ウルトラマンゼロ物語(ストーリー) in RED ZONE STAGE   作:剣音レツ

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 お久しぶりです。

 更新が遅くなってすいません。

 今回はギャグ回を意識したやりたい放題回第二弾です(笑)

 ウルトラマンマックス第16話、もしくはウルトラマンⅩ第16話を見る感覚でご覧ください(笑)

 (どちらかと言うと雰囲気や流れ的にウルトラマンギンガS第12話に近いかな………?)


第20話「君に出会えたから」

(OP:英雄の詩)

 

 

 地球と月の間の宇宙空間で静止している侵略者の宇宙船・テライズグレート。

 

 そこでは、幹部宇宙人の一人・ナックル星人ゲドーが何やら張り切っている。

 

 ゲドー「遂に…ついに来たぜ!」

 

 敏樹「ん?一体何を見つけたってんだ?」

 

 ゲドー「あのヤローを遂に見つけたんだよ!明日攻め込むぜ…覚悟しやがれ!フフフフフ…。」

 

 桜井敏樹に言い放った後、ゲドーは何処へと去って行った。

 

 敏樹「…ま、いっか。」

 

 敏樹はあまり理解できないままゲドーを見送った。

 

 

 

 

怪獣使いの青年・レイの強力もあり、超獣二体を破った日の夜の11時頃、竜野櫂はアパートの入浴を終え自室に戻っていた。

 

 因みに櫂は、夏は入浴してその直後にアイスを食べてスッキリするのが好きなんだとか。

 

 櫂「ふぅ……さて、風呂上がりのアイスでも食って寝ますか。」

 

 櫂が冷蔵庫に向かおうとしたその時、

 

“ブウウン”

 

 櫂のスマホの着信音が鳴る。それに気づいた櫂はスマホを拾い上げ確認すると、新田真美からLINEで「ただいま~」と来ていた。

 

 どうやら真美は災害ボランティアから帰ってきたみたいだ。

 

 櫂「フッ、真美………お疲れ。」

 

 櫂が「お疲れ様」と返信を打とうとした時、更に追加される様に動画が送信される。

 

 櫂はその動画を再生してみた。

 

 そこには真美の災害ボランティア活動の様子が映っていた。

 

 負傷者を治療する姿、病人を看病する姿、恐怖等で泣く子供を優しく宥める姿………どれも一生懸命で、それを見ている櫂はふと笑みを浮かべた。

 

 そして動画の最後、真美は現地の人たちの不安を和らげるために『星のように…』をギターで弾き語りする。

 

 彼女は趣味としてギターの心得もあるため、時々学生ライブでギタリストとして参加もしたりするんだとか。

 

 静かなギターの爪弾きで始まった調べ。

 

 真美の透明感ある澄んだ歌声、それにスパイスを加えるようなギターの音色が一つとなって、不安に染まっていた人々の心を癒し、落ち着かせていく。

 

 そしてやがて、周りの何人かも一緒に歌い始めていた。

 

 さわやかな笑顔で楽しそうに歌う真美の映像を最後に、動画は終わった。

 

 ゼロ「ヘッ、いい歌声じゃねーか。まるで女神の様だぜ。」

 

 見終えた櫂はスマホを持ったまま上を向き、呟き始める。

 

 櫂「思えば真美は、ここ最近怪獣災害が起こる地域にボランティアとして赴いているよな………。あいつ、いつもにこやかだけど、もしかしたら俺並み…もしくは俺以上に疲労を重ねているかもな。」

 

 櫂は幼なじみの勘からか、真美は見た目以上に相当な疲労を重ねているのではないかと感じ始める。

 

 櫂「思えば、昔は気弱で軟弱だった俺は、あいつに出会えたから………あいつといられたから、何度も折れながらも頑張って行けたのかもな………。」

 

 ゼロ「成る程な。真美の存在は、お前にとって大きな支えだったのか。そしてそれは今でも変わらない。」

 

 ゼロは、櫂と真美の絆や友情の強さを改めて感じ始める。

 

 櫂「ま、最も、そのお陰で今では超絶な才能を得ているけどね………誰にも屈しない力を………。」

 

 櫂は静かに握った右の拳を見つめ、不敵な笑みを浮かべながら静かに呟く。

 

 ゼロ「ん?どうした?櫂。」

 

 櫂「(良人モードに戻って)いや、なんでもないさ。」

 

 その時、

 

 “ピポンパン ピポンパン………”

 

 櫂のスマホの電話機能の着信音が鳴り、櫂はすぐさま応答する。

 

 真美からの着信だった。

 

 櫂「おお、真美、お疲れ様。どうしたんだ?こんな真夜中に。」

 

 真美「あの~…櫂君…折り入って頼みがあるの………。」

 

 櫂「ん?」

 

 

 

 

 そして翌日、ひょんなことから櫂は真美と二人っきりのデートを始めていた。

 

 なんでも真美は一度行ってみたかった所があり、そこはどうも一人で行くのが恥ずかしいために櫂と一緒に行こうと考えたのだという。

 

 櫂「しかし、こうやって二人っきりで出かけるのって、いつぶりだろうな。」

 

 真美「そうだね…。」

 

 櫂は幼なじみの真美と出かけるのを久しぶりに思い、それを聞いた真美は笑顔で反応する。

 

 櫂「折角だから、今日は思いっきり楽しもうな!」

 

 真美「(笑顔で)うん!」

 

 笑顔で櫂の左腕に自身の右腕を絡ませる真美。そのまま仲良く歩く二人。

 

 真美の笑顔を見た後櫂はひっそりと不敵な笑みを浮かべる………。

 

 (フッ、これが、俺と真美の本来あるべき姿なのだよ………。)

 

 櫂が心で呟いたその時、

 

 真美「さ、着いたわ。」

 

 櫂「(良人モードに戻って)へ?」

 

 真美の指差した方へ顔を向ける。

 

 櫂「………!!?」

 

 それを見た瞬間、櫂は驚きと共に困惑する。

 

 それはなんと『メイド喫茶』だった………。

 

 

 

 真美は嬉しそうに軽快なステップで入り、櫂は動揺が止まらないまま吸い込まれる様に入る。

 

 真美「はあ~一度来てみたかったんだよね、ここ。」

 

 櫂「お…おお、そうか。」

 

 きゃぴきゃぴとはしゃぐ真美に櫂はぎこちなく返す。

 

 恐らく櫂は、真美の行きたかった店が意外過ぎたと思ったのだろう。無理は無い。彼女はとても清楚なイメージで、こういうオタクが集いそうな店には行きそうにない感じだったのだから………。

 

 メイド喫茶に入った櫂と真美は、早速メイド(ウェイトレス)に出迎えられる。

 

 ???「お帰りなさいませ、ご主人様、お嬢様♡(ウィンクしながら首をかしげて左脚の膝より下を上げ、両手でハートマーク)」

 

 櫂「ああ、どうも………ってあああっ!!?」

 

 ???「はああああっ!!?」

 

 ウェイトレスに声を掛けられた瞬間、櫂は鼻の下を伸ばすのも束の間、何かに気付いたのか驚きの声を上げ、ウェイトレスも同じく驚きの声を上げる。

 

 櫂「……み………海羽?」

 

 なんと、櫂と真美を出迎えたウェイトレスは、彼らの友人・眞鍋海羽だったのだ!

 

 

 櫂「何でお前がここに?………何で普通にメイドしてんの~!?」

 

 櫂は困惑が止まらない。真美は目を見開いて両手で口を押さえてフリーズし、海羽は突然の友達登場に慌て始める。

 

 海羽「あ、い、いや、そ、その~こ、これにはワケが………!」

 

 

 

 約5分後、海羽はとりあえず櫂と真美を客として席に招待した後事情を話す。事情を話してる最中も恥ずかしさからか、海羽は頬を赤らめていた。

 

 なんでも彼女はこのメイド喫茶で、数日前からウェイトレスのバイトを始めていたと言う。

 

 事情を聞いた後も櫂と真美の動揺は止まらない。

 

 櫂「い、いや~それにしても、海羽がこんなバイトを始めてたとはね~。」

 

 ゼロ「ま、驚きだよな。だが、そのメイド衣装似合ってんぞ、海羽。」

 

 真美「うん。とっても可愛いよ。」

 

 海羽「へ?………ありがとう!」

 

 海羽はメイド姿を褒められて照れながらも礼を言う。

 

 それもそのはず、海羽は普段でさえ周囲を虜にする無邪気な可愛らしさを持ているのであるから、白とピンクのメイド服を着たらそれが一層際立つのも当然である。

 

 海羽「私、もうすぐバイトの時間終わるから、良かったらこの後三人で出かけない?」

 

 真美「(笑顔で)そうだね。」

 

 櫂「そうだな…カラオケなんかどうだ?」

 

 海羽「お、いいね!私大好き!」

 

 と言うわけで、メイド喫茶の後三人でカラオケ行くことにした。

 

 (チッ………俺と真美のデートはここまでか。)

 

 櫂はまたしても心で何かを呟いている。

 

 海羽「あ、じゃあとりあえず、注文した紅茶とオムライス持ってくるね!」

 

 海羽はそういうとルンルンと軽快なステップで厨房へと向かって行った。

 

 そして櫂が頼んだ紅茶と真美が頼んだオムライスを持ってきた。

 

 因みにこのメイド喫茶では、オムライス等にはケチャップでお絵かきすると言うサービスも存在している。

 

 ……しかし、櫂は真美のオムライスのケチャップ文字を見た瞬間、紅茶を吹き出しそうになる。

 

 なんとそこには、何やら傘のような模様で下には“櫂”、“真美”とそれぞれ書かれているのだ!

 

 (バ…バカッ、何書いてんだよ………だが、分かってくれてんじゃねーか………。)

 

 櫂は動揺しつつも、ひっそりと不敵な笑みを浮かべる。

 

 真美「…とても綺麗に書いてるね。」

 

 真美も数秒動揺してるような顔をした後笑顔に戻りオムライスを頂きはじめる。

 

 櫂はそんな真美を、紅茶をすすりながらこっそり不敵な笑みで見つめていた………。

 

 そして10分後、櫂と真美は会計を済ませ、海羽はバイトの時間が終わり店を後にした。

 

 因みに海羽はメイド喫茶を出た後もメイド服のままである。

 

 海羽「それじゃ、行こっか。」

 

 櫂「メイド服のままかよ………ま、いいか。海羽だし。それじゃあ行くか!」

 

 三人がカラオケに向かおうとしたその時、

 

 

 

 “ズドーン”

 

 

 

 真美「!………何?」

 

 突如、大きな音と共に地響きが起こり、三人は驚く。

 

 櫂「ッ!!」

 

 櫂は即座に上を見上げる。そこには突如怪獣が現れていた。

 

 その怪獣は、翼の生えた恐竜のような外見が特徴の怪獣『豪力怪獣アロン』である!

 

 アロンはいきなり現れるや、大きく裂けた口を開けて咆哮を上げて暴れようとする。

 

 櫂「ったく、こんな時に怪獣かよ。」

 

 海羽「私、チャチャっとやっつけてくるわ。」

 

 海羽は櫂と真美の前に数歩進み、懐からハートフルグラスを取り出し、メイド服のスカート部をなびかせながら一回転して目に当てる。

 

 そして、赤とピンクの光と共にウルトラウーマンSOL(ソル)へと巨大変身し、アロンに立ち向かい始める。

 

 アロンは怪力を活かし両腕を振るって殴り込みを繰り出すが、ソルはそれをしなやかに連続で繰り出す右横蹴りでことごとく弾いていく。

 

 そして、連続横蹴り、跳躍してのチョップなどで攻撃を加えていく。

 

 ソルの華麗でしなやかな戦いぶりは、戦いを終始優位に進めていく。

 

 

 櫂「今日は良い感じだな、海羽。」

 

 真美「ええ。このまま一気にやっつけそう。」

 

 

 櫂も真美も、ソルの勝利を確信していた。

 

 

 その時、

 

 

 ???「きゃーっ!!」

 

 突如、女性の悲鳴が聞こえて櫂と真美はふと振り向く。

 

 

 なんとそこには、一人の若い女性を捕まえているナックル星人ゲドーが立っていた!

 

 驚愕する櫂と真美。

 

 櫂「お前は!?」

 

 女声「助けてー!」

 

 櫂「宇宙人達の一味か!?………その人を放せ!」

 

 ゲドー「嫌だな!この辺に“あいつ”がいると言う事で来てみたら一向に見つかんねーし、お前らには邪魔されるし!…どいつもこいつも俺様をイラつかせやがって~!!」

 

 ゲドーは相当イラついている様である。

 

 真美「あの怪獣もあなたが送り込んだの?」

 

 ゲドー「そうだ。だがアロンは囮だ。ゼロとソルが相手してる隙に“あいつ”を殺ろうと思ったんだが、少々予定が狂っちまったぜ!」

 

 櫂「とにかくその人を放せ!」

 

 櫂はゲドーに向かって行こうとする。

 

 ゲドー「おっと!来るんじゃねー。この女の命が欲しけりゃなー!」

 

 ゲドーが女を人質に取っているためにうかつに近づくことが出来ない。

 

 櫂「くそっ………どうすれば…。」

 

 

 

 一方のアロンと戦っているソルは、脇腹に横蹴り、跳躍して数回転しての回し蹴り等で着々とダメージを与えていた。

 

 しかし、ソルが顔面目掛けてハイキックを放ったその時、アロンは即座に背中の翼を羽ばたかせて空を飛ぶ事でそれをかわす。

 

 そして飛び回り、反射ガラスで覆われたビルの後ろに回りこむ。

 

 ソルもそのビルの後ろに回りこむが、なぜかアロンの姿はそこにはいなかった。

 

 海羽「あ、あれ?おかしいな〜。」

 

 あたりをキョロキョロ見渡すソル。その時、彼女の後ろのビルのガラスに不気味な怪獣のような姿がうつる。

 

 なんとアロンは、かつてウルトラセブンと戦った際に水溜りに姿を隠したことがあるように、ビルのガラスに姿を隠していたのだ!

 

 そうとも知らないソルに、アロンは背後からビルのガラスから飛び出して体当たりを仕掛ける!

 

 因みに「どこのミラーワールドのライダーだよっ!」と突っ込んだら負けだ(笑)

 

 だがソルは、それを咄嗟にフィギュアスケートのように回転しながら横に跳んでかわす。それと同時に回転しながら光の手刀『ライトニングハンド』で左の翼を切り落とした!

 

 このようにソルは優位な戦いを進めていた。

 

 

 

 だが、櫂たちの方は、人質を取られているがために下手に身動きできない状態であった。

 

 ゲドー「そんなにこいつ(女性)の命が大切か⁉︎なら大人しくゼロブレスレットを渡せ!」

 

 櫂「んなっ⁉︎…いくらなんでも卑怯だぞ!」

 

 櫂(………こうなったら渡すと見せかけて『ウルトラゼロスパーク』を放って女性を解放するしか………。)

 

 ゲドー「なーっはっはっはー‼︎俺の外道行為に卑怯も妥協もラッキョウもラッキ◯ーロもねーんだよ!はっはっはっはっは……」

 

 

 ゲドーが勝ち誇ったかのように笑ったその時!

 

 

 “バキュン”

 

 “ズガッ”

 

 ゲドー「⁉︎ぐおはっ!」

 

 突如、背後から銃撃を受けたゲドーは思わず女性を手放し、櫂たちは女性を急いで避難させる。

 

 ゲドー「…ッ、誰だ⁉︎」

 

 ゲドーが被弾した背中を押さえながら振り向いたその時、彼を含めた全員が驚愕する。

 

 なんとそこには、ウルトラゼロアイ(ガンモード)を構えて立っている真美が立っていたのだ⁉︎

 

 真美「わ…わ、私が⁉︎」

 

 櫂「ゼロアイを構えてるだと⁉︎」

 

 櫂と真美は驚きを隠せない。まあ、当然か(笑)

 

 

 すると、もう一人の真美はゼロアイをしまいその場から跳躍して櫂たちの方へと着地する。

 

 真美?「どうやは非道なやり口は、変わってないみたいだな。」

 

 もう一人の真美の声色が変わった。更に驚く櫂と真美、そしてゲドー。

 

 すると、もう一人の真美が発光し、徐々に姿が変わっていく。

 

 そしてなんと、真美は宇宙人の姿となった!

 

 ……いや、本物の真美は既に櫂と一緒のため、正確には「元に戻った」というところだろう。

 

 

 その宇宙人とは、茶色凸凹なボディに、卵のような銀色の頭が特徴の宇宙人『凶悪宇宙人ザラブ星人』である!

 

 

 ……しかし今回はなぜか赤のチェックを着ている。

 

 櫂「!!?んなっ⁉︎」

 

 真美「あなたは…⁉︎」

 

 驚く櫂と真美。………しかし、一番驚いたのは……、

 

 

 ゲドー「あ゛あ゛あ゛〜〜〜‼︎ 貴様は『ザラブ星人ブラコ』⁉︎」

 

 

 なんとそいつは、テラ軍の間では行方不明とされていた幹部宇宙人・ザラブ星人ブラコだったのだ!

 

 ゲドーはまさに、このブラコを探していたのである。

 

 ゲドー「っしゃー!ようやく見つけたぜ!……ってかお前、今まで何してたんだよ⁉︎」

 

 ゲドーは張り切りながらもツッコミを入れる。

 

 ブラコ「私かい?私はこの地球を少し堪能していただけさ。」

 

 ゲドー「堪能って……ふざけてんのか⁉︎ まあいい。お前を見つけたからには即座に………、」

 

 ゲドーがブラコに襲いかかろうとしたその時、

 

 櫂「即座に…何だって?」

 

 ゼロ「何だって?」

 

 既に櫂が左腕のウルトラゼロブレスレットからウルトラゼロアイを出現させて構えていた。

 

 ゲドー「………殺るに決まってんだろ‼︎ 大体この『卵頭の焼肉ボディ野郎』のせいで、俺の作戦メチャクチャになったんだからな‼︎(第4話参照)」

 

 そう、ゲドーはかつて、捕えた子供たちを拘束する際にブラコから借りたテープを使用したところ、恐怖で泣く子供たちの涙によりテープが解けてしまい自由にすることを許してしまったことがある。

 

 この失敗を機に、ゲドーはブラコを目の敵にするようになり、今でも根に持っていたのだ。

 

 ブラコ「何を言ってんだい?そもそも君が、「何でもいいから縛るものを貸してくれ」と言ったのが悪いんだろ?」

 

 ゲドー「うるせー!どうせならもっと頑丈なのをよこしやがれ!おらああぁぁ……」

 

 ゲドーが自棄っぱちで向かおうとしたその時、

 

 

 敏樹「一旦戻れ。」

 

 

 突如、何処からか桜井敏樹の声が響いてゲドーはふと立ち止まる。

 

 ゲドー「何故戻らなきゃなんない⁉︎俺様は今すぐこいつらを殺らなきゃ気が…」

 

 敏樹「戻れ!」

 

 ゲドー「っ、えーいうるさい!せめてこいつらだけでも…」

 

 その時、ゲドーが足元から上にかけて紫に光り始める。

 

 ゲドー「⁉︎えっ⁉︎ちょ、おい待て!ちょい!…」

 

 “ボシュッ”

 

 突然、ゲドーは小さな爆発と煙と共に何処かへ消えてしまった。

 

 あまりにも反抗するので、敏樹が強制的にテレポートさせたのだ。

 

 真美「………何だったのかな?今の。」

 

 櫂「さあな。でも、人質を開放出来て良かったな。」

 

 いきなりの出来事に櫂達は困惑するが、とりあえず安心する。

 

 

 櫂「ザラブ星人、サンキュー………じゃねーよ!お前何なんだよ⁉何で人間を庇ったんだよ⁉」

 

 櫂はブラコに対する驚きが消えてなかった。

 

 ブラコ「話してもいいが、まずはあれが片付いてからだね。」

 

 そう言ってブラコは、戦うソルの方を指差す。

 

 

 ソルはアロンを完全に追い詰めた。今こそトドメの時だ!

 

 両手に赤とピンクの光を集中させ接近し、左右から挟み込むように体を押さえつけ、ゼロ距離で電撃必殺技を叩き込む!

 

 海羽「ハイスピンサンダー!」

 

 赤とピンクの電撃を浴びているアロンはもがく。そしてそのまま発光して大爆発し、跡形も無く吹き飛んだ!

 

 海羽「イエーイ!」

 

 勝利したソルは右拳を挙げて左脚を曲げて飛び跳ねる。

 

 そして、ピンクに発光して小さくなっていき、海羽の姿へと戻った。

 

 

 

 海羽「何か分からなかったけど、今回は楽勝だったね☆」

 

 櫂「ああ。あの外道野郎、変身しようとする俺を見たら尻尾巻いて逃げやがったしな(笑)」

 

 真美「それに、ザラブ星人さんが来てくれたお陰でもあるしね。」

 

 櫂「そうそうザラブ星じ………、」

 

 

 櫂・真美・海羽「って何でザラブ星人がいるのよー!?」

 

 

 櫂と真美と海羽は事態が終息した事をとりあえず喜び合うが、突然のザラブ星人の登場、そしてそもそもなぜ地球人を助けたのかと言う事に困惑する。

 

 それもそのはず、ザラブ星人はかつて同族が、地球人に友好(自分たちは兄弟)であるかのように見せかけ、ウルトラマンと地球人の信頼関係を失わせるために『にせウルトラマン』に変身して街を破壊した事があるのだから………。

 

 今回もそんな演技の為に地球人を助けたのではないか………⁉三人ともそう思い始めていた。

 

 

 櫂「き、貴様!まさかまた友好的と見せかけの演技の為か⁉」

 

 だが、ブラコは動じず対応する。

 

 ブラコ「まあまあ、落ち着きたまえ。私はあの野蛮な同族とは違う。」

 

 ブラコの丁寧な物言いも相まって、三人はブラコが悪企みをしているのではないと言う事に気付く。

 

 海羽「………じゃあ、なぜ地球に来てるの?」

 

 ブラコ「確かに私はさっきのナックル星人と同じく、軍団の幹部宇宙人だった………しかし、偵察としていざ地球に降り立ってみたら………、」

 

 

 ブラコはそのまま語り始めた。

 

 なんでも彼は、あのお方(桜井敏樹)の指示で、半分散歩感覚で偵察として地球に降り立った時(7月23日)、青く広がる空、緑豊かな大地、澄み渡る海に心を奪われてしまったと言う。

 

 さらに街を歩いていると(この時は適当に地球人に化けていた)、転んだ際に「大丈夫ですか?」と声を掛けてもらった、どこ行こうか迷ってた際「どこかお探しですか?」と声を掛けてもらったなど、すれ違う地球人の優しさに触れ、気が付けば地球を攻撃する気が完全に失せ、侵略宇宙人は止め、地球で暮らそうと決めたと言う。

 

 

 櫂「………そっか、つまりお前はすっかりこの地球が気に入ったワケだな?」

 

 ブラコ「ええ。地球は美しいし、地球人は優しい。我が母星と違って………」

 

 真美「どうしたのですか?」

 

 ブラコは突然どこか悲しそうに下を向き始め、真美はそれを下からのぞき込むようにして話しかける。

 

 ブラコ「我が母星・ザラブ星では、私は優秀な変身家でした………ですが、その跳びぬけた変身能力を評価され過ぎて、それが悪い宇宙人にも知られてしまって、そいつらにこの変身能力を無理矢理悪事に利用され、更にはその罪の濡れ衣を着せられることもあったんです………そこでそんな日々が嫌になってザラブ星を飛び出して宇宙を放浪していたところにあのお方と出会い、そして地球にたどり着いたというわけです………。」

 

 三人とも唖然とした…なんせブラコが地球に着くまで、思いのほか壮絶な過去を持っていたため………。

 

 

 真美「そっかー………、辛かったよね。ようやく居場所が見つかって良かったね。」

 

 真美は同情の涙を指で拭う。

 

 ブラコ「ありがとうございます。やはり地球人は優しいですね。」

 

 海羽「真美ちゃんの優しさは飛びぬけてるからね。真美ちゃん、悩み持ちやすい私の為にも涙を流してくれるんだから~。」

 

 櫂「ここ地球は良い所だ。お前さえ良ければここで一生過ごしてもいいんだぞ。」

 

 ブラコ「ありがとうございます。ですが、ここは遊び場として訪れようと思います。私には居住所がありますから。」

 

 櫂「居住所?一体誰の?」

 

 ブラコ「そろそろ来てくれますよ。」

 

 櫂「んん?」

 

 櫂が何のことか理解できないでいたその時、

 

 

 

 ???「あ、見つけた。ブラコ君!」

 

 突如、ブラコの背後から女声が聞こえる。ブラコを始め全員はその方を振り向く。

 

 その時、櫂達三人、特に海羽は驚きの表情を見せる。

 

 服装こそ白いシャツに黄色のパーカーを着ている、見るからにごく普通の地球人の少女だが、ある物がきっかけで櫂達はすぐさま気付く。

 

 

 可憐な童顔にサラサラな長髪に大きな蝶の髪飾りを付けている………、

 

 

 そう、駆け寄ってきた彼女は、かつてテラ軍により追われる身となっていたが櫂たちの活躍で救われ、その際に海羽と親しくなった(第14話参照)ペダン星人『バレッタ』なのだ!

 

 

 ブラコ「おお、バレッタちゃん。」

 

 駆け寄ってきたバレッタは、そのままブラコと手を取り合う。

 

 バレッタ「んも~突然いなくなるんだから探しちゃったよ。」

 

 ブラコ「ははは、悪い悪い。ちょっと見過ごせない事があってな。」

 

 

 海羽「……バ…バレッタちゃん?」

 

 バレッタ「あ、海羽ちゃんたちも久しぶり!」

 

 海羽は困惑しつつも話しかけ、バレッタはそれに反応する。

 

 

 ………だが、櫂達は再会の喜びよりも気になることがあった。それは、バレッタがやけにブラコと仲良さそうにしているところだった………!

 

 三人は恐る恐る問い始める。

 

 海羽「バレッタちゃん………どうしてまた地球に…?」

 

 真美「何故、ブラコさんと仲良さそうに…?」

 

 櫂「(各々指差しながら)どういう関係なのお前らー⁉」

 

 バレッタ「い、いや………これは、その~…」

 

 バレッタが何やら言いづらそうにしているその時、

 

 

 ブラコ「ん?君達、私のハニーとは知り合いなのかい?」

 

 

 櫂・真美・海羽「………………へ?」

 

 海羽「は…」

 

 真美「に…」

 

 櫂「い~?」

 

 

 “ポクポクポク、チ~ン”

 

 

 櫂・真美・海羽「えええぇええぇぇぇえーーー~!!!???」

 

 真美「は……ハニーってことはもしかして………、」

 

 バレッタ「あ、………あはは…、」

 

 驚きと共に困惑する三人を見て、バレッタは少し照れくさそうに右頬を掻いた後ブラコの左腕に抱き付き、ブラコは照れくさそうに右手を後頭部に持っていく。

 

 櫂「もしや………バレッタの言ってた“彼氏”って………、」

 

 海羽「“ザラブ星人”だったって事~~~!!?」

 

 

 ブラコ「その通り、まさか君たちが私のハニーとお知り合いだったとはね。」

 

 バレッタ「なんか、脅かしちゃってごめんね。」

 

 

 三人、特に海羽は混乱が止まらなかった。それもそのはず、バレッタの彼氏が意外過ぎたどころか、ザラブ星人とペダン星人がカップルとは………。

 

 櫂「………つまり、このカップルは彼氏・彼女共に追われる身だったてことか…。」

 

 

 “ピキピキピキ…ガシャーン”

 

 

 ある意味のショックにより、海羽の脳内で思い描いていたバレッタの彼氏象がガラスのようにひび割れ砕ける。

 

 海羽「そ………そんな………、」

 

 海羽はあまりのショックにより挙動不審である。倒れる寸前だ。

 

 その時、海羽は走馬灯の中にある言葉を思い出す。

 

 

 『互いに恋する男と女の絆は一際強いんだから!』(第14話より)

 

 

 海羽「はぁ…少なくともその言葉は本当みたいだね。はぁ~………」

 

 “ドサッ”

 

 海羽は倒れ込み、一時的に気を失ってしまった。

 

 櫂「!ぅおい、海羽!」

 

 真美「大丈夫?」

 

 櫂と真美は即座に歩み寄り、ブラコとバレッタはそれを少し申し訳なさそうに見つめていた………。

 

 

 

 海羽は約10分後に目を覚ました。とりあえず三人は、バレッタ達からワケを聞くことにした。

 

 なんでもバレッタは追われる身として宇宙を飛び回っていた所でたまたま同じ境遇のブラコと出会い、一緒に助け合いながら逃亡していく内に仲も良くなっていき、そしてやがて付き合う仲となったという。

 

 櫂「へえ~…まさか宇宙人軍団の間でそんな事があったとはな。」

 

 真美「助け合っていく内に恋も育んできたわけね。」

 

 海羽「でも、それはそれでロマンチックで良いかも。」

 

 ゼロ「しかし驚きだよな~なさかザラブ星人とペダン星人が恋仲になるなんてな。」

 

 櫂「そうだな…って、ゼロ!ようやくしゃべり始めたか!?」

 

 ゼロ「へへへ、ちょっと昼寝しててな。」

 

 ブラコ「あなたがウルトラマンゼロですか。いやはや、あの時はバレッタちゃんをありがとうございます。」

 

 ゼロ「へへッ、ま、いいってことよ!(フィニッシュポーズ)」

 

 ブラコ「まあとにかく、私は平和に過ごすことにしたのです。ね、バレッタちゃん。」

 

 バレッタ「うん。ブラコ君。 海羽ちゃん、脅かしちゃってホントに…(手を合わせて頭を下げて)ごめんちゃい!」

 

 海羽「ううん。いいんだよ。良かったね。一緒に協力し合える異性ができて。」

 

 バレッタ「ありがとう。海羽ちゃん。」

 

 櫂「ああ、そうだな………。」

 

 そう言うと櫂はひっそり真美を横目で見つめる………。

 

 

 その時、バレッタがある事を提案する。

 

 バレッタ「それよりさあ、みんな、ブラコ君の変身能力見てみる?」

 

 櫂「え?変身といってもまさかあの出来損ないウルトラマンにでもなるんじゃねーのか?」

 

 ブラコ「とんでもない。私の変身はあんなに醜くない。完璧なのだ。」

 

 そう言うとブラコは、両手で顔を覆うようなポーズをとる。そして、それを広げるように手を離す。

 

 ブラコ「はっ!」

 

 掛け声とともにブラコは光に包まれる。そして、どこか聞き覚えのある効果音………そう、ウルトラマンの変身音と共に姿を変え、なんと『ウルトラマン』の姿へと変わった!

 

 それはにせウルトラマンと違い目も爪先も尖ってなく、ボディに黒いラインも入っていない…そう、完璧にウルトラマンの姿に変身したのだ!

 

 …と言ってもザラブ星人の変身は大抵は外見のみであるため、スペシウム光線とかが撃てるかは謎である。

 

 あまりにも完璧なブラコの変身に櫂たちは思わず歓声が上がる。

 

 真美「凄ーい。そっくりそのまま変身できるなんて。」

 

 ゼロ「なるほど、そりゃあ悪質な宇宙人も狙うわけだな。」

 

 ブラコ「私は様々なものにそっくり完璧に変身できるのだ。だがそれだけではない。 自分だけでなく、他の者も変身させる事が出来るのだよ。」

 

 櫂「えっ⁉︎マジかよ⁉︎」

 

 ブラコ「それならやってみよう………ん〜…はっ!」

 

 ブラコは櫂に手のひらを突きつけて念を込める。すると櫂は発光し姿が変わっていく………。

 

 

 櫂「よ〜し、変身完了したかな〜……って!何でよりによってこいつなんだ〜⁉︎」

 

 櫂はなんど、『メフィラス星人キョウ』の姿へと変えられてしまった!

 

 海羽や真美も驚愕する。

 

 

 櫂「確かにそっくり完璧に変身できてるけどさ…何で⁉︎なんでこんなブサイク面に変身させんだよ‼︎」

 

 ゼロ「フフフ…櫂、よっぽどキョウが嫌なんだな。」

 

 櫂「当たりめーだろ!あんなラッキョウ野郎!」

 

 櫂はキョウの姿にされた事にややパニクり状態である。

 

 ブラコ「どうです?私の変身能力は完璧だとお分かりに…」

 

 櫂「(殺気の込もった顔で)はーやーくーもーどーせ〜!」

 

 “ギリ ギリ ギリ………”

 

 ブラコ「ぐっ…わ、分かった分かった。今戻すから。ギブギブギブ…」

 

 ブラコは怒り心頭の櫂に首を締められ慌てて櫂を元に戻す。

 

 因みにこの光景は、メフィラス星人(二代目)(櫂)がウルトラマン(ブラコ)の首を締めているという構図なのだからあまりにも不愉快な光景である(笑)

 

 

 イケメンな元の姿に戻った櫂は安心する。

 

 櫂「ったく、とんでもない能力だな。こいつの変身は…。」

 

 バレッタ「エヘヘ…でも、面白いでしょ?いろんなモノに変身させられるんだから。」

 

 櫂「まあ、そうだな。」

 

 ブラコ「だが、この変身能力は戦闘などにも役に立っているのだ。例えば、強い者に変身する事で相手を退散させたりなどな。」

 

 ゼロ「成る程、ブラコの完璧な変身能力にバレッタの機敏なキングジョー………それらが合わさるとある意味滅茶苦茶強いカップルかもな。」

 

 ゼロは、ブラコとバレッタのコンビはある意味強いのではないかと感じ始めていた………。

 

 

 と、その時、

 

 

 健二「あ、櫂さん、みんな。」

 

 早苗「奇遇ですね。ちょうどみんな揃ってるなんて。」

 

 二人で散歩している健二と早苗に偶然出会った。

 

 櫂「おお健二、早苗。」

 

 健二「………あの~………そちらの宇宙人は…?」

 

 櫂「あ、い、いや、その………、」

 

 “健二と早苗”のカップルに“ブラコとバレッタ”のカップルを見られてしまった………。

 

 櫂は少し頭を抱える………。

 

 

 櫂と真美・海羽はブラコたちの関係を健二たちに話し、それにより健二たちは納得した。

 

 そして、折角と言う事でみんなでこの後カラオケに行くことになった。

 

 なんでも、ブラコとバレッタはカラオケも好きなんだとか………宇宙人のくせに地球の音楽をすっかり気に入っているのである(笑)

 

 そう、彼らは短期間で地球の文化に馴染んでしまってもいた………。まあ、これはこれで良い事なのだろうか。

 

 

 

 その頃、テライズグレートでは、無理矢理転送させられたゲドーが敏樹に不満をぶつけていた。

 

 …だが、やや理性を失い声を荒げるゲドーに対し、策を考える敏樹。 話がかみ合うはずも無く………、

 

 ゲドー「なーぜ俺様を転送しやがった!折角奴を殺れるチャンスだったのに!…」

 

 敏樹「奴の変身能力はやはり使える気が…」

 

 ゲドー「今度こそ俺様は奴を!…」

 

 敏樹「まずは奴を捕えるのが大j…」

 

 ゲドー「あんにゃろー!腹が立って仕方がねえ!」

 

 敏樹「ちょ、お前!俺の言う事聞いてないな~!?」

 

 ゲドー「うるせー俺はさっさと殺りてーんだ!」

 

 敏樹「あ~そう!ならもう好きにしやがれ!」

 

 ゲドー「お~そうしてもらうぜ!ならさっさと転送しやがれこのやろ~!」

 

 もはや二人は言葉のドッジボール状態であった。

 

 それどころか、ゲドーは格上と思われる敏樹にタメ語や命令語まで使ってしまっている………。

 

 それほど、ブラコに対する憎悪で整理がつかなくなってしまっているのか………?

 

 

 

 一方、櫂・真美・海羽・健二・早苗、そしてブラコ・バレッタの7人は、約4時間カラオケを楽しんだ。

 

 それぞれ好きな曲を歌うのはもちろん、二人組など、複数で歌うと言う事も楽しんだ。

 

 例えば、櫂と健二は二人で『乱舞Escalation』をデュエットし、真美・海羽・早苗・バレッタ女子勢は『Enter Enter MISSION!』を歌ったりしている。

 

 ブラコに関しても様々な曲を歌い、更には『Who's That Guy』などの見た目とギャップを感じるクールな曲まで歌っている(笑)

 

 バレッタは『青い夜の記憶』という、彼女の幼さ感じる童顔とはギャップを感じる大人びた曲まで歌っている(笑)

 

 櫂と真美はもちろん、それぞれの十八番『英雄』、『飛び立てない私にあなたが翼をくれた』も歌った。

 

 そして最後は、全員で『Climax Jump』を歌い大盛況で締めくくった。

 

 

 

 P.M3:00頃、7人はカラオケハウスを出た。

 

 海羽「いや~楽しかったね!」

 

 真美「そうだね。こんな大勢でカラオケしたの久しぶりかも。」

 

 櫂「しかし、ブラコもバレッタも歌うまいな。」

 

 ブラコ「まあ、地球の音楽は素晴らしいから、歌えるように練習もしたのさ。それにしても、〆のClimax Jumpは盛り上がったな。」

 

 バレッタ「Climax Jump良いよね~!「諦めたら試合終了さー」って所とか~ 」

 

 ブラコ「それを言うなら「諦めたらそこが終点さー」じゃないのかい?」

 

 バレッタ「あ、そうだった。エヘヘ。 試合終了は確か“ス〇ム〇ンク”の方だったよね。」

 

 ブラコ「あの漫画もなかなか面白いよな。」

 

 バレッタ「うんうん!私も初めて読んだ瞬間ハマっちゃって………」

 

 

 ………いつの間にか、ブラコとバレッタは二人きりで話が盛り上がっていた。

 

 と言うか、地球の漫画にまでハマっているとは…地球に馴染んでるにも程がある(笑)

 

 

 早苗「フフフ、あの二人、楽しそうね。」

 

 健二「ああ。まるで俺たちみたいだね。」

 

 早苗「フフッ、ねえ、これからどうする~?」

 

 健二「そうだね、どこ行こうか?」

 

 

 健二と早苗の方も、二人きりで話が盛り上がっていた。

 

 

 地球人同士と宇宙人同士。二組のカップルを櫂は見つめていた。ひっそりと不満そうな表情で、横目で真美を見つめながら………。

 

 

 真美「ん?なーに?櫂君。」

 

 櫂「え?い、いや、何でもない。 彼ら、楽しそうだな~って思ってね。」

 

 真美「(笑顔で)………そうだね。」

 

 海羽「正にカップルって感じ~。」

 

 海羽は、楽しそうに話す二組のカップルに嬉しそうに見とれていた。その隙に櫂は真美と二人きりで話そうと考える。

 

 櫂「………なあ、真美。」

 

 真美「どうしたの櫂君?」

 

 櫂「あ、いや…その………」

 

 櫂は激しい緊張により言葉に詰まってしまい、真美はそんな櫂を首をかしげてあどけない表情で見つめる。

 

 

 櫂「………………こんな平和で楽しい日々が、今後もずっと続くといいな。」

 

 櫂は固い笑顔でとりあえず話す言葉を見つける。

 

 真美「………そうだね。」

 

 真美は笑顔で答えた。

 

 櫂と真美が良い感じになりそうになったその時、

 

 

 ゲドー「フンッ、カップルほど見苦しいものはないぜ!」

 

 ふと驚いた7人は声の方へ振り向く。そこには打倒ブラコに燃えるゲドーが立っていた!

 

 身構える7人。

 

 ブラコ「やれやれ、あなたも懲りないですね~。」

 

 ゲドー「うるせー!お前のそういう喋り方ムカつくんだよ!そもそもお前、語尾に“ブラ”を付けるマヌケっぽい喋り方じゃなかったのかよ!?」

 

 ブラコ「あー確かにそうでしたね。多分この地球で暮らす内に、そんな癖は無くなったのでしょう。」

 

 ゲドー「………ほほぅ………それほどこの地球に馴染んでしまったワケか………なら………もはや貴様は完全なる裏切り者………排除するしかねーな!!」

 

 怒り心頭のゲドーは右手を上に挙げ、その先から稲妻のような光を空の彼方へ発する。

 

 すると、晴れ渡っていた空に突然黒い大きな穴が開いた雨雲のようなものが現れ、そこから稲妻状の光線が地面に落ちると、その光が徐々に形を変えていく。

 

 そしてやがて、その光から一匹の巨大生物が現れる!

 

 その巨大生物は、赤いボディに頭頂部の青い皿のような部分が特徴の怪獣『破壊獣モンスアーガー』である!

 

 モンスアーガーは咆哮を上げ、櫂達は驚愕しモンスアーガーを見上げる。

 

 ゲドー「どうだあ!?ガモスに次ぐ俺様の三大相棒怪獣の一匹モンスアーガーだ!貴様ら等、一捻りだああぁぁ!!」

 

 そう言うとゲドーも腕をクロスし、土砂や土煙を上げながら巨大化する。

 

 ゲドー「モンスアーガー!街を破壊しろ。俺様は此奴(ブラコ)を潰してやる~!」

 

 モンスアーガーは暴れようとし、ゲドーはブラコたちを潰そうと歩みを進める。

 

 ゼロ「………櫂、」

 

 櫂「ああ。行くしかないみたいだな。」

 

 櫂は変身のためウルトラゼロアイを出現させようと左腕を曲げる。

 

 

 と、その時、

 

 

 突如上空から四つの光線が飛んで来てゲドーたちに命中する。

 

 ゲドー「!ッ、何だ!?」

 

 上空を見上げると、そこには頭、胸、腹、足の4機の宇宙船に分離したキングジョーが飛んで来、そのコックピットにはバレッタが搭乗していた!

 

 バレッタはいつの間にかキングジョーを呼び出し乗り込んでいたのだ!

 

 ブラコ「ほほう、さすがマイハニー。仕事が早い。」

 

 ブラコは自慢の彼女を持ったなと感心する。

 

 キングジョーは上空で合体して『宇宙ロボットキングジョー』となり、土砂や土煙を上げながら着地する。

 

 バレッタ「させない…!地球の破壊なんて!」

 

 ゲドー「えーい小癪な!モンスアーガー!小娘もろともスクラップにしてやれ!」

 

 モンスアーガーはキングジョーに襲い掛かり、キングジョーはそれを迎え撃つ。

 

 両者は激しいパンチの応酬から始め、次にキングジョーはロボットとは思い難い素早いパンチやキックで攻撃し、モンスアーガーも負けじとそれを怪力で防いだりして反撃を仕掛ける。

 

 重量級である両者の戦いは地響きが起こり、周りの地面が爆発を起こすほど激しいものである。

 

 

 ゲドー「そちらは任せたぞモンスアーガー。さてと、俺様は早くあんにゃろーを………

 

 ………へ?」

 

 

 ゲドーはブラコを潰そうと振り向くが、その瞬間驚愕しふと動きが止まる。

 

 

 その視線の先には、いつの間にか登場していた6人の光の巨人が立っていた。

 

 ウルトラマンゼロ、ウルトラマンギンガ、ウルトラマンビクトリー、ウルトラマンパワード、ウルトラマンコスモス(ルナモード)、ウルトラウーマンSOL(ソル)のウルトラ6勇士である!

 

 

 櫂と海羽はいつの間にかケンイチ・カイ、春野ムサシ、礼堂ヒカル、ショウと合流し、6人同時で変身していたのだ!

 

 ゲドー「な………何でお前ら6人揃ってんだよ!?」

 

 予想外過ぎる展開にゲドーは焦りを感じる。

 

 

 そんなゲドーの焦りを他所にゼロ達は名乗りとポーズを始める。

 

 

 ゼロ「若き最強戦士・ウルトラマンゼロ!」

 

 

 カイ「地球を愛した無敵のヒーロー・ウルトラマンパワード!」

 

 

 ムサシ「慈愛の勇者・ウルトラマンコスモス!」

 

 

 ヒカル「銀河の覇者・ウルトラマンギンガ!」

 

 

 ショウ「勝利の地底戦士・ウルトラマンビクトリー!」

 

 

 海羽「キュートでパワフルなタフガール・ウルトラウーマンSOL(ソル)!」

 

 

 ゼロ「光あるところ、正義の雄叫びあり! 俺たち、」

 

 

 全員「新・ウルトラ6勇士!!」

 

 

 6人が名乗り終えるとゲドーはずっこける。

 

 ゲドー「っておめーら!なに戦隊チックに名乗ってんだよ~!!」

 

 起き上ったゲドーは突っ込む。確かに、過去にもウルトラ戦士が複数で共闘する事はあったが、戦隊チックに名乗ったのは今回が初であろう(笑)

 

 ゼロ「い…いや~、ちょっとノリで。」

 

 ゲドー「ふざけてんのか!? 俺様相手に~!」

 

 カイ「ふざけてはいない!それほど今回は気合が入ってるって事だ!」

 

 自分もノってやったくせにしれっと正論っぽいことを言うカイがどこかシュールである(笑)

 

 ムサシ「悪事は許さないぞ!」

 

 ショウ「勝利するのは俺たちだ。」

 

 ヒカル「またぶっ飛ばしてやるぜ、脳筋野郎!」

 

 海羽「アーユーレディー!?」

 

 櫂「いくぞーっ!!」

 

 櫂の掛け声でウルトラ6勇士は一斉に駆け出す。ゲドーもゼロたち目掛けて駆けだす。

 

 ゼロとソルは跳躍してゲドーを跳び越え後ろに回り、ギンガとコスモスはそれぞれ右側、左側に回り込み、ビクトリーは上空高く跳躍する。

 

 ゲドーは完全に囲まれてしまった。

 

 ショウ「ビクトリウムスラッシュ!」

 

 ビクトリーは上空からビクトリウムスラッシュを二発発射する。ゲドーは一発目は腕をクロスして防ぐが、二発目は防ぎきれず被弾する。

 

 そしてバランスを崩した隙にパワードが駆け寄り右の掌を胸部に打って撥ね飛ばす。

 

 そして左右から挟み込むようにギンガがギンガスラッシュ、コスモスがムーンライトスマッシュを同時に打って追い打ちをかける。

 

 ゲドー「くっ………おのれ………おのれー!」

 

 ゲドーは怯まずに今度はソル目掛けて突進するが、ソルは「それーっ!」という掛け声と共にそれを跳び箱のようにかわし、それによりバランスを崩したところに待ち構えていたゼロが駆け寄り、右回し蹴りを顔面に叩き込んで吹っ飛ばす!

 

 6人のウルトラ戦士の連係プレーによりゲドーはたちまち追い詰められてしまった。

 

 一方のモンスアーガーも、バレッタの機敏で力強いキングジョーによりやや押され気味になっていた。

 

 

 ゲドー「くそっ………こうなったら醜くて嫌だが、最後の手段だ!」

 

 ゲドーの言葉にゼロたちは身構える。

 

 ゲドー「見ていろウルトラ戦士ども!これが俺様の本領発揮だ! はああぁぁぁ………!」

 

 拳を握って力を入れるゲドー。すると、彼は発光し、腕、足等の筋肉が肥大していく。

 

 やがてゲドーは、全身ムキムキの状態へと変わった!

 

 ゼロ「…ッ!?何だあれは!」

 

 驚愕するゼロたち。

 

 ゲドー「っしゃあ!パワー全開!これぞ俺様の強化戦闘形態・ストロングマッスルだ!」

 

 ゲドーがムキムキのマッチョになった姿は、彼の強化形態『ナックル星人ゲドー(ストロングマッスル)』である!

 

 ゲドー「行くぜっ!覚悟しやがれ!」

 

 ゲドーはゼロたち目掛けて駆け始める。筋肉により重量も増したのか、地面を踏むたびに土煙が巻き上がる。

 

 まずはコスモスが腕を掴んで抑え込もうとするが………

 

 ゲドー「甘いわー!」

 

 なんと一振るいでコスモスを軽々と放り投げ、コスモスは岩山に激突する。

 

 その後も次々とウルトラ戦士が立ち向かうが………

 

 ゲドー「ムーダムダムダー!もはや今、強化した俺様を止めることは出来ないのだ!」

 

 ゲドーは勝ち誇る様に叫びながらウルトラ戦士達を蹴散らしていく。

 

 向かったパワードは右横振りの右拳で殴り飛ばされ、その次にビクトリーは右前蹴りで吹っ飛ばされる。

 

 その後ギンガは首根っこを掴まれて放り投げられ、ソルは左拳を腕で防ぐが威力の強さに吹っ飛んでしまう。

 

 そしてゲドー(ストロングマッスル)はゼロに襲い掛かる。

 

 最初は互角な攻防戦を展開していたが、ストロングマッスルの力の強さからか徐々に防御するだけでもダメージを感じる様になってしまう。

 

 

 そしてゲドーはゼロと組み付いた時、ふとキングジョーと戦うモンスアーガーの方を振り向く。

 

 すると、あろうことかそのまま目から破壊光線・ナックルアイビームを放つ!

 

 赤く細い波状の光線はキングジョーに命中し爆発した。

 

 バレッタ「!?キャァッ!」

 

 やや優勢だったキングジョーは不意打ちにより隙が出来てしまい、今度はモンスアーガーが優位に立とうとしている。

 

 

 ゼロ「!ッ、バレッタ!」

 

 バレッタに気を取られているゼロをゲドーは放り投げ、ゼロは咄嗟に空中で一回転して着地する。

 

 ゲドー「ぎゃはははは!ざまーみろ!俺様に立てつくからさ!」

 

 

 ………だが、このゲドーの行動や発言は、ある男を怒らせてしまった………。

 

 

 そう、ザラブ星人ブラコである!

 

 

 ブラコ「………やってくれましたね………マイハニーに向かって………!」

 

 

 ブラコは激しい怒りを静かに見せながら、腕をクロスして巨大化する。

 

 ゼロたち、そしてゲドーも巨大化したブラコに気付く。

 

 ゲドー「ああん?どうした貴様!?わざわざ俺様に潰されに来たか!?」

 

 

 ブラコ「違う!………私がお前を潰しに来たのだ!」

 

 

 ゲドー「あああ?貴様に出来んのかよ!?」

 

 ブラコ「ゼロ、みんな、ちょっと来てくれ。」

 

 ブラコは、余裕をこくゲドーを他所にゼロたちを集合させる。

 

 そして、何やらゼロたちに耳打ちのようなことを始める。

 

 激しい怒りと共に、何か策でも思いついたのであろうか?

 

 

 「あのな、まず………」

 

 「なになに?………」

 

 「ごにょごにょ………」

 

 「ふむふむ、」

 

 「なるほど。」

 

 

 ゲドー「てめーら何話してんだ?降参の仕方についてか!?」

 

 耳打ちする7人にゲドーは少しイラついていた。

 

 すると、作戦会議が終わったのかゼロ達はゼロをセンターに横に並び立つ。

 

 

 ゼロ「違う! お前に勝つ作戦についてさ!」

 

 ゲドー「………ほほぅ、そんなにやられたいみたいだな………くだらない戯言ぬかしやがって~!!」

 

 思わぬことを言われ逆上したゲドーはゼロたち目掛けて目から渾身のナックルアイビームを放つ!

 

 光線はゼロ達に命中して大爆発を起こし、ゼロたちを包み込むように大きな爆炎が巻き上がる。

 

 ゲドー「はっはっはっはっは!ざまーみやがれ!」

 

 ゲドーは勝ち誇る様に笑った。

 

 が、その時、

 

 カイ?「はああっ!」

 

 爆炎の真上からウルトラマンパワードが飛び出す!

 

 ゲドー「ケッ!しぶとい奴め!跳び蹴りを放つ気だな?俺様が叩き落とし………」

 

 ゲドーが拳を構えたその時、

 

 

 カイ?「ビクトリウムスラッシュ!」

 

 

 “ズドーン”

 

 ゲドー「アバァァァ!?」

 

 なんと、パワードが宙に浮かんだまま蹴りの体勢で脚から『ビクトリウムスラッシュ』を放った!

 

 あまりにも予想外過ぎる行動にゲドーは対処できず被爆してしまう。

 

 

 へ?“パワード”が“ビクトリウムスラッシュ”!??

 

 

 困惑するゲドーを他所に今度はギンガが駆け寄り始める。

 

 ヒカル?「よし、行けるわ!」

 

 なぜか小指を立てながら駆け寄るギンガ………って言うか、さっき語尾に“わ”を付けなかったか!?

 

 ヒカル………君はいつからオネエになったのだ!??

 

 ゲドーはギンガ目掛けて頭を突き出して突進するが、ギンガはそれを跳び箱のようにかわす。

 

 このような避け方は以前ファイヤーゴルザと戦った際に披露した事があるためさぞかし違和感はないと思われる。

 

 だがしかし、その後ギンガはゲドーの右腕を掴むとそのまま腹部に連続で左横蹴りを放つ。

 

 しかも「エイ、エイ、エイ………」という掛け声を上げながら!?

 

 その後頭を掴んで跳躍して「それっ!」という掛け声と共に頭突きを繰り出すが、ゲドーが石頭だったのか、地震も若干痛がる。

 

 ヒカル?「いった~い……んもう!」

 

 ギンガは八つ当たりとばかりに後ろ回し蹴りでゲドーを撥ね飛ばした。

 

 ………ちょい待て!今回のギンガはいつもよりやけに動きが軽快だし、掛け声もなぜ「エイ、エイ、エイ…」や「それっ!」などと女々しくなってるのだ!?

 

 アンタの掛け声はもっと「デヤッ!」や「ショォラァァァ!」などとかっこいいモノだろぅ!??

 

 

 ショウ?「今だ!」

 

 ムサシ?「どんどん行くぜっ!」

 

 今度はやけに大人びたビクトリーと、やけにオレ言葉を話すコスモスが立ち向かう。

 

 ゲドー「コスモスはルナのままか………激しい攻撃が出来ないはず。よし!まずは此奴から………」

 

 ゲドーがコスモスに向かって行ったその時、

 

 “バゴンッ”

 

 ゲドー「!?ぐへっ!!」

 

 なんとコスモス(ルナモード)は“掌”ではなく“拳”でゲドーの顔面にパンチを打った!

 

 ゲドーは動揺しながらも腕を振るって反撃するがコスモスはそれを左腕で防ぐと同時に右拳を腹部に叩き込む。

 

 そして胸部に左右交互に連続でパンチを打た後跳躍して右足蹴りを胸部に叩き込んで吹っ飛ばす。

 

 ………ちょい待て!コスモス!アンタそもそも“慈愛の勇者”だろっ!?

 

 相手が外道な奴とはいえ、コロナモードならともかくルナモードでそんなにアグレッシブに攻撃してもいいのか!?

 

 

 ゲドーが吹っ飛んだ先にはビクトリーが待ち構えていた。

 

 ビクトリーは蹴りが主体の戦闘スタイル。それを知っているゲドーはふと立ち止まる。

 

 が、しかし、ビクトリーはゲドーの攻撃を受け流す様に避けつつ腹部に右、左、そして両手と掌を打ち込んで撥ね飛ばした。

 

 ビクトリー………本来ならもっと華麗な蹴りを連発するはずなのに、今回はやけに控えめだな…。

 

 

 ウルトラ戦士達の妙な言動が続く中、今度はソルが立って構えていた。

 

 海羽?「ここからは、俺の番だ。」

 

 立って構えるソル。だが、いつものキャピキャピした感じではなくどこか凛としており威厳を感じる。

 

 …って言うか、さっき一人称“俺”って言わなかったか!?

 

 彼女、気合が入りすぎておかしくなってしまったのだろうか………?

 

 ソルはゲドーに駆け寄ると。左手で腕を掴んで胸部に右拳を二発打ち込み、腹部に左横蹴りを打った後、後ろ回し蹴りで吹っ飛ばす。

 

 …ん?今回ソルの攻撃はやけに重みを感じるな…いつもなら軽快な連続蹴りに「エイ、エイ、エイ…」などという無邪気な掛け声が特徴なのに………?

 

 

 パワードがビクトリーの技を? ギンガがいつもよりはっちゃけてる? コスモスとビクトリー戦い方逆じゃね? ソルがやけに可愛さを感じない? ………ゲドーは完全な混乱へと追い込まれていた。

 

 そんな中、今度はゼロが駆け寄って来る。

 

 ………が、それを見た瞬間目を疑う。

 

 なんとゼロの隣にもう一人ゼロがいる………つまり、ゼロが二人いるのだ!

 

 ゲドー「ウルトラマンゼロが二人………!?」

 

 二人のゼロは息の合った連携でパンチ、キックなどを駆使してゲドーを攻撃していく。

 

 ゲドーが片方のゼロのパンチを受け止めた隙にもう一人が腹部に蹴りを打ち込み、それによりバランスを崩したところで交互にハイキックを打ち込み、そして二人同時に前蹴りを胸部に打ち込んで吹っ飛ばした。

 

 今度はゼロが二人に………⁉︎ しかもコピーではなくそれぞれが独立した動きで攻撃している⁉︎………ゲドーの困惑は深まっていく。

 

 

 

 一方のキングジョーはと言うと、モンスアーガーの剛腕と爪を活かした連続パンチ『アーマードラッシュ』をボディに受け、火花を散らしながら後ずさる。

 

 更にその後モンスアーガーが口から放った赤色破壊光弾『大破壊光弾』を連射し追い打ちをかける。

 

 光弾はボディに数発、足元や周りの地面に次々と当たり爆発を起こす。

 

 モンスアーガーはキングジョーを掴み抑え込もうとする。

 

 モンスアーガーは持ち前の怪力や光弾で徐々に戦いを優位に進めていた。

 

 バレッタ「くっ………このままじゃ………。」

 

 

 バレッタが呟いたその時、

 

 

 “ズガガガガガッ”

 

 突如飛んで来た振動波のような光線を受けモンスアーガーは怯む。

 

 モンスアーガーが視線の向きを変えると、そこには『古代怪獣ゴモラ』が立っていた!

 

 バレッタ「………はっ!」

 

 バレッタは、突如現れ自身をアシストしたらしきゴモラに少し動揺するが、ふと何かに気付く。

 

 

 視線の先には『原始怪鳥リトラ』の背中に乗って飛んで来る『レイ』がいた!

 

 バレッタを救ったゴモラはレイのゴモラだったのだ!

 

 それを知ったバレッタは安心の表情になる。

 

 バレッタ「………レイさん………。」

 

 レイ「共に戦おう! 行けっ!ゴモラ!」

 

 バレッタ「オッケー! 行くよ!キングジョー!」

 

 二人の掛け声を受け、ゴモラとキングジョーは構える。そしてモンスアーガー目掛けて駆け始める。

 

 ゴモラは先手必勝として、駆け寄りながら角を活かした横振りの頭突きを腹部に打ち込む。

 

 モンスアーガーは反撃として尻尾を振るうがゴモラはそれを頭部の兜状の角で受け止めて防ぎ、その隙にキングジョーが跳躍して落下スピードを活かしたパンチを背部に叩き込み転倒させる。

 

 モンスアーガーは立ち上がり、頭突きの突進を繰り出すがゴモラはそれを両手で頭部を掴んで受け止め、蹴りで顔面を蹴り上げる。

 

 そして一回転しての尻尾攻撃を繰り出すが、モンスアーガーは尻尾を掴むことでそれを受け止める。

 

 だがゴモラは怯まずそのまま右後ろ蹴りを腹部に打ち込み、それによりモンスアーガーは尻尾を放して後退する。

 

 その隙にゴモラは再度一回転して強烈な尻尾攻撃『テールハンマー』を胸部に叩き込み吹っ飛ばす。

 

 そしてモンスアーガーがゴモラから離れたところで、キングジョーはゴモラを後ろから跳び越えながらジャンプし、落下スピードを活かした渾身の右拳を胸部に叩き込む!

 

 パンチを打ち込まれた部位は爆発を起こし、モンスアーガーは吹っ飛び地面に叩き付けられる。

 

 かつてゴモラは大阪、キングジョーは神戸を舞台に大暴れした事があり、それぞれウルトラマンとウルトラセブンを苦戦させた事がある強豪怪獣である。

 

 そんな二体が連携取って攻撃してくるのだから流石のモンスアーガーも一気に劣勢となっていた。

 

 

 

 一方のゲドーはと言うと、二人のゼロの連携を取ったパンチ、キックによりほぼ一方的に攻められていた。

 

 だが、もう一人のゼロは少し違っていることに気付く。

 

 

 なんと攻撃しながら「ブラ」「ブラ」と口走っているのだ!

 

 

 それによりゲドーはようやく何かに気付く。

 

 ゲドー「そ……そうか!これはブラコの変身能力………!」

 

 ゲドーがそう呟いた瞬間、ゲドーと組み付いていたもう一人のゼロは光を放ちながら姿を変えていき、やがてザラブ星人の姿へ………。

 

 ブラコ「その通りだ!」

 

 そう、もう一人のゼロはブラコが変身していたものなのだ!

 

 ゲドーが驚くのを他所に、ブラコはなんとパンチを連発し始める!

 

 ブラコ「オーラオラオラオラオラー!よくもマイハニーを!この外道め~!」

 

 すごい速さでパンチを連打した最後、渾身のアッパーでぶっ飛ばした!

 

 ゲドーは地面に落下した後、並び立つゼロたちを見つめる。

 

 すると、ゼロ達は発光した後それぞれ元の姿の戻る。

 

 そう、妙な言動をしていたゼロ達は、実はブラコの変身能力によりそれぞれ違うウルトラ戦士に変身していたもので、パワードがソルに、コスモスがビクトリーに、ギンガがコスモスに、ビクトリーがパワードに、ソルがギンガにと、それぞれ姿を変えていたのだ!

 

 そしてゼロだけそのままで、ブラコがゼロに変身していたのである。

 

 ゲドー「くっ、お前ら、味な真似を~!」

 

 攪乱しながらの猛攻を受けたゲドーはもう消耗していた。

 

 

 レイ「ゴモラ!超振動波だ!」

 

 バレッタ「デスト・レイ、発射!」

 

 ゴモラは頭部の角にオレンジ色の光を発生させてエネルギーを溜めた後、鼻先の角から光線状の『超振動波』を発射し、キングジョーは両目のようなパーツから赤く細い波状光線『デスト・レイ』発射する!

 

 超振動波とデスト・レイを同時に浴びたモンスアーガーは大爆発して吹っ飛び、ゲドーのそばに落下する。

 

 

 ゼロ「さ~て、そろそろぶっ飛ばしてやろうか。」

 

 ゼロは身体を赤く発光させ『ストロングコロナゼロ』へと姿を変え、その左右にブラコ、キングジョーが並び立つ。

 

 ゲドー「……まッ、待て!話せばわかる!」

 

 だがゼロ達は問答無用。ゼロは右拳に炎のエネルギーを、ブラコは指先に、キングジョーは両目のようなパーツにエネルギーをそれぞれ溜める。

 

 

 ゼロ「ガァァルネイト、バスター!!」

 

 

 ゼロは右拳を突き出し『ガルネイトバスター』、ブラコは両手の指先から『エネルギーバルカン』、キングジョーは両目のようなパーツからデスト・レイを、三人同時に発射する!

 

 

 “ズドガーン”

 

 

 ゲドー「ぎゃああぁぁぁ!!」

 

 

 ゲドーとモンスアーガーは、大爆発により空高く吹っ飛んでいく………。

 

 ゲドー「いつかぶっ殺すからな~!!」

 

 正にベタな悪役の捨て台詞である(笑) 二体はやがて空の彼方へと吹っ飛び星になった。

 

 真美「あらあら………ごきげんよう………。」

 

 早苗「少し、虐めな気もしたけど…、」

 

 健二「ま、悪い奴だから仕方ないさ。」

 

 真美に健二、早苗も吹っ飛ぶ二体を見上げながらささやかに手を振る。

 

 

 ゼロ「バンデロと違って、あまり手ごたえが無かったな………。」

 

 ゼロは、かつての惑星ギレルモでの戦いをふと思い出しながら呟く………。

 

 

 二体が吹っ飛ぶのを見届けた6人のウルトラ戦士、そしてゴモラ、ブラコ、キングジョーは見つめ合う。

 

 そして互いに頷き合った。まるで互いに「ありがとう。」と言い合うように………。

 

 

 

 ウルトラ戦士たちは変身を解き、レイはゴモラを戻し、そしてブラコも等身大に戻り、バレッタもキングジョーから降りる。

 

 櫂達はカイ、ムサシ、ヒカル、ショウ、レイと別れる。

 

健二と早苗のカップルも、二人っきりで櫂たちと別れた。

 

 櫂「サンキュー、ブラコ。まさかあんな粋な作戦を思いつくとはな。」

 

 海羽「(両頬に手を当てて)ほんっと!楽しかったな~!」

 

 ブラコ「いやいや、あなた達、そしてマイハニーを助けたいと咄嗟にね。」

 

 真美「(両手を合わせて)素敵です。愛する人のために、咄嗟に行動できるなんて。 (小声で)まるで…櫂君みたい…。」

 

 ブラコ「(照れくさそうに)ははは…いやーしかし、愛する者のためを思うと咄嗟に潜在的な力が発揮できるって本当みたいだね。」

 

 ブラコはバレッタの方を振り向く。

 

 ブラコ「追われる身だった私は、一時期この変身能力を持っている自分の存在価値を疑ったことがあるんだ。「悪役に目を付けられるような能力を持った私は、本当にいていいんだろうか?」…ってね。」

 

 バレッタは少し驚きの表情を見せる。ブラコはバレッタの手を握る。

 

 ブラコ「………だが、同じ境遇でも諦めなかった君に出会えたお陰で、私も自分に自信が持てるようになったよ。 君に出会えたから、私はこの能力を良い事に使おうと強く思うことが出来た。 だから今回も、ゼロたちの力になることが出来たんだ。」

 

 ブラコの言葉を聞いたバレッタは、嬉しさからか目を潤める。

 

 バレッタ「ブラコ君………ありがとね!」

 

 バレッタは顔を上げて笑顔を見せる。

 

 

 ゼロ「愛の力って、やはり強いモノなんだな。」

 

 海羽「そうだよそうだよ~!たとえ宇宙人同士でも、男と女の愛しあう心は強い力を引き起こすんだから!」

 

 櫂「ああ、そうだな。」

 

 そう言いながら櫂はひっそりと真美を見つめる………。

 

 

 バレッタ「ねえねえ、折角だからもう一泊して地球を観光しない?」

 

 ブラコ「お、いいね。賛成だ。」

 

 海羽「よ~し、じゃあ明日は霞ヶ崎動物園に行こう!」

 

 バレッタ「動物!?私地球の動物大好きなの!可愛いし。」

 

 真美「バクちゃんもいるからあそこは良いよ。」

 

 

 真美達が明日のスケジュールで盛り上がっていたその時、

 

 

 櫂「なあブラコ、盛り上がってるところちょっとすまない。」

 

 ブラコ「ん?何だい?」

 

 櫂「すまんが、君たち宇宙人に指令を送っている者の姿に変身してくれないかな?」

 

 ブラコ「構わないが、どうしたんだい?」

 

 櫂「いや~、どうも何となく気になってな、」

 

 ブラコ「良いでしょう。 んんん~~~………はっ!」

 

 ブラコは身体を発光させて、姿を変える。

 

 ブラコは、自分達宇宙人に指令を送っている者へと姿を変えた。

 

 それは人間の様であり、見た感じ年齢は櫂達と同じくらいなイケメンな男だった………。

 

 

 すると、姿を変えたブラコを見た櫂、真美、海羽は驚愕する!

 

 

 真美「ま………まさか………?」

 

 海羽「間違いないわ………。」

 

 櫂「………桜井敏樹………?」

 

 

 ………そう、ブラコが変身した男は間違いなく、消息不明になっていた櫂達の友人『桜井敏樹』だった………!

 

 

 一気に深刻な表情になる櫂達。ブラコは元の姿に戻る。

 

 ブラコ「どうしたんだい?」

 

 櫂「………実は………その男は………消息不明になっていた俺たちのダチなんだ。」

 

 それを聞いたブラコとバレッタも驚愕する。

 

 バレッタ「………そうだったなんて………。」

 

 海羽「しばらく顔を見ないから、どこで何やってるんだろうと思ってたけど………。」

 

 真美「でも、もしかしたら他人の空似かもしれないし、とにかくこれが今後桜井君の行方を捜す手掛かりになりそうだね。」

 

 海羽「うん、そうだね。」

 

 櫂「サンキュー、ブラコ。」

 

 ブラコ「え?………ええ、ああ。」

 

 ブラコは困惑しながらも返事をする。

 

 櫂「明日もしっかり楽しんで来いよ!」

 

 櫂たちは、整理がついてない状態ながらも、僅かながらも手掛かりを教えてくれたことのお礼を言う。

 

 ブラコ「はい、地球をもう一堪能してきます。」

 

 バレッタ「楽しみだな~動物園。」

 

 櫂たちは、ブラコとバレッタと共に夕焼けの道を歩き始めた………。

 

 

 

 [エピローグ]

 

 ゼロたちにぶっ飛ばされ、テライズグレートに帰還したゲドーは、ボロボロの状態で個室にいた。

 

 ゲドー「モンスアーガー、ゆっくり休むんだ。 イテテテテテ…くそっ………ゼロたちを倒すには、俺様の三大相棒怪獣最強の“アイツ”も出撃させるしかないのか………?」

 

 そう言うとゲドーはふと振り向く。

 

 その視線の先の暗闇には、蛇腹状の黒いボディに、頭部の大きな一本角が特徴の怪獣が、赤い目を光らせて唸り声を上げていた………。

 

 

 To Be Continued………。

 

 

 (ED:ウルトラの奇跡)




 読んでいただきありがとうございます!

 いかがでしたか?カオス回第二弾は(笑)

 ですが、今回で櫂たちは行方不明になっていた敏樹を探す手掛かりを見つけると言う今後の展開のために重要なシーンも入れました。

 ナックル星人ゲドーはもちろん、モンスアーガーも今後も出てくるかもしれません。

 ブラコとバレッタのカップルも今後出すかも?笑

 次回以降もアッと驚く回が続くと思います(多分)。

 と言うわけで、今後もよろしくお願いします!

 感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています。
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