ウルトラマンゼロ物語(ストーリー) in RED ZONE STAGE   作:剣音レツ

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 お久しぶりです!


 今回は皆さんお待ちかねのあの“夕日の風来坊”の活躍が始まります!


 また、前回アリブンタによって母親を失った少女のために、櫂と真美ちゃんが前代未聞の行動に出ます!またそれにより櫂が久々に盛大なキャラ崩壊(?)を起こしてしまいます(笑)


一部文才に欠けるような表現があるかもですがとりあえず楽しんでもらえたらなと思います(笑)


 それではどうぞ!


第28話「熱き風来坊」

(OP:英雄の詩)

 

 

 クレナイ・ガイはオーブリングを突き出して紫色の光に包まれる!

 

 

 ガイ「ウルトラマンさん!」

 

 《ウルトラマン!》

 

 「ヘアッ!」

 

 

 ガイ「ティガさん!」

 

 《ウルトラマンティガ!》

 

 「チャッ!」

 

 

 ガイはリングにウルトラマンとウルトラマンティガのウルトラフュージョンカードをダブルリードし、ガイの左右に二人のビジョンが現れる。

 

 

 ガイ「光の力、お借りします!」

 

 

 《フュージョンアップ!》

 

 

 ガイはオーブリングを揚げ、左右二人のウルトラマンもそれにシンクロして左腕を揚げる。

 

 オーブリングは音声と共に側面のカバーが展開し、シンセサイザー調のメロディと共にガイは光に包まれオーブの姿となり、リングはマンとティガと共に青、黄と光った後に紫に輝く。

 

 そしてオーブの姿のガイはマンとティガのビジョンと合体するかのように重なり紫に光り、やがてその光が下から消えていき姿を現す。

 

 

 《ウルトラマンオーブ! スペシウムゼペリオン!》

 

 

 全身に纏っていた光が消えて姿を現した『ウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオン』は、マンとティガのタイトルバックが合わさったような背景で、光の中から右腕を突き出して飛び出す!

 

 

 オーブは右腕を突き出した状態で、リング状の光を発生させながら姿を現す。

 

 

 アングラモン「あのウルトラマンは…!?」

 

 暴れていた『地底超獣ギタギタンガ』は目の前の現れたオーブに驚くような仕草を見せ、ギタギタンガを引き連れて来た『地底超人アングラモン』(等身大)もそれを見上げて驚く。

 

 

 ガイ「俺の名はオーブ! 闇を照らして、悪を撃つ!」

 

 

 オーブは決め台詞と共に構えを取る。

 

 

 対峙するオーブとギタギタンガ。やがて戦闘が開始する!

 

 

 (スペシウムゼペリオン戦闘BGM)

 

 

 互いに駆け合う両者は激しく土砂を巻き上げながら組み合い、力比べの後、両者は一旦離れる。

 

 オーブはギタギタンガの左右交互の殴り込みを左右交互に順に弾いた後腹部に右足蹴りを決める。

 

 オーブは再びギタギタンガと組み合ってしばらく押し合った後、右脇腹に左脚のミドルキックを決め、離れたところで頭部に右手の手刀を決め、更に胸部に両手を合わせたチョップを叩き込む。

 

 

 後退したギタギタンガは、反撃として頭部の角の先端から酸欠ガスを噴射し、オーブはそれを顔に受けてしまう。

 

 

 ガイ「うわっ!?…酒臭ッ……!!」

 

 

 オーブはアルコール臭に悩みながらも咄嗟に右腕で円を描いて光のバリア『スペリオンシールド』を張ってそれを防ぐ。

 

 

 ガイ「お酒の量は控えた方がいいぜ?」

 

 

 ガイは一言軽口を言い、そしてオーブはその場から大きくジャンプしてギタギタンガを跳び越え後ろに回り込む。

 

 

 ガイ「スペリオン光輪!」

 

 

 オーブは両腕を広げてエネルギーを溜め、それをリング状にして『スペリオン光輪』にして投げつける!

 

 

 しかし、ギタギタンガはノコギリ状の刺の付いた尻尾でそれを輪投げのように受け止めてしまう。

 

 

 オーブがそれに驚く隙にギタギタンガは尻尾を振って光輪を投げ返すが、オーブは咄嗟に身体を反らしてそれを避ける。

 

 

 ガイ「なかなかやるな。」

 

 

 アングラモン「我も行くぞギタギタンガ!」

 

 

 そう言うとアングラモンはオーブの真後ろで巨大化し、すぐさまオーブを羽交い締めにしてしまう!

 

 

 ガイ「んなっ!?」

 

 

 アングラモン「カラータイマーを狙え!」

 

 

 アングラモンの指示を受けたギタギタンガは羽交い締めにされているオーブに接近する。

 

 だが、オーブはそのまま跳躍し、両足蹴りをギタギタンガの胸部に叩き込んで吹っ飛ばす!

 

 

 そして着地すると、後ろのアングラモンに語り掛ける。

 

 ガイ「あんた、相当弱ってんだろ?」

 

 アングラモン「…ッ!?何だとっ!!」

 

 ガイ「腕の力、緩みまくりだぜ!」

 

 

 そう、アングラモンは先ほどの『ウルトラマンゼロ』との戦いによりだいぶ疲弊していたのだ!

 

 

 アングラモンが動揺している隙にオーブは両腕を上に伸ばすことで羽交い締めを振りほどき、右肘を腹部に叩き込む。

 

 そしてアングラモンが怯んだ隙に振り向いて両腕を掴み、ティガのタイプチェンジ音と共に赤い部分を発光させてティガ・パワータイプのパワーを発揮してジャイアントスイングで豪快に振り回して投げつける!

 

 

 ギタギタンガの傍に落下したアングラモンはふらつきながらも立ち上がる。

 

 アングラモン「お、おのれ…体が万全だったら…。」

 

 

 二体が動揺している隙に、オーブは止めの体勢に入る。

 

 オーブは右腕、左腕と順に両腕をL字に広げてエネルギーを貯め、前面に光の輪が展開する。

 

 

 ガイ「スペリオン光線!!」

 

 

 オーブは技名を叫ぶと共に両腕を十字に組んで必殺光線『スペリオン光線』を放つ!

 

 

 光線はギタギタンガ目掛けて一直線に飛ぶ。

 

 

 だが、ギタギタンガに直撃直前のところにアングラモンがギタギタンガの前方に回り込んだことで、光線はアングラモンに直撃する!

 

 

 アングラモン「ぐぉぉあああああ!!…い、今だギタギタンガ!…逃げろ…そして、暴れる場所を変えろ…!」

 

 

 “ズドガーン”

 

 

 アングラモンはそう言い残すと、大爆発して消し飛んだ。

 

 

 オーブは爆風を見つめる。しばらくすると徐々に薄れて消えていき、やがて地面に何かが掘ったかのような大きな穴が開いているのが見え始める。

 

 

 アングラモンが盾になっている隙にギタギタンガは地面を掘って逃走したのである。

 

 

 仲間を見捨てて盾にしたアングラモンが、今度は自らが盾になって散ることになるとは…、

 

 以外にも部下思いのある奴である。

 

 

 ガイ「一人逃げられたか…。」

 

 ガイ(オーブ)は少し悔しがるように呟く。

 

 

 やがてオーブはガイの姿に戻る。

 

 そしてギタギタンガによって破壊された工業地帯を見つめながら呟く。

 

 

 ガイ「この世界の異変は、前よりも酷くなりつつあるな…。

 

 あらゆる場所での怪獣の出現、タロウさんやギンガさんなどの諸先輩方の集結、

 

 そして、謎のウルトラ戦士(『ウルトラウーマンSOL(ソル)の事です』)の登場…

 

 とりあえず、何か大きな事が起こりそうなのは確かだな。」

 

 

 そう言うとガイは何処かへと歩き去り始める。

 

 

 ガイ「それに…新たにガイアさんとアグルさんとして覚醒したグリーンボーイとグリーンガール…これが一番の予想外だな。」

 

 

 どうやらガイは、いつの間にか稲葉健二と小野早苗のカップルが『ウルトラマンガイア』と『ウルトラマンアグル』として覚醒した事も確認済みのようである。

 

 流石は風のように現れては消える風来坊と言ったところか。

 

 

 そして、ガイが彼らの事を浮かべた事は、一体何を意味するのだろうか…?

 

 

 

 …だが、ガイにとってその上を行く予想外の出来事が起こっていた…!

 

 

 よく見てみると、ガイは独りではなく、彼の側には2人の異形の生物がお供していた。

 

 

 一人目は、蝉とザリガニをフュージョンアップ(笑)したような外見に、両手の巨大なハサミが特徴の宇宙人…。

 

 

 そう、皆さんご存知の、恐らくウルトラシリーズ一ポピュラーな宇宙人、『宇宙忍者バルタン星人』。

 

 

 因みにこのバルタン星人は、どこかさすらいの民をイメージさせる古布を身に纏っている。

 

 

 もう一人…いや一匹は、これも皆さんご存知の怪獣…いや珍獣。

 

 全体的に丸っこい体に赤いひだで覆われているのが特徴の珍獣、『友好珍獣ピグモン』である。

 

 

 …いきなり過ぎて混乱している方もいるだろうから説明しよう(笑)

 

 

 それは、ガイが『亡霊魔道士レイバトス』との戦いの数日後、奴が蘇えらせた怪獣の残党と戦いつつ宇宙を旅していた際に、とある正義の戦士たちで結成された宇宙警備隊に出会った。

 

 

 その名は『ウルティメイトフォースゼロ』(以降:UFZ)。

 

 

 メンバーは炎の戦士・グレンファイヤー、鏡の騎士・ミラーナイト、鋼鉄の武人・ジャンボット&ジャンナインのジャンファイト兄弟に、ゼロを入れた五人である。

 

 グレンたちはゼロがかつてベリアルが銀河帝国を築いたアナザースペースへと戦いに向かった際に出会った戦士たちであり、志が一緒だったゼロと協力して『カイザーベリアル』を打倒した後に(ほぼゼロの独断で(笑))結成された宇宙警備隊であり、基本的にゼロをリーダーに、アナザースペースで建造した『マイティベース』を拠点に、ベリアル軍壊滅後も宇宙の平和のために戦い続けている。

 

 

 そんな彼らと出会ったガイは、彼らと共闘後、挨拶程度でマイティベースを訪ねたのだが、その際にそこでUFZの皆と一緒に暮らしていたピグモンとも出会った。

 

 だが、ピグモンはガイが気に入ったのか、彼にべた付き始め、しばらく離れる様子はなさそうであったため、UFZの許可により数日間だけピグモンにガイと一緒に旅をしてきてもいいという事になったのである。

 

 

 そしてピグモンを連れて一緒に旅をしている最中に、今度はバルタン星人と出会ったのだ。

 

 彼の名はバルタン星人の『バルタ』。なんでも彼は、自分の場所が無い“風来坊”のバルタン星人を自称しているのである。

 

 

 それを聞いたガイは一気に共感し、ピグモンがバルタにも懐き始めたというのもあり、しばらく一緒に来ることを提案した所、しばらくは行動を共にする事になったのである。

 

 

 そしてガイは、ピグモンとバルタを連れて櫂たちの地球にやって来たのである。

 

 

 バルタ「ガイの旦那、拙者にも出来る事があればなんなりと。」

 

 世界の異変を感じるガイを、バルタは気にかけている。どうやらガイに、ちょっとした忠誠心を誓っているようである。

 

 

 ガイ「…いや、大丈夫だ。それよりも、早く“彼ら”の元へ向かうぞ。」

 

 バルタ「…彼らとは何ぞよ?」

 

 

 ガイ「新たに光を得た、若者たちだ。」

 

 健二と早苗の事である。

 

 

 そう言うとガイはバルタ、そして自分にベタつくピグモンと共に、健二と早苗を探しに出かけ始める…。

 

 

 

 一方、そんなグリーンボーイ&ガール(笑)の健二と早苗は、仲良くなったフルータ星人一同(古田賢&愛兄妹、鈴木明人、坂口輝雄)と一緒に海辺で遊んで楽しんでいた。

 

 

 しばらく海で遊んだ後、雑談をしながら日向ぼっこをしている一同。

 

 

 因みに健二と早苗は、自分たちがウルトラマンに覚醒した事をフルータ星人一同に打ち明けており、彼らの腕にはそれぞれ変身アイテム『エスプレンダー』、『アグレイター』が握られていた。

 

 

 早苗「この輝きこそ、私たちがウルトラマンになれたって証ね。」

 

 健二「ああ、この力、人々のために使っていこう。」

 

 賢「しっかし驚きだよな〜。2人はカップルで、ウルトラマンなんだから。」

 

 明人「ちくしょ〜なんで俺じゃねーんだよ!」

 

 明人はちょっと妬みも含めて軽口を言う。

 

 輝雄「あはは、明人さっきめっちゃビビってたじゃねーか!」

 

 明人「!?んなっ、バカ言え!そっちこそ…!」

 

 輝雄「賢なんて妹の事で必死だったしな!」

 

 賢「んなっ!…人をシスコンみたいに言うなっ!」

 

 いつの間にか、いつものやり取りを展開するフルータ星人一同。そんな彼らを健二と早苗、愛はほくそ笑みながら見つめていた。

 

 

 早苗「愛ちゃん、困った時は言ってもいいんだよ。この力でスーッと行けるんだから。」

 

 愛「そう?でもわざわざ来てもらうのも悪いし、それに私にはお兄ちゃんがいるし…。」

 

 健二「じゃあ、お兄さんが忙しい時は言ってよ。遠い町からここまで来れたのも、この力のおかげなんだから、ホント便利だぜ。」

 

 愛「あ、あはは…。」

 

 

 愛は少し困惑の笑みを見せる。早苗も健二もウルトラマンの力を手に入れてすっかり浮かれ始めているようだ。

 

 

 と、そこへ。

 

 

 ガイ「おい兄ちゃんたち。」

 

 

 突然聞こえた聞き覚えの無い声の方へと一同は振り向く。

 

 

 そこに立っていたのは、ガイだった。

 

 

 突然現れたレザーコートの男に見入っている一同。するとガイはこう言った。

 

 ガイ「ウルトラマンさんの力は、そんな軽い気持ちで使うもんじゃないぜ?」

 

 

 早苗「…え?」

 

 健二「なんだって?」

 

 即座に自分たちの事だと気づいた二人だったが、見ず知らずの人に突然話しかけられたがために、困惑の方が大きかった。

 

 

 やがてガイは、そう言い残すと健二たちの前から歩き去って行った。

 

 

 早苗「…ウルトラマンの力は、軽い気持ちで使ってはいけない…?」

 

 健二「俺たちは、それほどの強大な力を手に入れたという事なのか…?」

 

 早苗と健二は、困惑しつつもガイから告げられた忠告について深く考え始めていた…。

 

 

 ウルトラマンの力を手に入れたばかりの二人にとって、その力を使っていい時と悪い時とで分別がまだつかないのであろうか…?

 

 

 

 ここで一旦場所を変えよう。

 

 ガイアとアグルにより、アリブンタとホタルンガを撃破されて一件落着後、竜野櫂と新田真美は、一人の少女を宥めていた…。

 

 

 …O型の女性を捕食していたアリブンタにより母親を失った少女である。

 

 

 櫂「なかなか泣き止まねーな…。」

 

 泣き続ける少女にやや呆れ気味になっている櫂。

 

 真美「無理もないよ…こんなにも幼いのに、ママを亡くしちゃうなんて…。」

 

 そう言いながら真美は、少女の背中を優しく摩る。

 

 

 やがて真美は黄色に紫の水玉模様のハンカチを取り出す。そして、涙と鼻水で濡れる少女の顔を拭き始める。

 

 

 真美「こんな顔がぐしょ濡れちゃって…可哀想…。」

 

 憐れむような表情で耳障りの良い艶やかな声でそう呟きながら丁寧に涙を拭き取っていく真美。

 

 

 すると、少女は突然泣き声が止まった。そしてゆっくりと真美の顔の方を振り向く。

 

 真美「うふ、お顔、かわいいね。」

 

 少女は不思議と優しい表情で見つめる真美に見入っていた。

 

 だが、それによりまた母親を思い出したのか再び泣き出しそうになる。

 

 

 真美はそれを慌てて止める様子はなく、少女の肩に優しく手を置いて話しかける。

 

 真美「辛いよね…泣きたいだけ泣くといいよ。

 

 そうだ、私の家来る?何か美味しい物も作ってあげる。」

 

 

 少女は泣きそうでしゃくれながらもゆっくりと頷いた。

 

 

 少女はたちまち真美の家に行くことになった。

 

 真美「ごめんね櫂君。予定が変更になっちゃって。」

 

 櫂「いいさ。それより、早くその子をゆっくりさせてやってくれ。」

 

 真美「うん。じゃあ、またね。 (少女の方を向いて)行こ。」

 

 真美は少女と手を繋いで歩いて行き、櫂はそれを見送った。

 

 

 そして一人になった瞬間、またしても表情が変わる!

 

 

 櫂「やはり怪獣は害悪だな。早い所駆逐した方がいいだろう。」

 

 ゼロ「櫂…。」

 

 櫂「見ただろ?ゼロ…所詮怪獣なんてあんなもんだ…奴らは人の幸せを奪う。(右手の拳を震えるほど強く握って)だから俺が片っ端からぶっ殺す!…それだけだ…!」

 

 

 そう言うと櫂も何処かへと歩き去って行った…。

 

 

 先ほどの櫂の発言を聞いたゼロは言葉を失うが、それを同時にとある不安にも駆られていた。

 

 

 それは、いずれかはレイや彼の怪獣、そしてコスモスにまでも手に掛けるつもりではないのかという事だった…。

 

 

 「怪獣はみんな害悪」…この考えを持っている限り、そのような行動に移るのも不思議ではないと思い始めたのだ。

 

 

 ゼロ(櫂の奴…そうならなければいいが…。)

 

 

 

 アリブンタにより母親を失った少女。彼女の名は『滝里奈』。

 

 

 母親と二人暮らしだった彼女は、たちまち母親を失ったために一人になってしまい、それを知った親族は、彼女の母親の死を悔やみ、式を挙げる準備をすると同時に、どこが彼女を引き取るかを考え合う事にした。

 

 

 なので、式が終わり、引き取り先が見つかるまでに約四日間、だれかが親代わりとして引き取っておかないといけないのである。

 

 

 里奈を自分の家で泣きたいだけ泣かせ、パンケーキをご馳走した後、真美はその事について悩んでいた。

 

 真美「四日間どこがいいかな…。」

 

 

 その時、偶然そこに居合わせた伊狩鎧が…。

 

 鎧「俺に任せてください真美さん!」

 

 真美「いいの?鎧君。」

 

 鎧「はい!俺ん家はすっごい楽しいですよ~!絶対に!彼女を!楽しませてみせま~す!!」

 

 まるでゴー〇イシルバーの名乗りのようなアクションでハイテンションで自信を見せる鎧。

 

 真美「…じゃあ、お願いね。」

 

 鎧「(敬礼して)はいッ!!」

 

 

 というワケで、里奈はたちまち鎧が引き取る事になった…。

 

 

 …だがしかし…、

 

 

 翌日(8月12日)、どうしたことか、鎧は里奈を連れ、いつものようなハイテンションな気分ではなく、げっそりした様子で櫂と真美の前に現れた…⁉︎

 

 

 いつものギンギンな感じは微塵にも無く、珍しく凹みまくっている鎧の表情。身体も少し前方に屈んでおり、両腕もだらりと下がっており、その様子は表情も相まってまるでゾンビのようである(笑)

 

 

 真美「ど、どうしたの?鎧君。」

 

 真美は鎧の滅多に見せない表情に少し困惑しつつも心配そうな表情で下から覗き込むように話しかける。

 

 

 鎧「それが…昨日…里奈ちゃんを家に泊めたのですが………。」

 

 

 

 〈回想〉

 

 

 それは昨日の事。里奈を泊める事になった鎧は、彼女を楽しませようと一際張り切っていた…。

 

 

 鎧「さ~あ!里奈ちゃん!ウチはとても楽しいよ~!」

 

 

 いつものハイテンションで里奈をもてなす鎧。

 

 しかし、里奈は相変わらず暗い表情をしており、その表情が一向に変わりそうにない…。

 

 

 鎧「何がしたい!?ゲーム?オセロ?将棋?(小声で)これは無いか…テレビ見る?御飯にする?それとも俺と、ウルトラマンについて語り合いますかー!?はははははは…!」

 

 

 里奈「ウザい…。」

 

 

 鎧「…へ?」

 

 

 さっきまで張り切っていた鎧は里奈の思わぬ一言に思わず耳を疑い聞き返す。

 

 

 鎧「…なん…て?」

 

 

 里奈「(顔を上げて睨むような表情で)暑苦しいの、ウザい!」

 

 

 鎧「………………そんな………、」

 

 

 “ガーーーーン”

 

 

 鎧「なんでええぇぇぇーー!!??」

 

 

 〈回想終了〉

 

 

 

 里奈に「ウザい」とあしらわれてしまった鎧。その後もなかなか懐いてもらえず、結局、里奈とほとんどコミュニケーションを取れないまま一夜を過ごしたのだという…。

 

 

 鎧のハイテンションぶりは時にはウザいと思う人もいるだろうが、こんなにもストレートに言われてしまった事が余程ショックだったみたいだ。

 

 

 「子供は正直」とも言われるが、流石である(笑)

 

 

 真美「そ、そっか…でもよく頑張ったね。」

 

 真美は少し困惑の苦笑を浮かべつつも労う言葉をかける。

 

 

 櫂「どうやらこの子に鎧が合わなかったみたいだな…こうなれば残りの日は他の人に…、」

 

 

 櫂がそう言いかけた瞬間、

 

 

 突然、里奈は真美の元に駆け寄り、そして真美に抱き付く。

 

 

 巻き付く腕が、真美の良スタイルを際立てるくびれにスッポリとはまり込み、顔は食い込むぐらいに腹部に押し付けている。

 

 そして里奈はそのまま静かに泣き出す。

 

 

 …どうやら彼女は、一緒に過ごすなら真美の方がいいみたいである。

 

 おそらく昨日真美に優しくしてもらった時に、そんな真美に母親と同じものを感じたのであろう。

 

 

 それに気づいた真美は、困惑から優しい眼差しに変わり、泣きながら自身に抱き付く里奈の頭を撫でる。

 

 

 真美「そっか…そうなんだよね………ごめんね。なかなか気付いてあげられなかったなんて…。」

 

 

 里奈にそう優しく語り掛ける真美を見て、櫂はまたしても何やら複雑な表情になる…。

 

 

 だが、そんな櫂が何やら考えようとするのも束の間、真美は櫂に言い出す。

 

 

 真美「ねえ櫂君、ちょっと協力してくれる?」

 

 櫂「…ええ?」

 

 

 

 それから約3時間後の事である…。

 

 

 ひょんな事から櫂は、本日から三日間、真美の家で過ごすことになったのだ…!

 

 

 突然最愛の人の家にお邪魔する事になった櫂。家に上がった今も魂が抜けたような唖然とした表情のままである(笑)

 

 

 ゼロ「…あー、櫂?大丈夫か?………おーい!」

 

 

 久々に何とも言えない表情を見せた櫂を心配するゼロだが、今の櫂にはそんなゼロの呼びかける声も聞こえない…。

 

 

 そして真美は、エプロン姿でルンルンと櫂の元に歩み寄り、そしてこう言った。

 

 

 

 真美「それじゃあ、三日間よろしくね。パーパ。」

 

 

 

 …そう、真美の提案により、櫂と真美は、三日間だけ里奈の親代わりを務める事になったのである!

 

 

 真美にパパと呼ばれた櫂は、困惑を通り越して混乱に陥ろうとしている。

 

 

 櫂「ぱ…ぱぱ…ぱ…俺が…パパか…へへへッ…。」

 

 

 ゼロ「うぉい!?櫂!しっかりしろ! まあ俺も困惑してるけど…。」

 

 

 だが、次の瞬間、櫂は目の前で、ママ代わりの真美に懐く里奈の姿を見て我に返る。

 

 

 そしてある事を考え出す。

 

 

 櫂「…そうだ…気を確かに持つんだ、俺。………これは俺と真美の未来の姿なんだ…そのシミュレーションとしてやればいいんだ…。」

 

 

 櫂(それに…これにより、俺と真美がよりくっつくかもしれんしな…ふふふ。)

 

 

 不敵な笑みをひっそりと浮かべながら心でそう呟く櫂は、再び里奈を見て決心する。

 

 

 櫂「将来生まれる俺の子供のためにも、子育ての練習だと思ってこいつを存分に楽しませてやるか。」

 

 

 そう言うと櫂は、真美と戯れる里奈の元へと歩み寄る。

 

 

 里奈「ママー!よろしく!」

 

 真美に抱き付きながら無邪気に挨拶をする里奈。

 

 

 櫂「里奈。今日から三日間、俺たちがお父さんとお母さんだから、存分に楽しく過ごそうな。」

 

 真美「ホラ里奈ちゃん。今日からパパになる櫂君だよー。」

 

 櫂は里奈に作り笑顔で語り掛け、続けて真美が里奈に櫂という新しいお父さんを紹介する。

 

 

 里奈は真美に抱き付いたまま櫂の方を振り向く。

 

 

 遂に自分のことをパパと呼んでくれるのか!?…櫂がドキドキしながら微かにそう期待し、ゼロがドキドキしていたその時…!

 

 

 

 里奈「よろしくね、櫂。」

 

 

 

 ………………………???

 

 

 

 “ポクポクポクポク…チーン”

 

 

 

 “ドテーッッッ!!?”

 

 

 

 櫂は里奈の返事に耳を疑い、数秒フリーズした後に時間差でずっこける!

 

 

 パパと呼んでくれるのかと思いきや、何故か自分はまさかの呼び捨てで呼ばれたのである!

 

 

 櫂「おッ…俺だけ何で呼び捨て~!?」

 

 櫂は、久しく出さなかった力が抜けたような声で叫ぶ。

 

 

 里奈の意外な発言に、真美も困惑を隠せなかった。

 

 真美「あっ…あはははは、だ、大丈夫。そのうちパパって呼んでくれると思うよ。」

 

 

 軽く励ましの言葉を掛ける真美。それを聞いた櫂は再び気を取り直したのだが、それも束の間…、

 

 

 里奈「ねえママ、今から遊ばない?」

 

 真美「ごめんね~里奈ちゃん。ママ今からやらなきゃいけない事があるの。」

 

 里奈「…じゃあ櫂とは?」

 

 真美「か…櫂パパなら遊んでくれるよ、(櫂の方を向いて)ね。」

 

 

 またしても呼び捨てされてしまった(笑)

 

 

 櫂「…あ…あはははは…よーし分かった。一緒に遊んじゃらあ!」

 

 

 櫂は再び困惑するが、再び気を取り直し、やや自棄気味に里奈の遊び相手を引き受けた。

 

 

 真美「ありがとう櫂君。じゃあ私は今から皿洗いとかご飯の準備とかするから。」

 

 

 里奈「じゃあ行こう、櫂。」

 

 櫂「お、おう!(だからパパって呼んでくれよ~)」

 

 櫂は里奈に手の裾を引っ張られる形で外に出る。

 

 

 真美はそんな二人を笑顔で見送った後、皿を洗いながら心で呟いていた。

 

 

 真美(私も将来、こんな風にお母さんになるのかな…。最近看護婦のシミュレーションばかりしてるから、こういうシミュレーションもたまにはいいかも。)

 

 

 因みに櫂と真美は、里奈の親代わりを務めるという事で、先ほどそれ用の道具(子供用の皿、御飯の材料など)の買い出しをしたのである。

 

 

 

 唐突に真美と共に三日間里奈の親代わりを務める事になった櫂。

 

 

 彼はまだ知らなかった…。

 

 

 この先に待ち受ける、『子育て地獄』を………。

 

 

 

 とある公園で里奈の遊び相手をする櫂。

 

 

 櫂「や~ら~れ~た~!」

 

 

 てっきりおままごとでもしているのかと思いきや、その遊び内容はと言うと、なんと女の子らしからぬ“戦いごっこ”なのである(笑)

 

 

 もちろんやられ役(怪獣役?)は櫂である。

 

 

 (邪の心で)ウルトラマンの力を得ている男が、子供の遊び相手で怪獣役をやる事になるとはどこか皮肉である(笑)

 

 

 里奈「もう一回!櫂もう一回!」

 

 

 櫂「…ってえぇえ!?」

 

 まだやろうとする里奈に櫂は呆れ気味の声を上げる。

 

 

 ゼロ「櫂ー頑張れー。(棒読み)」

 

 櫂「くうぅ~ゼロ貴様~!」

 

 ゼロ「お前と真美が将来結ばれれば子供も生まれる。その時の子育てのためだ。」

 

 櫂「くっ…そうか分かった。じゃあやるしかねーな~!」

 

 ゼロの皮肉も込めた励ましを聞き、櫂はやや自棄気味に了解した後再び里奈の相手を始める。

 

 

 そしてその後も、数回相手をした後、、、

 

 

 櫂「はい、やられたー。ホラもうこれでいいだろ?そろそろ帰r…」

 

 

 “ドシン”

 

 

 櫂「ゴフッッッ!!?」

 

 

 突如、仰向けに倒れている櫂に馬乗りで伸し掛かる里奈。

 

 

 そして、

 

 

 里奈「とどめだー!」

 

 

 無邪気にそう言うと、そのまま櫂に猫パンチを連打し始める!

 

 

 櫂「えッ…お、おい…何してんだおm…やめろー!」

 

 

 櫂の悲痛の叫びも空しく、里奈はなおも「エイ、エイ、エイ…」という掛け声と共に猫パンチを連打していく…。

 

 

 怪獣(超獣)により母親を失ったモノだから、やられ役の櫂をその怪獣だと思って攻撃しているのだろうか…。

 

 

 実際、子供のパンチはそれほど痛くないのだが、櫂は滅多に受ける事の無い仕打ちに屈辱的になりつつあった…。

 

 

 櫂(くっ…このガキ…その気になれば一捻りだ………いつかブッ飛ばしてやる…!)

 

 

 完全無欠に見える櫂だが、実は性格以外にもう一つ難があった…。

 

 それは、櫂は医療ボランティアに参加している真美と違ってこういう風に子供の相手はあまりした事が少ないため、子供の相手はあまり慣れていないという事である。

 

 

 そのため、唐突に里奈の親代わりを務める事になったがために四苦八苦しているのだ…。

 

 

 やがて里奈は気が済んで攻撃を止めた後、近くの公園の遊具で遊び始める。

 

 

 その間に、櫂は心の中でこう思っていた…。

 

 

 今朝までの“可哀想な子供”の姿は何処へやら…。

 

 

 母を失った悲しみはもちろんまだ消えていないであろうが、親代わりを得た瞬間驚くほど変貌してしまったためである。

 

 

 純真な子供だと思っていたのが、まさかこんなにもヤンチャなお転婆娘だったなんて…。

 

 

 

 櫂「なんて日だッッッ!!!」

 

 

 

 今日一日で様々な予想外に直面した櫂は、夕日に向かって某お笑い芸人のような台詞を悲痛に叫んだ。

 

 櫂の叫びが、夕方の街に木霊する。

 

 

 その時、スマホの電話の着信音が鳴ったため櫂は電話に出る。真美からである。

 

 櫂「おぅ真美か。どうした?」

 

 真美『あ、櫂君?そろそろご飯出来そうだから里奈ちゃん連れて帰って来てね。』

 

 櫂「…了解。」

 

 

 櫂はやや脱力したような声で返事をした後に電話を切る。

 

 

 そして夕日に向かい、何故かゼロのフィニッシュポーズを上に向けた状態にして、そしてまたしても某芸能人のように叫んだ…。

 

 

 

 櫂「イエーーーーーーイ!!!」

 

 

 

 …またしても櫂の叫びが、夕方の街に木霊した…。

 

 

 里奈「…どうしたの?櫂。」

 

 そう言いながら里奈は、あどけない表情で首をかしげる。

 

 

 …櫂は、やけっぱちになりそうなほどナーバスになりかけているのであろうか…?(苦笑)

 

 

 

 その夜、就寝の時間が来た。

 

 櫂、真美、里奈はそれぞれ別々の部屋で寝ることになった。

 

 櫂としては真美と一緒の部屋で寝たい気持ちもあったのだが、幼馴染とはいえ大学生の男女が一緒の部屋で寝るだけでも勇気がいり、また、ただでさえ女子の家で三日間お邪魔になるだけでもありがたいと思い、渋々別の部屋で寝ることを受け入れたのだ。

 

 

 色々あったその日の疲れを一気に発散するかのようにベッドの布団をかけて気持ちよさそうに眠っている櫂。

 

 

 だが、その時、

 

 

 里奈「櫂……櫂………櫂ー!」

 

 

 突然自分を呼び捨てする声が聞こえ、櫂はふと眠い目を半分開ける。

 

 

 その視線の先には、何やら不安そうな表情で見つめている里奈の顔があった。

 

 

 櫂「うぅ…どうした?遊びなら明日にしてくれ…。」

 

 櫂はそう言って再び眠りに就こうとするが…、

 

 里奈「トイレ…一緒に行ってくれる?」

 

 櫂「…何?トイレか?」

 

 一時的に目が覚めた櫂は、里奈のトイレに付き合う。

 

 

 因みにその後も里奈は何度もトイレに行き、櫂はその度に付き合わされたため、その夜は少ししか眠れなかったんだとか…。

 

 

 ここからは、この三日間で二人(特に櫂)が特に苦労した事を紹介していこう(笑)

 

 

 次の日(一日目:8月13日)、晴天に恵まれたために櫂と真美は里奈を連れて少し離れた公園に出掛けていた。

 

 そこは最寄りの公園よりも広く、遊具も豊富で、遊ぶ子供も比較的多いい所なのだ。

 

 そして何より最寄りよりも大きいジャングルジムがあるのだ。

 

 

 そんなジャングルジムに…里奈は登っていた(笑)

 

 

 里奈「あはは…あはははは…!」

 

 元気一杯にジャングルジムの上で移動し続ける里奈。そんな彼女を櫂と真美は下から見上げていた。

 

 

 櫂「お、おーい!危ないぞ降りて来ーい!」

 

 やや焦り気味の櫂。里奈にもしもの事があったらと心配しているのであろうか?

 

 それとは対照的に真美は終始落ち着きを保っている。

 

 櫂「…なぁ真美。何でお前、そんなに落ち着いてるんだ?」

 

 真美「(あどけない笑顔で)え?だって決まってるじゃない。」

 

 櫂「何が?」

 

 そこにゼロが横入りをする。

 

 ゼロ「万が一あの子が落ちそうになっても、その時は櫂か真美がキャッチすればいいって事だろ?二人とも身体能力あるしな。」

 

 真美「そゆこと。それに櫂君にはゼロの力があるじゃない。」

 

 あどけない笑顔でそう言った後、再び上を向く真美。彼女は恐らく子供との交友が多いために、子供の事をある程度知っているがために落ち着いていられるのであろう。

 

 

 子育て地獄によるナーバスにより冷静な判断が出来なくなり始めている櫂。

 

 

 里奈「わーい!わーい!あはは…、」

 

 なおもジャングルジムの上で遊ぶ里奈。

 

 

 だが、やがて彼女は足を滑らせて落下し始めてしまう!

 

 

 櫂「ホラ言わんこっちゃねぇ!いくぞゼロ!」

 

 ゼロ「おうよ!」

 

 

 櫂はゼロの力を発揮して思い切り跳躍する!

 

 

 そして見事に里奈をキャッチした!

 

 

 真美「(軽くガッツポーズ)やったッ!」

 

 

 里奈「わあ、櫂すごーい!」

 

 

 櫂「へッ、だろ?どうよこの身体能力…」

 

 

 だが、それも束の間、

 

 

 “チーン”

 

 

 ゼロ「…あ…。」

 

 

 真美「(目を見開いて両手を頬に当てて)Oops!」

 

 

 ゼロと真美が呆気にとられている先には、鉄棒の上で里奈をしっかり抱いたまま口をぽっかり開けて震えている櫂の姿があった。

 

 

 なんと櫂は、高くジャンプして里奈をキャッチしたのはいいものの、その後運悪く鉄棒の上に落下してしまい、それにより股間を強打してしまった…!

 

 

 櫂はしばらく震えた後、倒れ込んでしまった。

 

 

 里奈「ママ―!」

 

 櫂の腕から抜けた里奈は真美の方へ駆け寄る。

 

 真美「大丈夫?怪我はない?」

 

 里奈「うん!櫂が守ってくれたからね!」

 

 

 真美は、苦笑しながら倒れ込んだまま悶絶している櫂にも心配して話しかける。

 

 真美「…櫂君も、大丈夫?」

 

 

 櫂「…あ…あは…あはは…大丈夫だ………ちゃ、ちゃんと…キャッチ出来たからな…あは、あははははは…。」

 

 返事は出来たものの、痛みにより少し挙動不審な喋り方になってしまっている櫂。

 

 

 ゼロ「ご…ゴホンッ(咳払い)、櫂………ドンマイ………あは。」

 

 

 どうした櫂よ!?完全に調子が狂ってしまっているゾ!!??(笑)

 

 

 

 因みに櫂はその夜も何度も里奈のトイレに付き合わされたんだとか…。

 

 

 

 次の日(二日目:8月14日)は、三人で市民プールに出掛けたのだが、そこでも里奈のやんちゃぶりに手を焼いていた。

 

 

 プールのあちこちをはしゃいで泳ぎ回ってたからのもあるが、排水口に吸い込まれる感じが気に入ったのか、里奈が何度も排水口に近づいたため、その度に何度も吸い込まれそうになった彼女を助けたりしたのだとか…。

 

 因みにこの時は、水泳部でもある真美も結構活躍している。

 

 

 そして帰宅後。

 

 

 真美「楽しかったねー里奈ちゃん。」

 

 里奈「うん!ママ泳ぎ上手いね!イルカみたい!」

 

 真美「そう?ありがとね。」

 

 こうして母子が楽しく話している一方、

 

 

 櫂「はぁ…はぁ…ガキの相手もしたが故か、プール行ってここまで疲れたのは初めてだよ…。」

 

 里奈に手を焼いた櫂はだいぶ疲れていた。

 

 ゼロ「お前…この子育てはもしかしたら今後強敵と戦うための特訓になるんじゃねーか?」

 

 ゼロがそう軽口を叩くが、丁度その時櫂は…。

 

 

 櫂「…にしても真美…相変わらずスッゲーくびれの美ボディに、むっちりした長い脚してるよなぁ…。」

 

 

 櫂は疲れによるものか、プールでの真美の水着姿を思い出しながらややとんでもない事を呟いていた。

 

 

 ゼロ「…櫂?…櫂?………ダメだ…疲れてるようだ…。」

 

 

 ゼロは櫂が完全に子育てノイローゼに陥りかけている事に気付いた。

 

 

 里奈「櫂ー!遊ぼー!」

 

 櫂「…うわっ!?」

 

 その時、里奈が急接近してきて櫂の手を引っ張り始め、それにより櫂は我に返る。

 

 

 真美「櫂君ごめーん、御飯の準備できるまでまた里奈ちゃんと遊んでくれる?」

 

 

 櫂「…フッ…フハハ、良いぜ!相手した野郎じゃねーかー!」

 

 櫂はやや壊れ気味にそう言った後、里奈を連れて外に出かけ始めた。

 

 

 ゼロ「…櫂…遂にカラータイマー点滅か?」

 

 

 真美「まさか里奈ちゃんがあんなに元気一杯な子だったとはね…櫂君も相当手を焼いてるみたい。」

 

 

 ゼロは遂にガチで櫂を案じ始め、真美は櫂を見送りつつ微笑みながらそう呟いた。

 

 

 一方とある公園で。

 

 

 里奈「櫂ー!こっち来てー!」

 

 

 ジャングルジムのてっぺんで元気よく櫂パパを相変わらず呼び捨てで呼ぶ里奈。

 

 

 そんな櫂はと言うと…慣れない子供の相手にノイローゼなのに加え、親代わりで蓄積された疲労により半壊状態であった…。

 

 

 櫂「くっ…このガキ…マジで引き取り先が出来たらブッ飛ばしてやるぜぇ…!」

 

 ゼロ「ハイハイそんな事言ってないで、可愛い子供が呼んでるぜ? 早く行ってやれよパーパ。」

 

 櫂「うッ…うるせー!ゼロがパパって言うんじゃねー! 大体あのガキ(里奈)が俺をパパと呼ぶべきだろ!?なんで一向に呼び捨てなんだよ~!!」

 

 櫂は里奈からパパと呼んでもらえず、一向に呼び捨てで呼ばれることにやはりわずかながら不満を感じているようだ。

 

 

 ゼロ「もしかしたら里奈は櫂の事を“親父”じゃなくて“遊び相手のお兄ちゃん”と考えてんじゃねーのか?ホラ、彼女、母と二人暮らしだったみたいだし。」

 

 それなりの解釈を独り言のように呟くゼロ。初期は破天荒の塊だった彼、随分と洞察力も上がったものである。

 

 

 

 そしてその夜、親子三人はそれぞれ別室で就寝していた。

 

 

 櫂に至っては、余程疲れていたのか、体は横向きに、布団が完全に捲れた状態で眠っていた。

 

 

 櫂(今度こそ眠るぞ…12516匹の羊、12517匹の羊、12518匹の羊、12519匹の羊、12520匹の羊…)

 

 

 とてつもない数にまで羊を数えている櫂(笑)。

 

 だが、子育てはそんなに甘くない(笑)いつもの様に、途中で起きた里奈が訪ねて来る。

 

 

 里奈「…櫂…櫂…。」

 

 

 またしても途中で起こされた櫂。乱暴気味に布団を蹴飛ばして起き上りながら…、

 

 櫂「もうなんだよガキ!!安眠邪魔しやがってそんなに楽しいのかよ!!大人しく寝てろ!!」

 

 子育てノイローゼが限界値に達しかけたのか、遂に櫂は起き上ると共に怒鳴りつけてしまう。

 

 

 だが、その直後に里奈の顔を見た瞬間、一気に櫂の表情が変わる。

 

 

 それは、里奈の表情はいつものように無邪気な笑顔ではなく、どこか悲しげな暗い表情だったのである。

 

 

 それに加え、櫂に怒鳴られた事により泣き出しそうになっている。

 

 

 普段なら真美のいない陰で気に入らない人をいびる櫂だが、幼い子供を泣かせるのは少し気が引ける。ましてや里奈の親代わりをしている今そんな事をしてしまったら真美も悲しんでしまうと思ったのか、ここは剥き出しそうな本性をぐっとこらえて里奈に話しかける。

 

 櫂「…どうした?里奈。」

 

 

 里奈「私ね…怖い夢見たの…。」

 

 

 里奈は涙声でそう答えた。

 

 

 その瞬間、櫂は思い出す。

 

 

 思えば彼女は、先日超獣によって母親を失ったばかりだという事を…。

 

 

 今見せている表情が、母親を失ったばかりの時の表情にそっくりである事から、恐らく夢の中で母親を失った記憶にうなされたのであろうと櫂は悟った。

 

 

 櫂「そっか…じゃあ、ちとついて来い。」

 

 そう言うと櫂は里奈を連れて真美の部屋に入る。

 

 そして軽く揺すって真美を起こす。

 

 真美「うぅ…どうしたの?櫂君。」

 

 櫂に起こされ、眠い目をこすりながらゆったりと上半身を起き上がらせる真美。

 

 そして、櫂と一緒に来た里奈の悲しそうな表情に気付く。

 

 

 櫂「なんか、怖い夢にうなされたみたいなんだ…。」

 

 櫂がそう言った瞬間、真美も悟った。

 

 きっと母親を失った悲しみがフラッシュバックしたのだと…。

 

 

 真美は憐れむような表情で里奈を見つめた後、優しい眼差しで見つめながら優しくこう語り掛けた。

 

 

 真美「今日は一緒に寝る?」

 

 

 それを聞いた瞬間、里奈は表情にわずかながら明るさを取り戻し、同時に嬉し涙を出しながら真美のベッドに向かう。

 

 やはり里奈にとって、真美はかつての母親の面影を感じるのであろう…。

 

 

 添い寝をする二人を、ひっそりと不敵な笑みを浮かべながら見つめる櫂。

 

 

 里奈「ママのベッド温かい!」

 

 真美「ふふ、さ、楽しい夢でも見ましょ。」

 

 

 櫂はやがて二人が就寝するのを見届けると真美の部屋を後にし、自分の部屋に戻り始める。

 

 

 普段はあんなにお転婆でも、彼女だって辛いんだな…そう里奈を憐れんでいる一方で心の中では、

 

 

 櫂(ふふふ…俺を差し置いて真美と一緒に寝るのは解せないが、これであのクソガキに邪魔されずに眠れる…。)

 

 

 櫂は今まさに、本心と良人モードが交叉している状態であった…。

 

 

 翌日(8月15日)の朝6時頃、櫂はトイレに行きたくて目が覚めた。

 

 そして用を済ませた後、あくびをしつつぼやきながら寝床に戻ろうとする。

 

 櫂「ふぁぁ~…結局昨夜もあまり寝れなかったぜ…。」

 

 

 その時、櫂はふと何かに気付いて振り向く。

 

 視線の先のベランダで、何やら真美が里奈の背中を優しく摩りながら語り掛けている姿が見えていた。

 

 

 真美「また思い出しちゃったのね………。」

 

 どうやら里奈はまたしても先日の超獣の事を思い出して目が覚めてしまい、悲しくなってきたみたいである。

 

 それに気づいた真美が優しく宥めていたのであった。

 

 

 真美「今日はとびっきり美味しい物を作ってあげるね。」

 

 真美の語り掛けを聞いた里奈は少し落ち着きを取り戻しつつあった…。

 

 

 その様子を見ていた櫂。昨日までは里奈に対して憎しみの方が大きかったのだが、「残り一日、彼女のために親代わりを尽くそう」「彼女を楽しませてやろう」という気持ちに変わりつつあった…。

 

 

 その一方で、やはり怪獣に対する憎悪も増幅しつつあった………。

 

 櫂(…今後出てくる怪獣…どんな者であれ、この俺が片っ端からぶっ殺してやる………!!)

 

 

 里奈の親代わりを務めるのはあと一日。果たして櫂と真美はどう過ごすのだろうか?そして、櫂のメンタルは持つのであろうか…?(笑)

 

 

 

 里奈のやんちゃぶりに手を焼いて頭を痛める櫂と、終始落ち着きを保って温かく里奈の面倒を見る真美。

 

 

 だが、そんな二人のドタバタ子育て生活であるが、実はその一方で、別の場所ではとんでもない事が起こっていたのだ…!

 

 

 

 ここで、たちまち櫂と真美が親代わりを務める事が決まった三日前(8月12日)に遡ってみよう。

 

 

 この日、健二と早苗は霞ヶ崎付近のとある高原でピクニックをしていた。

 

 

 因みに彼らは、自身がウルトラマンである事はたちまち賢たちフルータ星人とだけの秘密にすることにしている。

 

 

 早苗「う~ん…空気が美味しいね。」

 

 健二「ああ。それにいい天気。正にピクニック日和だ。」

 

 二人はとある高台の上から霞ヶ崎の街を見渡していた。

 

 

 健二「…絶対に守ろうな。この街を。俺たちの光で。」

 

 早苗「ええ。少しでも、櫂さんや海羽さんに追い付くように…。」

 

 平和な街を見渡しながら、二人は改めてウルトラマンの力で頑張ることを決心した。

 

 

 早苗「愛ちゃんたち、元気かな…?」

 

 

 早苗がそう呟いたその時、

 

 

 愛「私なら元気だよー。」

 

 

 突然後ろから聞こえた聞き覚えのある声に二人は反応し振り向く。

 

 

 そこに立っていたのは小さめのリュックを背負って満面の笑顔で見つめる愛だった。

 

 

 健二・早苗「愛ちゃん!?」

 

 

 愛「えへへ、奇遇だね。」

 

 

 思わぬ再会に二人は驚く。

 

 

 愛はこの日、一人で健二たちと同じ山でピクニックをしていたのである。

 

 

 健二「驚いたな~…まさか同じ山でピクニックしていたなんて。」

 

 愛「私も。まさかウルトラマンと再会できるなんて。」

 

 早苗「でも、珍しいね。シスコンのお兄ちゃん(賢)が一緒じゃないなんて…。」

 

 愛「ああ、(少し笑いながら)実はお兄ちゃん、昨日海でクラゲにいっぱい刺されたみたいで。」

 

 

 一方、賢は家で、

 

 賢「へッ…へッ……ぶェっくしょーん!!

 

 …誰だッ!俺をシスコン呼ばわりしてんのは!?」

 

 

 愛「一応私が手当てしたし、今日は家で安静にすることにしたの。」

 

 健二「なんだそうなのかー。」

 

 一同は笑い合う。

 

 

 早苗「ねえ、良かったらこれから一緒に楽しまない?」

 

 愛「え?いいの?」

 

 健二「ああ。もうちょっと景色のいいトコに行ったら昼飯にするつもりなんだ。」

 

 愛「一緒に弁当か〜、行く行くー!」

 

 早苗「よーし、決定ーい!」

 

 

 三人が楽しんでいたその時、

 

 

 「随分と楽しそうですねぇ〜。」

 

 

 突如、どこからか聞こえた軽い口調の台詞に3人は反応する。

 

 

 早苗「誰!?」

 

 

 そう言いながら振り向いた先には、何やらコウモリのような宇宙人が木の枝に足をついた逆さま状態で見つめていた。

 

 

 早苗「あなた一体誰?…人間じゃないみたいだけど…。」

 

 

 早苗が問いかけると、その宇宙人はその場から跳躍して一回転して着地をして名乗る。

 

 

 グラシエ「我が名は、バット星人グラシエ!」

 

 

 早苗「バット星人?」

 

 健二「…グラシエ?」

 

 

 名乗りを挙げた宇宙人。それはかつて『カイザーダークネス(ウルトラマンベリアル)』に仕えてゼロ抹殺を企んだ宇宙人5人衆『ダークネスファイブ』の尖兵としてゼロの能力を調べる役割としてゼロに挑んだ『触角宇宙人バット星人グラシエ』なのである!

 

 奴はその時にゼロに倒された筈なのだが、今回何らかのきっかけで蘇ったのか、突如姿を現したのである。

 

 

 グラシエ「自己紹介は終わりました。では単刀直入に! ウルトラマンゼロはどこだかご存知でしょうかー?」

 

 

 健二「ゼロ…?何故ゼロの事を知っている!?」

 

 グラシエ「私は、かつてゼロを抹殺するために挑んだのですが、彼にに倒されてしまったのです。ですが何故か甦った私は、この世界にゼロが来ている事を知り、報復のためにやって来たのです!」

 

 グラシエは相変わらずの軽い敬語口調で健二たちに自身のゼロとの因縁を話す。

 

 

 早苗「ゼロさんと、以前交戦経験があったんだ…。」

 

 愛「てかこの世界にゼロも来ていたの!?」

 

 早苗が関心する一方、愛はこの世界にゼロも来ていたことを初めて知り驚く。

 

 

 “シュンッ”

 

 

 早苗「ひゃっ!?」

 

 

 瞬時に健二たちの目前までに移動した後、グラシエは問いかける。

 

 

 グラシエ「あなた達、ゼロの居場所をご存知ありませんか?」

 

 

 ゼロの居場所を問いかけるグラシエ。だが、健二たちもまたそのゼロの仲間であり光の戦士。例え知っていても素直に教える気は無かった。

 

 

 健二「分からない。…それに例え知っていても、教えないと言ったら…!?」

 

 

 そう抵抗しながら、エスプレンダーを取り出そうと懐に手を突っ込む健二。

 

 

 グラシエ「…やはりそう来ましたか~…仕方ありませんね。こうなったら無理矢理にでも炙り出すまでです!」

 

 

 グラシエはそう叫びながら空中に浮遊し、やがて指を鳴らす。

 

 

 “パチンッ”

 

 

 “ジジジジジジ…”

 

 

 “ズドーン”

 

 

 すると、突如空にワームホールのような空間の穴が現れ、そこから赤黒い稲妻のような光線が放たれる!

 

 

 それが地面に直撃して爆発すると、その爆風の中から二体の怪獣の影が現れる!

 

 

 最初は煙で黒い影のようにしか見えなかったが、煙が薄れるにつれ怪獣の姿が徐々にハッキリとしていく…。

 

 

 健二「…あれは…?」

 

 

 健二も早苗、愛も目を凝らして怪獣の姿を確認する。

 

 

 早苗「エレキングとレッドキング!?」

 

 

 怪獣の姿を確認した早苗は目を見開いてそう呟いた…!

 

 

 そう、彼女の言う通り、現れた二匹は外見がそれぞれ『どくろ怪獣レッドキング』と『宇宙怪獣エレキング』に酷似しているのである。

 

 

 いずれもかつて他の怪獣を倒した事があり、それぞれ『ウルトラマン』、『ウルトラセブン』と激闘を繰り広げた強豪怪獣である!

 

 

 しかし二体とも姿が若干異なり、レッドキングは普段よりも一回り大きく、エレキングは体の模様が青白くて何処か刺々しくなっており、両手には2本ずつ爪が生えている。

 

 

 グラシエ「ふっふっふ…確かに奴らはレッドキングとエレキングですが、普通よりも一味も二味も違うのですよ。」

 

 

 人差し指を振りながらそう言うと、グラシエは声高に怪獣たちの紹介を始める。

 

 

 グラシエ「エントリーNo. 1! 装甲怪獣レッドキング!!

 

 

 エントリーNo.2! 放電竜エレキング!!」

 

 

 グラシエに指名されると共に、レッドキングとエレキングはそれぞれ爆散するマグマと青白い雷(いかづち)バックに咆哮を上げる!

 

 

 そう、グラシエが呼び出した怪獣は『装甲怪獣レッドキング』と『放電竜エレキング』なのだ!

 

 

 いずれもあの最強・最速の戦士『ウルトラマンマックス』と激闘を繰り広げた怪獣であり、レッドキングはかつて太平洋上に突如出現した浮遊島『サブジェクト・ファントム』にて災いの神として君臨していた怪獣であり、マックスを苦戦させただけでなく、かつて古代人に作られた人工知能であり、その島を制御するシステムだった『電脳珍獣ピグモン』の守護獣『両棲怪獣サラマドン』と『飛膜怪獣パラグラー』を立て続けに倒してしまった事もある獰猛な怪獣であり、エレキングは『変身怪人ピット星人』の配下として、ある時は1人の女性のペットになりすまし、ある時は複数で襲撃して来たりなどしてマックスと二度に渡り戦った怪獣である!

 

 また、いずれもマックスと二度に渡り激闘を繰り広げたという共通点もある。

 

 

 恐らくグラシエはこの二体の戦歴を知って判断し、ゼロ抹殺として選び怪獣墓場から蘇らせたのであろう。

 

 

 健二「くっ…!」

 

 強敵怪獣の出現に緊張の表情で身構える健二と早苗。愛は早苗の後ろに隠れて怖気づいている。

 

 

 グラシエ「どうです?これぞかつてゼロにぶつけた地獄の四獣士以上に強力な、選りすぐりの二大怪獣!」

 

 

 健二「グラシエ…今から何をする気だ!?」

 

 

 グラシエ「決まってますよ?レッドキングとエレキングを暴れさせ、ウルトラマンゼロを炙り出すのです。行け!!」

 

 

 グラシエの指示を受けた二大怪獣は咆哮を上げた後、暴れようと街目掛けて進撃を始める!

 

 

 健二「止めろー!!」

 

 

 健二が焦りで叫んだその時…!

 

 

 “ズドーン”

 

 

 突如、二大怪獣の前方の地面から激しく土砂が巻き上がる!

 

 

 グラシエ「ああん?」

 

 健二「ん?」

 

 早苗「今度は何…?」

 

 

 グラシエと健二たちが見つめるその先の砂煙の中から咆哮を上げて現れたのは、先日主人であったアングラモンを失い、野良超獣となったギタギタンガであった!

 

 

 恐らくギタギタンガはあの後も、アングラモンから受けた破壊工作の指令を続行し、各地で暴れていたのであろう。

 

 そして今回、霞ヶ崎を襲撃しようと再び姿を現したのである!

 

 

 現れたギタギタンガは街目掛けて進撃しようとするが、すぐさまレッドキングとエレキングに気付き、睨み付けるように身構える。

 

 本能により、自身の邪魔をする怪獣に敵意を燃やしているのであろうか…?

 

 

 早苗「もう一体現れるなんて…。」

 

 健二「さなちゅん、俺たちも行くしかないね。」

 

 早苗「そうね…。」

 

 変身を決心しようとする健二と早苗。だが、現れたギタギタンガを見たグラシエは、顎に手を当ててしばらく考えた後、

 

 グラシエ「ちょうどいいですねぇ、レッドキングとエレキングの力を試してみましょうか。

 

 (健二たちの方を向いて)グレードアップした二体の力、あなた達に見せてあげましょう。

 

 (ギタギタンガの方を指差して)行け!!」

 

 

 ギタギタンガを、蘇らせた二体の実験台にする事にしたグラシエ。指示を受けたレッドキングは、指をポキポキ鳴らしてドラミングをした後、ギタギタンガ目掛けて突進する!

 

 

 ギタギタンガもレッドキング目掛けて駆け寄り、やがて二体は組み合う。

 

 

 始めは両者互角と思われたが、次第にギタギタンガが押され始めていき、やがてレッドキングはギタギタンガの両腕を掴んで軽く持ち上げて放り投げる!

 

 立ち上がったギタギタンガはレッドキングの胸部に横降りの頭突きを決めるがレッドキングは強靭なボディで耐え抜き、逆に両手でギタギタンガの頭部の角を掴んで屈ませ、顔面に膝蹴りを二発打ち込んだ後右拳のアッパーでかち上げ、その後頭部に左フックを決め、続けて腹部に右足蹴りを叩き込んで怯ませた後ヘッドロックを決め、そのまま走り込みながらフェイスクラッシャーで地面に叩き付ける!

 

 レッドキングはギタギタンガの頭部を両手で掴み、更に攻撃を加えようとするが、ギタギタンガはそれを振りほどき、レッドキングの身体に連続してパンチを打ち込むが、レッドキングはまるでダメージを受けた様子はない。

 

 逆にレッドキングは左手でギタギタンガの右腕を掴んで受け止め、そのまま右腕で頭部にカウンターのラリアットをぶち込んで転倒させる!

 

 更に転倒したギタギタンガに数回ストンピングを打ち込んだ後、サッカーボールのように蹴り転がした!

 

 

 圧倒的な力でギタギタンガを圧倒するレッドキング。流石はかつてマックスを苦戦させただけあって、その力には怪獣の上を行く超獣の一体であるはずのギタギタンガもまるで歯が立たない!

 

 健二たちも、その超獣をも圧倒するレッドキングの圧倒的な強さに見入っていた。

 

 

 立ち上がったギタギタンガは、頭部の角から酸欠ガスを噴射してレッドキングに浴びせる。

 

 だが、これもレッドキングにはまるで通用していない!強靭なパワーを持ち、かなりのタフネスでもあるレッドキングは、その分肺活量もとてつもなく高いのであろう…。

 

レッドキングはガスを浴びたまま近くの岩を持ち上げ、ギタギタンガ目掛けて投げつける!

 

 レッドキングの投げた岩はギタギタンガのガスを噴射している角に命中し、破壊してしまった!

 

 武器の発射口を破壊されて怯むギタギタンガ。

 

 

 グラシエ「さてお次は、エレキングの力!」

 

 

 指示を受けたエレキングは、口から三日月状の光弾『放電刃』を連射してギタギタンガにぶつける!

 

 ギタギタンガがそれを数発受けて怯んだところで、今度は長い尻尾を体に巻き付けて放電する。

 

 これぞエレキングの必殺技『エレクトリックテール』である!

 

 ギタギタンガの体中に青白い電気を流し込んだ後エレキングは巻き付けた尻尾を解く。ギタギタンガは完全にグロッキーとなった。

 

 

 レッドキングは動きを止めたギタギタンガを軽々と頭上高く持ち上げ、力一杯上空目掛けて放り投げる!

 

 そして力を溜めると、上空のギタギタンガ目掛けて口から勢いよく岩石を放つ!

 

 これぞ、サブジェクト・ファントムのレッドキングの必殺技であり、体内に溜め込んだ爆発性の高い岩石を吐き出す『爆発岩石弾』である!

 

 爆発性の高い岩石を全身に受けたギタギタンガはそのまま上空で大爆発し、粉々に砕け散った。

 

 勝利したレッドキングとエレキングは咆哮を上げる。

 

 

 ギタギタンガを引き立て役とし、その強さを証明した二大怪獣に戦慄する健二たち。

 

 健二「なんて強さだ…。」

 

 

 グラシエ「どうです!二大怪獣の強さは! これならばさしものゼロも大苦戦いや敗北間違いなしですねぇ~!」

 

 グラシエは二大怪獣の強さを自慢しつつ、再びゼロ打倒を宣言する。

 

 

 それを聞いた健二は、戦慄しつつも振るえるほど強く拳を握った後、言い出す。

 

 

 健二「…行こう、さなちゅん。」

 

 

 早苗「!…ケンちゃん?」

 

 

 健二の思わぬ発言に早苗は少し驚く。だが、健二はそんな早苗の気持ちを分かっているかのように続ける。

 

 

 健二「分かる。お前も見ただろ?あいつらの強さ。俺だって怖いさ。

 

 だが、今食い止めておかないと街に被害が出てしまう…。

 

 それに…今の俺たちは、ウルトラマンなのだから…!」

 

 

 早苗「ケンちゃん………そうだね。ゼロさん…櫂さんも、いつも頑張ってくれてるもんね。私たちも、折角ウルトラマンから光を授かったんだし…!」

 

 健二「俺たちも、櫂さんと肩を並べられるように…。」

 

 早苗「愛ちゃん…下がってて…。」

 

 愛は心配そうな表情で、無言で安全な所へ下がっていく。

 

 

 健二と早苗は遂に変身を決心し、健二はエスプレンダーをはめた右手を左肩に当てて手前に突き出し、早苗はアグレイターはめた右腕を下におろし、アグレイターの翼状のパーツを左右に展開させる。

 

 

 “ピキーン”(所謂エスプレンダー発光音)

 

 

 “ピシーン ガガガガガガ…ファイーン”(所謂アグレイター点滅&発光音)

 

 

 エスプレンダーは赤い光を放ち、アグレイターは発光部を激しく点滅させながら青い光を放ち、健二と早苗は光に包まれる。

 

 

 そして赤と青の光の中から、『ウルトラマンガイア』と『ウルトラマンアグル』(いずれもV1)が飛び出す!

 

 

 “ズドーン”

 

 

 W(ダブル)変身により登場したガイアとアグルは激しく土砂を激しく巻き上げながら着地する。

 

 

 構えを取るガイアとアグル。レッドキングとエレキングもそれに気づき身構える。

 

 

 グラシエ「おぉ、アメイジング! まさかあなた方もウルトラマンだったとは…!」

 

 健二と早苗がガイアとアグルである事を知らなかったグラシエは、2人の変身に少し驚き、そして…、

 

 

 グラシエ「いいでしょう。ゼロを抹殺する前に、まずはあなた方の力を試してみましょうか。」

 

 

 健二「絶対にやらせない! ゼロは、俺たちの仲間だ!」

 

 

 グラシエ「ゼロの仲間ですか…なら、尚更倒さなければなりませんねぇ〜…

 

 

 では、ゲームスタートと行きますか。行け!レッドキング!エレキング!」

 

 

 グラシエの指示を受けたレッドキングとエレキング、そしてガイアとアグルは、互いに地響きを立て、土砂を巻き上げながら駆け寄る!

 

 

 因みに互いに駆け寄る際、一歩踏むごとに土砂が激しく巻き上がっているのだが、この様子はガイアとアグルは地球出身故に2人の力に地球の大地が呼応しているように見えるのに対し、レッドキングとエレキングの方は二体の破壊する意思が大地にも伝わり、二体が駆けるだけでも地球の破壊を進めているように見える。

 

 即ち同じ動きでも全く違う印象を受けるため感慨深いものを感じる。

 

 

 ガイアはレッドキング、アグルはエレキングと、それぞれ相手する事になった。

 

 

 ガイアはレッドキングに駆けて接近すると同時に右足の前蹴りを叩き込む。

 

 レッドキングは少したじろぐが、大してダメージを受けた様子はなく、ガイアは続けて胸部に右肘でエルボー、左手チョップを首筋の右側に叩き込むがレッドキングはこれも耐え抜き、再び攻撃しようと向かって来たガイアの胸部にカウンターパンチを打ち込んで弾き飛ばした。

 

 ガイアは少し怯むが直ぐに体勢を立て直し、レッドキングの右フックをしゃがんでかわすと同時に後ろに回り込み、しがみ付いておんぶされるような形でマウントを取って頭部にチョップを打ち込むが、直ぐさま前方に放り投げられ地面に落下する。

 

 レッドキングは、横たわるガイアをサッカーボールのように何度も蹴って転がした後、両手で首を掴んで立ち上がらせ、そのまま締め上げ始める…!

 

 

 エレキングと対するアグルは、最初は腕のリーチの差を活かして殴り込みをかわしてからのキックで応戦していたが、跳び蹴りを放とうと高く跳躍した時、エレキングの全身を大きく回転させて放った長い尻尾の打撃を喰らって地面に落下してしまう。

 

 アグルは気を取り直して立ち上がると、接近して来たエレキングと組み合うが、エレキングはそのまま全身に青白い電気を走らせてアグルに感電させ、怯んだ隙に更に電気を走らせた両手の爪による引っ掻き攻撃を連続で繰り出し、それを受けたアグルは火花を散らせながら吹っ飛ぶ。

 

 体勢を立て直したアグルは、広げた両手の間に発生した光の帯を光弾『リキデイター』に変えて放つ!

 

 しかし、エレキングはそれに動じずに口から青白い光弾を連射して、リキデイターに数発当てた後相殺する!

 

 そしてアグルに動揺する間も与えずそのまま光弾の雨あられを浴びせる…!

 

 

 一方レッドキングは、尚もガイアの首を締め上げ続けていた…。

 

 

 “ガチッ”

 

 

 だが、ガイアは苦しみつつもがむしゃらにレッドキングの右足の甲を左足で踏みつけ、それによりレッドキングが痛がりながら手を放した隙に腹部に前蹴りを叩き込んで後退させる。

 

 

 向かい合う両者。足の甲を踏まれたレッドキングだが痛かったのは踏まれた時のみだったようであり、今は痛みを感じず逆に怒りに火が点いてしまっていた。

 

 

 健二「一気にカタを付けてやる!」

 

 

 健二(ガイア)はそう叫ぶと、腕を十字に組んでエネルギーを溜め、右腕をL字型に構えて左手を右腕の関節に乗せて必殺光線『クァンタムストリーム』を発射する!

 

 

 レッドキングも力を溜めると、口から勢いよく爆発岩石弾を放つ!

 

 

 光線と岩石は、両者の間で激しく爆発を起こしながらぶつかり合う。

 

 

 健二「うぉぉぉぉぉぁぁぁあああ…!!」

 

 

 ガイアは更に力を込めて光線の威力を増していく。光線は岩を破壊しつつ徐々にレッドキングに向かう。

 

 

 だがその時!

 

 

 グラシエ「おやおや、いいんですか?そんな事しちゃって。」

 

 健二「…何ッ!?」

 

 突然グラシエが意味深な発言をし、健二(ガイア)はそれに気づく。

 

 

 グラシエ「今ここでレッドキングを爆破すれば、あなた自身はもちろん、この辺一帯も吹っ飛んでしまいますよ~?」

 

 

 健二「何ワケの分からんことを抜かしやがる!」

 

 

 グラシエ「レッドキングの吐き出す岩石は爆発性の高いモノ。それが体内に詰まっているという事は…もうお察しできるでしょう?」

 

 

 健二「…はっ!?」

 

 

 グラシエの発言でようやく気付いた健二。

 

 そう、今ここでレッドキングを爆破してしまうと大爆発を起こし、自分や早苗、愛はもちろんの事、民家も存在する周囲一帯が吹っ飛んでしまう危険性があるという事に…!

 

 今のレッドキングは“動く火薬庫”同然なのである!

 

 

 動揺により光線の威力が弱まるガイア。その隙にレッドキングは更に力を入れて岩石を発射し、クァンタムストリームを完全に相殺した後そのままガイアにぶつける!

 

 岩石の直撃を受けたガイアはたまらず吹っ飛び、地面に叩き付けられる!

 

 

 グラシエ「くくく、脆い…脆いですねぇ、あなた方がゼロの仲間なのも頷けます。」

 

 健二に皮肉のこもった言葉を言い放つグラシエ。

 

 

 地面に横たわるガイア。爆発岩石弾の直撃により受けたダメージは相当なモノなのか、悶絶したまま起き上れない。

 

 

 更に大きなダメージを受けた影響か、危機を知らせるようにライフゲージも点滅を始める…!

 

 

 レッドキングはガイアに接近すると、両手で右腕を掴み、そのまま軽々とスイングして地面に叩き付ける。

 

 続いてガイアを軽々と頭上高く持ち上げ、軽々と放り投げて地面に叩き付けた後、横たわるガイアの腹に蹴りを入れて吹っ飛ばす。

 

 ガイアはよろけながらも立ち上がり、残された力を振り絞り右足で横蹴りを放つが易々と脚を掴まれることで受け止められ、その状態で跳躍して左脚で蹴りを放つがまたしても脚を掴まれることで受け止められる。

 

 そしてレッドキングはそのままガイアの両足を掴んだ状態でジャイアントスイングで何度も振り回した後遠方へと思い切りぶん投げる!

 

 投げ飛ばされたガイアは岩山にぶつかった後、崩れ落ちるように地面に倒れる…。

 

 

 エレキングと対するアグルも不利な状況に追い込まれていた。

 

 アグルは突進するエレキングの角を両手で掴みなんとか抑え込むが、その隙にエレキングは長い尻尾をアグルの首に巻き付け、そのまま振り回して地面に叩き付けた!

 

 更に尻尾をアグルの全身に巻き付け、力を込めて放電する!

 

 

 エレクトリックテールをモロに喰らってしまったアグルは、エレキングが尻尾を解いた後、その場に崩れるように倒れ込んでしまった。

 

 

 アグルもまた、大ダメージを受けたことによりライフゲージが点滅を始める。

 

 

 それぞれウルトラマンをダウンさせたレッドキングとエレキングは得意げに咆哮を上げる。

 

 

 グラシエ「もう少し骨のある方だと思いましたが、ここまでですか。

 

 実に呆気ないですが、お陰でゼロを倒すためのいいウォーミングアップになりました。

 

 トドメです!」

 

 

 グラシエの指示を受けたレッドキングとエレキングは、それぞれガイアとアグルにトドメを刺そうと接近を始める…!

 

 

 早苗「そんな…。」

 

 健二「…チクショゥ…!」

 

 

 悔しがる健二と早苗。正に絶体絶命!

 

 

 

 一方、そんな戦いを少し離れた場所から見つめている者たちがいた。

 

 その者たちこそ、再びこの世界にふらりとやって来たさすらいの風来坊と、それにお供する宇宙人の風来坊、そして、そんな彼らに懐く珍獣が…!

 

 謎の反応を感知してやって来たガイとバルタ、ピグモンが、ガイア達の戦いを見つめていたのである。

 

 

 ガイは、今にもやられそうになっているガイアとアグルを見て遂に居ても立っても居られなくなった。

 

 

 ガイ「バルタ…お前の分身で奴らを翻弄しててくれ。」

 

 バルタ「心得たぜ旦那!」

 

 

 “ピシィィィン”

 

 

 “フォッフォッフォッフォッフォッフォ…”

 

 

 バルタは了解すると、古布を脱ぎ捨て、ハサミ状の両手をクロスした後頭の横に立て、特殊音声と共に巨大化すると共にガイア達の方へ瞬間移動して現れる。

 

 

 いきなり現れたバルタン星人。それには健二と早苗はもちろん、グラシエも驚きを隠せなかった。

 

 グラシエ「おやおや、いきなり何です?」

 

 健二「ッ!?こんな時にバルタン星人まで!」

 

 早苗「何て事なの…。」

 

 

 だが、健二たちは即座に気付いた。それは、バルタン星人は自分達ではなく、怪獣達の方を向いて身構えているという事を…。

 

 

 そして、バルタはガイアとアグルの方に振り向いて語り掛ける。

 

 

 バルタ「お困りのようだねぇ。」

 

 

 早苗「貴方は…一体誰ですか?」

 

 

 バルタ「誰でもない。ただの風来坊さ。」

 

 

 グラシエ「何を訳の分からぬことを。やっておしまい!」

 

 

 指示を受けたレッドキングとエレキングはバルタ目掛けてそれぞれ爆発岩石弾と放電刃を放つ。

 

 

 だが、バルタはまたしてもバルタン星人おなじみの効果音と笑い声と共に青白い自身の残像を残して移動する形でかわす。

 

 岩石と光弾はバルタの残像をすり抜ける形で不発に終わる。

 

 

 二体が動揺している隙に更にバルタは二体の周囲に瞬時に自身の分身を多量に発生させ始める!

 

 

 これぞ、宇宙忍者バルタン星人の特技の一つ『分身の術』である。

 

 

 レッドキングとエレキングは当てずっぽうにバルタの分身目掛けて岩石と光弾を発射したり殴り掛かったりしていくが、いずれもすり抜けて空ぶる一方であり、見事に翻弄され始めていた。

 

 

 レッドキングに関してはイライラしてきたのか、自身の頭を叩き始めている。

 

 

 健二「スゲェ…。」

 

 早苗「流石は宇宙の忍者だわ…。」

 

 バルタン星人の超能力を目の当たりにし感心する健二と早苗。

 

 

 一方ガイはバルタが二体を翻弄している間に変身に入ろうとしていた。

 

 

 ガイ「ピーちゃん…少し下がっててくれ。」

 

 どうやらガイは、ピグモンの事を“ピーちゃん”と呼んでいるようだ(笑)

 

 ガイの言葉を聞いたピグモンは、一旦ガイの側から離れ、安全な所まで下がって木陰から見守り始める。

 

 

 遂に変身の時が来たガイは、オーブリングを突き出し、金色の光に包まれる…!

 

 

 ガイ「タロウさん!」

 

 《ウルトラマンタロウ!》

 

 タロウ「トァーッ!」

 

 

 ガイ「メビウスさん!」

 

 《ウルトラマンメビウス!》

 

 メビウス「セヤッ!」

 

 

ガイはウルトラマンタロウとウルトラマンメビウスのフュージョンカードをオーブリングにダブルリードし、ガイの両側に二人のビジョンが並び立つ。

 

 

 ガイ「熱いやつ、頼みます!」

 

ガイはタロウとメビウスのビジョンと共に一度両腕を広げた後、体を左側にひねり勢いよくリングを揚げる!

 

 

 《フュージョンアップ!》

 

 

 ガイは光に包まれ、リングは音声と共に側面のカバーが展開し、エレキギター調のメロディと共に赤、白と光った後に黄色に輝き、そしてガイはタロウとメビウスのビジョンと合体するかのように重なり炎のような光に包まれ、やがてその光が下から消えていき姿を現す。

 

 

 《ウルトラマンオーブ! バーンマイト!》

 

 

 姿を現した『ウルトラマンオーブ・バーンマイト』は、炎をバックにメビウスの輪のマークが浮かび上がり、やがて爆発と共に波紋のマークが浮かんだ、所謂タロウとメビウスのタイトルバックと巨大化カットが合わさったような背景で、手を広げた状態で飛び出す!

 

 

 (バーンマイト戦闘BGM)

 

 

 オーブは体に炎を纏った状態で空中で数回ひねりや回転を加えた後、その回転力や落下のスピードを活かして急降下キックを放つ!

 

 

 ガイ「オリャーッ!」

 

 

 “ズガーン”

 

 

 炎を纏った『スワローキック』の直撃を受けたレッドキングは爆発と共に大きく転倒し、キックを決めたオーブは着地を決めると共に体に纏っていた炎を消滅させて姿を現す。

 

 

 ガイ「紅に燃えるぜっ!」

 

 オーブは振り向くと共に口上を決める。

 

 

 颯爽と登場したウルトラマンオーブ。ほぼ諦めかけていた健二(ガイア)と早苗(アグル)は驚愕と共にそれを見上げ、戦いを見守っていた愛も目を見開いて驚く。

 

 健二「…何だ…?」

 

 早苗「あの戦士は…?」

 

 愛「なんか…かっこいいかも。」

 

 

 バルタ「では、拙者はここで…。」

 

 そう言うと、バルタは自身の分身を消滅させると共に等身大に戻り戦いを見守り始める。

 

 

 グラシエ「全く、次から次へと何です?」

 

 グラシエはさっきから続けて現れる乱入者に呆れ気味になりつつも二体に指示を出す。

 

 

 レッドキングはオーブに接近し、オーブも両手の拳同士をぶつけて気合を入れる。

 

 両者はメンチを切るようにお互い睨み合いつつ接近し合った後、激しいパンチの応酬を始める!

 

 腕と腕、拳と拳が激しくぶつかり合い、やがてオーブはレッドキングの右フックを左腕で受け止めて右拳で叩き落とした後、跳躍しつつ左腕でラリアットを繰り出すがしゃがんでかわされる。

 

 

 両者は互いに手と手を組み合い、互いの腕が震える程の力比べを繰り広げる。

 

 やがて組み合った両者の腕が下にねじ込まれた時、オーブは頭突きをレッドキングの頭部に打ち込み、その痛みによりレッドキングが怯んだ隙に更に膝蹴りを腹部に叩き込んで前屈みにさせた後、レッドキングの首の後ろに左腕を回し、右手で掴んだレッドキングの左腕を自身の首の後ろに引っ掛け、そのまま勢いよく後ろに倒れ込みブレーンバスターで地面に叩きつけた!

 

 

 更に怒ったレッドキングは砂、石などを振い落としながら立ち上がり、オーブ目掛けて爆発岩石弾を放つ。

 

 

 ガイ「ストビュームフット!」

 

 

 “ズガン”

 

 

 オーブは迫り来る岩石をしゃがんでかわすと共に足に炎を纏って滑り込むように突っ込み、炎の蹴りを足払いのように繰り出し、それを右足(先ほどガイアに踏まれた部位)に受けたレッドキングは、痛そうに右足を押さえながら転倒した。

 

 

 レッドキングが押され始めた事に気付いたエレキングはオーブ目掛けて放電刃を連射する。

 

 

 オーブは迫り来る光弾を、手刀で弾きつつ軽快なフットワークでかわしていき、やがて赤黒い光に包まれる…。

 

 

 ガイ「ゾフィーさん!」

 

 《ゾフィー!》

 

 ゾフィー「ヘアッ!」

 

 

 ガイ「ベリアルさん!」

 

 《ウルトラマンベリアル!》

 

 ベリアル「ゼェェアッ!」

 

 

 ガイ今度はゾフィーとウルトラマンベリアルのカードをダブルリードし、ガイの側面に二人のビジョンが並び立つ。

 

 

 ガイ「光と闇の力、お借りします!」

 

 ガイはゾフィーとベリアルのビジョンと共に右腕を揚げた状態から左腕を大きく回した後リングを揚げる!

 

 

 《フュージョンアップ!》

 

 

 ガイは光に包まれ、リングはオーケストラ調だがより荘厳で禍々しいメロディと共に黄色、濃い紫と光った後に赤黒く輝き、そしてガイはゾフィーとベリアルのビジョンと合体するかのように重なり赤黒く禍々しい光に包まれ、やがてその光が下から消えていき姿を現す。

 

 

 《ウルトラマンオーブ! サンダーブレスター!》

 

 

 姿を現した『ウルトラマンオーブ・サンダーブレスター』は、かつてベリアルを閉じ込めていた宇宙牢獄が砕けた後に十字状の光が放たれ、青い光と赤黒い闇が交互に映り、やがてエメラルド色の光と赤黒い稲妻のエフェクトを背に右腕を突き出して飛び出す!

 

 

 (サンダーブレスター戦闘BGM)

 

 

 ガイ「闇を抱いて光となる!」

 

 

 “ドガンッ”

 

 

 オーブは口上を述べながら右腕で放電刃を防ぎつつ走ってエレキングに接近し、赤黒い光を纏ったパンチを顔面に叩き込んでエレキングを吹っ飛ばした!

 

 

 早苗「…姿が変わった?」

 

 愛「あ、あれもかっこいい…でも、ちょっと怖いかも?」

 

 突如姿を変えたオーブには早苗たちも驚きを隠せなかった。

 

 

 エレキングはエレクトリックテールを決めようと尻尾をオーブの右腕に巻き付ける。

 

 だが、オーブは電気を流し込まれる前に逆に勢いよく自身の右腕に巻き付いた尻尾を引っ張り、それによりエレキングは高く引き上げられた後大きく弧を描いて地面に激突する。

 

 

 エレキングは立ち上がると、今度はレッドキングと共にオーブに襲い掛かる。

 

 オーブは駆け寄って来る二体に正面から突っ込んで行き、やがて自身が二体の間に来る形でレッドキングに左腕、エレキングに右腕と同時にラリアットを叩き込んで転倒させる。

 

 そしてオーブは片手でそれぞれの頭を掴んで起き上らせた後、エレキングの頭部にパンチ、レッドキングの腹部にキックをそれぞれ叩き込んで吹っ飛ばした。

 

 

 自分たちが苦戦した怪獣二体と互角以上に戦うなんて…健二と早苗はオーブの強さに感心すると同時に驚愕していた。

 

 

 グラシエ「ふっふっふ、面白い…実に面白いですねぇ!」

 

 突如グラシエがオーブと怪獣たちの間に浮遊した状態で現れ、両者は一旦戦闘態勢を解く。

 

 

 グラシエ「ウルトラマンゼロに報復しようとやって来たのですが、見た事もないウルトラマンとこんなにも遭遇する事になろうとは…。」

 

 ガイ「お前の狙いは、ゼロさんを抹殺する事だったのか。」

 

 グラシエ「そうです。どうやら貴方もゼロと何か関係があるようですねぇ。」

 

 ガイ「あぁ。ゼロさんは俺の師匠でもあり仲間だ。それを狙うなど、俺が許さない。」

 

 ガイ(オーブ)はグラシエの目的を知り、再び身構える。

 

 

 健二「グラシエ…貴様ー!!」

 

 ガイアはよろめきながらも立ち上がる。

 

 グラシエ「おやおや、そんなボロボロの状態でまだやろうってのですか?」

 

 健二「当たり前だ!!こんなにもやられて…黙っていられるか!!」

 

 

 惨敗してもなお闘志を維持している健二(ガイア)の姿を見たグラシエは…。

 

 グラシエ「なるほど…気が変わりました。では猶予を与えましょう。それまでに強くなって来る事ですね。」

 

 健二「何ッ!?」

 

 早苗「猶予?…それはいつまでなの!?」

 

 グラシエ「いつまでとかはありませ~ん。あなた方が強くなり次第、いつでもどうぞ。」

 

 ウルトラマンとしてまだ未熟な健二と早苗は、完全にグラシエに舐められてしまっていた。

 

 それを知った二人。ガイア(健二)は悔しそうに地面を殴り、アグル(早苗)は途方に暮れたように下を向く。

 

 

 ガイ「彼らが強くなるまでの間、お前はどうする気だ?」

 

 グラシエ「もちろん、ゼロの抹殺は取っておくつもりですよ~?メインディッシュは最後に取っておかないと。

 

 …それに、あなたの事も気になりますしねぇ。その姿、どうやら貴方は“あのお方”からも力をお借りしているようですねぇ。」

 

 グラシエが言う“あのお方”とは、もちろんベリアルの事である。

 

 

 グラシエ「では、またの機会を!」

 

 

 “ズドーン”

 

 

 グラシエは、怪獣二体と共に、赤黒い稲妻状の光と共にその場から姿を消した…。

 

 

 ベリアルの力も借りている事に触れられたオーブは何か考え事をするかのようにその場に立ち尽くし、ガイアとアグルは尚も悔しそうな素振りを見せていた…。

 

 

 しかし、グラシエは何故蘇ったのであろうか………?桜井敏樹がウルトラマンテラの力により蘇生させたのか、それとも彼のゼロへの私怨が彼を蘇らせたのか、もしかするとベリアルがゼロを抹殺させるために蘇らせたのか………?

 

 こればかりは謎のままであった。

 

 

 

 やがて3人は変身を解いた。

 

 早苗「大丈夫?ケンちゃん…。」

 

 健二「あぁ…すまねぇ…。」

 

 健二は特に傷が深いのか、早苗と愛に肩を貸してもらっていた。

 

 

 ガイ「危ない所だったな。」

 

 突如声のした方を振り向く2人。そこには先ほど自分たちを助けたガイとバルタ、そしてピグモンが立っていた。

 

 

 健二「誰だ?アンタは。」

 

 早苗「それにバルタン星人とピグモンまで…?」

 

 愛「それに…男の人が、ピグモンに懐かれてる…?」

 

 突然の見知らぬ1人の男が異形の生物二体を引き連れている妙な光景に驚きつつも疑問を投げかける3人。

 

 

 ガイ「俺はクレナイ・ガイ。通りすがりの風来坊さ。」

 

 名乗ったガイ。すると健二は更なる事に気づく。

 

 健二「もしかして…さっきのウルトラマン?」

 

 ガイ「フッ、流石に察しがいいな…ま、俺の側にバルタもいるから気づくか。」

 

 バルタ「拙者、バルタン星人のバルタと申す。ガイと旅先で知り合いお供している風来坊だ。」

 

 ガイに指名されたバルタは自己紹介をする。

 

 ガイ「そしてこのピグモンも、同じく旅先で知り合い、しばらくは俺たちと一緒する事になった者だ。」

 

 ガイは自身にじゃれ付くピグモンの頭を撫でながら紹介する。

 

 

 3人「…はぁ…。」

 

 健二たちはまだちょっとキョトンとしている。

 

 

 ガイは更に詳しく話した。自分たちがなぜこの世界に来たのか、自分は何者なのか、そしてゼロとの関係など…。

 

 ピグモンにより治療を受けながら話を聞いた健二たちはようやく理解したようだった。

 

 健二「じゃあ…誰かに呼ばれて来たというわけではないのか。」

 

 早苗「ゼロさんって、結構顔が広いのね…。別宇宙にも仲間がいるのに加え、ピグモンとも仲が良いなんて…。」

 

 愛「ウルトラマンオーブも、初めて聞く名前ですね。とてもカッコいいです!」

 

 愛からカッコいいと言われたガイは照れ顔になりそうになりながらも話を続ける。

 

 ガイ「ゼロさんは俺の師匠でもあり、共に戦った仲間だ。そのゼロさんがこの世界に来ている事を知って来たんだが…君たちは何か知っているか?」

 

 健二「…それは…。」

 

 ガイからゼロの居場所を聞かれた健二たちは返答に困る…。

 

 今ではゼロを呼び出すのは、彼と一体化している櫂を呼び出すようなものなのであり、櫂がゼロである事をあまり広めないようにしているのだろうか…?

 

 ガイ「知らないならいいさ。」

 

 

 健二たちは少しホッとした後、バルタにも話を振ってみる。

 

 健二「バルタは何処の星出身なんだ?」

 

 少し躊躇いつつもバルタは答える。

 

 バルタ「…拙者の星は今は無い。バルタン星は、地球人の行き過ぎた核実験で無くなってしまったからな。」

 

 早苗「そんな…。」

 

 思わぬ真実を知った早苗は言葉を失う。まさか、自分たちの星が他の星の住人に大きな被害を与えていたなんて…。

 

 健二「では、地球人が憎いのか?」

 

 バルタ「確かに拙者は地球人を恨んだ。しかし、その一方で宇宙を旅してみたいとも思っていた拙者は、放浪の旅に出掛けることにした。」

 

 そして放浪の旅を続け、様々な星の文明等に触れていく内に改心し、更にガイと知り合って地球に訪れた事により、僅かながらも地球人の進歩、自然等の美しさに魅了されたのだという。

 

 バルタ「だから、拙者に帰る場所などない。宇宙を放浪する。それが拙者の生きがいなんじゃ。」

 

 愛「旅をしていく内に心が変わり、憎き対象も愛すべき者に変わったか…何だか素敵です!」

 

 早苗「地球人は確かに、自分たちの価値観や正義感によって他の星の宇宙人や怪獣たちにも危害を加えた事もあった…。でも、今はそれらを反省し、少しずつだけど進歩しつつある…。」

 

 健二「俺たちも、そんな地球人の一人として、これからも地球や宇宙のために頑張って行かないとな。」

 

 三人は地球人として頑張って行く気持ちを一新した。

 

 

 ガイ「しかし、まさかこの世界にもガイアさんとアグルさんが存在し、その力を君たちが継いでいたとはな。」

 

 健二「はい。まだ未熟だけど、一生懸命やっています!………と言いたい所だが…さっきは…。」

 

 健二は、先ほどの戦いでの惨敗を思い出し、悔しさから拳を強く握り始める。

 

 早苗「先ほどの敵は余りにも強力で、まるで歯が立ちませんでした…。」

 

 早苗もまた悔しさから俯き始める…。

 

 

 気が付くと、ピグモンも何やら元気が無さそうに縮こまっていた。

 

 ピグモンもかつてはレッドキングに殺された身(このピグモンがその同一個体かどうかは不明だが)。その記憶が蘇ってしまったのであろう。

 

 

 ガイ「無理もない。奴らは強力な怪獣たちだ。あの最強・最速のマックスさんでさえ苦戦した相手だからな。」

 

 ガイは、何処から得た情報かは不明だが更に詳しく話した。あのレッドキングとエレキングがマックスと戦った個体であるという事、そもそもマックスとは何なのか、そして、普通のレッドキングとエレキングとどう違うのかを…。

 

 健二「なんてこった…最強・最速の戦士をも苦しめた怪獣だと?」

 

 早苗「私たちはそんな奴らと戦ってたなんて…。」

 

 驚きを隠せない健二と早苗。

 

 

 すると今度はピグモンが何かを話し始めた。

 

 バルタはそれを通訳して代弁する。

 

 それは、かつてサブジェクト・ファントムにてレッドキングを封印していたピグモンの事である。

 

 そのピグモンもまたレッドキングに狙われた事があり、それを守ろうとした怪獣・サラマドンとパラグラーを立て続けに倒してしまった事を。

 

 ピグモンは、それほどレッドキングが獰猛で残忍である事を知らせたかったのである。

 

 しかし、このピグモンが何故サブジェクト・ファントムのピグモンの事を知っているのか?そこばかりは謎である。

 

 

 愛「…うっ…うっ…すんっ…。」

 

 突然泣き声が聞こえ、ガイがその方を振り向くと、愛がすすり泣きを始めていた。

 

 ガイ「…何故泣いているんだ?」

 

 愛「だって…自分を守ってくれていたという事は、仲間だったという事でしょ?…それが殺されるなんて、どんなに辛いか…。」

 

 例えどんな者であれ命を尊ぶ慈悲深い心を持っている愛。それ故に、バルタの境遇に加え、ピグモンの守護獣が殺された事の話を聞いて心が痛んでいたのだった。

 

 

 早苗「何て心無い奴なのかしら…。」

 

 健二「愛さえ知らずに育ったモンスターめ…命を簡単に切り捨てるなんて…絶対に許せねぇ!」

 

 健二と早苗も、レッドキングへの怒りがひしひしと湧き上がっていた。

 

 

 健二「でも俺は…そんな奴にまるで力及ばず…ほぼ一方的にやられた………。

 

 悔しい………!奴を…投げ返したい………!!」

 

 

 先ほどの戦いで、レッドキングに何度も投げ飛ばされた事へのこの上ない悔しさを感じ始める健二。

 

 自分はウルトラマンという強大な力を得たというのに、そんな自分があんなに軽々と何度も投げられてしまうなんて…。

 

 

 ガイ「俺が、奴を投げ返せるようになるようにしてやろう。」

 

 健二・早苗「え?」

 

 ガイの言葉に健二と早苗は顔を上げる。

 

 ガイ「先ほどグラシエはお前たちに強くなるまで待ってやると言ったが、恐らく奴はその間も別の街を襲ったり、ゼロさんを見つけ次第暗殺したりするだろう…。そうなる前に、お前らが奴らにリベンジ出来るように手を貸してやる。」

 

 早苗「私たちが、奴らに勝てるようにしてくれるって事?」

 

 健二「しかし、一体どうすればいいんだ…?」

 

 

 健二たちの問いかけを聞いたガイは、帽子を深々とかぶった後…、

 

 

 ガイ「明日の正午過ぎ、町外れの採石場に来るんだな。」

 

 

 健二「採石場…?」

 

 

 ガイ「今日はここまでだ。あばよっ!」

 

 

 バルタ「では、そゆことで~…。」

 

 

 ガイは、バルタとピグモンと共に何処かへと去って行った…。

 

 

 健二「俺が…アイツ(レッドキング)を投げられるようにしてくれるのか…?」

 

 早苗「それってひょっとして、私たちに力をくれるって事かしら?」

 

 健二「まあとにかく、奴らにリベンジするためならこの際、行ってみよう…。」

 

 困惑しつつも、健二と早苗はガイに言われた通りにする事にした。

 

 

 翌日の昼過ぎ、健二と早苗はガイに言われた通り採石場を訪れる。

 

 

 案の定、ガイがバルタとピグモンと共に待っていた。

 

 

 健二「言われた通り来たぞ。風来坊さん。」

 

 早苗「単刀直入だけど…私たちに力をくれるのですか?」

 

 

 すると、ガイはこう答えた。

 

 ガイ「力をあげるんじゃない…お前らが自身の中に眠る力を引き出せるようにするんだ。」

 

 

 早苗「…ぇえ?」

 

 健二「どういう事だ?」

 

 

 疑問を投げかける健二と早苗にガイは語り掛ける。

 

 ガイ「お前らはそれぞれガイアさんとアグルさんの光を手にした。だが、その二人のウルトラマンさん方の光の力を、まだ十分に使いこなせていない。」

 

 健二「何でそれが分かるんだよ?」

 

 

 ガイ「俺はかつて別世界でガイアさんとアグルさんと共に戦った事があるからだ。お前らは弱いんじゃない。ガイアさんとアグルさんの本当の力をまだ出し切れていないだけなんだ。

 

 だからこれから三日間、それが出来るようになるよう俺が手を貸してやる。」

 

 

 早苗「一体、何をするつもりですか?」

 

 

 

 ガイ「決まってるだろ?…特訓さ!」

 

 

 

 健二「(早苗の方を向いて)とっ…?」

 

 

 早苗「(健二の方を向いて)くん…?」

 

 

 健二・早苗「(同時に正面を向いて)特訓!?」

 

 

 ガイの思わぬ発言に健二と早苗は驚きを隠せなかった。

 

 まさかの特訓を提案したガイ。彼はかつてレイバトスを倒すためにウルトラセブンとゼロの親子を相手に特訓をした事があるため、その経験からであろう。

 

 

 ガイ「この三日間で行う特訓はもう決めている。それをクリアすれば、奴らに勝つための力を引き出せるはずだ。どうだ?」

 

 

 健二と早苗は緊張の表情で少し考え始めた…。

 

 

 ガイ「決めるのはお前らだ。嫌と言うなら俺が今すぐ奴らを倒して来てやる。」

 

 

 しばらく考えた後、二人は遂に決心した。

 

 健二「これをクリアすれば、俺は奴(レッドキング)を投げ返せるんだよな…。」

 

 早苗「えぇ…それに、奴(エレキング)の多彩な攻撃も攻略できるかも…。」

 

 健二「そして、これも櫂さんに近づくための一歩として…。」

 

 

 すぅ~…(←所謂息を大きく吸う音)

 

 

 健二・早苗「お願いします!!」

 

 

 二人の決意に満ちた真剣な表情を見たガイは、すこしフッと笑った後返事をする。

 

 ガイ「いいだろう。それでこそウルトラマンさんに選ばれし者だ。」

 

 

 バルタ「では、拙者とピグモンはマネージャーと言う事で。」

 

 ピグモン「ぴ~!」

 

 

 かくして、オーブ(ガイ)によるガイア(健二)とアグル(早苗)の特訓の三日間が幕を開けた!

 

 

 ガイ「本日最初の特訓は、人間の姿での基礎体力の向上。まずはこの採石場を走って10週だ!」

 

 

 健二・早苗「え!?」

 

 

 …果たして健二と早苗はガイによる特訓をクリアし、三日後にグラシエ率いる二大怪獣にリベンジできるのであろうか…!?

 

 

 (ED:ウルトラの奇跡)

 

 

 

 [エピローグ]

 

 

 健二と早苗は、三日後にレッドキングとエレキングにリベンジするためにガイによる特訓を始めていた。

 

 

 一番最初は、人間の姿での基礎体力のためということで採石場を走って10週である。

 

 

 …だが、これがただのランニングであるハズが無かった………。

 

 

 “チュドーン” “ズドーン”

 

 

 健二「うぉわっ!?」

 

 早苗「きゃっ!?」

 

 

 なんと、ガイは手から発射する光弾を、走る健二と早苗の後ろの地面で爆発させているのだ…!

 

 これは“常に戦いに危機感を持てるようになるために”…みたいだが………。

 

 

 ガイ「ほらほら、もっと速く走らないとヤバいぞ~?」

 

 バルタ「傷薬は拙者たちが持ってますので、問題ないぜ!」

 

 

 健二「こんなの無茶苦茶だ~~~!!!」

 

 

 やはりガイの特訓はセブンとゼロ直伝の特訓。一筋縄で行くモノではなかった………。

 

 

 頑張れ!健二!早苗! ガイアとアグルの光を宿し者よ!!

 

 

 To Be Continued………。




 読んでいただきありがとうございます!


 櫂と真美ちゃんの親代わりの親代わり子育てはいかがでしたか?(笑)

恐らく第25話でのヒカル君と海羽ちゃんの偽造結婚式作戦に次ぐ衝撃だったのではないかと思います(笑)


 あと今回は久しぶりに櫂のコミカルな描写も出来ました(笑)


 今回は前半に櫂と真美ちゃんの親代わりの日々を描き、中盤から一旦遡って健二と早苗のガイさんとの出会いを描くというちょっと変わった構成にしてみました。


 次回はグラシエVSオーブの闘い、そして、ガイア&アグルVSレッドキング&エレキングのリベンジマッチ、お楽しみに!


 感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています。


あと余談ですが、最近遂に劇場版ウルトラマンジードの情報が解禁されましたね!

オーブやジャグラーも登場するみたいなので私はもう既に待ち遠しい状態です!(笑)
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