ウルトラマンゼロ物語(ストーリー) in RED ZONE STAGE   作:剣音レツ

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 お待たせしました!久々の本編の続きです!

 最近まで大学で期末試験があったりマラソンに参加したりなど何かと忙しかったのですが、ようやく完成です。


 今回の主役はヒカル君と海羽ちゃんの新コンビです!

 この二人が今回、怪獣たちをおびき出すために大胆な作戦を展開します!

 また、海羽ちゃんファンには多少刺激が強いかもしれない描写もありますのでご了承ください。

 というか、事前に言っておきます。海羽ちゃんファンの方、すみません!!(笑)


 また今回は『ウルトラマンギンガ(無印)』を意識した描写もいくつかあり、あと後半では、『ウルトラマンガイア』を見た方なら分かるかもしれないネタも仕込まれています(笑)


 あと、去年のニチアサ番組の小ネタも紛れています。


 あと、サブタイトルも二つ隠してみました。


 それでは、どうぞ!


第25話「奪われたフュージョンブレスとハートフルグラス」

 いつも優しい母さんが………………(チョコを手に持って)そういえば父さんと母さんも、これを食べてたっけ………………。

 

 

 未来からの敵の襲来を撃退したその日の夜、竜野櫂の脳内には繰り返しある言葉が過っていた。

 

 

 それは、敵と同じく未来から来た自分の息子・慧の言葉である。

 

 

 アパートの自室にいる櫂は机に肘をついて頭を抱えたまま、なにやら自分に言い聞かせるように呟き続けていた。

 

 

 櫂「間違いない………………慧の母親………つまり、俺と結ばれるものは………………間違いない………………。」

 

 

 一方同じ頃、

 

 

 真美「…へくちゅ、」

 

 

 夜の散歩をしている新田真美は、ふと小さなくしゃみをしていた。

 

 

 真美「どうしたんだろう………今日はなんだか不思議な一日だったわ。」

 

 

 真美は星が光る夜空を見上げながら、呟いた。

 

 

 真美「………ま、いいか。きっと疲れてるんだよ。

 

 明日は久しぶりに櫂君と二人きりで出かけるわけだし、今日はもう帰って寝ーよおっと 」

 

 

 そう言うと真美は軽やかな足取りで、ルンルンと鼻歌を歌いながら帰り道を歩いて行った。

 

 

 櫂の息子の登場、そして、何やら秘密を知っていると思われるウルトラマンタロウの参戦により、更に謎が深まっていく………。

 

 

 もしかすると、櫂と真美という二人の男女が、何か鍵を握っているのかもしれない………?

 

 

 

 (OP:英雄の詩)

 

 

 

 今回は、櫂の闇が広がって暴走が加速したり、櫂の息子や敵が未来から来たりなどで大騒ぎしているのとほぼ同じ頃の別の場所での話である。

 

 

 露金渓谷の偵察を任され八幡那須岳村を目指していた礼堂ヒカルと眞鍋海羽の二人は遂に村に到着した。

 

 

 ヒカル「ここが八幡那須岳村か。」

 

 海羽「何だか昔からある感じがしていい感じ~!」

 

 

 八幡那須岳村。そこは彼らが住んでいるようなところとは異なり、レンガの屋根の民家、藁や木でできた民家が多く、まさしくのどかな田舎らしい自然に囲まれた村である。

 

 

 海羽「う~ん…空気も美味しいし、最高。」

 

 海羽は背伸びをしながら言った。

 

 普段都会暮らしの彼女にとってはよほど珍しい場所なのであろう。

 

 

 因みにこの村の入り口には大きな鳥居が立っており、その左右には二つの石像が立っていた。

 

 

 一つは狐、そしてもう一つは百足である。

 

 

 ヒカル「何だろう、この石像は………何だか変わってる組み合わせだな。」

 

 海羽「狐は分かるけど何で百足なんだろう~……もっとマシな動物だったらいいのにね。」

 

 海羽は身震いしながらヒカルに縋り付いて言った。彼女は恐らく百足のような昆虫が苦手なのであろう。

 

 

 ヒカル「ははは…まあ、とりあえず村に入ろうぜ。

 

 実はここに着いてから、俺のギンガスパークがまだ微弱ながら反応をしているんだ。」

 

 海羽「あ、実は私のハートフルグラスも同じく。………きっとこの村に何か秘密があるんだよ。」

 

 ヒカル「っしゃあ、行こうぜ。」

 

 海羽「うん!」

 

 

 ヒカルと海羽は鳥居の下を通り、村へと入って行った。

 

 

 因みに彼らは気づかなかったが、鳥居の上にもう一つ石像が立っていた。

 

 その石像の動物は、鳥である。

 

 狐、百足、そして鳥。これらの石像は果たして何を意味しているのであろうか………?

 

 

 

 海羽「ラムネ二つくーださーいな!」

 

 村に入ったヒカルと海羽はとりあえず一息つくことにした。

 

 近くの駄菓子屋に寄り、木を切った後のような椅子に座ってラムネを飲む二人。

 

 すると駄菓子屋の年配男性が二人に興味を示して来た。

 

 「おーお随分と若い二人が来たものだねー。」

 

 海羽「え、えへへへ、どうもー。」

 

 「こんなにもイケメンに美少女が来てくれて嬉しいぞー。是非ゆっくりしてってな。」

 

 若者がこの村に来るのが余程珍しいのか、男性は嬉しそうにヒカルと海羽の間に割って座り、二人の肩に手を回して気さくに話した。

 

 この村の人はフレンドリーで良い人たちなのであろうか………?

 

 

 ヒカル「因みにこの村には、俺たちと同じくらい若い人も住んでいるんですか?」

 

 ヒカルが質問した瞬間、男性の明るい表情が少し曇る。そして、こう言った。

 

 「………ああ。いるよ。……いや、“いた”って言った方が正しいかもしれねえ。」

 

 海羽「…ほえ?」

 

 ヒカル「“いた”………ですか?………。」

 

 ヒカル(過去形?………てことは、今はいないという事なのか………?)

 

 男性の意味深な回答にヒカル達は困惑していた。

 

 

 すると、男性は立ち上がり話を変える。

 

 「そういやあ、今この村は今夏祭りしてんだ。兄ちゃんたちも行くかい?」

 

 

 ヒカル達が来たこの日はちょうど八幡那須岳村で年に一度の夏祭りが行われる日であった。

 

 

 すると、海羽はものすごい高さで立ち上がり男性に詰め寄る。

 

 

 海羽「今、夏祭りって言いました!?」

 

 「え………お、おう。」

 

 男性は困惑しつつも答える。海羽の目は普段以上に輝きを増していた。

 

 彼女はどうやら、屋台などで賑わう祭りが大好きなようである。

 

 

 ヒカルと海羽は男性に案内され、夏祭りの会場へと向かい到着する。

 

 この村の夏祭りは八幡那須岳神社付近で行われており、近くにはいろんな屋台が並び立っていた。

 

 

 ヒカル「うおお、これはすげえゼ!」

 

 海羽「やったー!まずはどれから回ろうかなー!?」

 

 ヒカル「おいおい行き過ぎて迷子になんなよ。」

 

 まるで幼い少年少女のようにはしゃぐヒカルと海羽。それを男性はどこか懐かしむように見つめていた。

 

 

 「おーいマサ、そろそろお前さんの紙芝居の時間が近いじゃないのか?」

 

 マサ「おーっと、そうだった。んじゃ、準備しますか。」

 

 ヒカル達が知り合った男性の名は『マサ』と判明した。

 

 ヒカル「紙芝居………ですか?」

 

 マサ「ああ、毎年夏祭りには、俺が自作の紙芝居を子供たちに聞かせてやってんだ。………あまり子供は多くないがな。」

 

 ヒカル「へえ~………紙芝居なんてもう何年も聞いてねえな………俺も聞いてもいいですか?」

 

 マサ「お、もちろんだ若造よ!ははは…」

 

 ヒカル「なあ、海羽も聞いてみようz………」

 

 ヒカルが海羽の方を振り向くと、、、

 

 彼女は既に右手に綿菓子、左手に水風船、そして頭にはお面を付けたりと、もう既に祭りを楽しんでいる真っ最中であった。

 

 ヒカル「(苦笑しながら)ははは…ったくまるで子供だなあ。」

 

 海羽「(嬉しそうに首をかしげながら)えへ?」

 

 マサ「そういう兄ちゃんも、その手の物は何だい?」

 

 ヒカルも、右手に射的で取ったコケシ、左手に買っていた焼きそばを持っていた。

 

 彼もいつの間にか祭りを満喫している最中だったのである。

 

 ヒカル「あ、あははは………それより海羽、紙芝居見ようぜ。 これからマサさんがやるみたいだぞ。」

 

 海羽「え?紙芝居? 見る見るー!」

 

 ヒカルの誘いを聞いた海羽は、まるで子供のように跳びはねる。

 

 

 それを見て微笑みつつも、ヒカルは夏祭りで賑わう辺りを見渡し、何かを思い始める………。

 

 

 ヒカル「夏祭り………ここが俺の世界だったら、“あいつ”も一緒に連れて行きたいな………。」

 

 

 

 

 その頃、そんなヒカルの世界に住むとある少女が…。

 

 

 石動美鈴「…くしゅんっ!?………何だろういきなり………誰か噂してんのかな?」

 

 

 何やら家の台所で和菓子を作りながらふとくしゃみをしていた………。

 

 

 

 

 気が付くと紙芝居の準備をしているマサの周囲には大勢の子供が集まっており、マサはそんな子供たちに一人一本ずつ、懐かしの味付けのイカを配っていた。

 

 もちろんヒカルと海羽にもである。

 

 

 海羽「はぁ~紙芝居を聞くのっていつ振りだろう?」

 

 ヒカル「ああ、俺も何か、懐かしい気分だぜ。」

 

 

 やがて、紙芝居が始まった。

 

 今時祭りで紙芝居をする所が、どこか昭和っぽさを感じていいものである。

 

 

 内容は、ここ八幡那須ヶ岳ができるまでの話である。

 

 マサは慣れた口調で紙芝居を読み始める。

 

 

 マサ「昔々その昔、この辺がまだ見渡す限りの原っぱだった時の事だ。

 

 そこに一軒二軒と家が出来て、畑や田んぼをこしらえて、やがて小さな村が出来たんだ。

 

 そこに更に人が増えて、村はどんどん大きくなっていきました。

 

 

 けれど、良い事ばかりだったこの村に、突然大きな脅威が襲いかかって来ました。

 

 一体何だと思う?

 

 それはね、大きな山よりも二、三倍大きい九尾の狐の怪物と、大きな山を八巻き半するほどの大きな百足の化物だったんだ!」

 

 

 マサがそう読むと共に、次に出された紙にはその巨大な狐と百足の絵が描かれていた。

 

 

 海羽「ひゃっ…?」

 

 ヒカル「へえ~、結構迫力あんじゃん。」

 

 

 マサ「その狐の妖怪は北から、そして百足の妖怪は南からやって来て、この村に住み着いてしまったんですよ。

 

 そして大狐と大百足は、毎年若い男女を一組ずつよこせと言ってきたんですよ。

 

 

 さあ、可哀想な娘さんを囲んで、村人たちが悲しんでたその時、その前に一人の旅人が通りかかったのです。

 

 旅人は村人から話を聞くと、「よし、それではこの私が、その大狐と大百足を退治してあげよう!」と言いました。

 

 そして弓を手に山を登る旅人を見た大狐は、真っ赤な口から狐火を吹いて、嘲笑ったんです。

 

 グエへへへへへ、ギェ〜へへへへへへへ〜!」

 

 

 顔芸まで披露しながら大狐が笑うのを表現するマサ。それを見る子供たちはその可笑しさから笑い始める。

 

 

 海羽「ふふふ、狐が笑うわけないじゃない。」

 

 ヒカル「ほんと、可笑しな話だよな。」

 

 ヒカルたちも無邪気にそれを楽しむ。

 

 

 マサ「そんな弓で、俺様たちが殺せるとでも思っているのか!?

 

 グエへへへへへ、ギェ〜へへへへへ〜!」

 

 

 すると突然!さっきまで晴れ渡っていた空が突然曇り、強い風が吹き始める!

 

 突然の天候の変化にヒカルと海羽はもちろん、マサや子供たちも驚き動揺する。

 

 そして、何やら村の入り口の鳥居の狐と百足、そして鳥の石像の目が光って点滅する。

 

 その様子はマサの表現する笑いに共鳴するかのようであった…!

 

 

 だが、そんな突然の怪現象はすぐに収まり、強い風も止み、曇っていた空も晴れ始める。

 

 鳥居の石像も、いつの間にか元に戻っていた。

 

 

 ヒカル「…何だったんだ?今の。」

 

 海羽「怖かった〜。」

 

 ヒカルと海羽、子供たちは動揺を隠せないが、マサはすぐさま切り替えて紙芝居の続きを始める。

 

 

 しかし、先ほどの怪現象は一体何だったのだろうか………?

 

 ひょっとすると、何かの前兆なのだろうか、、、?

 

 

 マサ「…さあさあ、話の続きだよ。

 

 

 さて旅人は、力一杯引き絞った矢を放った!

 

 矢はただの矢ではなかったのです。

 

 人々や村の平和を守るために、神様が与えた不思議な力を込めた矢だったのです…!」

 

 

 …だが、マサがそう読み聞かせながら大狐ならびに大百足が倒される絵を出したその時、

 

 恐れていた事が起こる…!

 

 

 夏祭りの場所から少し離れた山地が、突然地響きを立て始め、そして一つの小さな山が岩を散らし、土砂を巻き上げながら割れる!

 

 

 そしてその中から一体の巨大生物が現れた!

 

 

 緑色の体に長い首と、まさに百足のようなフォルムを持つその巨大生物こそ百足の怪獣『百足怪獣ムカデンダー』である!

 

 ムカデンダーは現れると咆哮と共に目を覚ます。

 

 

 そしてもう一方では、突然人魂のような火が現れて空中で爆発すると、その中から今度は狐のような怪獣が現れる。

 

 『狐火怪獣ミエゴン』の登場だ!

 

 

 突如現れた、まさに紙芝居の怪物に似た二体の怪獣。

 

 手始めに口からの火炎を噴射して暴れ始める!

 

 夏祭りの人々もそれに気づき一斉に逃げ始める!

 

 

 海羽「!あれはっ⁉︎」

 

 ヒカル「紙芝居が、現実になったというのか⁉︎」

 

 ヒカルたちも驚きを隠せない。

 

 マサ「そんな………遂に目覚めちまったか…。」

 

 海羽「え?」

 

 マサ「い…いや、それより兄ちゃん姉ちゃんも、早く避難するぞ!」

 

 マサは何やら気になることを呟きつつもヒカルと海羽に避難を促す。

 

 

 やがて、ヒカルと海羽が怪獣の目につかない場所まで避難した時、ミエゴンとムカデンダーは妨げになる小山や岩壁を破壊しつつ、夏祭りの場所の目前まで迫っていた。

 

 

 ………ところが、妙なことに二体はその場所で立ち止まり周りを見渡し始める。

 

 何かを探しているのであろうか………?

 

 

 すると、二体はなぜか引き返し始める。

 

 

 ヒカル「逃がすかっ!」

 

 

 ヒカルはそう言いながら、ギンガスパークの先端から光弾を発射する。

 

 

 …だが、なんと光弾が当たる直前にミエゴンの姿はスッと煙のように消えてしまい、それにより光弾は空振って飛んで行った。

 

 恐らく頭部の角からの透明シャワーを自身に浴びせて姿を消して退散したのだろう。

 

 

 ムカデンダーも地面を掘りながら地中に姿を消した………。

 

 

 

 突然現れたかと思うとすぐに地中に姿を消した二大怪獣。

 

 ヒカルと海羽は隠れてた場所から姿を現し、マサたち村人たちも姿を現していく。

 

 

 ヒカル「何だったんだ?あの二体は…。」

 

 海羽「なんか…何かを探してるみたいだったけど…。」

 

 

 「…もうおしまいだ…!」

 

 すると、村人の一人が地に伏せて嘆き始める。

 

 辺りを見渡すと、他の村人たちも何やら深刻そうになっていた…。

 

 

 ヒカル「あの……どうされましたか?」

 

 

 ヒカルが尋ねてみると、同じく深刻そうにしていたマサが重い口を開くように話し始める。

 

 

 マサ「…遂に目覚めてしまったんだよ…九尾の狐と百足の怪物が。」

 

 

 ヒカル「九尾の…狐?」

 

 海羽「百足の…化け物?」

 

 ヒカル・海羽「………ああっ!!」

 

 ヒカルと海羽は何かを思い出し、口をそろえる。

 

 

 海羽「そういえばさっきの怪獣、紙芝居の怪物とそっくりだった!」

 

 ヒカル「もしかして、さっきの紙芝居の内容は…、」

 

 

 マサ「………ああ、ここ八幡那須ヶ岳村の、古くからの伝説でもあるんだ…。」

 

 

 マサはそのまま語った。

 

 なんでも、ここ八幡那須ヶ岳村には古くからの言い伝えがあり、およそ数百年前の遥か昔、平和なこの村に九尾の狐の怪獣(ミエゴン)と百足の怪獣(ムカデンダー)が突如現れ、村を破壊し、人々を食い荒らしていたという。

 

 食われていく人々の中には特に若い人、特に女性が多く、その若い人々がよほど気に入ったのか、二体はその後も現れる度に若者を食い荒らしては姿を消していたという。

 

 

 海羽「そんな伝説があったなんて………。」

 

 ヒカル「この村に若い人が見当たらないのも、その伝説が関係してるのですか?」

 

 

 マサ「ああ、あれから村人は、若者は別の所に移住させ、子供が生まれた際もすぐさま両親ともに移住させていたんだ。」

 

 

 なお、そんな二体の怪獣の襲撃に遭う日々を送り、村人たちが悲しんでる最中、偶然通りかかった武士が事情を聞き、退治を引き受けたという。

 

 

 海羽「ホントに紙芝居そっくりだね~流れが。」

 

 マサ「ああ、今日の紙芝居は、今日がその怪物たちが封印された日、すなわち縁日でもあるという事で、その伝説に沿って作ってみたんだが………よりによってこんな時に甦るとは………。」

 

 マサは軽はずみな行動をしたのではないかと落胆する。

 

 

 だが、確かな事がただ一つ、その言い伝えの怪獣・ミエゴンとムカデンダーは、縁実の紙芝居で語られた伝説を聞いた人々の意思が同調して復活したのである。

 

 

 入り口の鳥居の石像も、そんな封印された二体を象ったものだったのだ。

 

 

 海羽「あああっ、マサさんのせいじゃないですよ。」

 

 海羽は慌てて慰める。

 

 マサ「………優しいなあ嬢ちゃん………孫を思い出すよ。」

 

 海羽「………………へ?」

 

 マサもまた、自分の孫娘を都会に移住させているのだった………。

 

 

 ヒカル「封印で留まったということは………その武将は弓で仕留めそこなったということですか?」

 

 マサ「ああ………だからせめて、奴らが復活しないように、若い者たちを移住させる事をみんなで決めたんだ………最も、俺の紙芝居は旅人の矢で倒されて終わりだけどな………。

 

 おかげで俺は、なかなか孫娘と会えず、孫娘が幼い頃から離れて暮らしていて、たまのお盆や正月に会うぐらいで、気がついたら大きくなっていた………こんなに悲しいことは無いよ。」

 

 

 マサが自分の孫娘との離れ暮らしを話しながらちらっと横を見てみると………

 

 そこには泣き崩れている海羽の姿があった………。

 

 彼女は色んな意味で涙もろい(泣き虫?な)一面もあるのである。

 

 

 ヒカルは困惑しつつも泣いている海羽の背中を摩る。

 

 ヒカル「だ………大丈夫か?海羽。」

 

 海羽「ぐすん………えへ、ごめんなさいね。私、こう見えて泣き虫なの。」

 

 

 「お兄ちゃんお姉ちゃんも早くこの村から出た方がいい。奴らの餌食になるぞ。」

 

 村人の一人がヒカルと海羽に村から出るように勧める。

 

 

 ………だが、二人は了解する様子を見せず、それどころか何やら笑顔で見つめ合っていた。

 

 

 マサ「………どうしたんだ?」

 

 

 ヒカル「村人の皆さん、その必要はないですよ。」

 

 「え?」

 

 海羽「そんな化物、さっさとやっつけちゃお、(ヒカルの方を向いて首をかしげて)ね。」

 

 

 マサ「な、何を言ってるのだね?」

 

 

 思わぬ返事に困惑する村人たち。

 

 

 「あ、そういえばさっき…。」

 

 その時、村人は何かを思い出す。

 

 

 それは、先ほどヒカルが取り出したアイテム(ギンガスパーク)から光弾を発射した事だった。

 

 

 「あんた達、もしかして………?」

 

 

 ヒカル「ふっ、そのもしかして…さ。」

 

 するとヒカルと海羽は、懐からそれぞれ変身アイテム・ギンガスパークとハートフルグラスを取り出す。

 

 

 一斉に驚く村人たち。

 

 「………そんな…。」

 

 「………まさか…。」

 

 マサ「あんたら、もしかして…。」

 

 

 すると、そんな二人を見た旅人たちは何かを確信したのか、ふと笑顔になって行く人も出始めていた。

 

 

 マサ「………兄ちゃんたちがこの村に来たのは、何かの運命かもしれないな………。」

 

 

 マサの言葉に微笑むヒカルたち。

 

 

 ヒカル「任せてください。俺たちが、この村に新たな伝説を築きますよ。」

 

 海羽「『光の戦士が、怪物を倒して平和を取り戻す』という伝説をね!(少し首をかしげてウィンク)」

 

 

 すると、村人たちは彼らに希望を見出したのか、一斉に彼らの方を見つめる

 

 その表情はまるで「任せたよ」と訴えかけているようであった。

 

 

 「あんたら、くれぐれも無理すんじゃないよ。」

 

 「まだ若けーんだから、自分らより先に死んじゃいけねーぜ?」

 

 村人たちは二人を励まし始める。

 

 

 ヒカル「あはは…大丈夫ですよ。俺たちは、絶対に死にませんから!」

 

 海羽「必ず、みんな無事に帰しますから!」

 

 

 

 怪獣撃破を決意したヒカルと海羽。

 

 そんな彼らの様子を、村人たちよし少し後ろから、木に隠れて見つめているとある2人組がいた………。

 

 

 しかもそれは、二人とも若い男なのである!

 

 

 ???「なあ、本当にやるのかよ?賢。」

 

 ???「あたぼーよ! 絶対に………。」

 

 

 はて、この村にいる若者は、訪れたヒカルと海羽しかいないはずなのだが………一体彼らは何者なのであろうか………?

 

 そして、何やら企んでいるっぽい事とは………?

 

 

 

 ミエゴンとムカデンダーの撃破をヒカルと海羽に任せた村人たち。

 

 だが、そんな村人たちの中に一人、未だに落胆している者がいた。

 

 その人は何やら大きな筒を持っており、どうやら花火職人のようである。

 

 

 「はぁ〜…今夜は夏祭りの目玉・花火大会があるというのに………今年は中止かな?」

 

 

 すると、海羽が職人の元へ歩み寄ると…

 

 海羽「ドント・ウォーリーですよ、おじさん。」

 

 「…え?」

 

 

 海羽「花火大会、普通にやっちゃってください!

 

 皆さんも、花火大会普通に楽しんでください!」

 

 

 海羽の思わぬ呼びかけに、職人はもちろん村人たちも困惑してざわつき始める。

 

 

 「な、何を言ってるのだねお嬢ちゃん。怪物が襲って来るのだぞ?」

 

 海羽「だからこそ、ですよ。(右手で矢印を作って少し首をかしげる)

 

 奴らをどうおびき寄せ、どう倒すかも既に考えてますから。」

 

 自信満々な海羽の意味深気味な発言を聞いた村人たち。まだ困惑は治らないものの、彼女たちが光の戦士である事に変わりはない事からの安心感からなのか少し落ち着いた。

 

 海羽「ささ、そろそろ夕方ごろですし、花火大会の準備を進めてください!」

 

 

 すると、海羽は職人の手を握って…

 

 海羽「(目を光らせながら甘えるような表情で)私も見たいわ〜………貴方の打ち上げは・な・び〜♡」

 

 

 ………なんとも!これまでにない小悪魔じみた仕草を見せてしまう海羽…。

 

 

 ヒカル「うわぁ…。」(大胆…!)

 

 流石のヒカルも引き気味な顔で見つめていた。

 

 

 だが、そんな海羽の表情をモロ目の前で見てしまった職人。さっきまで若干暗かった表情が、一気にニヤけ出して顔も赤くなる。

 

 

 職人「(照れ臭そうに海羽の手を慌てて振り払って)こ、ここ、こんな顔、さ、されたら、やらないわけにはいかないなっ!」

 

 海羽「(ピースして小声で)イエイ。」

 

 

 かくして、やたらと張り切る花火職人を中心に、花火大会の準備が始まった………。

 

 

 マサはヒカルと海羽に付き添うことにした。

 

 ヒカル「さてと、奴らをぶっ潰しに行くか!」

 

 マサ「それにしても、どうやって村の人たちが襲われないように奴らをおびき寄せるんだ?」

 

 ヒカル「それだな……若者の俺たちが一際目立つように仕向けるしかないと思うが…。」

 

 

 ヒカルは今回はUPGのジャケットではなく私服で来ているため、今のままでは怪獣の目に留まるほど目立たないのである。

 

 

 その時、ヒカルはある場所に気付く。

 

 それは、昔風の民家が大半の村の中でも、一際現代風に見えて目立つ建物がある事だった。

 

 屋根のてっぺんに十字架がある事から、その建物は教会だと思われる。

 

 

 ヒカル「あの建物は何ですか?」

 

 マサ「ああ、あれは十数年前に出来た教会だよ。他の教会に比べたら小さめだけどね…。

 

 でも、さっきも言ったようにこの村には若者がいないから結婚式が挙げられるわけでもなく、創立したっきり全く使われてないんだ………。

 

 ぶっちゃけ人々が助かるのならあんな教会、怪獣たちに壊されても構わないよ…。」

 

 

 マサがぼやいたその時、

 

 

 海羽「それなら、私に良い考えがあります!」

 

 突然、海羽が元気よく、そしてどこか嬉しそうに挙手する。

 

 

 マサ、そしてヒカルは「それは何?」とばかりに一斉に海羽の方を振り向く。

 

 

 海羽「ヒカルさんは私と、」

 

 

 

 ヒカル「………ん?」

 

 

 

 

 海羽「私と………結婚してください!」

 

 

 

 

 ………………突然(色んな意味で)とんでもない事を言い出す海羽………………。

 

 

 

 マサ「………え?」

 

 

 ヒカル「………え??」

 

 

 

 ヒカル・マサ「ええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーー!!!???」

 

 

 

 二人は大変大きく驚き(←当然だw)、その勢いで早送りのように後ろ向きに後ろにさがっていき、やがて後ろにあった壁にぶつかるように引っ付く!

 

 

 ヒカル「けっ………!?」

 

 マサ「こん………!?」

 

 

 驚く二人の方を向いて、海羽は笑顔で頷いた。

 

 

 

 いきなりヒカルに結婚を申し出るとは………………彼女、一体何を考えているのであろうか………………?

 

 

 

 

 一方、ヒカルの世界に住んでいる、エプロン姿で三角巾をしている和菓子を作っているとある少女、

 

 

 美鈴「………何だろう?………妙に胸騒ぎがするわ………………ま、いっか。」

 

 

 

 

 海羽は、驚きを隠せない二人を他所に、“ある物”を差し出す。

 

 海羽「はい、これ。」

 

 ヒカル「な………なんだよ、これ………?」

 

 

 差し出されたのはスラックスにベストと、なぜか喫茶店とかにあるウェイターの衣装であった。

 

 ヒカル「なっ………何でウェイターの衣装なんだよ?」

 

 益々困惑が募るヒカル。

 

 海羽「だってタキシードとウェディングドレスがないから…だから、ヒカルさんはスラックスとベスト、そして私はメイド服でね。」

 

 

 そう、海羽はウェイターとウェイトレスの服を持っていたのである。

 

 流石はメイド喫茶でバイトしているだけはある(?)。

 

 

 ヒカル「でっ………でも、メイド服ならともかく、何でウェイターの服まで持ってんだよ!?」

 

 海羽「ふふふ、それは、最近ウェイターとしてバイトの後輩がメイド喫茶に入って来たからね~。」

 

 

 

 同じ頃、

 

 健二「へっ………へくしゅん!?」

 

 早苗「大丈夫?ケンちゃん…。」

 

 健二「あ、ああ、大丈夫ださなちゅん。」

 

 

 

 そして夜が来た。

 

 八幡那須岳村では予定通りに毎年恒例の夏祭りの大目玉・花火大会が始まった。

 

 

 夜空には打ち上げられた花火が爆発音と共に鮮やかな火花で様々な模様を描き、人々は袴などの衣装でくつろぎながらそれを眺める。

 

 

 ………そんな中でも、何人かヒカルと海羽の事を心配する人も見られる。

 

 「…あのお兄ちゃんたち、大丈夫かねぇ?」

 

 「なあに、きっと大丈夫じゃよ。なんせ光の巨人なのだからなぁ。」

 

 「ああ、わしらにとっちゃあ、運命の出会いかもしれないねぇ………。」

 

 「付き添いのマサも無事であればいいんだが………。」

 

 

 

 マサ「へくちっ!………なんだよ、誰か噂してんのか?

 

 それにしても外の花火は今年も綺麗だなあ………ホントにこんな中で怪獣を倒すのかね〜…。」

 

 マサがぼやく先には、教会の祭壇の前でやや緊張気味に立っているウェイター姿のヒカルだった。

 

 マサ「…ええい、こうなったら、いっそあの兄ちゃん達に任せてみるか。」

 

 そう言いながらヒカルの元に近づくマサ。

 

 マサ「な〜に緊張してんだ!?若造。」

 

 マサはややからかうようにヒカルに話しかける。

 

 ヒカル「だっ、だって! 偽造とはいえ産まれて初めての結婚式という体感をするんっスよ!?」

 

 やはりヒカルは緊張していた(笑)

 

 マサ「心配すんなって。それよりアンタ、全力で海羽ちゃんの事を幸せそうにしてやれよ〜。

 

 お姫様抱っこでもして、アツ〜いキスでもかましてやれよ。」

 

 ヒカル「バッ!……抱っこしてキスだなんて!

 

 ……流石にヤバいですよ!色々と…。」

 

 

 ヒカルがテンパっている間にも、既にメイド姿で花束を持った海羽がバージンロードを歩いて向かって来ていた………!

 

 

 マサ「おおっ!海羽ちゃんなかなか様になってるね~!

 

 んじゃ、こっからは新郎新婦水入らずって事で、

 

 あばよっ!(サムズアップ)」

 

 

 ヒカル「ち、ちょっとマサさ~ん!」

 

 

 マサが「ヒューヒュー」と言いながら出て行くと、遂に海羽は祭壇の所にまで上がって来た。

 

 

 そして、見るからに幸せそうな表情でヒカルを見つめて………、

 

 

 海羽「抱っこしてキスして。ダーリン。」

 

 

 

 ヒカル「ん?

 

 

 え˝え˝え˝えええぇぇぇーーー~~~!!!???」

 

 

 

 

 その頃、ヒカルの世界で、

 

 

 “グチュッ”(所謂苺を握り潰す音)

 

 

 美鈴「ああっ、つい力が入って潰れちゃった………。

 

 あ〜、なんか知らないけどホントにムカムカする…。疲れて来たのかな?………

 

 そうだ、そろそろ見たい番組始まるし、今日はここまでにしよっと。」

 

 

 

 同じ頃、宇宙船、テライズグレートでも…

 

 桜井「あ〜なんか知らねーがイライラするぜ………!」

 

 ゲドー「お、分かりますぜ旦那!ここんところゼロ達に負けてばかりですからね〜。」

 

 桜井「そうじゃない!………なんか知らねーけど…とにかくイライラすんだよ!」

 

 ゲドー「はて………一体どうしたのだろうか………?」

 

 

 

 八幡那須岳村の教会にて。

 

 ヒカルは多少動揺で震えつつも、ちゃっかり海羽をお姫様抱っこしていた。

 

 動揺はしているものの、流石は大柄なだけあって軽々と海羽を持ち上げているヒカル。

 

 誰が仕掛けたか分からないが、何処からか鐘の音が鳴っており、一応結婚式の雰囲気は十分に出ている。

 

 

 しかし、偽造とはいえ教会の中でウェイターとウェイトが結婚式を挙げる光景は何ともシュールである(笑)

 

 

 ヒカル「は………は、はい、だ、抱っこしました。」

 

 

 海羽「じゃあ誓いのキスだよ?」

 

 

 ヒカル「え?………あ、ああ、は、はいっ!(←裏声)。」

 

 

 ヒカルと海羽は目をつむる。そしてヒカルは半開きで白白目を向いた状態で物凄いスローで顔を近づけ始める………。

 

 

 ………そう、これはあくまで若者である自分たちが目立って怪獣たちをおびき寄せるための“偽造の結婚式”なのだから、実際にキスするわけにはいかないのである!(海羽自身はどう思ってるか分からないが………。)

 

 

 ヒカル(………チクショウ………早く怪獣出てくれよ~………。)

 

 

 顔と顔が数ミリまでに近づき、ヒカルが心でそう呟いたその時!

 

 

 “ドガシャーン”

 

 

 突然、教会の天井が音を立てて崩れ始める!

 

 

 そして天井が壊れた事で剥き出しになった外から二体の怪獣が咆哮と共に顔を覗かせる!

 

 

 どうやら海羽の立案した偽造結婚式作戦は成功したようである!

 

 

 え?なぜ外部の怪獣たちが内部の海羽たちに気付いたかって?

 

 残念だが、今回そこは突っ込んではいけないのだ!

 

 

 と言うか、海羽の作戦自体にツッコミを入れるのは野暮である(笑)

 

 

 海羽「成功したわ!やったね!ヒカルさん。」

 

 

 ヒカル「お……あ、ああ、そうだな。」(助かった~)

 

 最も、(ガールフレンドのいる)ヒカルにとって、これほど安心した事はないであろう(笑)

 

 

 大胆な作戦により、完全にヒカルと海羽を狙い始めたミエゴン、ムカデンダー。

 

 やがて教会は二大怪獣により崩され破壊される。

 

 

 なおも打ち上げられ続ける花火を見ている村人たちはそれに気づき思わず怖気づいてしまう。

 

 

 ヒカルと海羽は宙返りをし、村人たちの前に着地する。

 

 

 海羽「来い来い(恋恋)ハネムーン作戦、大成功~!」

 

 

 二人はウェイターとメイド服を脱ぎ捨て私服に戻る。

 

 

 ヒカル「ってそんな名前だったの?………まあ、いっか。

 

 (村人たちの方を振り向いて自信満々な表情で)こっからは俺たちに任せとけ!」

 

 

 マサ「…まさか本当に成功しちまうとは………今どきの若者、恐るべし…。」

 

 完全に呆気にとられるマサ。

 

 

 ミエゴンとムカデンダーは再び咆哮を上げて襲い掛かる。

 

 だが、彼らの視線は完全にヒカルと海羽だけに向いていた。

 

 

 海羽「…あ、あれ?怪獣さんたち、私の方を向いてない?」

 

 

 ヒカル「ふっ、やっぱ奴らにとって若い女の方が美味いんだろうな。

 

 だが、そうはさせない!

 

 あっちが二体なら、こっちも“二頭”だ!」

 

 

 海羽「(首をかしげて)ほえ?」

 

 

 そう言うとヒカルはギンガスパークと『双頭怪獣キングパンドン』のスパークドールズを取り出す。

 

 そしてライブサインをリードする。

 

 

 《ウルトライブ!キングパンドン!》

 

 

 ヒカル「っしゃあ!」

 

 

 ヒカルはギンガスパークを上に揚げ、そこから溢れる銀河状の光に包まれる。

 

 

 そしてライブサイン状の光の中から、ウルトラマンよろしく右腕を突き上げてキングパンドンが飛び出す!

 

 

 ………しかし、怪獣がウルトラマンのポーズで出てくる………これほどシュールな事はないであろう(笑)

 

 

 キングパンドンへとライブが完了したヒカル。

 

 

 ヒカル「よーし、こっちも頭が二つ。だから五分五分だ!」

 

 

 海羽「おお、なるほど!」

 

 

 一方で、ヒカルが怪獣(キングパンドン)へとライブ(変身)する所を目の当たりにした村人たち。

 

 中には唖然とする者もいれば、腰を抜かす者もいた。まあ、当然であろう(笑)

 

 

 海羽「あ………あ、あはははは、あれも、光の巨人であるが故に出来ることです~うふふふ…。」

 

 海羽は、ヒカルの特別な能力に驚く村人たちにそれらしい事を言ってとりあえずごまかす(笑)

 

 

 二体に向かうキングパンドン。

 

 ミエゴンが横降りの頭突きを腹部目掛けて繰り出すが、キングパンドンはそれをわざと受けると同時に両腕で掴んで受け止め、数回背中を叩いた後アッパーで打ち上げる。

 

 その後も怪獣同士の激しい殴り合いを展開するミエゴンとキングパンドン。

 

 

 その隙にムカデンダーが背後から襲い掛かろうとするが………、

 

 

 なんとキングパンドンの右の頭だけが後ろを振り向き、そして二つの口から同時に火炎弾・双頭撃炎弾を放つ!

 

 

 そう、ヒカルはキングパンドンの二つの頭を利用して前後への同時攻撃を繰り出したのである!

 

 キングパンドンを選んだのはこのように二つの頭を利用して二体の怪獣を同時に相手するためでもあるのだ。

 

 

 火炎弾を受けたミエゴンとムカデンダーが怯んでいる隙に、更にキングパンドンは今度は青とオレンジの二色の破壊光線・ダブルレイ・インパクトを放ち追い打ちをかける。

 

 

 ヒカル「どうよ!」

 

 

 得意げになるヒカル。キングパンドンの今度はムカデンダーの長い首に組み付く。

 

 キングパンドンが噛み付こうとしているムカデンダーの頭を押さえている隙に、ムカデンダーは右腕の鞭で打撃を連続で打ち込む。

 

 ヒカル「いってっ!ヤロー!」

 

 ムカデンダーに対しキングパンドンは右腕で頭を、左腕で右腕を掴み、身体に数回蹴りを打ち込む。

 

 その隙にキングパンドンは背後から襲い掛かろうとするが、キングパンドンは今度は長い尻尾を打ち込んで吹っ飛ばす。

 

 

 キングパンドンの特徴を有効に活かして戦いを優位に進めるヒカル。

 

 

 最初は動揺していた村人たちの中にも僅かにも応援の声が出始める。

 

 

 海羽「あちゃ~………こりゃ私の出番無いかも………?」

 

 

 ヒカル「よーし、これでトドメだっ!」

 

 

 キングパンドンは火炎弾を放つ!

 

 

 “ドガーン”

 

 

 火炎弾はムカデンダーの首の付け根に命中して爆発する!

 

 

 だが、しかし!

 

 

 マサ「………えっ!?」

 

 

 海羽「(両手を頬に当てて)嘘~!?」

 

 

 ヒカル「んなのアリかよっ!!??」

 

 

 一同が驚愕するその先には驚きの光景が!

 

 

 なんとムカデンダーの首と胴体が切り離れたのである!

 

 しかもどちらも死ぬことなく別々に動いているのだ!

 

 

 そう、ムカデンダー一番の特徴。それは、切り離された首と胴体がそれぞれ別々に動けるという事なのである!

 

 

 ヒカル「百足の怪獣だけはあるな…。」

 

 ヒカルが感心しつつも動揺している隙にムカデンダーの首は飛びかかり、キングパンドンの右腕に噛み付く!

 

 

 ヒカル「いってっ! おい離れろって!」

 

 

 “ドゴンッ”

 

 

 ヒカル「うおわっ!?」

 

 

 その隙にミエゴンが背後から体当たりをかましてキングパンドンを転倒させる。

 

 

 キングパンドンが転倒した後もムカデンダーの首は噛み付いたまま離れない。

 

 ミエゴン、そしてムカデンダーの胴体は、横たわるキングパンドンを叩いたり踏みつけたりして甚振り始める!

 

 

 ヒカル「二体が三体になるなんて聞いてねえぞっ!!?」

 

 

 海羽「あちゃ~!思わぬピンチだよ~!」

 

 

 ヒカル「負けるかっ!うぉぉぉああー!!」

 

 ヒカルは気合を入れ、キングパンドンは何とか立ち上がると同時に二体を吹っ飛ばす。

 

 そして反撃しようとミエゴン向かい接近するが、ミエゴンはスッとその場で姿を消してしまう。

 

 

 キングパンドンが辺りを見渡している間にミエゴンは透明のままキングパンドンに接近し、そして姿を現すと同時にボディアタックを叩き込む!

 

 

 そしてミエゴンは再び姿を消す。

 

 再びキングパンドンが辺りを見渡している隙に、今度はムカデンダーが火球を放って攻撃する。

 

 

 ヒカル「あっちっ! くそー!」

 

 

 ヒカル(キングパンドン)がムカデンダーの攻撃に翻弄されている隙に、ミエゴンは再び透明のまま接近して攻撃しようとする。

 

 

 その時、どうした事か突然ミエゴンが姿を現す。

 

 それも、何かに妨害されたかのような素振りを見せながら…。

 

 

 海羽「ん?どうしたのかな?キツネちゃん…。」

 

 

 マサ「………まさか………。」

 

 

 ミエゴンは再び透明になる。

 

 しかし、またしても姿を現す。それも何かと戦っているような素振りを見せながら。

 

 

 すると、ミエゴンが姿を現したと同時に更にもう一体の怪獣も姿を現す!

 

 その怪獣は、全身がゴツゴツした岩で出来たような姿をしていた。

 

 

 海羽「ひょえ~、もう一体怪獣が出るなんて~!」

 

 

 だが、その怪獣は姿を現したかと思うとすぐに姿を消し、それ以降姿を現す様子はなかった………。

 

 

 海羽「………あれ?今のは何だったのかな………?」

 

 

 謎の怪獣による思わぬ妨害に遭ったミエゴン。

 

 その怪獣が姿を消した後、再びキングパンドンへと攻撃を仕掛ける。

 

 

 ミエゴンは口からの火炎・狐火を放射。ムカデンダーの火炎弾との同時攻撃をキングパンドンに浴びせ始める。

 

 キングパンドンにライブしているヒカルは絶体絶命のピンチまでに陥っていた…!

 

 

 ヒカル「…まだだ………ここでやられるワケにはいかねーんだよっ!」

 

 そう言いながらヒカルは村人たちの事を思う。 彼は決してくじけていなかった!

 

 

 ヒカル「俺は絶対に諦めない………!この村を守り抜くまでには………

 

 命、燃やすぜっ!!」

 

 

 そして村人たちにマサ、海羽の声援も響き始める。

 

 「立て!立つんだ!」

 

 「頑張ってー!そして村の平和を取り戻してー!」

 

 

 マサ「そうだ!行けー! やるんだヒカルー!」

 

 

 海羽「この村を………絶対に守り抜こう!」

 

 

 

 ヒカル「っしゃあ!テンション上がって来たぜっ!」

 

 

 再び勇気が満ちた時、ヒカルはギンガスパークを揚げる。

 

 すると側面のスパークブレードが展開し、先端から光と共に『ウルトラマンギンガ』のスパークドールズが現れる。

 

 ヒカルはギンガのスパークドールズを掴み取り、胸元でギンガスパークの先端にスパークドールズを立てる形でライブサインをリードする。

 

 

 《ウルトライブ!ウルトラマンギンガ!》

 

 

 発声音と共に柄にあるスパークフェイスカバーが展開してギンガの顔を模したスパークフェイスが出現。

 

 そしてヒカルはそのまま銀河状の光に包まれる。

 

 

 その光の中から、スパークドールズリード時のポーズに似た腕を組むポーズでウルトラマンギンガが回転しながら飛び出る。

 

 

 現れたウルトラマンギンガは回転しながら着地すると同時に土砂や土煙を巻き上げる。

 

 

 (BGM:ウルトラマンギンガの歌)

 

 

 遂に光臨したウルトラマンギンガ!

 

 夜の闇に身体の6か所のクリスタルを輝かせてゆっくりと体を起こすその姿は、正に神秘的で幻想的である。

 

 

 「おぉ…神じゃ、神が舞い降りたー!」

 

 村人たちは初めて見るウルトラマンの姿に驚き感心し、また夜に輝くギンガの姿にどこか神のような威厳を感じる。

 

 

 マサ「あれがウルトラマンか…。」

 

 海羽「そう!銀河の覇者、その名もウルトラマンギンガー!」

 

 

 ミエゴンとムカデンダーは現れたギンガ目掛けて同時に火炎を吹き付けるが、ギンガはその場に立ったまま右手を突き出し、銀河状のバリアー・ギンガハイパーバリアーを展開し、火炎攻撃を無効化させる。

 

 それどころかそのまま押し返して逆にダメージを与える!

 

 

 ヒカル「なんか懐かしいな、この感覚……全身半端じゃねぇパワーを感じるぜ!」

 

 それもそのはず、今回ヒカルは久々に怪獣を経てギンガにライブしたのだから、恐らく一時的に初心に戻っているのであろう。

 

 

 ヒカル「よし、行くぜギンガ!」

 

 

 ヒカルがギンガスパークを構えると同時にギンガも構え、怪獣たちに向かって行く。

 

 

 ギンガはミエゴンの右フックを駆けながらしゃがんで後ろに回り込む形でかわし、それと同時に拳を握った右腕を背中に叩き込んで転倒させる。

 

 

 次にムカデンダーの首を掴む。

 

 ムカデンダーは右腕の鞭を振り回し叩いて離そうとするが、ギンガは即座に右腕に蹴りを打ち込んで防ぎ、両手で頭部の角を掴んでジャイアントスイングで大きく振り回す。

 

 

 「ショオラァァ!!」

 

 

 ギンガはムカデンダーを大きく放り投げ、ムカデンダーは地面に叩き付けられる。

 

 

 ミエゴンは再び殴り掛かる。

 

 ギンガはミエゴンの振ってきた左腕を右腕で防ぐとそのまま腹部に左拳を二発打ち込んだ後一回転しての右腕の手刀を頭部に打ち込み、更に一回転しての右脚の回し蹴りを頭部に叩き込んで吹っ飛ばす。

 

 

 ギンガがミエゴンと戦っている間にムカデンダーは背後から接近する。

 

 

 “ガキーン”

 

 

 “ギエエェェィィィン!?”

 

 

 だが、ムカデンダーは突然ギンガの方から伸びてきた光の槍に胴体を突かれ、爆発と共に怯んで後退する。

 

 

 ギンガは背後のムカデンダーに気付き、即座にギンガスパークランスを召喚したのだ!

 

 

 二体は前後からギンガに襲い掛かろうとするが、ギンガは両手でギンガスパークランスを自在に振り回して牽制し、そしてムカデンダーの胴体に右足蹴り、ミエゴンの胸部にランスの穂先突きを同時に決める。

 

 その後再びランスを振り回して二体に斬撃を決め、炸裂するとその部位から爆発と共に火花が飛ぶ。

 

 

 そしてランスを地面に思い切り突きつけ、その勢いで上空叩くジャンプする。

 

 

 ヒカル「ギンガファイヤーボール!!」

 

 

 “ズガガガガガーン”

 

 

 そして上空でクリスタルを赤に輝かせて拳を振り下ろし、上空から無数に生み出した隕石状の火炎弾・ギンガファイヤーボールを放つ!

 

 二体とも無数の火炎弾を数発受けてダメージを負い、さらに周囲の爆発による爆風により後退する。

 

 

 並の怪獣たちを難なく倒し、ダークザギやモルドスペクターなどの強敵とも互角に戦ってきたほどの戦闘力で二大怪獣相手に戦いを優位に進めるギンガ。

 

 

 その凄さに村人たちは花火どころかほとんどギンガの方に見入ってしまっている。

 

 

 

 海羽「ギンガさん相変わらず凄いけど…これじゃあ花火がもったいないわ………

 

 というわけで、私も加勢しまーす!」

 

 

 海羽が挙手すると共に加勢宣言する。

 

 それを聞いた村人たちは海羽の方に視線を向け始める。

 

 

 「お嬢ちゃん、もしかして…。」

 

 「あんたも行くのかね?」

 

 

 海羽「イエス! はいみなさーん!ちゅうもーく!」

 

 海羽はそう言うと懐からハートフルグラスを取り出す。

 

 

 海羽「レッツ、ジャーンプ!」

 

 

 そしてそれを目に装着すると共に高くジャンプする!

 

 

 海羽は両腕を広げた状態で空高く飛んで行きながら、巨大化しつつ赤とピンクの光に包まれて『ウルトラウーマンSOL(ソル)』の姿へと変わる。

 

 

 海羽「イエーイ!!」

 

 

 “ドーン”

 

 

 現れたソルは上空で爆発する花火を背に大の字ポーズを決める!

 

 人々の視線で見ると、夜空で爆発する色とりどりの花火を背に、鮮やかな色合いの巨人が大の字を決めるその様子はまさに美しい他何もないものであった。

 

 

 「おお…なんと美しい…!」

 

 「あっちは女神じゃ!」

 

 村人たちは口々にその美しさに反応する。

 

 

 しかし、ギンガとソルをそれぞれ神と女神に例えるとは…この村人たちもなかなか面白いものである。

 

 

 ギンガも思わずミエゴンの角を掴んで抑え込んでいるまま見上げてしまっている。

 

 

 海羽「よっと!」

 

 ソルは見事に両足で着地を決める。

 

 ギンガも一旦ミエゴンを投げつけソルの元へ。

 

 

 ヒカル「お前だけ目立ちすぎだろ!」

 

 海羽「(右手を後頭部に当てて)えへへ…。」

 

 ヒカルは軽口で突っ込む。

 

 

 いやいやヒカル(ギンガ)、アンタもド派手な登場からの無双、全身のクリスタルとかなり目立ってるぞ!?(笑)

 

 

 合流したギンガとソルは二体の方を向いて構える。

 

 

 「ああ、神様女神様!どうかこの村を救ってくだされ!」

 

 「頼むー!」

 

 マサ「勝て!勝ってこの村の英雄になるんだ!」

 

 

 ヒカル「へへっ、俺たちが神様と女神様だってさ。」

 

 海羽「英雄になれるなんてなんかそそるわね~!」

 

 

 ミエゴンとムカデンダーもギンガとソル向かって身構える。

 

 二体の様子はまるで「この村に守り神がいたとは…!」と驚いているようにも見える。

 

 

 海羽「そろそろ行っちゃう!?」

 

 

 ヒカル「ああ………この村を、なめるなよっ!!」

 

 

 (BGM:Legend of Galaxy~銀河の覇者)

 

 

 ヒカルの合図の掛け声と共に、男女ウルトラコンビと二大怪獣の戦いの火蓋が切って落とされる!

 

 

 ギンガとミエゴンは互いに土砂を巻き上げながら駆け寄る。

 

 ギンガは駆け寄るスピードも加えた右足蹴りを胸部に叩き込む。

 

 そして怯んだ隙に頭部に右の手刀を決め、続けて左脚蹴りを腹部に打ち込む。

 

 ミエゴンは至近距離から火炎を吹き付けようとするが、ギンガは即座に発射直前で両手で口を掴んで塞ぎ、そのまま後ろ向きになって右腕で首、左手で角を掴んで背負い投げで放り投げる!

 

 

 ムカデンダーを相手するソル。

 

 ムカデンダーの角を右手で掴んで左の拳で頭部に小刻みのパンチを繰り出すが、ムカデンダーの右腕の鞭で叩かれて思わず放してしまう。

 

 ソルは次に「えいっ!」という掛け声で回し蹴りを打ち込むが、ムカデンダーは蹴りを受けると同時に再び首を切り離す。

 

 

 海羽「ひゃっ!? また離れちゃった!」

 

 

 驚くのも束の間、ムカデンダーの胴体が襲い掛かりソルはそれと組み合う。

 

 

 だが、その隙に、

 

 

 “ガブッ”

 

 

 海羽「!!?ギャッ!?」

 

 

 ソルは背後からムカデンダーの首に、なんと尻を噛まれてしまう!

 

 

 海羽「(裏声で)ちょっとっ!? どこ嚙んでんのよっ!!」

 

 ソルは女性故に思わぬところを噛まれた事により、驚くと同時に後ろ蹴りで首を蹴り放し、その後振り向いて顔面にビンタをかましてさらに蹴り飛ばす。

 

 蹴り飛ばされた首は吹っ飛び崖に激突する。凄い威力である。

 

 

 怪獣も男も、むやみに女の尻を触るものではないのだ(笑)

 

 

 すると、ムカデンダーの胴体が何やら苦しみ始める。

 

 海羽「…んん~?」

 

 どうやらムカデンダーの首と胴体は、切り離れても痛覚や感覚は共有されているみたいだ。

 

 

 海羽「………うふっ。」

 

 

 それに気づいたソル。するとムカデンダーの首を掴み取り、角を掴んで抑え込み、面白半分で「エイ、エイ、エイ…」という掛け声と共に頭部にパンチを連続で打ち込む。

 

 すると、やはり胴体はのたうち回る。

 

 

 海羽「あはは、楽し~!」

 

 

 “子供は残酷”とはまさにこの事なのであろうか?………(笑)

 

 

 面白くなってきたソルは、角を掴んだまま今度は「えい、とうっ!」という掛け声で顔面に尻を二発打ち込み、その後両手で角を掴んで数回大きく振りし「それーっ!」という掛け声で投げつける!

 

 投げ飛ばされた頭部は胴体と激突。くっ付きはしたものの既にムカデンダーはふらついていた。

 

 

 ギンガはミエゴンの右手のパンチを左手で掴んで受け止めると、そのまま引き寄せると同時にカウンターの右肘を胸部に叩き込み、次に右膝蹴りを腹部に決め、その後一回転して右拳を頭部に叩き込んで吹っ飛ばす。

 

 

 再びギンガスパークランスを取り出すギンガ。

 

 ミエゴンは渾身の火炎を噴射して攻撃を仕掛け、ギンガはランスを両手持ちで回転させてそれを防いでいく。

 

 ギンガはそのまま接近していき、やがて目前まで接近するとランスの先端を腹部に突き立てる!

 

 

 ヒカル「っしゃあ、怪獣の一本釣りだぜー!!」

 

 

 そしてそのまま頭上高く持ち上げ、そしてランスを振るって空高く放り投げる!

 

 ギンガもランスで地面を突いて棒高跳びの要領で高く飛び上がる。

 

 

 ヒカル「ギンガサンダーボルト!!」

 

 

 ギンガは上空でクリスタルを黄色に輝かせ、頭上に発生させた雷の渦を右手に集めて電撃光線・ギンガサンダーボルトを投げつける!

 

 電撃光線を受けたミエゴンは大ダメージを受けたまらず地面に落下する。

 

 

 二大怪獣が怯んでいる隙にギンガとソルは合流する。

 

 

 そんな二人を見上げた時、マサは何かを思い出す。

 

 マサ「そうか………思い出したぞ。あの伝説の続きを………!」

 

 そう、彼が紙芝居のネタにもした、ここ八幡那須岳村の伝説の続きを思い出したのだ。

 

 

 それは、やがて村人でも敵わなくなり、完全に希望が断たれそうになったその時、

 

 村人たちの献身な祈りが通じたのか、突然黒雲に晒されていた空から一筋の光が降り注ぎ、その中から二人の光の巨人が現れ、二体の怪物を封じ込めたのだという。

 

 それにより、村には束の間の平和が訪れたというのだ。

 

 

 そして村人たちはその二人の巨人を、神と女神の化身と見たのである。

 

 

 マサ「まさにあの二人こそ、その神と女神の再来かもしれね。」

 

 

 ヒカルと海羽のこの村への来訪、そしてギンガとソルという光の巨人の登場により、マサは何かしらの運命を感じたのかもしれない………。

 

 

 

 ミエゴンは反撃のために、再び透明化しようとする。

 

 

 ヒカル「また見えなくなる気かっ!?」

 

 

 だが、またしてもミエゴンは妙な動きと共に透明化が止まる。

 

 すると、ミエゴンの背後から、ミエゴンを羽交い締めにした状態で一体の怪獣が現れる!

 

 

 先ほどもミエゴンの透明化を防いだ者だ。

 

 

 今度ははっきりと姿を現したため、村人たちにもその怪獣が見えた。

 

 

 「あ、あれはっ!」

 

 「間違いねえ!」

 

 

 村人たちはその怪獣を見て何やら反応をする。

 

 

 マサ「ゴルバゴス………奴が出て来たと言うのか!?

 

 滅多な事では出て来ない奴が!?」

 

 

 その怪獣の正体は『透明怪獣ゴルバゴス』。

 

 

 この世界では、八幡那須岳村の隣の山・大熊地獄ヶ岳に生息しており、特に暴れる様子もなく大人しく生息している怪獣である。

 

 そのためその存在を知っている村人たちからは唯一無害な怪獣と見なされていたのである。

 

 

 しかし、夜行性であるとはいえ常に大熊地獄ヶ岳に過ごしているため、そんなゴルバゴスが山から村へ降りて来るのは非常に珍しい事なのだ。

 

 

 マサ「きっと怪獣たちが目覚めたのに気づいて、居ても立ってもいられなくなったに違いねえ!」

 

 

 ミエゴンを抑え込むゴルバゴス。

 

 しかし、ムカデンダーの火球を食らってしまい手を放してしまう。

 

 そして怯んだ隙にミエゴンに投げ飛ばされる。

 

 

 吹っ飛ぶゴルバゴスを間一髪ギンガが受け止め、地面に降ろした。

 

 唐突に現れたゴルバゴス。だが、ヒカルも海羽も特有の直感からか、奴が悪い怪獣ではないという事を悟っているようであった。

 

 ヒカル「誰だか知らねーが、悪い怪獣じゃねーみたいだな。」

 

 海羽「あとは私たちに任せて休んでて!(ピース)」

 

 

 ギンガは数歩前に出る。

 

 するとミエゴンも数歩前に出た。

 

 両者共、決着をつけるつもりである!

 

 

 ヒカル「さあ、勝負だ!」

 

 

 ヒカルは気合を入れる。そしてギンガはクリスタルを青に輝かせ、両腕を前方でクロスさせた後、S字を描くように左右に大きく広げてエネルギーを溜める。

 

 一方のミエゴンも、溢れ出る程に口内に火炎をチャージしていた。

 

 

 ヒカル「ギンガクロスシュート!!」

 

 

 ギンガは腕をL字型に組んで必殺光線・ギンガクロスシュートを放ち、対するミエゴンも渾身の火炎を噴射する!

 

 ギンガの光線とミエゴンの火炎は激しくぶつかり合う。ミエゴンは負けじと更に力を込めて火炎の火力と勢いを上げていく。

 

 

 ヒカル「例えどんなに力を上げていっても…ギンガはその上をいくぜっ!!」

 

 

 ヒカルがそう叫ぶと同時にギンガは力を入れ、光線の威力を上げていく。

 

 ギンガクロスシュートはミエゴンの火炎は次第に押していき、やがてミエゴンの体を直撃する。

 

 光線の直撃を受けたミエゴンは大爆発して砕け散った。

 

 

 残ったムカデンダーは怯まずギンガとソル目掛けて火球を連射し始める。

 

 ギンガは咄嗟に右手を突き出してギンガハイパーバリアーを展開してそれを防いでいく。

 

 

 海羽「イエーイ!!」

 

 

 その間にソルが、ギンガの股下からスライディングしながらムカデンダーに突っ込んでいく!

 

 

 海羽「ソリッドライトブレイク!!」

 

 

 そしてそのまま赤とピンクの光・ライトニングハンドを纏わせ、ソリッドライトブレイクですれ違いざまに胴体を斬りつける!

 

 ムカデンダーは切り口から赤とピンクの光を溢れさせながら数秒苦しんだ後、大爆発して砕け散った。

 

 

 ムカデンダーを撃破したソルは右手を握ってそれを下顎に当て、首をかしげてポーズを決める。

 

 

 見事、二大怪獣を撃破した二大男女ウルトラ戦士。

 

 彼らは正に、この村にとっては予期せぬ救世主であるだろう。

 

 村人たちも、礼を言いつつ平和が戻った事を喜び合う。

 

 マサ「ありがとう………ヒカル、海羽。」

 

 

 

 一方、先ほど何やら怪しげな会話をしていた若者二人も………、

 

 ???「ふっふっふ…やはり凄まじい力だな。あれほどの力があればきっと………。」

 

 ???「しかしよお、本当に実行する気かよ?」

 

 ???「何言ってんだ。ここまで来たんだ、やるっきゃねーだろ!」

 

 

 

 ヒカル「やったな、海羽!」

 

 海羽「うん、そうだね!イエイ!」

 

 ギンガとソルも合流してハイタッチを決める。

 

 

 

 ………だが、その隙に彼らを背後から狙う者がいた。

 

 

 なんと、先ほど撃破されたムカデンダーは完全に撃破されておらず、首だけが残っていたのである!

 

 

 ムカデンダーの首は虎視眈々とギンガとソルを狙い、そして一気に飛びかかり始める!

 

 二人ともそれに気づいていない。危うし!

 

 

 が、その時、突如横から火炎弾数発が飛んで来て、ムカデンダーの首に直撃する。

 

 ムカデンダーの首は大爆発し、その爆発にギンガとソルは思わずビクッと驚き後ろを振り向く。

 

 

 そこには、両腕を振り上げて立っているゴルバゴスの姿があった。

 

 ゴルバゴスはムカデンダーの首の生存にいち早く気付いていたため、ギンガたちに飛び掛かる寸前に口からの火炎弾で撃破したのである。

 

 

 ヒカル「ナイスショットだ!(サムズアップを決める)」

 

 海羽「ありがとね。ゴバちゃん。(首をかしげてピース)」

 

 ヒカルと海羽は、自分たちを助けたゴルバゴスに礼を言う。

 

 

 しかし“ゴバちゃん”とは………ゴモラに対して“ゴモちゃん”といい、海羽は怪獣に対して実に面白いあだ名を付けるのもである(笑)

 

 

 因みに先ほどゴルバゴスが決めると同時に、花火大会の方も最後の大きな一発が夜空で鮮やかに大爆発していた。

 

 

 

 ヒカルと海羽は変身を解き、マサたち村人たちと合流する。

 

 

 「いや~ホントに何とお礼を言えばいいのか。これで孫娘も安心して遊びに来れる。」

 

 「このご恩は一生忘れません。ホントにありがとうございます。」

 

 村人たちからは嬉しさに満ちたお礼の言葉が飛び交う。

 

 

 ヒカル「いやいや、俺たちの方こそ、あなた達が無事で何よりですよ。」

 

 海羽「これで、息子さんや娘さんとも安心して会えますね!」

 

 マサ「本当だよ。お陰でこれからは孫娘とお盆、正月と会える日が増える。非常に嬉しいものだよ。

 

 君たちは本当に神と女神だ!ははははは…。」

 

 マサは気さくにヒカルと海羽の間に入り、二人の肩に腕をまわす。

 

 ヒカル「(照れくさそうに)そんな…俺たちが神だなんて。」

 

 海羽「いんじゃないん?だった私たち、この村を守ったんだもん!」

 

 三人は笑い合った。

 

 

 海羽「ところで、さっき現れたもう一体の怪獣って…?」

 

 マサ「ああ、ゴルバゴスは昔から隣の山・大熊地獄ヶ岳に住んでいる怪獣でな。とっても大人しい奴なんだ。」

 

 ヒカル「この世界にも、人間と共存している怪獣がいたんですね。」

 

 

 マサ「………だが今回、そんな奴がわざわざ山から降りて来るとは………非常に珍しい事なんだよ。

 

 それに最近もやけに気性が荒くなった気がしてな。先日も夜中、不気味な唸り声が聞こえると共に謎の山崩れが起こったんだが、ありゃあきっとゴルバゴスの仕業に違いねえ。唸り声が奴の鳴き声にそっくりだったんだ。」

 

 

 ヒカル「………そう言えばさっき戦いが終わった後、山の方へと帰って行きました。それも何やら慌てるように。」

 

 海羽「そう言えば確かに。普通邪魔な敵がいなくなれば、安心して大人しく帰っていくはずなのにね。」

 

 ヒカルも海羽も、先ほどの戦いの際にゴルバゴスの様子のおかしさに僅かながら気付いていた。

 

 

 果たして、普段大人しいはずのゴルバゴスの妙な様子の変化の原因とは一体何なのであろうか………?

 

 先ほど慌ただしく山に帰っていく様子から、もしかしたら奴の棲み処でもある大熊地獄ヶ岳で何かが起こっているのかもしれない………………?

 

 

 何はともあれ、とりあえず八幡那須岳村に完全なる平和が訪れた事を、村人たちはヒカルと海羽とともに喜び合った。

 

 

 

 花火大会も終わった事により、村人たちによる後片付けが始まり、賑やかだった雰囲気も徐々に冷めていく………。

 

 

 海羽「あ~あ、もう終わっちゃうか………寂しくなるね。」

 

 ヒカル「まあこの村に平和が戻った事だし、来年からはもっと楽しめるかもしれねーぞ?」

 

 海羽「ああ、そうか!その時は今年以上に大歓迎されそうだな~ 

 

 『天使降臨』って感じで。」

 

 ヒカル「ははは、その時は櫂さんたちも誘ってみるか。」

 

 二人は早くも来年への想像の話で盛り上がっていた。

 

 

 ヒカル「さてと寝床はどうしよっかな~…。」

 

 

 その時、

 

 

 明人「あの~…。」

 

 

 ヒカル「ん?」

 

 海羽「ほえ?」

 

 突然、一人の若者が話しかけてきたのに気付く。

 

 

 振り向いてみると、そこには二人の若者がいた。

 

 先ほど観戦しつつ妙な会話をしていた男2人組である。

 

 

 明人「寝床に困ってるんですか?」

 

 

 ヒカル「え?………ああ。夜もそろそろ更けるころだし、山中だから今から街に戻るのも危険かなと思って…。」

 

 突然話しかけてくる青年・賢にヒカルは困惑しつつも答える。

 

 

 海羽「もしかして、あなた達も寝床に困ってるの?」

 

 明人「い、いえ。良かったら俺たちと一緒にどうかな~っと思って…。」

 

 

 海羽「え?(目を輝かせて)もしかして泊めてくれるの!?」

 

 輝雄「はい。僕たちこの近くの河原でキャンプをやってるんですよ。」

 

 海羽「はああ~!夏にキャンプかー。ワクワクもんだ~!!」

 

 ヒカル「いいんですか?俺たち二人も泊めてもらって…。」

 

 明人「いいですよ。俺らのテント割と大きいんで。」

 

 輝雄「4人なんて余裕で入りますよ。」

 

 ヒカル「そっか………んじゃ、お言葉に甘えて。」

 

 海羽「(敬礼をして)今夜だけ、お邪魔しまーす♪」

 

 

 明人「俺は明人だ。よろしく。」

 

 輝雄「僕は輝雄。」

 

 

 かくして、ヒカルと海羽は突如現れた親切な二人・明人と輝雄のキャンプに泊めてもらう事になった。

 

 

 ヒカルと海羽を自分たちのキャンプ場へと案内する二人。

 

 だが、その間に何やら妙な会話をしていた。

 

 

 輝雄「ホントに上手く行くんだろうな?明人。」

 

 明人「ったく心配性だな~。とりあえず誘う事には成功したんだ。あとは此奴らが寝付くのを待つだけだよ。」

 

 輝雄「…んまあ、賢がそう言うなら…。」

 

 

 明人「それに………あいつのためでもあるんだしな…!」

 

 

 果たして、賢の言うあいつとは一体何者なのであろうか………?

 

 そして彼らは一体何を企んでいるのであろうか………?

 

 

 そんな事を知るはずもないヒカルと海羽は、彼らの案内でキャンプ場へとたどり着く。

 

 たどり着いた河原はとても広く、周りには様々な色のテントがいくつか建てられていた。

 

 

 海羽「わ~!とても広いし空気も美味しい!」

 

 ヒカル「そうだな。なんだか何処か懐かしい感じだぜ。」(初めてギンガとして戦っていた時も、こうして学校にテントを建てて寝てたっけ…)

 

 

 ヒカル達は早速賢たちのテントに案内される。

 

 他のよりも一回り大きい緑色のテントだった。

 

 

 そして、時間も時間という事もあり、僅か数十分程四人で度他愛も無い話をした後、ヒカル達は寝付いた。

 

 

 ヒカル達が寝付いたのを確認すると、輝雄は明人に知らせに行く。

 

 輝雄「完全に寝付いたみたいだ。」

 

 明人「そうか。よっぽど戦い疲れてんだな。ぐっすり寝てやがるぜ。」

 

 

 すると明人と輝雄は少し離れた茂みの方へと向かって行く。

 

 そしてそこに向かって声を掛け始める。

 

 

 明人「(右手を口元に添えて若干小声で)おーい、もう大丈夫だぞー。」

 

 

 すると、その茂みの中からなんと一人の青年が出てくる。

 

 

 賢「ふんっ、どうやら順調に進んでいるようだな。」

 

 輝雄「いよいよ作戦は最終段階だぜ?本当にやるのかよ?」

 

 賢「当ったり前だ!あいつらを救うには、もうこうするしかないんだよ!」

 

 

 明人・輝雄「しーっ、しーっ。(テントを指差して)起きちゃうよ。」

 

 

 賢「あ、いけねえいけねえ。

 

 んじゃあ、さっさと取り掛かるぞ。」

 

 

 彼の名は『古田 賢』(ふるた けん)。明人と輝雄との協力で結構している企みとは一体何なのであろうか………?

 

 

 その企みは、遂に最終段階へと突入する!

 

 

 テントの中でぐっすりと寝付いているヒカルと海羽。

 

 

 すると、賢がテントにこっそりと侵入し、何かを探すように辺りを見始める。

 

 そして、何かに目が付いたのか、賢はヒカルに向かってそーっと手を伸ばし始める。

 

 

 賢が光るから奪い取った物。それはなんとヒカルの腕に付いていたウルトラフュージョンブレスであった!

 

 

 ウルトラフュージョンブレスを抜き取った賢は、「ついにやったぞ。」とばかりに不敵な笑みを浮かべる。

 

 

 すると賢は、続いてある物に気付く。

 

 

 それは、横になって寝ている海羽の胸のポケットからはみ出ているハートフルグラスであった………………。

 

 

 

 翌朝、テントの入り口のチャックの隙間から射し込む日差しを顔に受けてヒカルと海羽は目覚める。

 

 

 ヒカル「んん……あああ~(←所謂あくび)。よく寝たぜ。」

 

 

 上半身を起こして背伸びをするヒカル。それに続き、『二次元怪獣ガヴァドン(A)』の抱き枕を抱えて寝ていた海羽も目を覚まし眠たそうに起き上がる。

 

 

 海羽「ふぁぁぁ~…やっぱケーキは苺ショートだよ…。」

 

 ヒカル「へへっ、美味しい夢でも見てたのか?」

 

 

 ヒカルは外に出て、背伸びしながら朝の空気を吸う。

 

 木の葉は日差しを浴びて艶を出しており、川面も朝の日差しで揺らめきながらキラキラ光っている。

 

 

 ヒカル「やっぱ朝の自然の空気は美味いぜっ!」

 

 

 ヒカルはそう言いながらふとウルトラフュージョンブレスを付けている左腕を見つめるが………、

 

 

 ヒカル「………あれ………………?」

 

 

 何やら左腕を見つめて妙な反応をする。

 

 次に上着・ズボンのポケット、上着の下、ズボンの中などを探る………。

 

 

 ヒカル「………ない………………ウルトラフュージョンブレスがない!!」

 

 

 なんと、いつも左腕に付けている筈のフュージョンブレスがなくなっていたのだ!

 

 

 すると、

 

 

 海羽「大変だ大変だ大変だ~~~~~~!!!」

 

 

 テントの方から海羽が騒ぎながら全速力で駆けて来る。

 

 

 ヒカル「う、おおい、どうしたんだよ!?」

 

 

 ヒカルはそのままぶつかって来る海羽をなんとか受け止める。

 

 

 すると、海羽はそのまま泣き出してしまう。

 

 

 ヒカル「どうしたんだよ!?」

 

 

 

 しばらくすると海羽は落ち着き、事情を話す。

 

 なんでも彼女も、ハートフルグラスを無くしてしまったらしい。

 

 

 海羽「朝起きたら胸のポケットに入れてたはずのハートフルグラスが無くなってたの。 はぁ~…ガチしょんぼり沈没丸…。」

 

 

 ヒカル「海羽もか。実は俺も、ウルトラフュージョンブレスがどっか行っちまってな。」

 

 海羽「一体どういう事だろう………二人とも大事なアイテムを無くしちゃうなんて………。」

 

 

 突然、ウルトラマンとして戦うのに大事なアイテムを同時に無くしてしまった二人。

 

 

 ヒカル「あれがないとギンガビクトリーになれないのに………チクショウ、ショウに何て言えばいいんだよ!?」

 

 海羽「私も………大事な使命を果たすために手に入れたソルの力なのに………。」

 

 

 ヒカル「大事な使命? 海羽がウルトラの力を手に入れたのは、何かワケがあるのか。」

 

 海羽「ええ………前までは忘れてたのに、なんだか最近、ちょとずつ思い出してきているような気がするの………………。」

 

 ヒカル「大事な使命………それは一体………?」

 

 

 海羽が気になる事を呟いたその時、

 

 

 斎木「おっ?久しぶりだな!ヒカル!」

 

 

 突然話しかける声が聞こえ二人は振り向く。

 

 

 そこに立っているのは、軍隊のような服を着込んでいてがたいが良く、逆立った髪型をしており、顔には十字の傷が刻み込まれているのが特徴の男。

 

 

 そう、彼こそかつてヒカル達、そしてウルトラマングレートとの交流を経て、仲間と協力することでの本当の強さを知り、そしてヒカルとショウと共に宿敵・キングギドラを倒した軍人の男『斎木和寿』である!

 

 

 ヒカル「おお!斎木さん!お久しぶりです!」

 

 海羽「これはこれは、予期せぬ再会………。」

 

 

 斎木「こんなとこで会うとは奇遇だなー。

 

 元気にしてたか?」

 

 

 ヒカル「はい、もちろん。」

 

 海羽「この通りー!………と言いたいとこだけど、今はちょとね………。」

 

 斎木「ん?どうしたんだい?」

 

 

 ヒカルと海羽は斎木にも事情を話した。

 

 斎木「それは困ったな~………ウルトラマンになるためのアイテムを無くすなど…。」

 

 

 ヒカル「………?そう言えば、今朝あの二人(賢と輝雄)見かけないな。」

 

 海羽「そう言えばそうだね………はっ、まさかあの人たちが!?」

 

 ヒカル「ははは、まさか。俺たちを寝かしてくれたいい人たちだぜ?その人たちが、人の物を盗むなんて。 きっと山菜か何かを取りに行ってるんだよ。」

 

 

 ヒカルがそう言ったその時、

 

 

 斎木「ん?なんかテントの中に紙切れが一切れあるぞ?」

 

 

 斎木が何かに気付いて指差す方をヒカル達も振り向く。

 

 そこには、ヒカル達が寝たテントの中に、何やら妙なボロボロの紙切れが一切れ落ちていた。

 

 

 早速ヒカルがそれを拾って見てみると、そこには妙な何やらひらがなと誤字だらけの汚い手書きの文字が並んでいた。

 

 

 ヒカルはそれを読んでみる。内容はこんな感じだった。

 

 

 『ぐっすりおねんねの二人に告ぐ。 紗(正:妙)なブレスレットとサングラスはわれわれフルータ星人が与(正:預)かった。 ついでに若もの二人もあずかっている われわれからのじょうけんを授(正:受)けよ。 われわれにはどうしてもブレスレットとサングラスがひつようだ。 このじょうけんをのんでくれるなら二人をかえそう。 しかしことわるのなら二人のいのちはない。 こたえは大熊じごくが岳で(正:待)っているぞ。』

 

 

 ………これは完全なる脅迫状だった!

 

 しかもひらがな&誤字だらけという事もあって、間違いなく宇宙人『フルータ星人』が手書きで書いたものなのであろう。

 

 

 いきなりの脅迫状に、三人とも驚きを隠せなかったが、一方で困惑も少しあった。

 

 ヒカル「フ………フルータ星人?」

 

 ヒカルは、聞いたこともない妙な星人の名前に少し困惑気味だ。

 

 

 一方で熱血漢の斎木は怒りを露わにしている。

 

 斎木「くっそー!やっぱりそうだ!」

 

 

 海羽「え?斎木さん何か知ってるんですか?」

 

 斎木「いや実は俺、コックピットのレーダーで謎の反応をキャッチしてな。それを追っていく内に、この山に辿り着いたと言うワケなんだ。」

 

 

 ヒカル「じゃあ、そのフルータ星人って奴が、この山で何か暗躍しているという事ですか?」

 

 

 海羽「もしかして、昨日のゴバちゃんの様子がおかしかったのも………フルータ星人の仕業!?」

 

 

 斎木「間違いねえ…!」

 

 

 こうして、三人の意思が一致した。

 

 

 斎木・ヒカル・海羽「フルータ星人、許すまじ!!」

 

 

 炎を背景に、フルータ星人への怒りを燃やす三人(笑)

 

 

 ヒカル「とにかく、まずはその大熊地獄ヶ岳に向かいましょう。」

 

 斎木「ああ。俺は近くに止めている戦闘機で先に行っておく。ヒカルと海羽ちゃんも気を付けるんだぞ。」

 

 海羽「オッケーですキャプテン!」

 

 

 こうして、斎木は近くに止めていた戦闘時『F-15Jイーグル』で先に大熊地獄ヶ岳に向かい始める。

 

 どうやらキングギドラとの戦いで大破した自身の機体は直ったみたいである。

 

 

 ヒカルと海羽も斎木を見送った後、大熊地獄ヶ岳に向かおうとする。

 

 ヒカル「よし、俺たちも行くぞ海羽。」

 

 海羽「オッケー!」

 

 

 その時、

 

 

 マサ「おお、ヒカル君に海羽ちゃんじゃないか!」

 

 

 突然ここ河川敷に投網を持ってやって来たマサが話しかける。

 

 マサは夏には毎朝ここ河川敷に魚を捕りに来るのである。

 

 

 ヒカル「マ……マサさん!? おはようございます。」

 

 海羽「ご………ご無沙汰しています~。」

 

 

 マサ「こんな朝早くにどこに行くのかね?」

 

 

 ヒカル「い、いや~…俺たちはちょっくらそこら辺を散歩して、それから帰ろうと思っていまして…。」

 

 マサに問われたヒカルは、それっぽい事を言って何とか誤魔化す。

 

 

 そして慌てていた故か、一人称が“僕”になってしまっている。

 

 

 マサ「そうかー………もう帰っちまうのか………折角仲良くなったのに…。」

 

 マサはどこか残念そうに反応する。

 

 

 海羽「だ…大丈夫ですよ!私たち、また遊びに来るから!」

 

 ヒカル「そう!今度はもっと仲間を連れて来ますよ!」

 

 

 マサ「………本当か?なら、次合うのが楽しみだな。んま、気を付けるんだぞ。」

 

 

 ヒカル「は、はい。マサさんこそこれからもお元気で。」

 

 海羽「お元気で。」

 

 

 かくして、ヒカルと海羽は手を振りながらマサと別れを告げ、大熊地獄ヶ岳へと向かい始めた。

 

 奪われたフュージョンブレスとハートフルグラスを取り戻すために、その奪ったフルータ星人に怒りを燃やして………。

 

 

 ヒカル「チクショウ、フルータ星人め、ギンガクロスシュートでぶっ飛ばしてやる!」

 

 

 海羽「人の物を勝手に奪うなんて、許せないんだから!

 

 ………それに………あれ(ハートフルグラス)は、私がどうしても必要な物なの………………ある大事な使命を果たすための………………。」

 

 

 そう言いながら海羽の脳裏に様々な光景が混ざり映る。

 

 

 理不尽にいじめに遭う男、自殺をしようとするその男とそれを止めようとする海羽、その男が何やら黒と紫の光を溢れさせながら叫ぶところ、そして、自身の前に立ちはだかる一人の闇の巨人………………などなど。

 

 それらを浮かべていると、自然と海羽の表情は少し沈んでいた。

 

 しかし、海羽はすぐさま正気に戻り、奪われた変身アイテムを取り戻すために山へと向かい続ける。

 

 

 果たして二人は無事に変身アイテムを取り戻すことが出来るのであろうか………?そして、ソルの力を授かった海羽の使命とは一体何なのであろうか………………?

 

 

 

 一方、大熊地獄ヶ岳へと続く道の別の場所で。

 

 

 明人「ひっひっひ!!ついにやったな賢!」

 

 輝雄「これでなんとか行きそうだね!」

 

 賢「ああ!協力してくれてありがとな!」

 

 

 何かと嬉しそうに話しながら道を駆ける三人。

 

 

 それも、明人の腕にはウルトラフュージョンブレスが付けられており、輝雄の手にはハートフルグラスが握られているのだ!

 

 

 そう、変身アイテムを奪ったのはヒカルと海羽をキャンプに泊めた彼らだったのである!

 

 

 あの脅迫状も賢が手書きで書いたものであり、わざと汚い字でひらがな&誤字だらけの文字を並べることで、いかにも宇宙人が書いたような感じにしたのであろう。

 

 

 名前の“フルータ星人”も、恐らく賢の苗字“古田”から来ているのであろう。何とも安直な考えである(笑)

 

 

 輝雄「しかしホントに良かったのかな~………仮にも彼らは隣の村を守った英雄なんだぜ?」

 

 

 賢「バーロー!今更なに言ってんだ! せっかくここまで来たんだ。あとは無事に事を済ますだけだ!」

 

 

 輝雄「でもさあ、仮にこの奪った変身アイテムで変身できなかったらどうすんだよ?」

 

 

 賢「心配すんな。そのために脅迫状を書いたんじゃないか。 多分あいつらはあの脅迫状を読み、俺たちを追って来るだろう。 仮に変身できなくても、その時は追って来たあいつらにこいつらを返せばいい話だ!」

 

 

 なんとも身勝手な奴らである………。

 

 

 賢「………それに………………あいつを救うためでもあるんだしな………………。」

 

 

 果たして、賢が救おうと考えているあいつとは一体誰なのであろうか………………?

 

 そして彼らは奪った変身アイテムを使って何をしようとしているのであろうか………………?

 

 

 

 そしてもう一方で、斎木やヒカル達の他にも大熊地獄ヶ岳へと向かっている者たちがいた。

 

 

 飛行しているのは、ZAP SPACYの大型宇宙輸送船『スペースペンドラゴン』。

 

 レイとヒュウガもまた、謎の反応を感知して大熊地獄ヶ岳へと向かっているのである。

 

 

 レイ「ボス、到着時間はあとどれくらいだ?」

 

 ヒュウガ「このスピードで行けば、ざっと二時間ぐらいだな。」

 

 レイ「分かった。万が一のために、到着までにゴモラ達を休ませておく。」

 

 ヒュウガ「おお、この反応は思った以上に大きい。今回もあまり無理するなよ。」

 

 レイ「分かってる………。」

 

 

 レイはそう言うと、取り出したネオバトルナイザーのディスプレイを見つめる。

 

 

 自身のパートナー怪獣のゴモラ、リトラ、そして先日新たに仲間にしたゾアムルチの元気そうな姿が映される。

 

 

 レイ「これからもよろしくな、ゴモラ、リトラ。

 

 そして、ゾアムルチも。」

 

 三体は元気よく鳴き声を上げて返事をする。それを見たレイはふっと笑顔になった。

 

 

 ペンドラゴンは大熊地獄ヶ岳向かいスピードを上げて飛んで行く………。

 

 

 謎の秘境・大熊地獄ヶ岳へと向かう若者たち。そこに待ち受けるモノとは一体何なのであろうか………………?

 

 

 

 [エピローグ]

 

 

 ヒカル達が大熊地獄ヶ岳へと向かっているほぼ同じ頃、霞ヶ崎にて。

 

 

 この日櫂は真美と二人っきりでお出かけする約束をしていたのだ。

 

 待ち合わせの公園で真美を待つ櫂。

 

 

 櫂「真美のやつ意外と遅いな~………きっと寝坊してんだろうな。あいつ、ここんとこボランティアとかで忙しい感じだったし。」

 

 いつもの様に恐ろしい本性を隠し、良人モードでフランクに話す櫂。

 

 そんな櫂を、ゼロはどこか複雑な表情をするように見つめていた。

 

 

 櫂「それでこそ、今回はあいつにとって最高の息抜きにしてやんねーとな。

 

 なあ、ゼロ。」

 

 ゼロ「え?………あ、ああ。」

 

 

 フランクに話しかける櫂に、ややぎこちない返事を返すゼロ。

 

 

 真美「お待たせ~櫂君。」

 

 

 その時、真美がやって来た。

 

 

 櫂「お、よう、真美。」

 

 

 “ドクンッ”

 

 

 櫂「い˝っ!?!?」

 

 

 後ろから真美に話しかけられた瞬間、櫂の心臓が大きく振動する。

 

 

 真美「ごめんね~…ちょっと寝坊しちゃって。化粧水塗ってたりしてたら時間かかっちゃった。」

 

 櫂「はは、やっぱりな。まあここんとこお前お疲れって感じだったしな。

 

 今日は楽しもうぜ。」

 

 真美「(満面の笑顔で)うん、そうだね。」

 

 

 合流した櫂と真美は歩き始める。

 

 

 真美の満面な笑顔を見る櫂は、ひっそりと不敵な笑みを浮かべる。

 

 櫂(そう………今日は真美と二人っきり………………誰にも邪魔させないし、誰にも真美に手を出させない………………もしそんな奴がいるのなら。俺が潰すまでだ………………!

 

 

 なんせ真美は、俺の女になるかもしれない女だしなぁ………ふふふふふふ~…。)

 

 

 真美と楽しそうに歩く櫂を見ているゼロは、何やら一人呟いていた………………。

 

 

 ゼロ「………やはり、櫂の本性は、真美は知らない方が幸せなのかもしれない………………。

 

 もし知られてしまえば、それこそ櫂は精神崩壊を起こして暴走しかねないし、それに真美も相当ショックを受け、最悪再起不能な状態までになってしまうかもしれないしな………………。

 

 少なくとも真美と海羽は、櫂は邪気の無い、素敵な好青年としか思っていないのだから………………。」

 

 

 櫂の本性を知らせない方が櫂のためであり、また、真美や海羽のためでもあると考えていたのである。

 

 

 ゼロ「しかし、そうする事無く悪を殲滅しないといけないな………俺も、改めて覚悟を決めるとするか………!」

 

 

 ウルトラ戦士の中でも最強と言われているゼロの力でさえも抑え込むことのできない櫂の強い悪意地。

 

 そこでゼロは、櫂の本性を周り(特に真美と海羽)に知らせる事無く、悪を殲滅させることを決めるのであった。

 

 

 果たしてゼロはこれを達成でき、無事に櫂の支配下でもあるこの状況から抜け出すことが出来るのであろうか………………?

 

 

 櫂「まずは何処から行こっか?」

 

 真美「あ、私見たい服があるんだけどいいかな?」

 

 櫂「おお、いいぜ。」

 

 真美「んじゃ行こうか。」

 

 

 他愛もない話をしながらお出かけに向かう櫂と真美。

 

 彼らの関係も今後どうなってしまうのかも気になるところである………………。

 

 

 To Be Continued………。

 

 

 (ED:Starlight)




 読んでいただきありがとうございます!いかがでしたか?


 今回、ヒカル達が変身アイテムを奪われる展開は前から予定していましたが、それ以外はほぼ私の遊び心で作ってみました(笑)


 ヒカルと海羽ちゃんの新コンビはいかがでしたか?(笑)


 作戦の偽造とはいえ海羽ちゃんの結婚シーンを書いてしまった事を改めてファンの方にお詫びします(笑)


 また今回は怪獣を経てのギンガへの変身、ギンガの回転しながらの登場、ギンガの無双戦闘シーンなど、ギンガ(無印)で見られた描写をいくつか入れてみました。

 因みに私、個人的には無印でのギンガの回転しながらの登場の方が好きだったりします(笑)


 また“フルータ星人”ネタについては、ウルトラマンガイア第35話が元ネタです(笑)(ガイアの中でも特に好きな話の一つでもあります)


 次回は、変身アイテムを奪われたヒカルとギンガのピンチに“あの戦士”が駆け付けます!


 感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています。



 また、隠されたサブタイトルは、

 『天使降臨』(ウルトラマンガイア第49話)

 『予期せぬ再会』(ウルトラギャラクシー大怪獣バトル第10話)

 でした。(登場順)
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