ウルトラマンゼロ物語(ストーリー) in RED ZONE STAGE   作:剣音レツ

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 今回は、GW特別篇第1弾のつもりで製作しました!

 タイトルでもお分かりのように、あのウルトラ戦士もゲストで登場です!

 もしかしたら色々とおかしなところがあると思いますが、とりあえず娯楽として楽しんでいただければ幸いです!笑

 因みに、今回で櫂君に(悪い意味で)大きな変化が起こってしまいます!

 また、登場する怪獣もあの“怪獣王”と戦った強敵怪獣三体が登場です!


第21話「光の子供」

 (OP:英雄の詩)

 

 

 

 ウルトラマンギンガとウルトラマンビクトリーは、苦戦を強いられている………!

 

 

 

 吹っ飛ばされた二人は地面に激突し、土砂や土煙を巻き上げる。

 

 

 

 二人はすぐさま立ち上がり、怪獣の方を振り向き構える。

 

 

 その視線の先に強烈な威圧感を発しながら立っている怪獣は、黄金のウロコに覆われたボディに巨大な翼、そして竜のような長くしなやかな三つの首が特徴の怪獣。

 

 

 『宇宙超怪獣キングギドラ』である!

 

 

 ギンガとビクトリーを吹っ飛ばしたキングギドラは三つの首から稲妻状の破壊光弾『引力光線』を乱射しながら周りのビルなどを破壊する。

 

 周りの物を一瞬で破壊する引力光線、巨体により足踏みしただけで起こる地響き、ちょっと羽ばたいただけで起こる強風………正にこれだけでも強敵感がひしひしと伝わる者である。

 

 恐らくこれまでの怪獣たちとは一、二味も違うのだろう。

 

 なにしろ奴は、別宇宙の金星を死の星に変えたことがあり、何よりそこの地球ではあの“怪獣王”を幾度か大苦戦させたことがあるのだから………。

 

 だが、ギンガとビクトリーはそんなキングギドラに怯まず立ち向かう。 カラータイマーは既に赤く点滅を始めていた………。

 

 

 

 そしてその近くで、同じくウルトラマンパワードが二体の怪獣相手に苦戦を強いられていた。

 

 その二体の怪獣も、これまでと違う者たちである。

 

 

 一方は、ドリルのような腕とカブトムシのような外見が特徴の怪獣『昆虫怪獣メガロ』、

 

 もう一方は、ゴーグルのような単眼と大きな角、肘から先が大きな鉤爪状になっている両腕・ハンマーハンドが特徴の怪獣『未来怪獣ガイガン』である!

 

 この二体もかつて、別宇宙で怪獣王を苦戦させたことがある強敵怪獣である。

 

 今回もその時と同じく、コンビでパワードを追い詰めていた。

 

 メガロは別世界ではシートピア海底王国の守護獣である。

 

 今回の個体はそれと同一個体なのか、はたまた別個体なのであろうか………そこら辺は今のとこ不明である。

 

 ガイガンも同一個体と考えられるが、奴は“サイボーグ怪獣”というもう一つの異名も持っているため、今回の個体は新たに造られた個体という考えも否定できない。

 

 

 しかしなぜ白昼堂々、そんな強力な怪獣が三体も現れたのだろうか?………

 

 テラ軍も流石に、後が無いと焦りを見せ始めたのだろうか?………

 

 

 パワードは既に消耗しており、パワード・アイは深紅に変色し、カラータイマーは点滅を始めていたが、力を振り絞り立ち向かう。

 

 パワードはメガロの振り下ろして来たドリル状の腕を左腕で受け止め、そのまま右手で角を掴んで背負い投げで地面に叩き付ける。

 

 その後メガロを掴んで起き上らせ更に攻撃を加えようとするが、その隙に背後からガイガンのハンマーハンドの一撃を受けてしまう!

 

 打撃を受けた部位は爆発し火花を散らす。

 

 それによりパワードが怯んだところでメガロが角を活かした横振りの頭突きを腹部に叩き込み吹っ飛ばす。

 

 そしてパワードが地面にうつ伏せで倒れたところで更にメガロは横腹を蹴り転がす!

 

 パワードはもはや立ち上がるのもやっとの程弱っていた。

 

 メガロは角の先端から『レーザー殺獣光線』、ガイガンは単眼から赤いレーザーをそれぞれ同時に発射し、容赦なくパワードに浴びせて追い打ちをかける………!

 

 

 ギンガは『ギンガスパークランス』を手に果敢に挑む。

 

 ランスを振り回し、突いたりなどして攻めかかるが、キングギドラの三つ首の連携攻撃により返り討ちに合う。

 

 例えば、ランスで左側の首を攻撃している隙に右側の首が頭突きを繰り出し、それをギンガスパークランスを右手に持ち替え、頭突きを繰り出して来た右の首を左手で掴んで防ぐが、それにより両腕がふさがってしまったところで中央の首が頭突きを胸部に叩き込む。

 

 など、隙の無い三つ首の連携攻撃でギンガは逆に痛めつけられる。

 

 キングギドラは、三つ首を一つにして同時に頭突きをギンガの胸部に叩き込む!

 

 強烈な打撃が命中した部位は爆発を起こし、ギンガは吹っ飛び地面に叩き付けられる。

 

 

 今度はビクトリーが跳びかかる。

 

 そして、跳躍して渾身の右横蹴りを繰り出すが、その右脚を左の首に噛み付かれ、更に右の首で首を、中央の首で右腕を噛み付かれ、そしてそのまま地面に思い切り叩き付けられる!

 

 激しく土砂や土煙を巻き上げて叩き付けられるビクトリー。その後、キングギドラは横たわるビクトリーの横腹を、重量ある巨体を支える足で蹴り上げる!

 

 ビクトリーは大きく吹っ飛び、ギンガはそれを受け止めようとするが、それでも勢いが止まらず、ビクトリーを抱えたまま吹っ飛び岩山に激突してしまう。

 

 ショウ「凄いパワーだ……恐らく今までと桁が違う。」

 

 ヒカル「二人力を合わせるぞ、ショウ!」

 

 ギンガにライブしている礼堂ヒカルとビクトリーにライブしているショウの二人も、既に消耗していた。

 

 数々の戦いを経て、連携力が増したギンガとビクトリーの二人がかりをここまで追い詰めるとは、キングギドラの強力さが伺え、恐怖すら感じるものである。

 

 ギンガとビクトリーはカラータイマーの点滅が早まる中、最後の力を振り絞ってそれぞれギンガクロスシュート、ビクトリウムシュートの体勢に入る。

 

 が、キングギドラは「させるか!」とばかりに大きな翼を羽ばたかせて強力な突風を吹き付け、それを浴びた二人は体勢が崩れてしまう。

 

 更にキングギドラは三つの首から同時に引力光線を放ち、それを浴びたギンガとビクトリーは崩れる様に倒れ込んでしまう………。

 

 一方のパワードも、メガロが放った『地熱ナパーム弾』を喰らい、爆発で吹っ飛びギンガ達のそばに落下する。

 

 

 三体の怪獣は、エネルギーがほとんどなく、立ち上がるのも困難な状態の三人のウルトラ戦士向かって勝ち誇る様にゆっくりと歩み寄り始める………。

 

 

 もう、ここまでなのか………!?

 

 

 だが、三体は突然回れ右で背中を向ける。

 

 少し驚く三人を他所に、三体は各自羽を羽ばたかせて飛び立ち、やがて空の彼方へと消えて行った………。

 

 

 三体が突然去って行ったことに困惑しつつも、もうエネルギーが無い三人はその場で身体を光らせて小さくなっていき、それぞれ変身者に戻る。

 

 

 

 ヒカル「ハァ……ハァ……とんでもねー強敵だな、あいつら。」

 

 ショウ「あの三つ首の攻撃、そして強力な翼を突破しなければ。」

 

 カイ「それに他の二体(メガロ・ガイガン)も、あの連携力……流石に一人では………。」

 

 ヒカル「頑張りましょう先輩………人々を守るために………。」

 

 カイ「ああ、そうだな。」

 

 ヒカル、ショウ、そしてパワードに変身するケンイチ・カイの三人は、疲れで息が切れながらも、次なる襲撃へと備えることにした。

 

 

 一方、そんな戦いを少し離れた岩陰から伺っていた一人の人間がいた………。

 

 その男は、何やら軍隊のようなごつい服を着込んでいてがたいが良く、逆立った短髪をしており、顔には十字の傷が刻み込まれている。いかにも威厳のある男である。

 

 その男はウルトラ戦士敗北を見届けると、何やら悔しそうな顔で岩壁に拳を打ち付ける。

 

 そして憎しみのこもった声で呟く。

 

 ???「宇宙超怪獣……キング…ギドラ………………!」

 

 

 

 一方、宇宙船・テライズグレートでは、幹部宇宙人のテロリスト星人バスコが桜井敏樹と話をしていた。

 

 敏樹「うぉーい!なぜ止めを刺させなかった? あそこでもう一撃喰らわせとけば、確実に倒せたはずだろ!?」

 

 バスコ「まあまあ、折角超強力な怪獣を貰ったんでね、ウルトラ戦士どもをじわじわと痛めつけてやっつけてやりたいんだよ。 特にゼロって奴はね。 それでこそ刺激だろう?」

 

 敏樹「………んまあ、そうだが、忘れるなよ。 お前には“もう後が無い”と言う事を………。」

 

 バスコ「………ああ………分かってんよ。」

 

 はて、一体バスコに後が無いとはどういうことなのだろうか………?

 

 

 それは、今(8月7日)から三日前(8月4日)のこと。

 

 〈回想〉

 

 テライズグレートでは、バスコがウルトラ戦士討伐に焦りを見せていた。

 

 バスコ「なあ!もっとウルトラ戦士どもを徹底的に倒せる怪獣をくれないか!?」

 

 敏樹「相当焦ってるみたいだな。じっくりの方が刺激があって楽しいのだが。」

 

 バスコ「今は直ったが、俺はこの自慢のテロリストソードを奴らに折られたんだ!(第15話参照) 許すわけにはいかねえ………!あいつらは徹底的に倒せねば………!」

 

 敏樹「………はぁ………仕方ない。じゃあお前に超強力な怪獣を三体授けよう。」

 

 バスコ「!?おお、マジっすか!?」

 

 敏樹「その代わり! ………確実に倒せ。折角超強力な怪獣たちを与えてやってんだ。 “お前にはもう後が無い”。 それが条件だ。」

 

 バスコ「………ああ。俺様もこのテロリストソードで戦います。 確実にあいつらを………!」

 

 バスコは強い決心と覚悟を決めた………………。

 

 〈回想終了〉

 

 

 こういうわけで、バスコはキングギドラ、ガイガン、メガロという強力怪獣を三体も与えられると言う出血大サービスを受けたのである!

 

 “もう後が無い”のを条件に………。

 

 それによってバスコは確実にウルトラ戦士達を倒すと決心し、倒す機会を虎視眈々と狙っていたのである………。

 

 

 バスコ「次は………ゼロたちを狙いますか………ふっふっふっふっふ。」

 

 

 

 その頃、霞ヶ崎では、しばらく上空を彷徨っていた一つの光がとある路地に降り、そして発行したかと思うと徐々に形を変えていく。

 

 そしてなんと人間の姿となった!

 

 筋肉質であり、“UMA”(ユーマ)のロゴがプリントされたインナーを着ており、何やらウルトラマンのカラータイマーのようなペンダントを下げているその男は、辺りを見渡していた。

 

 ???「確かこの辺のはずだ。………レイ達を連れて来てから数日間探索していたが、間違いなくこの町に邪悪な物を感じる………。」

 

 そう言うと男は何処かへと移動を始めた。

 

 ???「私の“心友”も、ここに来てるはずだ。」

 

 

 はて、パワード達の戦いを眺めていた男、そして、光から人間となり霞ヶ崎に降り立った者。この二人は一体何者なのであろうか………?

 

 

 様々な謎を伴い、この物語は始まる!

 

 

 

 

 三人の敗北から少し後(8月7日 P.M.13:00)、竜野櫂と新田真美、眞鍋海羽は、消耗した三人のために軽い食料、足りなくなった治療道具などを買いに出かけていた。

 

 真美「(心配そうな顔で)ヒカルさんたち…今までに見ない感じに傷を負ってたね。」

 

 櫂「ああ。これは俺たちも行くことになるかもな、ゼロ。」

 

 ゼロ「ああ。話を聞いただけでも、奴の強敵さが伝わるぜ。」

 

 櫂「力を合わせて戦うことが必要かもな。」

 

 海羽「そのためにも、ヒカルさんたちにも元気になってもらわないとね!(両手ガッツポーズ)」

 

 三人もヒカル達からキングギドラたちの話を聞いただけでも緊迫感を感じており、それなりの覚悟を決めていた。

 

 真美「じゃあ、まずは食料調達しよっか。ゼリーとか消化の良いものがいいかもね。」

 

 海羽「それならプリンもいいかもよ!」

 

 櫂「海羽…お前も食いたいだけだろ?」

 

 海羽「(右手を後頭部に)エヘヘ、ばれていたか。」

 

 三人は笑い合いながら近くのスーパーに向かっていた。

 

 

 と、その時、

 

 

 真美「………あ………。」

 

 真美は突然、何かに気付いたのか立ち止まる。櫂と海羽もそれに気づく。

 

 海羽「どうしたの?真美ちゃん………ん?」

 

 櫂と海羽も、真美が見つめる方へ振り向く。

 

 そこには、底に車輪の付いた黄色のキャリーバッグを持っている女性が歩いていた。

 

 その女性は、見た感じ165センチあるんじゃないかと言うほど背が高く、顔つきは小顔でどこか大人っぽさも感じる可憐なモノで、髪形は綺麗な長髪を後ろで一つに束ねており、スタイルは真美に勝るとも劣らないほどスレンダーである。

 

 櫂「………誰だ?あの人は…。」

 

 海羽「なんか、素敵~。」

 

 すると、その女性も真美に気付くや、どこか驚く様な表情で立ち止まる。

 

 困惑の表情で見つめ合う真美と女性。すると、女性は話しかけ始める。

 

 

 ???「………もしかして、まみたん?」

 

 

 櫂「………へ!?」

 

 海羽「まみ…たん………?」

 

 櫂と海羽は少し驚く。それもそのはず、突然現れた女性は真美に話しかけるだけでなく、何やらあだ名のような呼び方で真美を呼ぶのだから………。

 

 

 真美「ハルちゃん…?」

 

 すると、真美もその女性に話し返した。それも同じくあだ名のような呼び方で。

 

 

 ???「おおーやはりまみたんだー!まさかここで会えるなんて!」

 

 真美「奇遇だねー。」

 

 

 突如、真美はその女性とまるで再会を喜ぶように喜び合い始める。

 

 櫂と海羽はますます理解不能の状態であった。

 

 櫂「うおいおい!一体どうなってんだってばよー!?」

 

 海羽「どういう関係なのー!?」

 

 

 

 真美は櫂と海羽に事情を話した。

 

 彼女の名は『笹崎春菜(ささざき はるな)』。

 

 真美とは医療ボランティアの同期の仲であり、時々一緒に活動していく内に仲が良くなっていったと言う。

 

 そして春菜は真美を“まみたん”、真美は春菜を“ハルちゃん”と、それぞれあだ名で呼びあっていると言う。

 

 因みに年も真美と同じ所謂同級生だが、医療ボランティア経験では真美より上であり、大学も麟慶大学よりも難しい『浄京大学(じょうけいだいがく)』の医学部に通っている。

 

 所謂彼女は真美以上の優等生と言うわけである! 下手したら頭の良さでは櫂と同じかもしくはそれ以上かもしれない………。

 

 上には上があるとはまさにこういうことである。

 

 櫂「初めて知ったよ。真美に医療ボランティアで親しい仲がいたなんてな。」

 

 海羽「ほんっと、私もだわ。」

 

 春菜「脅かして悪かったわね。まみたんの………彼氏さんとお友達さん?」

 

 それを言われた櫂は心拍数が急激に上がる!

 

 “彼氏さん”だなんて!?………………………。

 

 だが、その一方でどこか不敵な笑みも浮かべていた………。

 

 真美「紹介するよ。幼馴染の竜野櫂君、それから大学のお友達の眞鍋海羽ちゃん。」

 

 海羽「(ダブルピースで)よろしく~!」

 

 櫂「よろしくな。」

 

 春菜「へえ~、まみたん、結構いい友達出来てんじゃん!」

 

 春菜は気さくに真美の背中を数回たたく。

 

 真美「ありがとう………でも、どうして? ハルちゃん、いきなり石狩市から上京して来るなんて………。」

 

 そう、春菜はこの夏休み、北海道の石狩町に災害ボランティアの研修として出かけていたのだが、研修期間はまだ終わっていないはずなのに上京してきたのである。

 

 だが、真美の問われた瞬間、春菜は突然少し俯き黙り込んでしまう………。

 

 さっきまで気さくに話していた春菜が突然どうしたのであろうか?…櫂は少し怪しそうに見つめていた。

 

 真美「………あ、ごめん。言いたくなかったら、いいよ。」

 

 春菜は顔を上げ、いつもの笑顔に戻る。

 

 春菜「ま、まあ、こちらも色々あってね。 それより、買い物?私も手伝おっか?」

 

 真美「本当に? ありがと~。」

 

 突然元気に戻った春菜を、櫂はなおも怪しそうに見つめていた………。

 

 櫂「ゼロ………彼女は………。」

 

 ゼロ「ああ。あれは何かありそうだな………。」

 

 

 4人は近くのスーパーへと向かい始めた。

 

 だが、その様子を影から見つめている一人の男がいた………。

 

 その男は顔に十字の傷を負っている………そう、先ほどギドラを見つめていたのと同一人物なのだ!

 

 ???「………………。」

 

 ますます謎が深まるその男。果たして彼は誰なのだろうか………………………?

 

 

 

 買い物を予定よりも早く終えた4人は、どこか公園のベンチで休憩をとっていた。

 

 特に衣料品の買い物は、経験深い春菜の協力もあって、わずか約十分で終わってしまったのだ。

 

 海羽「春菜さんすごいわ。必要な衣料品を確実に探し見つけちゃうなんて。」

 

 真美「ハルちゃんはこれまでボランティアでいろんな負傷者を治療してきたからね。」

 

 櫂「研修しつつもボランティアに参加したりと結構多忙らしいな。」

 

 春菜「まあ、怪我して苦しんでる人、黙って見てられないからね。災害地で医療ボランティアが開催されたら、私はすぐに飛んでくんだから。」

 

 櫂「優しいんだな。だが、無理しないように体には気を付けろよ。」

 

 春菜「サンキュー!やっぱまみたん、良い友達持ってるじゃない!」

 

 春菜は櫂の人の良さに嬉しそうだった。 心に深く隠している櫂の本性を知るはずも無く………。

 

 海羽「災害ボランティアって、結構大変なの?」

 

 春菜「うん。迅速な判断も必要だし、子供がどんなに泣いて嫌がっても、強引に治療を進めないといけないたまの非情さも必要になるの。」

 

 すると、春菜は真美の方を向く。

 

 

 春菜「だから、災害ボランティア研修は、まみたんにはまだ無理かもね。」

 

 

 春菜の思わぬ発言に櫂も海羽も驚愕し、真美は少し俯く。

 

 櫂「………それはどういう事かな?」

 

 櫂は冷静に問いかける。

 

 春菜「まみたんは優しさが良い所なんだけど………その優しさが理由よ。」

 

 櫂の困惑が続く中、春菜はなおも語り続ける。

 

 春菜「そりゃあ、優しさはまみたんの魅力だし、そこは最大の長所だと思ってる。………でもね、それが短所として働くこともあるのよ。」

 

 海羽「優しさが………時に短所?」 

 

 春菜「さっきも言ったでしょ? もし子供が一刻を争う重傷な時、その子が例え泣いて嫌がっても強引に治療を進めるたまの非情さも必要だって………。 一緒に医療ボランティアで活動していて思ってたんだけど、まみたんは泣いて嫌がる子供を宥めるだけでも時間をかけている気がするのよ。」

 

 櫂は春菜の話を聞いていた。   何やら拳を震えるほど強く握りながら………。

 

 春菜「子供に優しくするのも良いけど、もしその子供が一刻を争う状況だったら、その間に症状が悪化するかもしれないじゃない? だからまみたんには将来看護婦を目指すのなら、その甘さを抑える必要もあると私は思うな。」

 

 真美「………確かに………そうかもね。私も薄々気付いてたの。」

 

 春菜「それなら良いけど、まあ、そこを今後少しづつ治していくといいよ。」

 

 真美「うん。」

 

 春菜の辛口は意見に真美は笑顔で納得する。

 

 「優しさが短所でもあるなんて………。」海羽は困惑がまだあったが、これも春菜の経験豊かであるが故のアドバイスである事に気付く。

 

 

 だが、その一方で櫂の中の何かが音を立てて崩れる………………。

 

 下ろしていた両手をわなわなと震わせる櫂………。

 

 ゼロ「………櫂?」

 

 

 春菜「ちょっと、トイレ行って来るね。」

 

 真美「ええ、分かったわ。」

 

 春菜は公園外の公衆便所へと向かい始める。

 

 櫂「お、俺もトイレ行って来るぜ。」

 

 真美「え、ええ。分かったわ。」

 

 櫂も春菜を追うようにトイレに向かい始める。 どこか不敵な笑みを浮かべながら………………。

 

 真美「櫂君、なんか少し慌ててるようだったけど………。」

 

 海羽「そうかな?………多分いきなりお腹が痛くなったんじゃない?さっきもアイス買って食べてたし。」

 

 真美「まあ、今は夏本番だから、きっとその前も冷たいものを食べてたのかもね。」

 

 真美も海羽も特に気にすることなく櫂達を待つことにした。

 

 

 そう、櫂の恐ろしい企みに気付くはずも無く………………。

 

 

 

 春菜「ふぅ~、スッキリした。」

 

 約5分後、春菜は女子トイレから出た。

 

 ………が、その時、彼女はふと驚く。

 

 女子トイレの外に櫂が立っていたのだ。まるで待ち構えていたかのように。

 

 春菜「なんだ櫂君か。待っててくれたの。」

 

 櫂「まあな。君はこの町は初めてみたいだから迷わないかと心配でね。」

 

 櫂はいかにも紳士のように振る舞う。不敵な笑みを浮かべつつ………。

 

 春菜「じゃあ、私、先戻っとくね。」

 

 春菜はそんな櫂を少し不思議そうに見つめながら真美達のところに戻ろうとしたその時、

 

 櫂「俺が付いててやろうか? 一人じゃあ不安なんだろう?」

 

 春菜は櫂の発言が少し嫌味に聞こえ始めてきた。

 

 

 春菜「………もしかして、ふざけてるの?」

 

 すると、櫂の表情が少し険しくなる!

 

 櫂「ふざけてるのは君の方じゃないのかなあ? 他人の優しさを短所とかわけわからない事をぬかして。」

 

 表情は険しいのにどこか落ち着いた口調で話す櫂がどこか不気味である。春菜は怯まず話し返す。

 

 春菜「あ、あれはただ、私はまみたんの事を思って………」

 

 櫂「いや違うな!」

 

 春菜の言い分を遮る様に櫂が叫ぶ。

 

 櫂「君は真美の事を思っていない………優しいが故に人気のある真美に嫉妬してるんだ。」

 

 春菜「私が嫉妬だって?………なに馬鹿なこと言ってんの?」

 

 櫂「ああん?馬鹿が馬鹿言うな!」

 

 

 すると櫂は春菜の右腕を掴んでそのまま後ろへねじ込んで壁に叩き付ける!

 

 

 思わぬことをされた春菜は驚きと共に言葉を失う。

 

 ゼロ「おっ、おい櫂!?何やってんだ!」

 

 ゼロの困惑も他所に、櫂は語り出す。

 

 櫂「人に優しくすることこそ彼女のアイデンティティーみたいなもんだ。 お前はそれを否定した。 すなわち、お前は真美そのものを否定したに値するんだよ。分かる?」

 

 春菜「べ……別にそんなつもりは微塵も無いわよ! 人は優しいだけじゃいけないって言いたいのよ!」

 

 櫂「チッ、やっぱり真美を否定してんじゃねーか………ま、お前がどうあがこうと此方が有利だけどね。」

 

 春菜「…え?」

 

 櫂「今じゃ、俺と真美は麟慶大学では最も信頼を集める存在でねえ。海羽も俺たちの事を深く信頼している。 どういう事か分かるか?」

 

 春菜は答えられずにいた。

 

 櫂「ここ霞ヶ崎の連中は俺の味方って事だよ。長い間石狩にいたアンタがどう難癖つけようとねぇ~。」

 

 櫂は不気味にも、不敵な笑みを近づけながら語り続ける。

 

 櫂「麟慶大学より上だか知らないが、偉い大学に行ってるからって偉そうにしてると………痛いよ?」

 

 そういうと櫂は、ねじ込んでいる腕を絞める力を強める。春菜は痛みを感じ顔を少ししかめる。

 

 櫂「いくら頭が良かろうと、いざと言う時はこういう風に力でねじ伏せる等容易い事なのだよ。 ましてや女なら尚更なんだよ。」

 

 ゼロ「おい櫂!お前どうかしちまったんじゃねーのか!?その発言明らかに差別だぞ!」

 

 だが、ゼロの呼びかけも完全に他所にする。

 

 

 櫂「現に昔ひ弱だった俺は、真美の優しさによって支えられ、今では強くなった。 即ち彼女の優しさで俺はエリート級の力を手に入れられたのだよ。 ま、女はもともと男に優しくし、癒すためだと思ってるけどね………………

 

 だから邪魔なんだよ………分かるか?………俺の事を癒せない女(やつ)は邪魔なんだよ!」

 

 

 ゼロ「!!………櫂………お前………………。」

 

 櫂はとんでもないことを口走った後、腕をねじ込んで壁に叩き付けていた春菜を乱暴に解放する。そして、今度は壁ドンのように詰め寄る。

 

 櫂「さっきここに来た理由が言えずにいたが、どうせ真美に嫌味を言うために来たのだろう?え?」

 

 春菜「ちっ………違うわよ。」

 

 櫂「じゃあ何なんだよ?自分の知性を自慢するためか?そして俺たちから地位を横取りってか?ええ?」

 

 櫂に追い詰められた春菜は、遂に吹っ切れた。

 

 

 春菜「違うわ!私は思い人を追ってここに来たのよ!」

 

 

 櫂は春菜の叫びに少し驚くが、すぐさま不敵な笑みに戻る。 それどころか笑い始めた。

 

 櫂「………ふふふふふふ…なんだ、そんな理由かよ。 そんなんでわざわざ研修抜けて北海道から来たのかよ? 気になる思い人のために?

 

 ………………お前も大甘じゃねーか。………そんなお前が、なに人のために優しくする真美に偉そうに“甘さ”とかぬかしてんだよ?ええ?」

 

 ゼロ「櫂!いい加減にしろ!お前ホントにどうなっちまったんだ!?」

 

 

 櫂「はあ?これが俺の本性だし?」

 

 

 ………………ゼロはショックを隠せなかった………もしかしたら興奮で思わず口走っただけかもしれない………でも、そんな感じがあまりしなかった。

 

 まさか………好青年だと思っていた櫂の本性が、こんなに恐ろしいモノだったなんて………。

 

 

 ゼロ「櫂、冗談はよせ!」

 

 櫂「冗談?これは本気だ。 俺は昔さんざん虐げられていた。その時悟ったんだ。

 

 『実力のある者が、尊重される』と………。

 

 だから死ね程努力して絶大な実力を手に入れた今、そんな俺がペコペコされるのは、当然の事だよなぁ………。

 

 だからそんな俺を不快にさせる奴は邪魔なんだよ………ましてや、優しい筈の女がそんな事したらなおさら苛立つんだよ!」

 

 

 ゼロ「………まさか、俺との一体化を望んだのもそのためなのか!?」

 

 櫂「ああ!その通りだ。ウルトラの力を手に入れれば、ますます愚民どもは俺を必要としてくれる………現に今そうだしな。 ありがとよ。力を貸してくれて。」

 

 ゼロ「ふざけるな!そんな事のために力を貸していたとは、俺ながら情けないぜ! ウルトラマンゼロ一生の不覚だ!」

 

 櫂「そんな事? 何言ってんだ? これは愛する真美の為でもあるんだぞ? さあゼロ、侵略者を殲滅しなきゃいけねーんだろ?今後も共に戦おうぜ。」

 

 ゼロ「断る! そんな邪な考えの為に力を貸すほど、俺たちウルトラマンは甘ったれじゃねーんだよ!」

 

 櫂「………それはどうかな? ふんっ!」

 

 櫂はウルティメイトブレスレットを付けている左腕に力を入れる。すると、ウルティメイトブレスレットが光を放ち始める。

 

 ゼロ「う、うおい、櫂!何をする!? うわっ!」

 

 すると、なんとウルティメイトブレスレットからウルトラゼロアイが現れる!

 

 櫂は悪意地の強さで、ゼロの意思は関係なくゼロアイを出現させてしまったのだ!

 

 そう、ゼロがどんなに力を貸さないと抵抗しても、櫂の悪意地の強さの前では無駄と言う事である。

 

 

 ゼロ「…ッ、こうなったら今からお前と分離してやる!」

 

 ゼロは櫂と分離しようと踏ん張るが………どうしたことか、なかなか櫂から離れることが出来ない………!

 

 櫂「無駄だよ。そんな事しても。」

 

 なんと、櫂の悪意地の強さは無理矢理ゼロの力を引き出すだけではなく、ゼロの意思で分離するのも妨げてしまうのである!

 

 

 ………なんて最悪なんだ………ゼロは心で呟き落胆する。

 

 

 すると、櫂はゼロに語り掛ける。

 

 櫂「………いいか?ゼロ。お前は今、本当の俺を知ってしまった………今後は余計な事をするなよ? もし真美とかにばらしたりしたら、気に入らない奴らをお前の力で痛めつけるぞ?」

 

 ゼロは驚愕する。

 

 櫂「そんなことをされたらどうなるか、分かってんだろうな~?お前は光の国での評価が落ち、追放されることになるかもな~ふふふふふふ………。」

 

 ゼロ「櫂………貴様~………!」

 

 ゼロはもはやなすすべなく途方に暮れていた。

 

 

 そんなやり取りを見ていた春菜も驚愕する。

 

 櫂がゼロと一体化しているのは、先ほどの買い物の最中の会話で真美から聞いていたのだが、まさかこんな恐ろしい事を考えていたなんて………………。

 

 春菜は急いで真美達のところへ戻ろうとする。

 

 と、その時!

 

 “バコーン”

 

 突如響いた何かが砕けるような音に驚き振り向く。

 

 そこには、トイレの石の壁に右の拳を叩きつける櫂の姿があった!

 

 右の拳は約5ミリぐらい食い込んでおり、壁は拳が食い込んだ部分から約半径10センチぐらいに蜘蛛の巣のようなヒビが広がっている。

 

 そして、拳が食い込んだ部分からポロポロと破片が落ちていた。

 

 櫂はその状態のまま、殺気に満ちた鋭い視線を春菜に向ける。

 

 櫂「もはやお前も俺の本性を知ってしまった………この事は、他の者には黙ってもらうぞ。

 

 真美はもちろん、警察とかにも言ってみろ。お前もこの壁のようになるぞ。」

 

 櫂からの完全な脅しであった………櫂の恐ろしい本性や、確かな強さを目の当たりにした春菜は、恐怖によりこれ以上の抵抗ができず、言われる通りにせざるを得なかった………………。

 

 

 

 同じ頃、真美と海羽はトイレに行った櫂と春菜を待ち続けていた。

 

 真美「なんか、遅いわね。櫂君もハルちゃんも……。」

 

 海羽「きっと、二人とも腹を壊してるんだよ。」

 

 真美「そうかもね。もうちょっとしたら戻るかな。」

 

 真美たちは当然、今頃春菜が櫂の恐ろしい本性により怖い目に遭わされてるとは知るはずもなかった。

 

 

 と、その時、とある一人の男性が公園の外から見つめているのに真美達は気づく。

 

 彼が着ている服には“UMA”のロゴがプリントされている………。

 

 真美はその男性に恐る恐る話しかける。

 

 真美「あ…あの~…どうかされましたか?」

 

 すると、その男性は返事もせずに何処かへと歩き去って行った………。

 

 歩き去って行く男性を、真美達は不思議そうに見つめていた………。

 

 

 その男は、歩き去りながら何やら考え事をしていた。

 

 ???「確かにこの辺から邪悪な波動を感じたのだが………気のせいだったのだろうか? あの少女たちが発してるなんてことはあり得ないし………。」

 

 彼は公園の辺りから微弱な邪悪な波動を感じ取っていたのだった。この時点で彼が普通の人間ではないのは明らかであろう。

 

 ???「微弱だったから、恐らく怪獣ではないだろう。」

 

 そういうと男は再び歩き始めた。

 

 もしやだが、その微弱な邪悪な波動は春菜に逆上している櫂から発せられていたのであろうか………?

 

 

 

 場面を真美達に戻す。

 

 真美「何だったのかな?あの人………。」

 

 海羽「あの服………もしかして、」

 

 海羽は、先ほどの男性の服装から、何やら心当たりがあるような感じだった。

 

 

 櫂「よお、お待たせ!」

 

 春菜「ごめんねー待たせちゃって。」

 

 その時、櫂達がトイレから戻ってきた。

 

 真美「あ、櫂君、ハルちゃん。」

 

 海羽「んも~遅かったから心配しちゃったよ。何かあったのかな~って。」

 

 いや最も、何かあったのだが………。

 

 春菜「ごめんごめん。ちょっと腹痛くてね。」

 

 櫂「俺も突然腹痛に襲われちゃってさ。」

 

 真美「フフ、やっぱり私たちの思った通りだったわ。」

 

 櫂「へ?そうか?」

 

 四人は笑い合っていた。

 

 最も、櫂は先ほどの凶悪な本性から良人モードに戻っており、春菜はそんな櫂に脅されてる以上、何事も無かったかのように振る舞うしかなかった………。

 

 それ故に、春菜の笑顔は何処か固くなっていた。

 

 櫂「じゃあ、そろそろヒカル達のところに行くか。あいつら多分待ちくたびれてるぞ。」

 

 海羽「そうだね。カイさんも待ってるし。」

 

 春菜「治療なら私も協力するよ。」

 

 真美「本当?ありがとうハルちゃん。」

 

 四人は笑顔で公園を後にした。

 

 

 だが、その様子を、先ほど真美達を見つめていた男が伺っていた。

 

 再び引き返して来たのである。

 

 ???「今、カイって言ったか?………やはり彼も、この世界に来ていたのか………?」

 

 そういうと男は、櫂達の後を付ける様に歩き始めた。

 

 パワードの変身者のカイを知っている?………彼はもしかしたら、カイと同じウルトラ戦士なのであろうか………?

 

 

 

 その頃、とある都市では、メガロとガイガンが大暴れをしていた。

 

 メガロはドリル状の腕でビルを崩したり、レーザー殺獣光線や地熱ナパーム弾で辺りを火の海にしながら暴れ、ガイガンはハンマーハンドや腹部の回転鋸でビルを容易く切り崩しながら暴れる。

 

 都市を蹂躙する二体。その時、そんな二体の前に浮遊する等身大のバスコが現れる。

 

 バスコ「よーしお前らまだまだ元気みたいだな。ほんじゃあその勢いで、霞ヶ崎にいる残りのウルトラ戦士どもを、痛ぶって来てやれ!」

 

 バスコの指示を聞いた二体はその場から飛び去り、霞ヶ崎へと向かい始めた………。

 

 

 

 一方、とある貸し切りの体育館で櫂達を待っているカイ、ヒカル、ショウはと言うと。

 

 ヒカルとショウは、かつてエタルガーを倒すために特訓をした時のように、手錠でつないでランニング、腹筋、組手などの特訓をしていた。

 

 ラフな格好で汗水流して特訓をする二人。だが、仮にも二人はキングギドラとの戦いで怪我をしている。それを押しての特訓なのだから若干痛みは感じていた。

 

 だが、そんな状態でも特訓を続けるのだから二人の気合の入り様が伺える。

 

 カイ「二人とも無理すんなよ。まだ傷が癒えてないんだから。」

 

 ヒカル「分かっています。ですが、相手は今までにない強力な怪獣です。」

 

 ショウ「ゆっくりはしていられないんでね。」

 

 カイは少し呆れつつも、一生懸命な二人を見守っていた。

 

 カイ「確かに、俺も悠長に構えていられないかもな。 こういう時こそ、“心友”が来てくれればな………。」

 

 カイが何やら気になることを呟いていたその時、

 

 櫂「お、みんなお待たせー!」

 

 カイ「お、櫂達戻って来たか。」

 

 櫂達が戻って来たことにカイ達三人は気づき、ヒカルとショウも特訓を中断する。

 

 ヒカル「おお、待ちくたびれたぜ。………あのー、そちらの女性は一体?」

 

 ヒカルは櫂達と一緒に来た春菜に気付く。

 

 

 櫂達はヒカル達を治療しながら、買い出し途中に春菜と出会った事、そして彼女が真美とは医療ボランティアの仲間であり親しい仲である事を話した。

 

 ヒカル「へえ~、それじゃあ春菜さん、忙しい中わざわざ来てくれたのですか。」

 

 春菜「え?…え、ええ。そうよ。」

 

 春菜は上京した本当の理由をまだ言えずにいた。

 

 ショウ「この町は最近怪獣が頻繁に現れている。あんたも気を付けた方がいいぞ。」

 

 春菜「ええ、ありがとう。でもウルトラマンも来ていると聞いているわ。 あなた達もそうだし、それに…彼らも。」

 

 春菜は櫂と海羽の方を向く。

 

 春菜「怪獣が出た時はよろしくね。」

 

 櫂「おうよ!」

 

 海羽「(ダブルピースで)任せて~!」

 

 だがその時、櫂はひっそりと不敵な笑みを浮かべており、春菜はこっそりと「チッ」と舌打ちをする………。

 

 櫂の本性を目の当たりにした後なのだから、櫂に友好に接する演技は流石に苦しいものがあった………。

 

 

 カイ「フゥ~、痛みが少し治まった。あんた治療が上手いね。」

 

 ショウ「流石は真美と同じ医療専門だけはあるな。」

 

 春菜「へへへ、ありがとね。」

 

 カイとショウは春菜の腕を褒める。 だが、それを見ている櫂はどこか不満そうな顔を浮かべていた。

 

 だが、

 

 ヒカル「真美さんも、いつもありがとうございます。」

 

 真美「へ?………ええ、ありがとう。」

 

 ヒカルが真美に礼を言うのを見て、櫂は今度は不敵な笑みに戻る………。

 

 彼は真美を愛するあまり、彼女を良く言わない者は誰であっても許さないのであろうか………?

 

 櫂の本性を知っているのは、この中では今のとこゼロと春菜だけ………今後も少しずつ櫂の本性を知る者が増えていくのであろうか………?

 

 

 その時、櫂、ヒカル、ショウ、カイ、海羽は、空に何やら光が現れた事に気付く。

 

 その光は徐々に形を変えていき、やがて複雑な文字のような形へとなった。

 

 それはウルトラマンコスモスからのウルトラサインであった。

 

 内容は、『信州の軽井沢から異常な生命反応を感じるため、そこに向かう。』とのことである。

 

 櫂「………異常な…生命反応だと?」

 

 海羽「一体何なのかな?」

 

 ショウ「まさかキングギドラ?………じゃなければいいが………。」

 

 五人はサインの内容が少し気になった。

 

 

 

 同じ頃、霞ヶ崎に到達したメガロとガイガンは地響きを立てながら着地する。

 

 そして、ウルトラ戦士をおびき出そうとばかりに傍若無人に暴れ始める。

 

 怪獣たちが暴れる事により起こる地響き、破壊され砕けるビルやガラスの音、大地を揺るがすように響く怪獣たちの咆哮が、我先に逃げ惑う人々を嘲笑うかのように容赦なく続く。

 

 体育館にいた櫂たちもそれに気づいて外に出る。

 

 春菜「まさか、こんな時に出てくるなんて………。」

 

 真美「ハルちゃんは早く安全な所へ行って。怪獣なら、櫂君達がちゃっちゃとやっつけてくれるから。」

 

 櫂「ああ。」

 

 海羽「(ウィンクをしながら)任せて。」

 

 春菜「………任せたわ。」

 

 春菜は、比較的元気な櫂と海羽に怪獣を任せることにした。

 

 だが、一方でカイは俯き何か考え事をしていた………。

 

 

 櫂と海羽が変身道具を構えようとしたその時!

 

 

 ショウ「?あれは何だ?」

 

 ショウは何かに気付き、他の者もそれに気づく。

 

 そこには、遠くから飛んで来る何かが見えていた。近づいて来るうちに、それが飛行機のようなものである事に気付く。

 

 春菜「………あれは…もしかして………?」

 

 春菜が飛んで来るものに何やら心当たりを感じ始めた時、やがて飛んで来るものがはっきり見える。

 

 飛んで来たのは、航空自衛隊の主力戦闘機『F-15Jイーグル』である!しかも四機も。

 

 その中でも戦闘を飛んでいるリーダー機と思われる機体のコックピットには、がたいが良く、逆立った短髪に十字の傷がある顔が特徴の男性が乗っていた。

 

 春菜は見た感じその男性に、驚きの表情で見とれてる様であった。

 

 春菜「………やっぱり………この街に来てたのね………………。」

 

 春菜の妙な反応に気付いた櫂は何かを察し始める。

 

 櫂(…もしかして………あいつの言ってた“思い人”ってのは………………?)

 

 

 

 先頭機に乗っている男性は暴れるメガロとガイガンを見下ろしていた。

 

 ???「…キングギドラは見かけないな………だが、この街には“アイツ”も来てるはずだ。何としてでも怪獣どもを撃滅するぞ!」

 

 ???「「「了解!!」」」

 

 そして、四機のF-15Jイーグルは分散して怪獣に挑み始める!

 

 まずは隊長機が弾丸を怪獣たちの足元に数発撃つことで注意を反らせる。

 

 そして、二機ずつに分かれてそれぞれ怪獣の相手を始める!

 

 一機が怪獣を攻撃して注意を反らしたところでもう一機が死角から攻撃する、左右それぞれの方向に飛んで怪獣にどちらを狙えばいいか動揺させたところで後ろから二機同時に攻撃するなど、巧みな連携でメガロたちを攻撃していく。

 

 特に春菜が見とれている隊長機は格別で、ガイガンのレーザーを、レーザーの周りを旋回して避けながら突っ込んでいきミサイルを打ち込む、ハンマーハンドやメガロの腕のドリルでの打撃をことごとく避け、股をくぐって後ろに回り込んでミサイルを打ち込むなど、卓越した操縦テクで怪獣たちを攻撃していた。

 

 言っちゃあ悪いが、こういう一般の防衛軍の戦闘機は怪獣にあっけなく撃墜されるのがお約束であろう。

 

 だが、今回現れた4機の戦闘部隊は見る限り撃墜される気がしない。

 

 まるでウルトラ戦士と共に戦った特殊な防衛隊並な操縦テクなどで怪獣たちに挑んでいた。

 

 

 戦闘機部隊の戦いを見ている櫂達は、彼らの戦闘スキルに感心していた。

 

 櫂「まさか、怪獣相手にあんなに奮闘する戦闘機は初めてだぜ。」

 

 春菜は怪獣と戦う戦闘機を両手を握って見守っていた。だが、その表情は良く見てみるとどこか複雑な感じもしていた………。

 

 海羽「なんか素敵~!」

 

 ………だが、そうしてる間にある事に気付く。

 

 ショウ「おい、カイがいないぞ!」

 

 真美「えっ!?」

 

 ヒカル「一体何処へ…!?」

 

 いつの間にか、櫂達のところにカイの姿はいなかった。

 

 

 そのカイは、櫂達の元を離れ、体育館の裏側まで移動して一人立っていた。

 

 そして変身アイテム・フラッシュプリズムを取り出しじっと見つめ始める。

 

 カイ「傷はまだ癒えていない………今戦えば、傷はさらに広がり、最悪の場合俺は………………でも!」

 

 カイは遂に決心したのか、フラッシュプリズムを揚げてスイッチを押す!

 

 そして、あふれ出る光に包まれてその中から自身が変身したウルトラマンパワードが右腕を突き出して現れる。

 

 

 パワードはメガロとガイガンの前に着地する。それを見て驚愕する櫂達。

 

 ゼロ「カイ!?………まだ傷は癒えてないはずだぞ!」

 

 ショウ「恐らくそれを承知の上で変身したんだろう。」

 

 真美「……どういうこと?」

 

 ショウ「カイは、一度奴らに完膚なきまでに叩きのめされている………。」

 

 ヒカル「そうか、だからカイさんは、どうしても自分の力で倒したいんだ………!」

 

 

 戦闘部隊のパイロットたちも現れたパワードに驚く。

 

 ???「………ウルトラマン…だと?」

 

 パワードは構えを取った後二体に果敢に挑む。

 

 まずはガイガンのハンマーハンドを両腕で受け止め、そのまま一回転して横のメガロに後ろ蹴りを打ち込みそれと同時にガイガンを地面に叩き付ける。

 

 次にメガロが反撃で振って来た右腕を左腕で受け止め腹部に右の掌を打って撥ね飛ばす。

 

 その後さらに攻撃を加えようとするがメガロのカウンターの前蹴りを喰らってしまい吹っ飛ぶ。

 

 そこへメガロの反対側で待ち構えていたガイガンに羽交い締めにされ、その隙にメガロは攻撃を加えようとするが、パワードはそのまま跳躍して両足蹴りをメガロの胸部に打ち込み、さらに落下スピードを活かしてガイガンを背負い投げで投げ飛ばす。

 

 だが、怪我を押しての戦闘故かパワードは膝を付いてしまう。

 

 その隙にガイガンの発射したレーザーを胸部に喰らい地面に倒れ込む。

 

 何とか立ち上がるが、よく見てみると自身の周りにメガロの姿が見当たらない………。

 

 

 と思ったその時、突然背中に斬撃を喰らったような衝撃が走る!

 

 

 メガロは地面に潜り、パワードに背後の地面から出てくると同時にドリルで攻撃したのである!

 

 その後も地面に潜っては飛び出してのドリル攻撃を数回続けてパワードにダメージを与えていく。

 

 あまりにも早いメガロの地面に潜る攻撃をパワードは成すすべなく喰らっていく………。

 

 

 メガロたちの連携に苦戦するパワードを真美達は深刻そうな表情で見守る。

 

 海羽「私たちも行った方がいいかも………行こう櫂君。」

 

 櫂「ああ、そうだな。行くぞゼロ。」

 

 櫂はウルトラゼロアイを出現させる。 だが、ゼロは………、

 

 ゼロ「櫂………。」

 

 櫂「(不敵な表情で囁くように)………何だよ………約束したじゃねーか………お前が余計な事をしない限り、俺もいつもの様に好青年でいると………それとも、まだ俺が信用できないってか?」

 

 ゼロ「本当に、そうなんだろうな?」

 

 櫂の本性を知ったばかりのゼロは、それによる動揺や失望感により決断に乏しかった。

 

 海羽「何してるの?早くしないとカイさんが…、」

 

 

 だが、そうしてる間にもガイガンが櫂達目掛けてレーザーを発射しようと単眼を赤く発光させていた。

 

 今にもレーザーが発射されそうである………!

 

 櫂「はっ、危ない!」

 

 櫂は急いでゼロアイをガンモードに変形させる。 だが、もはや手遅れの状態になっていた!

 

 

 真美達がレーザーが来ると顔を伏せたその時!

 

 

 ???「心友のピンチに来たぞ!」

 

 “ズガーン”

 

 突如、叫びと共に何処からか弾丸が飛んで来てガイガンを直撃する。 それによりガイガンはレーザー未発射に終わる。

 

 櫂達は弾丸の発射された方へと振り向く。

 

 そこには、さきほどの“UMA”のロゴがプリントされたインナーを着ている男性が銃を構えて立っていた。

 

 真美「あの人は?」

 

 真美は先ほど自分たちを見つめていた男性が再び来たことを驚く。

 

 男性は『UMAガン』という銃をしまいながら語り出す。

 

 ???「謎の反応の正体はやはり怪獣たちだったか………今行くぞ、心友。」

 

 櫂「………心友? 何言ってんだあの人。」

 

 海羽「あの人………もしかして!」

 

 その時、男性は海羽の方を向く。

 

 ???「君が私を呼んだ者だな。 レイ達を連れて到着することが出来た。」

 

 海羽「はああっ、やっぱり!」

 

 ???「ここは私が行く。」

 

 

 パワードはなおも怪獣に苦戦している。すると男は、首から下げている三角のカラータイマーのようなペンダントを左掌に乗せる。

 

 すると、そのペンダントの発光部が緑色の点滅して光が解放し始める。

 

 そして、男が目をつぶって精神統一をする。すると男の身体は徐々に光の巨人へと変わっていき、やがて爆発のような光の中から巨大化し飛び立つ。

 

 今ここに、一人の光の巨人が登場した!

 

 

 一方、メガロの穴掘り攻撃を連続で受けたパワードはダウンしてしまっている。

 

 二体はその隙に大暴れを再開する。

 

 怪獣の我が物顔の進撃に逃げ惑う人々。

 

 すると、ガイガンがハンマーハンドで崩したビルの破片が、逃げ遅れたとある母と幼い娘に降りかかろうとする!

 

 その親子は絶体絶命の危機だった………!

 

 

 と、その時、飛んで来た光の巨人の手が母子を間一髪掴み、安全な場所へと運び降ろす。

 

 自分達の安全を知った母子はお礼と共に巨人を見上げる。

 

 光の巨人は母子を降ろし、「もう大丈夫だよ。」とばかりに頷いた後、立ち上がってく。

 

 そのうちにその巨人を包んでいた光が徐々に消えていき、やがて姿を現す。

 

 

 姿を現したその巨人はゼロたちと同じウルトラ戦士。

 

 赤とシルバーホワイトで構成されたボディに三角形のカラータイマー特徴の光の戦士、

 

 『ウルトラマングレート』である!

 

 

 グレートの登場に櫂達は驚愕し、海羽はどこか嬉しそうな表情になる。

 

 海羽は恐らく、ソルとしてグレートも呼んでいたのであろう。

 

 

 ウルトラマングレート。それはM78星雲・光の国出身のウルトラ戦士であり、かつて『邪悪生命体ゴーデス』を追って太陽系にやって来た際、火星で遭難した科学者の青年『ジャック・シンド―』と一体化して地球に来たことがある。

 

 その後はジャックと時には反発し合い、助け合ったりなどして、ジャックや防衛軍『UMA』と共にオーストラリアで怪獣たちと戦ってきた。そしてゴーデスを倒すことに成功している。

 

 最後はコダラ―とシラリーの二大強敵怪獣をUMAとの協力で倒した後、正体がばれないようにジャックと分離し、シラリーの死体を抱えながら、環境問題を起こす人間に再びやり直すチャンスを与えて宇宙へと帰還している。

 

 

 今回はソルに呼ばれて光の国が存在する次元の宇宙から駆け付けて来たのである。

 

 即ち、先ほどグレートに変身した男はジャック・シンドーであり、変身の際に使用したアイテムは変身ペンダント『デルタ・プラズマー』である。

 

 だが、今回のグレートは、パワードとは違い再びジャックと一体化したのではなく、グレートが単体で駆け付けて来ており、普段はジャックの姿に変身して行動しているのだ。

 

 因みに彼は、同じく海外で活躍したパワードとは“心友”関係にあるんだとか。

 

 

 グレートは跳躍し、横たわるパワードと暴れる怪獣たちの間に着地する。

 

 現れたグレートを見たパワードも、いきなりの心友の登場に驚愕する。

 

 

 グレートは構えを取った後、高く跳躍して跳び蹴りを放つ。ガイガンはそれを横にそれてかわすが、グレートが着地した直後に放った回し蹴りを腹部に喰らい吹っ飛ぶ。

 

 続けてドリル状の腕を振るって殴りかかるメガロの攻撃を素早く腕で防いでいき、メガロの腹部に右膝蹴りを叩き込み、続けて後ろから接近するガイガンに右後ろ蹴りを叩き込んで吹っ飛ばす。

 

 その後、メガロを横投げで地面に叩きつけた後、背後のガイガンに振り向き様に両手でパンチを打ち込み、怯んだ隙に回し蹴りを頭部に叩き込んで吹っ飛ばした。

 

 

 怪獣二体に互角以上の戦いを展開するグレート。グレートは怪獣二体を同時に相手にできるほどの戦闘力を持っており、終盤でコダラ―に敗北するまではほぼ無敗という戦歴を持っているのである。

 

 

 だが、グレートが、メガロのレーザー殺獣光線を両手を広げて展開する『トライアングルシールド』で防いでいる隙に背後からガイガンが斬りかかろうとする!

 

 “ズゴーン”

 

 だが、そのガイガンに青色破壊光弾が当たりガイガンは怯む。

 

 グレートはその方向を振り向くと、立ち上がって両腕を突き出すパワードの姿があった。

 

 回復したパワードは、『パワードボム』を発射してガイガンを攻撃したのである。

 

 

 パワードはグレートの方へと駆け寄る。そして今ここに、海外で活躍した二大ウルトラ戦士が並び立った!

 

 お互い無言で頷いた後、握手を交わす。その様子は正に「共に戦おう!」と言っている様である。

 

 今こそ、唐突ながらも再会を果たした友同士が、力を合わせる時である!

 

 パワードとグレートは構えを取り、メガロとガイガンも身構える。

 

 そして両組共に、土砂や土煙を上げながら駆け寄り始める!

 

 パワードはメガロを、グレートはガイガンをそれぞれ相手にすることにした!

 

 

 (BGM:ぼくらのグレート)

 

 

 グレートはガイガンの振り下ろした左腕を右脚蹴りで弾き返し、胸部に右横蹴りを打ち込む。

 

 続けて胸部に左右交互にパンチを打ち込み、ガイガンが左右から挟み込むように打って来たパンチを素早く両腕で受け止めて防いでそのまま腹部に右膝蹴りを決めた後、両腕を振り上げてガイガンを一旦離し、腹部に左右同時のパンチ『グレートパンチ』を打ち込んで後退させる。

 

 グレートは跳躍し、ガイガンを跳び越えながら背中に右足蹴りを叩き込んで着地する!

 

 グレートは今度は精神波を光線に変えて拳から放つ技『ナックルシューター』を、左右手を交互に突き出しながら連射する。

 

 光線の雨あられはガイガンに次々と当たっていき、ダメージを与えていく。

 

 ガイガンは反撃として単眼からレーザーを放つが、グレートは再びトライアングルシールドを展開してそれを防ぎ、更にそのままバリアを残して跳躍してガイガンに急降下キックを放つ!

 

 蹴りが頭部に命中したガイガンは、その部位が爆発するとともに吹っ飛び地面に落下した。

 

 

 心友が来てくれた………今度は負けないぞ!とばかりにパワードはメガロに猛攻をする。

 

 パワードはメガロの両腕の殴り込みを両腕で受け止め、そのまま強烈な頭突き『ウルトラ・ヘッドパッド』を顔面に打ち込んで後退させる。

 

 メガロが予想外の攻撃に動揺しつつ痛がっている隙に、手刀と前腕のパワードスタビライザーを駆使した手刀『パワードチョップ』を左右袈裟懸けに打ち込んで爆発を発生させ、その後右前蹴りを腹部に打ち込んで吹っ飛ばす。

 

 真っ向勝負は不利と見たメガロは再び地面に潜る。

 

 パワードは落ち着いて辺りを見渡しながら、両目・パワード・アイから透視光線『パワードアイビーム』を発射する。

 

 すると、メガロが今どこを掘り進んでいるのかがはっきり見える!

 

 これで穴掘り攻撃も怖くない!

 

 メガロが次飛び出してくる場所を察知したパワードは、その場所目掛けて跳躍して蹴りを放つ!

 

 すると案の定、メガロはその場の地面から飛び出したと同時にパワードの跳び蹴りをモロ喰らってしまい、驚きながらも吹っ飛び地面に落下する。

 

 

 怪獣たちを追い詰めて行く二人の海外ウルトラマンの戦いを見守る櫂たち。その強さに感心する者がほとんどであった。

 

 櫂「へえ~、結構やるもんだな。あのグレートも。」

 

 海羽「(顔の横で両手を合わせて)海外ウルトラ戦士の強力タッグ、なんか素敵だわ~。」

 

 ショウ「あれだけ苦戦した怪獣相手も、仲間が来てくれただけでこうも変わるとは。」

 

 ヒカル「自然と力が湧いてくるもんなんだよ。“心の友”が来てくれるってのは。」

 

 真美「そうだね。」

 

 

 春菜「………………凄い………。」

 

 春菜はウルトラ戦士達の勇姿にほぼ言葉を失っていた。

 

 そして、同時に複雑な思いも抱いていた………。あの恐ろしい本性を隠し持っている櫂君が、こんなにも巨大な力を持っているなんて………………と。

 

 

 空中に浮遊して観戦しているF-15Jイーグルの隊長機のパイロットも、ウルトラ戦士達の戦いに見とれていた。

 

 ???「………あれが………ウルトラマンの強さ………………。」

 

 

 

 猛反撃によりメガロとガイガンを弱らせたパワードとグレート。今こそトドメの時である!

 

 パワードはメガロの頭部の角を掴んで一本背負いの要領で投げ飛ばした。

 

 地面に叩き付けられたメガロはふらつきながらも立ち上がり、角から渾身のレーザー殺獣光線を放つが、パワードはそれを横に跳んで避けると同時に右手を突き出して『パワードスラッシュ』を放つ!

 

 丸のこぎり型の光輪はメガロの頭部の角を切り落とした!

 

 メガロは「あ、あれ?無い!」とばかりに両手を頭部に当てて慌てるような素振りを見せる。

 

 パワードは受け身を取って立ち上がると同時に、両腕を十字に組んで『メガスペシウム光線』を放つ!

 

 光線で身体を十字に貫かれたメガロは大爆発して吹き飛んだ。

 

 パワードは大きな爆発を背に雄々しく立つ。

 

 

 グレートはガイガンに駆け寄る。そして、振り下ろして来た右腕を、回転して背を向けながら右腕で受け止めると同時に右横腹に左拳を打ち込み、その後腹部に左右交互のパンチを三発撃ち込み、更に右前蹴りを胸部に叩き込んで吹っ飛ばす。

 

 グレートは両腕から刃状のエネルギー『グレートスライサー』を発生させる。

 

 そしてガイガンに勢いよく駆け寄り、光の刃ですれ違い様にガイガンの両腕の鎌を斬り落とす!

 

 最大の武器を失ったガイガンは完全にグロッキーとなった。

 

 グレートは両腕を胸前でクロスさせてエネルギーを集中させてプラズマスパークと同じエネルギーを生み出し、手を上下に開いて高熱火球『ウルトラストゥリング』を放つ。

 

 最強必殺技『バーニングプラズマ』発射の時だ!

 

 強力なプラズマはガイガンを貫くように直撃!ガイガンはそのままプラズマに包まれる様に発光してやがて跡形も無く爆散した。

 

 

 ガイガンを撃破したグレートは、同じくメガロを撃破したパワードと合流する。

 

 そして、お互い見つめ合って頷き合った後、勝利を表すかのように雄々しく並び立つ。

 

 櫂たちもその様子を安心の表情で見つめていた。

 

 一方でヒカルとショウは、何やら二人で決断をしていた………。

 

 ヒカル「あとは、あのキングギドラだけだな。」

 

 ショウ「ああ。今度は俺たちが、奴を倒す番かもな。」

 

 二人は、キングギドラへのリベンジの覚悟を決める様に拳を合わせた………。

 

 

 

 二人のウルトラ戦士は変身を解いた。そして、ジャックは櫂たちに改めて自分の事を話す。

 

 櫂「あなたが、さっきのウルトラマンですね?」

 

 ジャック「ああ。私の名はウルトラマングレート。 かつて共に助け合いながら戦った青年の姿を借りている。」

 

 カイ「まさか、君も来てくれるとはな。嬉しいぞ。」

 

 ジャック「こちらこそ。 私は同じく呼ばれたレイ達を連れてこの世界にやって来たのだ。」

 

 海羽「じゃあ、なぜレイさんたちと一緒に来なかったのですか?」

 

 ジャック「それは………私は私で調査する事があったのだ。この世界の地球の環境汚染状況、この街以外でのマイナスエネルギー発生場所など…。

 

 だが、その最中にある一人の男を見つけ、気になったその男をしばらく観察していたのだ。」

 

 櫂「ある男の観察?………一体誰なんだ?」

 

 と、その時、

 

 ???「やはりあんたか? 俺を見回っていたのは………。」

 

 突如声がした方へ全員振り向く。

 

 そこには軍隊のような服装にがたいが良く、逆立った短髪に顔の十字の傷が特徴の男が立っていた………そう、驚異的な操縦テクを発揮した隊長機のパイロットである。

 

 その彼を見た瞬間、春菜は両手を口に当てて驚きの表情を見せる!

 

 春菜「………やっぱり………ここに来てたのね………………。」

 

 ???「お前………やはり俺を追って来たのか………………。」

 

 二人の会話を聞いた櫂以外の一同は驚く。

 

 真美「………もしかして…ハルちゃんが上京してきた理由って………?」

 

 春菜は少し黙り込んだ後、重そうに口を開いて答えた。

 

 春菜「………ええ………彼を追って来たのよ………。」

 

 

 果たして、この男と春菜の関係とは………? そして、グレートはなぜこの男に目を付けたのであろうか………?

 

 

 その辺については、次回に続く!

 

 

 

 [エピローグ]

 

 バスコ「え~い!まさかメガロとガイガンが敗れるとは………新たなウルトラ戦士も来るとは忌々しい………。

 

 まあいい。まだキングギドラという切り札が残っているからな………奴に思う存分暴れてもらって、人々からその恐怖によるマイナスエネルギーを集めるとしますか。」

 

 すると、キングギドラはバスコの指示を待つかのように彼の前にその巨体を表す。

 

 バスコ「キングギドラ!………思いっきり暴れて来い。 そして人々から、恐怖によるマイナスエネルギーをじゃんじゃん発生させるのだ! 邪魔をするウルトラ戦士が出れば、殺しても構わないぜ。」

 

 バスコの指示を聞いたキングギドラは、了解すると同時に大きな羽を羽ばたかせながら飛び立ち、地球に向かい始める………………。

 

 バスコ「にっしっし………これでテラ様は完全復活されるであろう。それに………………

 

 今頃軽井沢からも、マイナスエネルギーが溢れ出てるかもな。フフフフフフ………。」

 

 

 

 一方コスモスは、その信州の軽井沢目掛けて飛んでいる最中であった。

 

 

 

 軽井沢から溢れるマイナスエネルギーの原因は何なのか? 果たして最強の怪獣キングギドラは倒せるのであろうか?

 

 そして、櫂の恐ろしい本性を知ってしまったゼロの、今後の戦いはどうなってしまうのであろうか………………?

 

 

 To Be Continued………。

 

 

 (ED:地球は君を待っていた)




 読んでいただきありがとうございます!いかがでしたか?

 今回でついに櫂君の本性が剥き出しになってしまいました!(今のとこ知ってるのはゼロと新キャラ・春菜だけですが………。)

 それにより気まずくなりつつあるゼロと櫂の今後の戦いにも注目です!

 因みに、櫂が本性を剥き出しにするシーンの描写は、『仮面ライダー555』のある人物を基にしています。(櫂の二面性の設定も実は彼がモデルです。)

 ウルトラマングレートについては、ウルトラマンⅩで言うマックス達みたいに、その話限りのスペシャルゲストみたいな感じの客演の予定です。(まだ予定なので変更の可能性あり笑)

 少なくともグレートは次回も活躍しますよ!

 さあ、次回はGW特別篇第2弾!目玉はギンガ&ビクトリーVSキングギドラの決着戦です!

 感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています。
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