海羽「レイさん…さっきは、ありがとうございました。」
レイ「ああ。良いって事だ。」
ヒュウガ「君たちが無事で何よりだ。」
真美「しかし素敵ですね。怪獣を操って戦えるなんて。」
レイ「いや、ただ操ってるだけじゃない。俺とこいつら(ゴモラ達)は強い絆と信頼関係で繋がっている。だからどんな強敵とも戦い抜けてきたんだ。」
櫂「へえ~、斬新ですね。」
怪獣を操って戦うというこれまでに見ないタイプの戦士に櫂と真美は関心している。
ゼロ「お前、より強くなってるな。」
レイ「ゼロこそ。」
ゼロとレイは再会を喜ぶ。
ゼロ「しかし、何故ゾアムルチはお前のパートナーになったのだろうか?」
レイ「多分、あいつ自身も居場所が無いと悟ったんだろう。それに………」
レイはネオバトルナイザーを取り出し見つめ始める。
レイ「このゾアムルチは、理不尽に殺された者たちの化身でもあるんだろ?なら殺さず、仲間として一緒に戦う…。それこそが、死んだ者たちへのせめてもの償いと思ってな。」
レイの理由を聞いた海羽は、レイの人の良さに思わず涙を流していた。最も、そんなレイも初期は怪獣を道具としか見てなかった男だったのだが(笑)
ゼロ「敵はこれからも次々と攻めて来るかもしれない。レイ、これからも頑張ろうぜ!」
櫂「こちらからも、よろしくお願いします。」
レイ「おう!」
櫂はレイと握手を交わす。………だが、その間、櫂は心で何やら妙な事を呟いていた。
(チッ………コスモスと言いこいつと言い、何で俺をイラつかせる者と戦わねばならねーんだ!………。)
このように、心ではとんでもない事を呟いているが、表面は人当たりの良い好青年を演じている………彼の本性が爆発するのは一体いつなのであろうか………?
この後、大勢の学生がレイに駆け寄り、質問攻めをしたりサインを求めたりなどしてレイを困らせたのを付け加えておこう。
その後、ライブは再開された。だが、盛り上がったのはライブだけではなく、櫂と海羽がゼロとソルに変身し、学生を手や肩などに乗せると言うちょっとしたサービスイベントも披露したのである。
そのイベントにはレイも参加させられ、そのためだけにゴモラを召喚したのは言うまでもない。
ライブは大盛況の中、午後1時に幕を閉じた。
レイとヒュウガは、世界各地に現れつつある怪獣を倒すべく、櫂達に一旦別れを告げ、ペンドラゴンで霞ヶ崎を後にした。
レイはこれからもゼロ達と戦うであろう。ゴモラ、リトラ、そして、新たに仲間となったゾアムルチと共に………。
そして真美も、災害ボランティアに出発しようとしていた。
真美「それじゃ、行って来るね、櫂君、海羽ちゃん。」
海羽「頑張ってね!」
櫂「あまり無理しないようにな。」
真美「ありがとう。おかげで心置きなく取り組めるわ。櫂君も海羽ちゃんも、殺された者たちの事を想って頑張ってくれたし、それに………その人たちは今でも生きてるから………レイさんの新しい仲間として。」
真美は櫂と海羽に感謝の言葉と意味深な事を言う。
海羽「おお、レイさんは“霊”(レイ)を仲間にしたわけだね!」
真美「…プフッ、何それ海羽ちゃん。」
櫂「海羽、親父ギャグ上手いじゃないか。」
海羽「はれ?そうだっけ?」
三人は笑い合った。そして、櫂と海羽は出発する真美を見送った。
海羽「………いつしか、全国の人が悲しむことなく安心して暮らせるように戻れたらいいね。」
櫂「ああ。レイの様に怪獣とも仲良くなれるほど平和になれたら良いかもな。」(あり得ないな………怪獣と仲間なんて………。)
櫂と海羽は、新たに敵を撃滅するための決意を固めた。
最も、櫂は心中とんでもない事を呟いているが………。
彼は本性を露わにする時が、そう遠くないかもしれない………いや、今現在はまだ大丈夫であるのか?
引き続きそっと見守って行こう。
[エピローグ]
一方、レイたちと一緒にワームホールをくぐってやって来た不思議な光は、霞ヶ崎上空を飛んでいた。
???「この街から邪悪なエネルギーを感じる………。私を読んだ謎の声の主は一体どこにいるのだろうか………?」
そう言うと謎の光は何処かへと飛んで行った………。
To Be Continued………。
(ED:ウルトラの奇跡)
読んでいただきありがとうございます!
今回はレイが初登場と言う事で、10話以来に気合を入れて作成しました。
大怪獣バトルも割と私の思い入れ深い作品でもあります。
さて、次回は14話以来の、やりたい放題回第2弾です!(笑)
ただ、14話と違ってギャグ回を意識して作成します。
また、14話以来にあの美少女宇宙人も再登場しますので乞うご期待を!(笑)
感想・指摘・アドバイス・リクエスト等をお待ちしています。