ウルトラマンゼロ物語(ストーリー) in RED ZONE STAGE   作:剣音レツ

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 お待たせしました!

 GW特別篇第2弾と言いながらGW明けの投稿となってしまい申し訳ありません汗

 今回は私も大好きな怪獣・キングギドラが大暴れの回です!

 また、ドラマパートなどでもしかしたら若干おかしなところがあると思いますが、純粋に楽しんでいただけたら幸いです(笑)

 注:かなりのグロ&ショッキング描写もあります。

 では、始まります!


第22話「進撃のギドラ」

 (OP:英雄の詩 二番)

 

 

 [前回のダイジェスト]

 

 テロリスト星人バスコが、桜井敏樹から最後のチャンスだと与えられ引き連れて来た強力な三大怪獣・宇宙超怪獣キングギドラ、昆虫怪獣メガロ、未来怪獣ガイガンを相手に、ギンガ、ビクトリー、パワードは完敗してしまう。

 

 その少し後、敗北と同時に負傷した三人の為に買い出しをしていた竜野櫂、新田真美、眞鍋海羽の三人は、その最中に笹崎春菜という女性に出会う。

 

 彼女は真美とは医療ボランティア内での仲間であり、また親しい仲である事を櫂達は初めて知る。

 

 春菜は、ワケあって石狩から上京してきたと言うのだが、それ以上は何も話そうとしなかった………。

 

 だが、医療ボランティアの経験が真美より豊富な春菜は、真美に辛口なアドバイスをするのだが、それにより真美を想う櫂の逆鱗に触れてしまい、二人っきりになった隙を突かれて過激な脅しを受けてしまい、それと同時に櫂の恐ろしい本性を目の当たりにしてしまう。

 

 櫂と一体化しているゼロも、同時に櫂の恐ろしい本性を知ってしまったため、今後櫂と共に戦う事に戸惑いや不安を抱くようになってしまった………。

 

 そんな中、メガロとガイガンが再び来襲!カイは怪我を押しつつも二体にリベンジを挑むが、癒え切っていない傷の痛みと二体の連携により苦戦を強いられる。

 

 一方の春菜は、メガロとガイガンを攻撃する戦闘機のパイロットを見た瞬間、目の色が変わっていた………。

 

 パワードが追い詰められたその時、颯爽と現れたのは、パワード達と同じくソルに呼ばれてやって来たウルトラ戦士・ウルトラマングレートであった!

 

 パワードはグレートと協力してメガロたちを撃破する事に成功。

 

 グレートは変身を解いた後、自身もソルに呼ばれて来たこと、そして、ある男が気になって観察していたことを話した。

 

 その男とは、先ほどメガロたちを攻撃していた戦闘機のパイロットであった。

 

 その男と春菜は見つめ合った瞬間、互いに驚く。

 

 果たして、彼らの関係とは一体………?

 

 そして、密かに決心する礼堂ヒカルとショウは、キングギドラを倒すことはできるのであろうか………………!?

 

 [ダイジェスト終了]

 

 

 

 見つめ合う春菜とF-15Jイーグルの隊長機の男。そして、互いに語り出す。

 

 春菜「………やっぱり………ここに来てたのね………………………。」

 

 ???「お前………やはり俺を追って来たのか………………………。」

 

 真美「………もしかして…ハルちゃんが上京してきた理由って………?」

 

 春菜「………ええ………彼を追って来たのよ………。」

 

 

 その会話には、流石の櫂も驚いていた………まさか春菜の追って来た思い人が、航空自衛隊の隊員だったとは………………。

 

 

 ???「来ちゃダメだってあれほど言ったのに、どうしていう事聞かなかったんだ!?」

 

 春菜「だって!………アンタどうせ無茶するだろうから………心配で来たのよ!」

 

 ???「ヤツに食い殺されてもいいのかよ!?」

 

 カイ「まあ、二人とも落ち着け!………まずはどういう事なのか、説明してくれないか?」

 

 カイは口論になりそうになった二人を宥め、事情を話す様に要求した。

 

 一方で、春菜はしっかりしている所から強い女性だとイメージしていた真美は、春菜がわざわざ石狩から霞ヶ崎にやって来た理由が意外過ぎて少し動揺していた。

 

 まさか思い人がいて、その人が心配で来たなんて………………。

 

 

 

 F-15Jイーグルの隊長機の男の名は『斎木和寿(さいき かずとし)』。春菜とは同じ石狩出身の幼馴染という関係である。

 

 彼と春菜は幼い頃から仲が良く、よく他の友達と北海道の大自然を走り回ったりなどして遊んでいた。

 

 二人は、喜びを分かち合い、また、時に弱さを補い合いながらも、楽しい幼少期時代を過ごしていた。

 

 

 〈回想〉

 

 そして、幼い頃のある日、彼らはとある石狩の高原で、とある約束をしたと言う。

 

 斎木「俺決めた! 大きくなったら強くなって、人々を守る。」

 

 春菜「人々を?」

 

 斎木「ああ。春菜だって守ってやるよ。」

 

 春菜「ホントに?ありがとー!」

 

 二人は握手を交わす。

 

 春菜「じゃあ、春菜も大きくなったら人々を助けることをしたいなー?」

 

 斎木「春菜ならなれるさ! じゃあ、約束しようぜ。お互いその夢を叶えると!」

 

 春菜「うん!」

 

 二人は約束の指切りを交わした。

 

 

 ………ところが、その時!

 

 

 “ピキピキ……ピシャーン”

 

 

 突如、雲一つなく晴れ渡っていた光源の空の少し遠くに雨雲の様な物が現れ、稲妻が何本か降り注ぐ………!

 

 

 ………そう、その時から、和寿と春菜の幸せな日々が崩されてしまうのである………!

 

 

 二人は突然の稲妻に恐れながらも、その黒雲の方へと向かう。

 

 黒雲は徐々に広がっていき、何やら電気のような光を帯びていた。

 

 そしてしばらく行くと、いち早く何かを察知していたのか、当時の陸上防衛軍の隊員たちが兵器を備え待機していた。

 

 その光景を見ただけで、二人は戦争の様でどこか不吉な物を感じていた。

 

 「!おい坊ちゃん嬢ちゃん!ここにいては危ないぞ!」

 

 二人は隊員の一人に見つかってしまった。

 

 だが、和寿は動じる事無く問いかける。

 

 斎木「ねえ、今から何するの?」

 

 「ああん?あの黒雲が見えないのか? ありゃあどう見てもただの雲じゃねえ!ぜってー何か出てくるぜ………その出てくるであろう何かを、今からぶっ飛ばしてやんだよ!」

 

 そういうと隊員は、元の配置に戻って行った。

 

 当時幼かった和寿には理解できない所があったが、とにかく攻撃する事だけは分かっていた。

 

 

 黒雲の雷はますます強くなっていく。

 

 「来るぞ………砲撃準備ー!!」

 

 砲撃のスタンバイをする隊員たちに緊張が走る………!

 

 和寿と春菜も、息をのんでその状況を見守る………………。

 

 

 “パンッ”

 

 

 春菜の持っていた赤い風船が割れた………!

 

 「撃て―ッ!!」

 

 “ズドーン ズドーン…”

 

 そして、それを合図にするかのように一斉に黒雲目掛けての砲撃が始まる!

 

 弾を発射する爆音やそれによって起こる振動、そしてそれが次々と黒雲に命中する爆音に、和寿と春菜は今までに見たことない光景だと見とれていた。

 

 

 だが、砲撃直前に割れた風船を見た春菜は何やら不吉なものを感じていた………。

 

 まるで、今にも何かが壊されてしまう合図のような感じで………………。

 

 

 やがて黒雲は爆発の煙に包まれ、隊員たちは砲撃を一旦止める。

 

 「………………やったか?」

 

 とある隊員は双眼鏡で黒雲の様子を伺っていた。

 

 が、その時、その隊員は、煙の中から何やら光るものが現れ始める事に気付く。

 

 煙は少しずつ薄れていき、その中の光るものも徐々に姿を現していく………。

 

 それは黄金に光っており、一見ドラゴンのように見えるが首が三つあり、大きな翼に二又に別れた長い尻尾を持っている………。

 

 「………………なんだあれは?………」

 

 やがて現れたものは、羽を羽ばたかせて煙を完全に吹き飛ばすことで完全に姿を現す!

 

 

 今ここに、『宇宙超怪獣キングギドラ』が登場した!

 

 

 見たことないかつ思いがけない巨大生物の出現に、隊員たちはパニックになりながらも砲撃再開のスタンバイを始め、和寿と春菜は急いで近くの岩陰に隠れながらその生物を驚きの表情で見上げる。

 

 斎木「………何だ?あいつは………。」

 

 

 スタンバイが完了した隊員たちは、再びキングギドラに砲撃を始めるが、キングギドラはその砲撃もまるでもろともせず隊員たちの近くに地響きを立てながら着地する。

 

 「隊長!弾が尽きました!」

 

 「すぐに装填しろ!」

 

 隊員たちは完全なパニックに陥りながらも大砲の球を装填するが………………

 

 「だめだ!間に合わない………!」

 

 装填を終えた頃には、もうキングギドラは目前にまで迫っていた………………!

 

 

 手前にいた隊員が、恐怖で身震いしながらも慌てて逃げようとするが、時すでに遅し、キングギドラの首の一つに脚を銜えられ、そのまま持ち上げられ始める………!

 

 隊員は死の恐怖で必死に叫び始める!

 

 「助けてくれ!」「ごめんなさい!」

 

 だが、ギドラは無情にも暴れる隊員をゆっくり持ち上げ続ける。 まるで人間が捕まえた魚の鮮度を確認しているかのように………。

 

 そして、もう一方の頭が、大きく口をあけながら隊員の上半身に迫る!

 

 「ごめんなさ~~~~い!! ギャぁぁぁぁ………………」

 

 もう一方の頭が、隊員の上半身を銜えると共に、隊員の叫び声もフェードアウトしていく………。

 

 そして、二つの首で隊員の上半身、下半身を銜えたキングギドラはそのまま引っ張り始める!

 

 ミシミシ…と何やら骨が折れていく様な不快な音が聞こえる………そして!

 

 “ブチブチ、ブシャーッ”

 

 遂にキングギドラは、生々しい音と共に隊員を上半身、下半身にと真っ二つに食いちぎってしまった!

 

 食いちぎられた隊員の無残な死体はその後ポイと投げ捨てられる…。

 

 その後もキングギドラは、次々と隊員たちを銜え上げては無残に食いちぎっていく!

 

 その余りにも信じられない光景を見ている和寿は戦慄し、春菜は目をつぶり耳をふさいで悲鳴を上げる。

 

 春菜「きゃーっ!!」

 

 斎木「しっ!見つかるぞ! さ、早く!」

 

 和寿はなんとか冷静さを保ち、怯える春菜の手を掴んで石狩の町へと急いで逃げる様に戻る。

 

 

 キングギドラは隊員を全て殺した後、三つの頭の口から一斉に引力光線を発射し、残された兵器などを全て破壊していく!

 

 三本一斉の引力光線の威力は凄まじく、その場にあった兵器を全て巻き上げて粉々に破壊し、その勢いで辺りの高原を焼け野原にしてしまった!

 

 町に着いた和寿たちも、外に出ていた町の人たちと一緒にその光景を恐怖の表情で呆然と見つめていた。

 

 

 すると、キングギドラは巨大な羽を羽ばたかせて石狩の町目掛けて飛び始める!

 

 それを見た人々は、完全にパニックとなり一斉に逃げ始める!

 

 焼け野原となった高原、悲鳴を上げて一斉に逃げ惑う人々………正にこの世の終わりの始まりの様であった。

 

 和寿と春菜もはぐれないように手をつなぎ、逃げ惑う人の波に流される様に逃げる。

 

 しかし、とうとう町に着いてしまったギドラは、そんな人々を嘲笑うように三方からの引力光線を乱射しながら暴れ始める。

 

 光線の乱舞により次々と破壊される建物。中にはその瓦礫に潰されて死んでいく者もいた。

 

 そして、ギドラは一番逃げる人々が行き詰っている所を見つけるや、その場所から人々を摘み上げては食いちぎり始める!

 

 一人、また一人と次々と摘み上げられ、その度に上からは大量の血が臓器と共に降り注ぐ!

 

 

 食いちぎられていく人々、慌てて逃げるあまりに鉄塔や車に激突して気絶する人、親とはぐれたのか、逃げ惑う人の波の中熊の縫いぐるみを抱いて泣き叫ぶ幼い少女………まさに地獄絵図のような光景が続く。

 

 その後もキングギドラは、石狩の町を蹂躙し続けた………………。

 

 

 

 キングギドラの襲撃により、石狩の町の半分以上が破壊され、人々も半分以上尊い命を失ってしまった………。

 

 和寿と春菜は辛うじて生き残り、彼らの両親は生き残ったものの重傷を負ってしまい、札幌の病院へと搬送されてしまった………。

 

 石狩が大打撃を受けてしまったため、和寿と春菜はその他の人々と共に別の地に移り住みざるを得なくなってしまった。

 

 その送り出す船の中、春菜はまだ恐怖により泣きじゃくっており、和寿はそれを宥めていた………。

 

 だが、そんな中和寿は密かに憎しみにこもった表情になり、そして呟いた。

 

 

 斎木「………………殺してやる………………!」

 

 

 春菜は思わず顔を揚げる。そこには震え上がり、険しい表情で憎しみのこもった声で呟く和寿の姿があった。

 

 和寿「………春菜を泣かせた…それだけじゃなく、多くの人たちを殺した………それに両親まで………………あいつは絶対に許さない………………殺してやる………………!」

 

 これは今から約十年前の出来事であった………。

 

 〈回想終了〉

 

 

 

 和寿と春菜の余りにも壮絶な過去を聞いた櫂達はショックを隠せず、言葉を失ってしまっていた。

 

 櫂もチラリと春菜を見つめながら意外そうな顔をしていた。 まさか、彼女にそんな壮絶な過去があったなんて………………。

 

 だが、それよりも真美の優しさを辛く言われたことでの怒りの方が強かったのか、すぐさま「ざまあ見やがれ………!」とばかりに不敵な笑みを浮かべる………。

 

 真美に関しては両手で口を押さえて震えており、海羽に関してはショックのあまりにハンカチを取り出してすすり泣きを始めている。

 

 春菜「あれからカズ君は、まるで変わってしまった………。」

 

 

 二人はあれから青森に移り住むことになった。

 

 だが、和寿は前のように春菜と遊ぶことはなくなり、暇さえあれば運動、トレーニング等をしていたと言う。

 

 春菜は時にその様子を見守っていたが、その時の彼の姿は一所懸命の中にもどこか行き場の無い怒りも感じていた。

 

 

 和寿は完全に、キングギドラはへの憎しみに囚われていたのである。

 

 

 中高と上がってもその様子は変わらず、同時にそれによって身体能力も格段と上がっていったのである。

 

 そして、高校を卒業後、和寿は春菜に伝えもせず、航空自衛隊育成所がある東京でむりやり一人暮らしを始めた。

 

 そして約二年後、和寿は航空自衛隊育成所を首位でパスし、正式に航空自衛隊員になれたのである。

 

 

 だがしかし、和寿はキングギドラへの憎しみしかないために個人プレーが目立ち、やがて隊長から突き放されてしまった。

 

 だが、育成所時代から彼が最も親しくしていたマサト、ユウジ、タカオの三人は彼について来た。 見放されながらも仲間が付いて来るのだから、それほど操縦スキルが高いのが伺える。

 

 そしてその後も、キングギドラ追跡の為に仲間と行動し続けて現在に至るのである。

 

 

 今回春菜は、和寿がようやくキングギドラの居場所を突き止めたため霞ヶ崎へ向かう事を偶然知ったため、だいぶ復旧した地元・石狩での研修を抜けてわざわざやって来たと言う。

 

 このことから、今回現れたキングギドラは十年前のと同一個体であり、恐らくその強さを見込んだテラにより、新たな戦力として加えられたのであろう。

 

 

 春菜「…もう………何年もキングギドラを追い続けてるよね………。」

 

 斎木「ああ。俺はあいつが憎い………あいつを倒すためなら、地の果てまで追ってやるんだ!」

 

 春菜「でも!………………少しは自分の事も考えてよ………私、テレビで時々見かけたわ………アンタが、無茶をして怪我をしたというニュースを………。

 

 キングギドラが憎い気持ちは分かるよ………でも、そのためだけに自分の命が無くなっちゃ、元も子も無いじゃない!」

 

 斎木「そのため“だけ”だと!? お前もあの惨事を見ただろ!? なら奴が憎い気持ちが分かるはずだろ!?」

 

 

 春菜は少し黙り込んでしまった………。

 

 櫂たちも二人の会話を心配そうに見つめている一方で、ジャックは「やはり…。」というような表情をしていた………。

 

 

 

 一方、謎の生体反応を感じる軽井沢の山地に着いたウルトラマンコスモスこと春野ムサシは、探索として森林を歩き回っていた。

 

 ムサシ「確かこの辺に反応があったはず………。」

 

 辺りを見渡しながら、鳥や虫の声だけが響く山道を歩き回っていたその時、ムサシはふと何かに気付き立ち止まる。

 

 ムサシ「………!!これは!?」

 

 そこには、思いもしないものが横たわっていてムサシは驚く。

 

 

 カンガルーのような等身大の怪獣が横たわっていた。しかも体中には何かに焼かれた様な痛々しい火傷を負っている…。

 

 そしてその先を見てみると、同じくカンガルーそっくりの怪獣が、鳥のような怪獣を宥めている様であった。

 

 

 ムサシが目撃した怪獣とは、カンガルーそっくりの二体の怪獣は『カンガルー怪獣パンドラ』とその子供『カンガルー怪獣チンペ』、そして鳥そっくりの怪獣は『鳥怪獣フライングライドロン(子)』である。

 

 

 チンペは無残な死体として横たわっており、フライングライドロン(子)(以降:子ライドロン)は右の翼の先端を負傷して泣いており、パンドラはチンペを失った悲しみで泣きながらも持ち前の母性で子ライドロンを慰めていたのだ。

 

 

 ムサシ「一体何故こんな事に………。」

 

 ムサシは直感で、パンドラたちが悪い怪獣ではない事に気付き、なぜこうなったのかを伺う事にした。

 

 

 ムサシ「コスモース!」

 

 

 ムサシはコスモプラックを揚げて光に包まれ、ウルトラマンコスモス(ルナモード)へと変身する。

 

 コスモスの登場に子ライドロンは怯え始め、パンドラは敵ではないかと身構える。

 

 ムサシ「待ってくれ! 僕は敵ではない。 安心して。」

 

 コスモスはパンドラたちに掌を向け、自分は敵ではないと説得する。

 

 パンドラたちは理解したのか、構えを解く。

 

 ムサシ「一体何があったんだ? 言ってみて。」

 

 パンドラはコスモスに、涙ながらに自分たちに起こった出来事を語り出した。

 

 因みにコスモス(ムサシ)は善良な怪獣との交流が深いため、怪獣語が理解できるのである。

 

 この世界のパンドラは軽井沢の近くの人間が立ち入らない崖の洞窟にある巣に住んでいる草食性の大人しい怪獣で、チンペと言う人懐っこい子供怪獣と共に平和に住んでいた。

 

 だが、ある日チンペを連れて樹木や木の実を取りに行っていた時、突如、上空から“黄金の三つ首の怪獣”(所謂キングギドラ)が襲って来たと言う。

 

 その怪獣の光線によりチンペは倒れ、自身も尻尾に怪我を負ってしまったと言う。

 

 危機を察知したパンドラは黄色いガスを吐いてその怪獣の目を眩まして、その隙に何とか逃げ切れたらしい。

 

 よく見てみると、パンドラの尻尾の先端には痛々しい傷口があり、そこから黄色い血が出ている………。

 

 

 一方のフライングライドロンも、本来は星から星へと放浪の旅を続ける渡り鳥怪獣であった。

 

 だがある日、親子で地球を通り過ぎようとした時、地球から黄金の三つ首の怪獣が襲って来たと言う。

 

 その怪獣の光線により、子供は右の翼を負傷して地球に落下したとのこと………。

 

 更に子ライドロンはそれにより、地球の大気や引力に邪魔されて宇宙に帰れなくなってしまったのだ。

 

 それによって泣き叫んでいた時、パンドラと出会ったと言う。

 

 

 余りにも残酷な境遇の怪獣たち。それを聞いたコスモスは、その事をウルトラサインでゼロ達に知らせた。

 

 サインを呼んだゼロたちは、それは間違いなくキングギドラの仕業だとすぐに分かった。

 

 ゼロ「ギドラめ………どこまで残酷か………!」

 

 海羽「酷い………親子怪獣までに………………。」

 

 海羽は、子ライドロンたちが可哀想なあまりに思わず涙を流してしまっている。

 

 その時、櫂がそっと肩に手を置く。

 

 櫂「………行ってやれ海羽。 コスモスと共に、あいつらを助けてやれ。」

 

 海羽「………うん!」

 

 海羽は涙を散らしながら頷く。そして、ハートフルグラスを目に当ててウルトラウーマンSOL(ソル)へと変身し、軽井沢向けて飛び始める。

 

 

 ゼロはウルトラサインでコスモスに、「今ソルがそちらに向かっている。」と伝える。

 

 ムサシ「そうか………じゃあそれまでに、僕が面倒を見ておこう。」

 

 コスモスが了解したその時、

 

 “ゴゴゴゴゴゴ…” “ピシャーン”

 

 突然空が曇ったと思うと、雷雨が降り始める。その時子ライドロンは何かに呼びかけるように飛び跳ね始める。

 

 ムサシ「!………どうしたんだ?」

 

 

 雷雨を降らせていたのは、地球を出てすぐの宇宙で待機しているフライングライドロンの親(以降:親ライドロン)であった。

 

 親ライドロンは、キングギドラの攻撃により子供が地球に落ちてからずっと泣きながら子供を見守っていた。

 

 そして稲妻のような声で呼びかけ、稲妻のような光で照らして雨を降らせ、子供が地球の大気の中で乾いてしまわないようにしているのである。

 

 それに気づいた子ライドロンは、宇宙で見守っている親を恋しがり始めたのである。

 

 ムサシ「大丈夫……大丈夫だから、落ち着くんだ!」

 

 コスモスが興奮する子ライドロンを必死で宥めていたその時、

 

 

 “ゴゴゴゴゴ…ズドーン”

 

 

 突如、雨雲を突き破って雷とは違う赤黒い渦のようなエネルギーが降り注ぐ!

 

 そのエネルギーはパンドラと子ライドロンを直撃!

 

 少し吹っ飛び驚愕するコスモス。

 

 すると、パンドラと子ライドロンは目を赤く光らせ、なんとコスモスに襲い掛かり始める!

 

 恐らく先ほど降り注いだエネルギーの影響なのだろう。

 

 コスモスは動揺しながらもそう察し、二体の攻撃を受け流す様にかわしながら呼びかける。

 

 ムサシ「君達!どうしたんだ! しっかりしろ!」

 

 だが、謎の光線に操られる二体はもう止まれないのか、容赦なくコスモスに攻撃を仕掛ける。

 

 二体が悪い怪獣ではない事を知っているコスモスは下手に攻撃できず、かわすか防ぐかの一方であった………。

 

 

 その様子を、宇宙空間から見つめている一人の宇宙人。

 

 『宇宙悪霊アクマニヤ星人』である!

 

 突然降り注いだ光線は、彼が発射した『アクマニヤ念力』である!

 

 そのアクマニヤ念力を浴びたパンドラと子ライドロンは操られているのである!

 

 アクマニヤ「フフフ…いいねぇ~…助けるはずの怪獣に攻撃されるとは………最高に楽しいよ。」

 

 アクマニヤ星人は不気味に笑いながら防戦一方のコスモスを見ていた。

 

 

 軽井沢に向かって飛んでいるソルに、コスモスからテレパシーが届く。

 

 海羽「!コスモスさん、どうしたのですか?」

 

 ムサシ「早く来てくれ!善良な怪獣たちが、操られている!」

 

 海羽「分かりました。もうすぐ着きます!」

 

 ソルは飛行速度を上げて軽井沢へと急ぐ。

 

 海羽「かっ飛ばすよ~!」

 

 

 ソルは、ゼロにテレパシーでコスモスからの伝言を伝える。

 

 ゼロ「何ッ!?操られてるだと?」

 

 ヒカル「何だって!? 一体誰なんだ!タイショーの時と言い今回と言い、一体誰が謎の光線を出してんだ!?」

 

 櫂「………確か、あの光線はどれも宇宙から降り注いでいた………。」

 

 ジャック「じゃあ、直接宇宙に行って調べる必要があるな。」

 

 そう言うとジャックはカイの方を向く。

 

 ジャック「一緒に行こう。」

 

 カイ「………ああ。」

 

 カイとジャックは、光線の原因の為に宇宙へ調査に行くことにした。二人は横に並び立つ。

 

 カイはフラッシュプリズムを揚げてスイッチを押し、ジャックはデルタ・プラズマーを左手に置き精神統一を始める。

 

 二人は眩い光に包まれる。そして、光の中からウルトラマンパワード、ウルトラマングレートが現れる!

 

 そして、二人の海外ウルトラマンは、宇宙向けて飛び立って行く。

 

 

 宇宙空間では、アクマニヤ星人がなおも苦戦するコスモスを見つめていた。

 

 アクマニヤ「ふふふ…そのままやられるのだよ!ははははは…、」

 

 “ズドーン”

 

 アクマニヤ「!?うぉあちゃっ!」

 

 アクマニヤ星人は突如、横から黄色い光線を喰らってしまい、痛がりながらも振り向く。

 

 そこには親ライドロンの姿が!

 

 親ライドロンは、アクマニヤ星人が子供を操ってるのを察知し、敵と見なしてトサカからの光線『エレクトロ・ビーム』で攻撃したのである。

 

 アクマニヤ「ほほう、俺様に不意打ちとはいい度胸だな。覚悟しろ!」

 

 そいう言うとアクマニヤ星人は目を赤く発光させる。すると、それを見た親ライドロン身動きが取れなくなってしまった!

 

 アクマニヤ「喰らえ!目から怪光線!」

 

 アクマニア星人は、動きを止めた親ライドロンに、トドメとして目から怪光線を放つ!親ライドロンは絶体絶命だ!

 

 と、その時、

 

 間一髪、駆け付けたグレートが親ライドロンの目の前で静止する。

 

 すると、両手を突き出して怪光線を受け止め、凝縮し始める。

 

 そして腕を一旦引いた後、腕を突き出して凝縮した怪光線を撃ち返す!

 

 これはグレートの技『マグナムシュート』であり、敵が発射した火炎、冷気、光線等を受け止め、凝縮して撃ち返す荒技である。

 

 “ズドーン”

 

 思いも寄らない出来事に対処できないまま、アクマニア星人は撃ち返された光線を目に受けてしまう。

 

 アクマニヤ「ぎゃああぁぁぁ! ああっ! 目がっ! 目が~!」

 

 そして、アクマニヤ星人が痛がっている隙に今度はパワードがアクマニヤ星人の角を掴み、大きく振り回して投げ飛ばす。

 

 そして、両手からパワードスラッシュを発射し、瞬時にアクマニヤ星人の両腕を斬り落とした!

 

 アクマニヤ星人の前に、親ライドロンを守る様に雄々しく浮遊する二人の海外ウルトラマンタッグ。

 

 アクマニヤ星人は一気に不利な状況に追い込まれたと思われた。

 

 アクマニヤ「やられた~!………なーんて!」

 

 アクマニヤ星人の発言に二人は動揺する。

 

 すると、なんと背後から斬り落としたアクマニヤ星人の両腕が飛んで来て、それぞれパワードとグレートの首を絞める!

 

 アクマニヤ星人は、様々な奇怪な能力を持っており、その一つが、例え腕を斬り落とされても、それを遠隔操作することが出来るのである!

 

 アクマニヤ「ふははははは!残念だったな! 返り討ちに合わせてくれる!」

 

 アクマニヤ星人は目を赤く発光させて怪光を放ち、二人を更に苦しめる。

 

 親ライドロンは、苦戦する二人を心配そうに見守りながらも、地球に雷雨を降らせ続けていた。

 

 

 一方のコスモスは、雷雨が降り注ぐ中、尚も攻撃を続ける二体に手こずっていた。

 

 さらに、雷雨が降り続ける影響で、ぬかるみに足を捕らわれそうになる。

 

 パンドラの吐き出す火炎放射と子ライドロンの吐き出す弾丸を、コスモスは両腕を広げて『リバースパイクバリア』で防ぐが、その直後にパンドラの突進を喰らって吹っ飛んでしまう。

 

 ムサシ「何とか大人しくさせなければ…。」

 

 呟くムサシを他所に、二体は横たわるコスモスに接近する。

 

 と、その時、

 

 海羽「や~め~な~さ~~~い!」

 

 遂にソルが到着した!

 

 ソルはコスモスの目前に着地するや、二体に同時に組み付き足止めをする。

 

 ムサシ「海羽ちゃん!」

 

 海羽「お待たせ!ムサシさん。」

 

 ソルの加勢により、コスモスは気力を取り戻し立ち上がる。

 

 ムサシ「一緒に、彼らを助けよう!」

 

 海羽「イエース!」

 

 コスモスとソルは、それぞれパンドラと子ライドロンの相手を始める。

 

 コスモスはパンドラの攻撃をことごとく受け流していく。そして、振り下ろして来た腕を左腕で受け止め、腹部に右の掌を打って撥ね飛ばす。

 

 パンドラは次は尻尾を振るって攻撃するが、コスモスはそれを掴んで受け止める。

 

 そして、パンドラが振り払おうともがく中、コスモスはそれに耐えつつ尻尾の怪我に手をかざして『コスモフォース』を浴びせる。

 

 すると、尻尾の患部は光に包まれ、瞬く間に傷が塞がった。

 

 まだ操られてるとはいえ、傷が治ったパンドラは少し落ち着いたのか、動きが鈍る。

 

 その隙にコスモスはバク転で一旦距離を取り、両手を胸部に当てて優しい光を集めた後、右手の平を突き出して『ルナエキストラクト』を発射する。

 

 浄化光線を浴びたパンドラは優しい光に包まれ、赤黒いオーラの様な物を発散しやがて眼も赤い輝きから元に戻る。

 

 コスモスの力により、アクマニア念力の呪縛から解放され元に戻ったパンドラは大人しくなった。

 

 

 一方のソルは、子ライドロンの攻撃をかわしたり受け止めたりしながらある事に気付く。

 

 それは、最初は雨で良く分からなかったが、よく見てみると黄色い涙を流しながら攻撃しているではないか。

 

 そう、アクマニア念力とは、怪獣の意思関係なく、無理矢理暴れさせる恐ろしい力なのである。

 

 暴れたくないはずの子ライドロンはアクマニア念力により無理矢理暴れさせられており、それにより傷も疼き、辛さで泣いているのである。

 

 それを知ったソルは、突発的にある行動に出た。

 

 なんと、子ライドロンを抱きしめ始めたのである!そして、目から緑色の涙のような光を溢れさせながら語り始める。

 

 海羽「ライドロンちゃん……ごめんね………………辛いよね…泣きたいよね………こんな思いをさせて、本当にごめん………。」

 

 最初はバタついていた子ライドロンだったが、自然と動きが鈍っていく。

 

 海羽「でも、あなたは絶対に救われる。 絶対に、私が助けてみせる。

 

 ………だから安心して。」

 

 ソルの優しい語り掛けを聞いた子ライドロンは、それによる安心のためか、少し大人しくなる。

 

 海羽「リライブ・フォース。」

 

 その隙にソルは子ライドロンの翼の傷に、降り注ぐ雪のような光線『リライブ・フォース』を浴びせる。

 

 これは怪獣の傷を治したり、死んでしまった善良な怪獣を生き返らせるためなどに使う神秘の光線である。

 

 リライブ・フォースを浴びた子ライドロンの右の翼は傷が治った。

 

 海羽「ゴッデスピュアリファイ。」

 

 更にソルは、両手を目に当てて優しい光を集めた後、両手を突き出してオーロラのような浄化光線『ゴッデスピュアリファイ』を発射して子ライドロンに浴びせる。

 

 光線を浴びた子ライドロンは、オーロラのような光に包まれ、赤黒いオーラの様な物を発散して元に戻った。

 

 コスモスとソルによって大人しくなったパンドラと子ライドロン。

 

 ソルはついでに、チンペの死体にもリライブ・フォースを浴びせる。

 

 すると、チンペは目の輝きを取り戻す。命が戻った証である。

 

 生き返り、傷も治ったチンペは起き上り、真っ先に親であるパンドラの元に駆け寄る。

 

 パンドラも喜びながら、跳びかかるチンペを抱きしめる。そして“高い高い”をする。

 

 再開を喜ぶカンガルー怪獣親子。コスモスとソルは彼らに、安全な地底の世界に戻る様に命じ、それに応じたパンドラは、チンペと共に住処へと戻って行った。

 

 気がつくと雷雨もいつしか治まっていた。コスモスとソルはパンドラ親子を見送った後、今度は子ライドロンを宇宙へ運び出す。

 

 

 一方の宇宙空間では、コスモスたちがパンドラたちを大人しくさせたことを知り、パワードとグレートは安心し、アクマニヤ星人は焦り出す。

 

 アクマニヤ「馬鹿なっ!? こうも簡単に………!?」

 

 カイ「フッ………残念だったな、アクマニヤ。」

 

 ジャック「私たちは絆で繋がっている。だから絶対に負けないのだ。」

 

 パワードとグレートは力を振り絞り、自分たちを絞め上げていたアクマニヤ星人の腕を強引に引きはがし、アクマニヤ星人に思い切り投げつける!

 

 投げつけられた腕が目玉に当たったアクマニヤ星人は再び痛がる。

 

 その隙にパワードとグレートはそれぞれアクマニヤ星人の左右斜め上に飛行し、急降下キックを放ち左右それぞれ角を破壊する!

 

 アクマニヤ「馬鹿なっ………ウルトラ戦士め………くそ~!」

 

 完全に劣勢となったアクマニヤ星人。

 

 パワードは腕を十字に組んで『メガスペシウム光線』を、グレートは手を上下に開いて『バーニングプラズマ』を同時に発射する!

 

 アクマニヤ「ぎゃあぁぁ~…アミーゴ~~~!!」

 

 二つの強力な光線が直撃したアクマニヤ星人は大爆発し、木端微塵に吹き飛んだ。

 

 

 アクマニヤ星人を撃破した二大海外ウルトラマンは振り向く。そこには、ちょうど子ライドロンを連れて来た二人の慈愛ウルトラマンが来ていた。

 

 そして子ライドロンは二人に一礼した後、親ライドロンの元へ飛んで行く。

 

 再開したライドロン親子は、再会を喜んだ後親子仲良く飛び去って行った………。

 

 ライドロン親子を見送る四人。ソルは感動の再会に涙していた。

 

 海羽「あんなにも仲のいい親子怪獣たちも平気で切り離しちゃうなんて………。」

 

 ムサシ「ああ。キングギドラは、凶悪な怪獣だ。」

 

 ムサシと海羽は、平和に過ごしていた親子怪獣たちを不幸の悲しみに追いやったキングギドラへの新たな怒りが込み上がっていた。

 

 ジャック「だが、あの二人なら、絶対にやってくれるだろう。」

 

 カイ「…あの二人とは………まさか………。」

 

 ジャック「そう、“あの二人”だ。」

 

 

 

 ジャックの脳裏に浮かんだのは、同じ頃、体育館で引き続き特訓をしている“あの二人”………。

 

 “ヒカルとショウ”の事であった。

 

 彼らはキングギドラに完膚なきまでに叩きのめされている。だが、その悔しさをバネに一生懸命特訓をしている姿を見て、彼らなら次こそはキングギドラを倒せるのではないかと見込んでいたのだ。

 

 

 

 四人のウルトラ戦士は地球に戻り、櫂達の元に戻る。そして、変身を解く。

 

 すると、和寿がジャックの元に歩み寄り問いかける。

 

 斎木「………なあ、確かお前は、四日間俺を見回ってたみたいだな………それは何故なんだ?」

 

 すると、ジャックはゆっくりと答え始める。

 

 

 ジャック「………私はこの地球に着いた時、二つの強い反応を感じた。 気になった私は一緒に来ていたレイ達を先に行かせ、その反応のする方へと探索に向かったのだ。

 

 そして広島まで行ったとき、そこで見つけたのが、君だ。」

 

 

 和寿ははっと反応する。何か心当たりがあるのであろうか………?

 

 

 ジャックは語り続ける。広島まで着いた時、なんとそこでキングギドラが暴れていたのだ。

 

 光からグレートになって戦おうとしたその時、ふと何かを見つける。

 

 それは、キングギドラを相手に果敢に挑む四機のF-15Jイーグルであった。

 

 その時、グレートはふと見ただけで気づく。 それは、いつもの防衛軍と違ってなかなか撃墜されず攻撃している所から、彼らの操縦スキルが高いこと。

 

 そして、その中での一機がやけに突っかかってるような戦い方をしている事であった。

 

 険しい表情で操縦するその機体のパイロットは間違いなく斎木和寿であったのだ。

 

 和寿の機体が危機に陥った時、グレートは光の状態でひとまずキングギドラにバーニングプラズマを放って追い払うことが出来たが、和寿の様子が気になったグレートはその後も彼らをサポートしつつも福岡、網走とキングギドラを追う彼らの後をついては見つめていたと言う………。

 

 彼らを観察していく内に気付いたこと。それは、和寿の機体が個人プレーに走りがちで仲間の機体と連携がとれていない事。

 

 そして、優れた聴覚をすませてみると、キングギドラへの復讐しか考えない和寿と、チームで連携を取って戦う事を主張する仲間たちとで口論が絶えなかったと言う事である………。

 

 そんな彼らを見て、グレートはかつての自分とジャックを重ね合わせていたのだ。

 

 グレートもかつて、ジャックがグレートの制止を振り切ってUMAに入隊する、ジャックの意思関係なくグレートが怪獣を倒そうとするなど、意見が食い違う事があったのである。

 

 だが、そうした対立がありながらも、グレートがジャックを、ジャックがグレートをと互いに助け合って戦い抜いて来たのである。

 

 だが、意見の食い違いで対立すると言う点では和寿達も同じだが、グレートたちと違っている所があった。

 

 それは、互いにあまりに主張が強すぎて、協力し合い、助け合う事が無かったと言う事である………。

 

 

 それを言われた和寿は、図星を突かれたのか少し俯く。

 

 グレート「気持ちは分かる。だが、その個人的な感情だけで一方的に行動している様なら、“そんな事”と思われるのも無理は無い。」

 

 斎木「………あんたに………あんたに俺の気持ちが分かるかよっ! 俺は、故郷を………そこの人々を奴に荒らされたんだぞ!………」

 

 和寿は声を荒げるが、ジャックはそれを返す様に…

 

 ジャック「じゃあ聞こう。君は一人なのか?」

 

 その言葉に和寿は何かを刺激されたのか、はっと驚く。

 

 

 思い出したのである。昔、幼馴染の春菜とどうしてきたのか………。

 

 

 “喜びを分かち合い、弱さを補い合い”………。

 

 

 そして、ギドラ襲撃前の記憶がフラッシュバックする。

 

 思えば、昔も春菜と楽しみつつも、互いに助け合いながら過ごしていたと言う事を………。

 

 そして、その度に笑い合っていた際の春菜の笑顔が最高に良かったと言う事………。

 

 その春菜の笑顔を守るためにも、人々を守る事が将来したいと思えた事も思い出した………。

 

 ジャック「君がどんなに実力があっても、チームプレーに勝ることは無い。 ましてや、感情に流されては自信を失い、持ち前の腕が発揮できないものなんだ。

 

 …だが、君には春菜だけではなく、同じ航空自衛隊の仲間がいるではないか。

 

 奴は君にとっては憎い奴かもしれないが、彼らと協力して倒してこそ、喜びは大きいんじゃないのか?」

 

 何か葛藤をしているのか、俯いたままの和寿の袖を少し掴んで春菜は語り掛ける。

 

 春菜「………キングギドラが憎い気持ちは分かるよ………でもね、自分のその気持ちを押し付けて突っ切るだけじゃあ、どんなに腕があっても空回りするだけなんだよ。

 

 ………私もね、かつては「病人を何とかしなくちゃ。」って想いが強すぎて、自分が担当の病人の事は自分で全部何とかしようと思った事があるの。

 

 でもその結果、空回りして失敗しそうになったの………でも、その時助けてくれたのが、まみたんだったわ。」

 

 それを聞いた真美はふと反応して春菜を見つめる。

 

 春菜「まみたんが優しく病人を諭してくれたおかげで、私は確実に治療して病人を救うことが出来たの。

 

 それをきっかけに、私はまみたんと知り合い、一緒に協力するようになったの。」

 

 春菜は真美の方を振り向く。

 

 春菜「私も思い出したわ…あんたの優しさのおかげで、これまで多くの病人が安心し、私もその人たちを確実に治すことが出来たと言う事を………。

 

 まみたんの優しさは多くの病人を救うきっかけを作ってくれたと言う事を………。

 

 私は、迅速な判断と行動力がいいってよく言われるけど………それ故にせっかちで、心の準備が出来てない病人をより不安にさせるって言われた事があるの………。

 

 私も、長所だと思てた所が、短所として働くことがあったわ………。でもまみたんのおかげでそれに気づくことが出来た…

 

 ありがとう………ごめんね。」

 

 真美は少し目を潤ませ、嬉しそうな表情をする。

 

 真美「ううん。ハルちゃんは私に良い事を言ってくれたと思うよ。

 

 それに、お互い優れてるところがある分、欠けてるところもある………それらを互いに補い合ってからこそ、初めて事を成すことが出来るんだって気付けたわ。」

 

 真美の言葉に笑みを浮かべた春菜は再び和寿の方を向く。

 

 春菜「私は、カズ君のように戦闘機で戦えないけど、いつでもカズ君の事を思ってる………

 

 それに、カズ君には同じ戦闘機で戦う仲間がいるじゃない。彼らと協力し、助け合っていけば、多分今よりもっと戦えると思うわ。」

 

 

 和寿は悟った。 マサト、ユウジ、タカオの三人が、なぜ防衛軍を追放された自分について来たかを………。

 

 それは、彼らがそれほど自分を必要としており、彼らとはより強い信頼関係にあるからだ。

 

 そして、実力のある自分、判断力のあるマサト、お調子者のユウジ、クールなタカオ………それぞれの特徴を浮かべた和寿は、それらを活かして協力し合えば、より高度な戦術で戦えるかもしれないと思い始めた………。

 

 幼い頃、自分と春菜がよく協力し合い、助け合いもしていたと言う事も思い出し………。

 

 そしてついに、和寿は個人的な感情だけで動いていた自分が間違っていたことに気付く。

 

 

 斎木「………春菜………すまなかった………。キングギドラを憎むあまり、お前にいつも心配かけちまって………。」

 

 春菜は「いいんだよ。」とばかりに笑顔で首を横に振るう。

 

 

 斎木「キングギドラは、必ず倒す! マサト、ユウジ、タカオと力を合わせてな。」

 

 

 和寿の新たな決意を聞いた春菜は、嬉しさから和寿を抱き寄せ、和寿も抱き返しながら頭を撫でる。

 

 

 ジャック「そして、君の他にも、キングギドラを倒そうと今頑張ってる二人がいる。」

 

 ジャックがそう言うと、特訓を中断したヒカルとショウが、和寿と春菜の前に現れる。

 

 ショウ「俺たちも、奴に惨敗したリベンジをするつもりだ。」

 

 ヒカル「俺たちとも、力を合わせましょう!」

 

 和寿は「了解した!」とばかりに笑顔でサムズアップし、ヒカルとショウもサムズアップを返す。

 

 

 決意を決めた若者たちを、夕焼けがオレンジ色に包んでいた………。

 

 

 

 

 だが同じ頃、霞ヶ崎からだいぶ離れた別の都市は、暴れたキングギドラによって凄惨な状況になっていた。

 

 引力光線で破壊され尽くしたであろう街並み。竜巻を受けたように樹木がへし折れており、民家は瓦や屋根が飛ばされ雨戸も外れて歪んでおり、傾いたビルや電柱を残して一面焼け野原の瓦礫と化している………。

 

 人々の中には、母親に抱かれながら恐怖で泣きじゃくる子供、更には親を探して泣き叫びながら歩く子供まで見られていた………!

 

 そして辺りには、キングギドラが食いちぎっただろう無残に真っ二つにされた人間の死体が転がっていた………!

 

 余りにも凄惨な光景に悲しみに溢れる人々………。

 

 そんな人々から徐々にマイナスエネルギーが集まっている………テロリスト星人バスコはそう思いながら不気味に笑いながら見つめていた………!

 

 バスコ「そろそろ、ウルトラ戦士皆殺しと行きますか………!」

 

 

 

 

 その夜、全員はその体育館で一緒に寝ることにした。ヒカルとショウは外で満点の夜空を見上げていた。

 

 ヒカル「………みんないろんな思いで戦ってるんだな。」

 

 ショウ「ああ。俺たちもそうだしな。 俺もかつて、一人でも十分戦えると思ってたのだから、和寿の奴に少し親近感を感じるぜ。」

 

 ヒカル「でも、その間違いに気づき、仲間と協力し合ってからこそ、戦ってこれたもんな。」

 

 ショウ「ああ。あいつらの想いを無駄にしないようにも、そして、失われた多くの命の為にも、明日は頑張って奴(キングギドラ)を倒そうぜ。」

 

 ヒカル「おう!」

 

 ヒカルとショウは拳を合わせた。

 

 

 

 一方の櫂は、どこか浮かない顔で夜空を見上げていた………。

 

 櫂「………あの女に、まさかあんな壮絶な出来事があったとはな………。そして、欠点にもなる長所もあったとは………。」

 

 ゼロ「そうか………確かお前、両親を怪獣災害で失ってんだよな。」

 

 櫂は、真美の優しさを欠点と言った春菜がまだ許せなくいたが、彼女が自分と同じ境遇だと言う事を知り、少し複雑な心境になっていた………。

 

 そして、春菜の過去を聞いた際の、真美の何かを思い出したかのような悲しそうな表情も思い出していた………。

 

 そう、真美もまた、怪獣により母親を失っているのである。

 

 これらの事により、櫂は怪獣にも激しい憎悪を抱いており、それ故に、怪獣を助けるコスモスや、怪獣を仲間にするレイが気に食わないのである。

 

 ゼロ「そうだったのか………だがな、彼らは悪くない怪獣を救ったり、仲間にしているだけだ。悪い怪獣はちゃんと倒すぜ。」

 

 櫂「怪獣は悪い奴ばかりだと俺は思うけどな………。」

 

 櫂は少し険しい表情になっていた………。

 

 

 と、その時、何処からか静かにアコースティックギターの音が聞こえ始める。

 

 櫂がふと振り向くと、そこには廃車の上に座り込み、アコギを弾いている真美の姿があった。

 

 そして真美は静かに目をつむると、『君にできるなにか』を歌い始める。

 

 真美の澄み渡る歌声、それにスパイスを加えるようなギターのサウンドは静かに響き渡り、櫂の他にも少し離れたところにいるヒカルとショウ、カイ、ムサシ、海羽、春菜にも聞こえていた………。

 

 その歌詞や真美の天使のような歌声を聞く櫂は見とれ聞き入っており、ムサシはどこか嬉しそうな表情を浮かべていた………。

 

 

 そして、君にできるなにかを爪弾き終えた真美はギターを背負い、そっと廃車から降りる。そして櫂に気付く。

 

 真美「櫂君………聞いてくれたのね。」

 

 櫂「ああ………いい曲だなって思ってね。」

 

 真美「ムサシさんが教えてくれたの。 「夢に迷った時……夢を信じたくなった時に……そっと口ずさめばいい。」ってね。」

 

 自分には甘さがあるんじゃないかと自信を失いかけていた真美は、ふとムサシから教わった曲を思い出したのである。

 

 櫂「………真美なら大丈夫さ。 お前の優しさは、老若関係なく患者を安心させられるんだから。」

 

 真美「ありがとう。 でも、これだけじゃ何かが足りないと、私も感じ始めたの………。だから、とりあえず今は、きっぱりしたハルちゃんと協力し合って医療ボランティアをやって行こうと思ってる。 そして、徐々に欠けている所を直していこうと思ってるの………。」

 

 櫂「そうか………頑張れよ。」

 

 櫂と真美は笑顔で見つめ合う。 仮にも真美は、櫂の恐ろしい本性をまだ知らないのだから………。

 

 

 櫂は夜空を見上げながら真美に問いかける。

 

 櫂「なあ………真美も怪獣によって親を失ってんだろ? 怪獣を保護するムサシを見て、何とも思わないのか?」

 

 真美「………どうしてそれを?」

 

 櫂「い、いや………怪獣は元々俺たち人間を脅かす存在だろ? 現にキングギドラだって………。 だから、そんな怪獣たちを仲間にする奴らが、俺はどうも分からなくて………。」

 

 真美「……櫂君は、ムサシさんの事が嫌いなの?」

 

 真美はどこか悲しそうな表情で櫂を見つめる。

 

 真美「………確かに、怪獣たちの中には凶悪なのだっているわ………。でもね、私、たまに暴れる怪獣たちを見て思っちゃうの………

 

 上手く行けばあの力を、誰かを救うために使えそうだな………ってね。」

 

 櫂ははっと反応する。

 

 真美「レイさんだって、怪獣を力を合わせて多くの人を救ってるじゃない。 だから、より多くの怪獣たちも仲間になれば、より多くの人々を救えると思うの………。

 

 だから、『怪獣との共存を目指す』………私は、その考えは素晴らしいと思うわ。」

 

 

 

 真美がその事を言っていた同じ頃、別宇宙の地球では。

 

 ???「はっ…はっ……ハクショーン!!」

 

 ???「どうした?大地。夏風邪か?」

 

 ???「分からない…誰か噂してるのかな?………。」

 

 

 

 真美の言葉を聞いた櫂は、複雑な心境になり俯く。

 

 真美「………ごめんね。私、何か変な事言っちゃったかな?」

 

 櫂「い、いや………ただ、俺にはどうしても理解できなくて………。」

 

 真美「………まあ、櫂君は両親を失ってるから、無理ないかもね………。」

 

 真美は櫂を憐れむ様な表情で見つめる。

 

 真美「でも、今答えを出すこと無いと思うわ。 今後もゆっくり考えて、答えを探していこう?」

 

 櫂「………………そうだな………。」

 

 真美「じゃあ、お休みね。」

 

 真美は体育館の中に入って行った………。

 

 ゼロ(………櫂………………。)

 

 櫂はまだ複雑な心境が取れておらず、ゼロはそれをただ見つめるしかなかった………。

 

 

 そんな櫂を、春菜は少し遠くから見つめていた。

 

 春菜「あんな奴も、大きな悩みや悲しい過去を持ってるなんてね………。」

 

 「よお、まだ起きてたのか?」

 

 春菜は話しかける声が聞こえる方へ振り向く。 和寿だった。

 

 春菜「カズ君………。」

 

 斎木「………さっきはありがとな。 俺の目を覚まさせてくれて。」

 

 春菜「………。」

 

 斎木「奴は憎むべき奴だ………。だが、だからってそれに囚われて暴走すると、その憎むべき奴と同等になってしまうと気付けた。」

 

 春菜ははっと顔を上げる。

 

 斎木「大切なのは、仲間と協力し合いながら戦う事………そうする事で初めて本当の強さや正義感が引き出せること………春菜がそう俺に気付かせてくれたからな。」

 

 春菜「カズ君………。」

 

 春菜は目を潤ませ嬉しそうな表情で和寿を見つめる。

 

 ヒカルとショウも、和寿と春菜の元へ歩み寄り、二人もそれに気づく。

 

 ヒカル「それに、みんないろんな思いを持っています。 そんな思いも全部受け止め、尊重して戦うのも大事だと俺は思います。」

 

 ショウ「そうしていく内に、その中のどれが間違ってるのかも見つけることが出来ますからね。」

 

 斎木「………そうだな。」

 

 春菜「………そう…だね………。」

 

 春菜も納得するが、心内では「櫂君だけは受け止められないわ…。」とばかりにひっそりと不満そうな表情を浮かべる………。

 

 ヒカル「俺たちも思いは違いますけど、奴を倒したい気持ちは同じです。 力を合わせて戦いましょう。」

 

 ショウ「そして、みんなで勝利を勝ち取ろうぜ。」

 

 斎木「………おう!」

 

 三人は拳を合わせた。

 

 その様子を、ジャックはどこか嬉しそうに見つめていた………。

 

 そしてヒカルは決意の表情で夜空を見上げ、心の中で語り出す。

 

 

 ヒカル(キングギドラ…………俺たちはここだ…………………いつでも来いっ!!)

 

 

 

 

 そして明け方………。

 

 運命の日が遂に来た………!

 

 朝焼けが照り付ける中、櫂たちは既に全員起きて集まっていた。

 

 この時は、豪快パイレーツのメンバー・ドン・ドッゴイヤー(通称:ハカセ)も来ており、兼部している理科部、科学部と合同で開発していたレーダーを持って来た。

 

 ハカセ「これを使って。 今後怪獣と戦うために、開発していたんだ。」

 

 櫂「よし、早速キングギドラの場所を探るぞ。」

 

 全員の緊張感が走る中、レーダーを起動させる。

 

 キングギドラらしき赤い反応は、秋田でしばらく静止していたが、そこから北上していき、やがて北海道に近づいてることが分かった。

 

 

 その着陸予想場所は………石狩である!

 

 

 和寿と春菜は驚愕する!………何しろ石狩は彼らの地元だが、同所にキングギドラが現れ最初に暴れた場所なのだから………

 

 

 今では彼らにとって“思い出の場所”でもあり、“トラウマの場所”でもあるのだから………。

 

 

 和寿は少し俯き、拳を強く握る………キングギドラの着陸場所を知って動揺しているのであろうか………?

 

 そんな彼に、ヒカルとショウは語り掛ける。

 

 ヒカル「………行きましょう………斎木さん!」

 

 ショウ「その思い出の場所にトラウマが植え付けられたのなら、奴を倒し、それを引き抜くだけです!」

 

 ヒカルとショウの言葉に再び奮い立ったのか、和寿は顔を上げる。

 

 斎木「………そうだな………。」

 

 そして春菜の方を向く。

 

 

 斎木「行って来る………。俺とお前の思い出の場所を守り、絶対に生きて帰るからな。」

 

 

 春菜「………約束だよ。」

 

 和寿は「当たり前だ。」とばかりにサムズアップを決める。

 

 

 斎木「さあ………………行こう!」

 

 ヒカル・ショウ「ガレット!」

 

 

 そして、和寿と仲間のマサト、ユウジ、タカオはそれぞれのF-15Jイーグルに乗り込む。

 

 和寿「二人のウルトラマンと連携し、キングギドラを撃滅する。それが今回の任務だ。」

 

 マサト「ああ、分かってるよキャプテン。」

 

 ユウジ「りょーかい!腕が鳴るね~。」

 

 タカオ「気を抜かずに頑張るぞ。」

 

 

 ヒカルとショウも、櫂たちよりも前に進む。

 

 ヒカル「俺たちも行くぜ。」

 

 ショウ「おう!」

 

 二人はそれぞれギンガスパーク、ビクトリーランサーを突き出し、ギンガ、ビクトリーのスパークドールズを出現させ、ライブサインにリードする。

 

 

 《ウルトライブ!》

 

 

 《ウルトラマンギンガ!》 《ウルトラマンビクトリー!》

 

 

 そして、ヒカルとショウはスパーク、ランサーを揚げて叫ぶ。

 

 

 ヒカル「ギンガー!」 ショウ「ビクトリー!」

 

 

 二人はライブが完了し、眩い光の中からウルトラマンギンガ、ウルトラマンビクトリーが姿を現す。

 

 ヒカル「行こうぜ!準備はいいか?」

 

 和寿「ああ………行くぞ!」

 

 

 遂に、和寿たちの戦闘機は石狩向かって飛び立ち始め、それを追うようにギンガとビクトリーも飛び立って行く。

 

 

 今戦場に向かう勇者たちを、櫂たちは見えなくなるまで見送った………。

 

 春菜「………カズ君………。」

 

 心配そうな表情をする春菜。ジャックは彼女の肩に手を置く。

 

 ジャック「心配ないさ。正気に戻った彼なら、必ずキングギドラを倒して帰って来る。」

 

 春菜は少し安心の表情になり、「そうだね。」とばかりに頷いた。

 

 

 

 だが、その時、突如上空から一筋の光線が降り注ぎ、地面に当たって爆発する!

 

 櫂たちが驚愕する中、その爆風の中から一人の宇宙人が現れる。

 

 驚愕する櫂達の視線の先に現れた一つの影。

 

 それは、巨大化したテロリスト星人バスコである!

 

 バスコはキングギドラがギンガ達を相手してる間に一人でもウルトラ戦士を斬り倒そうとやって来たのだ!

 

 バスコ「さてと、キングギドラがギンガとビクトリーを相手してる間、貴様らを斬り殺してやるよ~!」

 

 バスコはテロリストソードを手に、余裕綽々と構える。

 

 ジャック「ここは私が行くか…。」

 

 

 と、その時、櫂は何かを考えるように俯いたまま、一歩、一歩と歩き始める………。

 

 ゼロ「………………櫂?」

 

 ゼロは少し困惑する。ゼロに本性を知られてしまい、敵視している怪獣たちの中にも悪くない怪獣もいることを信じる真美の事もあり、まだ迷いがあるはずだが………遂に再び戦う決心をしたのであろうか………?

 

 ゼロ「櫂………遂に決心したのか?」

 

 櫂「………怪獣に善も悪もある事はまだ信じられねー………だが、明らかに悪い怪獣どもは、ぶっ倒すまでだ!」

 

 ゼロ「フンッ………なら、とりあえず力を貸すとするか。」

 

 櫂「ああ。これも真美の為でもあるからな。」

 

 ゼロ「ったくお前………じゃ、行きますか!」

 

 

 ゼロはとりあえず櫂に力を貸すことにした。

 

 櫂はそっと左腕を前に突き出し、ウルティメイトブレスレットからウルトラゼロアイを出現させる。

 

 それを見たジャックは、「ここは彼に任せてみるか。」とばかりに何かを悟ったかのような表情で下がる。

 

 一方で春菜は少し驚く。落ち着いた動きでゼロアイを出した櫂の姿を見て、不思議と彼が無理矢理ゼロの力を引き出したかのように見えなかったからだ。

 

 だが、春菜は櫂の恐ろしい本性を目の当たりにしたが故に、「もしかしたらまみたんの為だけに変身するのかも…。」という考えもあり、半信半疑であった………。

 

 

 櫂「レッツ………ゼロチェンジ。」

 

 櫂は静かに呟く。そして、ゼロアイは櫂の目にくっ付き、櫂は七色の光に包まれてウルトラマンゼロに変身・巨大化する。

 

 

 今ここに現れたウルトラマンゼロは、バスコと睨み合う。

 

 そして、頭部からゆっくりと取り出したゼロスラッガーを両手持ちで構える………。

 

 ゼロ「行くぞっ!」

 

 バスコ「上等だっ!」

 

 遂に二人は精神統一が完了したのか、互いに駆け寄り始める。そして、すれ違い様に互いの刃が火花を散らしながらぶつかり合う!

 

 

 今ここに、最後の戦いに臨むバスコ、そして、とりあえず再び櫂と戦う事を決めたゼロの一騎打ちが始まった………!

 

 

 

 同じ頃、キングギドラは遂に石狩、それも奴が最初に登場した高原に着陸する!

 

 そして、三つの首から引力光線を乱射して暴れ始める!

 

 和寿と春菜の思い出の場所であり、ある意味“始まりの場所”でもある高原が、再び焼け野原になろうとしている………!

 

 そして近くには、春菜の通ってる災害ボランティア研修所が!

 

 研修生は見学に来ていた小学生たちを連れながら、安全な場所へ急いで走り始める!

 

 パニックになる男性、爆音で耳を塞ぐ女性、そして、恐怖で泣き叫ぶ子供たちを嘲笑うかのように、傍若無人に暴れ続けるキングギドラ。

 

 そしてついに、研修生や子供たちがとある崖に追い込まれてしまった!

 

 その人たち目掛けて、キングギドラは引力光線を溜め始める………!

 

 子供たちは「怖いよ~」と泣き続け、研修生たちは子供たちを宥めながらほぼ諦めかけている………!

 

 

 

 もう終わりだ!………誰もがそう思ったその時!

 

 

 

 ヒカル「ギンガファイヤーボール!」

 

 “ズガガガガガーン”

 

 突如、上空から無数の隕石状の火炎弾がキングギドラに降り注ぐ! 火炎弾が自身の周りの地面に落ちて爆発し、その中のいくつかを被爆した事でキングギドラは怯み、引力光線発射が止まる。

 

 

 

 研修生や子供たち、そしてキングギドラは上空へと振り向く。

 

 (BGM:ウルトラマンギンガの歌 イントロ)

 

 そこにいたのは、到着したギンガとビクトリー、そして、和寿たちを乗せたF-15Jイーグルだった!

 

 子供「あ、ウルトラマンだ!」

 

 女性「来てくれたんだね!」

 

 子供「うん!」

 

 研修生たちは安心の表情になり、子供たちは泣き止んでウルトラマンを応援し始める。

 

 

 ギンガとビクトリーは着地し、和寿たちの機体もそれぞれ二人の左右に二機ずつ静止する。

 

 和寿「改めて総員に告ぐ! 二人のウルトラマンと連携し、キングギドラを撃滅せよ!!」

 

 マサト・ユウジ・タカオ「了解!!」

 

 

 ヒカル「行くぜギンガ、ショウ!」

 

 ショウ「ああ。掴むぜ、ビクトリーを!」

 

 ギンガとビクトリーは構えを取る。

 

 

 そして、ギンガとビクトリーは土砂と土煙を巻き上げながら駆け始める!

 

 

 和寿たちの機体も先陣を切って飛ぶ。

 

 

 まずはユウジとタカオの機体がそれぞれキングギドラの左右に回り込み、同時にミサイル攻撃を始める。

 

 それにより左右の首は注意を引かれ、それぞれ機体を打ち落とそうと頭突き、噛み付き等を繰り出すが、二人の機体は素早くアクロバティックにそれをかわしていく。

 

 ユウジ「ほいっと! 当たんねーよーだ!」

 

 タカオ「どこを狙ってる? こっちだ!」

 

 

 その隙に今度はマサトの機体が後ろ、そして和寿の機体が真上からミサイル攻撃を打ち込む。

 

 

 それによってキングギドラが完全に注意を引かれたところで、ギンガとビクトリーはキングギドラに組み付き、その衝撃で土砂と土煙が巻き上がる。

 

 そして、ビクトリーは膝蹴りを腹部に打ち込み、ギンガは跳躍して中央と左の首の間にチョップを叩き込む。

 

 

 だが、これで怯むキングギドラではない。すぐさま体勢を立て直し、三つ首を束ねた頭突きでギンガ、ビクトリーと順に突き飛ばす。

 

 

 だが二人のウルトラマンも、今回は決してくじけない。

 

 ビクトリーは左の翼に掴みかかり、左脚の横蹴りを繰り出すが左側の首で銜えられ防がれる。だが、すぐさまそのまま跳躍して背部に右横蹴りを叩き込む。

 

 そしてギンガは掴みかかり、右腕で右の羽を抑え込み、左腕で右、中央の首を束ねて締め上げる。

 

 だが、キングギドラの力は衰える事無く、ギンガは強大なパワーで振り払われそうになりながらも踏ん張る。

 

 その間にビクトリーが左側から蹴り等で攻撃を加え、和寿たちも四方八方に散りながら注意を反らそうとミサイル攻撃を続ける。

 

 三者の戦いは大地を揺るがせ、周りの地面は爆発し土砂や土煙が巻き上がり、石つぶてが飛び散るほどである。

 

 

 ヒカル「許すものか!………これ以上の破壊を………たくさんの人の幸せを、奪う事を!」

 

 

 

 一方のゼロVSバスコの一騎打ちも激しいものであり、刃と刃が何度もぶつかり合い火花が飛び散る。

 

 ゼロの腕は健在で、片手のゼロスラッガーでバスコの剣を受け止め、もう片方のゼロスラッガーで弾き飛ばしたところで回し蹴りで吹っ飛ばす。

 

 その後もすかさず駆け寄るが、ゼロスラッガーを横に振ったのをしゃがんでかわされ、その隙に剣の一撃を胸部に喰らい、火花を散らすながら吹っ飛ぶ。

 

 バスコは更に左手から弾丸『テロファイヤー』を連射してゼロに追い打ちをかける。

 

 僅かながら苦戦をするゼロ。例の件もあり、ゼロと櫂がまだ完全に噛み合っていないのであろうか………?

 

 

 バスコ「フハハハハ、どうした!?もうここで終わりか!? なら最初は貴様から斬り殺してやるよ!」

 

 

 ゼロは爆発による煙の中ゆっくりと起き上る。 その様子からまるでそれほどダメージを受けていないようである。

 

 バスコ「馬鹿なっ!? 俺のテロリストソードを受けても立ち上がるとは!?」

 

 バスコが動揺する中、ゼロは親指で口元を擦りながら鼻で笑う。

 

 ゼロ「効かねーよ! そんな攻撃。」

 

 “ガッ”

 

 バスコ「なっ!?」

 

 ゼロは高速で接近してバスコの首を掴み、今度は櫂の意識で囁くように語り始める。

 

 最も、この事はゼロの意識が櫂に強引に乗っ取られてるというワケだが………。

 

 ゼロ「俺には守るべきものがあるんでね~………その反面てめーは守るべきものが無い………だから怪獣と暴れて人々を奪うしか能が無い………………その時点でもう勝負は決まってんだよ。」

 

 バスコはいつもとはどこか違うゼロの口調に不思議と恐怖を感じていた。

 

 ゼロ「てめーはあの時真美を殺そうとした(第9話参照)………許さねえ………………覚悟しやがれ!」

 

 “バゴンッ”

 

 バスコ「ぐおはっ!?」

 

 ゼロはバスコの顔面を乱暴気味に殴ってぶっ飛ばす。

 

 ゼロ「ウルトラゼロキック!!」

 

 ゼロは高速で飛んで接近しながら、両足に炎を纏ったウルトラゼロキックを五連打する!

 

 バスコはテロリストソードで二発はなんとか防げたが、三発目で防ぎきれず剣を弾き飛ばされ、残りの二発を胸部に喰らい吹っ飛び岩山に激突する。

 

 ゼロは着地して両拳をぶつけた後、再びゼロスラッガーを取り出して光と共にゼロツインソードへと合体変形させて構える。

 

 

 だが、その構えの際の視線から、何やら強烈な殺気を感じる………。

 

 まだ、櫂の意識の方が強く出ていると言う事である。

 

 

 バスコ「え~い!小癪な~!!」

 

 バスコはテロリストソードを拾い上げ、逆上してゼロに襲い掛かる。

 

 

 両者ともに怒っているがために、激しい剣撃戦が展開される!

 

 だが、バスコがやや雑な大振りな斬撃なのに対し、ゼロは荒々しくもどこか落ち着いた流派で確実に相手の剣撃を防ぎつつ斬撃でダメージを与えていく。

 

 そう、櫂は精神が荒れていながらも、剣道部で培われた腕を活かして、それにゼロの力をプラスさせることで、戦いを優位に進めているのだ!

 

 仮にも櫂は、麟慶大学一の身体能力や頭脳を持っている………そしてゼロに変身して戦う事で、それにゼロの力がプラスされることで、向かうとこ敵無しの史上最強のウルトラマンゼロとして戦う事ができると言う事である!

 

 しかし、その一方で彼は恐ろしい本性も隠し持っている………もし櫂を敵に回してしまったら、恐らく誰でも止めることが出来ないであろう………。

 

 バスコ「ふっ…ふはははは………いい、これでいいのだ! 例え俺が倒れても、キングギドラはもう既に多くのマイナスエネルギーを発生させてくれた………そして奴が、ギンガとビクトリーを倒しさえすれば………。」

 

 バスコは押されながらも、自身のキングギドラに自身を持っているが故に、やや満足げに笑っている。

 

 ゼロ「黙れっ!黙れっ!黙れ黙れ黙れ黙れーーー!!!」

 

 ゼロは更に怒り狂い、ゼロツインソードで左右斜め、真上からの振り下ろし、横一直線などと乱暴気味に斬撃を決めて確実にダメージを与える。

 

 バスコは激しく斬られ続けていく内に傷が増えていくが、それでも傷口から血を吹き出しながら、快感に浸るかのように笑い続ける………。

 

 バスコもまた、もう後が無いが故に、やややけっぱちになっているのだ。

 

 

 そして遂に、ゼロツインソードの渾身の一撃・プラズマスパークフラッシュが、バスコのテロリストソードを粉々に粉砕した!

 

 バスコ「ぬおあーっ!? お、俺のテロリストソードが!!」

 

 ゼロはツインソードをゼロスラッガーに戻して頭部に戻すと、今度は肉弾戦を挑むつもりなのか駆け寄り始める。

 

 バスコ「え~い! おのれっ! おのれおのれおのれ~!!」

 

 バスコも逆上し、左手からテロファイヤーを連射しながら駆け寄り始め、ゼロはそれにより周りに爆発が起こる中走り続ける!

 

 両者の戦いは、もはや決着が着きそうなところまで近づいていた………!

 

 

 

 一方のギンガ&ビクトリーVSキングギドラはというと、此方も激しい攻防戦が続いていた。

 

 ギンガとビクトリーが左右の首を相手してる間に、和寿たちの機体が中央の首を集中的に攻撃する。

 

 マサト「ほらほら、こっちへ来い!」

 

 マサトの機体が旋回などをしながら威嚇し、中央の首がそれに反応して頭突きを繰り出して来たところでかわす。

 

 その隙に、真正面から和寿の機体が突っ込む!

 

 斎木「くらえーーーっ!!」

 

 一瞬の隙を突き、和寿は渾身のミサイルを発射する! ミサイルは見事、中央の首の角を破壊した!

 

 斎木「ッしゃあ!!」

 

 キングギドラが少し怯んだ隙に、ギンガ達は一旦距離を取る。

 

 和寿の機体は引き続きキングギドラに真正面から接近し、そして手前まで接近したところで九十度真上に方向転換して飛び立つ。

 

 それによりキングギドラは三つ首とも注意を引かれてしまう。

 

 

 《ウルトランス! EXレッドキングナックル!》

 

 

 ビクトリーは、ウルトランスで右腕をEXレッドキングナックルに変形させて殴りかかる!

 

 斜め振り下ろし、ストレートとパンチを決め、パンチが決まる度にその部位に爆発が起こり炎が飛び散る。

 

 少し怯んだキングギドラにギンガは右前蹴りを胸部に打ち込み、その反動を活かして上空に飛び立ち静止する。

 

 そして、ギンガクリスタルを黄色に輝かせ、両腕をクロスさせて左右下に下ろした後、左腕を揚げて頭上に雷の渦を発生させる。

 

 《ウルトランス! エレキングテイル!》

 

 ビクトリーはギンガがエネルギーを溜めている間に、ウルトランスで右腕をエレキングテイルに変形させ、電気を帯びた打撃を連打して妨害を防ぐ。

 

 

 ヒカル「ギンガサンダーボルト! ショオラァァ!」

 

 

 ギンガは雷の渦を電撃光線・ギンガサンダーボルトに変えて投げつける! 電撃光線を浴びたキングギドラはダメージを受ける。

 

 

 その隙にビクトリーはキングギドラの胸部を蹴りつけ、その反動を活かして跳躍して宙返りを始める。

 

 

 ショウ「ビクトリウムエスペシャリー!」

 

 

 ビクトリーは宙返りしながら、全身のクリスタルから光の光弾・ビクトリウムエスペシャリーを発射し、それを受けたキングギドラは更にダメージを受ける。

 

 その後、和寿、マサトが右側、ユウジ、タカオが左側とそれぞれ攻撃し始める。

 

 

 ショウ「俺たちは限界を超える…例えどんな奴が相手でも!」

 

 ヒカル「ああ、その証拠として、今から俺たちの本領を見せてやる!」

 

 ヒカル・ショウ「見せてやるぜ!俺たちの絆!!」

 

 ヒカルは左腕のウルトラフュージョンブレスのレリーフを回転させて変身モードに変える。

 

 ヒカル・ショウ「ウルトラタッチ!!」

 

 二人は向かい合うようにジャンプし、ヒカルは左腕を突き出し、ショウはビクトリーランサーでフュージョンブレスにタッチする。

 

 ヒカル「ギンガー!」 ショウ「ビクトリー!」

 

 二人は叫びと共に、眩い光に包まれる。 今こそ、ギンガとビクトリーがフュージョンする時である!

 

 

 ………だが、二人が合体するまでにはタイムラグがあった………!その隙を突いて、中央の首が二人目掛けて引力光線を発射しようと溜め始める………!

 

 

 斎木「はっ………危ないっ!」

 

 

 和寿は咄嗟に、右側の首への攻撃を止め、なんとキングギドラの真正面に回り込み始める!

 

 

 マサト「………ッ、隊長!?」

 

 ユウジ「無茶ッスよ!」

 

 引力光線を溜める中央の首の真正面に回り込んだ和寿の機体は、旋回しながら機体の正面を向ける。

 

 そして、ミサイルを乱射し始めるが、被爆しても引力光線の溜めが止まらない………!

 

 恐らく、渾身の光線を放とうとしており、それにより相当な量のエネルギーを溜めているのであろう。

 

 斎木「うおおおおあああぁぁぁー!!」

 

 それでもなお、和寿は気合の叫びを上げながら攻撃の手を緩めない。 まもなく光線は発射されそうである!

 

 タカオ「引いてください!このままでは命が危ないですよ!」

 

 だが、キングギドラ討伐に燃える不屈の男は諦めない………!

 

 

 斎木「うおああぁぁ!!………止めるものか!………これによって、二人(ギンガとビクトリー)の勝利に貢献できるのなら!………………

 

 またこれにより、俺とハルちゃんの思い出の場所(石狩)も、、、守れるのなら!………………

 

 死など怖くないっっっ!!  うおあああああぁぁぁぁ………………!!」

 

 

 和寿は、多くの人々を、そして、自分と春菜の思い出の場所を守るために、命を投げ出す覚悟を決めて捨て身の攻撃を続ける!

 

 

 ………そして!

 

 

 

 “ズビュビュビュビュビュビュ………”

 

 

 

 “ズドガーン”

 

 

 

 マサト・ユウジ・タカオ「!!!!!!」

 

 

 ………遂に、無情にも、中央の首の引力光線が発射され、それをモロ喰らった和寿の機体は、大爆発して大破してしまった………………!

 

 それにより、和寿の気合の叫びもフェードアウトするように消えた………。

 

 

 タカオ「おいマジかよ………。」 ユウジ「ウソでしょ!?」 マサト「キャプテーン!!」

 

 

 仲間たちは、和寿が死んだと思って唖然とし、絶望に打ちひしがれそうになっている………。

 

 

 キングギドラも、和寿の機体が爆発した際の爆風を見つめ、やがて完全に破壊したと思ったのか、誇らしく雄たけびを上げる………。

 

 

 と、その時!

 

 

 “バゴンッ”

 

 

 突如、爆風の中から光の拳が飛び出し、それをモロ胸部に喰らったキングギドラは吹っ飛んで地面に落下する。

 

 

 マサト・ユウジ・タカオ「!!?」

 

 

 絶望しかけたマサトたちも、その光景に驚く。

 

 

 すると、爆風は内部から突風のような光により一瞬で消し飛ばされる!

 

 

 そしてその中から、身体に纏っていた光を消滅させて『ウルトラマンギンガビクトリー』が姿を現す!

 

 

 和寿の捨て身の援護の甲斐もあり、ギンガとビクトリーはフュージョンを無事完了したのだ!

 

 

 ギンガビクトリーは起き上るキングギドラを見つめながら拳を強く握る。その様子はまるで静かな怒りを表している様である。

 

 ショウ「彼(和寿)の想い………無駄にしないぜ!」

 

 ヒカル「俺たちも…彼も………守るべき人がいるから………そして、共に戦う仲間がいるから、強くあれる!

 

 今から、その共に戦う仲間たちも力を、喰らわせてやるぜ!」

 

 

 ヒカルはフュージョンブレスを必殺技モードに変えてディスクを回転させてスイッチを止める。

 

 

 ディスクには、彼らと共に戦う仲間の一人。優しさと強さを兼ね備えた慈愛の勇士・ウルトラマンコスモス(ルナモード)の顔が映し出される!

 

 ヒカル・ショウ「ウルトラマンコスモスの力よ!」

 

 二人の掛け声と共に、ギンガビクトリーの隣にウルトラマンコスモス(エクリプスモード)の姿が浮かび上がる。

 

 ギンガとビクトリーはコスモスのビジョンと重なりながら、腕をクロスさせてエネルギーを溜め、右腕を突き出す!

 

 ヒカル・ショウ「コズミューム光線!!」

 

 ギンガとビクトリーは、突き出した右腕からコスモス(エクリプスモード)最強の必殺技・コズミューム光線を発射する!

 

 キングギドラは光線をモロ胴体に喰らい、そのまま光線に押されて吹っ飛び岩山に激突して爆発する!

 

 

 だが、キングギドラはそれでも怯まず爆風の中から飛び出して低空飛行でギンガビクトリーに体当たりを仕掛ける!

 

 

 ヒカルは再びディスクを回転させてスイッチを止める。

 

 今度はディスクには、同じく彼らと共に戦う仲間の一人。あらゆる宇宙で仲間と共に戦い、若き最強戦士として成長した、そして何よりウルトラセブンの息子である戦士・ウルトラマンゼロの顔が映し出される!

 

 ヒカル・ショウ「ウルトラマンゼロの力よ!」

 

 

 一方のバスコと戦うゼロも、バスコをアウトローな前蹴りで吹っ飛ばすと体制を整える。

 

 

 ゼロ・ヒカル・ショウ「ワイドゼロショット(ォォォ)!!」

 

 

 ゼロとギンガビクトリーは、それぞれ違う場所で戦っていながらもまるでシンクロしてるかのように左腕を水平に伸ばした後L字に組んで協力光線・ワイドゼロショットを発射する!

 

 

 ギンガビクトリーはキングギドラの低空飛行アタックを跳躍して避けると同時にゼロのビジョンと重なりながらワイドゼロショットを発射して背部に命中させて墜落させ、ゼロはワイドゼロショットをバスコの胸部に当てて爆発させて吹っ飛ばすことでダメージを与える。

 

 

 バスコはよろけながらも立ち上がるが、いつの間にか真ん前まで来ていたゼロに右肘を首に打ち付けられそのまま崖まで押されて叩きつけられる。

 

 すると、ゼロはまたしても櫂の意識で語り出す。

 

 

 ゼロ「貴様は悪すぎた。………………生まれ変わったら、良い奴になれ………もし悪い奴に生まれ変わっちまったなら、………その時は俺みたいになればいいんだよ………。」

 

 

 どこか落ち着いた口調で恐ろしい事を語るゼロにバスコはゾワつく。

 

 ゼロは口が悪いのは知っていたが、どこか不気味な事を言った事が無かったのでちょっとした動揺も感じているのだ。

 

 最も、櫂の恐ろしい本性で話しているのだから………。

 

 

 ゼロは横蹴りでバスコを吹っ飛ばし、更に攻撃を加えようと掛かって行く………勝負はもう着きそうな感じであった………………。

 

 

 

 ギンガビクトリーもキングギドラと対峙する。

 

 ヒカル「今のお前の相手は、俺たちだけじゃないぜ!」

 

 ショウ「愛する者との思い出のために、死をも覚悟した彼も今、俺たちと共に戦ってるのだ!」

 

 

 ヒカルとショウはそういうと後ろを振り向く。

 

 なんと彼らの後ろには、ボロボロの姿で横たわっている和寿の姿があったのだ!

 

 

 実は、和寿の捨て身の機体に引力光線が発射され始めた頃にちょうどギンガビクトリーへのフュージョンが完了したため、すぐさま光の速さで接近する事で、機体が爆発し始めた瞬間に辛うじて和寿だけ救う事に成功したのである。

 

 そして、気を失った和寿を、ギンガビクトリーの中の光の空間に寝かしているのである。

 

 だが、ヒカルとショウは微かに感じていた。

 

 例え気を失っていても、彼は今も闘志を持っている事を………そう、和寿は今でもヒカル達と共に戦っており、所謂今回は二人ではない。三人でのギンガビクトリーなのだ!

 

 ヒカル「………共にキングギドラを倒そうぜ………斎木さん………。」

 

 

 和寿と自分たちが繋がっていることを確信したヒカルとショウは、再び前を向き構える。

 

 ショウ「今回のギンガビクトリーはいつもと一、二味も違う。 行くぞっ!」

 

 ヒカル「お前が不幸にした人々………そして、彼(和寿)と彼女(春菜)分の怒りも喰らいやがれっっっ!!」

 

 

 (BGM:英雄の詩 full)

 

 

その隙にギンガビクトリーは構えを取ると、キングギドラ向かって駆け寄り始める。

 

 

 ユウジ「俺たちも、キャプテンの努力を無駄にしない!」

 

 タカオ「行くぞっ!」

 

 マサト、ユウジ、タカオも全力で飛び回りながらキングギドラにミサイル攻撃を連射して攻撃していく。

 

 

 駆け寄るギンガビクトリーは、キングギドラの三つ首の頭突きをチョップ、膝蹴りなどで弾き返しながら接近し掴みかかり、そのまま超パワーで押し出して岩山に叩き付ける!

 

 その後、腹部に右肘を一撃食らわせた後、三つ首の頭突きをことごとく避けながら右腕で中央、左側の首、左肘で右側の首を抑え込み、再び岩山に叩きつけ動きを止める。

 

 そして、ギンガビクトリーはキングギドラの腹部に右膝蹴りを連発し始める。

 

 激しい力によるものか、周りに土砂や土煙が巻き上がる中、二発、三発、四発………遂には十発撃ち込んだ後、一旦両腕を離して両拳同時のパンチ・ギンガビクトリーハイパーパンチを腹部に叩き込む!

 

 パンチと共に打ち込まれた凄まじいエネルギーにより、キングギドラはすぐ後ろの岩山を破壊しながら吹っ飛び地面に落下する。

 

 

 《ウルトランス!シェパードンセイバー!》

 

 

 ショウはビクトリーランサーにかつての戦友・地底聖獣シェパードンのクリスタルスパークドールズをリードする。

 

 そしてギンガビクトリーは地面から引き抜く様にシェパードンセイバーを取り出し、更にはギンガスパークランスを左手に取って、変則的な二刀流で駆け寄る!

 

 接近すると同時に左手でギンガスパークランスを回しながら光を纏った打撃を連打し、その後シェパードンセイバーで左右袈裟懸け、回転しながらの横一直線の斬撃を浴びせる!

 

 打撃や斬撃が炸裂する度に、その部位に爆発が起こる。

 

 ギンガビクトリーは前蹴りをキングギドラの腹部に打ち込み、その反動で後ろに跳び始める。

 

 

 ヒカル・ショウ「シェパードンセイバーフラーッシュ!!」

 

 

 ギンガビクトリーは後ろ向きに跳びながらシェパードンセイバーをV字に振るい、V字型の光弾を発射するシェパードンセイバーフラッシュを発動する!

 

 巨大なV字型の光弾はキングギドラの胴体に直撃し、大爆発を起こし大ダメージを与える。

 

 ギンガビクトリーはなおも槍と剣の二刀流を駆使した斬撃を加えていく。

 

 

 ヒカルとショウ、そして和寿が一つになったギンガビクトリーは、そのいつも以上の圧倒的な力で残虐な怪獣キングギドラを圧倒していく………!

 

 

 一方のゼロ対バスコの戦い。

 

 両者は互いに雄たけびを上げながら駆け寄る。

 

 そして、互いに駆け寄りながらバスコは自棄糞気味でテロファイヤーを連発し、ゼロはそれをゼロスラッガーで弾きながら走り続ける。

 

 

 そして遂に、両者はすれ違い、それと同時にゼロの渾身の斬撃・ゼロスラッガーアタックが決まった!

 

 すれ違った両者は止まって数秒静止する………。

 

 そしてやがて、バスコは身体の各部から火花を散らしながらもがき始める。

 

 バスコ「まっ………まさかゼロたちウルトラ戦士共ではなく………このバスコ様の最期が来るとは~~~!!

 

 ぐおォォあああぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 “ドガーン”

 

 バスコはしばらく火花を散らした後、身体を発光させて大爆発! 完全に消し飛んだ。

 

 激しい激闘の末、バスコを撃破したゼロは大きな爆発を背に雄々しく立つ………だが、その様子はいつもと違い、どこか哀愁さも感じるものになっていた………。

 

 ゼロ「………決まったぜ………………。」

 

 見守っていた真美たちは喜び合う。春菜もその内に入ってるのだが、例の件もあり、どこか固い笑顔であった………………。

 

 

 

 《ウルトランス!グドンウィップ!》

 

 

 ギンガビクトリーは今度はウルトランスで右腕を地底怪獣グドンの鞭・グドンウィップに変形させる。

 

 そして激しい打撃の雨あられを浴びせた後、鞭で三つ首を束ねて締め上げると、そのままキングギドラを引き寄せてカウンターのような左拳を胸部に打ち込み、更にもう一発思い左拳を腹部に叩き込んだ後腹部に左横蹴りを打ち込む。

 

 

 《ウルトランス!ハイパーゼットンシザーズ!》

 

 

 今度は右腕を宇宙恐竜ハイパーゼットン(イマーゴ)の腕・ハイパーゼットンシザーズに変形させ、暗黒火球を纏ったパンチを叩き込んで吹っ飛ばす!

 

 キングギドラは岩山をいくつか破壊しながら吹っ飛んだ後地面に落下する。

 

 

 だが、相当なダメージを受けてるはずのキングギドラはなおも立ち上がる。どこまでタフな奴なのであろうか。

 

 

 ヒカル「お前は殺戮のために何度も立ち上がる………

 

 だが俺たちは、平和や人々の笑顔、そして守るべき人や仲間たちのために何度も立ち上がる!

 

 だから!お前には絶対に負けない!」

 

 

 ヒカル・ショウ「ウルトラマンネクサスの力よ!」

 

 

 ヒカルとショウは、離れていても勝利を信じる仲間たちとの絆を込めてウルトラマンネクサスの力を発動させる!

 

 

 ヒカル・ショウ「クロスレイ・シュトローム!!」

 

 

 ギンガビクトリーはキングギドラの一斉引力光線を横に跳んで避けると同時に、ウルトラマンネクサス(アンファンス)のビジョンと重なりながら腕を十字に組んでクロスレイ・シュトロームを放つ!

 

 必殺光線はキングギドラの左側の首に直撃!左側の首は爆発と共に金の粉の様な物を散らしながら吹き飛んだ!

 

 首を一つ失ったキングギドラは混乱を始める。

 

 

 ヒカル「未来のため、どこまでも力は込み上がる!」

 

 

 ヒカル・ショウ「ウルトラマンマックスの力よ!」

 

 

 今度は、自分と愛する者たちの未来を掴むために湧き上がる力を込めてウルトラマンマックスの力を発動させる!

 

 ヒカル・ショウ「マクシウムカノン!!」

 

 

 ギンガビクトリーはマックスのビジョンと重なりながら、左手を上に挙げて光を集中し、腕を逆L字に組んでマクシウムカノンを発射する!

 

 七色の最強光線はキングギドラの右側の首に直撃し、跡形も無く粉々に吹き飛ばした!

 

 

 首を二つ失い中央の首だけとなったキングギドラは、怒り狂ったのか空高く飛び上がり、そして急降下しながら引力光線を乱射し始める!

 

 だが、それにより周りの地面に光線が直撃し爆発が連続する中でもギンガビクトリーは怯まない。

 

 

 ヒカル「そして………必ず生きて帰るという約束を果たすために!」

 

 

 ヒカル・ショウ「ウルトラマンメビウスの力よ!」

 

 

 そして今度は、自分達と櫂達、そして和寿と春菜の「必ず生きて帰る。」という約束への想いを込めてウルトラマンメビウスの力を発動させる!

 

 

 ヒカル・ショウ「メビュームバースト!!」

 

 

 ギンガビクトリーはウルトラマンメビウス(バーニングブレイブ)のビジョンと重なりながら、両腕を広げた後拳を胸部に寄せることで炎のエネルギーを胸の部分に発生させて、メビュームバーストを上空のキングギドラ目掛けて放つ!

 

 巨大な火球はキングギドラを包むように直撃、そしてキングギドラは大爆発し、若干燃え上がりながら地面に落下した。

 

 

 ギンガビクトリーの猛攻、そして必殺技の連続を受けたキングギドラはもうかなり劣勢となっていた。

 

 そしてふらつきながらも立ち上がった後、不利と見たのかそれとも戦意消失したのか、大きく羽根を羽ばたかせて空の彼方へ飛び始める。

 

 宇宙へと逃げるつもりだ!

 

 

 ヒカル・ショウ「逃がすかあ!!」

 

 

 ギンガビクトリーも飛んでそれを追いかけ始める。

 

 

 マサト「……あとは、任せたぜ。 ウルトラマン。」

 

 マサトたちは後をギンガビクトリーに任せ、空の彼方へ飛んでいくキングギドラと、それを追うギンガビクトリーを見上げていた………。

 

 

 そして両者はついに宇宙空間にたどり着く!

 

 

 キングギドラはギンガビクトリーの追跡に気付いたのか止まって振り向き、ギンガビクトリーも静止する。

 

 

 ヒカル「俺たちはこれだけの想いを持って戦っているんだ。………破壊しか目的としていないお前なんかが、俺たちの絆に叶うわけないんだ!」

 

 ヒカルはフュージョンブレスのスイッチを押し、ウルトラ10勇士の力を結集させる。

 

 今こそ、長年に渡って人々の幸せを奪った悪魔の怪獣にトドメを刺す時だ!

 

 

 ヒカル・ショウ「受けてみろ!人間とウルトラマンの力を!」

 

 

 眩い光と共に、ギンガビクトリーの周囲にティガ、ダイナ、ガイア、コスモス、ネクサス、マックス、メビウス、ゼロの姿が現れる。

 

 

 ヒカル・ショウ「ウルトラフュージョンシュート!!」

 

 

 ギンガビクトリーは8人のウルトラ戦士のビジョンと一斉に重なりながら腕を十字に組み、ウルトラ十勇士の力を結集させた最強光線・ウルトラフュージョンシュートを放つ!

 

 

 最強光線はキングギドラを直撃し始め、キングギドラはもがき苦しみ始める。

 

 

 ヒカル・ショウ「うおおおおあああぁぁ………!!」

 

 

 ヒカルとショウが更に力を込めることで光線の太さ、威力も増大していく………。

 

 

 “ズドガガーーーーーン”

 

 

 遂に、長年に渡って人々の幸せを奪って来た怪獣・キングギドラは、炎の輪っかのような光を広げながら大爆発を起こし、跡形も無く消し飛んだ!

 

 

 その大爆発は地球からも見え、それを見た櫂たちは、ギンガとビクトリーの勝利を確信し喜び合う。

 

 海羽は嬉しさの余り泣き崩れ、真美はそれを宥め、カイたちも笑顔で見つめ合う。

 

 変身を解いていた櫂も、嬉しそうな表情で上空を見上げた。 ひっそりと不敵な笑みを浮かべながら………………。

 

 

 キングギドラを撃破したギンガビクトリーもそれに気づいたのか、地球の方を振り向きサムズアップを決めた。

 

 

 ウルトラ戦士、そして最後まで絆を信じた人間たちが今、悪魔の大怪獣に大勝利した瞬間である!

 

 

 地球に帰って行くギンガビクトリー。それを遠くの宇宙空間から見つめている二人の宇宙人がいた。

 

 一人は、ウルトラマンたちと戦った宇宙忍者バルタン星人の同族であり息子にあたり、黒を基調に金や銀が散りばめられた配色が特徴の『宇宙忍者バルタン星人Jr』、

 

 もう一人は、バルタン星人をゆるキャラのようにデフォルメしたような外見が特徴の『チャイルドバルタン』である。

 

 

 それぞれかつて現れた別個体が、別次元に現れたバルタン星人の子供であるため、兄弟関係なのか友達関係なのかは不明だが、二人仲良く一緒に地球に戻って行くギンガビクトリーを見つめていた。

 

 

 バルタンJr「はぁ………ウルトラマンも段々と変わって来てるね。」

 

 チャイルド「そうだね。にしても、この地球には複数のウルトラマンが集まってるらしいけど、何かあるのかな?」

 

 バルタンJr「きっと新しい侵略者か何かだよ。 僕ちんたちも負けてられないね。

 

 僕ちんたちバルタン星人とウルトラ戦士たちの勝負も、まだ“一回の表”なのだから………

 

 さ、帰ろ。マミーがご飯作って待ってる。」

 

 チャイルド「うん、帰ろう。」

 

 そう言うとバルタン星人Jrとチャイルドバルタンは何処か(おそらく彼らの家)へ去って行った。

 

 先ほどの会話のやり取りからして、彼らはもしかしたら兄弟なのかもしれない………………?

 

 

 

 櫂たちは、激戦を制して帰ってきたヒカル、ショウ、そして和寿を出迎えた。

 

 横一列に並んで歩いて来る彼らの姿は、正に戦場から帰ってきた戦士そのものの様であった。

 

 

 カイとジャックはヒカルとショウの元へ歩み寄る。

 

 ジャック「………よくやったな、君達。」

 

 カイ「(拳を突き付けて)お互い雪辱が果たせて良かったな!」

 

 ショウ「離れていても、あなた達先輩方と仲間たちを近くに感じていました。」

 

 ヒカル「だから諦めず戦い抜けたんです。」

 

 四人は笑顔で見つめ合った。

 

 

 そして、春菜は和寿の元へと歩み寄る。

 

 春菜「………………約束………守ってくれたね。」

 

 斎木「………ハルちゃんが、本当の強さを気付かせてくれた………だから、仲間と共に勝つことが出来たんだ。」

 

 春菜は嬉しそうな笑顔を浮かべた後、和寿のボロボロの姿を見て苦笑いを始める。

 

 春菜「その恰好………また無茶したんでしょ?」

 

 斎木「あ、あはは、ちょっとな。」

 

 和寿と春菜は楽しそうに笑い合った。

 

 

 その様子を櫂と真美、海羽は見つめていた。

 

 真美「良かったね。あの二人(和寿と春菜)に更なる絆が生まれたみたいで。」

 

 海羽「ほんっと、感激~!」

 

 櫂「ああ。そうだな………(小声で)まるで俺と真美みたいに………。」

 

 真美「ん?何か言った?櫂君。」

 

 櫂「え?い、いや、良かったな~って。」

 

 真美「………(笑顔で)そうだね。」

 

 櫂と真美は笑顔で見つめ合う。

 

 

 櫂と真美、和寿と春菜………この二組の男女はどこか似ているのだが、ただ一つ、男側の性格に明らかな違いがあるという所は言うまでもないであろう………………。

 

 

 

 

 そして夕方頃、春菜は石狩に戻り、災害ボランティア研修に復帰する事にした。

 

 櫂たちは空港でそんな春菜を見送ることにした。

 

 そして、春菜の出発と共に和寿もマサトたちと戦闘機で出発する事にした。

 

 和寿の機体はキングギドラとの戦いで大破したため、和寿はマサトの機体に一緒に乗る事にした。

 

 

 真美と春菜は別れの握手を交わす。

 

 春菜「じゃあ、元気でね。まみたん。」

 

 真美「うん。ハルちゃんも、研修頑張ってね。」

 

 春菜「まみたんも医療ボランティア頑張って………たまには心を鬼にしてみてね。」

 

 真美「ハルちゃんも、時々肩の力を抜くのを忘れずにね。」

 

 櫂たちは、笑顔で見つめ合う春菜と真美と見つめていた。

 

 春菜「出発までまだ一時間もあるわ。ちょっとトイレ行って来るね。」

 

 春菜はトイレへと向かって行った。

 

 

 ヒカルとショウは和寿に別れの挨拶をしていた。

 

 斎木「ありがとう………君たちのおかげで、憎き奴をやっつけられた。」

 

 ヒカル「いえ、俺たちも、斎木さんの諦めない姿勢に心を打たれました。今後はより気を引き締めて頑張って行こうと思います。ですので、斎木さんたちも頑張ってください。」

 

 斎木「ははは………ところで、ジャックは?」

 

 ショウ「カイとともに旅立って行きました。「しばらくは心友同士で地球各地を探索していく。」と。

 

 恐らく貴方の成長を認めたんでしょうね。」

 

 斎木「………あいつ………水臭い所もあるんだな………。」

 

 

 

 ジャック「へくしゅ!?」

 

 カイ「?大丈夫か?」

 

 ジャック「ああ。誰か私を噂してるみたいだ。

 

 恐らく、あの男であろう。」

 

 カイ「ああ。しかしいいのか?彼に挨拶一つしないで。」

 

 ジャック「私は彼の成長を見届けた………。だから、もう大丈夫であろう。」

 

 カイ「………それもそうだな。」

 

 

 

 斎木「ま、あいつから気付かされた事を大事に、今後も仲間と頑張っていくよ。」

 

 ヒカル「頑張ってください!」

 

 和寿とヒカル、ショウは拳を交わした。

 

 

 ユウジ「そろそろ準備しましょうよキャプテーン!」

 

 タカオ「まずは基地に戻って機体修理ですね。」

 

 マサト「俺たちも手伝うぜ。」

 

 和寿「おう!」

 

 

 

 ………だがその頃、女子トイレに行っていた春菜はというと………。

 

 彼女がトイレから出た瞬間………、

 

 そこに櫂が待ち伏せしていた………………!

 

 春菜「………!………こ、今度は何?」

 

 春菜は少しビビりつつも問いかける。

 

 櫂はまたしても、険しい表情でどこか落ち着いた口調で言い始める。

 

 櫂「君はまだ分かってないなぁ………真美が心を鬼にできるわけないだろ?

 

 彼女は少しでも子供を泣かせただけで罪悪感を感じるほどなんだから………。

 

 優しさを捨てるとは、彼女にとってアイデンティティーを捨てるようなもんだっつってんだろ?」

 

 春菜「…ッ、アンタねえ!………」

 

 櫂「おーっと!俺に反発してみろ!」

 

 櫂はそう言うと、再びウルティメイトブレスレットから強引にウルトラゼロアイを出現させる………!

 

 ゼロ「………くっ!、櫂、貴様~………。」

 

 完全なる脅しに春菜はふと動きが止まる。

 

 

 櫂「………忘れるなよ?………今君が生きていられるのは、誰のおかげかなぁ?」

 

 

 春菜はまたしても、櫂の恐ろしい本性を目の当たりにして固まってしまった。

 

 櫂「あまり俺を不快にさせない方がいいぜぇ………立場も考えて………じゃないとこのゼロの力で痛い目に合わせるぞ?

 

 いざと言う時はこの力であっという間に石狩まで飛ぶことも出来るんだぜぇ?」

 

 ………もはやここまでくると狂気すら感じるものである。

 

 櫂「言っとくが、向こうに戻った隙に携帯とかで真美に俺の本性をばらすんじゃねーぞ?」

 

 そう言うと櫂はスマホを取り出し春菜にあるページを見せる。

 

 なんとそれは電話帳で、『笹崎春菜』の番号が新しく登録されていたのだ!

 

 それを見た春菜は驚愕する。

 

 櫂「真美に教えてもらって登録したのさ。 今や俺はお前の番号を所持している………毎日嫌味な電話をかけられたくなかったら、この事を真美にばらさない事だな?

 

 じゃないと、今日晩から毎日、お前に嫌味な電話をかけるぞ?それでもいいのか?ええ?」

 

 ………春菜はもはや、どうしようもない状態にまで追い込まれてしまった………………。

 

 

 

 そして少し後、櫂と春菜はトイレから戻り真美達と合流する。

 

 春菜は出発の準備を改め、櫂たちに別れの挨拶をする。

 

 ………そして最後にこう呟いた。

 

 

 春菜「ヒカル君、ショウ君、…そしてカズ君………ありがとう………思い出の場所から、トラウマを消してくれて。」

 

 

 ヒカルとショウはサムズアップをし、和寿は少し照れくさそうに頷いた。

 

 斎木「………またいつか会おうな。」

 

 春菜「うん! まみたんも………元気でね。」

 

 真美「うん…ハルちゃんもね。」

 

 

 春菜はやがて、櫂たちに笑顔で手を振りながら飛行機の入り口の方へと歩き去って行った………。

 

 最も、春菜はその最中にひっそりと櫂の方を向いて舌打ちをしたのだが………。

 

 

 和寿「よし!それじゃあ俺達も行きますか!」

 

 マサト・ユウジ・タカオ「おう!」

 

 和寿たちもそれに合わせるように各戦闘機に乗り込んでいく。

 

 

 やがて、和寿たちの戦闘機と、春菜を乗せた飛行機が離陸し飛び始め、櫂たちはそれを空港の外で手を振って見送った………。

 

 

 海羽「………行っちゃったね。」

 

 真美「うん………。」

 

 海羽「今後大丈夫かなあ?斎木さんも春菜さんも…。」

 

 真美「きっと大丈夫だよ。 二人とも、自分の欠点に気付けたんだから………まあ、私が言う事でもないけどね。」

 

 海羽「………そうだね。それに二人ともより仲も深まったみたいだし、やっぱ愛し合う男女の絆は強いモノだね。」

 

 真美「(笑顔)そうね。」

 

 

 櫂も見えなくなるまで飛んで行く機体を見送っていた。

 

 だが、そんな中笑顔で語り合う真美と海羽を見てひっそりと不敵な笑みに変わる。

 

 

 櫂(フッ………その通りだ………俺と真美の絆もあいつらなんかより強い………

 

 真美のためなら、ゼロの力で何だってやってやるつもりだからなぁ………。)

 

 

 ゼロ(まさかこんな最悪な事になっちまうとはなぁ………早いとこ悪どもを殲滅して、こいつの身体から離れる様にならないと………。)

 

 

 今一心同体となっている二人はやや気まずくなりつつある………。

 

 今後の彼らの戦いはどうなってしまうのであろうか………?

 

 今は見守っておこう。しかし、過酷になるのは間違いないであろう………。

 

 

 

 [エピローグ]

 

 旅立って行く和寿と春菜を見送ったヒカルとショウは、空港の屋上で夕日を見つめていた………。

 

 

 ヒカル「綺麗な夕焼けだな………この夕焼けがこれからも続くように………守って行こうぜ。この地球を。」

 

 ショウ「ああ。櫂たちも多分そう思ってるはずだ。」

 

 

 ヒカルとショウが語り合っていたその時、

 

 突然ヒカルは目の前が光ったかと思うと、いつの間にか白い空間に立っており、そして自身の前にはギンガが立っていた。

 

 ギンガは何やらヒカルに話があるようだ。

 

 

 ヒカル「………どうしたんだ?ギンガ。」

 

 ギンガ「今、私たちと共にゼロとなって戦っている青年がいるだろ?」

 

 ヒカル「………櫂さんの事か? それがどうかしたのか?」

 

 ギンガ「今後彼と戦う時は、注意をした方がいい。」

 

 ヒカル「!?どういう事なんだ?」

 

 

 だが、ギンガはそれ以上は語らずに白い空間は消滅し、ヒカルは元の場所に戻る。

 

 

 ヒカル「今後櫂さんと戦う時は注意だと?………ギンガは一体何が言いたかったんだ………?」

 

 

 ヒカルはギンガが言った事の意味がまだ分からずにいた………………。

 

 

 To Be Continued………。

 

 

 (ED:ウルトラマンビクトリー/ウルトラマンギンガの歌)




 読んでいただきありがとうございます!

 いかがでしたか?

 今回はゼロと櫂が現時点ちょっと気まずいだけあって、ヒカルとショウが完全に主人公してましたね(笑)

 パワード&グレートの“海外コンビ”とコスモス&ソルの“慈愛コンビ”は一度書いてみたかったのでそこら辺は私としては良かったと思います(笑)

 また、今回のキングギドラの描写はもしかしたら思い入れの強い方には受け入れがたいと思いますが、私が作った新しいキングギドラ像として見ていただければ幸いです(笑)

 また、今回はギンガとビクトリーがメインということで、クライマックスはウルトラ十勇士も若干意識しています!

 さて、遂に櫂君の恐ろしい本性を知ってしまったゼロ。

 彼の戦いは遂に“レッドゾーン(危険区域)”になってしまうのでしょうか!?

 今後の展開にも注目です!

 感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています。
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