ウルトラマンゼロ物語(ストーリー) in RED ZONE STAGE   作:剣音レツ

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 皆さんお久しぶりです!

 すいません、私、今年寮からアパートに引っ越したのですがネットを繋げるのに一か月以上かかった事もあって投稿まで一か月以上かかってしまいました。


 今回は前回の続きで、フュージョンブレスとハートフルグラスを奪われたヒカルと海羽に危機が訪れます!

 その危機に怪獣使いの男、そしてあのウルトラ戦士が駆け付けます!


 因みに今回は四通りの戦闘シーンを書いたのですが、それ故に文字数が今までで一番多くなってしまいました(笑)

 まあとりあえず楽しんでいただけたらなと思います。


 因みにサブタイトルも二つ隠しております。


 それでは、どうぞ!


第26話「帰ってきた戦友」

 とあるショッピングモールのテラスにて。

 

 

 この日、一緒にお出かけに行っている竜野櫂と新田真美は、近くのアイス屋さんで買ったアイスを食べていた。

 

 櫂はブドウ味、真美はチョコミントである。

 

 

 ………だが、櫂は青空を向いて、何やら上の空のようであった。

 

 何か考え事をしているのであろうか………?

 

 

 真美「櫂君?………櫂君?」

 

 櫂「え?あ、ああ、何だ?真美。」

 

 真美に話しかけられた櫂は、ふと反応する。

 

 

 真美「アイス、溶けちゃうよ?」

 

 櫂は真美に指摘されてふと手元を見てみると、いつの間にか溶けているアイスの滴がコーンを伝い自身の手に付いていた。

 

 櫂「ああっ、いけねえ!」

 

 櫂が慌てる中、それを見た真美はふっと笑顔になり、そして指でそのアイスの滴を拭い取って舐めた。

 

 

 真美「(面々の笑みで)ブドウもいいね。 私、今度来たら、櫂君と同じのにしてみよっと。」

 

 櫂「あ、ああ、そうか………。」

 

 

 あどけない笑顔で話す真美。だが櫂はまたしても生返事をした後上の空になろうとしている。

 

 

 真美「何か悩みでもあるの?」

 

 それに気づいた真美が心配して話しかけてみる。

 

 

 櫂「い、いやあ………特に悩みは無いんだけど………ただ……ちょっと………、」

 

 真美「ただ……ちょっと………?」

 

 

 櫂「なんつーか………

 

 今…さあ、………こうやって…一緒にいるじゃん…?」

 

 

 真美「櫂君と私が?」

 

 

 櫂「ああ………いやだから何だってワケじゃないんだけどさあ………なんつーか………

 

 今現在だけじゃなくて…昔っから一緒なわけじゃん………

 

 これだけ一緒にいたら………そろそろ、アレなんじゃないかな………?」

 

 

 真美「あれ?」

 

 

 ぎこちなく回りくどい話し方が続く櫂。真美はあどけない表情で聞き続ける。

 

 だが、一体櫂は何が言いたいのであろうか?………それは我々はもちろん、真美も知るはずもない………。

 

 

 ウルトラマンゼロは、そんな二人のやり取りを、ただ見つめるしかなかった………………。

 

 

 そこに、二人は近くで立ったまま泣いている幼稚園児ぐらいの子供に気付く。

 

 真美「ちょっとごめんね。」

 

 真美は櫂に一言詫びり、一旦席をはずす。そして子供の元に歩み寄る。

 

 

 真美「僕、どうしたの? 何を泣いてるの?」

 

 その子の目線までしゃがんで優しく話しかける真美。すると子供は泣くのが一旦止まり、涙目で真美を見つめる。

 

 

 真美「(アイスを差し出して)これ、食べる?」

 

 

 子供を一旦元気付けようと自身のアイスを付いていたプラスチックのスプーンで一口食べさせる真美。

 

 それも正に、母親が子供に「あーん」と食べさせるように………。

 

 

 一口食べた子供は少し笑顔を取り戻す。

 

 真美「(満面の笑みで)美味し?良かった~。」

 

 

 ………だが、そんな真美の様子を見ている櫂は、更にモヤモヤが募っていく………。

 

 そして、かつて未来からやって来た自身の息子・慧の言葉がまたしてもフラッシュバックする………。

 

 

 慧『いつも優しい母さんが………いつも優しい母さんが………………いつも優しい母さんが………………………。』

 

 

 子供に優しくする真美を見つめている櫂は、その一言が木霊するように脳内に何度も再生されていく………。

 

 

 櫂「間違いない………………絶対に間違いないんだ………………!」

 

 

 すると、真美は子供の手を繋いで立ち上がる。

 

 真美「ごめんね櫂君。この子、この辺で迷子になっちゃったみたいなの。ちょっと探して来るからちょっとゆっくりしてて。」

 

 櫂「お…おぉ、分かった。」

 

 真美は子供を連れて何処かへと歩いて行った………………。

 

 

 その後ろ姿をじっと見つめる櫂。

 

 一体彼は、真美を見て何を思っていたのであろうか………………?

 

 

 ゼロ「………櫂………………。

 

 アイス…溶けてるぞ?」

 

 

 そう、櫂がボーっとしている間に、夏の日差しを浴びて溶けていく櫂のアイスは遂に崩れ始め、コーンを通じて櫂の手にベットリと………!

 

 

 櫂「!?うわ、やっべっ!!」

 

 

 

 (OP:英雄の詩)

 

 

 

 簡単に前回のダイジェスト。

 

 

 謎の反応を感知して、八幡那須岳村を訪れた礼堂ヒカルと眞鍋海羽。

 

 そこで彼らは、その村で伝説の怪物として恐れられていた、狐火怪獣ミエゴンと百足怪獣ムカデンダーを倒して村に平和を取り戻した。

 

 その後彼らは、同じくその村を訪れていた若者二人・明人と輝雄の勧めでキャンプに泊めてもらった。

 

 

 だが、しかし!翌日目を覚ますと彼らの元からウルトラフュージョンブレスとハートフルグラスが無くなっていたのである!

 

 

 残された脅迫状を見た二人は、昨日の透明怪獣ゴルバゴスの異変も含めて謎の宇宙人・フルータ星人の仕業だと確信し、偶然居合わせた男・斎木和寿と共に隣の禁断の山・大熊地獄ヶ岳へと向かう事にした!

 

 

 一方でZAP SPACYのクルーでレイオニクスの青年・レイと同じくZAP SPACYのボス・ヒュウガも、謎の反応を感知し、宇宙船・スペースペンドラゴンで大熊地獄ヶ岳へと向かっていた。

 

 

 そして、脅迫状にフルータ星人を名乗ってフュージョンブレスとハートフルグラスを奪い取った青年・古田賢は、仲間の明人と輝雄と共に大熊地獄ヶ岳へと一直線に向かっていた………。

 

 

 今まさに、それぞれ様々な思い・形で禁断の秘境・大熊地獄ヶ岳へと向かっている若者たち。

 

 

 果たして、そこで待ち受けるモノとは一体何なのであろうか………………?

 

 

 

 昨日、ギンガからのウルトラサインを受けて駆け付けたウルトラマンタロウは、光球に姿を変えて飛行を続けていた。

 

 それは、ある場所へ向かっているようであった。

 

 

 タロウ「微かだが、何やら胸騒ぎを感じる………急がねば。」

 

 

 そう言いつつ飛行を続けるタロウ。

 

 彼もまた、大熊地獄ヶ岳に向かっているのであろうか?

 

 

 

 大熊地獄ヶ岳。そこは、八幡那須岳村から約2、3キロ離れた所にある山地であり、その形状は、大きな湖のような沼がある平地の周囲を囲むように山がそびえ立っている感じである。

 

 

 ………その中でも一際大きい火山状の山・大熊山の頂は、何やら火山のように大きくくぼんでいる。この山が昔は活火山だった名残である。

 

 その頂の窪みが何やら不気味に赤く発光していて、その中から何やら固い物を激しく突くような音が連続で響き続ける………。

 

 はて、大熊山は今では死火山であるはずなのに、今になって再び突然溶岩が煮えたぎってきたのであろうか………?

 

 そして、その中から響く妙な音の正体とは………?

 

 

 さらにそのふもとの沼の傍には、何やら謎の球体が複数転がっており、その沼の近くの低山では何やら銀の城のような巨大な白の結晶がそびえ立っている………………。

 

 

 このように、見るからに不吉な雰囲気漂う大熊地獄ヶ岳。

 

 

 更にその山からは、何やら妙な音が山びこ等を通じて遠くへと響いている。

 

 それはまるで人間の叫びのようにも聞こえる奇妙なものである………。

 

 

 

 その音は、大熊地獄ヶ岳へと向かっている古田賢たちの耳にも聞こえていた。

 

 賢「………聞こえる。………………悲痛の叫びが………………!」

 

 明人「本当だ………やっぱこの山にいるんだな?」

 

 輝雄「賢が見た謎の怪物は………この山にいるという事なのか?」

 

 

 賢「間違いないんだ! 霞ヶ崎と露金渓谷の間の森林以外で湖のある場所は…ここ大熊地獄ヶ岳しかないんだからな………。

 

 それに、愛が怪物にさらわれる前から、この山で怪物を見たという噂が絶えなかったしな………!」

 

 

 輝雄「でも、怪物の存在はネットだけの噂だろ?テレビニュースで放送された情報はあくまでこの山に来た人たちがみんな行方不明になったということなんだし………。」

 

 

 賢「俺は見たんだ!!」

 

 

 輝雄が現実的な突っ込みを入れている時、そんな彼の声を遮るように賢が叫ぶ。

 

 

 賢「………ごめん………いきなり大声出しちゃって………………。

 

 でも俺、実際に怪物を見たんだ………………二日前に、愛と一緒に森林をハイキングしていた時に………。」

 

 

 賢はそのまま二日前の出来事を話し始める。

 

 

 

 〈回想〉

 

 

 二日前、霞ヶ崎と露金渓谷の間の森林をハイキングしている賢とその妹・愛(まな)。

 

 仲のいい兄妹二人は、他愛もない話で笑い合いながら歩いていく。

 

 

 賢「もうちょっとで休憩所の湖に着く。あとちょっとだ愛。」

 

 愛「うん、そこでお昼にしよ!」

 

 

 やがて賢と愛は湖のほとりに着く。

 

 霞ヶ崎付近の森林に一つだけあるこの大きな湖の名は『人食い悪島湖』というなんとも不吉な名前であり、なんでもこの湖に入って帰ってきた者はいないと言われるほどの底なし沼のようであるのだ。

 

 

 賢と愛は湖の近くの岩などを椅子代わりにして座り込み、持参してきた弁当を食べ始める。

 

 

 愛「それにしても、こんなに綺麗な湖の名前に“人食い”なんて、誰が付けたんだろうね~。」

 

 元から明るい性格の愛は輝くような笑顔で呑気にサンドイッチを食べながら話す。

 

 

 賢「さあな。なんでもこの村に以前昔入った人がいて、その人は永久に帰って来なかったと言う言い伝えがあるらしい。

 

 そんな曖昧な昔話から来てるんじゃないかな。」

 

 賢はおにぎりを食べながらどこか胡散臭い由来を話す。

 

 

 愛「へえ~。お兄ちゃんよく知ってるね。」

 

 賢「な~に、ダチがおふざけ半分で俺に言った事だけどな。」

 

 

 賢・愛「はははははは…。」

 

 

 昼を食べながら楽しそうに話し合う古田兄妹。

 

 

 

 だが、そんな仲睦まじい兄妹の時間はたちまち壊される………。

 

 

 

 愛「………あれ?あれ、何かな?」

 

 賢「何だ?」

 

 

 愛は突然何かに気付き湖の方を振り向き、賢もそれに気づいて振り向く。

 

 

 そこには湖の湖面に、何やら二つの不気味な赤い人魂の様な物が浮かんでいたのだ。

 

 

 賢「………何だ?あの妙な光は………。」

 

 賢が湖面の人魂を怪しむ中、愛はその人魂をあどけない表情で不思議そうに見つめている。

 

 

 その時!

 

 

 突如湖面の水が激しく水柱を立てる。

 

 そしてその中から一匹の巨大怪獣が上半身を現す!

 

 

 蛙によく似たその怪獣は『大蛙怪獣トンダイル』である!

 

 

 突然の巨大怪獣の出現に驚き、トンダイルを見上げる賢と愛。

 

 愛「かっ………怪獣!?」

 

 賢「マジかよ………とりあえず早く逃げるぞ!」

 

 

 二人が逃げようとしたその時、トンダイルの真っ赤な目が怪しく光る。

 

 愛「!?きゃああぁぁーーっ!!」

 

 それを見た愛は身動きが取れなくなってしまう!

 

 これはトンダイルの放った催眠光波である。

 

 

 賢「はっ、愛!!」

 

 賢が驚くのも束の間、トンダイルは次に口から球状のカプセルを吐き出した。

 

 これは“トンダイルカプセル”という泡状のカプセルであり、主に餌となる人間を捕える際に使用する他、“破裂弾”として攻撃に使う事もできるのである。

 

 

 カプセルは動きの取れない愛を瞬く間に閉じ込める。

 

 

 愛「お兄ちゃーん!助けて~~~!!」

 

 賢「愛っ!!」

 

 

 賢は急いで愛を助けに行こうとするが、愛を閉じ込めたカプセルは引き寄せられるようにトンダイルの手中に!

 

 そしてトンダイルは湖の中に潜っていき姿を消してしまった………………。

 

 

 突然怪獣が現れたかと思うと、あっという間に以前の平穏に戻った湖………それは、一瞬の出来事であった………………。

 

 その一瞬の出来事の中で、突然妹を連れ去られた賢はその場で呆然とする。

 

 

 賢「………嘘だろ………………。」

 

 

 戸惑いながらも賢は妹が帰って来るのを信じて待ち続けたが、夕方になっても妹どころか怪獣も出てくる様子もなかった………。

 

 

 賢「愛ーーーーーーっ!!」

 

 

 賢の悲しい叫びが、夕方の森林に響き渡った………。

 

 

 〈回想終了〉

 

 

 

 賢「あれから俺は祈り続けたんだ………どうか愛を…妹を返してくれと………。

 

 そしたらテレビニュースで、ここ大熊地獄ヶ岳にも行方不明事件が起こっているという情報を得た………。

 

 それで俺は確信したんだ………ここと愛がさらわれた湖は繋がっていて、あの蛙野郎はそれを利用して人間を次々とさらっているのを………!」

 

 

 賢は拳を強く握り、トンダイルへの怒りを現しながら語る。

 

 それを聞いた明人と輝雄も、彼の言ってることが本当であるように思えてきた。

 

 

 輝雄「そうなのか………なら、大熊地獄ヶ岳に行けば、全てが分かるかもね。」

 

 明人「それに、折角俺たち“フルータ星人”を名乗ってここまで来たんだ。愛ちゃんを助けるためにも、行くしかないっしょ!

 

 それに、賢は昔っからシスコンなんだk…」

 

 

 “スパンッ”(頭にチョップする音)

 

 

 明人「!?あいてっ!」

 

 賢「やかましや!」

 

 

 賢はザックからヒカル達から奪ったウルトラフュージョンブレスとハートフルグラスを取り出す。

 

 賢「………これであの大蛙野郎を………ぶっ倒してやるぜっ!」

 

 

 最も、彼はこれらが素人が扱えるものではないという事を知らないままなのだが………。

 

 

 

 一方のヒカルと海羽も、奪われたフュージョンブレスとハートフルグラスを取り戻そうと大熊地獄ヶ岳へと向かっているのだが………、

 

 海羽「はぁ~…まだ着かないの~?」

 

 アップダウンが激しい山道を走り続けている事でばてて来たのか、海羽は近くの岩に座り込んでため息をつく。

 

 ヒカル「まだ1.5キロ。目的地までもう半分だな。さあ、もうひとっ走りだ。」

 

 海羽「延々と続くアップダウン………(足をバタバタさせながら)もう一歩も歩けない~!!」

 

 

 ヒカル「あ、百足がお前のケツを噛もうとしてる。」

 

 

 海羽「い˝!?ぎゃああああぁぁぁ!!」

 

 

 “ガッ”

 

 

 ヒカル「!!うおあっ!?」

 

 海羽「どこ!?どこなの百足!?」

 

 

 ヒカルの言葉に海羽はその場から叫んで跳びあがり、その勢いでタックルのようにヒカルに跳び付く。

 

 

 ヒカル「な~んだ、草でした~。はははははは…。」

 

 

 ヒカルは笑いながらそこらで採ったねこじゃらしを見せびらかす。

 

 ぐずる海羽を奮い立たせるために、軽くからかっただけなのだった。

 

 

 海羽「(駄々をこねるように軽く連打で叩きながら)んも~バカバカバカ…。」

 

 ヒカル「ははは、ごめんごめん悪かったって。」

 

 

 だが、そんなヒカルのおちょくりのおかげで海羽は再び立つことが出来た。

 

 海羽「でも………ありがとう。なんだかまだ行ける気がしてきたわ。」

 

 ヒカル「お、その意気だ!その調子で、フルータ星人からアイテムを取り戻そうぜ。」

 

 

 海羽「うん、そうだね。それに………ハートフルグラスは、私にしか使えないから………。」

 

 ヒカル「お前にしか………使えない?」

 

 海羽「うん………私ね、ハートフルグラスを失った時、突然思い出したの………………今までは何故か忘れてたのに………。」

 

 突然改まって気になる事を話し出した海羽。ヒカルは思わずそれに聞き入っている。

 

 海羽「私がウルトラの力を手に入れたのは、とある使命のためなの………。」

 

 ヒカル「使命………………?」

 

 

 海羽「とりあえず今は急ぎましょ。あれを取り返さないと、ウルトラマンとして戦えない。」

 

 ヒカル「そうだな。今後現れるかもしれない強敵のためにもギンガビクトリーが必要かもしれないし…。

 

 早くそのフルータ星人って奴をぶちのめそうぜ。」

 

 ヒカルと海羽は再び出発し始める。

 

 

 フルータ星人(正体は賢たちなのだが…)から、奪われた変身アイテムを取り返すために………………。

 

 

 

 そのフルータ星人(笑)はというと、2~3キロの道のりを駆けた後に、遂に大熊地獄ヶ岳に辿り着く。

 

 三人は、自分たちの現在地の大きな沼のある平地を囲む崖、山々の景色を見回している。

 

 

 輝雄「すげえ………実際はこんなにも眺めがいいんだ、大熊地獄ヶ岳は。」

 

 明人「こんなとこにとても怪獣がいるとは思えんがな………。」

 

 賢「間違いないんだ。あの森から次に近い沼がある場所はここなんだから………。」

 

 そう言いながら賢は沼を見つけ、そこを指差す。

 

 賢「ほら見ろ、この大きな沼。いかにも奴が住んでいそうなデカさだ。」

 

 輝雄「でもさあ、こーんなにも大自然に恵まれた山地にそんな物騒なモンがいるなんて、とてもじゃないが信じられないぜ。」

 

 輝雄が呑気に辺りを見渡しながらぼやいていたその時、

 

 

 明人「………ん?」

 

 輝雄「何なんだこれ?」

 

 

 突然、三人はとあるモノが降ってきた事に気付く。

 

 その降ってきたモノとは、何やら白くて粉のようなもので、とても雪に酷似しているモノなのだ。

 

 

 明人「何だか、雪みてーだな。これ。」

 

 明人は体に付いていくその白いものを叩き落としながら呟く。

 

 賢「バカな。今は真夏だぞ?雪なんて降るもんか。それよりも、早く愛を探そうz…」

 

 賢は何かに気付いたのか、いきなり話すのが止まる。

 

 

 賢「………この白い物………何だか硫黄の臭いがするぞ?」

 

 

 降りしきる白い雪のようなモノは、なんと硫黄の臭いがするのだというのだ。

 

 

 その時、

 

 

 輝雄「!!うおあああっ!!?」

 

 

 突然、輝雄が大きな声で驚き、賢と明人もそれに驚く。

 

 明人「何だよ輝雄いきなり…、」

 

 賢「脅かすなよ…、」

 

 

 賢・明人「うわッ!!?」

 

 

 賢たちも、輝雄の方を振り向いた瞬間驚きの声を上げる。

 

 

 三人が唖然として見上げる先………そこには一匹の巨大生物が座って胡坐をかいて眠っている。

 

 

 その巨大生物は頭部の一本角が特徴の恐竜のような外見が特徴の怪獣『凶暴怪獣アーストロン』である。

 

 

 胡坐をかいた状態でいびきをかきながら眠るアーストロンを見上げる三人。

 

 眠っているとはいえ、自分たちの目の前にいるのは巨大怪獣。三人は驚愕を隠せない。

 

 輝雄「たまげたよ………視線を変えたと思えばいきなりコレなんだから………。」

 

 明人「しっかし目の前で見る怪獣は迫力は違うぜ。 眠ってるけど。」

 

 賢「あの蛙野郎ではないが………やはりこの山に怪獣は存在してたか………。」

 

 

 “グルルルルル…”

 

 

 輝雄「うわっ!?」

 

 明人「しっ!大声出したら起きちまうぞ………ん?」

 

 続いて明人は何かに気付く。

 

 彼の視線の先に見えるのは、アーストロンの少し向こうの低山にそびえ立つ何やら銀の城のような巨大な白の結晶であった。

 

 よく見れば、その色は今降っている雪の様なモノと同じである。

 

 

 その時、たまたま上を向いていた賢が何かに気付く。

 

 賢「しっ!二人とも、早く隠れるんだ。」

 

 突然急いで岩陰に隠れ、二人にも隠れるように急かす賢。

 

 明人「なっ、なんだ?」

 

 輝雄「どうしたんだよ賢…。」

 

 二人も賢に疑問を抱きつつ岩陰に隠れる。

 

 

 賢「(空を指差して)あれを見ろ。」

 

 賢に言われ、指差す方向を見上げる二人。

 

 そこには、何やらこちらの方に向かって飛んで来るものが見える。

 

 近づいて来るにつれ、それが何なのかが徐々にハッキリと見えてくる。

 

 

 その姿はプテラノドンに似た外見をしている巨大生物。

 

 

 その生物は『始祖怪鳥テロチルス』である。

 

 

 輝雄「うそ?」

 

 明人「マジかよ…また怪獣かよ………!」

 

 賢「こいつら………あの蛙野郎の仲間と言う事なのか!?」

 

 三人は新たに現れた怪獣を見て困惑の声を上げる。

 

 

 翼を羽ばたかせながらゆっくりと降下し、やがて銀の城に着地するテロチルス。

 

 着地の際の強風は周りの小石や木の葉などを紙屑のように軽々と吹き飛ばしていき、その強風は小石や木の葉と共に賢たちの方へも飛んで来る。

 

 三人は急いで腕で顔を覆いながら小石が当たらないように岩に隠れ見つめる。

 

 

 “ピギイイイギャアアアァン”

 

 テロチルスは銀の城に着地した後、口から雪のような糸を吐き出し始める。

 

 

 それを見た瞬間、賢は目を見開く。

 

 賢「………あれだ!………今降っているこの雪のようなモノは………。」

 

 明人「そうか。あの妙な城も、奴が作った物なんだ。」

 

 

 賢は気づいたのだった。さっきから降っている雪のようなモノ。それはテロチルスが吐いているのモノなのだと。

 

 

 テロチルスはなおも銀の城にガス状の糸を吹き付け続ける。

 

 この銀の城も、恐らくテロチルスの吐き出す糸で作られたモノなのだろう。

 

 

 “グルルルルル…”

 

 

 その時、テロチルスの着地とその際の風の影響か、眠っていたアーストロンが目を覚ましてしまった。

 

 

 “グアアアアオオォン”

 

 

 起き上ると同時に咆哮を上げるアーストロン。

 

 するとテロチルスの方を振り向き何やら吠え続ける。まるで何かを訴えているようだ。

 

 それに気づくテロチルスもそれに応えるかのように吠え続ける。

 

 

 輝雄「あいつら、何をしているんだ?」

 

 明人「何やらいがみ合っているように見えるけど………戦い合いそうな様子はないね。」

 

 賢「あいつら、多分仲間なんだよ。人間で言う会話みたいなもんだ。」

 

 

 賢の言う通り、アーストロンとテロチルスが互いに吠え続けるその光景は、まるで会話をしているようにも見える。

 

 

 ここで、二匹の鳴き声をちょっと日本語に翻訳してみよう。

 

 アーストロン「な~んだよテロチルスか。折角気持ちよく寝てたのによぉ。」

 

 テロチルス「ああ寝てたのか。悪いな、起こしちまって。」

 

 アーストロン「んで、銀の城の方はどうなのよ?」

 

 テロチルス「ああ、いい感じに出来上がっている。そろそろ完璧だ。」

 

 

 “ズドーン”

 

 

 その時、一際大きい火山状の山・大熊山の頂が火山のように大爆発を起こす!

 

 賢たち三人はもちろん、アーストロンとテロチルスも驚きその方を振り向く。

 

 

 アーストロン「来たね?この時が。」

 

 テロチルス「ああ。俺たちが鍛え上げた“アイツ”が、完全に目覚める頃だ。こうしちゃいられねえ。早いとこ銀の城の完成を急がねば…。」

 

 テロチルスが再び銀の城製作に取り掛かろうとしたその時、

 

 

 テロチルス「………聞こえる………何かが飛んでくる音が………。」

 

 アーストロン「ん?俺には何にも聞こえねえぞ?」

 

 テロチルスは音に敏感なところがある。そのため、アーストロンには聞こえなくても彼には何かが聞こえているのだ。

 

 テロチルス「近いな………俺、ちょっくら偵察に行って来るわ。邪魔者かもしれぬ。」

 

 アーストロン「お、おお、気を付けるんだぞ。」

 

 

 ………と、まあ、怪獣語翻訳はこの辺にしておこう。

 

 テロチルスは翼を羽ばたかせ、何処かへと飛び去って行った。

 

 それを見送ったアーストロンは、再び胡坐をかいて眠り始める。

 

 

 はて、彼らが話す“アイツ”とは一体何の事なのだろうか………?

 

 恐らく突然起こった死火山であるはずの大熊山の爆発が関係しているのであろう。

 

 

 その爆発する大熊山の火口では、煮えたぎり飛び散るマグマを背に一匹の巨大生物が背筋の凍るような不気味な雄たけびを上げていた。

 

 

 その怪獣はテロチルスと同じく鳥に似た外見をしているのだが、それよりも一回り大きく、全体的に燃え上がる炎のようなフォルムをしている。

 

 

 そいつは赤いトサカに両頬にある赤い袋、そして何より最大の武器でもある大きく黒い嘴が特徴の鳥型の怪獣『火山怪鳥バードン』である!

 

 

 奴は非常に獰猛な肉食怪獣であり、かつて古代に好物でもある『食葉怪獣ケムジラ』を死滅させたと言われている。

 

 そしてその後大熊山の火口で長い眠りについていたのだが、最近になって遂に目覚めてしまったのであろう。

 

 

 上記のように非常に鋭利な嘴が武器であり、かつて別個体がこれによりタロウ、ゾフィーと立て続けに滅多刺しにして倒した事があるという非常に恐ろしいモノなのである。

 

 

 バードンは雄たけびを上げると、何やら近くの岩場に嘴で突き始める。

 

 嘴の威力は高く、1、2発で岩を容易く砕いていき、その後も連続で撃ち込み続ける。

 

 そして数回嘴を打ち付けた後、大きく羽ばたいてその場から飛び立ち始める。

 

 

 バードンは火口の爆発と共に現れ、賢たち三人もそれを目撃し驚愕する。

 

 

 賢「また怪獣が出たぞ!?」

 

 明人「しかも、またしても新しい奴だ………くそっ…どうなってんだ……ここは怪獣動物園か!?」

 

 輝雄「いや、そんな呑気なもんじゃないよ。恐怖の怪獣魔境だ。」

 

 賢「どっちでもいいっての!」

 

 

 火口から現れたバードン。それに気づいたアーストロンは「待ってました!」とばかりに咆哮を上げる。

 

 バードンもまた、アーストロンやテロチルスと仲間関係なのであろうか?

 

 

 火口から現れたバードンは、そのまま何処かへと飛び去って行った。

 

 

 

 一方、昨夜ヒカルと海羽が平和を取り戻した八幡那須岳村では、バードンは見えないが大熊山の爆発は見えており、村人たちはまたしても不安に駆られていた。

 

 

 そんな最中、

 

 マサ「はっ、思い出したぞ!」

 

 マサが何かを思い出したようだった。

 

 

 「どうしたのかねマサ?」

 

 

 マサ「伝説の続きだよ………

 

 狐と百足の化物は光の巨人により封印されるのだが、その直後に巨大な火の鳥の化物が三匹の怪物を従えて現れ………………

 

 

 巨人は敗れる………と。」

 

 

 思い出した事、それは、村に平和を取り戻したのも束の間、その直後に巨大な火の鳥の怪物が三匹の怪獣を従えて現れ、巨人は敗れるという伝説の続きで会った………。

 

 

 それを聞いた村人たちは不安を募らせ、再び絶望しそうになる人も出始める。

 

 

 しかし、マサは違っていた。

 

 そんな物騒な伝説の続きを語ったにも関わらず、すました顔を見せる。

 

 

 「どうしてそんな顔していられるのかね?」

 

 マサ「………信じてるからさ。奇跡を。」

 

 「奇跡?」

 

 

 マサ「ああ、実際昨日も神と女神が現れ、この村に平和を取り戻したじゃないか。

 

 あの子たちが、またやってくれるよ、きっと。」

 

 

 根拠は無いものの、マサのその言葉を聞いた村人たちはそれを信じ、願い始める。

 

 

 マサ「必ずやってくれると信じてるぞ………ヒカル…海羽ちゃん。」

 

 

 

 その頃、村から少し離れた上空では、

 

 斎木の操縦するF-15Jイーグルがテロチルスと空中戦を繰り広げていた。

 

 

 テロチルスは恐らく優れた聴覚で斎木の戦闘機の接近して来る音にいち早く気付き、先制攻撃を仕掛けて来たのであろう。

 

 

 斎木「くっそ、この鳥野郎!!」

 

 

 斎木はご自慢の操縦テクでアクロバティックに旋回等をしながらミサイルで攻撃を仕掛け、テロチルスも負けじとそれを回避しつつ鼻からの光線で反撃する。

 

 

 斎木「こいつ、フルータ星人の手下だな!?」

 

 

 まだフルータ星人が実現すると思い込んでる斎木(笑)は引き続き攻撃を続行する。

 

 

 普通このような戦闘機は怪獣に撃墜されるのがお約束みたいなものなのだが、優れた腕の斎木が操縦するF-15Jイーグルはテロチルスの攻撃をことごとくかわしていく。

 

 ここまで怪獣と互角にやり合える一般の戦闘機も珍しいモノである。

 

 

 F-15Jイーグルはテロチルスの光線を避けつつ正面から突っ込みながらミサイルを連射していき、やがて機体を逆さにしてすれすれの所ですれ違うように衝突を回避する。

 

 そしてその後に垂直上昇旋回を決めながら真上からテロチルスの背中にミサイルを打ち込む。

 

 

 斎木「っしゃあ!そろそろ止めと行くぜ!」

 

 

 斎木が止めに入ろうとしたその時、テロチルスは一旦上空で静止して翼を羽ばたかせて突風を起こし始める。

 

 流石の斎木の戦闘機も、最大瞬間風速100メートルと言われる突風を受けて徐々にバランスが崩れ始める。

 

 斎木「うあっ!?…くっ、くっそ~!!」

 

 完全にバランスが崩れたところで体当たりでトドメを刺そうと突進を始めるテロチルス。絶体絶命の危機に追い込まれた斎木。

 

 

 “ズガガガガーン”

 

 

 テロチルスは突如、何処から飛んで来た無数のミサイルを一斉に受けて被爆して落下を始める。

 

 

 斎木「………何だ?」

 

 

 斎木が振り向いた先には、一機の宇宙船が駆け付けていた。『スペースペンドラゴン』である。

 

 

 謎の気配を感知して大熊地獄ヶ岳に向かっていたレイとヒュウガ。その最中に偶然テロチルスと戦闘する斎木を見かけて加勢に入ったのであろう。

 

 そして対怪獣用の戦闘機だった頃の名残りでもある武装・ワイバーンミサイルで先制攻撃を仕掛けたのである。

 

 

 斎木「おぉ、何だか知らねーがサンキュー!」

 

 

 初見にも関わらず敵ではない事を察した斎木は軽く礼を言う。

 

 

 ヒュウガ「やはりこの山に怪獣がいたのか!?」

 

 

 レイ「奴は確か…テロチルス!」

 

 

 F-15Jイーグルとペンドラゴンが上空で並ぶ。

 

 斎木「よーし、反撃開始だ!ここからは共闘といこうz…、」

 

 

 その時!

 

 

 斎木「!うおあっ!!」

 

 突如、上空から何かが急降下してきたために二機は咄嗟に回避する。

 

 そしてその急降下してきたモノは、テロチルスが落下した地面に着地する。

 

 

 バードンだ。

 

 

 レイ「更にバードンだと!?」

 

 以前バードンと交戦経験のあるレイはバードンの出現に驚愕する。

 

 

 バードンは着地した後、倒れているテロチルスを起き上らせる。

 

 斎木「何やってんだろ?あいつら。」

 

 レイ「奴らは仲間同士なのか?」

 

 それを見た戦闘機の三人は、二体が仲間関係にある事を察する。

 

 

 すると二体は上空の二機の戦闘機目掛け、テロチルスは鼻からの光線、バードンは口からの火炎・ボルヤニックファイアを噴射する!

 

 斎木「!?うぉあっ!」

 

 二機とも咄嗟に旋回して回避することで事なきを得る。

 

 だが、その隙に二体はそれぞれ違う方向へと飛び去って行った………。

 

 

 斎木「ああっ! チキショウ、、!」

 

 斎木は二体に逃げられた事を悔しがる。

 

 

 とりあえず両者は一旦機体を着陸させて対面する事にした。

 

 

 レイとヒュウガ、そして斉木は初のご対面を果たす。

 

 ヒュウガと斉木は握手を交わした。

 

 斎木「さっきはありがとうございます。お陰で助かりました。」

 

 ヒュウガ「いえいえ、当然のことをしたまでです。」

 

 レイ「それにしても凄い腕だ。あんたも何か防衛チームに属してるのか?」

 

 斎木「そうだな、まあ、防衛軍という程ではないのだが、俺はもともと地球防衛軍の隊員だったが、今は独自のチームで活動してる感じだ。」

 

 ヒュウガ「それにしても貴方も同じ所を目指しているとは奇遇ですね。」

 

 

 斎木「ええ、ウチの自慢の戦闘機・F-15Jイーグルのレーダーが謎の反応を探知したもんで…。

 

 それになんでも、あの山でフルータ星人とか言う宇宙人が、何やら暗躍しているようなんですよ。」

 

 

 レイ「フルータ星人?………聞いた事ない名前だな。」

 

 それもそのはずだ!笑 そもそもフルータ星人自体存在しない宇宙人なのだから、、、

 

 多分大学で怪獣学を専攻しているZAPの怪獣博士・オキに聞いても分からないであろう、、、(笑)

 

 

 ヒュウガ「レイも知らない宇宙人か………さっきの怪獣たちも、そのフルータ星人と何か関係しているのであろうか………?」

 

 斎木「それよりも大変なんだ!そのフルータ星人って奴、2人のウルトラ戦士の変身アイテムを奪って何か悪だくみをしようとしているんだ。」

 

 ヒュウガ「なんだって!?」

 

 レイ「ひょっとすると…さっきの怪獣たちは、フルータ星人が自分たちの邪魔をさせぬよう差し向けた刺客なのかもしれない…!」

 

 

 ヒュウガ「…と、いうことは、、、?」

 

 

 斎木「ああ、間違いねえ、、、!」

 

 

 レイ・ヒュウガ・斎木「間違いねえ、フルータ星人の仕業だ! ゆ゛る゛さ゛ん゛!!」

 

 燃え盛る炎(イメージ)を背景に、フルータ星人への怒りを燃やす三人。

 

 

 しかし、見ず知らずの若者が軽はずみで名乗ったはずのフルータ星人が、すっかり大袈裟な話になってしまっている、、、(笑)

 

 これは先が思いやられるわ………汗

 

 

 ヒュウガ「とにかく、一刻も早くフルータ星人の企みを阻止せねばな。」

 

 斎木「よし、そうと決まればF-15Jイーグルでひとっ飛びしてぶっ潰してやる!」

 

 存在しないはずのフルータ星人を、早速潰す気満々になってしまっている熱血漢・斎木和寿(笑)

 

 

 ヒュウガ「いや待て。今戦闘機でこのまま真っ直ぐ行くのは危険だ。」

 

 斎木「、、なぜだ?」

 

 レイ「さっきの怪獣についてなんだが、恐らく一体はテロチルスだと思われる。

 

 奴は口からガス状の糸を吐くのだが、その糸は排気ガスに触れると毒ガスになるみたいなんだ。」

 

 斎木「何っ?!、それは本当か?」

 

 ヒュウガ「あぁ、以前ウチの怪獣博士が、そう言ってたからなあ。

 

 

 

 一方、別宇宙のレイ達の世界、所謂大怪獣バトルの世界では、宇宙空間を飛行しているZAPのスペースペンドラゴンにて。

 

 

 オキ「へっ…へっくしっ!!………ああっ!少しズレちゃった………。」

 

 ペンドラゴンのクルーであり、大学で怪獣学を専攻していた怪獣マニア・オキ(隠岐 恒一)が、とある怪獣の骨格標本を真剣に組み立てていた。

 

 オキ「出来た!」

 

 そして遂に出来たことに喜びの表情をする。

 

 

 その時扉が開いて一人のクルーが入って来る。

 

 タンクトップ姿に肩にタオルをかけているその青年は、同じくペンドラゴンのクルーであり、優秀な腕前から他のクルーから『魔法使い』とも言われているエンジニア・クマノ(熊野 正彦)である。

 

 格好からして恐らくトレーニングルームから戻って来たのであろう。

 

 

 クマノ「オキも一緒にいk………なーんだまた怪獣の骨格標本か?」

 

 少し呆れながらも笑ながら反応する。

 

 オキ「へっへー。今度のは自信作ですよ。」

 

 クマノ「その怪獣なら知ってる。当ててみようか………アーストロンだろ?」

 

 オキ「違いますよ~。ゴーストロンです。」

 

 そう言うとオキは側にあるディスプレイに、怪獣図鑑と思われるファイルからゴーストロンのデータを映し出す。

 

 因みにゴーストロン(別名:爆弾怪獣)は、外見がアーストロンに非常に似ており、アーストロンの弟分の怪獣とも言われているのだ。

 

 

 オキ「よーく見てください。アーストロンとの違いは角があるか無いかでもありますが、他にもこの大腿骨が…」

 

 クマノ「おーっと皆まで言うな!………どうせまた怪獣の講義するつもりだろ?」

 

 二体の違いを語ろうとするオキを慌てて止めるクマノ。彼は度々オキの怪獣講義に付き合わされているのである(笑)

 

 

 クマノ「こないだなんてゴルザとファイヤーゴルザの違いで5時間も付き合わされたからなあ…。」

 

 オキ「そうですか?今回はコンパクトに2時間で済ませようとしたんですけど…。」

 

 クマノ「いやそれでも長いって!」

 

 

 …とまあこんな感じでいつもの凸凹コンビぶりで漫才を繰り広げるクマノとオキ。

 

 

 しばらくするとオキはゴーストロンの骨格標本を指で軽く突きながらぼやく。

 

 オキ「………ボスにレイ………うまくやってるかな?」

 

 クマノ「………あの二人なら大丈夫さ。なんでもあのウルトラマンゼロまでついてるみたいだし、きっと今も戦っているよ。」

 

 オキ「………そうですね。僕たちも頑張らなきゃ。」

 

 すると、二人の元に通信が。

 

 ハルナ『これより、惑星デントに到着します。』

 

 クマノ・オキ「了解!」

 

 通信を入れたのはペンドラゴンの副長・ハルナ(榛名 ジュン)であった。

 

 ボス(船長)のヒュウガが不在なため、今は彼女が船長代理を務めているのである。

 

 そのハルナも、コックピットで二人の事を考えていた。

 

 ハルナ「ボス………レイ………どうかご無事で。」

 

 

 その頃、オキの個室にて。

 

 オキ「そうそう。僕最近はレッドジャックの爪にも興味あるんですよ。」

 

 クマノ「ホントか?お前は本当に好奇心が尽きないな~。」

 

 オキ「今度会ったら分捕ってみたいな~爪。」

 

 クマノ「お前は命がいくつあっても足りないぞ!?」

 

 とまあこんな感じで、二人は再び漫才じみたやり取りに戻っていた………(笑)

 

 

 ハルナ「惑星デント。これより大気圏突入・着陸します。」

 

 旅立っている二人への皆の想いと共に、ペンドラゴンは資源を届けに惑星デントへと入って行った………。

 

 

 

 ヒュウガ「それに、ペンドラゴンのレーダーが、あの火山周辺の特殊な物質の反応を感知している。恐らく奴が吐いたガスなのだろう。」

 

 斎木「そうか……それじゃあ、今イーグルで向かったらヒカルと海羽ちゃんが危ねーな。

 

 分かった。じゃあ俺はこっから徒歩で向かう事にする。この先村もあるから、そこの様子見も含めてな。」

 

 ヒュウガ「分かった。我々は、ガスが届いていない所を飛びながら、先に山へ向かう事にするよ。」

 

 斎木「そうか………分かった。」

 

 レイ「この先の村を通って行ったら、、推定5キロぐらいはある。間に合うか?」

 

 斎木「おうよ!元防衛軍といえど、健脚は健在だ。」

 

 レイ「…そうか。くれぐれも気をつけるんだぞ。」

 

 斎木「それじゃ、お互い健闘を祈ろう。」

 

 そう言うと斎木はヒュウガと握手を交わした。

 

 

 そして、レイとヒュウガはペンドラゴンに乗り込んで飛び立ち始め、斎木はその場からやや駆け足気味で山に向かい始める。

 

 

 ヒュウガ「急ぐぞレイ。何としてもフルータ星人の野望を阻止せねば。」

 

 レイ「ああ。」

 

 そう言いながら、レイは既にネオバトルナイザーを取り出している。

 

 

 ペンドラゴンが飛び去った後、斎木の方はと言うと、、、

 

 斎木「うぉぉぉぉおおああーーー!!待ってろフルータ星人!必ず俺がぶっ飛ばしてやらあー!!」

 

 武装をしておきながら、気合い十分でダッシュを始めてしまっている。

 

 ダッシュを続けていくうちに、瞬く間に八幡那須ヶ岳村にたどり着いた。

 

 

 、、、だが、そこに待ち受けていたのは、村人たちの熱烈な歓迎であった。

 

 「おお!早速観光客が一人来たわい。」

 

 「ようこそ、八幡那須ヶ岳村へ。」

 

 斎木「お?、、あ、ああ、サンキュー。」

 

 

 昨夜のギンガとソルの活躍により平和な観光地に戻った村に早速人(斎木)が訪れた事に村人たちは喜び、大勢で挙って歓迎し始める。

 

 そして、一斉にチラシを渡し始める。恐らくこの村の観光案内のモノなのだろう。

 

 、、、だが、斎木は急いでいると言うのに大勢の村人が一人一人斎木にチラシを(しかも同じ内容w)渡していくためなかなか前に進めず、所謂見事に通せんぼうを喰らってしまっていた(笑)

 

 

 斎木「あ、ああ、サンキュー。分かった。分かったから行かせて……はい分かったから、、分かっ……

 

 早く行かせてッッ!!」

 

 

 ……とまあ、こんな風に思わぬ通せんぼうに斎木は少し情けなさそうな困惑の表情で悲痛(?)の声を上げる。

 

 

 

 その頃、大熊地獄ヶ岳では、次々と現れる怪獣により、賢たちフルータ星人(笑)は焦りを募らせ始めていた。

 

 明人「やべーよこれ。はやいとこ賢の妹を助けてこっから逃げようぜ!」

 

 輝雄「他の連れ去られた人たちも、、一体どこにいるのかな、、、。」

 

 その時、賢が何かに気づく。

 

 賢「!はっ、見ろよあれ!」

 

 明人と輝雄も賢が指差す方を振り向く。

 

 その先にあったのは、大きな湖のほとりに無数散りばめられている球体の何かだった。

 

 

 賢「………似てる………。」

 

 

 賢は、それがトンダイルが吐き出した愛を閉じ込めたカプセルに似ている事に気づき、急いで走って向かい始める。

 

 明人「おっ、おい待てよ賢!」

 

 明人と輝雄も慌てて後を追う。

 

 

 三人が無数の球体の方に近づくにつれ、何かが聞こえてくるようであった。

 

 それはまるで人間の泣くような声が、、、。

 

 

 

 やがて湖のほとりに辿り着くと、三人は驚愕する!

 

 そこには案の定、トンダイルカプセルと思われる球体が無数に転がっており、その中には一人ずつ人間が閉じ込められているのだ!

 

 見た感じその大半は女性や子供のようである。

 

 中には泣きじゃくる子供もいれば、飢えや疲労の所為かぐったりしている女性や子供まで見られた。

 

 

 驚きの光景を目にした三人は、やはりトンダイルの仕業によって人々が連れ去られたのだと確信する。

 

 賢「………ほらな!やっぱり俺の言った通りだ。」

 

 明人「それにしてもよくもこんなに集めたな~…。」

 

 輝雄「感心してる場合!?早くこの子たちを助けないと!」

 

 賢「…あ、ああ、そうだな。」

 

 そう言うと賢は懐からヒカルと海羽から奪ったウルトラフュージョンブレスとハートフルグラスを取り出す。

 

 

 出来るはずもない事を実行するために、、、。

 

 

 賢「蛙野郎め…この人たちを解放したら見てろよ。」

 

 

 賢たちは人々の目の届く場所まで移動する。

 

 賢「みんなーーー!! 大丈夫かーーー!?」

 

 賢の呼びかけを聞いた人々は一斉に反応する。

 

 「早く助けて!!」

 

 「怖いよ~!!」

 

 特に子供たちの悲痛な叫びが飛び交っている。

 

 

 それらの声が飛び交う中で、遂に賢は遂に妹の愛の入ったカプセルを発見する!

 

 中に入っている愛はだいぶ衰弱していて、助けを呼ぶ元気すらままならない状態であった。

 

 

 賢「愛!!………………待ってろよ。今こそウルトラの力で…!」

 

 愛を見つけた賢は遂に決心をし、左腕にフュージョンブレスを装着し、右手にハートフルグラスを持つ。

 

 

 賢「やーーーっ!!」

 

 

 賢は気合の叫びと共に左腕に力を入れ、ハートフルグラスを目に当てる!

 

 

 ………だが、賢の姿に変化が起こらず、光が溢れて変身するような気配がない………。

 

 明人「………へ?」

 

 輝雄「どうしたんだろう………………。」

 

 

 賢「バカなっ!?こんな筈は無い! やーーっ!?、やーっ!、やーっ!………」

 

 諦めきれない賢はその後も何度も試してみるが、一向にウルトラ戦士に変身出来ない………。

 

 

 やはりウルトラマンの変身アイテムは、選ばれた者にしか扱えないのであろうか………?

 

 

 

 何度も試す賢を後ろから見守る明人と輝雄。

 

 輝雄「おいおい、こりゃあマズい事になってきたなあ…。」

 

 明人「ああ。アイテムはあるのに変身できないなんて………。」

 

 

 二人が困惑しているその時、

 

 

 海羽「待ちなさい!!」

 

 

 突如、後ろから“聞き覚えのある”女性の声が飛び交い、二人は一瞬固まった後徐々に後ろを振り向く。

 

 

 明人「げげっ!?」

 

 驚く明人の視線の先に立っていたのは、彼らフルータ星人(笑)を追って大熊地獄ヶ岳にたどり着いたヒカルと海羽であった!

 

 

 ヒカル「そこまでだフルータ星人!!」

 

 海羽「ウルトラマンの変身アイテムを奪って何を企んでるか知らないけど、好きなようにはさせないわ!」

 

 完全に明人たちを悪の宇宙人だと勘違いしているヒカルと海羽。

 

 

 明人と輝雄は慌てながらも何とか話を聞いてもらおうと取り繕う。

 

 明人「い、、、い、いや~! こ、これには深~いワケがありましてね…。」

 

 輝雄「そ、そうそう! なんつーか、、、俺たちの、その、個人的な事情がありましてね………。」

 

 明人・輝雄「(互いに向き合って)ね~!」

 

 

 ヒカル・海羽「ん?」

 

 

 明らかに様子がおかしいフルータ星人(笑)二人に気付くヒカルと海羽。

 

 

 そして明人と輝雄は、ヒカルと海羽に全てを話した。

 

 フルータ星人を名乗ったのは自分達だという事、フュージョンブレスなどを盗んだのも自分達だという事、そして、それらをやったワケを………。

 

 

 それを聞いたヒカル達は、若干納得しながらも複雑な気分でいる。

 

 ヒカル「ったく、なにがフルータ星人だ………。」

 

 海羽「はぁ~…だからおかしいと思ったんだよ………今朝起きたら賢君たち居ないしさ~。」

 

 ヒカル「しっかし回りくどいよな~………そういう事なら始めから俺たちに頼めばいいのに…。」

 

 

 明人「それが………………あいつが自分の力で妹を助けたいと聞かなくてな。」

 

 そう言うと一同は明人が振り向いた方に振り向く。

 

 そこには、なおも変身アイテムを構えて何度も変身しようと試みる賢の姿だった。

 

 輝雄「それで、奪ったとしても扱える保障がないとも分かっていた俺たちは、いざと言う時にアンタらに来てもらうために脅迫状を書いたってワケだ。」

 

 

 古田賢たちの事情を聞いたヒカル達。それを聞いた瞬間、表情が変わる。

 

 ヒカル「こんな回りくどい作戦立てたのも………全ては妹一人のために………?」

 

 海羽「なんて妹思いなお兄ちゃんなんだろう………。」

 

 自分たちの変身アイテムを奪ってまで妹を助けようとする賢の姿………やった事自体はよろしくない事なのだが、その妹思いの精神にはヒカルと海羽も感動に近い感心を隠せずにはいられないようである………。

 

 

 輝雄「結果的には俺たちも共犯者になったという事なのだが………全てはあいつと、あいつの妹のためにやむを得なかったんだ………ごめんな。」

 

 明人「この一言だけじゃあ許されないかもしれないが………ホントにごめんな。」

 

 

 ヒカル「いや、アンタらは立派だ。」

 

 

 明人・輝雄「え?」

 

 

 ヒカルの思わぬ言葉に二人は反応する。

 

 ヒカル「確かに、俺たちの変身アイテムを奪ったのは許されない事だ………しかし、その動機の中には、様々な良心が交差していたとはな。

 

 妹思いの兄、そしてその友達に協力する友達思いのお前ら………フタを開ければみんな良い奴らじゃねーか。」

 

 海羽「そうそう!もう感動しちゃうわ~~! 人の事を考え、思いやれる心、それがあれば、いい人だという証だよ。」

 

 アイテムを奪われた身ながらも、ヒカルと海羽の自分達の気持ちを理解する発言に明人たちは感動を感じ始める。

 

 

 ヒカル「その努力だけは認める。だからあとは俺たちに任せろ。な。」

 

 ヒカルの説得を聞いた明人と輝雄は無言で頷く。

 

 

 次にヒカルは、賢の元に歩み寄る。

 

 賢「くそっ!!………こんなに試してるのになぜ変身出来ない!?………愛を………みんなを助けなきゃいけないというのに………………!」

 

 何度変身しようと試しても出来ない事に、遂に俯いて息を切らせながら弱音を吐き始める賢。その横にヒカルの姿が現れる。

 

 ヒカル「これで分かっただろ?ウルトラマンの変身アイテムは、選ばれて者にしか扱えないんだ。」

 

 横から語り掛けるヒカルに、賢は横目で視線を向ける。

 

 ヒカル「アンタの妹思いの精神は立派だ。だからあとは俺たちに任せろ。」

 

 

 ヒカルの説得を受ける賢は、無言で若干複雑な表情になる………。

 

 

 現実を突きつけられてもなお、自分の力で妹を助けたい気持ちが強く出いるのであろうか………………?

 

 

 

 “ザッパーン”

 

 

 賢「…!ッわっっ!!」

 

 

 ヒカル「何だ!?」

 

 

 突如、目前の湖から激しい水しぶきが飛び散り、一同は驚愕する。

 

 

 そして水しぶきと共に現れた巨大な水柱が徐々に滝が流れるように崩れていき、その中から一匹の巨大生物が現れる!

 

 

 現れたのは賢の思った通り、トンダイルであった!

 

 トンダイルは現れたと同時に咆哮を上げる。

 

 そしてトンダイルの出現・咆哮により捕らわれている人々、特に子供たちは恐怖により泣き叫び始める。

 

 

 ヒカル「怪獣だと!?」

 

 海羽「それも大きな……蛙!?」

 

 賢「やはりここに潜んでいたか蛙野郎!!」

 

 ヒカル「えっ!?お前あの怪獣の事知ってんのか!?」

 

 

 賢「あぁ…あいつが愛を………………!

 

 愛を返せーーー!!」

 

 

 賢は怒りに任せてトンダイルに向かって行こうとするが、間一髪ヒカルがそれを食い止める。

 

 ヒカル「待てって!その姿で行くのは無茶だ!」

 

 明人「賢!ここは早く逃げようぜ!」

 

 輝雄「このままじゃ俺たちもお陀仏だ!」

 

 

 賢「バカヤロー!!愛を放って逃げられるか!!」

 

 

 明人たちの呼びかけをも聞かず一向に愛の近くから離れようとしない賢。

 

 

 トンダイルはそんな賢に目を付け、そしてそこ目掛けて口から火炎を噴射する!

 

 

 “ズドーン”

 

 

 賢「うわあああぁぁぁ!!」

 

 ヒカル「ぐおああああーーっ!!」

 

 

 火炎が近くで爆発したヒカルと賢は、その爆風により吹っ飛ぶ。

 

 海羽「ヒカルさん!!」

 

 明人・輝雄「賢!!」

 

 

 ヒカル「…ぉ、おい…大丈夫か?」

 

 賢「ぁぁ…。」

 

 ヒカルは何とか賢を立ち上がらせる。トンダイルはなおもヒカル達を追って火炎を吐きながら歩き続ける。

 

 

 火炎による爆発が周囲に起こり、それにより土砂や石のつぶて、熱風が吹きつけながらも一同は足早に逃げ続ける。

 

 

 ヒカル「賢!とりあえずアイテムを返すんだ!」

 

 海羽「はっ!そ、そうよ!そうすれば変身できるから………!」

 

 ヒカルと海羽の言葉を聞いた賢は、なおも複雑な表情ながらもとりあえずハートフルグラスを海羽に投げて返そうとそれを持つ右腕を振り上げる。

 

 

 だが、そこにトンダイルが口からトンダイルカプセルを一つ吐き出し、それがヒカル達向かって飛んで行く………!

 

 

 海羽「えっ!? ちょっと………きゃーーーっ!!」

 

 そしてそのカプセルが瞬く間に海羽を閉じ込め、トンダイルの手中に捕らわれてしまった!

 

 

 ヒカル「海羽ーーー!!」

 

 

 ヒカルの叫びが響く中、トンダイルは嘲笑うかのように吠えた後、海羽を閉じ込めたカプセルを他の人々を閉じ込めたカプセルの山の方へ放り投げる。

 

 

 海羽「閉じ込められちゃったよ~~~!」

 

 ハートフルグラスを取り返す直前にカプセルに捕えられてしまった事で変身不能になってしまった海羽。

 

 

 ヒカル「そんな………………。」

 

 賢「嘘だろ………。」

 

 

 一同が唖然としているその時、

 

 

 “ズドーン”

 

 

 ヒカル「………ぐっ!!?」

 

 賢「今度は何だ!?」

 

 

 突如後ろで謎の爆発が起こり、一同は爆風を防ぐために腕で顔を隠しつつも振り向く。

 

 

 振り向いた視線の先に見たのは、此方を睨み付けるアーストロンと、同じ表情で空中に浮かんでいるテロチルスであった!

 

 アーストロンは再び眠りが覚め、テロチルスも先ほどの偵察から戻って来たのである!

 

 そしてアーストロンは口からの溶岩熱線、テロチルスは鼻先からの光弾で牽制攻撃を仕掛けて来たのだ。

 

 

 ヒカル「怪獣は一体だけじゃねーのかよ!」

 

 賢「こいつはマズいな………!」

 

 明人「マズいって絶対………!」

 

 輝雄「あ………あ…あ………。(←途方に暮れるあまり言葉が出ない)」

 

 

 海羽「はわわわわ………これは絶体絶命?」

 

 

 三体の怪獣に狙われるヒカル達を見て海羽は不安を募らせる。

 

 

 愛「………お兄…………ちゃん………………。」

 

 捕らわれている愛は、朦朧とする意識の中で弱弱しくも自分のために頑張る兄の事を気に掛けるかのように譫言を呟いた………………。

 

 

 怪獣たちはと言うと、再び日本語訳するとこんな感じの会話をしている。

 

 アーストロン「おいおい、こんな所に侵入者か?」

 

 テロチルス「トンダイル、何なんだこいつらは?」

 

 トンダイル「聞いてくださいやし!こやつらバードンのための御飯を盗もうとしたんでございやすよ!」

 

 アーストロン「ほーう………いい度胸してんじゃん人間の分際で!」(指をポキポキ鳴らす)

 

 テロチルス「バードンのために作ったベッドルーム(銀の城)も荒らされちゃあ困るしな。」

 

 アーストロン「こいつらも捕えてバードンの飯のおかずにしてやろうぜ。」

 

 トンダイル「あっしにお任せくださいやし!」

 

 

 アーストロン「俺たちも手伝ってやる………捕まえろー!!」

 

 

 会話を聞いた感じだと、どうやらアーストロンたちはトンダイルよりも立場的に一つ上のようである………。

 

 

 なんて言ってる場合ではなく、アーストロンの指示と共に三体は一斉にヒカル達に襲い掛かろうとする!

 

 彼らを捕えようと容赦なく吹き付ける火炎、熱線、光弾の雨が周囲で爆発する中、四人は必死に逃げ続ける。

 

 

 海羽「大丈夫………大丈夫だから! もうちょっとの辛抱だから頑張って!」

 

 捕らわれている海羽は、ヒカル達を心配そうに見守りながらも同じく捕らわれて泣きじゃくる子供たちや弱った女性たちを励まそうと声を掛けていた。

 

 

 怪獣たちの火炎などを避け続けるヒカルたち。飛び道具が当たらないと見た怪獣たちは、今度は近くの小さい岩山を崩したり足元の複数の岩を蹴り飛ばしたりなどして岩石をぶつけようとする!

 

 今度は岩石の雨あられが降りしきる中、ヒカル達は必死に逃げ続ける。

 

 

 賢たちを庇いながら逃げ続けるヒカルは、ふととある事を思い出していた………。

 

 

 それは、かつてエタルガーを倒すために、ショウと共にウルトラマンゼロから受けた特訓の事である。

 

 

 あの時ゼロは、二人で息を合わせる特訓のために近くの山から自分たちに岩を落として来たのである。

 

 

 〈回想〉

 

 ゼロ「二人で息を合わせて逃げないとヤバいぞぉぉ~。」

 

 ヒカル「こんなの無茶苦茶だ~!!」

 

 〈回想終了〉

 

 

 ヒカル「思えば、あの時のゼロの特訓もあながち間違いじゃなかったのかもな………。」

 

 岩を避けながらヒカルがそう呟いている間にも、怪獣たちは既に目前までに迫っていた………!

 

 

 明人「うわあぁ~!俺達もうおしまいっスよ~!!」

 

 輝雄「パンにジュース………!」

 

 賢「それを言うなら“万事休す”だろー!!?」

 

 

 ヒカル「いや、まだ終わりじゃねーよ。」

 

 そう言うとヒカルは賢たちよりも数歩前に出て懐からギンガスパークを取り出し、賢たちの方を振り向く。

 

 

 ヒカル「アンタの妹さんも………海羽ちゃんも………みんなも必ず助ける!!」

 

 

 賢「ヒカルさん………………。」

 

 

 

 遂に変身する決心をしたヒカル。

 

 ヒカルは右手に持つギンガスパークを前に突き出し、側面のスパークブレードを展開させて先端から光と共に現れたギンガのスパークドールズを左手で掴み、両腕をS字を描くように振った後スパークドールズのライブサインを先端のスパークリーダーでリードする。

 

 

 《ウルトライブ!ウルトラマンギンガ!》

 

 

 発声と共に柄にあるスパークフェイスカバーが展開してギンガの顔を模したスパークフェイスが出現する。

 

 

 ヒカル「ギンガー!!」

 

 

 ヒカルはギンガの名前を叫びながらギンガスパークを高く揚げ、そこから溢れ出る銀河状の光に包まれる。

 

 

 「ショォォラアァァ!」

 

 

 そしてその銀河状の光から右手を突き上げるポーズでウルトラマンギンガが現れる!

 

 

 ライブ(変身)が完了し、土砂を巻き上げながら着地するギンガ。

 

 三大怪獣を前に悠然と構えを取る。

 

 

 賢「あれがウルトラマンギンガ………。」

 

 ギンガの出現に賢たちは息をのむ。

 

 

 海羽「ヒカルさん………………。」

 

 ギンガを見守る海羽は心配そうな感じである。それもそのはず、自身は変身アイテムを奪われた上に捕らわれの身となってしまった、所謂今は三大怪獣を相手にヒカルがギンガで孤軍奮闘するしかないのだから………。

 

 

 三大怪獣は出現したギンガを前に身構えながら威嚇の咆哮を上げる。

 

 トンダイル「今度はウルトラマンの登場でございやすか!?」

 

 テロチルス「邪魔者は誰だろうと潰すべしだな。」

 

 アーストロン「覚悟しろ!俺たち三対で袋叩きにしてやらあ!」

 

 ………恐らくこのような事を言っているのだろう。

 

 

 ヒカル「いや……三対一じゃない………俺とギンガ………………すなわち、三対二だ!」

 

 三大怪獣を前にヒカルはそう言い聞かせながらギンガスパークを構え、それと同時にギンガは怪獣軍団に向かって行く。

 

 

 ギンガは先陣切って突っ込んできたトンダイルの突進を避けると同時に首筋にチョップを決めることで受け流し、その後そのまま回転して右脚蹴りをアーストロンの腹部に決める。

 

 その隙にテロチルスが背後からギンガにしがみ付いて動きを封じ、その隙にトンダイルが攻撃を加えようとするが、ギンガはその状態のまま右足でトンダイルの腹部を蹴って吹っ飛ばす。

 

 次にギンガはテロチルスの腹部に右肘打ちを数回決めた後、右拳の裏拳を顔面に叩き込むことで羽交い締めから逃れ、更に振り向いて腹部に四発連続パンチを打ち込んだ後右足蹴りを胸部に叩き込んで吹っ飛ばす。

 

 だが、一瞬の隙を突いてアーストロンが尻尾攻撃を繰り出し、それを胸部に受けたギンガが怯んだ隙に右手で頭部を叩いてダウンさせる。

 

 アーストロンは倒れ込んだギンガに更に攻撃を加えようとするが、ギンガは左手、左膝を付いた状態でアーストロンの腹部に右脚蹴りを決め、更に腹部に右拳のギンガハイパーパンチを叩き込む。

 

 アーストロンは少し怯みながらも反撃として右脚を振るって蹴りを繰り出すが、ギンガは即座にその場から受け身を取ってかわすと同時に距離を取る。

 

 

 テロチルスは翼を羽ばたかせて飛び立ち、ギンガ目掛けて接近しながら両脚をバタバタ震わせて連続蹴りを繰り出し、ギンガはそれを数発喰らい後退しながらも何とか両腕をクロスさせて防ぐ。

 

 だがその隙にトンダイルが突進の要領で頭突きを繰り出し、ギンガはそれを腹部に受けるがそれと同時に咄嗟にトンダイルの頭部を掴んで受け止め、そのままヘッドロックに切り替えるとそのままジャンプして落下スピードを利用して地面に叩き付ける。

 

 

 土砂や土煙が巻き上がるほど激しい戦いを繰り広げるギンガと三大怪獣。持ち前の戦闘力が高いだけあってギンガは三対一でも比較的互角に渡り合っていた。

 

 ヒカル「流石にこれはキツいぜ………。」

 

 だが、流石に相手が多いだけあってヒカル自身の消耗は激しいようであった。

 

 

 アーストロンとテロチルスはそれぞれ溶岩熱線と光弾を同時に放つ。

 

 ギンガはそれを右手を突き出してギンガハイパーバリアーを展開して防ぐが、バリアを消した瞬間既に目前までに飛んで迫っていたテロチルスに掴んで捕えられ、そのまま空中に運ばれ始める。

 

 

 ギンガを捕えたテロチルスはそのまま空中を飛行し続ける。どこかに叩き付けようとしているのであろうか?

 

 

 ヒカル「ギンガセイバー!」

 

 

 “ズパーン”

 

 

 ギンガは即座に右腕に光の剣・ギンガセイバーを形成させてそれでテロチルスの胴体を斬りつけて怯ませることで何とか逃れることに成功し着地する。

 

 

 着地したギンガ目掛けてアーストロンは溶岩熱戦、トンダイルは火炎を吹き付けて攻撃を仕掛け、ギンガはそれを側転したり受け身を取ったりしてかわしていく。

 

 だが、その隙を狙いアーストロンは大きく尻尾を振って攻撃を仕掛け、ギンガはそれを咄嗟に右腕で防ぐが若干タイミングが遅れた事もあり少し吹っ飛ぶ。

 

 

 三大怪獣相手に徐々に押され気味になっていくギンガ。三大怪獣は既に勝ち誇ったかのように咆哮を上げ、戦いを見守っている海羽たちは不安が募っていく………。

 

 海羽「ヒカルさん………ギンガ………………頑張って………………。」

 

 少し弱弱しくも声援を送る海羽。自身は閉じ込められてて変身できないため、応援以外何もする事が出来ない事に不甲斐なさを感じているのであろう………。

 

 

 賢たちも、戦いを見守り応援する事しか出来ない事に僅かながら苛立ちを感じ始めていた。

 

 賢「チクチョウ………変身アイテムさえ使えれば………!」

 

 

 

 海羽「………………!?」

 

 

 賢・明人・輝雄「………………!?」

 

 

 

 その時、海羽たちは何かに気付いた………!

 

 

 それは、上空から何かがこちらに向かって飛んで来る様子であった………!

 

 その飛んで来るモノは近づくにつれて姿がハッキリ見えていき、やがて完全に姿が見えた瞬間一同は戦慄する………!

 

 

 海羽「は………はわ……はわわわわわ………ひ、ひょっとしてもしかして………。」

 

 

 賢「いよいよヤバいぞ、これは………。」

 

 

 海羽「“地球最強”とも言われている凶暴な怪獣………!」

 

 

 やがて新たに飛んで来たモノは、地響きを上げながら地面に着地し、背筋が凍るような甲高い特徴的な咆哮を上げる。

 

 

 遂に“バードン”が、人々の前にその姿を現したのだ!

 

 

 ヒカル「あれは………ショウが戦ったって言ってたバードンか!?」

 

 

体はアーストロンたちよりも一回り大きく、燃え盛る炎のようなフォルムを持つその姿は正に怪獣界の“総大将”とも言われるだけあって圧倒的な貫禄と威圧感を放っている。

 

 

 バードンが出現した瞬間、三大怪獣はギンガへの攻撃を止め、一斉にバードンの方へと集まる。

 

 そして、三体が何やら喜ぶように鳴き声を上げた後、テロチルスは何やら「やったな!」とばかりにバードンの背中を叩き、そしてアーストロンは何やら指示を出す仕草をする。

 

 

 そしてそれを見たバードンは一回頷いた後、嘴を大きく開いてボルヤニックファイアを吹き出す!

 

 

 その火炎の威力は凄まじく、ギンガは咄嗟にギンガハイパーバリアーを展開するがそれだけでは防ぎきれず、火炎を受けているバリヤーの淵から炎が漏れてギンガに直撃!

 

 ギンガはたまらずバリヤーを解いて後ろに跳んでさがる。

 

 

 ボルヤニックファイアの威力を見たアーストロンは何やら「やったな!」とばかりに喜ぶような仕草を見せ、バードンもまた同じ仕草をする。

 

 

 どうやらバードンは、火炎放射の方法はアーストロンから、飛行技術はテロチルスから受け継いだようである。

 

 

 そしてバードンは次に、湖の方へ視線を変える。

 

 バードンはそこにある人々を閉じ込めた無数のカプセルを見た後、何やら労をねぎらうかのようにトンダイルの頭を撫で始める。

 

 バードンは人間も含めてあらゆる肉を好んで食べる怪鳥。恐らくこれらの捕えた人間たちは、トンダイルがバードンの食事のために用意したモノなのであろう。

 

 

 ついでに行っておくと、小山に作られた銀の城は、テロチルスがバードンの寝床として作ったものなのである!

 

 

 これらから分かるように、アーストロン、テロチルス、トンダイルの三大怪獣は、バードンとは仲間関係なのである。

 

 そして、伝説とも言われるほど永い眠りから目覚めた四匹は、ここ大熊地獄ヶ岳を自分たちの棲み処にしようと色々と準備を進めている最中だったのであろう。

 

 

 先ほど大熊山の火口から聞こえた妙な音は、恐らくバードンが嘴を突き刺す特訓をしている音だったのであろう。

 

 

 ヒカル「メンバー増量なんて、聞いてねえぞ!?」

 

 ヒカルは、相手が増えて四対一に持ち込まれたと思い動揺する。

 

 

 バードン出現の瞬間、捕えられている人々、特に子供たちは再び泣きじゃくり始める。

 

 かつてウルトラマンタロウと死闘を繰り広げたバードン。その歴史は実はこの世界では教科書に載っているほどであり、所謂彼らはバードンの恐ろしさを知っていたのである。

 

 

 四大怪獣はギンガ向かって咆哮を上げる。

 

 ヒカル「やるしかねえっ!!」

 

 ヒカルは半やけっぱちで再び構え、それと共にギンガも怪獣軍団目掛けて接近しようとする。

 

 

 バードンは両腕の翼を大きく羽ばたかせて強風を起こし始め、それを受けるギンガは強風に阻まれて接近できない。

 

 強風の影響は周囲にも広がり、砂煙や土塊、石などが風と共に飛んでくる中、賢たちは急いで岩壁に隠れようとする。

 

 

 ギンガが強風に手こずる隙にアーストロンは溶岩熱線を噴射し、ギンガはそれを腹部に受けて爆発して吹っ飛ぶ。

 

 そしてギンガが怯んだ隙にバードンは接近し、頭部を振り下ろして嘴を突き刺そうとするがギンガはそれをなんとか横にそれて避けると同時に左腕でヘッドロックを掛けるが、両腕で数回胴体を叩かれた事により手放してしまい、その隙にバードンの横降りの頭突きを胸部に喰らってしまう。

 

 バードンは再び嘴を突き刺そうと頭部を振り下ろし、ギンガはそれを嘴を両手で掴むことで受け止めるが、その隙に無防備になった腹部に右手、左手のかぎ爪攻撃を食らってしまいその部位から火花が飛び散り、たまらず手を放してしまったところに更に右手のかぎ爪の一撃を胸部に喰らい、火花を散らすと同時に吹っ飛ぶ。

 

 

 恐らくバードンは相当アーストロンたちに鍛えられたのであろう。その強さは強大であり、流石のギンガも苦戦を強いられていた。

 

 

 賢「………俺たちのせいだ………………俺たちが軽はずみでこんな事しなければ………………。」

 

 苦戦するギンガと変身できない海羽を見た賢は、海羽が変身できなくなり、ヒカルがギンガで孤軍奮闘で大苦戦を強いられることになってしまった原因は自分たちにあるのではないかと痛感し、悔しがり始める………。

 

 

 バードンの猛攻によりダメージを受けて倒れ込んでいるギンガに、バードンが止めで嘴を突き刺そうと迫る!

 

 

 危うし!ギンガ!

 

 

 

 ………だがその時、突然バードンの動きが止まる。

 

 ………いや、止まったのではない。バードンのもがいている姿を見ると、恐らくバードンは何者かに止められているようだ。

 

 

 すると、そのバードンを食い止めている者が姿を現す!

 

 

 『透明怪獣ゴルバゴス』が、バードンを羽交い締めにしている状態で透明状態から姿を現したのだ!

 

 ヒカル「!ゴルバゴス………!?」

 

 海羽「ゴバちゃん!」

 

 ヒカルと海羽はゴルバゴスの登場に驚く。

 

 

 ここ大熊地獄ヶ岳は元々はゴルバゴスの住み家。そこを突然眠りから目覚めた怪獣たちに無理矢理奪われようとしているのだから黙っていられないのは当然であろう。

 

 ゴルバゴスは住み家を取り戻すためも含め、ギンガに加勢することにしたのである!

 

 

 ヒカル「やはりな………………様子がおかしかったのは、コイツら(バードンたち)が目覚め、住み家を奪われようとしているからだったんだな………。」

 

 ヒカルはようやくゴルバゴスの様子がおかしかったワケを察する。

 

 

 ヒカル「お前は今、必死に頑張っている………なら俺たちも、それに応えてやらないと………!」

 

 そう言うとヒカルは気合を入れ、ギンガは何とか立ち上がる。

 

 

 一方賢たちの方はと言うと、ゴルバゴスの事情を知らない彼らはまた新たに怪獣が現れたことに動揺を隠せないようであった。

 

 賢「チクショウ…また怪獣かよ、今度こそギンガは………。」

 

 輝雄「………そうでもないと思うぞ?」

 

 賢「………え?」

 

 輝雄「あの新しく出た怪獣(ゴルバゴス)、何だかあの鳥野郎(バードン)を食い止めようとしているようにも見える………。」

 

 だが、輝雄の方は三人の中でも早くもゴルバゴスが他の怪獣たちとは違う事に気付いていた。

 

 

 振りほどこうともがくバードンに、なおも必死にしがみ付くゴルバゴス。

 

 ギンガゴルバゴスに羽交い締めにされているバードンに飛び掛かると同時に右拳のパンチを頭部に叩き込み、更に胴体に数発パンチを連打し始める。

 

 だが、仲間の危機を黙って見過ごせるかとばかりにトンダイルがギンガに頭部を突き出して突進!

 

 ギンガはなんとかそれを受け止めるものの、そのままトンダイルとの交戦にと切り替えられてしまう。

 

 

 今度はアーストロンが背後からゴルバゴスに溶岩熱線を噴射し、それをモロ背中に受けたゴルバゴスはたまらず怯んでバードンを捕えていた腕を離してしまう。

 

 

 すると、自由の身になれたバードンはすぐさまゴルバゴスの方を振り向き、、、

 

 

 “ザシュッ ブシュッ ブシュッ”

 

 

 振り向き様にゴルバゴスの体の至る所に嘴を突き立てて攻撃を始めたのだ!

 

 嘴で突かれた部位は痛々しい音と共に傷が出来、そこから血が垂れ始める………!

 

 

 バードンの嘴は特訓に特訓を重ねてより鋭利になっている。そのため、並みの怪獣ならば少し突くだけで簡単に傷つけることが出来るのである!

 

 

 バードンの非情なる攻撃に戦いを見守る一同は戦慄し、海羽に関してはショックで少し涙ぐんでしまっている、、、。

 

 

 バードンはボルヤニックファイアを火球状にしてゴルバゴスに連射して浴びせ、それによるダメージで倒れ込んだゴルバゴスをアーストロンの方へと蹴り転がす。

 

 アーストロンは自分の方へと転がってきたゴルバゴスを起き上らせると、一旦ゴルバゴスを前蹴りで後退させた後、頭部の角を突き立てた頭突きを繰り出す!

 

 アーストロンの角を胸部に受けてしまったゴルバゴスはその部位が爆発すると共に吹っ飛び背後の岩山に激突する。

 

 

 バードンは岩山に激突したゴルバゴスに、嘴を突き刺す攻撃・シャークノーズを繰り出すが、ゴルバゴスはそれを辛うじてかわす。

 

 それにより嘴はゴルバゴスの背後にあった岩山にあ立ったのだが、その瞬間その岩山は爆発と共に砕け散ってしまった!

 

 

 バードンの攻撃を何とか避けれたゴルバゴスだが、先ほどの攻撃により既に戦意を喪失するまでに弱っていた。

 

 そんなゴルバゴスにバードンは止めとばかりに再び嘴を突き出して突進を始める!

 

 

 ヒカル「はっ、危ないッ!」

 

 

 ゴルバゴスの危機に気付いたヒカル。ギンガは交戦していたトンダイルを前蹴りで一旦吹っ飛ばした後、ゴルバゴスの方へと急行する。

 

 

 そして、なんとゴルバゴスの前方に回り込んで両腕を広げる………!

 

 

 ギンガは、自身が盾になることでゴルバゴスを守ろうとしているのだ、、、、、、!

 

 

 “ブシュッ”

 

 

 ヒカル「ぐうォォあああああ~!!」

 

 

 海羽「きゃ~~~!!」

 

 

 バードンの嘴は、ギンガの右腕に突き刺さった!

 

 

 ライブしているが故に痛みが伝わったのかヒカルは痛そうに叫びを上げ、海羽も思わず悲鳴を上げる!

 

 

 すると、バードンは今度はその嘴を突き刺した部位から、嘴の横の袋に蓄えられている毒を流し込み始める!

 

 毒は瞬く間にギンガの右腕全体に広がっていき、やがてギンガの右腕は紫に変色し動かなくなってしまう!

 

 

 バードンは嘴を離す。ギンガは動かなくなった右腕を力なくだらりと下げ、その場で膝、左手を地に付いてしまう。

 

 そして、危機を知らせるかのようにギンガの胸のカラータイマーが赤く点滅を始める!

 

 

 ギンガをダウンさせたバードンは再び標的をゴルバゴスに戻して襲い掛かろうとするが、力尽きる寸前ながらもなおもギンガはバードンを食い止めようと、右膝を地に付きながらも正面から左腕、体全体を使って必死に食らい付く。

 

 バードンはギンガを邪魔だとばかりに両腕で叩いたり足で蹴ったりなどして引き離そうとするが、それでもギンガは必死にしがみ付き続ける、、、。

 

 

 テロチルスとトンダイルはというと、もう「我々の勝利だ」と確信したのか完全に傍観者になっている。

 

 

 アーストロンはと言うと、完全に弱ったゴルバゴスを「邪魔だ」とばかりに尻尾で叩き飛ばした後、残った賢たちを捕えようと接近を始める、、、!

 

 

 自分たちの行動が危機的状況を生み、更にその状況下で唯一の希望だったギンガも力尽きる寸前にまで追い込まれた事により、賢は罪悪感や絶望感により愕然とし始める、、、。

 

 仲間の明人と輝雄も、完全に恐怖と絶望感により足が震え、言葉を失っていた、、、。

 

 

 賢「………全部俺のせいだ………。妹を助けようとここまで来たのに、、、それも果たせないまま、どうやらここで終わりのようだな………………。

 

 愛………ごめんな………………。」

 

 

 賢が完全に諦めかけたその時、

 

 

 海羽「賢君!聞いて!」

 

 

 賢「………?」

 

 

 賢は海羽の突然の呼びかけに気付く。

 

 

 海羽「そのハートフルグラスはね! 折りたたむと銃にもなれるの!」

 

 

 ………突然、奪われた自身の変身アイテムの銃モードの説明をする海羽。賢は最初はどういう事なのか理解できずにいたが、しばらく考えた後でその意味が分かる!

 

 

 賢「………そうだよな………………愛する妹を助けるために折角ここまで来たんだ………

 

 ならば、、例え望み薄であっても、諦めず最後まで自分に出来ることをやる………………

 

 そうすれば、必ず希望の突破口は見つかる!」

 

 

 自身のやるべきことに気付いて奮い立った賢。それを見る海羽は少し嬉しそうな表情になる。

 

 

 愛も今は気絶しているものの、自分を助けようとする賢の熱意が伝わったのか、その寝顔は何処か少し気持ちよさそうなものへと変わっていた、、、、、、。

 

 

 賢「絶対に諦めてたまるか………何故なら俺は………ウルトラマンのアイテムを奪ってまでここに来た………

 

 フルータ星人なんだ!!」

 

 

 賢(フルータ星人)は決心の叫びを上げた後、手に持っているハートフルグラスを折り畳みガンモードへと変形させる。

 

 そして、自身に迫り来るアーストロン目掛けて光弾を連射し始める!

 

 

 賢「来い!怪獣。 勝負だ!」

 

 

 そう叫ぶと賢は、なおも光弾を連射しながら走って移動を始める!

 

 アーストロンは光弾を受けつつも、賢を仕留めようと溶岩熱線を吐きながら追いかけ始める。

 

 光線が自身の周囲の地面に直撃して爆発する中、なおも賢は怯まず攻撃しつつどこかに誘導するかのように走り続ける。

 

 

 そしてしばらく走った後、賢は突然方向転換を始め、さっきとは逆方向を走り始める。

 

 アーストロンもそれに同調するように身体の向きを変える。

 

 

 そして、再び熱線を吐こうとしたその時、突然アーストロンの体がバランスを崩したかのようにぐらつき始める。

 

 足元を見てみると、アーストロンの足の片方が地面の窪みにつまずいてしまっていた。

 

 そしてアーストロンはその場でバランスを崩して倒れ、近くの岩山に激突する!

 

 

 賢はアーストロンを攻撃して逃げながら誘導し、足場を崩して転倒させるという作戦を見事成功させたのである!

 

 賢「足元には気を付けな―!」

 

 見事に作戦を成功させた賢は得意げに軽口を言う。

 

 

 ………だが、これぐらいでへこたれるような凶暴怪獣ではない。

 

 アーストロンはすぐさま立ち上がると賢目掛けて溶岩熱線を発射!

 

 

 “ズドーン”

 

 

 賢「ぐわッ!!」

 

 

 熱線が自身の間近で爆発し、その衝撃と爆風で賢は吹っ飛ばされ地面を転がる。

 

 どこか打ち所が悪かったのか、横たわる賢は少し悶絶する。

 

 

 アーストロンはチャンスとばかりに賢を捕えようと接近する。 今度こそダメなのか、、、!?

 

 

 賢「………くっそ~…!」

 

 

 いよいよここまでかと賢が諦めかけたその時、

 

 

 

 “ズガガガッ”

 

 

 突如、何処からか弾丸が数発飛んで来てアーストロンの頭部に命中する。

 

 アーストロンは弾丸が飛んで来た方を振り向き、賢もその方を振り向く。

 

 

 レイ「随分と派手に暴れてるようだな。」

 

 そこにいたのは、ZAP専用の攻撃銃・トライガンナーを手に立っているレイだった!

 

 

 賢「!………貴方は一体………?」

 

 

 突然の見覚えのない人物の登場に賢が困惑している時、更に上空からはスペースペンドラゴンが飛んで現れる!

 

 

 ヒュウガ「ガスを避けながらなんとか辿り着けたぞ!」

 

 

 どうやらレイとヒュウガは無事テロチルスのガスを避けて来る事が出来たみたいである!

 

 

 ヒカル「レイさん…ヒュウガさん………!」

 

 ヒカルも二人の登場に気付く。

 

 

 ギンガはなおも膝を付きながらもバードンにしがみ付き進撃を食い止め続ける。

 

 

 ヒュウガ「ワイバーンミサイル発射!」

 

 

 ペンドラゴンを操縦するヒュウガは、引き金を引いてワイバーンミサイルを一斉に発射!

 

 ミサイルの雨あられはバードン、アーストロン、更には傍観者に徹していたテロチルスとトンダイルにも命中!

 

 

 バードンはたまらず怯み、その隙にギンガは腹部に右脚蹴りを打ち込んで吹っ飛ばすと受け身を取ってその場から離れる。

 

 

 レイは危うくアーストロンに襲われそうになっていた賢に歩み寄る。

 

 レイ「大丈夫か?あんた。」

 

 賢「え、えぇ………………。」

 

 賢は少し困惑しながらも返事をする。

 

 

 その時、レイは賢の左腕のフュージョンブレスと、右手のハートフルグラスに気付く。

 

 レイ「それは………もしかしてウルトラマンの変身アイテム………?」

 

 賢「ぎくッ!?」

 

 自身の持っている物がウルトラマンの物である事に気付くレイの鋭さに少し驚く賢。

 

 

 レイ「あんた、一体誰なんだ? フルータ星人はどこにいるんだ?」

 

 

 問いかけるレイに、賢は恐る恐る自身の名を名乗った。

 

 賢「ぼ………僕は、古田賢という者でして………………。」

 

 

 “古田賢”。その名前を着た瞬間、レイは何かが頭に引っかかる………。

 

 

 レイ「古田……賢………?

 

 

 “ふるた”………?

 

 

 “フルータ”………?

 

 

 ………………(賢を指差して)ああぁっ!!?」

 

 

 ようやくフルータ星人の正体(笑)に気付いたレイは、ややキャラ崩壊ではないかとばかりに驚く。

 

 賢は少し申し分なさそうに小刻みに頷いた。

 

 

 宇宙人と思われたものが、実はただの地球人だった………予想外の展開にレイは少し頭を抱える。

 

 

 レイ「まさかフルータ星人の正体がただの人間だったとはな………………まあいい。後でワケを話してもらう。ひとまず安全な場所へ急げ!」

 

 賢「あ、はい!」

 

 レイの指示を受けた賢は急いで明人たちの方へ駆け寄る。

 

 

 明人「なあ賢。何なんだ?あの人たち………。」

 

 輝雄「着ている服も、俺たちと結構違う感じだな…。」

 

 それもそのはず、レイたちの着ているのはZAPのスーツなのだから、、、。

 

 賢「彼は俺を助けてくれた………悪い人ではなさそうだ………。」

 

 

 賢の安全を確認したレイはヒュウガに通信を入れる。

 

 レイ「地上からボスへ。」

 

 ヒュウガ「おおレイ!フルータ星人は一体何処にいるんだ!?」

 

 レイ「いや。フルータ星人は実在しなかった。」

 

 ヒュウガ「何だって!?」

 

 レイからの予想外の返事に驚くヒュウガ。

 

 

 レイ「………全て、人のいたずらだったようだ。」

 

 

 ヒュウガ「何ですと!?」

 

 

 レイを通じてフルータ星人の正体を知ったヒュウガは驚きを隠せないと同時に少し拍子が抜けているようであった。

 

 

 

 斎木「俺もいるぜーーーっ!!」

 

 

 更に、何処かからか熱い叫びが聞こえたかと思うと一球ずつ威力のある弾丸が怪獣たちに直撃する!

 

 

 一同が振り向いてみると、そこにはバズーカを手に斎木の立っている姿があった!

 

 斎木も、先ほどの村人たちの通せんぼ(笑)をなんとか振りって、走り続けて何とかここまで辿り着くことが出来たのである!

 

 

 斎木「ただでさえ暑いのに、武装している姿で突っ走ってきたぜ! 今夜は風呂に入らないとな!ははは…。」

 

 ヒュウガ「おう!斎木も間に合ったか!」

 

 ヒカル「来てくれたのですね。斎木さん。」

 

 ヒカルは毒によるダメージで苦しみながらも斎木が来てくれたことを喜ぶ。

 

 

 斎木「俺たちで力を合わせて、怪獣たちを、そしてフルータ星人をぶっ潰そうぜ!!」

 

 そう、斎木だけまだフルータ星人の正体を知らないのである(笑)

 

 

 ………だが、勝機が見え始めたのも束の間、ギンガは自信の体を回る毒に苦しみ続ける。

 

 

 ヒカル「折角斎木さんたちが来てくれたというのに………………このままじゃ、こっちが先に力尽きちまう………………。」

 

 

 ………その時、ヒカルは何かに気付いたのか目を細めて遠くを見つめ始める。

 

 

 その視線の先には、何やら光の球体の様な物がこちらに向かって飛んで来るようであった………。

 

 その球体にはレイやヒュウガ、賢たち、そして海羽も気付く。

 

 

 レイ「………今度は、何が来るんだ………?」

 

 賢「また怪獣じゃねーだろうな?」

 

 

 ギンガ「………あの球体は………もしかして………………?」

 

 ヒカル「ん?ギンガ何か知ってんのか!?」

 

 ギンガは早くも何かを察しているようであった。

 

 

 すると、光球は近くまで飛んで来ると眩い光を放ち始める!

 

 一同が目を覆う中、光球は徐々に変形していき、やがて背後の波紋のマークと共に光の戦士が右手を広げて飛び出す!

 

 

 (BGM:ウルトラマンタロウ(一番サビ~))

 

 

 現れたのは、燃えるような真っ赤なボディ、そして頭部に生えた二本の角・ウルトラホーンが特徴のウルトラ戦士。

 

 

 それは光の国の選りすぐりのメンバーで構成されていると言われているウルトラ兄弟最強とも言われ、かつてヒカル=ギンガをサポートしたり共に戦ったりして彼を導いたこともあるウルトラ戦士。

 

 

 ウルトラマンNO.6・ウルトラマンタロウの登場だ!

 

 

 ギンガのウルトラサインをうけてこの世界にやって来て、そして今回、ヒカルとギンガの危機を察知して駆け付けて来たのである!

 

 

 颯爽と飛んで来るタロウを見上げる一同。やはり驚きを隠せないようである。

 

 

 

 海羽「はぁぁ………タロウ!」

 

 賢「タロウ?」

 

 レイ「タロウ!」

 

 ヒカル「………ウルトラマン…タロウ!!」

 

 (↑ここBGMにリンクする感じで(笑))

 

 

 

 タロウは飛びかかると同時にバードンに急降下キックを浴びせる!

 

 突然頭部を蹴られたバードンは混乱しながらもすぐさま起き上る。

 

 

 そして、ショックで一時的にぼやけている視界の先にはなにやら真っ赤な巨人が悠然と構えて立っている………。

 

 

 バードンは動揺しつつも改めて目を凝らしてみてみると徐々に視界が回復いていき、そして完全に視力が戻った時、驚くような仕草を見せる!

 

 視線の先に立っているのは、かつて同胞を撃破したウルトラ戦士・タロウが立っていたのだから!

 

 

 他の怪獣たちも新たなウルトラマンの登場に身構える。

 

 

 バードンが動揺している隙にタロウは胸部に水平チョップを叩き込み、更に腹部に右脚蹴りを打ち込んだ後右の翼を掴んで放り投げる。

 

 立ち上がったバードンは嘴を大きく開けてボルヤニックファイアを吹き出す!

 

 

 タロウは両手を突き出して光の壁・タロウバリヤーを展開して火炎を防ぐ。

 

 そしてバリヤーを消滅させると同時にタロウはバードン目掛けてキングブレスレットを投げつける!

 

 キングブレスレット。それはかつてタロウがバードンを倒すためにウルトラの母から授かった、あらゆる物に変形したり様々な光線を放ったりできる万能武器であり、本体部のサークルクロスに王冠状のクラウントップが特徴である。

 

 

 タロウが投げたキングブレスレットはバードンの嘴に填まる。バードンは口輪作戦により火炎を封じられてしまった!

 

 バードンがブレスレットを外そうと両手を嘴に添えている間にタロウはスライディングで突っ込んで行き、そしてバードンに足払いのように蹴りを打ち込んで転倒させる。

 

 

 他の怪獣たちも黙って見ているわけにはいかない。

 

 テロチルスは体当たりをしようと空高く飛びあがり、アーストロンは溶岩熱線を発射して攻撃を仕掛ける。

 

 タロウは熱線をジャンプしてかわすと同時に空中で数回きりもみを決め、それにより遠心力の勢いをプラスしてテロチルスにスワローキックを叩き込んだ。

 

 蹴りを食らったテロチルスはたまらず地面に落下する。

 

 

 アーストロンは着地したタロウに殴り掛かる。

 

 タロウはアーストロンの右フックを後ろに跳んでかわし、左フックを右足蹴りで弾いて撥ね返す。

 

 次にタロウは、アーストロンの頭部の角を振り下ろす頭突きをかわすと逆に右足のウルトラキックを繰り出してアーストロンの頭部を蹴り上げ、次に胴体にボディブローを連打し、更に背を向けて両腕で角、首を掴み、ウルトラパワーを発動させて背負い投げで放り投げる!

 

 投げられたアーストロンはその先にいたトンダイルに激突し、二体は同時に地面に転倒する。

 

 

 バードンは背後からタロウに襲い掛かろうとするが、タロウは既に見切っていたのか、振り向き様にカウンターの右脚ミドルキックを腹部に叩き込む。

 

 蹴りを食らったバードンはたまらず吹っ飛び、またそれと同時にバードンの口輪として填まっていたキングブレスレットが外れ、タロウの腕に戻る。

 

 

 ヒカル「へへ………やっぱタロウは強ええや………。」

 

 再びタロウの強さを見て感心するヒカル。かつてタロウは、ギンガの前で暗黒の魔神・ダークルギエルを圧倒した事もあるのだから………。

 

 ウルトラ兄弟最強と言われるほどの強さを誇るタロウ。その超絶パワーでバードンを始め四大怪獣軍団を圧倒する。

 

 

 四大怪獣が一旦合流し警戒し始めた所で、タロウはギンガの元へ歩み寄る。

 

 タロウ「大丈夫か、ヒカル。」

 

 ヒカル「ああ。………来てくれてありがとう。タロウ。」

 

 

 タロウ「言ったはずだ。「君が呼べば、いつでも助けに来る」とな。」

 

 

 再会の喜びも含めて言葉を交わすタロウとヒカル。

 

 だがそれも束の間、ギンガの体内への毒の進行は進んでおり、再びギンガは苦しむような仕草を見せる。

 

 

 それに気づいたタロウはキングブレスレットから光線を発射し、それをギンガに浴びせる。

 

 するとギンガの体は右腕を中心に光を放ちながら毒素を消し飛ばしていき、やがて毒が完全になくなった!

 

 恐れくこれはキングブレスレットから放つ解毒光線・毒素消去能力なのであろう。

 

 

 ヒカル「うおおっ!元気戻ったぜ!」

 

 エネルギーがだいぶ無くなっているものの、体を回る毒が消え去った事により右腕も復活し、気力を取り戻したヒカル。それに同調するかのようにギンガも立ち上がる。

 

 ギンガはタロウの方を向いて「ありがとう」と言うかのように頷き、それを見たタロウも頷き返す。

 

 そしてタロウと回復したギンガは、怪獣たちの方を向いて並び立つ。

 

 

 レイは懐からネオバトルナイザーを取り出し高く揚げる。

 

 

 レイ「行けっ!ゴモラ!リトラ!ゾアムルチ!」

 

 

 (BGM:レイの戦い)

 

 

 “ピン ピン ピンッ”

 

 

 《バトルナイザー モンスロード!》

 

 

 ネオバトルナイザーはアナライズ音と共に下部の三つのランプが点灯し、中央のプレート部が左右に展開する。

 

 そしてその中から三つのカードのようなエネルギー体が出現し、中央のウィンドウ部にスキャンされた後遠方へ飛んで行く。

 

 

 エネルギー体は地上で二つ、上空で一つ徐々に実体化していき、やがて怪獣の姿となる!

 

 

 現れたのは、これまでレイのパートナーとして戦ってきた怪獣、『古代怪獣ゴモラ』と『原始怪鳥リトラ』、

 

 そして、先日新たに仲間となった怪獣、『巨大魚怪獣ゾアムルチ』である!

 

 

 因みにレイのリトラは、以前現れたリトラよりも大型の個体であるため、性格には『リトラ(S)』と命名されている。

 

 

 現れたレイの三大怪獣は、ギンガたちの横に並び立ち咆哮を上げる。その横にはペンドラゴンも浮遊する。

 

 

 レイ「俺たちも力を貸すぞ!ギンガ!」

 

 ヒカル「(少し嬉しそうな表情で)レイさん………。」

 

 

 

 一方で賢たちはというと………味方とはいえ更なる怪獣の出現にもはや唖然としていた。

 

 賢「怪獣が次々と出てくるなぁ………。」

 

 明人「………せやね………。」

 

 輝雄「一体何者なんだ?あの男(レイ)は………………。」

 

 

 賢「………怪獣使い………………?」

 

 

(BGM:ウルトラマンギンガの歌)

 

 

 タロウ「ヒカル………今こそ再び力を合わせて戦おう!」

 

 ヒカル「………ガレット!」

 

 

 そう言うとタロウは両腕をクロスする。

 

 すると自身の体が光に変わり、そしてギンガのカラータイマーから中に入り込み、ヒカルの左腕に装着され始める。

 

 

 ヒカルの腕に装着されたモノは、覆っていた光が徐々に消えていきやがて姿を現す。

 

 

 それは、タロウが再びヒカルに与えた力。

 

 

 メインカラーは赤で、タロウの顔を模ったレリーフが特徴の、タロウが変身したアイテム、その名も『ストリウムブレス』だ!

 

 

 これはウルトラ6兄弟の力が秘められたアイテムであり、以前もタロウが一時的にヒカルに与えたことがある力でもある。

 

 ギンガをギンガストリウムにパワーアップさせる事が出来るアイテムであり、かつてこの力も借りてヒカル=ギンガはショウ=ビクトリーと共にチブル星人エクセラーの侵略と戦った事があるのである。

 

 

 今回ギンガのウルトラサインを受けたタロウはこの世界に来る前に、ストリウムブレスのために再びウルトラ兄弟から力を授かって来たのだ。

 

 

 帰ってきた戦友から再び授かった力・ストリウムブレス。ヒカルはそれをどこか懐かしく感じつつも気合いを入れる。

 

 ヒカル「久しぶりだな………今こそ、ウルトラの兄弟の力を見せてやろうぜ、タロウ!」

 

 

 今こそ変身の時だ! ヒカルはストリウムブレスのレリーフを横に傾けて変身モードにする。

 

 

 タロウ「今こそ、ひとつになる時!」

 

 

 次にヒカルはタロウの掛け声の後ギンガスパークの先端で先端のスイッチを押しながらリードする。

 

 

 タロウ「ウルトラマンタロウ! ギンガに力を!ギンガストリウム!」

 

 

 タロウの掛け声と共にストリウムブレスは光を放ち、ヒカルはポーズを決める。

 

 

 そしてギンガはタロウの変身音と共に太陽のイメージをバックにタロウのビジョンと一体化し、二人が合わさって背後に波紋のマークが広がった後、ギンガの体は光と共に徐々に変わっていく………!

 

 

 やがて変形が完了し、ギンガは光を消滅させながら右手を広げて上に揚げた状態で現れる。

 

 

 現れたギンガは、タロウを彷彿させる胸のプロテクターや額のビームランプ、そして若干タロウっぽくなっているボディラインが特徴のよりスマートな姿になっていた。

 

更にタロウからのストリウムエネルギーにより、カラータイマーも赤から青に戻る。

 

 

 この姿こそ、ギンガがタロウと一体化して通常のギンガからパワーアップした形態、『ウルトラマンギンガストリウム』である!

 

 

 賢「うわあ………!」

 

 明人「ウルトラマンとウルトラマンが…一体化しやがった………!」

 

 海羽「すご~い!(軽く拍手)」

 

 

 周囲から注目が集まる中、ギンガストリウムは揚げていた両腕をゆっくりと降ろしていく、

 

 

 ヒカル「まずは捕らわれた人たちの救出だ!」

 

 

 そう言うとヒカルはストリウムブレスのレリーフを縦に傾けて必殺技モードに切り替え、そしてウルトラ兄弟の姿があしらわれたディスク・ターレットを回転させてスイッチで止める。

 

 

 タロウ「ウルトラマンジャックの力よ!」

 

 

 発動するのはウルトラ兄弟4男。帰ってきたウルトラマンことウルトラマンジャックの力だ!

 

 ヒカル「おりゃっ!」

 

 タロウの掛け声と共にヒカルは更にディスクを回転させる。

 

 

 タロウ「ウルトラバーリア!」

 

 ジャック「シェアッ!」

 

 タロウの掛け声と共にギンガストリウムは人々が捕らわれてるトンダイルカプセルの方に手を向けて光を発する。

 

 

 “パリーン パリーン パリーン…”

 

 

 すると、人々を閉じ込めていたトンダイルカプセルは瞬く間に次々と破裂していき、やがて全ての人が解放された。

 

 

 ギンガストリウムが発動したウルトラマンジャックの力・ウルトラバーリアは使い方は様々であり、バリアーを展開するだけではなく相手の攻撃を押し返したり、このように相手を閉じ込めている物の内側から別のバリアーを展開することでそれを破裂させて解放させるという使い方もあるのである!

 

 

 海羽「良かったねみんな! さあ、早く安全な場所へ!」

 

 トンダイルカプセルから解放された人々は喜び合った後、海羽の言葉で早速急いでその場から安全な場所へと移動し始める。

 

 

 賢「ほ、ほら、早くこっちへ!」

 

 賢の呼びかけにより、解放された人々は賢たちの方へと駆け寄る。

 

 

 すると、よほど怖かったのと解放された嬉しさからか泣き出す者も続出し、中には海羽にすがり付く者も見え始める。

 

 海羽「あ、、あ〜よしよし、怖かったよね〜…。」

 

 海羽は困惑しながらも自身に泣いてすがる子供たちをなだめ始める。

 

 

 賢「ひ、ひとまず良かったな……みんな無事d、、」

 

 

 愛「お兄ちゃーん!」

 

 

 その時、賢の独り言を遮るように女性の呼び声が聞こえ、賢はその方へと振り向く。

 

 

 そこには、群れる子供たちを避けながらこちらに走ってくる一人の女性がいた。

 

 

 そしてその女性は駆け寄ると同時に賢に抱き付く!

 

 

 そして賢はすぐさま気づく。走ってきたその女性は、捕らわれていた人の一人で賢の妹・愛であった。

 

 

 愛「………お兄ちゃん………。」

 

 愛は賢に抱きついた状態で嬉し涙を流し始める。賢はそんな愛をふっと笑顔で見つめながら頭を撫でた………。

 

 

 明人「良かったっスね、賢。」

 

 輝雄「ホントに………。」

 

 

 ヒカル「良かったな。賢。」

 

 ヒカルも安心の表情を見せる。

 

 トンダイルに連れ去られた 人々は皆解放され、古田兄妹も無事に再会を果たせた。あとは怪獣軍団を倒すだけだ!

 

 向かい合うギンガストリウム&レイ怪獣御三家とバードン率いる4大怪獣軍団。 バードンは、自分の食事を逃がされた事に怒りを露わにし。トンダイルも折角集めた人間を逃がされた事に怒るような仕草を見せる。

 

 

 ギンガストリウムもゴモラやゾアムルチと共に、タロウと同じファイティングポーズを取る。

 

 

 ヒュウガ「さあ、戦闘開始だ!怪獣どもを撃滅するぞ!!」

 

 レイ・斎木「了解!」

 

 ヒカル「ガレット!!」

 

 

 ヒュウガの指示を合図に、ギンガストリウム達は颯爽と駆け始め、対する怪獣軍団も駆け寄り始める!

 

 遂に、決戦の火蓋が切って落とされた!

 

 ゴモラはアーストロン、リトラはテロチルス、ゾアムルチはトンダイル、そしてギンガストリウムはバードンの相手をする!

 

 各戦士のサポートに回るペンドラゴン。斎木もバズーカを担いで援護に回る事にした。

 

 

 バードンは翼の付いた両腕を大きく振るって怒りの猛攻を仕掛けるが、ギンガストリウムはカンフーマスターのごとくそれらを無駄の無い身のこなしでかわして攻撃を加える手法で翻弄していく。

 

 

 ゴモラ対アーストロンの戦いは正に力と力のぶつかり合い。

 

 互いに角を突き出した頭突きでぶつかり合い、その後ゴモラは右フックをアーストロンの頭部に打ち込んだ後頭部の角を掴むが、アーストロンは頭部を振り上げてそれを振りほどいた後右脚でゴモラの腹部を蹴り上げて後退させる。

 

 ゴモラを後退させたアーストロンは溶岩熱線を噴射して攻撃。熱線がゴモラの周囲で爆発し、またゴモラ自身も数発受けてダメージを受ける。

 

 

 それに気づいたギンガストリウムは一旦バードンの相手から離れ側転をしながらアーストロンに接近し、そして下から顎を蹴って口を閉じることで熱線攻撃を止め、そしてアーストロンが怯んだ隙に後ろ回し蹴りを胸部に打ち込んで吹っ飛ばす。

 

 ナイスアシストだ!

 

 ギンガストリウムがアーストロンを攻撃している隙に背後からバードンが迫るが、今度はゴモラがバードンを体当たりで食い止め、更に角から照射するビーム状の超振動波を浴びせて後退させる。

 

 

 互いにアシストし合ったゴモラとギンガストリウムは「ナイス」とばかりに腕と腕を当てる。そしてそれぞれ自身の対戦相手に戻る。

 

 

 アーストロンは突進する形の頭突きを繰り出すが、ゴモラはそれを真正面から両腕で受け止めて思い切り横に放り投げ、投げられたアーストロンはスピンしながら吹っ飛んで岩崖に激突する。

 

 立ち上がったアーストロンはゴモラに勢いよく駆け寄りながら右フックを繰り出すが、ゴモラはそれをしゃがんで避けると同時にカウンターで右脚蹴りを腹部に叩き込んだ!

 

 アーストロンが怯んだ隙に更に左足蹴りを腹部に打ち込んで後退させ、そして一回転しながら強烈な尻尾の一撃を頭部に叩き込んで吹っ飛ばす。

 

 アーストロンは“凶暴怪獣”の異名を持つことから非常に強力な怪獣。だがレイのゴモラも、強豪怪獣であるに加えてこれまで様々な大怪獣バトルを勝ち抜いて来たため、絶対の強さを得ている。

 

 そんな経験値の違いからゴモラはアーストロンを圧倒して行く。

 

 ゴモラの猛攻を受けたアーストロンだが、なおも怯まずゴモラと殴り合いの戦いを展開する。

 

 

 一方のギンガストリウム対バードンはというと、

 

 バードンは大きく右腕を振って殴りかかるがギンガストリウムはそれをしゃがんでかわすとバードンの背部に右手の手刀を打ち込み、その後バードンの振ってきた左腕をしゃがんで避けると同時に腹部に左拳を叩き込み、そこから更に連続パンチを腹部に打ち込んだ後跳躍して頭部に右手の手刀を打ち込んだ。

 

 

 テロチルスと戦うリトラは、他の怪獣よりも小柄な体を活かし、素早く飛び回りながらテロチルスの殴り込み攻撃を避けつつ接近して嘴で突いたりして攻撃していく。

 

 やがてリトラは一旦遠く離れた後、勢いよくテロチルス目掛けて突っ込んでいくが、テロチルスは即座に翼を羽ばたかせて上空に飛び上がり、リトラも即座にそれを追うべく飛び上がる。

 

 空中戦へと切り替わるリトラ対テロチルスの戦い。リトラは口から火球・ファイヤーアタックを連射しながらテロチルスを追撃し、テロチルスもそれを避けながら上空を飛び回る。

 

 やがてペンドラゴンもリトラの援護に回り始め、対アステロイド砲やワイバーンミサイルなどを駆使してテロチルスを追撃する。

 

 

 リトラ&ペンドラゴン対テロチルスの空中の激しくスピーディーな追撃戦。三者とも目まぐるしく武器を放ちながら上空を飛び回るため、その様子はまるで目で捉えきれないほどである。

 

 

 一方のゾアムルチ対トンダイルの水棲怪獣同士の対決。更に言えば魚VS蛙の戦い(笑)

 

 トンダイルは口からポ○モンのバ○ル光線のごとくトンダイルカプセルをゾアムルチ目掛けて吹き付けて攻撃を仕掛ける。

 

 ゾアムルチはそれらを口からの青い破壊光線で破壊していき、援護に回る斎木も手持ちのバルカン砲でそれらを確実に打ち壊していく。

 

 そしてそれによる爆風でトンダイルが一時的に視界を遮られている隙に、斎木はバルカン砲の弾丸を乱射してトンダイルに浴びせ、更にゾアムルチは爆風を通過して勢いよくトンダイルに跳びかかる!

 

 両者は抱き合ったまま地面を転がり、やがてそのまま近くの湖に着水。水中戦に切り替わった。

 

 両者はゆっくりと湖の地面に着地し、バトルを再開する。

 

 ゾアムルチはトンダイルと組み合った後、頭部に右手チョップをきめて屈ませるが、トンダイルはそのまま横振りの頭突きを腹部に決めて反撃する。

 

 トンダイルは更に攻撃を加えようと右腕を振って殴りかかるがゾアムルチはその右腕に噛み付くことで受け止め、そのまま顎に力を入れて痛みを与えた後、一旦噛み付きを解いて腹部に右脚蹴りを叩き込んだ。

 

 

 激しい肉弾戦を繰り広げる両者だが、水中の水の抵抗故に動きは若干遅めである。

 

 

 吹っ飛ばされたトンダイルは接近戦は不利と見たのかそのまま水中を遊泳して体当たりしようとし、ゾアムルチもそれに対抗するために水中を遊泳し始める。

 

 そして水中を素早く遊泳しつつ互いにぶつかり合っていく。

 

 

 

 怪獣軍団と激しいバトルを繰り広げるギンガストリウムとレイの怪獣御三家、そしてペンドラゴン。

 

 それを見守る海羽と子供たちは応援の声をかけていく。

 

 海羽「さあ!ギンガが、レイさんの怪獣たちが私たちのために戦ってくれてるよ! 私たちも元気一杯に応援して力になろう!

 

 せーの!頑張れー!!」

 

 子供たち「頑張れ〜!」

 

 海羽「頑張れー!!」

 

 子供たち「頑張れ〜!!」

 

 

 それを苦笑しながら見ている古田兄妹と明人、輝雄。

 

 明人「あ、あはは…元気がいいなー海羽さん。」

 

 輝雄「ああ、有り余ってるぜ。」

 

 賢「ただ一つ言えるのは、みんなウルトラマンを信じてるという事だな。」

 

 愛「うん。だから私たちは助かったのかもしれない…。」

 

 

 すると、

 

 海羽「それじゃ!今度はお兄さん、お姉さん達も一緒に!」

 

 

 明人・輝雄「へ?」

 

 賢・愛「俺/私達のこと?」

 

 

 海羽「頑張れー!!」

 

 賢「がっ…」

 

 賢・愛・明人・輝雄「頑張れー!」

 

 海羽「頑張れー!!」

 

 賢・愛・明人・輝雄・子供達「頑張れーー!!」

 

 

 海羽「絶対に負けないで!レイさん!ウルトラマン!

 

 頑張れーーー!!」

 

 全員「頑張れーーー!!」

 

 

 (BGM:英雄の詩)

 

 

 海羽たちの熱い声援はギンガストリウムたちに届いた!

 

 レイ「ありがとう! みんなの声援は、ゴモラたちに届いたぜ!」

 

 ヒカル「うおぉ〜!元気湧いてきたぜ! よっしゃいくぞー!」

 

 

 ギンガストリウムたちの猛攻撃が始まる!

 

 バードンは両腕の翼を振るって襲い掛かるが、ギンガストリウムは左翼を右腕、右翼を右膝で受け止めて右拳で叩き落とした後、腹部に右肘を打ち込み、更に跳躍して左膝を胸部に叩き込んで後退させる。

 

 怯まずバードンは嘴を突き刺そうと頭部を振り下ろすが、ギンガストリウムはそれを体を横に反らせて避け、それによりバードンが屈んだ姿勢になったところで首筋に手刀を打ち込み、さらに大きく右足を振り上げて渾身の踵落としを背部に叩き込んで転倒させた!

 

 ギンガがタロウと一体化して変身するギンガストリウム。ギンガ自身の強さにタロウの力が合わさったその戦闘力はバードンを圧倒していく。

 

 

 

 リトラ&ペンドラゴン対テロチルスの空中戦。

 

 激しい追撃戦が続く中、テロチルスは突然旋回してリトラに接近し、そして両腕でリトラを鷲掴みにして捕らえた!

 

 リトラを捕らえたテロチルスはそのまま急降下し始める。ポ○モンで言う地球投げみたいな技で地面に叩きつけようとしているのか、、!?

 

 リトラは必死にもがくが、自身と約4倍もある体格差からなかなか抜け出せない。

 

 

 その時、リトラは何かを見つける。それは何やらテロチルスの胸にある切り傷だった。

 

 実はテロチルスは先ほどギンガとの交戦中にギンガセイバーで斬られた際に、胸に切り傷が出来ていたのである。

 

 

 “ブシュッ”

 

 リトラはテロチルスの胸の切り傷に勢いよく嘴を突き刺した!

 

 テロチルスは悲痛な叫びと共にリトラを手放し、そして急降下の際の加速も相まって自身が地面に叩きつけられてしまう。

 

 

 胸を押さえてよろけがらも立ち上がるテロチルスはだいぶ弱っている。トドメのチャンスだ!

 

 リトラは体を燃え上がらせ、やがて姿を変える。

 

 全身が赤く染まったその姿こそ、レイのリトラの最強攻撃形態『ファイヤーリトラ』である!

 

 ファイヤーリトラは全身に燃え上がる炎を纏わせ、それを巨大な火の鳥状に変形させて相手にぶつける必殺技・ファイヤーストライクを放つ!

 

 巨大な火の鳥はテロチルスの胸の傷口を中心に直撃!それによりテロチルスは全身の体内に炎が走り、やがて大爆発して吹き飛んだ。

 

 

 テロチルスを撃破したファイヤーリトラは、ペンドラゴンと共に上空で並ぶ。

 

 ヒュウガ「やったな、リトラ。」

 

 

 

 水中を遊泳しながら激しくぶつかり合うゾアムルチとトンダイル。

 

 トンダイルはより力を込めた体当たりをお見舞いしようと勢いよくゾアムルチに突っ込む。

 

 ゾアムルチはそれをスレスレのところで避けると同時にトンダイルの左腕に噛み付き、そしてそのままジャイアントスイングで数回振り回して大きく放り投げ、トンダイルは岩山に激突した。

 

 顎の力だけで怪獣を投げ飛ばすと、レイのゾアムルチははなかなかの者である。

 

 トンダイルは立ち上がるが、ゾアムルチの猛攻のダメージと水中を遊泳し続けた事による疲れからか動きが鈍くなってた。

 

 

 ゾアムルチは全身から口に渾身のエネルギーを込める。

 

 そして最大パワーの破壊光線を発射する!その反動はもの凄く、ゾアムルチは発射と同時に少し後ろに下がっている。

 

 破壊光線が直撃したトンダイルは、そのままその威力により後ろに下がっていき、やがて大爆発。湖の藻屑となった。

 

 

 

 一方のアーストロンと戦うゴモラ。

 

 ゴモラはアーストロンの角を右手で掴み、そのまま頭部の兜状の角を活かした頭突きを頭部にお見舞いする。

 

 その後ゴモラは腹部に右足蹴り、頭部に右フック、跳躍して胸部にタックルと連続攻撃をアーストロンに浴びせる。

 

 そして怯んだところに更に大きく前転して尻尾でのあびせ蹴り・大回転打を繰り出す!

 

 強烈な尻尾の一撃は見事頭部に決まり、吹っ飛ばすと同時に角をへし折った!

 

 

 追い詰められたアーストロンは、最後の手段として口内が燃え上がるほどエネルギーをチャージし始める。

 

 ゴモラも角にエネルギーをチャージし始める。

 

 

 遂にアーストロンは渾身の溶岩熱線を発射し始める!

 

 

 レイ「超振動波だーーーっ!!」

 

 

 ゴモラもレイの叫びと共にビーム状の超振動波を放つ!

 

 

 熱線と振動波は激しくぶつかり合う。どうやら力は互角のようだ。

 

 だが、徐々にアーストロンの熱線が押されていき、それと同時にゴモラも徐々にアーストロンに接近していく。

 

 そして、ゴモラは至近距離まで来ると鼻先の角をアーストロンの腹部に突き刺して体内に流し込む超振動波(ゼロシュート)を叩き込む!

 

 体内に超振動波を流し込まれるアーストロンはしばらくもがき苦しんだ後、全身がオレンジ色に発光して大爆発し跡形もなく吹き飛んだ。

 

 アーストロンを撃破したゴモラはレイの方を振り向いて勝利の雄叫びを上げる。

 

 

 残るはギンガストリウムVSバードンの一騎打ちである!

 

 

 海羽「さあ!最後はみんなでギンガを応援するよ!

 

 せーの!」

 

 全員「頑張れー!!」

 

 

 海羽たちの更なる応援を受けるギンガストリウムはバードンを圧倒する。

 

 

 バードンは接近戦は不利と見たのか、翼を羽ばたかせて上空に飛びあがり始める。空から体当たりを仕掛けようというのだろうか?

 

 その時、ゴモラがギンガストリウムの前方に立って両腕を広げる。恐らく自身を踏み台にして跳べという事なのだろう。

 

 ヒカル「サンキュー、ゴモラ。」

 

 ギンガストリウムは走ってジャンプし、更にゴモラの肩を踏み台にして空高く跳び上がる。

 

 そして上空のバードンにすれ違いざまにチョップを叩き込み、それを食らったバードンはたまらず地面に落下する。

 

 ギンガストリウムも土砂や土煙を巻き上げながら着地する。

 

 

 立ち上がったバードンはなおも両腕を交互に払って殴りかかり、ギンガストリウムはそれらを両腕で交互に防いだ後、腹部に右拳を打ち込み、更に顔面に裏拳をお見舞いする。

 

 再びバードンは右腕で殴りかかるがギンガストリウムはそれを左手で掴んで受け止めるとそのまま自身の方に引き寄せてカウンターの右肘を胸部に叩き込み、続けて頭部に左手の空手チョップを打ち込む。

 

 そして胸部に左右連続パンチを打ち込んだ後、跳躍して胸部に右足蹴りを叩き込み、その反動で空中で反転して着地する。

 

 

 ヒカル「行くぜウルトラ兄弟!」

 

 

 ヒカルは再びディスクを回してスイッチで止める。

 

 

 タロウ「ウルトラセブンの力よ!」

 

 

 次に使うのはウルトラ兄弟3男で深紅のファイター・ウルトラセブンの力だ!

 

 ヒカル「おりゃっ!」

 

 タロウの掛け声と共にヒカルは更にディスクを回す。

 

 

 バードンはボルヤニックファイアを噴射して攻撃を仕掛ける、ギンガストリウムは即座に上空に飛んで避けて静止する。

 

 ギンガストリウムの横にウルトラセブンのビジョンが浮かぶ。

 

 タロウ「エメリウム光線!」

 

 セブン「デュワッ!」

 

 ギンガストリウムはセブンのビジョンと重なりながら額に両手を当ててエメリウム光線を発射する。

 

 二発連続で発射されたエメリウム光線はバードンの両頬に命中して爆発し、毒袋を焼き切った。

 

 撃ち落とされた毒袋。根本から焼き切られたため幸い毒が漏れることは無かった。

 

 

これで毒が飛び散る心配することなく撃破できる。

 

 

 タロウ「ゾフィーの力よ!」

 

 ヒカルはディスクを回してスイッチで止め、ウルトラ兄弟No.1の強い兄貴・ゾフィーの力を発動させる。

 

 ギンガストリウムの隣にゾフィーのビジョンが浮かぶ。

 

 タロウ「Z光線!」

 

 ゾフィー「ヘアッ!」

 

 タロウの掛け声と共にギンガストリウムはゾフィーのビジョンと重なりながら、両腕を上に揚げて左右に広げた後両手の先を合わせて突き出して稲妻状の光線・Z光線を放つ!

 

 光線はバードンの頭部に命中して爆発し、そしてそれによりバードンの頭部のトサカに引火して頭に火がついてしまう!

 

 頭部が燃え始めたバードンはその場でのたうち回る。

 

 

 ………かつてバードンは、ボルヤニックファイアでゾフィーの頭を燃やした事がある。(因みにそれにより、ゾフィーは“ミスターファイヤーヘッド”という変な称号を得てしまう(笑))

 

 だが、今回はそのゾフィーの力で自身がファイヤーヘッドになってしまったのだ!

 

 バードンにとって、これほど皮肉な事は無いであろう(笑)

 

 

 タロウ「決めるぞヒカル!」

 

 ヒカル「ああっ! これで最後だっっ!!」

 

 

 ヒカルはディスクを回してスイッチで止める。

 

 

 タロウ「ウルトラマンタロウの力よ!」

 

 最後に決めるのはウルトラマンNo.6でウルトラ兄弟最強の戦士・ウルトラマンタロウの力だ!

 

 ギンガストリウムの隣にタロウのビジョンが現れ、ギンガストリウムはそれと共に開いた右手を上げると同時に左手を腰に当て、そこから左手を上げて右手に重ねスパークを起こし、両手を腰に添えて全身を虹色に輝かせながらエネルギーを溜める。

 

 

 タロウ「ストリウム光線!」

 

 タロウ(掛け声)「トァーッ!」

 

 

 ギンガストリウムはエネルギーを溜めた後、タロウのビジョンと重なりながら両腕をT字に組み、タロウ最強の必殺光線・ストリウム光線を発射する!

 

 七色に輝く光線はバードンの体全体を直撃!バードンは苦しみながら光線の威力でしばらく後ろにさがった後、やがて大爆発して爆発四散する!

 

 

 バードンを撃破したギンガストリウムはその大きな爆風を背に雄々しく立つ。

 

 遂に、ギンガとレイの怪獣御三家が大勝利した!

 

 

 海羽「いぃぃぃぃぃぃぃやったーーーーー!!!」

 

 ギンガ達の勝利に海羽はうるさいほどに喜びの叫びを上げ、子供たちも跳びはねてギンガ達にありがとうを言いながら喜ぶ。

 

 古田兄妹や明人・輝雄も安心の笑みでギンガ達を見上げる。

 

 

 ヒュウガ「やったな!」

 

 斎木「いぃやっほーぅ!!最高だぜ!!」

 

 

 ギンガストリウムをセンターに、一同は並び立つ。レイはゴモラ達を見上げる。

 

 レイ「ゴモラ!リトラ!ゾアムルチ! よくやった。 さあ、戻れ。」

 

 レイはネオバトルナイザーを揚げ、ゴモラとリトラ、ゾアムルチはカード上のオレンジ色のエネルギー体に変わり、レイのバトルナイザーに戻った。

 

 そしてレイは、ネオバトルナイザーに戻った三体を労をねぎらうような笑みで見つめる。

 

 

 子供たちの声援を受ける中、やがてギンガストリウムもそれに応じるように一回頷いた後光に包まれて小さくなっていきヒカルの姿に戻る。

 

 ヒカルの左腕には、ストリウムブレスが付けられていた。ヒカルはそれを微笑みながら見つめる。

 

 ヒカル「ありがとう。タロウ。」

 

 ストリウムブレスはヒカルのレイに応じるようにウルトラバッヂの発光音と共に光った。

 

 

 

 一方、そんな一連の戦いを遠くから見ている一人の青年がいた。

 

 ???「タロウさん、まさかギンガさんにもああいう形で力を貸していたとは………お疲れさんです。」

 

 そう言うと、帽子を深々とかぶって何処かへ歩き去って行った………。

 

 

 

 戦いは終わり、一同は傷ついたゴルバゴスの近くに歩み寄る。

 

 タロウ「なるほど、このゴルバゴスと言う怪獣は、元々この山で平和に暮らす怪獣だったんだな。」

 

 ヒカル「そうなんだ。やっとそれを荒らす怪獣たちが滅んだというのに………この有様さ。」

 

 ヒュウガ「怪獣たちに勇敢に立ち向かった彼に、我々は敬意を称さないとな。」

 

 一同はゴルバゴスを哀れむような表情で見つめる。

 

 

 ヒカル「海羽、お前の力でなんとかならないのか?」

 

 海羽「(胸に拳を当てて)私に任せて。」

 

 ヒカル「おお、頼んだぜ!」

 

 

 海羽「………ガレット!!」

 

 

 ヒカル「………ってお前いつから隊員になったんだよ。」

 

 ヒカルから突っ込みを受ける海羽。

 

 

 海羽「ほえ?………

 

 (頬を赤らめて両手の人差し指を当てながら)………だって言ってみたかったんだもん………………。」

 

 

 海羽はフルータ星人(笑)から返してもらったハートフルグラスを目に当ててウルトラウーマンSOL(ソル)へと巨大化変身する。

 

 それを見た子供たちは少し驚く。

 

 「うお~すっげ~!!」

 

 「お姉ちゃんもウルトラマンだったの!?」

 

 海羽「(ピースして)へへへ~。よーく見ててね。」

 

 

 ソルは横たわるゴルバゴスの元へと歩み寄る。

 

 海羽「(両手を膝に付けて少し屈んで)………大丈夫?ゴバちゃん。」

 

 ソルに気付くゴルバゴス。しかし、先ほどの事もあってか横たわったまま警戒するように吠え始める。

 

 海羽「ひゃっ!?」

 

 ソルは少し驚くがすぐさまゴルバゴスに語り掛ける。

 

 海羽「(手の平を向けて)大丈夫。私はあなたの敵じゃないから。」

 

 ソルの優しい語り掛けを聞くゴルバゴスは大人しくなっていく。

 

 海羽「(しゃがんで頭を撫でながら)よしよし。何も怖くないから。 (両手を合わせて首をかしげて)さっきはごめんね。」

 

 語り掛けで大人しくなったゴルバゴスにソルは手をかざして粉雪状の治療光線・リライブフォースを浴びせる。

 

 ゴルバゴスは優しい光に包まれると傷が回復し、やがて完全に元気になって起き上る。

 

 

 そして、何やらソルに懐くような仕草を見せる。どうやら彼女の事が気に入ったみたいである。

 

 海羽「(頭を撫でながら)よしよし、あなたのお家はもう大丈夫だよ。」

 

 

 ヒュウガ「彼女にあんな力があったとはな。」

 

 レイ「子供たちだけじゃなく、罪の無い怪獣に対しても優しく出来る。良い感じだな。」

 

 

 明人「っつーか、子供たちだけじゃなく怪獣にも好かれるって………海羽さんってある意味最強………………?」

 

 輝雄「おぉ、さっきも子供たちに元気よく呼びかけてたし………彼女、もしかしたら将来バスガイドさんとか、ウルトラマンのショーのお姉さんとかイケるんじゃないかな………?

 

 なぁどう思う?読者のみんな。」

 

 明人「いや誰に聞いてんだよ!?(ツッコミのチョップを打つ)」

 

 

 雑談をしつつもゴルバゴスを助けたソルを見上げる一同も安心の笑みを浮かべる。

 

 

 タロウ「彼女の力なら、きっと………………。」

 

 そんな中、タロウはソルの力を見て何かを感じ始めていた………………。

 

 

 するとゴルバゴスはある方向へ振り向くと、口から火球を数発発射してテロチルスが作っていた銀の城を焼き払った。

 

 やはり自分の住み家には邪魔なモノだと思ったのであろう。

 

 

 やがてゴルバゴスはソルたちに手を振って大熊地獄ヶ岳の山奥へと帰っていき、ソル達もそれを手を振って見送る。

 

 海羽「じゃあね~ゴバちゃーん!」

 

 ヒカル「元気でやれよー!」

 

 ヒュウガ「達者でな~!」

 

 子供たち「さようなら~!!」

 

 

 賢「これで一件落着だな。」

 

 愛「だね。」

 

 

 だが、その時、

 

 

 斎木「そこまでーーーーーっ!!!」

 

 

 いきなり斎木の怒号が飛び、一同は驚いてその方向に振り向く。

 

 斎木「今更人間面しても無駄だっ! フルータ星人!」

 

 そこには斎木が古田兄妹や明人、輝雄に向かって右手にバズーカ、左手にガトリングと、反動?何それ美味しいの?な態勢(明らかに怪獣戦よりも凄い武装(笑))で威嚇する。

 

 それを見た古田兄妹、明人、輝雄は困惑する。

 

 

 斎木としてはまだ終わってなかったのだ!

 

 村人の通せんぼを突破して到着した時は既に激戦の真っ最中であったため、フルータ星人の正体を知るタイミングが斎木には無かったのだ。

 

 

 ヒカル「斎木さんっ!」

 

 呆れるようにヒカルが斎木に歩み寄って耳打ちをする。

 

 

 斎木「古田兄妹?………

 

 

 “ふるた”?………

 

 

 “フルータ”?………………。」

 

 

 ここに来てようやく真相を知った斎木。

 

 すると、斎木が何やらひきつった表情で震え始め、耳打ちをしたヒカルをはじめ周囲の人たちは恐る恐る離れていき、それを見ていたソルも口元に手を添えて「あわあわ…」と後ずさりを始めている。

 

 

 そしてやっと真相を知った斎木はブチキレてしまう(笑)

 

 

 斎木「なぁぁぁにを考えとんじゃお前らあああああぁぁぁぁぁーーーーーー!!!」

 

 

 斎木は、ただでさえ貫禄ある顔つきを更に強張らせて絶叫してしまう………………。

 

 

 

 その後、ヒカルと海羽の説明によりやっとフルータ星人……じゃなかった(笑)、古田兄妹の事情を知った斎木。

 

 斎木「そうなのか………そういう事情があって………………。」

 

 賢「は、はいっ!ですから決して悪いことをしようとなんて微塵にも………なあ!?明人、輝雄!」

 

 明人「そうなんスよ!」

 

 輝雄「許してくださいやし!」

 

 三人は完全に斎木にビビってしまっている(笑)

 

 

 斎木「よーし、事情は分かった、ただし嘘をついて、人の物を盗むのはいけないぞ!?教訓として覚えておきなさい!」

 

 賢・明人・輝雄「はいっ!!」

 

 

 ヒカル「でも無事妹も救えたし、良かったじゃんか。」

 

 海羽「そうそう!みんなも助かったし、終わり良ければ総て良しだよ!」

 

 

 賢「そ、そうだよな! 愛が無事で…良かった…良かった………!」

 

 慌てるように愛にすがる賢。

 

 

 明人「賢のやつ、結構必死だったしな~!」

 

 輝雄「そうそう、こいつ彼女いるくせにすっげ~シスコンなもんだから…、」

 

 賢「ばっ!?…バカ何言ってんだ!?」

 

 明人と輝雄がからかうように言っているのを賢は慌てるように止め始める。

 

 どうやらシスコンなのはまことみたいだ(笑)

 

 明人「あ、でも、俺らの同級生でこいつに負けないくらいシスコンな奴がもう一人いるんだよな~。」

 

 

 

 ???「…へっくしゅんっ!?」

 

 ???「お兄ちゃん大丈夫?」

 

 ???「ああ、何ともない。行くぞカ〇ン。」

 

 そう言うと青いレザージャケットを着た青年と彼といっしょにいる少女は歩き去って行く。

 

 恐らく彼らも兄妹で、兄の方は過度のシスコンなのであろう(笑)

 

 

 

 輝雄「あーいたね~。賢、むしろそいつを呼んだ方がすんなり行けたんじゃねーのか!?」

 

 賢「だからシスコンシスコン言うな~!!」

 

 なおも二人からからかわれる賢。

 

 

 ヒカル「………ん?」

 

 だが、そんな賢の妹・愛を見たヒカルは何か反応する。

 

 

 海羽「…ほえ? どうしたのヒカルさん。」

 

 ヒカル「………“まな”………………そう言えば似てる………………。」

 

 

 ヒカルが愛を見て気付いたこと。

 

 それは、自分の世界でかつてチブル星人エクセラ―(SD)がビクトリウムを奪うために送り込んだが、ギンガたちとの戦いやヒカルたちとの交流により心を入れ替えた後、エクセラ―や彼によって復活したダークルギエルと戦うギンガたちの勝利に貢献した後爆散し、後にビクトリウムのペンダントにバックアップしていた自身のデータを基に復元されて特捜組織『UPG』の一員となったアンドロイド・マナに似ているという事なのだ。

 

 因みに彼女は元々は“ワンゼロ”と言う名前だったが、後にヒカルの幼馴染・石動美鈴によって“マナ”という名づけで改名しており、また“マナ”とはハワイの言葉で『取り戻す命』と言う意味でもあるのだ。

 

 髪は黒で服装も一般人のものだが、それ以外では髪型といい顔つきといい、マナに非常に似ているのである。

 

 名前の読みも同じなだけあってヒカルにとっては非常に驚きなモノだった。

 

 

 するとヒカルは、賢の元に歩み寄って肩に手を置く。

 

 賢「ん?なんスか?ヒカルさん。」

 

 

 そして、改まってこう語り掛けた。

 

 

 ヒカル「賢………愛(マナ)の………妹の命を取り戻せて良かったな。」

 

 

 賢「………お、…おう。」

 

 賢は少し困惑しながらも嬉しそうに返事をした。

 

 

 

 かくして、事態は完全に終息した。あとはみんなで安全に帰るだけである。

 

 

 因みに先ほどギンガストリウムによって焼き切られたバードンの毒袋は、斎木が今後の兵器への応用などに使うために回収数する事にした。

 

 既に仲間のユウジ、タカオには連絡を取っており、後で彼らと一緒に運んで行く予定である。

 

 

 ヒカル「んじゃ、全部解決した事だし、フュージョンブレスも戻って来た事だし、帰りますか!」

 

 海羽「うん!そうだね。」

 

 斎木「帰るまでが戦いだしな!気を引き締めていこう!」

 

 ヒカル「そんな、「帰るまでが遠足」みたいに言わないでくださいよ(笑)」

 

 

 ヒュウガ「私たちは近くにペンドラゴンを止めてるから、この辺で。」

 

 斎木「そうか……折角会えたのに残念だな。」

 

 レイ「そのうちまた会えるさ。なぜなら皆同じ空の下にいるのだから。」

 

 ヒカル「お、分かってますねレイさん。」

 

 レイの言葉にヒカルは少し嬉しそうだった。

 

 海羽「そうだね。また怖~い怪獣が出てくるかもしれないし…、」

 

 ヒュウガ「ああ、その時はまた共に戦おう。」

 

 レイ「困った時は、いつでも呼んでくれよな。」

 

 ヒュウガ「じゃあ、くれぐれも気を付けて。」

 

 かくして、レイとヒュウガは斎木やヒカル、海羽、子供たちに別れを告げながらペンドラゴンを止めている場所へと歩き去って行った。

 

 

 海羽「それじゃ、私たちも下山して帰りましょ~! これからお兄さんとお姉さんが案内するから、ついて来てね~!」

 

 子供たち「は~い!!」

 

 海羽「絶対に離れないでね! 僕は・私はついてこれるって人手を挙げて~!!」

 

 子供たち「はーい!!」

 

 またしてもショーのお姉さんのごとく子供たちに元気よく呼びかける海羽。

 

 

 賢「しっかし相変わらずパワフルだな~海羽さん。」

 

 明人「ああ。マジで将来バスガイドさんとか向いてるかもしれね…。」

 

 ヒカル「周りを魅了する元気と可愛さ。それが彼女の一番のとりえさ。」

 

 

 すると海羽は古田兄妹や明人、輝雄の方を向いて。

 

 海羽「それじゃあ、下山後子供たちを家に送る担当は、賢君たちに頼もうかしら?」

 

 賢「へ!? お、俺たちが!? マジかよ~…霞ヶ崎外から来てる子もいるんだよな?」

 

 明人「まあ賢。迷惑かけちまったのは確かだし、ちょっとしたペナルティとしてやろうぜ。」

 

 輝雄「そうそう。それについでに霞ヶ崎外の街から来てんならちょとした旅ができるわけじゃねーか。 今は夏休みだし、折角だから俺たちで思いで作ろうぜ?」

 

 賢「………それもそうだな。よし!引き受けた!

 

 (愛の方を振り向く)……悪いが愛、下山したら先に帰っててくれ。」

 

 

 愛「………いや…私も一緒に行きたい。 お兄ちゃんたちと一緒に出掛けてみたいし、それに子供たちともっと交流してみたいし。」

 

 実は賢の妹・愛は子供好きな一面もあるのである。兄とは真逆だ(笑)

 

 

 賢「愛………そっか…よし、それじゃあ一緒に行こっか!」

 

 愛「(満面の笑みで)うん!」

 

 かくして、古田兄妹たちは子供たちを送る事を引き受けた。

 

 

 ヒカル「それじゃ、気を付けて帰りましょ~!」

 

 海羽「さあ、お兄さんお姉さんたちについて来て~!」

 

 子供たち「はーい!!」

 

 ヒカルと海羽に導かれ、子供たちは大熊地獄ヶ岳を下山し始めた。

 

 

 斎木「ふっ………相変わらず元気がいいな………。」

 

 そんなヒカル達を微笑ましくみつめる斎木も、彼らの後について歩き始めた。

 

 

 だが、子供たちを先導する中、ヒカルは何かを考えていた。

 

 ヒカル(海羽ちゃんがソルに選ばれた理由………一体彼女は何のためにウルトラマンの力を手に入れたんだ………?)

 

 そう思いながら子供たちと触れ合ってる海羽を見つめた。

 

 

 先ほどのタロウの発言といい、何やら海羽(ソル)には秘密があるようである………………。

 

 

 タロウ「ヒカル………どうやら君も感じ始めたか………。」

 

 ヒカル「………タロウ。」

 

 タロウ「来たるべき戦いは近づいている………彼女がウルトラマンになったのも、それに関係しているのだろう。」

 

 ヒカル「海羽ちゃんが……ウルトラマンになれたのはやはりワケがあるんだな。」

 

 タロウ「ああそうだ。いずれ君も知る時が来る………。」

 

 果たして、海羽がソルの力を手に入れたきっかけとは一体何なのであろうか………?

 

 

 それはとりあえず置いといて、タロウが再び駆け付けて来た事により今後はストリウムブレスとフュージョンブレス両方が使えるようになったヒカル。

 

 今後状況や場合によってどちらかを使い分けて戦えるのである。

 

 

 帰ってきた戦友から再び授かった力と共に、ヒカルは今後も悪を殲滅するために仲間と戦う決心をした。

 

 

 

 〈エピローグ〉

 

 同じ頃、引き続きショッピングをしている櫂と真美。

 

 どうやら迷子の子供も無事に親が見つかったようである。

 

 

 櫂「次はどこに行こうか。真美。」

 

 真美「私次はこの店の服見てみたいな。ここならメンズ・レディース両方あるから櫂君も楽しめるよ。」

 

 櫂「おおそうか。じゃあ行こうぜ。」

 

 櫂と真美が店に向かおうとしたその時、

 

 

 “ガッ”

 

 真美「ああ、ごめんなさい。」

 

 真美はとある通りすがりの男の人とぶつかってしまった。

 

 ???「おお、気を付けるんだぞ姉ちゃん。」

 

 その人は怒ることなく気さくに返して歩いて行った。

 

 櫂「大丈夫か?真美。」

 

 真美「えぇ………。」

 

 

 だが、真美はそんな男を見て何か心当たりがあるようであった………………。

 

 真美(あの人………どこかで見たような気が………………。)

 

 真美は何かしらのデジャヴみたいなものを感じていた。

 

 

 一方で櫂は、先ほど真美とぶつかった男の後ろ姿を少し睨みながら…

 

 櫂(けッ…真美にぶつかりやがって!………何なんだあいつは?)

 

 真美とぶつかった事に怒りを感じつつもやはりあの男が何者なのか気になっていた。

 

 

 だが、やがて考えるのをやめた。

 

 櫂「一体誰だったんだろうな?あいつは…それよりも行こうぜ。真美。」

 

 真美「ええ、そうだね。」

 

 櫂と真美は目的の店に向かって再び歩き出した。

 

 

 果たして、先ほど櫂と真美の前に現れたレザーコートに身を包み、ラムネのビンを手に持つその“風来坊”のような青年とは一体誰なのであろうか………………?

 

 

 To Be Continued………。

 

 

 (ED:キラメク未来~夢の銀河へ~)




 読んでいただきありがとうございます!いかがでしたか?


 最後にさりげなく出てきた男が誰なのか、もしかしたら何人かもうお察しかと思います(笑)


 前回は無印ギンガを意識してコミカルに仕上げたので、今回はギンガSを意識してそれに大怪獣バトルの要素も加えて熱い展開の連続にしてみました。

 また今回はタロウが駆け付けたことにより、ギンガストリウムが再登場しました!

 ギンガビクトリーも好きなのですが、個人的にギンガストリウムも大好きなので今回ようやく登場させることが出来て嬉しいです(笑)

これでヒカル君は今後ストリウムブレスとウルトラフュージョンブレスを使い分けれるようになりましたね。

また、今回も海羽ちゃんの元気一杯な性格を爆発させてみましたが、私先日ウルトラマンのショーを見に行きまして(笑)、その際にお姉さんが子供たちに呼び掛ける所を見て「こういう感じの事を海羽ちゃんにもやらせてみよう」と思って取り入れてみました(笑)

また、今回アーストロン達怪獣が会話をするシーンはゴジラ対ガイガンでゴジラとアンギラスが吹き出しで会話をするシーンをヒントに思いつきました(笑)


 感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています。

今回は特にネタを盛り込んでしまいました(笑)が、長文でも構いませんので、コメントを書ける方は待ってます^ ^


 余談ですが、遂に新作・ウルトラマンジードの情報が解禁されましたね!

 ビジュアルも凄くカッコいいし、なによりあのウルトラマンベリアルの息子という事なので一体どんなウルトラマンになるのか私とっても楽しみです!

 早く戦う所が見たいな~(ワクワク)

 それでは、次回もお楽しみに!


 因みに今回隠れていたサブタイトルは、

 『怪獣動物園』(ウルトラマンティガ第22話)

 『恐怖の怪獣魔境』(帰ってきたウルトラマン第3話)

 でした(登場順)。
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