ウルトラマンゼロ物語(ストーリー) in RED ZONE STAGE 作:剣音レツ
あと今回、バトルシーンはほとんどありません。
(OP:TAKE ME HIGHER)
麟慶大学。そこは、「男女平等」をポリシーとしており、合言葉は『Boys and Girls Be Ambitious!』。これは、「男女共に大志を抱き、共に前に進んで行こう」と言う意味が込められている。なので、男性グループ、女性グループなどの同性同士よりも、男女混合で仲良しなケースが多い。授業間の休憩時間、とある男女3人が講義室の黒板前に集い昨日の事件について楽しそうに話をしていた。
「昨日は凄かったな。本物のウルトラマンと怪獣が出たんだろ?いきなり過ぎて、ちょうど朝だったから俺、コーヒー吹き出しちまったけどな、ハハハ」
明るく気さくに話している彼は『竜野櫂』(たつの かい)。工学部所属で、学力・運動神経は学年どころか学園トップと言われるほど高く、シャープなイケメン顔にスリムな体格で長身、髪型は後頭部の左右カールがかかったように跳ねているのが特徴。また、誰に対しても人当たりが良い事から、女子からはもちろん、男子からも人気や信頼を集めている。また、運動神経が高い事から、決まった部活・サークルに入っておらず、様々な運動部の掛け持ちをしている。
「あれは超獣みたいだよ櫂君。でも、一体何が始まろうとしてるのかしら……私、ちょっと怖いわ。」
しっとりした口調で不安そうに話す彼女は『新田真美』(にった まみ)。医学部に所属している。櫂とは幼馴染で仲が良い。艶やかな長髪で彫刻の様な整った可憐な顔つき、モデルの様にほっそりした美脚、くびれが目立つスレンダーな体つきをしている等容姿端麗で、櫂程ではないが成績優秀。それに加えおっとりした心優しい性格である事から、櫂同様多くの学生からの人気・信頼を集めている。
「大丈夫だよ!真美ちゃん。もしまた怪獣が出ても、またウルトラマンが来てやっつけてくれるよ。」
眩しいほどの笑顔で真美を励ましている小柄なさっぱりしたショートヘアの彼女は『眞鍋海羽』(まなべ みわ)。商学部所属で、学力はそこそこだが、心優しい性格で明るさは群を抜いており、子供の様に無邪気で可愛らしい外見や性質で、男子・女子関係無く誰にでも笑顔を振りまく事から、彼女から元気をもらう学生も多い。櫂と真美とは大学入学時に知り合い、友達になった。
「ありがとう海羽ちゃん。パワード以外にも誰か来てくれるのかな?」
「ああ、多分『パスワード』以外にも来てくれると思うぜ。」
「違うよ、パワードだよパワード。『ウルトラマンパスワード』だなんてちょっと可笑しいよ……フフフ……ハハハハ……」
真美は、パワードの名前を間違えた櫂に穏やかに突っ込んだ後、可笑しさの余り、口に手を当てて笑い出す。
「あ、パワードと言うのか、悪い悪い、ハハハ……」
櫂と海羽も可笑しくなったのか、つられる様に笑い出す。櫂は、ウルトラマンに関する知識が少ないため、たまにこうやって名前などを間違えては真美などから突っ込まれる事もしばしばである。ただ、ウルトラ戦士が昔から地球を守って来たと言う事は、三人とも知っている。
だが海羽は何かを思い出したのか、フェードアウトする様に笑いが止まる。そして、下を向きながら唇を少し開いて言った。
「……トシ君……今日も来なかったみたいね……。」
櫂と真美もその言葉を聞き、ふと笑いが止まる。
「ああ、桜井君?休み続けて今日で一週間だね……原因も未だに分からないし…櫂君、何か知ってる?」
「いや、それが…何度か携帯にかけても一向につながらないし…たまに家に行くんだが、居ない事が多いんだ。」
彼らにはもう一人、『桜井敏樹』(さくらい としき)と言う友達がいる。彼はイケメンで好青年だが、劣等性故に麟慶大学に入れず、櫂達とは別の低レベルの大学に通っていたが、その大学が理由あって閉校となり、学力向上等のため特別採用で麟慶大学経済学部に入学したが、学力の低さや人見知りの激しさを露骨に馬鹿にされ、酷いいじめに合う毎日を送っていた。
そんな彼が突然、一週間前から全く大学に来なくなったと言う。因みに最近の麟慶大学は、名門校でありながらこの様に劣等性をいじめる屑が増えてきたのが悩みの種でもある。
敏樹と海羽は幼馴染であり、櫂と真美とは大学で知り合って友達になった。櫂は何度か彼を迎えに行ったのだが、家に居ない事が多く、居たとしても「家族の事情」などと言う理由で断り続けて来たと言う。しかもその時の表情は以前の明るい敏樹の面影は無く、何かに憑りつかれた科の様な暗い顔をしていたと言う。
「あいつ……学部違うから助けてやる事も出来なかったし…いじめのせいでついに病んでしまったのだろうか……」櫂も深刻な表情になっていた。
「私も……幼馴染なのに何もしてやれなかった……私の所為だわ………」
海羽は、敏樹の不登校は自分の所為だと不甲斐無さを感じたのか、突然涙を流しすすり泣きを始めた。彼女は底抜け明るい反面、泣き虫なのが玉に瑕でもある。真美は、泣いてる海羽に歩み寄り、背中を優しく摩る。
「海羽ちゃんの所為じゃないよ。桜井君も、そのうち来てくれるはずだから、一緒に頑張ろう。」
「そうだぜ。俺と真美もついてるんだ。あいつを元気付けて楽しい学園生活に戻してやろうぜ。」
櫂は海羽のすくんだ方にポンと手を置いて明るい言葉をかける。櫂と真美の励ましを受けた海羽は涙を拭いて顔を上げ、僅かながら笑顔を取り戻した。
「そうだね……ありがとう。私、頑張るわ。」
「よし、その意気だ!」
「やっぱり海羽ちゃんは笑った方が可愛いよ。」
すると、海羽は突然何か急ぐ様に駆け出した。
「もうすぐ授業だけど、トイレ行ってくるから先生に言っといて。」
海羽はそう言うと、真美達に手を振りながらトイレに駆け込んで行った。
「…急に整理現象か?」
「それとも、桜井君の事が余っ程ショックだったのかしら……。」
「まあ、あいつの事だ。すぐ立ち直るさ。先に行っとこうぜ。」
櫂と真美は、海羽を案じながらも教室の机に座った。
一方、海羽は女子トイレで手を洗いながら上を向いて、何やら独り言を呟いていた。
「……早く来て………私の愛する人の為にも………。」
そう言うと海羽は女子トイレを出て、教室へと駆けて行った………。はて、さっきの独り言は、誰に向けて言ったのだろうか……?
場所は変わって、櫂達が住む地球と月の間の宇宙空間に、赤色でトゲトゲしい形状のTの字の形をした異形の宇宙船が停まっていて、その中には複数の宇宙人達が乗船している。その宇宙船は、無数の部屋があるのに加え、左右・中央・後部と4つの大き目の部屋がある。その中でも一際大き目の中央の部屋では、何やら格上らしき宇宙人達が集って話をしていた。
「くそっ……宣戦布告として送ったサボテンだーが、早くも敗れてしまうとは……!」
悔しがっている奴は、赤く、全身棘が生えた身体に鎌のようになっている右手が特徴の『異次元超人巨大ヤプール』だ。奴は過去に超獣等を使ってウルトラマンAと激闘を繰り広げており、最後はAとの一騎打ちの末、遂には撃破されたが、その後も怨念の力で何度も復活し、ウルトラ戦士達にしつこく挑戦し続けている。今回はその怨念に加え、「ある者」によって復活させられたらしい…。
「フフッ、どうやら目的達成の為にも邪魔なウルトラマン共を倒すのが先みたいですなぁ。」
そう言うのは、黒ずくめの姿に片手に水晶を持った怪人物『ブラック指令ガスト』だ。奴は悪魔の惑星『ブラックスター』出身であり、かつて同族が、地球侵略に邪魔なウルトラマンレオを倒す為に円盤生物を送り込んでいた。最終的に諦めなかったウルトラマンレオと地球人の子供達の前に敗れ、ブラックスターも破壊されている。彼はブラックスターが破壊された後も生き延びており、やがてある者の配下に着いたらしい……。
「そうと決まれば、とっとと奴らを滅多切りに倒してやろうぜ‼︎」
乱暴な口調で話す奴は、蜷局間と言う奇妙な形の頭部が特徴で手には切れ味が鋭い刀『テロリストソードワイルダー』を持った宇宙人『緑色宇宙人テロリスト星人バスコ』だ。奴はかつてウルトラマンタロウと戦ったテロリスト星人の同族である。テロ星出身で、宇宙一の暴れん坊と言われる程残虐で横暴な性格のため、様々な惑星で嫌われている。宇宙で抹殺行動をしている最中にある者に誘われ、配下に着いたらしい……。
「まあまあ、力ずくだけじゃ勝算は無い。ここは策を巡らせて、奴らを陥れないと…」
作戦を立てる事を提案する奴は、『悪質宇宙人メフィラス星人キョウ』。誰もが知っているウルトラマンと引き分けた紳士的なメフィラス…………のイメージとは少しかけ離れており、肥満気味で目のふちが赤く、灰色の体色が特徴で、どちらかと言うとウルトラマンタロウと戦った二代目に近い外見をしている。かなりの策士で、目的の為なら手段を選ばないが、テンパりやすい一面も。性格が逆なバスコとは何故か息が会うため、コンビで行動する事が多い。
ヤプール・ガスト・バスコ・キョウの四人は、この軍団の中でも特に格上の幹部達で、とある目的のために邪魔なウルトラマン達を倒す為の話し合いをしていた。
………と、その時、
「ウルトラマンなんて倒しちゃダメだって〜」
突如、四人の会話を断ち切る様に声が響いた。四人はその声のする方に振り向く。そこには、赤と青と銀と黒で構成された肉体、頭はウルトラマンレオの如く独特な形に額部には細長い菱形の鉱石が付いており、胸には黄金のプロテクターが付いており、目付きぐ若干鋭い巨人が立っていた。さらに、胸から足にかけて走る白いラインは、まるで高笑いする悪魔の様で不気味である。
奴は『ウルトラマンテラ』。奴は、元は光の国のウルトラ戦士だったが、どうした事か悪の道に落ち、宇宙を荒らしまわっていたと言う。そして、見つけた地球を新しい侵略地にしようと決め、複数の宇宙人達で軍団を作り、地球人のから自身のエネルギーである怒り・悲しみ・憎しみなどと言った『マイナスエネルギー』を発生させ、それを取り込んで力を増し、地球を破滅させようと企んでいる。しかし、奴の多くはまだ謎に包まれており、侵略の動機、および何故闇に落ちたのかは、誰も知らない事である。因みに奴は、生まれつき刺激を受ける事が大好きで、その為なら手段を選ばないと言う一面もある。
「ウルトラマンこそ生かしておくべきだよ。その方が、面白い感じになりそうじゃん?」
テラは、厳つい外見に似合わない陽気な口調で話す。
「だ…だがな、現にウルトラマンが数名既に駆けつけて警戒している!放置していたら危険だぞ!」
「今直ぐに超獣軍団を放って奴らを抹殺します!」
ヤプール達は、既にウルトラマン達の処分を焦っている。特にヤプールは、これまで何度もウルトラ戦士と戦って敗れているのだから警戒するのも無理は無い。
だがテラは、その要求を呑むどころか、鼻で笑い飛ばす。
「ウルトラマンがいるからこそ、スリリングで楽しいんじゃねーか。その方がこの俺、ウルトラマンテラは良い感じの刺激を味わえるんだよ。奴らの事は気にせず、君らは俺を完成にさせる為のマイナスエネルギーを集める事に専念すると良い。もし邪魔だと思えば、その時に殺っちまえば良いのさ。」
ヤプール達は、テラの言葉にしぶしぶ賛成したのか、何か言いたそうな感じながらも黙り込んでしまった。テラは、部屋の奥の黄金の椅子に足を組んで腰をかける。
「マイナスエネルギー収集か……ここは思いっきり恐怖を与えた方が手っ取り早く集まるかもね…。」
キョウが何か考えようとしたその時、部屋のドアが勢い良く開いた。
「この俺様に任せて下さい‼︎」
自信満々な口調で入って来たのは、黒い岩石の様な頭で、白い身体中に赤い斑点の様な模様が付いているのが特徴の宇宙人『暗殺宇宙人ナックル星人ゲドー』。奴はかつてウルトラマンジャックと戦った個体の同族であり、彼も格上の幹部の一人である。
「この俺様、ナックル星人ゲドー様が、テラ様に最高の闇を差し上げましょう。」
ゲドーは、両手の平を擦り合わせながらテラに申し出た。
「フッ…良いだろう。最高のモノを楽しみにしてるぜ。」
「ぃよっしゃ〜‼︎楽しみにしてて下さいテラ様、他の奴らなど必要無いぐらい大量にお土産しますぞ!」
ゲドーは上機嫌である。
「随分と自信満々だな、自惚れてるとウルトラマンに妨害されるぞ。」
「フンッ!ウルトラマンなど、俺様だけでも倒せるわ!怪獣の相棒も数体いるからなぁ、ハッハッハッハッハー!」
ゲドーはガストの忠告を笑い飛ばし、ハイテンションで笑いながら部屋を出た。彼は実力はあるが、それ故に自尊心が高い。その為、ウルトラマンを倒すのに絶対の自信を持っている。
「やれやれ…ああ言う策を立てないタイプはすぐやられるのがお約束なのに……ま、せいぜい頑張れってところだな。」
キョウは、地球に向かうゲドーを見つめながら、冷ややかに独り言を呟く。
「なーに、ゲドー組がかかれば、一人ぐらいは倒せるさ。さてと、ここはお手並み拝見と行こう。」
そう言うとテラは、椅子に座った状態で足を組み、くつろぐ体勢に入った。謎のウルトラマン、『テラ』の地球破滅への作業は既に始まっている………………!
場所は地球に戻る。櫂達は授業を終え、放課後を過ごしていた。
「悪いな真美、今日は流星部長が不在だからゲン先生に空手部の部長代理を頼まれてな。」
「そう……じゃあ海羽ちゃんと先に帰っとくわ。頑張ってね。」
「よーし、今日も頑張るぞ〜!」
櫂は真美と別れを告げ、張り切って空手部の道場に向かい始めた。勿論、平和に暮らしている櫂達は、この地球に危機が迫っている事を、まだ知らずにいた。
(ED:赤く熱い鼓動)
次回、あの銀河の覇者がついに登場!
ウルトラマンテラのデザインはいつかpixivに載せようと思います。いつになるか分かりませんのでご了承下さい。
櫂達登場人物の詳細は、今後投稿する『設定』にて書こうと思います。
感想・指摘・アドバイス・リクエスト等をお待ちしています。