ウルトラマンゼロ物語(ストーリー) in RED ZONE STAGE   作:剣音レツ

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 お待たせしました!


 今回はガイア&アグルVSレッドキング&エレキングのリベンジマッチです!


 そしてオーブも引き続き活躍します!


 また、タイトルでも分かるように、今回満を持して“あの形態”も登場しますよ!?(ニヤリ)


 そしていつもながら、サブタイトルも隠しています!


 では、どうぞ!


第29話「生命(いのち)のかぎり~ヴァージョンアップ・ファイト!~」

 (OP:英雄の詩)

 

 

 三日間で、自身の中に宿る『ウルトラマンガイア』と『ウルトラマンアグル』の力を完全に解放出来るようになるために、『稲葉健二』と『小野早苗』の二人は“銀河の流れ者”の風来坊『クレナイ・ガイ』からの激しい特訓を受けていた。

 

 

 最初の(過酷な)ランニングを終えた二人はバテバテで休憩に入っている。

 

 健二「こりゃあ大変な特訓日和になりそうだね、さなちゅん。」

 

 早苗「えぇ。でも、二人で力を合わせて頑張ろうよ、ケンちゃん。」

 

 過酷な特訓ながらも二人はまだ前向きだった。

 

 

 バルタ「流石は我が同胞と長年戦ってきたウルトラ戦士の一人だけはあるな。ガッツが違うね~。」

 

 ピグモン「ピ~!」

 

 特訓を受ける健二たちのマネージャーをしている『バルタン星人バルタ』と『友好珍獣ピグモン』(通称:モロボシ君、ピーちゃん、etc)も、彼らの気合に感心を示していた。

 

 

 ガイ「よし、じゃあ次の特訓に取り掛かるぞ。」

 

 やがてガイの言葉と共に次なる特訓の時間が始まる。

 

 ガイ「基礎体力で体を慣らす特訓は終えた。次からは実際にウルトラマンになって特訓をする。」

 

 健二「え?…で、でも俺とさなちゅんはともかくガイさんは変身後3分間しか動けないんじゃ…?」

 

 早苗「それにここでウルトラマンになって特訓したら、周りに住む人たちに迷惑がかかりませんか…?」

 

 健二と早苗は疑問を投げかける。

 

 

 ガイ「安心しろ。迷惑対策も万全だ。 バルタ!」

 

 バルタ「いよっ!ここで拙者の出番ですな!」

 

 健二「え?…。」

 

 

 “ピシーン” “フォッフォッフォッフォッフォッフォ…”

 

 

 健二と早苗の疑問が深まる中、バルタは特殊な効果音と笑い声と共に巨大化をする。

 

 

 そしてガイもオーブリングを構えて紫色の光に包まれる。

 

 

 《ウルトラマンオーブ! スペシウムゼペリオン!》

 

 

 音声と変身音と共に、光に包まれたガイは巨大化後『ウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオン』に変身(フュージョンアップ)完了して姿を現す。

 

 

 バルタ「じゃ、行きますぜ旦那!」

 

 そう言うとバルタは、特殊な効果音と共に『分身の術』を発動し、オーブと健二、早苗の周囲に自身の分身を出現させて取り囲む。

 

 

 早苗「…何をしようとしてるの?」

 

 

 ガイ「スペリオン光線!」

 

 

 するとオーブは両腕をL字に組んでエネルギーを溜めた後、バルタ目掛けて『スペリオン光線』を発射する!

 

 

 光線がバルタに迫る…!健二と早苗が驚愕したその時、バルタの胸の装甲が観音開きになり、特殊な鏡が出現する!

 

 これぞかつて『宇宙忍者バルタン星人二代目』や『超科学星人ダークバルタン』も使用した事がある、バルタン星人の弱点でもある『スペシウム光線』対策として開発された特殊な鏡『スペルゲン反射鏡』である!

 

 

 スペリオン光線はバルタの反射鏡に命中して反射し、その横の分身の反射鏡、その横の分身の反射鏡と次々と命中しては反射していき、やがて全分身の反射鏡に命中して反射した事により一つの光線の輪が出来る!

 

 健二たちが驚愕するのも束の間、やがて彼らを取り囲む光線の輪は更に激しく発光し、その眩い光がオーブを、そして健二たちを包んでいく………!

 

 

 やがて健二と早苗は気が付いて目を開けると、自分たちは辺り一面真っ白な空間に立っている事に気付く。

 

 早苗「…どういうこと?」

 

 健二「俺たちは、採石場にいたはずだよな…?」

 

 

 動揺する健二たちの前にオーブ、そして等身大のバルタが現れる。

 

 ガイ「ここは、俺とバルタの力で生成した『スペルゲンフィールド』だ。」

 

 健二「スペルゲンフィールド?」

 

 バルタ「ガイの旦那の光線の力を、拙者と分身たちのスペルゲン反射鏡の力で増幅させて作り上げた異空間だ。」

 

 早苗「外からはどう見えているのですか?」

 

 ガイ「いや、外からは何も見えない。要するに、俺たちは先ほどの採石場には存在していない。 まあ、例えるならネクサスさんのメタフィールドみたいなもんだ。」

 

 ガイは自身とバルタの力で作り上げたスペルゲンフィールドの事を簡単に説明し、分かりやすい例えまで話す。

 

 

 しかし、ガイ(オーブ)………アンタいつの間にこんな異空間を作るスキルを思いついていたのだ!?………。

 

 

 ガイ「この空間は光エネルギーで生成したが故に、三分しか活動できないウルトラマンでもいつもより長時間活動が出来る。 今後はこの空間でウルトラマンに変身して特訓を行う。」

 

 

 早苗「なるほど、ここなら人の迷惑を気にせずに特訓できるという事ですね!」

 

 健二「よーし、俺たちも行こう!さなちゅん。」

 

 健二と早苗も、それぞれ『エスプレンダー』と『アグレイター』を揚げ、それぞれ赤と青の光に包まれた後『ウルトラマンガイア』と『ウルトラマンアグル』(いずれもV1)に巨大化&変身完了をする。

 

 

 ガイ「よし、二人とも変身したな。 次は光線技に対処するための特訓だ。」

 

 早苗「光線技対策…?」

 

 健二「具体的に、どんな事をすんだ?」

 

 

 ガイ「俺が発射する光線を避けるなりかわすなり弾くなり何でもするといい…そして、お前らが上手く対処できるようになったら止めだ。」

 

 

 健二・早苗「…分かりました…。」

 

 健二(ガイア)と早苗(アグル)は息を呑みながらも了解の返事をした…。

 

 

 オーブはゆっくりと構えを取り、それにより健二と早苗に更なる緊張が走る…。

 

 

 ガイ「バルタ…合図を頼む…。」

 

 

 バルタ「オーケー………それじゃあ特訓…スタート!!」

 

 

 ガイ「スペリオン光線!」

 

 

 特訓スタートの合図と共に、オーブはいきなりスペリオン光線を放つ!

 

 

 健二「うわっ!?」

 

 早苗「ひゃっ!!」

 

 

 ガイアとアグルは驚きつつも反射神経を利かせてそれを避ける。

 

 

 健二「い、い、いきなりかよ!?」

 

 

 ガイ「特訓はもう始まった。気を抜かすと、危ないぜ?」

 

 

 ガイの言葉に二人はより気が引き締まる。

 

 早苗「なるほどね…そういう事なら…」

 

 健二「やってやるか!」

 

 

 ガイアとアグルは同時にそれぞれ『クァンタムストリーム』と『フォトンクラッシャー』を放つ!

 

 

 オーブはそれを即座に『スペリオンシールド』を張って防ぐ。

 

 

 そして二つの光線を完全に防ぎきりシールドを消滅させると同時に不意打ちとばかりに『スペリオン光輪』を投げつける!

 

 

 ガイアとアグルはまたもや驚きつつもそれを上空に飛び上がる事で回避するが、オーブはすぐさま体の紫の部位を発光させてティガ(スカイタイプ)の能力を発動させて高速移動で回避された光輪を追いかけて掴み、上空のガイアとアグルに再び投げつける!

 

 

 早苗「きゃっ!?」

 

 健二「マジかよ!!?」

 

 

 ガイアとアグルはなんとかかわす事に成功するが、その隙にいつの間にか目の前に来ていたオーブに同時に腹部に掌を打ち込まれて地に落下する!

 

 

 早苗「まるで隙が無いわ…。」

 

 健二「流石は、あの化け物二匹を退けただけはあるな…。」

 

 

 ガイ「おしゃべりをしている場合じゃないぞ?」

 

 

 二人が感心している間にも、オーブは再びスペリオン光線のポーズに入ろうとしていた…。

 

 

 

 ところで、現在健二たちが特訓をしているのは8月13日だが、ここで一旦8月15日に飛んでみよう。

 

 

 この日、竜野櫂と新田真美は、先日アリブンタにより母を失った『滝里奈』の引き取り先が決まるまでの三日間の親代わり生活の最終日と言う事で、とびっきり彼女を楽しませようと誓い合った。

 

 

 そこで、本日はスペシャルゲストとして『眞鍋海羽』も呼び、遊園地で遊ぶことにした。

 

 

 遊園地に到着し、真っ先にはしゃぐ里奈…そして海羽。

 

 

 海羽「よろしくね~里奈ちゃん! 今日はお姉さんたちと一緒に遊ぼうね~!」

 

 里奈「うん!遊ぼ遊ぼ~!」

 

 流石は海羽。早速里奈と仲良くなっている。

 

 

 櫂「フッ、姉みたいな人が増えて、里奈も嬉しそうだな。」

 

 真美「そうね~。私達も、一緒に楽しみましょ。」

 

 櫂「おうよ。」

 

 

 因みに昨日までは里奈に対し憎悪しか抱いていなかった櫂だったが、今日は違った…。

 

 

 今朝に彼女は自身と同じ境遇だと改めて知ったため、純粋に“里奈のために尽くそう”“彼女を楽しませてやろう”と言う気持ちが強く出て、所謂里奈の前でも“良人モード”でいられるようになったのである。

 

 

 一方で、怪獣に対する憎悪は以前より肥大してしまったが…。

 

 

 既に里奈を連れて入り口前まで来ている海羽。

 

 海羽「ほらパパー!ママー!早く行くよ~!」

 

 

 櫂「フッ、海羽ったら…じゃ、行きますか。」

 

 真美「ええ。」

 

 

 遊園地に入った一行は、存分に楽しみ始めた。

 

 

 特に楽しんでいるのは里奈である。やはり櫂と真美と海羽と一緒に、まるで家族と一緒にいるかのように楽しんでいた。

 

 里奈と一緒にジェットコースターに乗った櫂は彼女以上にテンションが上がったり(因みに海羽と真美はジェットコースターが苦手なため下から写真を撮ったりなどして待っている)、

 

 里奈と一緒にコーヒーカップに乗った海羽は、降りた後もはしゃいでいる里奈とは対照的に酔ってしまったり、

 

 里奈と一緒に観覧車に乗った真美は彼女と一緒に下の景色を見つめたり…。

 

 

 など、一同は里奈を楽しませる事を中心に、遊園地を満喫していた…。

 

 

 他にも櫂・海羽、真美・里奈とペアに分かれてゴーカートに乗ったり、四人で一緒にフリーフォールに乗ったりなど、楽しみ続ける一同。

 

 

 いつもはドス黒い事を考えている櫂も、今回ばかりは純粋に楽しんでいるようであった…。

 

 

 

 さて、日時を8月13日に戻そう。

 

 

 ガイア(健二)とアグル(早苗)は、オーブ(ガイ)からの光線技に対処する特訓をなんとか制したようであり、膝に手を突いてばてていた。

 

 二人ともライフゲージが鳴っている事から、相当ハードな特訓だったのであろう…。

 

 

 ガイ「よし、お疲れさんです。今日はここまで。」

 

 

 ガイがそう言うと共に、スペルゲンフィールドが消滅して元の場所に戻って行き、それと同時に変身&巨大化していた三人は光に包まれると共に変身を解いて人間態に戻る。

 

 

 早苗「はぁ…はぁ…意外とハードね…この特訓…。」

 

 健二「あぁ。だが、これを越えれば強くなれるのかもしれない…一緒に頑張ろう。」

 

 早苗「そうね…。」

 

 

 ガイ「明日は肉弾戦の特訓だ。しっかり身体を休めてくれ。」

 

 

 健二・早苗「はい!」

 

 

 健二と早苗はガイたちと別れ、帰り道を歩き始める…。

 

 健二「明日も頑張ろうな。さなちゅん。」

 

 早苗「…えぇ…。」

 

 何やら早苗の返事は少し元気が無いようであった…。

 

 健二「…ん?どうした?」

 

 早苗「へっ?…い、いや、何でもない。そうだね。」

 

 早苗の返事が少し気になりながらも、健二は早苗と手を繋いで帰り道を歩き続けた…。

 

 

 そして翌日(8月14日)の正午過ぎ、ガイたちが待ついつもの採石場に健二と早苗は到着する。

 

 そして昨日と同じようにスペルゲンフィールドを張り、その中で特訓を行う。

 

 

 バルタ「今日もしっかり頑張ってくだせぇ!」

 

 ピグモン「ピ~!」

 

 

 健二「よし、行きますか!」

 

 早苗「本日もよろしくお願いします。」

 

 ガイアとアグルに変身&巨大化した二人。

 

 

 ガイ「それじゃあ、本日の特訓開始だ。」

 

 

 ガイはオーブリングを構えて金色の光に包まれる。

 

 

 《ウルトラマンオーブ! バーンマイト!》

 

 

 『ウルトラマンオーブ・バーンマイト』に変身(フュージョンアップ)を完了したオーブ。

 

 

 ガイ「今から俺が打つ打撃や投げ技などを受け止めたり、受け流したりすることが出来ればクリアだ。」

 

 

 健二・早苗「分かりました!」

 

 

 ガイ「それじゃ、行くぜ!」

 

 

 オーブは早速炎を纏った両拳のパンチを放つ!

 

 ガイアとアグルは少しビクつきながらもそれをなんとかかわす。

 

 

 ガイ「お前らも打って来てもいいんだぜ。」

 

 健二「そうか…それならっ!!」

 

 ガイアとアグルは気合を入れてそれぞれ右の正拳突きと右足蹴りをオーブに繰り出す!

 

 

 …が、オーブはそれらを片手ずつで易々と受け止めると、そのまま軽々とひねってスピンさせて地面に叩き付けた。

 

 

 続けてオーブは蹴りを放つが、ガイアはそれを受け身を取って前転する事でなんとかかわし、お返しとばかりにストレートの右足蹴りを放つが、オーブはそれを両手で掴んで受け止めると、軽々と豪快に放り投げた!

 

 投げられたガイアは地面に叩き付けられる。

 

 

 健二「チクショー!!」

 

 

 健二は、先日レッドキングに投げられた事がフラッシュバックしたのか、悔しそうに地面に拳をぶつける。

 

 

 ガイ「この特訓をクリアすれば、あんな風に投げることが出来るんだぞ。」

 

 

 健二「…そうだったなぁ…まだ、負けてらんねー!!」

 

 ガイの言葉に再び奮起したガイア(健二)は、立ち上がり、オーブに向かって駆けて行った…。

 

 

 

 ここでまた一旦15日に飛んでみよう。

 

 

 遊園地で十分に遊んだ櫂、真美、海羽、里奈の一家(笑)は帰り道を歩いていた。

 

 

 真美「楽しかったね里奈ちゃん。」

 

 里奈「うん!みんなと遊んで楽しかったー!」

 

 海羽「ホント!私も今ハッピーな気分だよ!」

 

 櫂「海羽。お前は元からハッピーだろ。」

 

 海羽「あ、そうだった。てへぺろ。」

 

 一同は笑い合った。

 

 

 真美「それじゃ、晩御飯の買い物をして帰りましょうか。」

 

 海羽「そだねー。 ところで今夜は何?」

 

 

 真美「ふふ、今夜はすき焼きよ。」

 

 

 この時、海羽は里奈よりも喜んだことは言うまでもない(笑)

 

 

 

 さて、14日に。

 

 

 ようやく特訓をクリアしたガイアとアグルは、昨日と同じくライフゲージ点滅の状態でへとへとになっていた。

 

 ガイ「よし、今日はここまで。お疲れさんです。」

 

 スペルゲンフィールドは消失し、三人も変身を解く。

 

 

 ガイ「明日は最終メニューだ。それをクリアすれば、お前らはマシに戦えるようになるだろう。」

 

 健二「そうか。燃えて来るな!」

 

 

 早苗「…本当に…強くなれるのかな…?」

 

 思わず早苗はぼそっと呟いた。

 

 

 健二「ん?どうした?」

 

 早苗「い、いや、なんでもない…。」

 

 

 ガイ「今日は解散だ。ゆっくり休んでくれ。」

 

 ラムネを呑みながらガイがそう言うと、健二と早苗はガイたちと別れ、帰り道を歩き始めた…。

 

 

 帰り道を歩く二人。しかし、何やら二人とも無口という少し気まずい雰囲気だった…。

 

 

 健二「…明日の特訓も、頑張ろうな。」

 

 健二が場を変えようとそう言った時、

 

 

 早苗「本当に…これで良かったのかな…?」

 

 

 健二「…へ?」

 

 早苗の思わぬ発言に健二は耳を疑う。

 

 

 健二「どうしたんだよ?急に…。」

 

 

 すると早苗はふっと健二の方を向き…。

 

 

 早苗「私たちは、ギリギリまで頑張って諦めない精神を認められ、ウルトラマンの光を手に入れた…。

 

 でもそれは、生きるか死ぬかの領域に踏み込んだ事だということを、この特訓で痛感したの。」

 

 

 早苗の言葉に健二ははっとなった。

 

 健二「…確かに、昨日も今日もアイツ(オーブ)は容赦なかったしな…まるで本当の敵みたいに。」

 

 

 早苗「オーブさんだけじゃない…その前に戦った怪獣たちも、本気で私たちを殺るつもりでかかって来た…。その時初めて感じたの…

 

 櫂さん達は、こんなにも危険で命がげな事を日々やって、人々を守って来たんだなって…。だからそんな立場に私達がなってもよかったのかなって思ったの。」

 

 

 健二「何言ってんだよ。俺たちは昔とは違う。闇を越え、より絆も深まった。(第12話参照) 俺たちならいけるって。」

 

 

 早苗「うん。自分の闇に勝ったケンちゃんならいけるよ。 でも、私は特に自分の闇に勝ったわけでもなく、ほとんどただケンちゃんをサポートするばかり…こんな私が、ウルトラマンやれるのかなーって…。」

 

 

 早苗の苦悩を聞いた健二は、少し考えた後こう言った。

 

 

 健二「…分かった。じゃあ今日一緒に帰るのはここまでだ。」

 

 

 早苗「え?」

 

 

 健二「しばらく一人にするから、そのことについてじっくり考えるといいよ。 明日返事を聞かせてね。それじゃあ。」

 

 

 笑顔でそう言うと健二は、別の帰り道を走って行った。

 

 

 早苗「…考える…か…。」

 

 そう呟きながら、早苗はトボトボと帰り道を歩き始めた。

 

 

 早苗を一人にする事にした健二。しかし、彼も彼で不安を感じていた。

 

 健二「さなちゅん…大丈夫だろうか…?」

 

 

 俯いてそう呟きながらトボトボと歩く健二。

 

 

 その時、すれ違いそうになった一人の女性が話しかけて来た。

 

 

 真美「あら?健二君?」

 

 

 それは、晩御飯の買い出しに出掛け、帰っている最中の真美だった。健二もそれに気づく。

 

 

 健二「…真美さん。」

 

 

 真美「健二君…何かあったの?」

 

 心配そうな表情でそう優しく話しかける真美。

 

 

 健二は真美に相談する事にした。二人は街が一望できる近くの高台のベンチに座る。

 

 

 真美は健二に優しい口調で問いかける。

 

 真美「どうしたの? 早苗ちゃんと喧嘩でもした?」

 

 健二「い、いや、喧嘩はしてないんだけど…ただ、ちょっと…、」

 

 真美「ただ、ちょっと?」

 

 

 健二はどう言おうか迷っていた。自分がウルトラマンである事は言えるはずも無いし…。

 

 

 しばらく悩んだ後、決心がつくかつかないか決まらぬまま思わずこう聞いた。

 

 

 健二「あ、あの、真美さんは突然自分に特別な何かが手に入ったらどう思いますか?」

 

 真美「…え?」

 

 

 健二「い、いや、あの…例えば突然自分に特別な賞状とか、資格とかが手に入ったらどうなのかなーって思って…

 

 でも、真美さんなら悩むこと無いですよね…真美さんは優しいし、勉強も運動もなんでも出来る凄い方だし…。」

 

 

 すると真美は、

 

 真美「ふふ、いっぱいあるわよ。」

 

 優しくそう答える真美に、健二は少し耳を疑う。

 

 

 真美「私もね、日々の実習とかで実績を残して教授に褒められたり、成績優秀賞を貰ったりしするんだけれども、その度に思っちゃう事があるのよ。

 

 “本当に、私がこれを貰っていいのかなー”って。」

 

 

 真美の語りに頷きながら耳を傾ける健二。

 

 

 真美「…でもね、そんな時、私はこう考えるの。

 

 “何かを与えられたという事は、それに相応しい何かを持っているんだな”って。」

 

 

 健二「…それに相応しい…何か?」

 

 

 真美「うん。私、普段あまり意識しないんだけどね、教授に褒められるのも、成績優秀賞を貰うのも、同級生たちから信頼されるのも、ボランティア先の子供たちから好かれるのも…全て私が、私自身も気付かないうちにそうされるのに相応しい人になっていたからだと思うの。」

 

 

 真美の言葉に、健二はしばらく心の中で忘れていたあるモノが蘇っているような感じがした。

 

 

 真美「だから、何か特別なモノを得た時は、それはその人に相応しいモノだから…だと思うな。」

 

 

 満面の笑みで語り掛ける真美。健二は遂に俯いていた顔を上げた!

 

 

 健二「ありがとうございます真美さん!俺、大事な事をやっと思い出しました!」

 

 

 急いで健二が走って行こうとしたその時、

 

 

 真美「健二君。」

 

 健二は真美の呼びかけにふと立ち止まり振り向く。

 

 真美「良かったら明日の晩御飯、一緒に食べない?櫂君や海羽ちゃんも一緒の予定なの。」

 

 健二「…真美さんの家に…ですか。」

 

 真美「うふ、明日はすき焼きよ。」

 

 次の瞬間、健二は一気に表情が変わった。

 

 健二(おぉ! 決戦前のいい力付けになるかも!?)

 

 健二「では、お言葉に甘えて!」

 

 真美「うふ、早苗ちゃんも誘ってみるといいよ。」

 

 健二「はい!ありがとうございます!」

 

 そう言いながら一礼すると、健二は走り去って行き、真美はそんな彼の後ろ姿を笑顔で見送った…。

 

 

 帰り道を走りながら健二は、思い出した何かを呟き始める。

 

 

 健二「今ハッキリと思い出した!

 

 …俺は自分の中の闇に勝利し、その後も人のために櫂さん達に協力し続け、さなちゅんは俺を昔から支え続け、今でも誰に対しても分け隔てなく親切に接している…例え怪獣であろうと!(第18話参照)

 

 …俺ら、こんなにもスゲー事を続けているんだ!

 

 きっとガイアとアグルは、そんな俺らを地球の奥から見つめ続け、そして、ウルトラマンの力を使うに相応しいと判断してくれたんだろう…!」

 

 

 健二はようやく気付いたようであった…。

 

 

 何故、自分たちがウルトラマンの力を得たのかを…。

 

 

 

 一方、健二にしばらく一人で考えるように言われた早苗は、一人トボトボと道を歩いていた。

 

 

 早苗「私…どうしてウルトラマンになっちゃったのだろう…?」

 

 

 その時、

 

 バルタ「おや、早苗殿。」

 

 

 早苗「…え?」

 

 

 突然話しかけられた早苗はふと前を見てみると、そこにはバルタとピグモンが。

 

 

 早苗「バルタさん…ピーちゃん…。」

 

 

 バルタは早苗に問いかける。

 

 バルタ「まだ帰ってなかったのか? 健二殿は?」

 

 早苗「ち、ちょっと一人で散歩がしたくて…。お二人は何故ここに?ガイさんは?」

 

 バルタ「ああ、拙者たちはガイの旦那のために、ラムネを買いに行ってるもので。」

 

 早苗「そうですか…。」

 

 

 早苗は少し躊躇ったが、勇気を出してバルタに問いかけた。

 

 早苗「あ、あの…。」

 

 バルタ「ん?どうした?」

 

 

 早苗「い、いや、あのー…

 

 バルタさんって、いろんな超能力をお持ちですが、その力を何のために使おうとお考えですか?」

 

 

 バルタ「…え?」

 

 いきなりの思いがけぬ質問に困惑しつつも、バルタは答えた。

 

 

 バルタ「せやな~…あまり考えた事無かったが…

 

 まあ、とりあえず誰かの役に立てれば…かな?」

 

 

 早苗「誰かの…ために?」

 

 

 バルタ「ああ、前も言ったが、拙者はこの地球を愛してしまった。それは、この地球に住む地球人もそうだ。」

 

 早苗「私たち…地球人も?」

 

 バルタ「以前怪獣に苦戦する君たちを分身で助けただろう?あれも愛する者…君たちという地球人のためにやったんだよ。」

 

 

 バルタが忍術等を使う理由。それは、自身の愛する者のために力を使う…。それは地球人も例外ではなく、以前早苗たちを援護したのも、早苗たちという地球人を助けるためだったのである!

 

 

 それを聞いた早苗は、徐々に顔の明るさが戻りつつあるようであった。

 

 

 バルタ「拙者の旅にもいずれは終わりが来るであろう。 だからもし死ぬ時が来たら、せめて誰かのために何か出来てから散りたい。拙者はそう考えておる…。」

 

 

 と、その時、早苗がバルタのハサミ状の腕を両手で掴む!

 

 

 早苗「絶対に、死なせたりはしません!」

 

 

 バルタ「あれ?さ、早苗殿?」

 

 困惑するバルタに早苗は更に語り掛ける。

 

 早苗「私…助けてもらった時から、あなたも仲間だなと思っていました…。なので、絶対に死なせたりしません。あなただけじゃなく、全ての人々も。 ウルトラマンの力を得た、私たちが!」

 

 

 バルタ「…お、おお、そうか。それは頼もしい。」

 

 早苗の熱い決意の言葉を聞いたバルタは、困惑しつつもとりあえず反応した。

 

 

 早苗も遂に、自身がウルトラマンの力を得たワケに気付けたようである。

 

 

 早苗「バルタさん、ピーちゃん、明日もまた、よろしくお願いします!」

 

 バルタ「お、おお、頑張れよ。」

 

 ピグモン「ピー!」

 

 

 バルタたちに一礼した早苗は彼らと別れ、駆け足で帰り道を進み始めた。

 

 

 バルタ「フッ、早苗殿、顔色が一気に変わったな。これは今後の成長が楽しみだ。」

 

 

 早苗「私がウルトラマンに選ばれた理由…それは、愛する者を守りたいという気持ちを常に持っていたから…!

 

 タイショー君の時も、ホタルンガに襲われた時も…。

 

 単純だけど、その気持ちを強く持っているのが大事なんだって、ハッキリ分かったわ。」

 

 

 

 かくして、健二も早苗も自身がウルトラマンに選ばれたワケにハッキリと気付けた。彼らのさらなる成長が期待できる中、日付は翌日(15日)になる。

 

 

 いつもの時間に、いつもの採石場にやって来た健二と早苗。そんな彼らの目つきは、昨日までとは考えられない程真剣で、決意に満ちているようであった。

 

 

 ガイ「ほぉ、今日はいつにも増していい目してんじゃねーか。」

 

 それを見たガイも、眼差しから何かを感じながらも反応する。

 

 

 早苗「本日も、よろしくお願いします!」

 

 健二「ビシバシいっちゃってください!」

 

 

 ガイ「フッ、気合十分だな。じゃ、行くぞ。」

 

 

 ガイはいつもの様にオーブ・スペシウムゼペリオンに変身し、バルタと協力してスペルゲンフィールドを張る。

 

 

 健二と早苗もガイアとアグルに変身&巨大化する。

 

 

 健二「今日は特訓最終日だが、どんな事をするんだ?」

 

 ガイ「そう、今日は最終日。だから、その集大成に相応しいメニューだ。」

 

 

 すると、ガイは思いもしない事を言った!

 

 

 ガイ「今から俺は、サンダーブレスターになり、わざと暴走する。 それを食い止めることが出来たらクリアだ。」

 

 

 予想外な特訓メニューを聞いた健二と早苗は驚愕すると共に戦慄が走る…!

 

 

 なにしろサンダーブレスターは、先日自分たちが苦戦したレッドキングとエレキングを同時に圧倒した程の強さを持っているのだから…!

 

 

 …しかし、新たな決意を固めた二人は怖気づかなかった。

 

 健二「へっ…面白そうじゃねーか…上等だ!」

 

 早苗「その特訓、受けて立ちます!」

 

 

 ガイ「その意気だ。前2日の特訓をクリアできたお前らなら、この最後の特訓もクリア出来るはずだ。

 

 それに、今日は昨日までよりも、目の輝きが違うみたいだしな。」

 

 

 早苗「へへっ、ここでも来ましたか、“可能性の瞳”。」

 

 健二「俺たちはようやく大切な事に気付けた…だから昨日までとは違う!」

 

 

 それを見ていたバルタとピグモンも、彼らに感心しているようであった。

 

 バルタ「ふふっ、これは面白くなりそうだ。」

 

 

 ガイ「それじゃ…行くぞ。」

 

 ガイはオーブリングを構え、赤黒い光に包まれる。

 

 

 《ウルトラマンオーブ! サンダーブレスター!》

 

 

 『ウルトラマンオーブ・サンダーブレスター』に変身(フュージョンアップ)完了したガイ。

 

 

 すると、下を向き、胸のカラータイマー部に右手を当てて念じ始める…。

 

 

 ガイ「ベリアルさん…闇の力…お借りします…。」

 

 

 すると、オーブの体から何やら赤黒いオーラのような物が溢れ始める。

 

 わざと暴走するために、ベリアルの闇の力を全開にしているのだろうか…?

 

 

 しばらくするとオーラの流出は治まり、オーブは下を向いたまま両腕をだらりと下げる…。

 

 

 ガイア(健二)は心配になり、恐る恐る歩み寄ってみる。

 

 

 健二「…あ…あのー…大丈夫ですk…」

 

 

 その時!

 

 

 “ガッ”

 

 

 健二「!?ぅぐっ!!」

 

 

 突然ガイアはオーブに首根っこを鷲掴みされてしまう!

 

 驚きつつもガイアはオーブを見てみると、体の赤い所が発光しており、つり上がった目も赤黒く光を放っていた。暴走が始まった合図である!

 

 

 オーブはガイアを首根っこを掴んだまま思い切り放り投げ、ガイアは地面に叩き付けられる!

 

 

 早苗「はっ、ケンちゃん!」

 

 健二「大丈夫ださなちゅん…なるほど、こいつはヤベーかもな…だが、俺たちは負けないぜ!」

 

 

 ガイアとアグルは今度は同時に駆け寄り、それぞれオーブの左腕、右腕に組み付く。

 

 そしてそのまま押し飛ばそうと踏ん張る。

 

 

 だが、オーブはガイアを腹部に膝蹴りを打ち込んで引き離し、続けてアグルの右腕、頭部をそれぞれ左手、右腕で掴むと、そのまま後ろに放り投げる!

 

 アグルは地面に叩き付けられる。

 

 

 健二「ヤロー!」

 

 ガイアは右脚の回し蹴りを繰り出すが、それをオーブにあっさりと腕で弾き返され、逆に右肘を腹部に受け、更に左手で首を掴まれるとそのまま右拳で何度も胸を殴られ、その後アウトローな右足蹴りを腹部に喰らって吹っ飛ばされる!

 

 

 更にガイアに攻撃を加えようとするオーブに、アグルは後ろから羽交い締めのように掴みかかるが、逆に後ろ向きに放った頭突きを顔面に喰らい、それにより怯んで放してしまった隙に、オーブが振り向きつつ放った右腕のラリアットを喰らい地面に叩き付けられる。

 

 

 サンダーブレスターの暴走モードは、かつて他の三形態が歯が立たなかったマガオロチやギャラクトロンを圧倒し、完膚なきまでに叩きのめした程の強さであり、今ガイアとアグルも、その強さに圧倒され始めていた。

 

 

 健二「うおおぉぁぁあー!!」

 

 ガイアは前かがみに突っ込み、オーブの胴体にしがみ付き、そのまま押さえ込もうとする!

 

 健二「負けてたまるかー!!」

 

 だが、オーブはガイアの背中に右肘を数回叩き込み、更に両手を組んでのパンチを叩き込んで完全に引き離した後、ガイアの顔面にアッパーを叩き込んだ!

 

 ガイアは半回転した後、仰向けに地面に落下する。

 

 

 そしてオーブは、仰向けに倒れたガイアの腹部に何度も踏みつけを喰らわし始める!

 

 

 早苗「ケンちゃん!」

 

 助太刀しようとアグルはオーブに駆け寄りながらパンチを放つが、オーブはそれを素早くしゃがんでかわすと同時にアグルの腹部に右掌を打ち込んで後退させる。

 

 後退したアグルはダメージにより膝を付いてしまう。

 

 

 ピグモン「ピ~…」

 

 バルタ「大丈夫だ。…今の彼らなら、きっと…。」

 

 流石に心配になってきたピグモンに、健二たちを信じているバルタは声を掛けて諭した。

 

 

 オーブはガイアの腹部を踏みつけ、そのままグリグリと力を入れ始める…!

 

 

 痛みに悶え苦しむガイア(健二)!

 

 

 …しかし、新たな決意を固めた男は諦めなかった…!

 

 

 ガイアは自身を踏みつけるオーブの足を両手で掴む。

 

 

 健二「うぐっ…絶対にここでへこたれるか…俺は…いや俺たちは、決心したんだ…!」

 

 

 オーブは、語り掛けながら自身の足を掴んで持ち上げようとするガイアに気付く。

 

 

 健二「俺たちは…ウルトラマンに選ばれる前から…“愛する者たちを守りたい”と思い続けていた…。

 

 単純に見えるが…そのために行動し続けたからこそ、俺たちはそれを見込まれたんだと…!」

 

 

 健二の語りを聞いた早苗も、自然と力が湧いて来て立ち上がる。

 

 早苗「ケンちゃん………そうよ…だから私たちは諦めない!」

 

 

 アグルはオーブに駆け寄り、そして掴みかかる。

 

 

 早苗「愛する者たちが、私たちウルトラマンを待っているのよ!」

 

 

 アグルのアシストのお陰もあり、ガイアはオーブの足を掴んだまま徐々に立ち上がり、やがてガイアは下半身、アグルは上半身を持ってオーブを担ぎ上げる!

 

 

 健二「だから俺たちは…与えられた地球の力を…生き抜く力を…!」

 

 

 早苗「愛する者を守るために…使っていくの!」

 

 

 健二・早苗「生命(いのち)の限りっ!!」

 

 

 ガイアとアグルは一斉にオーブを放り投げる!

 

 オーブは地面に叩き付けられた。

 

 

 健二「単純にそれだけだが、それが俺たちの決意だ!!」

 

 

 オーブは立ち上がり、再び攻撃を仕掛けようとする。

 

 

 健二「これで止めてやるぜっ!」

 

 

 ガイアとアグルはそれぞれクァンタムストリームとフォトンクラッシャーを同時に放ち、オーブに浴びせる!

 

 

 二人の光線技を同時に喰らったオーブは大爆発した!

 

 

 爆風に包まれるオーブ…。

 

 

 健二「…やったか…。」

 

 

 ガイアとアグル、そしてバルタとピグモンも、その爆風をじっと見つめていた…。

 

 

 その時、

 

 

 ガイ「お前たち、よくやった。」

 

 

 その一声と共に、爆風の中からオーブが現れた。

 

 どうやら暴走は治まったみたいである。

 

 

 バルタ「遂にやりましたぜガイの旦那ー!」

 

 ピグモン「ピ~!」

 

 それに気づいた瞬間歓喜の声を上げるバルタとピグモン。

 

 

 早苗「…てことは私たち…?」

 

 健二「暴走を…止められたという事なのか…?」

 

 

 ガイ「そうだ。お前たちの強い想い、確かに受け止めたぜ。」

 

 

 ようやく特訓成功に気付けた健二と早苗も喜び合う。

 

 健二「よっっっしゃー!!」

 

 早苗「やったねケンちゃん!」

 

 健二「ああ!」

 

 ガイアとアグルは互いの腕をクロスさせた。

 

 

 変身を解除する三人はバルタとピグモンと合流する。

 

 バルタ「おめでとう!お主共。」

 

 ピグモン「ピ~!」

 

 ガイ「よくぞ俺の特訓に耐え抜いたな。」

 

 

 健二「え?…て事は、これですべての特訓が完了したという事か…?」

 

 

 ガイ「そうだ。それに自分がウルトラマンに選ばれたワケに気付き、それ相当の決心も付いた。今のお前たちなら、ガイアさんとアグルさんの真の力を引き出せるかもな。」

 

 

 早苗「(健二の方を向いて)やったね!(ピース)」

 

 健二「ああ!お互いに頑張り合ったからこそだな。」

 

 すべての特訓をクリアした事が分かった健二と早苗は再び喜び合った。

 

 

 ガイ「決戦はいよいよ明日だ…今日はじっくり休んで、明日に備えてくれ。

 

 以上だ。お疲れさんです。」

 

 

 健二・早苗「ありがとうございます!」

 

 

 ガイたちと別れた健二と早苗は、帰り道を歩き始めた。

 

 それも昨日と違い、笑顔で語り合いながら…。

 

 

 健二たちを見送りながら、バルタはガイに話しかける。

 

 バルタ「ついにやりましたね旦那。彼らの活躍が楽しみですな~。」

 

 

 ガイ「…なぁ、バルタ。」

 

 バルタ「ん?なんスか?」

 

 ガイ「お前はこの地球が相当気に入っているみたいだが、他の星も行きたいとは思わないのか?」

 

 

 ガイの問いかけに、バルタは少し考えた後答える。

 

 

 バルタ「地球を離れる前に、もう一つ愛する地球人のために役に立てることを出来れば…な。」

 

 

 ガイ「…フッ、そうか。」

 

 ガイ意味深気味な返答にとりあえず相槌を打った。

 

 

 ピグモン「ピュイ~…。」

 

 しかし、一方でピグモンは何やら胸騒ぎを感じているようであった…。

 

 

 

 その夜、健二と早苗は櫂、真美、海羽、そして里奈と一緒に、真美の家で晩御飯を呼ばれた。

 

 

 因みに今更だが、真美の一人暮らしはアパートを借りているのではなく、一人暮らし用の一軒家を借りており、そこに下宿しているのである。

 

 なるほど、そこならば子供を招待し、家族のように過ごす事も可能である。

 

 

 家族6人(?)ですき焼きを取り囲み、会話を弾ませながら味わう一同。

 

 因みに今回は、櫂と海羽も手伝って作ったのだという。

 

 

 健二「くぅ~…やっぱ一頑張りした後のすき焼きは格別だぜ!」

 

 櫂「ん?今日何かしたのか?」

 

 健二「え…ええ、ちょっとジムに行ってトレーニングに…な、さなちゅん。」

 

 早苗「う…うん、そうだね。」

 

 

 どうやら二人は、自身がウルトラマンである事をもうしばらく内緒にするみたいである。

 

 …既に櫂にはバレているのだが…。

 

 

 真美「二人も遠慮なく食べてね。」

 

 健二「はい!」

 

 海羽「キタコレ!6人でワイワイと! いいわね~こうやって大勢で鍋パーティー!」

 

 櫂「そうだな、お、海羽~?肉ばかり食べんじゃねーぞ?」

 

 海羽「んも~櫂君ったら! この通り、野菜もちゃんと食べてま~す!」

 

 櫂「はは、そうだったな。」

 

 櫂と海羽は食べながら楽しそうに話している。

 

 

 真美「あーん…美味し?」

 

 里奈「うん、美味しい!」

 

 真美「(満面の笑みで)良かった。」

 

 真美は正に母親のように里奈に食べさせ、彼女と共に喜び合っている。

 

 

 早苗「それにしても知りませんでした。真美さんに、こんなに可愛いお知り合いがいたなんて。」

 

 真美「え?…えぇ、そうよ。昔から一緒に遊んでるんだー。」

 

 どうやら真美もまた、自分が里奈の親代わりをしていた事を健二と早苗には内緒にしているようである(笑)

 

 

 早苗は、里奈に挨拶をしてみた。

 

 早苗「よろしくね。里奈ちゃん。」

 

 里奈「よろしくー早苗姉ちゃん。」

 

 早苗「うふ、可愛いわねー。」

 

 流石は、将来小学校の先生を目指しているだけあって、早苗は子供との接しに慣れているようである。

 

 

 健二も挨拶をしてみた。

 

 健二「今夜限りだが、よろしくな。里奈ちゃん。」

 

 

 里奈「よろしくね、健二。」

 

 

 健二「…へ?俺だけ呼び捨て~?」

 

 

 一同は更に笑いに包まれた。

 

 

 その後も、健二と早苗は櫂たちと楽しく話しながら食事をし、その後里奈とカードゲーム等をして楽しんだ後、真美の家を後にする。

 

 

 因みにトランプなどのカードゲームでは、里奈は健二にボロ勝ちしたんだとか?(笑)

 

 

 健二・早苗「ごちそうさまでした!」

 

 健二「いや~本当に美味しかったです。ありがとうございます!」

 

 真美「そちらこそ、より賑やかで楽しく出来たから…来てくれてありがとね。」

 

 早苗「いつかまた、里奈ちゃんと遊べたらいいな~。」

 

 真美「うふ、そうだね。」

 

 

 櫂「帰り道には気を付けるんだぞ。」

 

 健二「はい!櫂さんと海羽さんも、ありがとうございます。」

 

 海羽「じゃあね~。」

 

 早苗「おやすみなさい。」

 

 

 健二と早苗は櫂、真美、海羽と手を振りながら別れた後、手を繋いで帰り道を歩き始める。

 

 

 健二「…さなちゅん。」

 

 早苗「…何?ケンちゃん。」

 

 

 健二「明日は、絶対に勝とうな。」

 

 

 早苗「…そうだね。今の私たちなら、絶対に行けるよ。」

 

 

 健二「あぁ…この世界は、滅んだりなんかしない。」

 

 

 二人は満月で星が煌めく夜空を見上げながら、明日への気合を入れた…。

 

 

 

 そして、翌日(16日)、

 

 

 遂に、決戦の日は来た…!

 

 

 健二と早苗は、三日前にレッドキングとエレキングと戦い、オーブ(ガイさん)と出会った同じ場所に来ていた。

 

 

 因みにこの日は、フルータ星人兄弟とその友達(賢・愛・明人・輝雄)も一緒である。

 

 

 早苗「…遂に来たね…この日が…。」

 

 健二「ああ…いつでも来いってんだ。」

 

 

 愛「二人とも…無理はしないでね。」

 

 健二「心配いらねーさ。ガイさんにキッチリと鍛えてもらったからね。」

 

 

 賢「しかし、この三日間でそんなにも強くなる特訓をしていたとはなー。」

 

 明人「ふふ、賢も妹を守れるために、もっと鍛えたら~?」

 

 賢「ばっ!?…だから人をシスコンみたいに言うなー!」

 

 輝雄「“みたいに”じゃなくてシスコン“そのもの”だろ~!?」

 

 賢「ったくお前ら~!」

 

 

 いつの間にか、いつものやり取りになってしまっているフルータ星人一同。それを見て愛は少し困惑していた。

 

 

 愛「んも~お兄ちゃんたちったら…。」

 

 

 だが、そのやり取りを見ていた健二と早苗は、少し笑いが出ていた。

 

 

 早苗「ありがとう、みんな。お陰で緊張が少しほぐれたわ。」

 

 健二「絶対に勝って帰る。約束してやるよ。」

 

 

 二人の真剣ながらも明るい表情に、愛も自然と笑顔になっているようであった…。

 

 愛「健二さん…早苗さん…。」

 

 

 その時!

 

 

 グラシエ「ふっふっふ…どうやら逃げずに来れたみたいですね~!」

 

 

 一同は声のした方を振り向く。自分たちの目の前にいつの間にかグラシエが立っていた!

 

 

 グラシエ「やあどうも。お久しぶりで。」

 

 少し皮肉っぽく健二たちに挨拶をするグラシエ。

 

 

 健二「遂に出て来たな…バット星人グラシエ!」

 

 

 グラシエ「おや…ふふふっ、その様子だと随分と自信満々のようですね~!」

 

 自身を睨み付ける健二の眼差しを見て、グラシエは三日前とは違う気力を感じたのであろうか。

 

 

 健二「当ったり前だ!とあるお節介な風来坊に、みっちりと鍛えてもらったからな!」

 

 早苗「それに、戦いへの覚悟も変わった…。今日は絶対に負けない!」

 

 

 グラシエ「ふっふっふ、いいでしょう。 レッドキング!エレキング!」

 

 

 “ズドーン”

 

 

 グラシエの呼びかけを受け、激しい地響きと共に『装甲怪獣レッドキング』と『放電竜エレキング』が姿を現した!

 

 咆哮を上げる二体。どうやら二体も気合十分のようである。

 

 

 グラシエ「さあ見せてみなさい。あなた達の本気を!」

 

 

 二大怪獣を見上げ、遂に変身の決意を固めた二人は数歩前に出る。

 

 

 そして、後ろで見守るフルータ星人一同の方を振り向き…、

 

 早苗「安全な所で、見守っていて。」

 

 健二「必ず、生きて帰るから。」

 

 

 賢「…健二…。」

 

 愛「早苗さん…。」

 

 フルータ星人一同は少し不安がりながらも、安全な場所に移動し、健二たちを見守る事にした。

 

 

 健二「さぁ、行こうぜ!!」

 

 早苗「ええ!!」

 

 

 健二はエスプレンダーをはめた右手を左肩に当てて手前に突き出し、早苗はアグレイターをはめた右腕を下におろし、アグレイターの翼状のパーツを左右に展開させる。

 

 

 健二「ガイアー!!」

 

 

 早苗「アグルー!!」

 

 

 “ピキーン”(所謂エスプレンダー発光音)

 

 

 “ピシーン ガガガガガガ…ファイーン”(所謂アグレイター点滅&発光音)

 

 

 エスプレンダーは赤い光を放ち、アグレイターは発光部を激しく点滅させながら青い光を放ち、健二と早苗は光に包まれる。

 

 

 そしてそれぞれ赤と青の光の中からガイアとアグルが飛び出す!

 

 

 “ズドーン”

 

 

 ガイアとアグルは激しく土砂を巻き上げながら着地した。

 

 そして、巻き上がった土砂により起こった土煙を振り払うように、雄々しく立ち上がる。

 

 

 レッドキングとエレキングも、二人の登場に気付き身構える。

 

 

 グラシエ「遂に現れましたねウルトラマンガイア!ウルトラマンアグル!」

 

 

 賢「いよいよだな。決戦の時…。」

 

 愛「えぇ…そうね…ん?」

 

 

 その時、愛は何かに気づいた。

 

 

 愛「ガイアさんとアグルさんの姿…三日前と違うような…?」

 

 

 現れたガイアとアグル。だが、よく見てみると姿が以前と変わっていたのである!

 

 

 ガイアは胸のプロテクターが黒くなっており、アグルは体色が鮮やかな青になっており、胸のプロテクター『アグルブレスター』のボディーラインに金色が入っている。

 

 

 ガイアとアグルはそれぞれ自身の中のアグルの力、己の中の力を解放させて『V2』へと進化したのである!

 

 

 ガイ(オーブ)から課せられた特訓をクリアし、更に自身のウルトラマンに選ばれしワケ、守るべきモノに気付けた健二と早苗の成長に、ガイアとアグルの光が応えたのであろう。

 

 

 腕、胴体などを見つめながら、自身の姿の変化に反応する二人。

 

 健二「何だ…この姿は…。」

 

 早苗「前よりも、力が湧いて来る。」

 

 

 二人の闘志に応えるように、それぞれプロテクターが発光する。

 

 

 賢「スゲェ…前とまるで違うな。雰囲気。」

 

 

 バルタ「修行の成果が試されるときですな。」

 

 

 しれっと現れるバルタとピグモン。

 

 賢「ぅわあッ!? だ、誰だよお前!」

 

 愛「あ、バルタさんピーちゃん、どうも。」

 

 賢「…てか愛お前知ってんのかよ!?」

 

 愛「え…あはは、ガイさんの仲間だよ。」

 

 バルタ「驚かせてすまなかった。初めまして。バルタと申す。」

 

 賢「アンタも…健二さんたちの特訓に関わってたのか?」

 

 バルタ「えぇ。そしてその特訓を通して、彼らが強くなったことを確信した。その成果が楽しみだ。」

 

 明人「異星人二人に特訓してもらったのか…?健二さんと早苗さんは。」

 

 輝雄「マジパねえ…これは超強くなってるかも!?」

 

 フルータ星人一同は、健二たちの強さへの期待が高まっていた。

 

 

 グラシエ「ほほぅ、これは面白くなりそうですねぇ。」

 

 グラシエも二人の成長を確信しほくそ笑む。

 

 

 両者じっくりと対峙する…。まるで激闘への呼吸を整えているようである…。

 

 

 やがて、近くの電線が軽く火花を散らしたのを合図に互いに地響きを立て、土砂を巻き上げながら駆け寄る!

 

 

 健二「よし、行くぞっ!!」

 

 

 ガイアはレッドキングと、アグルはエレキングとそれぞれ組み合い、それと同時に衝撃により激しく土砂の柱が巻き上がる!

 

 

 …以前ならこの時点で力負けしていたのだが、なんと今回は互いに互角な押し合いを展開していた!

 

 

 早苗「…何…この力は…。」

 

 健二「以前と…まるで違うぜっ!!」

 

 

 両者互角の押し合いを展開した後、ガイアはレッドキングの放って来た右フックを左腕で防いだ後、そのまま右拳のストレートを胸部に打ち込み、続けて右脚の前蹴りを腹部に叩き込んで後退させ、アグルは押し合いで組み合ったままエレキングを持ち上げ、放り投げて地面に叩き付けた!

 

 

 愛「やった!互角に戦えてる!」

 

 賢「スゲェ…流石は選ばれし者たちだ。」

 

 以前よりも強くなっている事が明らかになったガイアとアグルに、賢と愛は感心を示す。

 

 

 グラシエ「ほぅ…確かに以前よりは強くなっていますねぇ…。」

 

 

 そう言うとグラシエは市街地の方を振り向き…。

 

 

 グラシエ「では、レッドキングたちが戦っている間、私はいっちょ破壊してきますか。」

 

 

 健二「何ッ!?」

 

 早苗「何ですって!?」

 

 

 驚愕する一同。

 

 賢「テメー!…戦いを見物するんじゃなかったのかよ!何で破壊なんか…!」

 

 グラシエ「あら、だからって“何もしない”と言ってませんよ~?今やあの二人はレッドキングたちと互角に戦えるほどに強くなった。どうやら戦いは長引きそうなので、その間に暇つぶしをするのですよ。」

 

 

 輝雄「暇つぶしで破壊行動とか…!」

 

 明人「明らかに残忍な宇宙人のする事だな…!」

 

 

 グラシエ「残忍で結構!私はただ、ウルトラ戦士どもを抹殺したいだけなのだ~!!」

 

 そう言いながらグラシエはみるみる巨大化していき、それに伴って口調も荒々しくなっていく…!

 

 

 グラシエ「さぁ!暴れてやる!…ウルトラ戦士が現れるまでなぁ!!」

 

 

 グラシエは市街地に向かい始める…!ガイアとアグルはレッドキングとエレキングとの戦いにより向かうことが出来ない…!

 

 

 その時、

 

 

 ガイ「やっぱそう来たかー!」

 

 

 グラシエ「…何だと!?」

 

 

 グラシエが声のした方を振り向くと、その視線の先にはクレナイ・ガイが、帽子を取りながら立っていた。

 

 

 ガイ「後を付けておいて正解だったぜ。」

 

 

 健二「ガイさん…!」

 

 早苗「来てくれたんだね…!」

 

 ガイの登場に健二と早苗も安心する。

 

 

 ガイ「お前らは戦いに集中してろ。…コイツは、俺が引き受ける。」

 

 

 健二・早苗「はいっ!!」

 

 

 グラシエ「何を小癪な~!!」

 

 

 ガイはグラシエを睨み付けるような鋭い視線で見つめる。

 

 ガイ「お前の相手は、この俺だ!」

 

 

 ガイはオーブリングを突き出し、光に包まれる。

 

 そして、オーブオリジンのカードをリングにリードする!

 

 

 《覚醒せよ!オーブオリジン!》

 

 

 ガイ「オーブカリバー!」

 

 

 ガイの叫んで手を伸ばすと共に光を発するリングの中から『オーブカリバー』が飛び出し、ガイはそれを手にする。

 

 そして、カリバーのリング・カリバーホイールを回した後上に揚げてトリガーを引く。

 

 すると、オーブニカの音声のようなメロディと共に全ての紋章が点灯し、そこから溢れた光に包まれる。

 

 

 そしてその光の中から『ウルトラマンオーブ・オーブオリジン』が右拳を突き出して飛び出す!

 

 

 ガイ「テアーッ!」

 

 

 (オーブオリジン登場BGM)

 

 

 グラシエ「うぐっ…何だこの光は!」

 

 

 グラシエが眩しさに目を覆う中、オーブはリング状の光を発しながら姿を現す!

 

 

 ガイ「俺の名はオーブ! ウルトラマンオーブ!」

 

 

 オーブの登場に一同は反応する。

 

 バルタ「おっ、来ましたかガイの旦那!」

 

 賢「え?…てことは、あれが健二たちを鍛えた…。」

 

 愛「ええ。ウルトラマンオーブよ。 あの姿もカッコいい~!」

 

 バルタ「あれが真の姿なのですぞ!」

 

 

 健二「あれが真の姿…つまり…、」

 

 早苗「己の力を引き出せる、形態…?」

 

 

 グラシエ「現れたなウルトラマンオーブ。 まずは貴様からやっつけてやる!」

 

 そう言うとグラシエは自身の武器でもある剣を引き抜いて構える。

 

 

 ガイ「銀河の光が、我を呼ぶ!」

 

 オーブは名乗りと共にカリバーを頭上に回して光の弧を描いた後、両手持ちで構える。

 

 

 (オーブオリジン戦闘BGM)

 

 

 グラシエ「ゼアーッ!」

 

 ガイ「テアーッ!」

 

 

 両者は互いに駆け寄りながら武器を振り下ろし、そして互いの武器が激しく火花を散らしながらぶつかり合う!

 

 

 お互いに剣と剣を合わせて競り合いをした後一旦離れ、オーブは左から横降りにカリバーを振るうがグラシエはそれを瞬時に防ぎ、逆に頭上から大きく剣を振るうがオーブは逆手持ちのカリバーでそれを防ぐと、そのまま右脚蹴りを繰り出すがグラシエはそれを即座に左腕で防ぐ。

 

 そしてお互い同時に放ったパンチが同時にお互い胸部に命中し、吹っ飛ぶ形で後退して距離を取る。

 

 オーブとグラシエは互いに剣を振るいながら接近し、互いの剣が火花を散らしながらぶつかると同時に両者はすれ違う。

 

 その後グラシエは後ろから斬りかかるが、オーブは背を向けたまま右逆手持ちのカリバーでそれを防ぎ、そのまま左足の後ろ蹴りを腹部に命中させて後退させる。

 

 

 オーブは振り向き様にカリバーを振るって斬りかかるが、グラシエはそれを高く跳び上がる事でかわす。

 

 

 ふと上を向くオーブは、グラシエが上空から急降下しながら放った剣を振るっての衝撃波を即座に横に跳んでかわすと同時に右手を突き出して光弾『オリジウムソーサー』を二発放つが、グラシエはそれを剣でことごとく弾き返した。

 

 

 そして急降下すると共に頭上から剣を振るって斬りかかるが、オーブはそれを両手持ちのカリバーで防ぐ形で受け止める。

 

 

 グラシエ「ふふふ、なかなかやるなぁ、ウルトラマンオーブ!」

 

 ガイ「まだまだここからだ!」

 

 

 

 その頃、櫂と真美、海羽の三人は、里奈を見送りに空港まで彼女を送った。

 

 因みに里奈は、現在シングルマザーで一人女児持ちの彼女の母の妹が引き取ることになった。

 

 

 遂に飛行機の時間が近く、里奈を見送る時が来た一同。里奈の新しい母は彼女と手を繋ぎながら櫂たちに礼を言う。

 

 

 「ありがとうございます。どうも姉の娘がお世話になりました。」

 

 

 真美「いえいえ、私たちはただ最低限の親代わりをしただけですよ。」

 

 海羽「とっても可愛い娘ですね!」

 

 櫂「ま、彼女は予想以上に元気少女だったけどな。思った以上に手を焼いたぜ。」

 

 櫂の発言に一同は笑い合う。

 

 どうやら櫂は、里奈に対する憎悪はすっかり無くなっているようである。

 

 

 海羽「また一緒に遊ぼうね~。」

 

 人懐っこくそう言いながら里奈の頬をつつく海羽。

 

 里奈「楽しかったよ海羽姉ちゃん。」

 

 

 次に真美が里奈の元に歩み寄り、目線までしゃがむ。

 

 真美「楽しい事、悲しい事、嬉しかった事、何でもいいから、もしまた話したくなったら遠慮なくいつでも電話してね。」

 

 真美は優しくそう言いながら自身の携帯番号をメモした紙切れを里奈に手渡した。

 

 里奈「…ありがとう。ママ、大好き!」

 

 里奈はそう言いながら真美に抱き付いた。

 

 里奈「ママの次に大好き。綺麗で、優しくて、とってもいい匂い!」

 

 真美「うふ、ありがとね。」

 

 そう言いながら、真美は優しく抱き返した。

 

 

 櫂「じゃあな。元気でやれよ。」

 

 櫂も、少し申し分なさそうに里奈に別れの言葉を送った。

 

 

 里奈「じゃあね櫂。」

 

 

 櫂「ふっ…相変わらず俺は呼び捨てかよ。」

 

 

 一同は再び笑い合った。

 

 

 やがて里奈は、新しい母親と共に改札を通って手を振りながら歩き去って行く。

 

 

 里奈「さよならー!」

 

 

 櫂「元気でなー!」

 

 海羽「さようならー!」

 

 真美「また遊ぼうねー!」

 

 

 やがて三人は里奈を見送った後、空港を後にする。

 

 

 海羽「あーあ、私もっと里奈ちゃんと遊びたかったなー。」

 

 真美「うふ、きっとまた遊べるよ。私たちに懐いてくれたし。」

 

 櫂「ただ気を付けろよ~。彼女は見た目以上にお転婆だから、油断したら大きく手を焼くぜ。俺みたいに。」

 

 海羽「へぇ~、子供に手を焼く櫂君か…見てみたかったなー。」

 

 櫂「ばっ…よせよ!」

 

 一同は笑い合った。

 

 

 やがて海羽と真美が他愛もない会話を始めた時、ゼロはひっそりと櫂に話しかける。

 

 ゼロ「ふっ、櫂、どうやら彼女には友好的になったみたいだな。」

 

 櫂「あぁ…アイツは俺と同じ境遇。そう思うと、むしろ憎悪よりも楽しませてやろうという気持ちの方が勝っちまってな。」

 

 ゼロ「ふっ、そっか…。」

 

 

 櫂「…だから…これ以上アイツみたいな人を増やさないためにも…怪獣は一匹遺さず駆逐する…俺はそう決めてんだ…!」

 

 

 そう言いながら櫂は、少し真剣な表情と共に拳を強く握る。

 

 

 ゼロ「櫂…。」

 

 

 ゼロはまだ言えなかった…。“怪獣だって悪い奴ばかりじゃない”という事を…。

 

 いつかそれを伝える時が来る…ゼロはそう言い聞かせながら、とりあえず今はまだ櫂の様子を見ることにしたのだ。

 

 

 その時、

 

 

 ゼロ「お!櫂。何やら邪悪な宇宙人反応をキャッチしたぜ!」

 

 櫂「お、そうかゼロ!」

 

 ゼロ「ここはいっちょやりますかっ!」

 

 

 櫂「あぁ………この三日間の…ストレス発散には丁度いい…!」

 

 櫂は不敵な笑みでそう呟くと、左腕のウルティメイトブレスレットからウルトラゼロアイを出現させる。

 

 

 櫂「レッツ、ゼロチェンジ!!」

 

 

 掛け声と共にゼロアイは櫂の目にくっ付き、やがて櫂の体は赤と青の光と共に徐々にゼロの姿に変わっていき、巨大化する…。

 

 

 

 オーブVSグラシエの戦いは、なおも激しく続いていた。

 

 互いの振るう剣と剣が、激しく火花を散らしながらぶつかり合う。

 

 

 激しい斬り合いの中、グラシエはオーブにささやく。

 

 グラシエ「オーブ!この前のあの姿…あなたも“あのお方”から力を借りている身。即ち、私と同じなのだよ!?」

 

 

 グラシエは、先日目にしたオーブ・サンダーブレスターから、オーブも自身と同じ闇から力を借りる存在だと思わせようと掛かって来ているのだ!

 

 

 グラシエ「あの強大な闇の力、我が戦力にピッタシ。どうだ?愚かな人間の味方なんかやめて、私と共に闇の勢力に就かないか?ひぇっひぇっひぇっひぇっひぇ…!」

 

 

 …だが、オーブ(ガイ)は揺るがぬ強い意志を持っていた。

 

 ガイ「お前なんかと一緒にすんじゃねーよ!」

 

 

 グラシエ「…なんだと!?」

 

 

 ガイ「確かに、俺もかつてはベリアルさんの闇の力に飲まれたりした事があった…。

 

 だがな、かけがえのない人間たちのお陰で、俺は闇を恐れず逆に抱きしめ、自分の力にすることが出来た…!

 

 つまりこの闇は、俺の中の正義の闇なんだ!」

 

 

 グラシエ「…正義の…闇だと!?」

 

 ガイの思わぬ言葉に動揺し始めているグラシエは、次第にオーブに押され始めていく…!

 

 

 ガイ「いつまでも闇に縋る、お前なんかとは違うんだー!!」

 

 

 オーブは渾身の横降りの斬撃をグラシエの腹部に炸裂させグラシエはダメージを受けて後退する。

 

 

 グラシエ「くっ…ほざけー!!」

 

 

 グラシエは剣の刀身を発光させ、渾身の一撃を打ち込もうと接近する!

 

 

 オーブはカリバーのホイールを回して“火”の紋章で止めてトリガーを引いてホイールを回転させ、カリバーの刀身に炎を纏わせる。

 

 そしてオーブはグラシエの斬撃をカリバーで受け止めると、そのまま激しく火の粉を散らしながら攻撃を受け流していく…!

 

 

 ガイ「オーブフレイムカリバー!」

 

 

 そして完全に攻撃を受け流した後、カウンターの『オーブフレイムカリバー』を腹部に叩き込む!

 

 

 炎の斬撃を喰らったグラシエは爆発と共に大きく吹っ飛び地面に叩き付けられる。

 

 

 グラシエ「うぐっ…おのれオーブ…こうなればレッドキングとエレキングに加勢を…!」

 

 

 ゼロ「そうはさせねーよっ!」

 

 

 グラシエ「…ふぬっ!?」

 

 

 突如どこからか聞こえた聞き覚えのある声に反応したその時!

 

 

 ゼロ「ふぉぉぉぉぉりゃあッ!!」

 

 

 “ドガッ”

 

 

 グラシエ「!ぐはっ!」

 

 

 グラシエは現れたゼロの急降下キックを胸部に喰らい、大きく吹っ飛んでしまった。

 

 

 蹴りを決めたゼロは着地し、起き上ってポーズを決める。

 

 

 ガイ「あなたは…ゼロさん!?」

 

 ゼロ「よお!お待たせ! …てかオーブも来てたのか!?この世界に…!」

 

 ガイ「えぇ。ゼロさんも、コイツの反応を追って来たのですか?」

 

 ゼロ「あぁそうだ!とりあえず、挨拶は後だ!」

 

 互いに予期せぬ出会いに驚きつつも声を交わす。

 

 

 岩山に叩き付けられたグラシエは、突然のゼロの登場に驚きつつも一番の狙いの登場に反応し、体勢を立て直そうとする。

 

 グラシエ「ゼロも現れましたか…丁度いい…二人まとめてぶっ倒s…」

 

 

 “ゴシャッ”

 

 

 グラシエ「…うぐッ!?」

 

 

 突如、グラシエはゼロの右足蹴りを顔面に喰らい、そのまま岩山に押さえつけられてしまう。

 

 

 ゼロ「お前まさか蘇っていたとはなー。それに俺のかわいい後輩にちょっかいかけやがって!」

 

 櫂「ゼロ此奴に因縁あるのか? なら話は早い…ストレス発散にいっちょ付き合えよ…!(不敵な笑み)」

 

 

 グラシエ「ぅっ…今回のゼロ…何だか雰囲気が違う…!?」

 

 

 グラシエは早くもいつもと違うゼロの雰囲気に気付きつつあった。

 

 なにしろ今の彼は、邪の心を隠し持っている青年・櫂と一体化しているのだから…。

 

 しかも今回の櫂は、三日間の子育て地獄によりストレスが最高潮に達しているのだから…(笑)

 

 

 ガイ「一緒に行きましょう!ゼロさん!」

 

 

 そう言うとオーブは青色の光に包まれる。

 

 

 ガイ「ジャックさん!」

 

 《ウルトラマンジャック!》

 

 ジャック「シェアッ!」

 

 

 ガイ「ゼロさん!」

 

 《ウルトラマンゼロ!》

 

 ゼロ「デェェェアッ!」

 

 

 ガイはウルトラマンジャックとウルトラマンゼロのカードをダブルリードし、二人のビジョンがガイの両側に並び立つ。

 

 

 ガイ「キレの良いやつ、頼みます!」

 

 

 ガイは両側の二人と共に、右腕を揚げた後、オーブリングを目の位置に構えた後上に揚げる!

 

 

 《フュージョンアップ!》

 

 

 リングは音声と共に側面のカバーが展開し、オーケストラ調の壮大なメロディでジャックとゼロと共に緑、青と光った後に青に輝く。

 

 そしてオーブはジャックとゼロのビジョンと合体するかのように重なり青く光り、やがてその光が下から消えていき姿を現す。

 

 

 《ウルトラマンオーブ! ハリケーンスラッシュ!》

 

 

 全身に纏っていた光が消えて姿を現した『ウルトラマンオーブ・ハリケーンスラッシュ』は、『帰ってきたウルトラマン』のタイトルバックが移り、そこからゼロの変身バンクを思わせる赤と青と白の閃光が飛び出す背景と共に、光の中から飛び出す!

 

 

 (ハリケーンスラッシュ戦闘BGM)

 

 

 ガイ「光を超えて、闇を斬る!」

 

 

 オーブは姿を現すと同時に青い旋風にも似た波動を巻き起こしつつ口上を上げながらポーズを決める。

 

 

 因みにハリケーンスラッシュの元のウルトラ戦士は、二人ともバット星人と戦って倒した事がある。ある意味“バット星人キラー”とも言える形態である(笑)

 

 

 なおもグラシエをややアウトローなパンチやキックで痛ぶるゼロ。よほど櫂はストレスが溜まっているのであろう。

 

 

 やがてゼロがグラシエを上空に蹴り上げたところでオーブは高く跳躍し、上空でグラシエに青い閃光を纏った足で疾風の如く蹴りつける『流星スラッシュキック』を決める!

 

 グラシエは地面に落下する。

 

 

 ゼロ「ストロングコロナゼロ!」

 

 

 『ストロングコロナゼロ』にタイプチェンジしていたゼロは、立ち上がったグラシエに炎を纏ったパンチを連打していく!

 

 右フックを顔面に、次に左ボディブローを決め、その後右ストレートを受け止められるが即座に右膝蹴りを腹部に打ち込んで引き離した後、右アッパーを叩き込み、そして両手を合わせて握ったパンチを頭上から打ち込んで叩き込んで屈ませる。

 

 

 グラシエが屈んだところでゼロは右腕、オーブは左腕をそれぞれ掴む。

 

 

 ゼロ・ガイ「ウルトラハリケーン!」

 

 

 ゼロとオーブは共通の投げ技『ウルトラハリケーン』で、青い竜巻に巻き込ませる形でグラシエを上空に放り投げる!

 

 

 ガイ「オーブスラッガーランス!」

 

 オーブは頭部から飛ばしたオーブスラッガーショットを回転させて合体させて『オーブスラッガーランス』を生成する。

 

 

 ゼロ「ガァァルネイト、バスター!!」

 

 ガイ「オーブランサーシュート!!」

 

 

 ゼロは右拳に炎エネルギーを纏わせて突き出して炎状の強力光線『ガルネイトバスター』を、オーブはオーブスラッガーランスのレバーを一回引いて突き出し、先端から破壊光線『オーブランサーシュート』を放つ!

 

 

 二つの強力光線を受けたグラシエは大爆発して大ダメージを受ける。

 

 

 グラシエ「ぅぐはぁっ!!…まさか…この私が…二度もウルトラ戦士にっ…!」

 

 完全にグロッキーとなったグラシエ。今こそトドメの時だ!

 

 

 ガイ「闇に帰れ…これで終わりだ!」

 

 ゼロ「二度と蘇えんじゃねーぞコウモリ野郎!」

 

 櫂「地獄に落ちろおぉぉ!!」

 

 

 オーブは上空のグラシエ目掛けて高く跳び上がり、『ルナミラクルゼロ』にタイプチェンジしていたゼロは右腕を顔の前に持って来て精神を統一する。

 

 

 ゼロ「ミラクルゼロスラッガー!」

 

 

 ゼロは右腕を突き出し、無数に分離するゼロスラッガー『ミラクルゼロスラッガー』を飛ばす!

 

 

 オーブはオーブスラッガーランスのレバーを三回引いて刃先を輝かせる。

 

 

 ガイ「トライデントスラッシュ!」

 

 

 オーブは必殺技『トライデントスラッシュ』を発動させ、四方八方から複雑な軌道を描きながら飛び回るミラクルゼロスラッガーと共に目にも止まらぬ速さでグラシエを斬り裂いていく!

 

 

 オーブがグラシエを斬り裂いている間、ゼロスラッガーはゼロの元に戻って行き、やがて元のゼロに戻っていたゼロはスラッガーを合体させて『ゼロツインソード』を生成すると、刀身を輝かせながらグラシエ目掛けて高く跳び上がる!

 

 

 そして、ゼロはすれ違いざまに必殺の斬撃『プラズマスパークフラッシュ』を、そしてオーブはトライデントスラッシュの最後の強力な一撃を、それぞれ同時に叩き込む!

 

 

 会心の一撃を決めたゼロとオーブは着地してポーズを決める。

 

 

 グラシエ「おっ…おのれゼロ!オーブ!…お、俺が倒れても、あやつら(レッドキングとエレキング)が必ずガイアとアグルを倒し、お前らを~…!」

 

 

 “ズドガーン”

 

 

 グラシエは捨て台詞を吐いた後、上空で大きく発光した後大爆発して跡形も無く消し飛んだ。

 

 

 櫂「ヘッ…汚ねぇ花火だ!…あースッキリしたー!」

 

 どうやら櫂は、十分ストレス発散ができたようである(笑)

 

 

 共闘を終えたゼロとオーブ(オーブオリジン)は握手を交わす。

 

 ガイ「ゼロさん、お疲れさんです。また一緒に戦えて光栄です。」

 

 ゼロ「良いって事よ。俺も丁度、あのコウモリ野郎が気に入らなかっただけでね。」

 

 櫂「この人は…ウルトラマンオーブって言うのか?」

 

 ゼロ「あぁ。俺の後輩だ。」

 

 ガイ「その声は…今ゼロさんと共に戦っている者ですね。初めまして。」

 

 櫂「お、おぉ、初めまして。俺、竜野櫂だ。よろしくな。」

 

 ガイ「こちらこそ。」

 

 

 気さくに自己紹介をする櫂だが、当然心の中では不敵な笑みを浮かべながら…、

 

 櫂(フッ…ウルトラマンがまた増えたか…これで怪獣ども殲滅にまた近づけるかな…。)

 

 

 やがて三人は、レッドキングとエレキングと戦っているガイアとアグルの方を振り向く。

 

 ガイアとアグルはそれぞれレッドキングとエレキングと互角の戦いを展開しており、フルータ星人一同はその様子を見守っていた。

 

 

 ゼロ「コウモリ野郎の言ってたレッドキングとエレキングとはあいつらの事だな…よーし、俺もいっちょ加勢しt…」

 

 ガイ「待ってくださいゼロさん。」

 

 ゼロ「ああ?何だよオーブ。」

 

 

 ガイ「…あの二人を…信じてみましょう。」

 

 

 ゼロ「…へっ、そうか。分かったぜ。」

 

 ガイの言葉に何かを察したのか、ゼロもガイアとアグルの戦いを見守ることにした。

 

 

 やがてゼロとオーブは変身を解き、人間態に戻る。

 

 

 ガイ「初めまして。俺はクレナイ・ガイ。」

 

 櫂「あ、ああ、どうも。 しかし、何故加勢しないんだ?」

 

 ガイ「ガイアさんとアグルさんは、自身の中の潜在的な力を引き出せるはずだ。俺はそれに期待したい。」

 

 櫂「あ…ああ、何だか知らねーがそういう事か…。」

 

 

 

 ガイアさんとアグルのレッドキングとエレキングとの戦いは白熱を増していた。

 

 

 ガイアは連続でパンチを胸部に打ち込むが、レッドキングはそれに怯まず右フックを打ち込み、ガイアはそれを喰らったがそれによる体の回転を活かして回し蹴りを頭部に打ち込む。

 

 その後、お互いにカウンターのパンチが胸部に決まり同時に後退する。

 

 

 アグルはエレキングの尻尾攻撃をなんとか右腕で弾き返すと、続けて打って来た左フックを右腕で受け止めるとカウンターの右足蹴りを腹部に打ち込んで後退させる。

 

 エレキングは突進の形で頭突きを繰り出し、アグルはそれを両手で頭部を掴んで受け止めるが、強い力により押さえ込まれそうになる…。

 

 

 やはりV2に覚醒して強くなったとはいえ、二体の怪獣もそれに負けない強さを隠し持っていた…!

 

 

 …だが、二人は決して諦めてはいなかった。

 

 

 早苗「こいつらやっぱり強い…でも、私たちは諦めない…! ガイさんが言ってくれたんだもん…!」

 

 

 健二「今の俺たちなら、真の力を引き出せると…! ガイさんも、ゼロと共に俺たちのために頑張ってくれたんだ…今度は、俺たちが頑張る番だ!」

 

 

 その時、

 

 

 斎木「根性見せろウルトラマーン!!」

 

 

 健二・早苗「…え?」

 

 

 フルータ星人一同「この声は…!?」

 

 

 一同は声のした方を振り向く。そこには、4機のF-15Jイーグルが飛んで来る光景が!

 

 

 『斎木和寿』とその仲間たち(マサト、ユウジ、タカオ)が、怪獣出現に気付き加勢に来たのだ!

 

 斎木「加勢しに来たぜ!」

 

 マサト「随分と派手なバトルが始まってるな!」

 

 ユウジ「腕が鳴るね~。やってやるぜ!」

 

 タカオ「気を抜かずに行くぞっ!」

 

 

 賢「ぅわぁ…斎木…。」

 

 賢は、先日の件(第26話参照)もあって、まだ斎木の事を恐れているようである(笑)

 

 

 愛「ま、まあまあ(汗)。でも、加勢に来てくれたなら心強いわ。」

 

 明人「おっかねえ人だけど、腕は確かだからな。」

 

 輝雄「これは益々燃えて来るね。」

 

 

 斎木「撃て!」

 

 斎木の合図と共に、4機は一斉に弾丸を発射する!

 

 弾丸を数発喰らったレッドキングとエレキングは、注意が斎木達にそれる。

 

 そしてそれぞれ爆発岩石弾と放電刃を放つが、斎木達は高度な操縦テクによりそれらをかわしつつ、続けて弾丸を発射していく。

 

 

 早苗「斎木さん…みんな…。」

 

 健二「ありがとよっ!!」

 

 

 思わぬ援軍により元気を取り戻したガイアとアグルは、再び2体に挑む!

 

 

 健二・早苗「今こそ、ガイさんからの特訓の成果を見せる時!!」

 

 

 エレキングは尻尾攻撃に切り替え、4機目掛けて大きく尻尾を振るうが、アグルは「させるか!」とばかりに高く跳躍すると、上空で大きく脚を振るって尻尾攻撃を蹴って叩き落とす!

 

 

 その後着地するとエレキングの右腕を掴んでそのまま腹部に右足蹴りを打ち込み、続けて小さく跳躍して左前蹴りを胸部に叩き込む。

 

 その後、エレキングの首を掴んで高くジャンプした後、落下スピードを活かして地面に叩き付けた。

 

 

 アグルは再び体勢を立て直すと、高く跳躍してすれ違いざまに右足蹴りを放ち、エレキングの左側の角を叩き折った!

 

 その後、着地して再び構えを取る。

 

 

 基本スペックはガイアV2を上回ると言われているアグルV2。自身が選ばれた意味、そして戦う理由に気付いた早苗は今、その力を引き出せるようになったのである!

 

 

 早苗「わぁ…これなら行ける…行けそうだよ!」

 

 

 やがてアグルは余裕が出始めたのか、右手を突き出して指を軽く曲げて挑発するようなポーズを取る。

 

 

 だが、エレキングはアグルの思わぬ強さに警戒しているのか、向かって来る様子は無い…。

 

 

 やがてアグルは挑発のポーズを解くと、「そっちが来ないならこっちから行くぜ!」とばかりに必殺技のポーズに入る!

 

 

 アグルは両腕を回転させて光エネルギーを発生させ、やがてそれを両腕を胸に持ってくることで溜める。

 

 

 アグルの必殺技のチャージをじっと見つめるエレキング。やがてアグルは両腕を引いて右腰辺りに持ってくることで精神を統一させる…。

 

 

 すると、エレキングは「今だ!」とばかりに口からの放電刃を連射し始める!

 

 

 だが、アグルはそれに動じる事無く、「遅い!」とばかりに両腕を突き出し、リキデイターの強化版とも言われるスクリュー状の波動弾『フォトンスクリュー』を放つ!

 

 

 波動弾は放電刃を打ち消しながら突っ込み、やがてエレキングの体を貫通する!

 

 

 胸部に風穴を開けられ動きが止まるエレキング。やがてアグルが背を向けると、エレキングは大爆発して跡形も無く消し飛んだ…。

 

 

 アグルは遂に、エレキング撃破に成功したのである!

 

 

 賢「ィよしっ!!」

 

 愛「やったー!!」

 

 輝雄「やるじゃないか早苗さん!!」

 

 明人「かっけー!!」

 

 

 フルータ星人一同はアグルの勝利に歓喜する。

 

 

 ガイ「…ふっ、やったな。」

 

 バルタ「やりましたな。」

 

 ガイ達も、早苗(アグル)の勝利に彼女の成長を感じた。

 

 

 

 あとはガイアVSレッドキングだけである!

 

 

 レッドキングは口から爆発岩石弾を放つが、ガイアはそれを両手を突き出して『ウルトラバリヤー』を展開して防ぎ、そして跳躍してバリヤーを跳び越えて急降下キックを放つが、レッドキングはそれを右腕で受け止めて防ぎ、そのまま押し飛ばすがガイアは空中で宙返りして着地する。

 

 両者は駆け寄りつつ肩での体当たりをぶつけ合い、その後ガイアの右フック、左膝蹴りをレッドキングはそれぞれ左腕、右腕で防いだ後、右拳のストレートを放つがガイアはそれを両腕をクロスして防ぎ、それを右拳で叩き落とした後、不意にレッドキングの左フックを顔面の右側面に喰らうが、すかさずお返しとばかりに右フックをレッドキングの顔面の左側面に叩き込む!

 

 そして両者は再び組み合い力比べを始める!

 

 

 両者の戦いの激しさは周囲にも伝わり、土砂や土煙、石の粒が連続して起こる小さな爆発と共に巻き上がる。

 

 

 やがて両者はお互い右足蹴りを同時に放ち、それが同時にそれぞれ腹部に命中して後退する。

 

 

 このように、ガイアはレッドキングと一進一退の互角な戦いを繰り広げていた。

 

 

 ガイからの特訓を突破し、自身が選ばれた理由、戦う理由に気付き、更にV2となった事で強さも増したはずなのだが、それでもレッドキング、やはりかつてマックスを苦戦させた事があるだけあって、それに負けない強さで戦いを挑んでいた。

 

 

 アグルはガイアに加勢しようと構えを取る。しかし、

 

 

 健二『待ってくれさなちゅん! こいつは俺自身の力で倒したいんだ!』

 

 健二はガイアの力で、テレパシーでアグルの中の早苗に語り掛けた。

 

 早苗「…でもケンちゃん…。」

 

 

 すると、健二の意思を察したガイも早苗(アグル)に呼びかける。

 

 ガイ「あいつにやらせてみろよ!」

 

 早苗「…ガイさん…。」

 

 

 ガイ「…彼なら出来る…信じるんだ…。」

 

 

 ガイの言葉を聞き、そして健二の強い意志に気付いたアグル(早苗)はゆっくりと頷いた後、体を青く発光させて小さくなっていき、やがて変身が解除されて人間体の早苗に戻る。

 

 

 早苗「ケンちゃん…私、信じるよ…。 ケンちゃんが勝つのを…!」

 

 早苗はガイアの方を向いて懸命にお祈りした。

 

 

 ユウジ「よーし、こうなったら奴にミサイルをぶち込んでやる!」

 

 マサト「待てユウジ!」

 

 ユウジ「はぁん?」

 

 マサト「さっき奴の体内をスキャンした。見ろ。」

 

 マサトはユウジの機体のモニターにデータを送り込む。

 

 マサト「奴の体内には爆発性の高い岩石が詰まっている。ミサイルで爆破してしまえば、この辺りが吹っ飛ぶぞ!」

 

 ユウジ「なんてこった…これじゃあガイアや周辺の人達まで吹っ飛んじまう!」

 

 

 隊員達が苦悩している間にも、ガイアの『クァンタムストリーム』とレッドキングの爆発岩石弾が激しいぶつかり合いを展開していた。

 

 

 健二「今爆破したらダメだ…なんとか今の内に、反撃の隙を作らないと…!」

 

 今回の健二は冷静だった…しかし、果てしなく続く撃ち合いになかなか隙が見つからずにいた。

 

 

 斎木「とにかく今は、援護射撃だ!」

 

 

 斎木たちはガイアへの援護としてレッドキングにレーザー砲で牽制する!

 

 

 それによりレッドキングは標的を斎木達の機体に変えて岩石を乱射する!

 

 

 斎木「…ッ!全機回避!!」

 

 

 斎木達は絶妙な操縦テクで岩石をかわしていくが、その手数の多さにかわすのが精一杯でいた。

 

 

 やがて、岩石弾の一部が崖に命中し、そこから砕けた岩石が落下し始める!

 

 

 その下にはフルータ星人一同が!

 

 

 賢「はっ…みんな逃げるぞ!」

 

 

 一同は急いでその場から脱し始めるが、ピグモンが足を挫いて転んでしまう!

 

 

 賢「はっ…ピグモン!!」

 

 

 ピグモン「ピー!!」

 

 

 諦めかけ、両手で顔を覆うピグモンに落石が迫る!

 

 

 バルタ「はっ…危ないっ!!」

 

 

 その時、バルタは咄嗟に突っ込んで行き、ピグモンと突き飛ばす!

 

 

 “ガラガラガラ、ドガッシャーン”

 

 

 それによりピグモンは難を逃れたが、それと引き換えにバルタが落石の下敷きに!!

 

 

 愛「はっ…バルタさーん!!」

 

 賢「バルタっ!!」

 

 

 健二・早苗「バルタさん!!」

 

 

 フルータ星人一同は急いで駆け寄り、積み重なっている石をどかし始める。

 

 

 やがて中からバルタを見つけた一同は急いで引き上げるが、彼は既に傷だらけで弱っている状態であった。

 

 

 やがてガイと櫂も歩み寄る。

 

 

 愛「しっかり…しっかりしてバルタさん!」

 

 愛と早苗、ピグモンが揺すった事によりなんとか意識を取り戻すバルタ。

 

 バルタ「…ぁぁ…良かった…無事だったみたいだな…。」

 

 

 ガイ「…何故あんな無茶を…!」

 

 意識が朦朧とする中、バルタは答えた。

 

 バルタ「…言ったよなぁ…自分はこの地球が気に入った…だから…地球を出る前に…もう一度地球人の役に立ちたいと…ヘへっ…どうやら…今がその時だったみたいだな…。」

 

 

 ガイ「お前には忍術があるだろそれを使えばこんな事にならなかったはずだ…!」

 

 

 バルタ「…へへっ…どうやら、忍術を…使おうという意思よりも…助けたいという…意識の方が勝っちゃった…みたいだ…。」

 

 

 悲しに暮れる一同…その様子を見た櫂はどこか複雑な心境になっていた…。

 

 櫂「…バカな…宇宙人が…地球人のために…おのれを犠牲に…?」

 

 ゼロ「な、これで分かっただろ? 宇宙人にだって善良な奴もいる。これが何よりの証拠だ。」

 

 動揺する櫂に語り掛けるゼロ。櫂は更に苦悩を強める…。

 

 

 やがてバルタはガイアの方を向いて語る。

 

 

 バルタ「ガイア! 必ず勝利を掴み取ってくれ…君なら出来る…選ばれた本当の意味に気付けた…君な……ら………。」

 

 

 やがてバルタは搾り出すように喋った後、力尽きてその場に倒れ伏してしまった…。

 

 

 賢「…何…。」

 

 明人・輝雄「嘘だろ…。」

 

 ガイ「…。」

 

 早苗「そんな…。」

 

 

 愛「そんn………バルタさああぁぁーん!!」

 

 

 言葉を失う一同。愛とピグモンは悲しみの叫びを上げた。

 

 

 

 それを見た斎木達、そしてガイアも、一瞬言葉を失う。

 

 

 斎木「…何て事だ…!」

 

 

 ガイア(健二)は俯き、静かに怒りにより拳を握り始める。

 

 

 健二「…くっ………いい加減に…しやがれ…!」

 

 

 健二の脳裏には浮かんだ…レッドキングにより、ピグモンを護るために命を落とした守護獣、命を狙われたピグモン、そして、今まさにレッドキングにより力尽きたバルタ…。

 

 

 それらを脳裏に浮かべた健二(ガイア)は、遂に怒りにより吠える!

 

 

 健二「貴様は…貴様はどれだけ命を奪えば気が済むんだあぁぁ!! うおおおおああぁぁぁ!!」

 

 

 怒りに燃えるガイアは、レッドキング向かい真っ向から駆け始める!

 

 

 早苗「はっ…ケンちゃん!」

 

 

 ガイ「ダメだ健二! 怒りに駆られてはいけない!!」

 

 

 だが、そんなガイの忠告も他所にガイアはなおも駆け続ける…!

 

 

 やがてレッドキングは、真正面から吹っ飛ばしてしまおうと岩石弾を吐き出す溜めを始める!

 

 

 斎木「いかんっ!!」

 

 

 だが、

 

 

 “パフッ”

 

 

 レッドキングは岩石弾を吐き出そうと口を開けるが、どうした事かそこから岩石が発射される事無く、間抜けな音と共に土煙が少し出る程度に終わってしまう。

 

 

 レッドキングは少し驚いた後再び口を開けるが、やはり岩石は発射されず、間抜けな音と共に土煙が少し…。

 

 

 なんとこういう時に、レッドキングは体内に溜めていた岩石弾が全て無くなってしまったのだ!

 

 

 レッドキングは動揺とイライラにより遂に自身の頭を叩き始めてしまう。

 

 

 その隙にガイアは走りながら高く跳躍し、レッドキングの頭部に強力なジャンプキックを決める!

 

 

 蹴りがヒットした箇所が爆発を放つと共にレッドキングは吹っ飛び地面に叩き付けられる。

 

 

 恐らくガイアは仮にレッドキングが岩石弾を発射したとしてもそれも計算に入れ、先ほどのように跳躍して避けると共にジャンプキックを決める気でいたのであろう。

 

 怒りに燃えていても、ガイとの修行で培われた精神は健在だったのである!

 

 

 早苗「やった!」

 

 賢「やるな健二!!」

 

 愛「凄い…ちゃんと計算していたなんて…!」

 

 

 早苗とフルータ星人一同はガイアのナイスファイトに感心を示す。

 

 

 ガイ「よし、奴は岩石が無くなり吐けなくなった。 今こそ、力を解き放て!」

 

 

 健二「…はいっ!!」

 

 

 ガイの助言に健二は気合の返事をする。

 

 

 タカオ「ふっ、どうやら展望は見えたみたいだ。」

 

 

 斎木「全機ウルトラマンガイアを援護しろ! 心置きなくやれ!!」

 

 

 マサト「了解した!」

 

 ユウジ「イエッサーキャプテン!腕が鳴るね~!」

 

 タカオ「行くぞっ!」

 

 

 斎木の指示を受け、F-15Jイーグルは一斉に怯むレッドキングに射撃を始める!

 

 

 健二「貴様だけは絶対にゆ˝る˝さ˝ん˝っっ!!」

 

 

 その隙に体勢を立て直して気合の叫びを上げたガイア(健二)は、遂に“ヴァージョンアップ”のポーズに入る!

 

 

 健二「地球の力を…生き抜く力を…今こそ、生命(いのち)の限り使う時だ!!」

 

 

 ガイアは両拳を腰に当てた後で両腕を頭上に高く挙げ、胸の前で両手を瞬時に合わせると同時に左右に広げ、その状態で両腕を内側に180度回転させた後、胸の前で交差させた両拳を下に降ろす!

 

 するとガイアの体は赤と青の眩い光に包まれ、そして徐々に姿が変わって行く…!

 

 

 早苗「ケンちゃんが…ガイアが変わる!」

 

 

 一同が見守る中、遂に姿を現した新しいガイア。

 

 

 両腕と両足にアグルを象徴する黒と青の線が入り、両手首を下半身の赤の割合がV2より増し、体格もより筋肉質な姿が特徴の“最高のウルトラマンガイア”。

 

 

 ガイアは、自身と、自身の中のかつて授かったアグルの光の力を最大限に解放した最強形態『スプリームヴァージョン』にヴァージョンアップしたのだ!

 

 

 ガイアの光を受け継いだ健二がガイとの特訓を通し、自身が選ばれた真の理由、そして、愛する者を守りたいという単純ながらも大切な思いを強めた事により、遂にヴァージョンアップが可能になったのである!

 

 

 (BGM:ガイアノチカラ(full))

 

 

 明人「おぉ…スゲェ…カッコいい!」

 

 輝雄「あれなら行けそうだよ!」

 

 賢「よーし、行けー!ぶっ潰せー!!」

 

 愛「頑張って!…バルタさんのためにも…!」

 

 早苗「頑張れー!」

 

 

 ガイ「行け…健二…ウルトラマンガイア!!」

 

 

 健二「うおぉ! 何だ!この力は…負ける気がしねぇ!!」

 

 

 ヴァージョンアップに加え、一同の声援を受けたガイア(健二)は、とてつもなく力がみなぎって来た。

 

 

 健二「さあ、来いっ!!」

 

 

 遂にファイティングポーズを取るガイアSV!レッドキングは闇雲に突っ込んで行く…!

 

 

 組み合うガイアとレッドキング。しかし力の差は歴然としており、ガイアは組み付いた瞬間、レッドキングを軽々と放り投げる!

 

 

 次に、レッドキングが起き上がろうとする間もなく、ガイアは右腕を掴んで引き上げて一本背負いを決める!

 

 

 レッドキングが起き上ったところで今度はホールドして放り投げるガイア!

 

 

 すぐにまた組み付き、ガイアはレッドキングを頭上まで持ち上げ、背中から叩きつける!

 

 

 なおも負けてたまるかとばかりに接近するレッドキング!しかし、ガイアはそんなレッドキングの突進をあっさりと往なしつつ投げ飛ばす!

 

 

 今度は反撃とばかりにキックを放つレッドキング。だが、ガイアはあっさりと脚を掴んでひっくり返す!

 

 

 再び突進を繰り出すレッドキング。しかし、ガイアはそれを下半身に組み付く事で受け止め、そのまま担ぎ上げた後背中から叩きつける!

 

 

 ガイアは一度高く跳躍して横たわるレッドキングの元に着地した後、レッドキングの右足を掴み軽々と放り投げる!

 

 

 レッドキングは今度は尻尾を大きく振るって反撃するが、ガイアはそれを軽々と受け止め、逆にドラゴンスクリューを繰り出して地面に叩き付ける!

 

 

 再びレッドキングの尻尾を掴んだガイアは、今度は力一杯スイングして地面に叩き付ける!

 

 

 よろめきながらも立ち上がったレッドキングは再びガイアと組み合うが、ガイアはあっさりと巴投げで投げ飛ばす!

 

 

 連続の投げ技に流石に弱って来たレッドキング。ガイアは今度はレッドキングを頭上高く担ぎ上げ、力一杯放り投げた!

 

 

 地面に叩き付けられたレッドキング。実に12回も連続で投げ技を喰らった事により既に体がガタガタなのか、立ち上がるのもやっとの程になっていた。

 

 

 (何気に投げられ回数が『金属生命体ミーモス』を超えた!(笑))

 

 

 流石は“投げの鬼スプリーム”とも呼ばれるだけあり、これまで数々の怪獣を倒し、ウルトラマンマックス、そして自身をも苦戦させたレッドキングを圧倒し、軽々と何度も投げ飛ばすスプリームヴァージョンの強さは侮れないモノがあった。

 

 

 実際ガイアは、何気にこの形態になって負けた事が一度も無いのだから…。

 

 

 ガイアは、なんとか立ち上がったレッドキングに猛接近し、渾身のラリアットをぶち込んで再び地面に叩き付ける!

 

 

 更に跳躍して前転しながら横たわるレッドキングの腹部に踵落としを叩き込む!

 

 

 そして仰向けに倒れるレッドキングを右拳だけで頭上高く持ち上げ、そのまま放り投げた!

 

 

 完全にグロッキーとなったレッドキング。今こそ決める時である!

 

 

 健二「トドメだ!!」

 

 

 ガイアは体勢を立て直すと、腕を大きく振りかぶって赤と青の光エネルギーを溜めていき、そして体の前で両手を合わせ、右手を下にずらして最強必殺光線『フォトンストリーム』を放つ!

 

 

 ガイアSVの代名詞とも言える最強光線を頭部から喰らっていくレッドキング。

 

 

 やがてしばらくもがき苦しんだ後、死んだ事にすら気付かないほどの速度で頭部から順番に蒸発していき、やがて跡形も無く消し飛んだ!

 

 

 遂に、健二(ガイア)は、因縁の相手・レッドキングに打ち勝ったのである!

 

 

 早苗「やったー!!」

 

 愛「凄い…!健二さんが勝ったー!」

 

 賢「よっしゃー!!」

 

 明人・輝雄「イエーイ!」(ハイタッチを決める)

 

 

 早苗とフルータ星人一同は喜び合う。

 

 

 ガイ「やったな…健二。」

 

 ガイもふっと微笑みつつ健二(ガイア)の勝利に安心する。

 

 

 ゼロ「よっしゃっ! 遂にやったな!」

 

 櫂「あぁ…アイツ…更に強くなりやがって…。」

 

 櫂も健二の勝利、そして強くなったことを喜んでいた。

 

 …ひっそりと不敵な笑みを浮かべつつも…。

 

 

 見事に勝利したガイアSV(健二)は、応援してくれた早苗たちに向かってサムズアップを決めた。

 

 

 

 変身を解き、早苗たちの元に戻った健二は、早苗と勝利の握手を交わす。

 

 

 早苗「やったねケンちゃん! 遂に私たち、勝ったんだね!」

 

 健二「ああ! ガイさんの特訓…それから、皆の想いのお陰でもあり、俺たちは強敵に勝てたんだ!」

 

 

 ガイは健二と早苗の元に歩み寄り、それぞれ片手ずつで二人の肩に手を当てる。

 

 ガイ「二人とも…お疲れさんです。」

 

 

 早苗「はい!ガイさん、本当にありがとうございました。」

 

 健二「ガイさんのお陰で、俺、遂にアイツ(レッドキング)を投げ飛ばすことが出来たぜ!」

 

 

 …最も、倍返しにも程がある回数投げていたが…(笑)

 

 

 ガイ「愛する者を守りたい…君たちの決意は単純に見えるかもしれないが、それだけでも十分大事な事だ。その想いを忘れるんじゃないぞ。」

 

 

 健二・早苗「はい!」

 

 

 健二と早苗は遂に、ガイに一人前のウルトラ戦士として認められた瞬間である!

 

 

 賢「にしても凄かったよな~!あんなデカブツを軽々と何度も…!」

 

 明人「ふふっ、賢も妹を守るためにあれぐらい力を付けたらどうなの~?」

 

 賢「んなっ!?…また俺をシスコン扱いしたな~!」

 

 輝雄「“扱い”じゃなくて事実は事実だろ~!」

 

 賢「うっ…うるへ~!!」

 

 賢たちはいつものやり取りに戻っていた。

 

 

 愛「お兄ちゃんったら…でも、これが一番落ち着くよ。」

 

 早苗「うん!いつもの雰囲気に戻った…平穏が訪れた証拠ね!」

 

 

 愛「そうだね……でも…。」

 

 

 さっきまで微笑んでいた愛だったが、再び少し硬い表情になり、振り向く。

 

 

 その視線の先にはバルタが横たわっており、ピグモンはその体に縋りながら泣いていた。

 

 

 愛「…一人…私たちのために散ってしまった…。」

 

 健二「あぁ…奴も良い奴だったよな…。」

 

 早苗「折角地球という友達の星が出来たのに…可哀想…。」

 

 

 自分たちのためにおのれを犠牲にしたバルタを憐れむ一同。

 

 

 ガイ「せめて、墓標でも建ててやろうぜ。」

 

 早苗「えぇ…感謝の意をこめて…。」

 

 健二「建てるか…“ある戦士の墓標”ってな…。」

 

 

 

 だが、その時!

 

 

 

 バルタ「…誰の墓標だって?」

 

 

 

 一同「…へ!!??」

 

 

 

 突如、聞き覚えのある声が聞こえたかと思うと、なんと横たわっていたバルタの体は上半身を起き上らせる!

 

 

 バルタ「やあ!」

 

 

 当然縋っていたピグモンも驚く。

 

 

 実は、バルタは死んでいなかったのだ!

 

 

 ガイ「おっ…お前、生きていたのか!?」

 

 賢「信じられない…あれだけの重傷を負いながらも…!」

 

 明人・輝雄「アンベリーバボー!」

 

 愛「でも…良かった…! ね、ピーちゃん!」

 

 ピグモン「ピー!」

 

 健二「しかし良かった…本当に良かった…!」

 

 早苗「えぇ!バルタさんは死ぬにはまだもったいない人だよ!」

 

 

 一同は驚きつつも、バルタの無事を喜び合った。

 

 

 ピグモンはバルタに縋り、今度は嬉し泣きを始める。

 

 

 バルタ「へへへ…まさかこんなにも皆から好かれていたとは…。」

 

 

 それを見た櫂。

 

 櫂「チッ…やっぱ宇宙人って、簡単にはくたばらないな。」

 

 ゼロ「まあそう言うな櫂。とりあえず良かったじゃねーか。」

 

 櫂「(不敵な笑みを浮かべて)あぁ…そうだなぁ…。」

 

 

 櫂(まあいい。もし奴が邪悪な本性を持っているのなら、それを見せた瞬間俺が切り刻んでやる…!)

 

 

 バルタの生存を喜ぶ一同。しかし、流石に傷が深いのか、上手く立ち上がるのもやっとの程であった。

 

 

 愛「大丈夫?バルタさん…。」

 

 バルタ「へ…へへ、ちょっと傷が思った以上に重いみたいだ…。」

 

 

 その時、

 

 

 斎木「そのバルタン星人、しばらく我々が与かってもいいか?」

 

 

 そう言いながら、F-15Jイーグルから降りていた斎木達が合流する。

 

 

 健二「え?与かるって…?」

 

 早苗「バルタさんを、どうするつもりですか?」

 

 

 斎木「フッ、案ずる事は無い。重傷なんだろ?傷の治療のために、それ専門の人の所に連れて行ってやるよ。」

 

 

 健二「治療専門の人…そんな人が知り合いにいるのですか?」

 

 

 斎木「あぁ、それも凄い腕なんだぞ~!」

 

 

 

 一方、北海道石狩市の医療ボランティアにて。

 

 笹崎春菜「へっ…へっくちっ!!」

 

 岡田友実「大丈夫?ハルちゃん。」

 

 春菜「え…えぇ、大丈夫…。」

 

 友実「最近忙しいもんね…ま、無理せず頑張ろ!」

 

 春菜「えぇ、そうだね…(上を向いて)カズ君…また私の噂をしているな~。」

 

 

 

 場所を戻そう。

 

 

 斎木「それぐらいの傷、そいつがちょちょいと治してくれるんだぜ?」

 

 

 早苗「なるほど…それは頼もしいですね!」

 

 

 愛「お願いします。どうかバルタさんを、元気にしてあげてください!」

 

 

 斎木「という事なんだが、お前さん自身はどうだ?」

 

 

 バルタ「あなた達は初めて出会う地球人…更にその行先でも新たな出会い…いいでしょう。では、しばらく世話になります。」

 

 

 斎木「ははっ、ったく他人行儀だな…それじゃ、決まりだな。」

 

 

 しばらく斎木達が与る事が決まったバルタ。しかし、それを知ったピグモンはバルタに縋り付く。恐らく友達に行って欲しくないのであろう。

 

 

 バルタ「ピーちゃん…案ずることはない…傷が治ったら必ず戻って来るさ。」

 

 しゃがんで頭を撫でながらピグモンを諭すバルタ。それを聞いたピグモンは少し安心して落ち着いたのか、少し大人しくなる。

 

 

 バルタ「自分が戻ってきたら、また一緒に魚釣りに行こうな。」

 

 ピグモン「…ピ~…。」

 

 

 次にバルタは、マサト、ユウジに肩を貸してもらいながらガイの元に歩み寄る。

 

 

 バルタ「ガイの旦那…行く前に、渡すものがある。」

 

 ガイ「…渡すもの?」

 

 

 バルタはガイにあるモノを手渡す。それは、分身しているバルタン星人の姿がプリントされたカードだった。

 

 

 バルタ「別れる前に渡しておこうと、ずっと持ってたんだ。もし良ければ、いざという時にこれを使ってみてくれ。」

 

 

 ガイ「…分かった。」

 

 

 ガイはバルタと固い握手を交わした。

 

 

 やがてバルタは斎木の機体に乗せてもらい、そして出発の時が来た。

 

 

 愛「じゃあ、元気でね。」

 

 健二「また会おうな。」

 

 早苗「約束だよ。」

 

 バルタ「あぁ。必ずまた会おうな。」

 

 

 斎木「よーし、それじゃ、発射!!」

 

 

 やがて斎木達の機体は離陸を始める。一同はそれを手を振りながら見送る。

 

 

 バルタ「それじゃ、しばしの間…さらばでござるっ!!」

 

 

 4機のF-15Jイーグルは、何処かへと飛び去って行った…。

 

 

 見えなくなるまで手を振って見送ったピグモン。気が付けば、寂しさから目から涙を流し始めていた。

 

 

 そんなピグモンに、健二と早苗、フルータ星人一同は語り掛け始める。

 

 愛「大丈夫だよ、ピーちゃん。」

 

 明人「ピグモンには、俺たちがいる。」

 

 輝雄「俺たちが新しい友達だ。」

 

 賢「これからも遊び相手になっちゃるぜ。」

 

 健二「困った時はいつでも力になるぜ。」

 

 早苗「だから泣かないで。」

 

 

 一同の優しい語り掛けに、ピグモンは今度は嬉し涙を出し始める。愛はそんなピグモンにハンカチを差し出した…。

 

 

 そんな様子を少し離れた場所で見つめるガイと櫂。

 

 ガイ「地球人と異生物の友情…やはり悪くないな。」

 

 櫂「へぇ~…そうですか…。」

 

 案の定櫂は、どこか腑に落ちない感じであった…。

 

 ゼロ「しかしオーブ、何故モロボシ君はお前と一緒に旅してたんだ?」

 

 ガイ「え?…まあ、色々あってな。」

 

 

 すると、愛がピグモンを連れて来る。

 

 

 愛「ねぇ、良かったら櫂さんもピグモンと。」

 

 

 ピグモンは櫂によろしくの握手を求める。

 

 

 櫂「ゲッ!?」

 

 

 ゼロ「(囁くように)ホラ櫂。握手してやれ。お前を信頼している仲間の頼みだぞ?」

 

 

 櫂「ぅ…うぅ…。」

 

 

 ゼロの皮肉も込めた囁きで後を押され、櫂はしぶしぶピグモンと握手をした。

 

 

 櫂と握手出来て嬉しがるピグモン。しかし、次の瞬間、櫂は自身の顔をピグモンの耳元に近づけ…!

 

 

 櫂「(不敵な笑みで、囁くように)少しでも人間様に危害とか加えてみろ…その時は俺がテメーを潰すからなぁ?」

 

 

 それを聞いたピグモンは、一気に櫂に恐怖を感じ始め、急いで握手していた手を放してしまう!

 

 そして愛の後ろに隠れ始める!

 

 

 愛「えっ?…あら、どうしたのピーちゃん?」

 

 愛の後ろに隠れ、警戒するように櫂を見つめるピグモン。

 

 

 愛「櫂さん…一体ピーちゃんに何て言ったの?」

 

 

 良心モードに戻った櫂はこう言った。

 

 

 櫂「それはもちろん、「俺とお前は友達だ」って言ったんだぜ。」

 

 

 愛「なーんだ、ピーちゃんったら照れちゃって、かわいい!」

 

 

 この時は愛もまだ櫂の本性に気付くはずがなかった…。

 

 

 先ほど櫂がピグモンに恐ろしい事を囁いた事は、彼と一体化しているゼロしか知らないのだから…。

 

 

 ゼロ(チッ、櫂の奴…まぁ、モロボシ君は大人しく、心優しい子だ。櫂の標的になる事は無いであろうが…。)

 

 

 やがてガイは、ピグモンと共に再びさすらいの旅に出ることにした。

 

 

 健二「行っちゃうんだね…ガイさん。」

 

 早苗「きっと、また会えますよね?」

 

 

 ガイ「あぁ。どうせ地球は丸いんだ。またすぐに会える。」

 

 

 愛「ピーちゃんも、元気でね。」

 

 ピグモンは愛に元気よく手を振った。

 

 

 ゼロ「困った時はいつでも来てやるからな!モっ君!」

 

 

 …だが、どうした事かピグモンは返事をしつつも少し後ずさりをしてしまう。

 

 

 ゼロ「あ…あれ?どうしちゃったのかな~?」(クッソ…これも櫂って奴のせいだ…!)

 

 

 健二「じゃ、またいつか…。」

 

 

 ガイ「あぁ。あばよっ!」

 

 

 ガイはそう言うと、帽子をかぶり、ピグモンと共に何処かへと歩き去って行った…。

 

 歩き去りながらガイはオーブニカを奏で、そのメロディは辺りに響き渡る。

 

 

 愛「元気でねー!」

 

 

 早苗「ガイさん…とてもいい人だったね。」

 

 健二「あぁ。ガイさんに教わった事、絶対に忘れない。」

 

 

 

 やがて櫂も、健二たちに別れを告げて帰り道を歩き始める。

 

 櫂「あの調子なら、彼らも大丈夫そうだな…。」

 

 ゼロ「…あぁ。きっとこれからも、立派に戦って行けるぜ。」

 

 

 ゼロ(んま、最も、俺は櫂の行く末が一番心配だがな…。)

 

 

 

 ハッピーエンドを迎えた事により、いつもの明るい雰囲気に戻った健二と早苗、フルータ星人一同は他愛もない会話を楽しみながら帰り道を歩いていた。

 

 

 愛「ねえねえ!健二さんも早苗さんも大勝利した事だし、何か祝わない?」

 

 

 健二「う~ん…そうだなぁー…。」

 

 

 やがて健二は数歩前に出る。

 

 

 そして、大きく体を反らして…、

 

 

 健二「夜は焼き肉っしょおおぉぉぉ!!」

 

 

 (ED:Beat on Dream on)

 

 

 [エピローグ]

 

 

 地球と月の間の宇宙空間に待機している敵の本拠の宇宙船『テライズグレート』では…、

 

 

 敏樹「グラシエの奴…折角甦らしてやったのに…案外使えない奴。」

 

 

 どうやらグラシエは、ゼロ抹殺のためもあり、『桜井敏樹』の力により蘇ったようである。

 

 

 しかし、そんなグラシエも敗れてしまった事により、再び新たな策を考えていた。

 

 

 そして、ある考えに行き着いた…!

 

 

 敏樹「こうなったら…そろそろ“アイツら”を呼ぶ頃…かな?」

 

 

 不敵な笑みでそう呟く桜井敏樹。

 

 

 そして、配下の宇宙人達に指令を出す!

 

 

 敏樹「アイツらが今どこで狩りをしているのか調べろ! 見つけ次第、地球に呼び寄せる!

 

 

 …あの“赤い通り魔”と“白猿”をなぁ…!」

 

 

 To Be Continued…




 読んでいただきありがとうございます!いかがでしたか?


 今回は満を持してガイア及びアグルのV2、そしてガイア・スプリームヴァージョンが登場しました!

 本当の戦う意味を知り、更なる力を手に入れた健二ガイアと早苗アグルの今後の活躍にもご期待ください!


 そして、恐れられているあの“赤い通り魔”と“白猿”も近々登場し、更なる激闘が始まります!


 感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています!


 また、今回隠れたサブタイトルは『ある戦士の墓標』(ウルトラギャラクシー大怪獣バトルNEO第11話)でした!
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