ウルトラマンゼロ物語(ストーリー) in RED ZONE STAGE   作:剣音レツ

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 新話完成です。

 今回は気分的にサブタイトルを仮面ライダーオーズっぽくしてみました(笑)


 今回、櫂君が更に偉い事になってしまいます汗(笑)


 また、新たな敵も登場します!


 注:一部ショッキングな描写があります。


第23話「憎悪と優しさと時空の使者」

 (OP:英雄の詩)

 

 

 地球と月の間に浮遊する宇宙人達の拠点でもある宇宙船・テライズグレートでは、アクマニヤ星人にテロリスト星人バスコと、幹部宇宙人を一気に二人も失った事に皆動揺し、次はどう攻めようかと練っている最中であった。

 

 

 ガスト「奴らア、ますます強くなってやがってないか?こりゃあマズいかもしれないぜ?」

 

 ゲドー「こうなれば俺様の相棒怪獣の残りの二体と一気に攻めるしかないのだろうか………?」

 

 

 ブラック指令ガスト、ナックル星人ゲドーが頭をひねっていたその時、メフィラス星人キョウは言い出す。

 

 キョウ「僕に考えがあるんだ。」

 

 策士であるキョウは、早くも何やらいい策を思いついた様子である。

 

 ガスト「?何だ?」

 

 キョウ「それは見てのお楽しみさ。ふふふ…。」

 

 

 そう言うとキョウは、今度は椅子に座る桜井敏樹の方を振り向く。

 

 キョウ「それには………貴方の協力も必要なのです。どうかお願いいたします。」

 

 敏樹「ほう………何かいい策でも思いついたのか?」

 

 

 果たしてキョウの今度の作戦とは………………?

 

 

 

 テラ軍の幹部宇宙人・テロリスト星人バスコの総攻撃との壮絶な死闘を制して翌日の8月9日。

 

 

 この日、竜野櫂と新田真美は朝から図書館に来ていた。

 

 なぜかと言うと、彼らはそれぞれ所属学科で夏休みの研究課題を出されていたため、その素材収集&まとめをするためである。

 

 

 櫂は工学部、真美は医学部での自分のテーマを決め、研究課題を進め出来たら終わらせる日にしたのである。

 

 

 万が一怪獣などが現れた時の為に、この日はショウと春野ムサシを霞ヶ崎の街に、礼堂ヒカルと眞鍋海羽を露金渓谷の近くの村『八幡那須岳村』にとそれぞれ偵察を任せることにした。

 

 

 

 夏休みだけあり、人も多くクーラーの効いた図書館で、二人は学科違いと言えど、時に相談し合いながらも順調に課題の素材収集を進めていた。

 

 まだ朝の九時。図書館が開いて1時間しか経ってないにもかかわらず、流石は学園トップの二人だけあって、早くもかなりの素材をコピー、ノートに書き写すなどして集めており、二人は既に昼過ぎまで働いたかのような達成感を感じ始めていた。

 

 

 真美「(満面の笑みで)だいぶ資料集まって来たね。」

 

 櫂「ああ、そろそろ本格的に取り掛かれるかな?」

 

 真美「あ、私もうちょっと医療関係の本見て来るけどいい?」

 

 櫂「おお。見て来いよ。」

 

 真美「えへへ、ごめんね。すぐ戻って来るから。」

 

 

 良い感じに楽しそうな櫂と真美。櫂の左腕のウルティメイトブレスレットに宿るウルトラマンゼロは、少し不安も感じながらその光景を見つめていた。

 

 ………そう、ゼロは既に、櫂の恐ろしい“本性”を知ってしまってるのだから………。

 

 

 ゼロ(櫂のヤツ………今日は良い感じだな。このまま何も起こらなければいいんだが………。)

 

 

 真美が医療関係の本を見に行こうとしたその時、

 

 

 ???「ぎゃはははははははは!」

 

 櫂・真美「!!?」

 

 突如、図書館にもかかわらず何処からか若者たちの大きな話し声や笑い声が聞こえ始め驚く。

 

 たまに図書館などの公共の場で、このようなマナーの悪い若者たちはよく見かけるものだが、いざ目の当たりにすると、すごく迷惑で不愉快なモノである。

 

 

 その騒いでる集団は、男子3人、女子2人の見た感じ櫂たちと同じぐらいの若者たちであった。

 

 男A「それ本当かよ!!?マジヤベーじゃん!!」

 

 女A「そうよ!はっはっは!だから言ってやったのよ!「それは私だ」ってね!!」

 

 5人「ぎゃはははははははは!!」

 

 

 5人のバカ騒ぎは絶え間なく続いていた。

 

 櫂はそんな彼らを迷惑に感じながらも、その内図書館のスタッフが注意するだろうと放っておくことにした。

 

 櫂が再び作業に取り掛かろうとしたその時!

 

 

 女B「………何よ?何か用?」

 

 男B「俺たちが迷惑だって?」

 

 例の集団が誰かに言い返す声が聞こえ、櫂は再び振り向く。

 

 最初は図書館のスタッフだと思っていたが、振り向いた瞬間櫂は驚いた!

 

 

 なんと、その若者たちに注意しているのは真美ではないか!?

 

 

 真美は困ってる人に限らず、こういった人間も放っておけないのであろうか………?

 

 櫂は驚きながらも、集団に注意する真美を見つめ始める。

 

 

 男C「騒ぐなら外でやれってかぁ!?」

 

 真美「うん。ここは公共の場だよ? 外の方が、自由にできると思うわ。 いったん外に出て、涼しい場所でも見つけて、そこで楽しく話し合うといいよ。」

 

 

 真美の説得はとても優しいものだった。

 

 決してきつい言い方をせず相手を諭せる真美はやはり素晴らしいと、櫂は見ていて改めて感じていた。

 

 

 男A「………とりあえず出るか。」

 

 女A「ええ、行きましょ。」

 

 ようやく真美の言う事を理解したのか、若者たちは荷物をまとめて図書館を後にしていった。

 

 

 因みにこの図書館には一応、普通の話し声で雑談などが出来る部屋・雑談室があるのだが、この部屋は櫂と真美のような二人組が入る様なスペースであるため、彼らのような集団には向いていないであろう。

 

 

 若者たちを見送った真美は、櫂の元へ戻る。

 

 真美「ふぅー…静かになったね。」

 

 櫂「ああ。じゃ、再び取り掛かりますか。」

 

 真美「ごめーん。その前に私、もっと多くの医療関係の本見たいから、一旦近くの書店に行こうと思ってるの。」

 

 櫂「そうか…じゃあ、その間俺はジュースとか適当に買って来るわ。 真美の差し入れの手作りサンドイッチも楽しみだしな。」

 

 真美「(笑顔で)櫂君ったら…じゃあ、一旦図書館を出よっか。」

 

 櫂「ああ、そうだな。俺、この本戻してから行くから、先に行ってても良いぜ。」

 

 真美「そう?じゃあ、行っておくね。」

 

 そう言うと真美は鞄を持って図書館を後にした。

 

 櫂は出していた工学関係の本を棚に戻してから、荷物をまとめて図書館を後にした。

 

 

 さて、真美のサンドイッチ楽しみだなあ……熱いし冷たい飲み物買って来るぞ……櫂が心を弾ませて図書館を出た、、、

 

 

 が、その時………

 

 

 女B「こいつ大学で上位だからって偉そうで、ウザいんだよね。」

 

 櫂「!!」

 

 突如、図書館を出てすぐの目の前の出来事に櫂は驚愕する………!

 

 

 そこには、先ほどの若者たちが真美を通せん坊して逆恨みとばかりに絡んでいるではないか!

 

 恐らく真美が図書館を出るのを外の図書館の門の日陰で待ち伏せしていたのであろう………。

 

 せっかく真美が愛情込めて注意したと言うのに…それに素直になるどころか逆恨みするなんて………………。

 

 

 櫂の中の何かが崩れ始める………………。

 

 

 若者たちに通せん坊され絡まれている真美は、動揺しながらもそこを急いで通り過ぎようとするが………

 

 

 女A「待ちな!」

 

 真美「きゃっ、」

 

 

 女子Aが行かせるかとばかりに真美の右腕を掴んで止め、その隙に女子Bが真美から鞄を奪い取る!

 

 そして鞄のチャックを開けてひっくり返し、中身を地面に落とし始めた!

 

 女B「外なら何やっても自由なんだよね?」

 

 真美「ちょ…やめて……やめてよー…」

 

 ひっくり返された鞄からは教材、そしてサンドイッチの入った弁当箱が全て地に落ち、それを見て嫌がる真美を女子が腕を掴んで抑え込む。

 

 

 男子三人はその光景を馬鹿にし笑いながら傍観者に徹している…!

 

 男C「ははははは!無様だな!」

 

 男B「いいぞやれやれー!」

 

 男A「相手がわるかったでちゅねお嬢ちゃ~ん…ぎゃははははは!」

 

 

 若者たちの完全なる逆恨みからの集団での陰湿な虐め行為………櫂はそれを呆気にとられる様な表情で見つめる………

 

 

 …そして、やがて櫂はどこか険しい表情になって真美をいじめる若者たちの元へ歩み寄り始める………。

 

 

 ゼロ「…おい?……おい櫂!?お前まさか………!?」

 

 ゼロは早くも不吉な物を感じ呼びかけるが、櫂は一向に返事をせず歩みを進める。

 

 

 やがて、男子三人が櫂に気付き、女子二人も櫂に気付いて真美への虐めを止める。

 

 男A「ああん?何だお前?」

 

 真美「櫂君………。」

 

 男B「(からかうように)へえ~彼女のお知り合いさん?」

 

 男C「あ~もしかして怒ってる? こりゃあ悪いことしちゃったかな~ははは………」

 

 

 歩み寄って来た櫂をからかいだす男子三人。

 

 ゼロ(………こりゃあマズいぞ………!)

 

 ゼロの不安が強まる中、櫂は拳を密かに強く握った後、顔を上げて喋り出した。

 

 

 櫂「ああ、彼女の友達だ。

 

 俺が責任を取る。彼女を虐めるなら俺を代わりに殴ってくれ。」

 

 

 ………あまりにも意外過ぎる櫂の発言!ゼロも真美も驚いていた。

 

 

 男A「ほ~う…いい度胸じゃねーか! んじゃ、いっくぜ~!」

 

 “バゴン バゴン バゴンッ”

 

 櫂「ガッ!」

 

 男子三人は遠慮する様子も無く、ためらいも無く一人ずつそれぞれ櫂の腹部にパンチ、キック、そして顔面を殴り飛ばす!

 

 櫂は吹っ飛び地面に倒れた。

 

 

 真美「………櫂君………。」

 

 その光景を真美は心配そうに見つめ、女子二人も真美を放しヤジを飛ばす。

 

 女A「なにあいつ?こいつ(真美)の代わりに殴られに来たの?」

 

 女B「男のくせにだっさ~!」

 

 女子二人「はははははは!」

 

 

 それでも櫂は、やり返したり言い返す様子が無い………敢えて自分が身代わりになることで真美を助けようとしているのであろうか………………?

 

 

 男C「なあ、そろそろ行かねーか?」

 

 男A「そうだな。気は晴れたしな!」

 

 男B「お前らも行くぞ!」

 

 女B「ええ、そうね。」

 

 女A「(真美の方を向いて)あんた、感謝しなさいよ?このダサ男に! はははははは…」

 

 

 若者たちは笑い合いながら歩き去って行った………………。

 

 

 歩き去って行く若者たちを見つめながら、櫂は真美の元へ歩み寄る。

 

 櫂「大丈夫か?真美。」

 

 真美「ええ、、ありがとう……でも櫂君も大丈夫?」

 

 櫂「(笑顔で)ははっ、これしきの痛み、真美が無事なら平気だよ!」

 

 真美「(優しい眼差しで)櫂君………本当にありがとね。」

 

 櫂と真美は笑顔で見つめ合い、一緒に地面のノートや弁当箱を拾い上げる。

 

 

 二人はふと弁当箱を開けて中の真美の手作りサンドイッチを確認すると………案の定、全部ではないが形が崩れているものもあった。

 

 さきほどひっくり返された影響である………。

 

 真美「あぁ………折角朝早く起きて作ったのに………。」

 

 悲しそうな表情になる真美………そんな真美の肩に櫂は優しく手を置く。

 

 櫂「心配すんなよ。どんな形になろうと、真美の作ったもんだ。上手いに決まってる!(サムズアップ)」

 

 真美「(目を潤めつつも嬉しそうな表情で)櫂君………。」

 

 櫂「まあ元気出せ。俺が冷たいジュースとか買って来るからよ。」

 

 真美「じゃあ、私は書店の方へ行くね。………本当に…ありがとね。」

 

 櫂「なーに、俺とお前は幼馴染の仲良しじゃねーか。 当然のことをしたまでだよ。

 

 んじゃ、ちょっくら近くのスーパーに行ってくら。」

 

 真美「ええ、気を付けてね。」

 

 櫂「おう。」

 

 

 櫂と真美は一旦別れてそれぞれ違う方向へと向かって行く。

 

 

 因みに櫂の向かっている方向はと言うと………先ほどの若者たちが歩き去って行った方向と同じなのである………………。

 

 もしや………ゼロは再び不安になり始める。

 

 櫂は爽やかな笑顔で駆けて行く………と思ったらひっそりと不敵な笑みを浮かべていた………その表情は殺意のみで満ちている………。

 

 

 既に、櫂の中の何かが音を立てて崩れていた………………。

 

 

 

 

 一方、八幡那須岳村に向かい露金渓谷を歩いているヒカルと海羽はというと、歩きながら他愛もない話をしていた。

 

 

 海羽「へえ~、ヒカルさんって、いろんな所を旅しているのですね。なんか素敵!」

 

 ヒカル「俺は冒険家を目指してるからな。別の宇宙から来たし、つまり今も冒険の真っ最中ってやつだ。」

 

 海羽「でも、別の宇宙から来たって事は…ヒカルさんの家はこの世界にないってことですよね? そこら辺はどうしてるんですか?」

 

 ヒカル「い…いや~……そこはあの“ファミーユ財閥”ってところが何とかしてくれてね。」

 

 海羽「あ、そっか~。アイムちゃん財閥の娘だもんね!」

 

 

 同じ頃、家でもある豪邸で紅茶を飲んでいるアイム・ド・ファミーユはというと、

 

 アイム「くしゅんっ…?」

 

 執事「大丈夫ですかアイム嬢様、風邪でも引かれましたか?」

 

 アイム「誰か、私(わたくし)の噂をしてるのでしょうか…?」

 

 

 豪快パイレーツのメンバーの一人でキーボード担当のアイムは。フランスのファミーユ財閥のお嬢様でもある。

 

 ファミーユ財閥はその名で予想される通り、とても大金持ちの財閥でもある。そのため、家の一つや二つ貸すのは造作も無いのである。

 

 

 海羽「いいな~、アイムちゃん財閥の娘でしょー。私なんてごく普通の女の子だし…。」

 

 ヒカル「本当にそうかなぁ?」

 

 海羽「…え?」

 

 ヒカル「確かに財閥の娘はそれはそれで凄いが、海羽ちゃんも十分凄いと思うぜ。」

 

 海羽「そうですかね?」

 

 ヒカル「お前には、その底抜けの明るさがあるじゃねーか。その誰でも元気にする明るさに、俺たちも救われて来たんだぜ。」

 

 海羽「(照れくさそうに右手を頭の後ろに当てて)…えへへ………。」

 

 ヒカル「それにお前は、どんな事でも一生懸命に頑張るだろ?それだけでも、十分凄い人間だよ。」

 

 海羽「ありがとうございますヒカルさん。」

 

 ヒカルからほめの言葉を受けた海羽は笑顔になる。

 

 ヒカル「それに………一生懸命なお前を見てると、一番親しい俺の友達を思い出すんだ………。」

 

 海羽「一番親しいお友達さんですか?」

 

 ヒカル「ああ。そいつらも今、俺と同じで夢に向かって一生懸命なんだ。」

 

 

 

 一方、とある別宇宙の地球にて。

 

 

 家で大福を包んでいる少女が、

 

 ???「へくちゅ、、、」

 

 その少女はふと窓から空を見上げる。

 

 ???「(何かを悟ったような笑顔で)また私の噂をしてるのね。」

 

 

 カメラで写真を撮ろうとしている少年と、その視線の先でアイドルのように着飾る少女が、

 

 ???&???「「へくしゅん!」」

 

 “カシャッ”

 

 ???「ああっ!?」

 

 ???「大丈夫?健太。」

 

 ???「悪りぃ千草。たぶんずれちゃった。」

 

 ???「いいよいいよ。私もちょうどくしゃみしちゃったから。」

 

 ???「じゃ、撮り直すか。」

 

 ???「オッケー。」

 

 

 そして、とある組織の基地で研究をしている少年が、

 

 ???「………礼堂君、今でも元気にやってるかな………僕も負けてられないね。」

 

 ???「友也、ちょっと来てくれ。調べてほしい事がある。」

 

 ???「ガレット。」

 

 

 

 ヒカルは海羽と話しながら、自分の地球で夢に向かって頑張る友人たちの事を思い浮かべていた。

 

 海羽「へえー…ヒカルさんの友達も、夢に向かって一生懸命頑張ってるんですか。素敵ですね。」

 

 ヒカル「どんな事でも良い。何かを一生懸命頑張れれば、それだけでも素晴らしい人間だと俺は思うぜ。」

 

 海羽「そうですね。………私にも一生懸命頑張ってる友達がいるしね………櫂君に………真美ちゃんに………………それから………………もう一人いたんだっけ………。」

 

 海羽はある人の事を思い、ふと空を見上げる。

 

 海羽「今何やってるんだろう………………?」

 

 

 一方テライズグレートでは、

 

 敏樹「へくしっ!」

 

 キョウ「!大丈夫ですか?敏樹様。」

 

 敏樹「気にするな。それより作戦を実行するぞ。」

 

 キョウ「ははっ。ゼロ以外のウルトラ戦士の元にはそれぞれ怪獣を放っておきました。

 

 そろそろ八幡那須岳村で怪獣が目覚めるはずですよ~ふふふ…。」

 

 

 場面をヒカルと海羽に戻そう。

 

 海羽「それより、八幡那須岳村はまだかな~?」

 

 ヒカル「たしかそろそろ着くはずだが………ん?」

 

 

 ヒカルが視線の先に何かに気付いた。その先には遠くで小さく見えるが。民家が並んでいるのが見える。

 

 

 二人はもう、村の前まで来ていたのだ。

 

 

 海羽「(顔の横で両手を合わせて)ようやく着いたわ~!」

 

 ヒカル「よし、行くぜ!」

 

 二人は民家の並ぶ村へと歩みを速めて進んで行く。

 

 

 

 

 一方、先ほど自分たちを注意した真美を虐めていた若者たち五人組は、

 

 男A「(馬鹿にするように笑いながら)にしてもさっきのヤツ、自分から殴られに来るとは大した奴だよな~!」

 

 男B「いやいやただのドM馬鹿だっての!」

 

 女A「そうよね~、あんな女の彼氏なんだもん。」

 

 女B「ささ、あんなダサ男とその彼女の事なんて忘れましょ!」

 

 

 櫂「………へぇー…ダサ男か………あんな女か………それほど不愉快だったんだね。」

 

 

 突如、聞き覚えのある声が聞こえ五人はふと立ち止まる………

 

 ……それどころか、一斉に驚く!

 

 

 聞き覚えのある声の正体は、いつの間にか自分たちの目の前に立っている櫂だったのだから………!

 

 

 櫂はいつの間にか、先回りして彼らを待ち伏せしていたのである………!何たる行動力だろうか!?

 

 

 男A「ああん?何か用か?」

 

 男B「また殴られたいのか?」

 

 若者たちは櫂を威嚇するが、櫂はどこか好青年の顔で冷静に話す。

 

 櫂「いや、そうじゃないんだ。さっきはすまなかったね。 お詫びに良い所に連れて行ってやるよ。」

 

 女A「へぇ~、じゃあ楽しませてもらうよ?」

 

 女B「さっさと連れてってよ。」

 

 櫂「じゃあ、付いて来て。」

 

 そ言うと櫂は若者たちを案内し始めた………。

 

 

 もちろん、櫂は彼らを楽しい所に連れて行く気は造作も無い………。

 

 櫂は不気味に笑うような表情を浮かべながら、五人を誘導し続ける………。

 

 その表情は、正に“復讐の鬼”以外の何者でもない………………。

 

 

 

 しばらく誘導し、たどり着いたのは………

 

 …そこは人が誰もいないとある建物の裏であり、お世辞にも楽しい所とは言えない所であった。

 

 若者たちは動揺する。

 

 男C「??………おい、ここのどこが楽しい所なんだよ?」

 

 女B「からかってるわけ? ほんといい加減にしてよね!?」

 

 男子Cと女子Bが櫂に詰め寄る。

 

 

 櫂「いや、からかってなんかないよ。これから俺が、君たちを楽しませてやるからさあ。」

 

 櫂はどこか不敵な笑みで返す。

 

 櫂「ところで、君たちは俺の事ダサ男だと思ってるみたいだけど………俺が自ら殴られたのは、彼女(真美)を君たちから助けるために過ぎないんだよ?」

 

 男C「はあ?何が言いてーんだ?」

 

 

 櫂「君たち、彼女の注意ちゃんと聞いてなかったのかなぁ?彼女は愛情をこめて、優しく君たちを注意してやったんだよ?」

 

 

 女B「いや、返って迷惑だし? せっかく私たち涼しい所で楽しく話してたのに、それを邪魔しちゃって、ほんっっと嫌な女…」

 

 

 と、その時!

 

 

 

 櫂「黙れクズ!!」

 

 

 

 “バギッ!!”

 

 

 

 女B「!!!?きゃはッ!!」

 

 

 

 四人「!!!?」

 

 

 

 ゼロ「!!!?櫂っ!?」

 

 

 

 なんと櫂は、女子Bの頬を殴り飛ばしてしまったのだ………!

 

 しかもグーで!!

 

 ゼロはもちろん、残りの四人も驚愕を隠せず、殴られた女子Bは、予想外の暴行に驚きつつも倒れる。

 

 

 女子Bは早くも恐ろしい殺気を感じたのか、殴られた右頬を押さえ、地に尻を付いたまま足をひくひくさせながら仲間たちの元へ後ずさりをする。

 

 

 男C「てんめえ!なにしやがんd…」

 

 “ガッ”

 

 男C「!ぐっ!?」

 

 男子Cは逆上し櫂に殴りかかるが、逆に腕を掴まれ、そのままねじ込まれて壁に叩き付けられる!

 

 締め上げる力がよほど強いのか、男子Cは苦しみつつも櫂を睨み付ける。

 

 

 ………だが、櫂はそれ以上に殺気を感じる表情で睨みながら語り出す。

 

 

 櫂「あーあ、折角真美の言う事を素直に聞いてれば、こんな事にならなかったのにねぇ………。

 

 ほんっとにお前ら救えないクズだなぁ…。」

 

 

 櫂は表情に似合わずどこか落ち着いた口調で言い放った後、男子Cを一旦突き飛ばした後、両脇腹に交互ミドルキックを叩き込む!

 

 そして下顎に強烈な右アッパーを叩き込み、男子Cはその威力で宙返りをして地面にうつ伏せで叩きつけられる!

 

 更に櫂は、四つん這いで痙攣する男子Cに追い討ちとばかりに横腹を蹴り転がす!

 

 仲間の元まで転がった男子Cは既にグロッキーとなっており、腹を押さえ痙攣していた。

 

 

 男子Cを早くもしばき倒してしまった櫂。

 

 

 男子A「てんめええぇぇぇ!!」

 

 男子AとBは櫂の強さに驚きつつも、仲間を殴られた事に逆上し櫂に襲い掛かる!

 

 だがしかし、櫂は二人の双方からのパンチのラッシュをまるで動きが読めてるかのように余裕でかわす。

 

 そして逆に、素早くそして思いパンチやキックを男子AとBの顔や腹などに次々と決めていき、それを喰らう二人は徐々に勢いが劣って行く。

 

 恐らくこの五人の中では特に強いであろう男子AとBを余裕で同時にボコボコにしていく櫂。櫂はもともと学園トップと言われるほどの強さを持っているが、長らくゼロとして戦っていく内に、更に身体能力が上がっているのであろう。

 

 

 櫂の狙いは彼ら五人を人気のない所まで誘い込み、まとめてボコボコにしてしまおうと言う事だったのだ!

 

 

 男子AとBがいたぶられていく様を、女子二人は恐怖からか震えながら見守る………。

 

 自分たちが虐めた彼女の彼氏がこんなに強い奴だったなんて………とばかりに。

 

 

 櫂は男子2人の髪を同時に鷲掴みにし、そのまま二人の頭をぶつけ合った後、前方へ投げ捨てる。

 

 そして跳躍して一回転し、仰向けに倒れる二人の腹部にそれぞれ左右同時に踵落としを叩き込む!

 

 男子AとBもやがてグロッキーとなってしまった。

 

 

 櫂「ふぅ~………哀れだなあ………ほんっとに哀れだ。お前ら。」

 

 櫂は険しい表情で倒れる男子三人を踏みつけながら、どこか落ち着いた口調で言い放つ。

 

 なんとも悪魔のような恐ろしい光景である。

 

 

 ゼロ「おい櫂っ!お前…自分が何してんのか分かってんのか!?」

 

 

 ゼロの呼びかけも、当然櫂に届くはずが無い………。

 

 

 女B「まずいよ…あいつ……。」

 

 女A「逃げましょ!」

 

 とてつもない恐怖を感じていた女子二人は、早く櫂から逃げようと走り去ろうとする。

 

 

 が、

 

 

 “ガシッ”

 

 

 女子二人「ひっ!?」

 

 

 櫂「どこ行こうとしてんのかなっっ!」

 

 

 櫂は女子二人を逃がすかとばかりに二人の襟首をそれぞれ両手で掴み、そのまま思い切り引っ張って地面に叩き付ける!

 

 そして、二人の髪を左右それぞれ手で鷲掴みして起き上らせ、そのまま不気味な笑みで顔を近づけながら語り始める。

 

 櫂「君たちにはた~っぷりとお仕置きしないとねえ………。」

 

 女A「な……何で………何でよ!?」

 

 女子Aは恐怖で声が震えながらも問いかける。

 

 

 櫂「君たちは真美の愛情こもった注意を素直に聞くどころか鞄をひっくり返した………おかげで真美の大事に綺麗に使ってたノートが汚れ、手作りのサンドイッチも崩れちまったんだよねぇ…。」

 

 

 女子二人は恐怖のあまり何も言い返せないでいた………。

 

 

 櫂はなおも不気味な笑みを徐々に険しい表情にしながら語り続ける。

 

 

 櫂「つまり、君たちは悪い事をしてそれを指摘された………だが、それを直すどころか逆に暴力を振るった………その意味が分かるか?………

 

 君たちは悪い事に悪いことを重ねたのだよ………なら、その分の制裁を喰らうのは、当然の事だよなあ?」

 

 

 “バゴンッ”

 

 女A「きゃあっ!!」

 

 その瞬間、櫂は彼女たちの髪を掴んでいた手を放すと、まずは女子Aの胸にパンチを打ち込み吹っ飛ばす!

 

 

 続いて女子Bの右腕を掴み、背負い投げの要領で地面に叩き付ける!

 

 

 更にそのまま女子Bの腕を掴んだまま、仰向けに倒れる女子Bの腹をヤクザの様に乱暴気味に踏みつけ始める!

 

 

 しかも四発も!!

 

 

 とても男が女にする事ではない事をしている櫂に、ゼロは驚愕しつつも必死に呼びかけ続ける。

 

 ゼロ「櫂!!おい櫂!! もうやめろ!!もう十分だろ!!」

 

 

 それでもお構いなしの櫂。今度は女子Aの右腕を掴んで起き上らせると、そのまま腹部に一、二、三、四、五発拳を打ち込み、その後跳躍して落下スピードを活かして背中に右拳を叩き込み、それによって女子Aが膝を付いたところで更に背中に右膝を打ち込んで転倒させる。

 

 

 すごすごと逃げようとする女子B。だが櫂はそれを逃さない。

 

 櫂「何してんだお前?来いよ!」

 

 櫂は女子Bの右腕を掴み止める。

 

 櫂「ホラ立てよぉ!」

 

 

 櫂は女子Bを起き上らせると、そのまま腹部にパンチを連打し始める!

 

 よほど憎悪が強いのか、なんと十発もパンチを打ち込み、更に腹部に膝蹴りを二発打ち込む!

 

 

 そしてふらつき始めた女子Bを一旦前に突き飛ばした後、胸元に右足を打ち込み、そのまま押し込んで壁に叩き付ける!

 

 

 ゼロ「おい櫂!!お前自分が何してるのか分かってんのか!? 相手は女だぞ!?」

 

 櫂「はあ?それが何だってんだ? 俺の女は真美だけなんだよ!」

 

 櫂はなおも女子Bを足で押さえつけ睨みながら語り続ける。

 

 

 櫂「こいつらみてーなクズは女じゃねえ………真美みたいに優しい奴が女なんだよ! 俺の事癒せず、イラつかせる女は邪魔なんだよ!」

 

 

 “バシンッ”

 

 

 櫂は女子Bを左手の甲で叩いて転倒させる。

 

 そして、女子二人が並んでうつ伏せで転倒しているその間にしゃがみ込み、女子二人の髪を鷲掴みにして顔を上げる!

 

 女子二人はグロッキーとなっていた。

 

 

 櫂の真美に対する愛………それが大きすぎるが故の行動がこんなにも恐ろしいとは………………それよりもとにかく、好青年だと思っていた櫂がこんなにもどす黒い本性や憎悪を抱いていたとは………………、

 

 この本性を麟慶大学の学生たちはもちろん、もし真美や海羽とかに知られたらと思うと………考えただけでも恐ろしいことである。

 

 

 櫂「所詮お前らはクズなんだよ………真美を傷つけた………それにより俺の逆鱗に触れた………ほんっとに哀れだよ………お前ら………。ふんっ!」

 

 

 “ガッ!”

 

 

 櫂は女子二人の顔を地に叩きつけた後、立ち上がり背を向けて数歩歩き立ち止まる。

 

 

 櫂「…まあいい。殺したら逆に俺がクズだからなあ………見逃してやるよ。」

 

 男子A「な………何だと?」

 

 櫂「生かしてやると言ってんだ。とっとと消え失せろ。」

 

 

 櫂の言葉を聞いた若者たちは、傷ついた身体を何とか動かせながらもその場から逃げようとする。

 

 

 が、その時!

 

 

 “バキュン” “ズドーン”

 

 

 突如、何やら光の弾丸が飛んで来て自分たちの足元で爆発し、五人はふと驚き立ち止まる。

 

 

 その視線の先には、何やら派手な色合いの銃を持った櫂が立っていた………。

 

 そう、櫂はウルトラゼロアイを取り出し、ガンモードに変形させていたのである。

 

 

 櫂「………実は俺な、あのウルトラマンゼロに変身できるんだよ。」

 

 

 男A「………嘘だろ………。」

 

 

 櫂「ふふふ、つまりどういう事か分かってるのかなあ?

 

 俺はこの力を使って時空やら場所やらを移動するのは造作も無いことなのだよ………。」

 

 

 櫂は身体を光り輝かせて、若者たちより少し離れた場所から目前まで瞬間移動する。

 

 ゼロの力を持っている事の証明として、その力をちょっと使ったのである!

 

 櫂がゼロの力を持っていることを目の当たりにした若者たちは、更なる恐怖にかられる。

 

 

 櫂「この事をもし親とか警察とかに言ってみろ………この力で、瞬時に君たちのところへ行くのだって容易い事なのだよ。

 

 ましてや君たちの親をバラバラにする事だって容易い事なのだよ………。

 

 もし自分や親の命が欲しければ、この事を黙っておくんだなあ。」

 

 

 櫂からの完全なる脅し………!だが、それがあまりにも完璧すぎて、彼らは恐怖により誰にも伝える気が無くなっていた………………。

 

 

 男A「いっ………行こうぜお前ら。」

 

 やがて若者たちは、すごすごと退散していった………。

 

 

 余りにも恐ろしい櫂の暴行と脅し………それを知るものは誰もいない………。

 

 若者たちが去って行った後、櫂もビルの裏地を去り、何事も無かったかのように図書館への道を歩き始めた………。

 

 

 櫂「俺をイラつかせるならまだいい………だが真美を傷つけたりしたら…俺は容赦しない………!」

 

 

 櫂は拳を強く握って呟きながら歩みを進めていった。

 

 櫂「さて、早く戻るか。真美が待ってる。」

 

 

 だが、その時、

 

 

 ???「いいですねえ~…愛する者思うその強い気持ち。」

 

 

 櫂「!?誰だっ!」

 

 

 突如声のした方に櫂は振り向く。

 

 

 ………そこに立っていたのは、等身大のメフィラス星人キョウであった!

 

 櫂はすぐさま身構える。

 

 

 櫂「貴様!何しに来た!?」

 

 キョウ「いえ…別に喧嘩をしに来たわけではありません。

 

 ただ、君の愛する者を想うその気持ち………そんなに彼女が好きなのですか?」

 

 紳士的だがどこかからかうかのようなキョウの言い方に、櫂はイライラを強める。

 

 

 櫂「………(俯いて小声で)悪いのかよ………。」

 

 キョウ「はい?」

 

 櫂「(顔を上げて)悪いのかよ!!………真美はなあ、幼い頃からずっと一緒だった大事な友なんだ!! 友を好きになるのは当然の事だろう!!」

 

 櫂は思わず声を荒げる。だがキョウは怯むどころか静かに笑いながら言い始める。

 

 

 キョウ「友を好きになるのは当然…ですか。 なら彼はどうなんです?」

 

 そう言うとキョウは、合図とばかりに右腕を揚げる。

 

 すると、上空から一筋の光線が放たれ、それがキョウの真横で実体化を始める………。

 

 

 やがて実体化が完了し、それを見た櫂は驚愕する………!

 

 

 キョウの真横に立っているのは………………消息不明である彼らの大学の友人・桜井敏樹であるのだ!

 

 

 櫂「さ………桜井?………何でここに………?」

 

 

 すると、キョウは思わぬことを言い出す!

 

 

 キョウ「この男も、君の友なんだよねえ? 彼は今、僕たちの元にいるのだよ。」

 

 

 !!………キョウからの衝撃的な発言。………櫂は動揺をしつつも問いかける。

 

 

 櫂「やはり………ブラコの言ってたことは本当だったのか?………しかし何故だ………何故なんだ!?」

 

 

 キョウ「君がこの男を助けなかったからだよ?」

 

 櫂「何だと?………どういうことだ!?」

 

 キョウ「この男も虐められていたのだよ。それを助けなかったから彼はこのようになってしまったのだよ?」

 

 櫂「なっ………出鱈目を言うな!」

 

 キョウ「出鱈目? 本当だよ? ね、敏樹様。」

 

 

 すると、敏樹の口が喋った………!

 

 

 敏樹「どうして俺も助けなかったのさ? 俺も虐められていたのに………。」

 

 

 それを聞いた櫂は混乱を強める………!本人も、闇落ちしたのは自分のせいだと思っていたなんて………!

 

 櫂の心は大きく揺らぎ始めていた………!

 

 櫂「………何故だ………何故なんだよ?………、」

 

 敏樹「友なら、さっきのように虐められていた俺も助けてくれたはずだ。 でも、それをしてくれなかったから、俺はこの様になってしまったのだよ。」

 

 

 櫂「………嘘だ………俺の所為なんて………………そんなの嘘だああぁぁぁー!!」

 

 櫂は自棄糞とばかりに敏樹に殴りかかる!

 

 

 が、その直前で敏樹は光を放って消えてしまった………それにより空振った櫂は驚きつつも地面に両手と膝を付く。

 

 

 そう、さっきの敏樹はテライズグレートにいる敏樹を光線で立体的に地上に映したもの………所謂モニターみたいなものである。

 

 

 櫂「今のは………立体映像だったというのか………。」

 

 動揺が続く櫂にキョウは追い討ちをかけるように無常に容赦なく言い放つ。

 

 

 キョウ「君はあの男を友だと思ってないのだね?………もし友なら、さっきの彼女(真美)のように助けてたはずだろ?

 

 なのに彼がどんなに酷いいじめを受けても君たちは一向に助けず、やがて彼はいじめを苦に自殺をしようとしたところで僕たちに出会い闇落ちをした………………。

 

 見ろ、君は彼が闇落ちするまで彼を放っておいた………

 

 彼だけでなく、他の人たちも、少しいじめられたって大して全員助けないだろ?

 

 つまり、君はあの女しか目にないわけ………違うかなあ?」

 

 

 櫂「黙れえええ!!」

 

 

 櫂はついにブチ切れてキョウを睨みながら立ち上がる!

 

 

 ゼロ「櫂!こいつの口車に乗せられるな!こいつの思う壺だぞ!」

 

 

 ゼロは必死に呼びかけるが、もうここまで来ると櫂はもう止められない………。

 

 櫂「何が悪いってんだよ………真美はなあ…いっちばん付き合いが長いんだよ………。

 

 とても俺と仲良いし、そして誰よりも優しい………。

 

 ………真美はなあ………俺の女になるかもしれない人なんだよっ!!」

 

 

 櫂はそう言うと、左腕を突き出してウルティメイトブレスレットからウルトラゼロアイを召喚して掴み取る!

 

 ゼロ「止めろ櫂………止めるんだ!」

 

 櫂「俺の真美に対する思いを踏みにじるのか………なら、容赦しねえ!」

 

 ゼロの意思関係なく無理矢理ゼロアイを出した櫂は、キョウを鋭く睨みながら怒りに任せてそれを血走った目に当てる。

 

 そして光に包まれ、等身大のウルトラマンゼロへと変身を完了する。

 

 櫂「うおおおおあああぁぁぁ~!!」

 

 ゼロに変身した櫂は怒りと気合いの叫びを上げ、その際に彼の周りに黄の炎のような光が解放される。

 

 ゼロは完全に櫂の意識で、怒りに任せてキョウ目掛けて駆け寄り始める!

 

 キョウ「ふっふふ、いいね、そうこなくっちゃ。」

 

 櫂「黙れええぇぇぇ!!」

 

 ゼロ「櫂っ!!」

 

 

 

 

 同じ頃、既に書店から図書館に戻っていた真美は、櫂を待ちながらちょっとずつ研究課題を進めていた。

 

 時間は午前の11時を回っていた。

 

 

 真美「櫂君遅いわね………結構迷ってるのかな。」

 

 真美は、今とても恐ろしい事になってると知るはずも無く、櫂の帰りを待ち続けることにする。

 

 真美「きっと私を慰めるために、いろんな物を買ってきてくれてるのかもね………よし、私も頑張ろっと。」

 

 

 再び課題に取り掛かろうとしたその時、真美はふと何かに気付く。

 

 それは、対向側の席に座って何やら計算ドリルと思われる教材を開いて泣いている小学生の男の子の姿だった。

 

 泣いてる子が気になった真美は、その子に優しく話しかける。

 

 

 真美「どうしたの?僕。 何を泣いてるの?」

 

 優しい表情で覗き込むように話しかける真美に、その子は涙声で返事をする。

 

 子「夏休みの宿題の計算ドリルが分からなくて…でも今日はこのページを終わらせないと帰れないんだ………。」

 

 子供の事情を聞いた真美は、同情からか憐れむ様な表情になる。

 

 真美「………そっか……それは辛いよね……。」

 

 真美は子供の頭を優しく撫でる。そして、提案をする。

 

 真美「ねえ、お姉ちゃんと一緒にやろう?分からない所は教えてあげるから。だから泣かないで。」

 

 子「え?………本当?」

 

 子供は涙を拭きながら聞き返す。でも、真美の座っている机の教材などに目が留まる。

 

 子「でも、お姉ちゃんもやることがあるんじゃ…」

 

 真美「(満面の笑みで)いいのいいの。困ってる子を放っておくなんて出来ないよ。」

 

 子「………ありがとう。」

 

 真美の優しさに触れた子供は笑顔になる。

 

 真美は子供の宿題の手助けを始めた。 櫂が帰って来るまでの時間稼ぎのつもりも含めて………。

 

 

 他者をも想う優しさを持つ真美。そんな彼女は今も他者を助けながら健気に櫂を待っている………。

 

 彼は今、自分を想う余りに宇宙人の策にハマり、暴走しているとも知らずに………………。

 

 

 

 

 一方ゼロに変身した櫂はと言うと、等身大でキョウと戦いを繰り広げていた………

 

 

 ………と言っても、実際はゼロが一方的にキョウを殴っている様にも見えるが………。

 

 

 怒りに駆られ、乱暴にパンチを連打するゼロに対し、それを受け流しつつもなぜか笑うキョウ。

 

 櫂「何故だ………何故笑う!!? そんなに可笑しいのかよ!………愛する者を想うのが、そんなに可笑しいのかよっっ!!」

 

 キョウ「可笑しいわけではない。ただ、君はその愛する者にしか目が行ってないんだなと思ってね。」

 

 櫂「何ッ………それはどういう事だっっ!!」

 

 “ドゴッ”

 

 櫂意識のゼロは乱暴に前蹴りを打ってキョウを後ずさりさせる。

 

 今日は蹴られた胸を押さえつつも冷静に語り続ける。

 

 キョウ「文字通りだよ。 君はその女しか目に入っていない。だから“桜井敏樹”と言う友人を見捨て、それにより彼は“敏樹様”となった………つまり、友人が闇落ちしたのは、君があの女に酔い過ぎているからなのだよ違うかね?」

 

 

 櫂の最愛の真美への想いを利用して櫂を無情にも容赦なく煽るキョウ。櫂の怒りは更に温度を上げていく………。

 

 

 櫂「………黙れ………黙れ………………おんんんん前に!何が分かるんだああぁぁぁ!!」

 

 

 “バキッ ドガッ バギッ………”

 

 

 櫂意識ゼロは再びキョウに猛然と駆け寄り、マシンガンの如く乱暴にパンチを連打し始める!

 

 

 櫂「ブサイク面のお前にっ!!………俺と真美の関係をっ!!………バカにする資格ぁねえんだよっっっ!!」

 

 

 なおもパンチを打ち続けるゼロ。 一方それを受け続けているキョウは、表面上は余裕に見えるが………

 

 

 キョウ(うっ!!?………コンプレックスである顔をまた否定された~超ショック………しかしこれ痛ぇな………え、やば、やばやば、痛い痛い痛い!!………こりゃあさっさと作戦を次の段階へ移さねば………!)

 

 

 ………どうやらやせ我慢だったようだ(笑)しかし、彼の考えるゼロを利用した作戦とは?

 

 

 キョウはめげずに櫂を煽り続ける。

 

 キョウ「で、どうすんだい?この僕を?………」

 

 櫂「ぶっ潰す!! はぁぁあああああああ………!!」

 

 ゼロ「櫂…だめだ!冷静になるんだ! 櫂っっ!!」

 

 

 ゼロの呼びかけを他所に櫂は叫ぶ。そしてゼロは力を込め、身体を激しい炎で包んでストロングコロナゼロへと姿を変える!

 

 櫂の怒りの影響か、ストロングコロナの身体は何やら凄まじい炎を発散させている。

 

 

 そして、ストロングコロナゼロは両拳に怒りの炎を集中させ、キョウに激しいパンチを放つ!

 

 左右ストレートを一発ずつ、そしてその反動によりキョウが回って背を向けた所でその背中にパンチを放って吹っ飛ばす!

 

 

 パンチが炸裂する度にその部位に爆発が起こり、激しい火の粉が飛び散る。 そのラッシュを受けて吹っ飛んだキョウはというと………

 

 

 キョウ(痛てっ………ものすっごく痛えっ! 痛いと同時に熱い………そろそろ最終段階へ移さねば僕の方が殺される………!)

 

 

 そう思ったキョウは、仰向けで殴られた部位を押さえつつも、ダメージの疲れにより息を切らせながらももう一発櫂を煽る。

 

 

 キョウ「ハァ……ハァ………その女は………この街の……平和よりも大事と……言いたいのかね?………」

 

 

 

 櫂「…っっっ………えええええい黙れ!! 黙れっ!! 黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れええぇぇぇぇーーー!!!」

 

 

 

 櫂は完全に激しい怒りに支配されてしまっていた! 狂ったように叫んだ後、右拳に大きな炎エネルギーを集中させ、キョウ目掛けて駆け寄り始める!

 

 キョウに完全に止めを刺す気だ!

 

 

 それを見たキョウは、慌てるどころか寧ろ待ってましたと言うような余裕さである。

 

 

 キョウ(ふふふ………計画通りだ………そろそろ人間に化けるとするか………。)

 

 

 キョウのこの後の計画はこんな感じである。

 

 

 〈この後の計画〉

 

 ゼロが炎の拳でパンチを放とうと駆け寄る。

 

 ある程度近づいたところでキョウが人間に化けて叫ぶ。

 

 

 キョウ「助けてくれーっ! 殺されるーっ!」

 

 

 それによってゼロ(櫂)は御用。そうではないとしてもその人間の状態でパンチをかわすことで殺人未遂の罪を擦り付ける。

 

 そのトドメにより怒り・絶望同時に感じる櫂から大量のマイナスエネルギーが集まる………。

 

 〈終わり〉

 

 

 キョウはこのように恐ろしい計画を立てていた………!

 

 

 流石は卑怯もラッキョウも無い卑劣な策士・メフィラス星人キョウ。

 

 

 櫂はそれを知るはずも無く、今にもトドメを刺そうと駆け寄り続ける………!

 

 

 櫂「死ねえええぇぇぇぇぇぇ!!」

 

 

 ゼロ「よせええええ!!」

 

 

 キョウ「いいぞ………その調子だ………!」

 

 

 策士ながらも身体を張った大胆な策で順調にゼロを填めていくキョウ………。

 

 ゼロは………櫂はこのままキョウの策のままに陥ってしまうのであろうか!?

 

 

 

 その時…!

 

 

 

 《ウルトライブ GO! キングジョー!》

 

 

 “ドガーン”

 

 

 櫂「!!? ぐおおぁぁぁっ!!」

 

 キョウ「っ!? なっ、何だっ!?」

 

 

 突如、何処からかキングジョーカスタムの形状をした光弾が飛んで来て爆発する!

 

 その爆発によりゼロは吹っ飛び、キョウも驚きつつも爆風で少し吹っ飛ぶ。

 

 

 ゼロは受け身を取って膝を付くと、そのまま光弾が飛んで来た先を見つめる。

 

 

 そこには、ビクトリーランサー(ガンモード)を構えて立つショウの姿であり、彼と同行しているムサシもやがて駆け付ける。

 

 

 先ほどの光弾はショウが放ったキングジョーカスタムのモンスシューターである。

 

 

 ゼロたちが戦っている場所の近くに二人はたまたまいたため駆け付けることが出来、間一髪ゼロ(櫂)は難を逃れれたのである。

 

 

 ショウ「加勢しに来たぞ、ゼロ。」

 

 ムサシ「今度は何を考えてるキョウ!」

 

 

 キョウ「くううぅ、もう少しだったのにい~!

 

 ………だが、さっきのゼロの攻撃で体の数か所が痛てえ………

 

 このまま戦えば、間違いなく僕は死ぬ。

 

 ………仕方がない………今日はこの辺にしてやるっ!」

 

 “シュウウゥゥン”

 

 作戦を破られ、ウルトラ戦士が二人も加勢した事により不利と見たキョウは、渋々と退散していった………。

 

 

 ショウ「逃げたか………。」

 

 ムサシ「大丈夫か?櫂、ゼロ。」

 

 

 二人はゼロの元に歩み寄る。

 

 ………が、しかし、ゼロはどこか哀愁漂う表情で立って俯いたまま返事をしない………。

 

 

 ムサシ「………どうしたんだ?」

 

 

 ゼロは以降に返事をしない………。

 

 やがて、俯いたまま二人をちらっと見た後、二人に背を向けて何処かへと飛び去って行った………。

 

 

 明らかにいつもと様子が違っていたゼロ。二人はそれを不思議そうに見送っていた………。

 

 

 ショウ「あいつ………一体どうしたんだ?」

 

 ムサシ「…きっと、敵を逃がしたのが悔しかったんだよ。」

 

 ショウ「だといいが………。」

 

 ムサシ「さ、行こう。」

 

 ショウ「ああ。」

 

 ショウは何か不吉な物を感じながらもムサシとの動向を再開する………。

 

 

 ショウの脳裏にはあるものがよぎっていた………。

 

 

 それは、先日ギンガから言われた事である。

 

 

 「今後彼(櫂)と戦う時は気を付けろ」………その言葉が浮かぶたびに、ショウは櫂の事が気になってならなかった………………。

 

 

 

 そんな櫂はというと、既に変身を解いていた。

 

 

 “ガッ”

 

 

 櫂「ショウの野郎………。」

 

 

 櫂は何処かの壁に拳をぶつけ、憎しみのこもった声で呟く。

 

 ショウにキョウを倒すのを邪魔された事を根に持っているのだ。

 

 憎しみの対象が新しく出来てしまったのであろうか………………?

 

 

 そんな櫂だが流石に周りの目が気になったのか、良人モードに戻り歩道を歩き始める………………。

 

 

 

 そして約30分後。真美は図書館の門で子供を見送る所だった。

 

 時間は約12時半を回っていた。

 

 どうやら子供の宿題は無事に終わったようである。

 

 

 子「ありがとうお姉ちゃん。」

 

 真美「いえいえ。 無事に終わって良かったね。」

 

 子供は真美に礼を言い、真美は満面の笑顔で応える。

 

 真美「もしまた困った事があったら、遠慮なく来てもいいからね。今日はもうしばらく図書館にいるから。

 

 夏休み、楽しんでね。」

 

 子「はい。じゃあ、さようなら。」

 

 真美「あ、ちょっと待って………。」

 

 真美は子供を一旦呼び止め、鞄を探り始める………そして取り出したのは…………弁当箱からの数少ない綺麗な状態のサンドイッチ一切れだった。

 

 真美「お腹空いたよね? お疲れ様。」

 

 真美はそれを子供に手渡す。

 

 子「…ありがとうございます!」

 

 

 真美はやがて礼を言いながら帰って行く子供を、笑顔で手を振りながら見送った………。

 

 

 真美「よし、じゃあ戻りますか。」

 

 真美が図書館に戻ろうとしたその時、

 

 

 櫂「………真美?」

 

 

 ちょうど帰ってきた櫂に話しかけられ振り向く。

 

 櫂「…何してんだ?」

 

 真美「………ちょっと、人助けをしてたの。」

 

 櫂「そうか………ごめんな、遅くなっちまって。 ほら、飲み物とか色々買って来たぜ。」

 

 真美「ありがとね。 じゃあ、ちょうど昼だし、図書館のラウンジでお昼にしましょ?」

 

 そう言いながら真美は笑顔で弁当箱を取り出す。

 

 櫂「………そうだな。その後協力しながら頑張って研究課題頑張ろうぜ。」

 

 真美「うん。」

 

 櫂と真美は笑顔で話し合った後、二人仲良く図書館に入って行った。

 

 

 ………だが、その際も櫂の心の中は、、、

 

 

 櫂(俺と真美の関係を踏みにじる奴は………真美を虐める奴は………誰であろうと潰すまでだ………。

 

 いざとなれば俺にはゼロの力もあるしなあ………。)

 

 

 そう思いながら、ひっそりと不敵な笑みを浮かべていた………………。

 

 

 ゼロ(マズいなこれは………櫂が怒れば俺でも制御できないし、櫂から分離することも出来ない………………早いとこなんとかせねば、またあの悪夢が………………。)

 

 

 ゼロはそう考えながら、ある事を脳裏に浮かべていた………。

 

 

 そう、かつて宿敵に自身を乗っ取られ、仲間たちを手に掛けてしまったあの時の事を………………。

 

 

 確かに、このまま櫂と一体化し続け、やがて櫂が怒りや不満を爆発させれば、またあの時の悪夢がよみがえる恐れがある、、、。

 

 

 ゼロ(此奴、ある意味ベリアルよりたちが悪い奴だからな………そうなる可能性も否定できないぜ………………。)

 

 

 ゼロの不安は少しずつだが強まりつつあった………………。

 

 

 激しい憎悪を抱く櫂と、他社をも想う優しさを持つ真美。………

 

 

 彼と彼女の想いが交錯する時が果たして来るのだろうか………?

 

 

 そしてその時櫂は?真美は?………彼らの“男と女としての”関係はどうなってしまうのであろうか………?

 

 

 とりあえず今は変わらず見守って行こう………………。

 

 

 

 ほぼ同じ頃、ムサシ、ショウの二人は、霞ヶ崎を少し離れたとある岩山の場所にてあるものを見つけていた。

 

 

 それは、上空にできた何やら黒や白、紫が混ざったようなワームホールのような不気味な歪みが発生している事である。

 

 

 ムサシ「あの歪みは、一体何なんだ………。」

 

 ショウ「何やら起こりそうなのは確かだな………。」

 

 

 と、その時!

 

 

 “ズドーン”

 

 

 突如、歪みの穴から稲妻のような光が地面に落ち、それが徐々に実体化していく………。

 

 やがて完全に実体化が完了し、一体の怪獣となる。

 

 

 その怪獣は、頭部の巨大な二本の角、肩と肘と膝に生えたトゲ、鉱物のような金と黒で構成されたボディが特徴の怪獣『超力怪獣ゴルドラス』である!

 

 

 ゴルドラスは雄たけびを上げるや暴れようとする。

 

 ゴルドラスは時空を歪ませる能力を持っている………ひょっとするとこの歪みは、奴が発生させた時空の歪みなのであろうか?

 

 驚愕する二人を他所に、ゴルドラスは怪力で岩山などを崩しながら暴れる。

 

 

 ムサシ「あの歪みは、怪獣を出現させるものなのか?」

 

 ショウ「分からないが、今は奴を止めなきゃな。」

 

 

 ショウは懐からビクトリーランサーを取り出し突き出し、中から現れたビクトリーのスパークドールズを手に取ってライブサインをリードする。

 

 

 《ウルトライブ!ウルトラマンビクトリー!》

 

 

 ショウは光となって現れたビクトリーと一体化し、V字型の光と共に右拳を突き出しながらウルトラマンビクトリーが現れる!

 

 

 ビクトリーは顔の前で両腕をクロスさせて着地する。そして構えを取る。

 

 現れたビクトリーに気付いたゴルドラスも構える。

 

 

 ビクトリーはゴルドラス目掛けて駆けて跳躍して跳び蹴りを放つ!

 

 ゴルドラスはそれを両腕で受け止め逆に押し飛ばすが、ビクトリーはそれを利用して宙返りし、後ろの岩山を蹴ってスピードを付けてゴルドラスに跳びかかる!

 

 ビクトリーはゴルドラスに跳び付き、その勢いで両者は倒れ地面を転がる。

 

 しばらく転がった後、両者は抱き合ったまま立ち上がり、一旦互いに手を放して距離を取る。

 

 

 ゴルドラスは腕を振るって殴り込むが、ビクトリーはそれをしゃがんだり回し蹴りで弾きながら往なしていく。

 

 そしてビクトリーは胸部に連続で左横蹴りを放つ。命中はしたがゴルドラスは頑丈な体でそれを耐えきり、上から振り下ろすような頭突きを繰り出すが、ビクトリーはそれを右横にそれて避け、ゴルドラスに右ヘッドロックをかける。

 

 そしてそのまま一旦跳んだ後、落下スピードを活かしてゴルドラスを前方に投げつけ地面に叩き付ける!

 

 

 ビクトリーは更に攻撃を畳みかけようと、ゴルドラス目掛けて跳躍して跳び蹴りを放つ!

 

 

 ………だが、なんとゴルドラスは自身の周りに半球状のバリヤーを張ってビクトリーのキックを防いでしまった!

 

 蹴りを弾かれたビクトリーはたまらず地面に落下する。

 

 

 ショウ「ビクトリウムシュート!」

 

 ビクトリーは怯まず跳ね起きで起き上ると、両腕で描いたV字型のエネルギーを右腕に溜めて腕をL字に組んでビクトリウムシュートを放つ。

 

 だが、ゴルドラスは再びバリヤーを張ってビクトリウムシュートを防いでしまう。

 

 

 そして逆に頭部の角から電撃光線を放ち、それがビクトリーの左肩に命中して爆発する。

 

 ビクトリーが怯んだ隙に更に電撃光線を胴体に浴びせて追い打ちをかけ、ビクトリーはダメージにより膝を付く。

 

 

 ゴルドラスは右手でビクトリーの首根っこを掴むと、そのまま怪力で持ち上げて放り投げる!

 

 

 ビクトリーは徐々に押され始めていた。

 

 

 

 一方ムサシはというと、

 

 

 ムサシ「コスモース!」

 

 

 ムサシはコスモプラックを揚げてウルトラマンコスモスに変身。光の中からコスモス(ルナモード)が右手の平を突き出して飛び出す。

 

 

 着地したコスモスは上空の歪みの穴を見上げる。直接接近して何なのか調べるつもりだ。

 

 

 ムサシ「まずはあの歪みの正体を調べなければ…、」

 

 

 と、その時!

 

 

 “ズドドドガーン”

 

 

 ムサシ「!?」

 

 

 なんと突如、歪みの穴から火炎、火球、光弾が降り注ぎ、コスモスの周囲に命中して爆発する!

 

 

 コスモスは驚きながらもそれらの攻撃をなんとかしてかわすことが出来る。

 

 

 そして再び歪みを見上げた時、あるものに気付く。

 

 

 それは、歪みの穴の奥で、何やら人型の異形の生命体が、どこかあざ笑うかのようにこちらを見つめているのである!

 

 ムサシ「まさか、あいつが歪みを発生させた張本人!?」

 

 コスモスが再び向かおうとした時、歪みの穴は徐々に小さくなっていき、やがて消滅してしまった。

 

 

 ムサシ「…さっきの生命体は、一体何だったんだ………。」

 

 

 ムサシが考え事をしている間にも、ビクトリーはゴルドラスに苦戦していた。

 

 怪力でビクトリーを抑え込むゴルドラス。それに気づいたコスモスは、とりあえずビクトリーに加勢する事にした。

 

 コスモスは右手を突き出してルナストライクを放つ。ビクトリーに気を取られていたゴルドラスはバリヤーを張れず、それを受けてしまいビクトリーを手放す。

 

 その隙にビクトリーは数回受け身を取って距離を取り。その後オーバーヘッドキックのように後ろ向きに跳躍してビクトリウムスラッシュを放つ!

 

 

 ショウ「ビクトリウムスラッシュ!」

 

 

 “ズドーン”

 

 

 ビクトリウムスラッシュが顔面に命中して爆発し、ゴルドラスは怯むと同時に角を破壊されてしまった。。

 

 ビクトリーはコスモスと合流して並び立つ。ここから一気に反撃の時だ!

 

 

 ………が、次の瞬間ゴルドラスの上空に再び歪みの穴が発生する。

 

 そしてゴルドラスは不利と見たのか、その穴の中に飛び込んで逃げ込み、ゴルドラスが入ったと同時に閉じて消えてしまった。

 

 

 ショウ「ッ………逃げられたか。」

 

 ムサシ「でもこれで、歪みと怪獣は何かの関係がある事が分かった。一旦戻ろう。」

 

 

 コスモスとビクトリーは身体を光らせて小さくなっていき、変身を解いた。

 

 

 

 ………だが、そんな光景を、合う越し離れた場所から見つめている一人の青年がいた………。

 

 その青年は二人のウルトラマンが消滅したのを見た後、何やら辺りを見渡し始める。

 

 

 ???「………さっきのウルトラマン………もしかしたらこの世界は………………あの人がいるかもしれない!?」

 

 

 そう言うと青年は、どこか急ぐ様に何処かへと走り去っていった………………。

 

 彼は一体何者なのであろうか………………?

 

 

 

 場面を変身を解いた二人に戻す。

 

 ショウ「あの穴はあの怪獣の出入り口であり、何者かが発生させたものなのは間違いない………。」

 

 ムサシ「僕はさっき、あの穴の中で何かがこっちを見ているのが見えたんだ。 まるでこっちを見て、嘲笑ってるかのようだった………。」

 

 ショウ「?………それは一体何なのですか?」

 

 ムサシ「分からない………見たことが無い、未知の生命体だったから………。」

 

 

 その時、

 

 

 ???「俺、そいつが何者なのか分かりますーっ!!」

 

 

 突然、声がした方に二人は振り向く。

 

 そこには、走りながら向かって来る一人の青年………

 

 

 豪快パイレーツのメンバーの一人でドラム担当、更にはウルトラマンや怪獣などに詳しい所謂ウルトラオタクの伊狩鎧である。

 

 

 ムサシ「鎧君、なぜここに?」

 

 鎧「今日は久々にトレーニングしようと思って、ここら辺までランニングしていたんです。 そしたらちょうど、あなた達の戦いと、上空の穴が見えたのです!」

 

 鎧は息を切らせながら話した。

 

 ショウ「じゃあ、お前はあの怪獣や生命体が何なのか分かるのか?」

 

 

 鎧ははっきりと答えた。

 

 鎧「はい。 先ほどショウさんたちが戦った怪獣は、超力怪獣ゴルドラス。

 

 そして、歪みの穴の中にいた生命体は………………

 

 

 時空生命体・ガルキメス!」

 

 

 鎧の言葉を聞いた二人は驚愕する。

 

 ショウ「時空………だと?」

 

 ムサシ「じゃあ、そのガルキメスって奴が、歪みの穴を発生させた張本人ってこと?」

 

 鎧「ええ、恐らく。 ゴルドラスも時空を操る能力を持ってますので、ガルキメスとは何かの関係があるのは間違いないでしょう。」

 

 ムサシ「じゃあ………さっき穴から降って来た火炎や火球とかも………?」

 

 鎧「恐らく………他にもガルキメスやゴルドラスと共に時空を越えてやって来た怪獣がいるのだと思います。」

 

 

 鎧は更に考察して語る。

 

 鎧「ですが、ゴルドラスは角を破壊されると時空界を発生できなくなります………つまりあの時空の穴はガルキメスが発生させたものであり、他の複数の時空を移動できる怪獣を連れて攻めて来てるのか、

 

 あるいはガルキメスは時空怪獣軍団のリーダー格であり、それらを従える宇宙人が陰にいるのか………俺としてはこれらの事が事が得られます!」

 

 

 ムサシ「ありがとう鎧君。とにかくこれで敵の正体が大体わかった。」

 

 ショウ「ビクトリーランサーが何やら微弱なエネルギー反応を示している………恐らく奴らはまだそう遠くには行っていない。」

 

 鎧「探索なら俺も手伝います!」

 

 ムサシ「ああ、一緒に行こう。」

 

 

 かくして三人は、ガルキメス率いる時空怪獣軍団の探索を始めた………………。

 

 

 

 

 因みに、上記のショウたちの一連の出来事が起こっているほぼ同じ頃、ヒカルと海羽はというと、

 

 

 海羽「(ラムネのボトルを頬に当てながら)んんん~!生き返る~!」

 

 ヒカル「やっぱ夏の暑い日のラムネは最高だな!」

 

 ようやく八幡那須岳村に到着し、ラムネで一息入れていた。

 

 

 八幡那須岳村。そこは正に山中の村と言う感じであり、売店は僅かにあるが、村のほとんどは木や藁でできた古風な民家が並んでいる。

 

 のどかであり、自然に囲まれていることもあり、霞ヶ崎以上に空気が美味いのも特徴である。

 

 

 ヒカル「ギンガスパークによると、この村辺りから何やら巨大な生命反応を感じるようだが………どこにいるんだろう?」

 

 海羽「さあ………少し、探す必要がありそうね。」

 

 ヒカル「よし、行ってみるか!」

 

 海羽「(左脚の踵を上げて右拳を揚げて)おー!」

 

 

 ヒカルと海羽は八幡那須岳村の探索を始めた………。

 

 

 果たしてこの村で彼らを待ち受けている者とは………………?

 

 

 

 [エピローグ]

 

 

 キョウ「痛っっってええぇぇぇ~~~!!(泣)」

 

 

 ガスト「ったくお前…なんであんな無茶したんだよ…。」

 

 ゲドー「まあ、その度胸だけは認めるけどさ………。」

 

 

 テライズグレートに響く悲鳴………それは、先ほどの身体を張った作戦に失敗し、あざだらけになって帰って来たメフィラス星人キョウが、ブラック指令ガストやナックル星人ゲドーに手当てをしてもらっているところであった。

 

 更にストロングコロナゼロに殴られたと言う事もあり、火傷も何か所かに負っていた。

 

 

 正にキョウにとってこの上ない骨折れ損の“くたびれ儲け”ならぬ“こぶ儲け”であろう(笑)

 

 

 キョウ「おんのれゼロ!あんちくしょ~………覚えてろおおぉぉぉ~!!」

 

 

 キョウさん………闇が広がりつつある櫂をわざと刺激までして捨て身の作戦を実行するとは………

 

 

 どうも、お疲れ様です!!(笑)

 

 

 To Be Continued………。

 

 

 (ED:ウルトラの奇跡)




 いかがでしたか?

 今回は全体的に重くなってしまい申し訳ありません!(>人<;)

 何より櫂君が前回以上に暴走してしまいましたね汗

 周りに激しい憎悪を抱く櫂君と、他者をも想う優しさを持つ真美ちゃん………。

 ………彼らの関係は今後どうなってしまうのであろうか?

 変わらず見守っててください汗


 さて次回は未来と現代を跨いだエピソードです、お楽しみに!


 因みに余談ですが、遂にウルトラマンオーブが始まりましたね!

 早速見てみたのですがとても面白く、今後もすごく楽しみにしています!(笑)


 感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています。
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