ウルトラマンゼロ物語(ストーリー) in RED ZONE STAGE   作:剣音レツ

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 皆さん、お待たせしました!


 今回は遂にあの“赤い通り魔”と“白い猿”が来襲し、彼らとの激闘が始まります!

 今回はその三部作の第一弾です!


 また、ラストには“とあるウルトラマン”も登場します!


 そして、いつもながらサブタイトルも隠しております!


 では、どうぞ!


VSレッドマン&ハヌマーン3部作
第31話「赤と白のアイツら」


 (OP:英雄の詩)

 

 

 8月19日。この日、竜野櫂と新田真美、眞鍋海羽の3人は、近くのコンサートホールへ、麟慶大学附属高等学校の吹奏、合唱楽団の演奏会を聴きにやって来ていた。

 

 真美「客が多いわね〜。」

 

 櫂「ま、なにしろ附属高校が誇る吹奏、合唱楽団の演奏会だからな。」

 

 海羽「押し流されそうだよ〜。」

 

 人混みの中を、はぐれないように手を繋いで入場していく櫂と真美、海羽はやがて指定席に着いて座る。

 

 海羽「ふぅ〜やっと座れたわ。楽しみだね、櫂君、真美ちゃん。」

 

 櫂「ああ。今回はどんな曲を演奏するんだろうな。」

 

 真美「えぇ。素晴らしい演奏で、日々の疲れを癒しましょ。」

 

 

 やがて辺りが暗くなり、幕が上がり、吹奏、合唱楽団が姿を現わす。

 

 総勢50人ぐらいの大人数の団体だ。

 

 

 櫂「うおー、相変わらずスゲー人数だな。」

 

 真美「そうだねー。しかも例年よりちょっと増えてる。」

 

 海羽「はぁ〜…なんか凄そう! (小声で)ね、モットクレロンちゃん。」

 

 “モットー! モットー!”

 

 因みに海羽は、こっそりとハムスター大の『食いしん坊怪獣モットクレロン』も連れて来ている(笑)

 

 

 やがて司会者の挨拶が終わると、指揮者が前に立ち、そして彼の合図とともに演奏が始まる!

 

 

 大勢いながらも演奏するメロディや合唱の歌声は、騒がしくなくむしろ穏やかで、自然に聴く人を惹きつける様なものだ。

 

 

 因みに演奏しているのは『ぼくらのウルトラマン』である。

 

 

 海羽「はぁ~…最高~!自然と疲れが取れて行くようだわ。」

 

 真美「ん~そうね。綺麗な演奏と歌声の絶妙なハーモニーだわ。」

 

 櫂「やっぱ大人数で奏でる音楽は格別だな。な、ゼロ。」

 

 ゼロ「おぉ、そうだな。」

 

 海羽「(小声で)ね~モットクレロンちゃん。」

 

 “モットー!”

 

 櫂と海羽はそれぞれゼロとモットクレロンに話しかけた。

 

 

 

 ゼロ「光の国でも出来そうな気がするな…全ウルトラ戦士を集め、それぞれ楽器を持たせて…。」

 

 素晴らしき演奏を聴いていく内に、ゼロはいつの間にか妙な想像を始めていた(笑)

 

 

 

 櫂「それにしても…“凶悪怪獣やっつける、僕らのウルトラマン”…か…いい歌詞じゃねーか。」

 

 そして櫂もまた、不敵な笑みを浮かべながらそんな事を呟いていた…。

 

 

 

 …しかし、演奏開始からしばらく経った後である。

 

 

 真美「…何だろう…私、何だか胸騒ぎを感じるわ…。」

 

 

 突然、真美は妙な胸騒ぎを感じ始めていた。

 

 櫂「ああん?一体どうしたんだ?」

 

 真美「分からない…本当にいきなりなの…。」

 

 海羽「大丈夫?真美ちゃん。」

 

 真美「えぇ…とりあえず大丈夫だけど…。」

 

 

 真美(何だろう?…この曲が始まった瞬間、胸騒ぎが始まった感じ…?)

 

 

 …演奏開始前まではなんとも無かった真美に、演奏開始後に突如起こった不穏な気分…。

 

 

 果たしてこれは何を暗示しているのであろうか…?

 

 

 

 約2時間後、演奏会は終了し、櫂たちは大勢の客と共に会場を後にした。

 

 

 櫂「いや~それにしても、最高の演奏だったな。」

 

 海羽「そうだね~! 真美ちゃん、あれから大丈夫だった?」

 

 真美「えぇ。どうやら治まったみたい。心配してくれてありがとね。」

 

 櫂「ま、俺たち仲間だからな。いいって事よ!」

 

 海羽「そうそう!」

 

 

 このように、3人は会話を楽しみながら帰り道を歩いていた。

 

 

 その時、

 

 

 櫂「…ん?」

 

 

 櫂は何かに気づいて上を向き、それに気づいた海羽も上を向く。

 

 

 視線の先の上空には、光と共にウルトラ文字が浮かんでいた。

 

 

 『ウルトラマンコスモス』からの『ウルトラサイン』であった!

 

 

 ウルトラ戦士の力を持っている櫂と海羽はサインの内容を読んでみると、「ソル、すまんが今すぐ月に来てくれ」というメッセージが。

 

 

 海羽「え?私?…一体どうしたんだろう?コスモスさん…。」

 

 櫂「分からねぇな…とりあえず行ってみたらどうだ?」

 

 海羽「えぇ…何か重大な事態が起こっているのかも…それじゃあ、ごめんね。櫂君と真美ちゃんは先に帰ってて。」

 

 真美「…気を付けてね。」

 

 海羽「うん!」

 

 

 海羽は『ハートフルグラス』を取り出して目に当て、赤とピンクの光と共に『ウルトラウーマンSOL(ソル)』に変身&巨大化する。

 

 そして、月に向かい飛び去って行った。

 

 

 櫂と真美はそんなソルを見送る。

 

 真美「一体…月で何が起こったのかしら…。」

 

 櫂「さあな…とりあえず今は海羽の無事を祈っておこう。いざという時は、俺とゼロが助太刀に行ってやるか。」

 

 ゼロ「そうだな、櫂。」

 

 

 

 やがてソルは月に到着し、月面の上空を飛び回っていた。

 

 

 海羽「コスモスさん…一体何処に…ん?」

 

 

 やがてソルはコスモスを見つける。

 

 

 ソルを待っていたコスモス(ルナモード)の側には、何やら二体の怪獣がぐったりとしていた。

 

 

 着地してコスモスと合流するソル。

 

 海羽「コスモスさん、一体どうしたのですか?」

 

 ムサシ「見てくれ。この怪獣たちが…!」

 

 海羽「…!ひゃっ…!」

 

 

 コスモスの側にいる怪獣たちを見た瞬間、海羽は一瞬戦慄した…!

 

 

 そこには、いずれも月の怪獣でもある二体『臼怪獣モチロン』と『月怪獣キララ』が、見るにも無残な傷だらけの姿で横たわっているのだ!

 

 両者とも、体の数か所に何度も強く殴られた様なアザ、何かで切り付けられたような痛々しい傷が出来ている…!

 

 

 海羽「大変…この怪獣たちかなり弱ってる…。」

 

 ムサシ「あぁ、だから、彼らを元気にするために君の力も必要だと感じて、それで君を呼んだんだ。」

 

 海羽「…でもどうして?…誰がこんな酷い事を…。」

 

 ムサシ「説明は後だ。まずは彼らの傷を治そう。」

 

 海羽「そうですね。」

 

 

 コスモスとソルはモチロンとキララの治療に取り掛かり、それぞれ『コスモフォース』と『リライブ・フォース』を浴びせる。

 

 

 それにより、二体の傷は癒えたのだが、あまりにも元の傷が深かったために後遺症が残ってしまっていた。

 

 そのため、コスモスはとりあえず二体を一旦自身の星『惑星ジュラン』に連れて行き、そこで後遺症を治す事にした。

 

 

 ジュランに連れて行くのは、彼らを襲った“ある者達”から守るためでもあった…!

 

 

 ムサシの話によると、たまたま地球周辺の宇宙空間をパトロールしていた最中、月面でモチロンとキララが何者かに襲われているのを見つけたのだという。

 

 

 なんでも一人は白い猿のような姿、そしてもう一人は真っ赤なボディに清朝の暖帽のような形状の頭部をした、ウルトラマンと似ても似つかない姿をしていたのだという…。

 

 

 いずれも凶器を持っていた二人から敵意と殺意を感じたコスモスは、急いでモチロンとキララの助けに入り、なんとかコロナモード、エクリプスモードとチェンジしつつ追い払う事に成功したのだという…。

 

 

 ムサシから衝撃的な事実を聞いた海羽は、少し胸が苦しくなっていた。

 

 海羽「彼らは一体何者なんだろう?…それにしても酷いわ…どんな理由があったとしても、罪の無い怪獣をここまで傷つけるなんて…。」

 

 

 ソルは憐れみながら、二体の頭を撫でる。気が付くと目からは緑色の滴のような光の粒子が溢れていた。

 

 同情から、涙を流しているのである。

 

 

 それを見た二体は、「ありがとう」とばかりにソルの手を握った。

 

 

 海羽「…へへへ…ありがとね。」

 

 

 どうやら二体に気に入られたようである。

 

 

 やがてコスモスは、二体を連れて出発する事にした。

 

 ムサシ「とりあえず僕は、彼らを奴らから守るためにも、一旦ジュランに連れて行ってその後すぐに戻って来るよ。」

 

 海羽「はい。」

 

 ムサシ「海羽ちゃんも、奴らには気を付けるんだ。多分まだ地球周辺にいるはずだ。」

 

 海羽「分かりました。ゼロさん達にも伝えておきますね。」

 

 

 最後にソルは、モチロン達の方を振り向き、

 

 海羽「元気でね。モっちゃん、キラちゃん。」

 

 

 …いつの間にかあだ名も付けていた(笑)

 

 

 やがてコスモスとソルは別れ、ソルは地球向かって飛び始める。

 

 

 海羽「…モっちゃん達を襲った者達って…もしかして新手の凶悪な宇宙人なのかな…?」

 

 

 

 一方地球では、櫂と真美は帰り道を歩いていた。

 

 

 櫂「そろそろ正午だし、どっか食って帰るか?今日は俺が奢っちゃるよ。」

 

 真美「本当?ありがとう。 何食べよっかな~  お腹も空いたし…カレーかな…ラーメンかな…とんかつ、お寿司にオムライス…どれにしようか迷うね。」

 

 楽しそうに笑顔で昼飯を考える真美。よほどお腹が空いているのであろう(笑)

 

 櫂「ははっ…真美の食べたい物多いな…よし!それじゃあそん中から選んじゃるか。」

 

 

 櫂が昼飯を決めようとしたその時!

 

 

 “ズドーン”

 

 “ゴゴゴゴゴゴ…”

 

 

 突然、連続して起こる衝撃音と共に地震が起こり始める!

 

 

 真美「ひゃっ!?」

 

 櫂「な、何だ!?」

 

 

 しばらくすると地震は治まった。

 

 

 真美「ふぅー…びっくりした…。」

 

 櫂「あぁ。しかしさっきの地震、まるで何かが地面に落下したような感じだった…。ん?」

 

 

 「あれは何だ?」

 

 「何かが落ちてるな…。」

 

 「行ってみようぜ。」

 

 

 櫂と真美が一安心するのも束の間、今度は周囲の人々が何かに向かって行くのに気づく。

 

 

 真美「あの人たち、一体何を見つけたんだろう…?」

 

 

 その時、櫂の表情が少し真剣なものに変わる…。戦士として、そして怪獣キラー思考としての勘が働いているのだろうか…?

 

 

 櫂「…行ってみよう。」

 

 

 櫂と真美も、人だかりが出来ている所に辿り着く。

 

 

 やがて人々が見つめてる物を見た瞬間、二人は驚愕した!

 

 

 そこには、何やら大きくて黒くて丸い物が地面にめり込んでいたのである!

 

 

 一見岩石のようにも見えるが、それにしては余りにも丸いため、人々はそれが何なのかと不思議がりながら見つめていた。

 

 

 櫂「何だこの黒い塊は…。」

 

 ゼロ「まさか、新たな侵略者が送り込んだ何かなのか?」

 

 真美「でも…一体何の目的だろう…?」

 

 

 三人が黒い物体に不思議がっているのも束の間、

 

 

 「キャーッ!!」

 

 

 今度は別の市民の叫びを聞いて、三人はその方へと急行する。

 

 

 なんとそこには、何やら怪獣の生首や肉片のような物がそこら辺にたくさん転がっているのである!

 

 

 怪獣の欠片だけあってその大きさは大きく、実際直撃を受けたビルや道路は崩れたり破損したりしている。

 

 それに大気圏突入したためか、黒焦げになった状態であった。

 

 

 真美「…何なの?これ…。」

 

 櫂「まーた妙な現象が起こり始めたなー。」

 

 

 櫂と真美は、目の前に起きている奇妙な現象に、それを不思議そうに見つめる人々を見渡しながら何かを感じ始める。

 

 

 櫂「隕石にぶつかってバラバラになった怪獣が、隕石ごと振って来たのか?」

 

 真美「それもありそうだけど、でももし隕石ならもっと甚大な被害が出てるハズだし…一体何なんだろう…?」

 

 櫂「それもそうだな…それかこの黒いデカブツは怪獣の卵だったりとか…。」

 

 櫂がなかなかいい線を突いたその時、周囲の人々の声から、早く誰かこの黒い物体をどけてくれないかなという声が飛び交い始める。

 

 

 確かに、黒い物体と破片たちが落下したこの場所は、街のど真ん中である。実際道路が妨げられ、交通に悩む人々が続出し始めているのは確かなのだから…。

 

 

 櫂「よーし、こうなったらとりあえず、こいつらをどかしてやるか。」

 

 ゼロ「そうだな…行くぞ櫂!」

 

 

 櫂『レッツ、ゼロチェンジ!!』

 

 

 櫂はウルトラゼロアイを目に装着し、赤と青の光と共に『ウルトラマンゼロ』へと変身&巨大化する。

 

 

 ゼロの登場に人々は歓喜する。

 

 

 ゼロ「へへっ、これからこいつらをどかしてやるから、皆はちょっと下がっててくれ。」

 

 

 ゼロの指示を受け、真美を含めた人々は安全な場所にまで下がり始める…。

 

 

 櫂(ふっふっふ…これだよこれ…特別な力のない人間どもが、俺を求めてくれるこの感じ…。)

 

 櫂は不敵な笑みを浮かべながら、心の中でそう呟いていた…。

 

 

 ゼロ「デヤッ!」

 

 

 やがてゼロは右腕を胸に当てて額のビームランプから『エメリウムスラッシュ』を発射し、街中に散らばる肉片を焼き払い始める…。

 

 光線は確実に肉片を焼き、跡形も無く消し飛んで行く…。

 

 

 やがて肉片の処理が終わった後、ゼロは残った黒い塊を頭上高く持ち上げる。

 

 

 ゼロ「こいつはとりあえず安全な場所まで運んで行くぜ。」

 

 

 そう言うとゼロは飛び立ち、黒い塊を街はずれにまで運び始める…。

 

 

 やがて櫂は、ゼロのテレパシー能力を利用して真美に話しかける。

 

 櫂『すまんが真美、二人でのランチはまた今度だ。本当にすまない。』

 

 真美「…うぅん。いいよ櫂君。また楽しみにしてるね。」

 

 

 やがてゼロは、街はずれの、街と森林の間に位置する高原までに黒い物体を運び、地面に置く。

 

 

 そしてそれをじっくりと見つめ始める…。恐らく今は櫂の意識なのであろう…。

 

 

 櫂(しっかしコレは一体何なんだ?…でも、怪しいモノは何かが起こる前に爆破しておくがベストだよなぁ…もしコレが怪獣の卵なら、それこそ大変な事が起こるぞ…。)

 

 

 流石は“怪獣絶対殺すマン”。黒い物体を調べる必要は無いと爆破する事にしてしまった。

 

 

 やがてゼロは櫂の意識のまま、ゆっくりと『ワイドゼロショット』の構えに入り始める…!

 

 櫂「へへっ…悪く思うなよ。 これで…エンドマークだ…!」

 

 

 やがて完全にL字が組まれ、光線が発射されそうになったその時!

 

 

 海羽「きゃあああああああ!!」

 

 

 ゼロ・櫂「…何だ!?」

 

 

 ゼロが悲鳴の聞こえた上空を振り向くと、そこには手足をバタバタさせながら落下して来るソルの姿が…!?

 

 彼女は間違いなく、ゼロの方目掛けて落下していた…!

 

 

 海羽「誰か、止めて~~~!!」

 

 

 ゼロ・櫂「え?ち、ちょ…く、来るな~!!」

 

 

 “ドシーン”

 

 

 やがてゼロは咄嗟にソルを受け止めようとするが、余りの落下スピードに受け止めたと同時に倒れ込んでしまい、ソルはその上に座り込む状態になってしまう。

 

 

 海羽「ふぅ~…一時はどうなるかと思ったわ…。」

 

 

 安心するのも束の間…

 

 

 ゼロ「ソ…ソル…とりあえずどいてくれ…。」

 

 

 その声に、ソルはゼロが自身の尻の下敷きになっている事に気付く!

 

 

 海羽「ああっ!ごめんなさいゼロさん!櫂君!」

 

 

 ソルは急いで立ち上がり、それにより解放されたゼロも立ち上がる。

 

 ゼロは自身の腕や胴体、脚の砂を払い落とし始める。

 

 

 ゼロ「ふぅ~…重かった…。」

 

 海羽「あ!何よそれ~!」

 

 ゼロ「おっと、悪りぃ悪りぃ。それよりソル、何であんな面白い落下の仕方をしたんだ?」

 

 

 海羽「あ、それがね…。」

 

 

 話によると、ソルは大気圏を突破して地球に着いた直後に、同じく大気圏を突破した何やら黒い数個の物体に当たり、それによりバランスを崩したのだという…。

 

 

 ゼロ「黒い物体…?」

 

 海羽「ゼロも何か知ってるの?」

 

 ゼロ「実はさっきその黒い物体は街中にも散らばっていてな。俺はさっきそれらを焼き払った後、同じく落下していたこいつ(黒い物体)を運んで来たってワケだ。」

 

 海羽「へぇ~…一体何なんだろう?黒い物体は…。」

 

 ゼロ「現時点では何なのかは分からないが、よく見たら生々しいモノだったから、怪獣の物だという事は間違い無さそうなんだ。」

 

 海羽「そうなの!?…じゃあ、その黒くて丸くて大きい物も?」

 

 ゼロ「分からない…これに関しては、まだ調査が必要かもな。」(最も、さっき櫂が容赦なく爆破しようとしたのだがな…。)

 

 

 ソルは黒く丸い物体をじっくりと見つめ始める。

 

 

 海羽「なんかこれ、すごく気になるかも…。ねぇ、これ、しばらく私が見てもいい?」

 

 ゼロ「え?」

 

 海羽「何だか分からないけど、興味が湧いて来て…しばらく観察してみたいの。」

 

 

 ゼロ「…分かった。ただし、何かあったら連絡してくれ。」

 

 海羽「やったー! (敬礼して)りょーかい!」

 

 

 かくして、ゼロは黒い物体の観察をしばらくソル(海羽)に任せる事にした。

 

 

 やがてゼロとソルはお互い別れを告げ、ゼロはその場から飛び立って街に戻り始める…。

 

 

 ソルも変身を解いて海羽の姿に戻り、海羽は連れて来ていたモットクレロンと一緒に観察を始める…。

 

 

 海羽「一体何が出るんだろうねー?」

 

 “モット―!”

 

 

 一方、街に戻ったゼロは光と共に櫂の姿に戻った。

 

 ゼロ「いいのか櫂。あれを海羽に任せて。」

 

 櫂「あぁ。もしあれが怪獣の卵だとしても、海羽は怪獣の扱いになれている。 それに、もし生まれた怪獣が凶悪な奴なら…俺と海羽でぶっ倒してやる…!」

 

 そう言いながら、不敵な笑みを浮かべる櫂。

 

 

 ゼロ(どーせ善良な怪獣でもぶっ倒そうとする癖に…まあいい。もしコイツがまた暴走しそうになったら、ウルトラサインでコスモスか他のウルトラマンを呼んで救援を求めるか…。)

 

 

 ゼロは心でそう呟きながら、とりあえず櫂を見守る事にした。

 

 

 

 一方宇宙空間では、何やら複数の怪獣が飛行しているのが見える。

 

 鳥にも似た姿をしたその怪獣の群れは、『渡り鳥怪獣バル』の群れであった。

 

 彼らは10年に一度、群れを成して宇宙を渡る非常に大人しい性質の宇宙の渡り鳥である。

 

 

 そして、そんなバルの群れに襲い掛かる一匹の宇宙怪獣がいた!

 

 鋭い牙の生えた凶悪な形相が特徴のその怪獣は、残忍な性格の宇宙の肉食怪獣『スペース・ジョーズ ザキラ』である!

 

 

 ザキラとバルは天敵同士であり、ザキラはバルを格好の常食にしているのだ!

 

 

 ザキラはバルを捕食するほどパワーアップする性質を持ち、かつて別個体のザキラも、成層圏外で多くのバルを捕食してパワーを蓄積した結果、周囲500㎞に台風並みの被害を与えるという凄まじい破壊力を誇り、そのパワーは『ウルトラマン80』をも敗北寸前にまで追い込んだ程なのである!

 

 

 そう、先ほど地球に降り注いだ黒い物体は、恐らくザキラが捕食したバルの食べかすなのであろう…!

 

 

 そして黒くて丸くて大きい物体も、ザキラに襲われた群れが遺した卵なのかもしれない…!

 

 

 そんな事を知るはずも無く、海羽はバルの卵を、モットクレロンと一緒にキュウリを塩を振って丸かじりしながら見つめ続けていた…!

 

 海羽「なかなか何も起こらないね。」

 

 “モットー!”

 

 

 やがてザキラから逃げるバルの数体がザキラに捕まりそうになる…!

 

 

 その時!

 

 

 突如、別の方から旋風が飛んで来て、ザキラを吹き飛ばしてしまう!

 

 

 ザキラが体勢を立て直して振り向いたのも束の間…

 

 

 「レッドナイフ!!」

 

 

 突如、何やら大型のナイフを持った赤い巨人が斬りかかって来たため、ザキラは慌ててそれを回避し、マッハ10のスピードで急いで目前にある地球に逃げ込み始めた…。

 

 

 地球へと逃げていくザキラを、突如現れた“赤と白の二人の巨人”は見つめている…。

 

 まるで“後で追いかけて行けばいいさ”と言う感じで敢えて見逃しているみたいでどこか不気味である…。

 

 

 謎の巨人たちのお陰で命拾いしたバル…

 

 

 …しかし!

 

 

 二人の巨人は、今度はバルの群れの方を振り向き、そしてそれぞれ大型の短剣と三叉槍を構え始める…!

 

 標的をバルに切り替えたのであろうか…!?

 

 

 「レッドファイッッ!!」

 

 

 やがて、赤と白の二人の巨人は、バルの群れに猛然と襲い掛かり始める…!

 

 

 …ひょっとすると先ほどザキラを追い払ったのは、自分たちの獲物を取られないためだったのかもしれない…!?

 

 

 

 バルの卵の観察を続けている海羽。だが、何も起こらないが為に、遂に暇を持て余し始めた…。

 

 海羽「あーあ…退屈になって来たな…。何か漫画でも持ってくれば良かったかな?」

 

 海羽がそうぼやいていたその時、彼女の胸のポケットのモットクレロンが何やら騒ぎ始める。恐らく空腹になったのであろう。

 

 海羽「お腹空いたの? …よし、それじゃあ一旦何か買いに行こっかな。私もそろそろお昼食べたいし。」

 

 “モットー!”

 

 海羽の提案を聞いたモットクレロンは嬉しそうに鳴いた。

 

 

 海羽「多分、この卵ももうしばらくは何も起こらないだろうし、20~30分ぐらい放置しても多分大丈夫でしょ。 じゃ、行ってこよっと 」

 

 

 海羽が楽観的な事を言ったその時!

 

 

 “ズビビビビビ…”

 

 

 “ズドーン”

 

 

 海羽「!?きゃっ!!」

 

 

 突如、上空から謎のレーザーが飛んで来て、海羽の近くの地面に命中して爆発する!

 

 

 海羽「…何!?」

 

 いきなりの爆発に驚きながらも、海羽は上空を振り向く。

 

 

 そこには、先ほど謎の巨人から逃げて来たザキラが此方に向かって飛んで来る様子が!

 

 先ほど飛んで来たレーザーは、ザキラが目から放ったものであった!

 

 やがてザキラは着地した後、大きく咆哮を上げる。

 

 

 海羽「そんな…こんな時に別の怪獣!?」

 

 

 ザキラは辺りを見渡し始める…すると、やがて黒くて丸い物体…バルの卵を目につける!

 

 恐らくただ地球に逃げ込んだだけではなく、同時にバルの卵を見つけたのだからこの場所に着地したのであろう…!

 

 

 ザキラはよだれを拭くような仕草を見せた後、咆哮を上げながらバルの卵向かって歩みを進め始める!

 

 

 海羽「!狙いはあの卵!?」

 

 

 早くもザキラの目的に気付いた海羽。一方モットクレロンは、恐怖により海羽に縋り付いていた。

 

 海羽「…大丈夫。あの怪獣、私がちゃっちゃと追い払うから。」

 

 モットクレロンを撫でながらそう言い聞かせた海羽は、モットクレロンを安全な場所まで運んで降ろす。

 

 

 海羽「そこで待ってて。必ず、無事に戻って来るから…。」

 

 

 モットクレロンは少し不安そうながらも頷いた。

 

 

 海羽「その卵には、指一本触れさせない!」

 

 

 遂に変身を決心した海羽は、ハートフルグラスを目に当て、赤とピンクの光と共にウルトラウーマンSOL(ソル)となって巨大化する!

 

 

 卵の前に立ち塞がるソル。それに気づいたザキラは怒り、敵意を向け始める!

 

 

 海羽「行っくわよ~!」

 

 

 ソルは構えを取るとザキラ目掛けて駆け始め、ザキラもソル目掛けて地響きを立てながら駆け始める!

 

 

 海羽「ソリッドダーイブ!」

 

 

 やがてソルは走りながら跳躍し、ザキラに体当たり『ソリッドダイブ』を繰り出すと同時に組み付き、両者はそのまま地面を転がる。

 

 

 やがてソルは一旦ザキラから離れる。とりあえず卵から距離を取って引き離す事には成功した。

 

 

 海羽「フゥ~…重さもたまには役に立つのね。」

 

 そう軽口を言った後、ソルは再びザキラに挑む!

 

 

 ザキラと組み合うソル。そのまま力比べに入るが、やはりバルを捕食してパワーアップしたザキラの力は凄まじく、ソルはあっさりそのまま押され始める…!

 

 

 ソルは負けじと「エイ、エイ、エイ…」と掛け声を上げながらザキラの腹部にがむしゃらにパンチを放つが、逆に腕を掴まれ軽々と放り投げられてしまう!

 

 

 海羽「うっ…なんてパワーなの!?」

 

 

 ソルが身構える中、ザキラは近くの岩山を剛腕で叩き崩して威嚇する!

 

 

 海羽「えーい!これならどうだー!!」

 

 

 ソルは今度は高く跳躍して飛び蹴り『ソリッドキック』を放つ!

 

 

 しかし、これもザキラの右腕だけで軽々と受け止められ、逆に押し飛ばされてしまう!

 

 

 なんとか着地に成功したソルだったが、その直後にザキラの目からのレーザーの直撃を胸に受けてしまう!

 

 

 海羽「ぐっ…!」

 

 

 ダメージを受けて膝を付いてしまうソル。

 

 ザキラは自慢げに咆哮を上げた後、ソルに接近すると、右腕、左腕と交互に振るって叩きのめし、そして、右腕の爪を活かしたパンチをソルの左の二の腕に叩き込む!

 

 

 海羽「うっ…!」

 

 

 鋭い爪で左の二の腕を引っ掻かれたソルは、そこから血のようにピンク色の光の粒子を溢れさせながら悶え苦しむ!

 

 

 その隙にザキラは、横降りの頭突きをソルの腹部に炸裂させて吹っ飛ばす!

 

 

 ソルは地面を転がった後、なんとか立ち上がろうと膝を付く。

 

 …しかし、ザキラの想像を絶する強さ、そして、左腕の痛みにより、勝算は薄れ始めていた…。

 

 

 モットクレロンも心配そうにソルを見守る…。

 

 

 海羽「くっ…一体どうすれば…!」

 

 

 その時!

 

 

 海羽「…ん?」

 

 

 ソルは、ふと何かに気づき上空を見上げる。

 

 

 そこには、何やら赤と白の二人の巨人が飛んで来る様子であった…。

 

 

 一人の赤い巨人は従来のウルトラマンと同じポーズで、もう一人の白い巨人は卍型の独特のポーズでそれぞれ飛来し、やがて着地する…。

 

 

 海羽「あれは…何…?」

 

 

 ソルは突如飛来した二人の巨人をじっと見つめる…。

 

 

 海羽「…ウルトラマン?」

 

 

 その姿をよく見てみると、一人の赤いアイツは、真っ赤なボディに銀の手袋・ベルト・ブーツ、辮髪帽のような形状の頭部が特徴であり、もう一人の白い巨人は、神話に出てくるようなデザインの白い猿のような姿が特徴であり、どちらもウルトラマンとは似ても似つかない姿をしている…!

 

 

 海羽「…いや…なんか違う…!」

 

 

 現れた二人の巨人は、手に何やら怪獣の生首を持っている!

 

 それは、先ほど遭遇したバルのものであった!

 

 やはりバルの群れはあの後、この二人によって狩られてしまったのである!

 

 

 実際宇宙空間に浮遊するバルの死骸の中には、何かで刺されたり斬られたような傷跡があったり、何度も殴られたり蹴られたりしたようなアザがあったり、他にも首を折られたのか、180度反対側に曲がっていたり、肉を全て剥がされたのか、頭部だけ骸骨になって死んでいる個体もいた…!

 

 

 バルの生首を持つ赤いアイツは、それをザキラ目掛けて放り投げる!

 

 

 ザキラはそれを見事キャッチし、そしてムシャムシャと美味しそうに食べ始めた…。

 

 

 海羽「…あ…あなた達は…一体…?」

 

 

 海羽に問いかけられ、二人は彼女の方を振り向く。

 

 

 …皆さん既にお気づきであろうが、この二人はウルトラ戦士ではない存在…。

 

 

 一人目の、赤いボディに銀の手袋・ブーツ・ベルト、清朝の暖帽を被ったような形状の頭部、独楽の上にアンテナが立ったような形状になっているのが特徴の“赤いアイツ”は『レッドマン』、

 

 もう一人の、神話に出てくるようなデザインで、沖縄のシーサー像にも通じる意匠が含まれている外見が特徴の“白い猿”は『ハヌマーン』である!

 

 

 レッドマン。それは、レッド星雲レッド星出身の、ウルトラ戦士とは異なる戦士であり、怪獣退治の専門家であり、“平和を愛する戦士”と言われている。

 

 また、銀河連邦の一員でもあり、宇宙空間、地球上と、人知れず怪獣と戦う孤高の戦士である。

 

 

 ハヌマーンは、1万年以上前からタイの平和を守って来た風神ラマヤーナの子で、風の女神サワハによって生み出された、所謂“タイの戦士”である。

 

 かつて3人組の仏像泥棒に射殺された、タイの勇気ある少年『コチャン』に『ウルトラの母』が命を与えた事により誕生し、その後は仏像泥棒を懲らしめ、現れた怪獣軍団をウルトラ6兄弟と共に撃滅したと言われている。

 

 

 このように、いずれもウルトラ戦士とは違う戦士が、ソルに呼ばれたワケでもないのに突如地球にやって来たのである!

 

 

 はて、彼らもまた地球の危機を知り、自ら駆け付けてくれたのであろうか…?

 

 

 …しかし、彼らには一つ違和感があった…。

 

 それは、先ほどレッドマンが生首を持っていた事から分かるように、バルの群れにまで襲い掛かった事である。

 

 もし本当にお互い平和を愛する戦士ならば、バルが善良な怪獣である事も見分けがつくはずなのである…。

 

 

 まあ、とりあえずこの疑問は置いておこう。

 

 

 突如現れた、見た事も無い戦士たちを不思議そうに見つめるソル。

 

 海羽「あなた達は…?」

 

 

 二人はすぐに返事をすることなく、じっとソルを見つめ始める…。

 

 まるで怪しい奴ではないかどうかをじっくりと観察しているようである…。

 

 

 海羽(誰なのかな?この人たち…見た感じウルトラマンとは違うみたいだし、一風変わった宇宙人…?まさかね…。)

 

 

 …この時海羽(ソル)は、彼らが何者なのかまだ知るはずも無かった…。

 

 

 その時!

 

 

 “ビビビ…”

 

 

 “ズドーン”

 

 

 突如、背後からレーザーが飛んで来て、レッドマンとハヌマーンの足元に命中して爆発する!

 

 

 二人は見事な瞬発力でそれを交わして振り向くと、そこにはザキラが!

 

 ザキラは牽制攻撃を仕掛けたのである。

 

 

 …だが、実はザキラはあまりにも“命知らずな事”をしてしまったのである!

 

 

 (レッドマン登場BGM)

 

 

 ザキラに狙いを定めたレッドマンとハヌマーンは、準備体操感覚でゆっくりとファイティングポーズを取り始める…。

 

 

 「レッドファイッ!!」

 

 

 やがて、レッドマンの合図と共に二人は駆け始め、戦闘が開始する!

 

 

 まずレッドマンが先陣を切ってザキラに組み付き、そのまま力比べを始める。

 

 やがてレッドマンは隙を突いて背を向け、ザキラの右腕を右腕で抱え、左腕を首に回す。

 

 

 「トォッ!!」

 

 

 そしてそのまま一本背負いで地面に叩き付けた!

 

 

 ザキラが立ち上がる間もなく、レッドマンは頭部を掴んで起き上らせる。

 

 

 「イヤッ!!」

 

 

 そして再び背負い投げの要領で投げ飛ばした!

 

 

 続いてハヌマーンが三叉槍『トライデント』を手に、猿のように跳ねながらザキラに接近する。

 

 

 ザキラは剛腕を振って殴り掛かるが、ハヌマーンはトライデントを振るって威嚇を仕掛ける事でザキラを油断させ、その隙にパンチやキックを腹部に叩き込む!

 

 続いてザキラが怯まず打って来た殴り込みを全て拳で弾き返すと、跳躍しての両足蹴りを胸部に叩き込んで吹っ飛ばす!

 

 

 ザキラはレッドマンの方に落下した!

 

 レッドマンはザキラを力ずくで起き上らせると、左手で頭部を掴んだまま右拳でのパンチを連打していく。

 

 そして腹部に見脚蹴りを叩き込んだ後、アッパーを叩き込んで頭部をかち上げる!

 

 

 だが、ザキラも負けてばかりではない。

 

 ザキラはレッドマンが打って来た右ストレートをかわすと同時にその腕に噛み付いた!

 

 

 流石に激しい痛みが走るのか、レッドマンは痛がるように苦しみつつも、引き離そうとザキラの頭部を押さえる。

 

 ザキラの噛む力は、かつてバルの子供を一瞬にして噛み殺してしまった程強力なものであり、そんな噛み付き攻撃を受けるレッドマンもその痛みを感じ始めていたのだ…!

 

 

 その時!

 

 

 “ザシュッ”

 

 

 ハヌマーンは援護として、背後からトライデントをザキラの背中にぶっ刺した!

 

 

 ザキラは痛みにより噛み付きを放してしまい、その直後、それぞれ左右に立つレッドマンとハヌマーンからパンチ、キック等の打撃を連続で受け始める…!

 

 その様子はまさしくリンチである!

 

 

 バルを捕食して力を増したはずのザキラも、長年戦って来た二人の戦士の連撃に次第に押され始めて行った。

 

 

 やがてハヌマーンはザキラの右腕を掴み、振り回してレッドマンの方へ投げつける。

 

 

 (BGM:レッドマン)

 

 

 「レッドナイフ!!」

 

 

 レッドマンは、彼の必殺武器の一つでもある、短剣にも似た形状の巨大ナイフ『レッドナイフ』を取り出し、自身に向かって来るザキラの胸に勢いよく振り下ろす!

 

 

 “ザシュッ”

 

 

 海羽「きゃ~っ!!」

 

 

 ナイフがザキラの胸に勢いよく突き刺さり、それを見たソルは悲鳴を上げる。

 

 そしてそれにより、想像を絶する二人の息の合った残虐ファイトに戦慄を感じ始めていた…!

 

 

 ザキラは崩れ落ちるように仰向けに倒れる。胸を刺された事により、既に致命傷に近い大ダメージを受けたのである!

 

 

 レッドマンはそんなザキラに馬乗りになり、致命傷だというにも関わらず、お構いなしに容赦なく頭部などにパンチを浴びせて行く!

 

 そして頭部を掴み、地面に何度も叩きつけて行く…

 

 

 “メキメキメキ…ボキボキッ!”

 

 

 海羽「(うずくまって目を両手で隠して)ぅぎゃ~~っ!!?!」

 

 

 レッドマンはザキラの頭部を掴んだまま、90度横に思いっきり捻って首を折ってしまった…!

 

 

 「レッドアロー!」

 

 

 “ザシュッ”

 

 

 更にレッドマンは、彼の必殺武器の一つである、石突が十字型なのが特徴の槍『レッドアロー』を取り出し、それを首筋に思い切り突き刺してしまった!

 

 

 ザキラはわなわなと腕を振るわせた後、やがて力尽き、力を失った腕、脚、そして体はだらりと地面に倒れ伏した。

 

 

 ザキラを倒してしまったレッドマンは、アローを突き刺したまま立ち上がり、そしてハヌマーンと共にザキラの死体をじっと見つめる。

 

 この行為は恐らく相手が死んだかどうかを念入りに確認する『レッドチェック』と言われるモノであろう。

 

 

 やがてザキラの死を確認し終えたレッドマンは、やり切った感と同時にどこか満足さも感じるかのようにゆっくりと空を見上げ、ナチス式敬礼みたく右腕を斜め上に突き上げ勝利のポーズを決めた。

 

 

 するとハヌマーンは、仕上げとして片手持ちの三叉槍を数回回して眼前で構え、そこから旋風『ハリケーンガン』を放つ!

 

 強力な旋風はザキラの死体を包み込み、やがてザキラの死体は肉が全て消滅して骸骨だけになってしまった…。

 

 

 ハヌマーンは、ザキラの死体の肉を全て吹き飛ばしたのである!

 

 

 海羽「…す、凄…い…。」

 

 少々残酷ながらも強敵ザキラをやっつけたレッドマンとハヌマーンに、ソルは恐る恐る歩み寄る。

 

 海羽「ぁ…あの~…助けてくれて、ありがとうございます…。」

 

 

 二人は再びソルの方を向く。そして、徐々に歩み寄って行く…。

 

 

 ようやく悪ではない事に気付き、握手を求めに来ているのであろうか…?

 

 

 海羽(…あ、あは…良かった…この人たち悪い人たちじゃn…)

 

 

 …が、次の瞬間!レッドマンは急に視線を変える!

 

 

 その視線の先にいたのは、ソルの戦いを見守っていたハムスター大のモットクレロンである!

 

 

 レッドマンは次なる狙いをモットクレロンに定め、そして歩み寄って行く…!

 

 

 未知の赤い巨人が歩み寄って来る事に気付き、やがてその影に覆われたモットクレロンは怯え始める!

 

 

 海羽「はっ…モットちゃん!!」

 

 

 モットクレロンの危機に気付いた海羽。レッドマンが右足を振り上げ踏み潰そうとした所を間一髪、ソルはレッドマンにしがみ付いて引き離す事に成功する!

 

 レッドマンは自身に縋り付くソルを無理矢理振りほどく。

 

 

 海羽「何て事をするのですか!? モットちゃんは悪い子じゃありません!!」

 

 

 海羽(ソル)は必死に二人に呼びかける。

 

 

 …だが、二人はまたしてもじっとソルを見つめていた…その視線は先ほどとは違い、どこか射貫くような、殺意に満ちた感じになっている…。

 

 

 レッドマン「…怪獣…みんな…敵!」

 

 

 海羽「…!何ですって!?」

 

 

 ようやく言葉を話したレッドマンだったが、その言った事はあまりにも衝撃的な事であった!

 

 

 更に!

 

 

 ハヌマーン「怪獣はみんな殲滅しろ! 怪獣に見方する奴は、死ぬべきなんだ!!」

 

 

 ハヌマーンもまた、衝撃的な事を口走る!

 

 

 海羽「…あ、あなた達、何を言っているのですか!?」

 

 

 ソル(海羽)は動揺を隠せない。そんな彼女にレッドマンは駆け寄りながら蹴りを放つが間一髪ソルは受け身を取ってそれをかわす。

 

 

 海羽「待ってください!一旦話し合いましょ!一体どうしたのですか!?」

 

 

 レッドマン「その必要…無し…!」

 

 ハヌマーン「怪獣の味方をするならお前も敵だ!殺してやる!」

 

 

 そう言い放つと、二人はゆっくりとファイティングポーズを取り始める…。

 

 

 海羽「…ここは一回やるしかないみたいね…。」

 

 ソルもまた覚悟を決め、構えを取った…。

 

 

 互いに対峙する二対一の巨人…。一旦静まった高原に吹き付ける風の音が緊張を駆り立てる…。

 

 

 レッドマン「レッドファイッ!!」

 

 

 やがてレッドマンの合図と共に、レッドマンとハヌマーンはソルに猛然と駆け寄る!

 

 

 まず先陣切って来たハヌマーンのムエタイ調の蹴りをソルは右の手刀で弾き返して防いだ後、続いてレッドマンが放って来た右ストレートを、右腕を掴むことで防ぐ。

 

 

 海羽「待ってください!どうして私たち戦士同士が戦わなくちゃいけn…」

 

 

 “ドゴンッ”

 

 

 海羽「!?ごォふっ!」

 

 

 なおも必死に呼びかけようとするソルだったが、問答無用とばかりに放って来たハヌマーンのミドルキックを腹部に喰らい後退する。

 

 

 その後更にレッドマンの前蹴りを胸部に受けて吹っ飛んだ!

 

 

 海羽「…どぅ…して…私の声は届かないの…?」

 

 

 ソルに動じる隙も与えず二人はなおも襲い掛かる!

 

 

 レッドマンは片手でソルの首根っこを掴みそのまま持ち上げる!

 

 しばらく苦しむソルだったが、がむしゃらにレッドマンの腹部を蹴ることでなんとか解放される。

 

 その後ハヌマーンが振り下ろして来た左手の手刀を右腕で受け止めると、そのまま腹部に左手の手刀を打ち込んで後退させる。

 

 

 だが、その隙にレッドマンが背後から膝蹴りを背中に打ち込んだことでソルはバランスを崩し、更にハヌマーンが放った両足蹴りを胸部に喰らって再び吹っ飛ぶ!

 

 

 ハヌマーンは三叉槍を振り回して念を入れ、やがてそれを剣に変形させて振り回す!

 

 因みにこのハヌマーンの剣だが、切れ味は良くなく、斬撃ではなく終始殴打に徹する武器でもある。

 

 

 なんとか立ち上がったソルだが、ハヌマーンの剣の一撃を顔面に喰らい吹っ飛び、レッドマンの側に落下する!

 

 

 レッドマンは右手でソルの首を掴んで無理矢理起き上らせると、そのまま左手で胸部、腹部に乱暴気味にパンチを数回打ち込み、更に腹部に膝蹴りを二発打ち込んで屈ませる。

 

 ハヌマーンは屈んだソルの背中に、その行為を楽しむかのように何度も剣を振り下ろして殴打し、やがて強力な一撃を叩き込んで地面に叩き付ける!

 

 レッドマンは地面にうつ伏せで横たわるソルの横腹を蹴って転がした!

 

 

 再びソルに歩み寄ったレッドマンは、ソルの右腕を掴んで無理矢理起き上らせると、そのままハヌマーンが剣を背中に打ち込んで転倒させ、再びレッドマンが起き上らせると再びハヌマーンが剣を背中に打ち込んで転倒させて…これを三回繰り返す!

 

 そしてソルがふらついた所で…

 

 

 レッドマン「レッドナイフ!!」

 

 

 “ズパーン”

 

 

 レッドマンは再びレッドナイフを取り出し、袈裟懸けにソルの胸部を斬りつけた!

 

 斬撃が決まった胸部は小さな爆発と共に火花を散らし、大ダメージを受けたソルは崩れ落ちるように地面に倒れ込んでしまった…。

 

 

 海羽「…うっ……なん…て…強さ……なの…。」

 

 

 二人の連携により劣勢になったソル。遂にカラータイマーは赤になり点滅を始める!

 

 

 レッドマン「怪獣は…みんな敵…それに見方する奴も…みんな…敵!」

 

 

 “ドゴンッ ドゴンッ”

 

 

 海羽「!!う˝ぐぉああぁーっ!!」

 

 

 レッドマンは片言で呟きながら仰向けに横たわるソルに歩み寄ると、乱暴気味に腹部を二発踏みつける!!

 

 踏みつけが決まる度に、その部位は小さな爆発と共に火花を散らした!

 

 

 海羽は痛みの余り、普段では考えられない程ドスの利いた叫びを上げる!ソルは完全に弱り切り、もはや立ち上がるのも困難な状態にまでなっていた…!

 

 

 ハヌマーンは、何やら勝利を喜ぶかのように猿のように跳びはねる。

 

 

 するとレッドマンは、近くに崖を見つけるやソルの両足を掴む。

 

 そして、そのまま引きずりながら崖淵に向かって一直線に走り出す!

 

 

 レッドマン「レッドフォール!!」

 

 

 遂に崖淵まで来たレッドマンは、技名を叫びながら投げ技『レッドフォール』で、担ぎ上げたソルを崖下目掛けて投げ落とす!

 

 

 既にグロッキーであるがために飛ぶ力はおろか、叫ぶ元気すら無いソルは、なすすべもなく崖下目掛けて落下していく…!

 

 

 もはや一巻の終わりか!?

 

 

 その時!

 

 

 《ウルトライブ! ウルトラマンギンガ!》

 

 

 どこからか聞き覚えのある音声が鳴り響いたかと思うと、突如、青白い光に包まれた巨人が飛んで来てソルをキャッチする。

 

 ソルを抱えたままその巨人は崖を飛び上がり、地上に着地してソルをゆっくりと降ろす。

 

 

 ソルを降ろした巨人は、体の光を消滅させていき、やがて姿を現す。

 

 

 現れたのは『ウルトラマンギンガ』であった!

 

 

 海羽「…ヒカル…さん…?」

 

 ヒカル「へへっ、間に合って良かった。大丈夫か?」

 

 ギンガにライブしている『礼堂ヒカル』は、海羽の無事に安心する。

 

 

 新たな巨人の出現に気付き身構えるレッドマンとハヌマーン。

 

 

 《ウルトライブ! ウルトラマンビクトリー!》

 

 

 またしても聞き覚えのある音声が鳴り響いたかと思うと、レッドマンの横から現れた『ウルトラマンビクトリー』が、レッドマンに蹴りかかる!

 

 

 レッドマンは間一髪それを避けると、右、左と腕を振り下ろして殴り掛かるが、ビクトリーはそれをそれぞれ左、右の腕で受け止めて防ぐ。

 

 その隙に背後からハヌマーンが迫るが、それを察知したビクトリーはそのまま跳躍し、背後のハヌマーンに左足、右足と二段蹴りを打ち込んで吹っ飛ばした。

 

 そして着地すると、レッドマンの右脇腹に左脚蹴りを打ち込み、怯んだ隙に跳躍して胸部に右足蹴りを叩き込んで吹っ飛ばした!

 

 

 ショウ「2人がかりで女の子を痛ぶるなんて最低だぞ。」

 

 ビクトリーにライブしている『ショウ』は、吹っ飛ばした二人に軽口を叩く。

 

 

 海羽「…ショウさん…も…。」

 

 

 ギンガ(ヒカル)とビクトリー(ショウ)は、ザキラの出現に謎の二人の戦士の登場と、度重なる異変に気付いて駆け付けたのである!

 

 

 ヒカル「あとは俺たちに任せてくれ。」

 

 

 ヒカルはソルにそう語り掛けた。そして、ギンガとビクトリーは合流して構える。

 

 

 ヒカル「よっしゃっ!行くぜっ!」

 

 ショウ「覚悟しろ!」

 

 

 ギンガ&ビクトリー、そしてレッドマン&ハヌマーンは、互いに土砂や土煙を激しく巻き上げながら駆け寄る!

 

 

 そして、ギンガはレッドマン、ビクトリーはハヌマーンの相手をする事になった!

 

 

 ビクトリーは先手必勝として駆け寄りながら跳び蹴りを放つが、ハヌマーンはそれを三叉槍を持った右腕で叩き落とすことで防ぐ。

 

 続けてビクトリーは背を向けたまま、ハヌマーンが振り下ろして来た三叉槍を持った右腕を右腕で受け止めて防いだ後、右肘を腹部に叩き込んで後退させ、続けて振り向き様に足払いを繰り出すがハヌマーンはそれを跳躍してかわす。

 

 

 《ウルトランス! サドラシザーズ!》

 

 

 ショウは『岩石怪獣サドラ』のスパークドールズを『ビクトリーランサー』にリードし、ビクトリーの右腕はサドラのハサミ・サドラシザーズに変わる。

 

 

 ビクトリーはサドラシザーズ(以降:ハサミ)を構えてハヌマーンに接近する。

 

 ハヌマーンの振り下ろした三叉槍をハサミで挟んで受け止め、そのまま力比べをした後一旦押し飛ばす。

 

 そして一回転しての斬撃を繰り出すがハヌマーンも三叉槍でそれを弾き、武器同士のぶつかり合いにより激しく火花を散らす。

 

 ハヌマーンは今度は右手持ちの三叉槍で正面から突いて攻撃を仕掛けるが、ビクトリーはそれを左腕で受け止めると同時にカウンターとしてハサミの一撃を胸部に決め、ハヌマーンが怯んだ隙に跳躍しての右足蹴りを胸部に叩き込んで後退させる。

 

 ビクトリーは更に攻撃を加えようとするが、ハヌマーンは負けじと三叉槍でハサミを弾き返し、ムエタイの蹴りにも似た右足蹴りを繰り出す!

 

 ビクトリーは辛うじてハサミで防ぐことが出来たが、その威力により後ろ向きに吹っ飛ぶ。

 

 

 ギンガはレッドマンに勢いよく飛びかかり、そしてそのまま両者は組み合い、力比べになる。

 

 組み合ったままレッドマンはギンガの腹部に右膝蹴りを打ち込むが、ギンガもお返しとばかりにレッドマンの胸部に右膝蹴りを叩き込む。

 

 そして両者は同時にパンチを放ち、それが互いに顔面に命中する事でクロスカウンターとなる。

 

 だが、ギンガは怯むことなく、自身の顔面に命中したレッドマンの右腕を左腕で掴み、そのまま引き寄せると同時にカウンターの右肘を胸部に打ち込み、続けて左拳を胸部に叩き込んで後退させる。

 

 

 レッドマン「レッドアロー!」

 

 

 ヒカル「ギンガセイバー!」

 

 

 接近戦では不利と見たレッドマンは再びレッドアローを構え、ギンガも右腕に光の刃『ギンガセイバー』を形成させて構える。

 

 

 そして互いに構えて駆け寄り、すれ違いざまに武器と武器をぶつかり合い、激しく火花が散る。

 

 その後両者はお互い振り向き様にそれぞれ槍と刃を振り下ろして交える。

 

 金属同士がぶつかるような音を響かせ、激しく火花を散らしながら激しい斬り合いを展開する両者。

 

 やがてギンガは、レッドマンのアローでの正面突きをセイバーで受け止めて押し返した後、跳躍して蹴りを放つがレッドマンはそれを辛うじてアローで防ぎ、ギンガは反動を利用して反転して距離を取った後着地してビクトリーと合流する。

 

 

 ショウ「こいつらには、一斉攻撃がいいかもな。」

 

 ヒカル「あぁ、一気に決めるぞ!」

 

 

 《ウルトランス! シェパードンセイバー!》

 

 

 ショウは『地底聖獣シェパードン』のクリスタルスパークドールズをリードし、ビクトリーは地面から、シェパードンを模した聖剣『シェパードンセイバー』を引き抜いて構える。

 

 

 ショウ「これで決める!」

 

 

 ギンガはクリスタルを赤に輝かせ、構えと共に周囲に無数の火炎弾を生み出す。

 

 

 ヒカル「ギンガファイヤーボール!」

 

 

 ショウ「シェパードンセイバーフラッシュ!」

 

 

 ギンガは右腕を突き出して無数の火炎弾『ギンガファイヤーボール』を発射し、ビクトリーはシェパードンセイバーをV字型に振ってV字型の光弾『シェパードンセイバーフラッシュ』を放つ!

 

 

 無数の火炎弾とV字型の光弾は、レッドマンとハヌマーン目掛けて飛んで行き、やがて彼らに命中して大爆発が起こる!

 

 

 ショウ「…やったか!?」

 

 

 大爆発により煙に包まれたレッドマンとハヌマーンを見つめるギンガとビクトリー。

 

 

 …しかし、やがて煙が徐々に消し飛んで行って姿を現したレッドマンとハヌマーンは、それぞれレッドナイフと三叉槍を手に持ってピンピンとしていた!

 

 二人は咄嗟に手持ち武器で、火炎弾と光弾を全て斬り裂いて相殺したのである!

 

 

 ショウ「何っ!?」

 

 ヒカル「全て相殺しただと!?」

 

 

 レッドマン「レッドサンダー!」

 

 

 動揺する二人に、レッドマンは右腕を突き出して破壊光線『レッドサンダー』を、ハヌマーンは三叉槍を構えて青白い破壊光線を放つ!

 

 

 二つの光線はギンガとビクトリー、そして彼らの周囲の地面に降りかかって爆発し、二人はそれをなすすべも無く受けてダメージを受ける…!

 

 

 膝を付くギンガとビクトリー。レッドマンとハヌマーンは勝ち誇り嘲笑うかのように武器を構えてゆっくりと歩きながら接近していく…。

 

 

 救援に来たギンガとビクトリーをも圧倒するレッドマンとハヌマーンの強さは侮れないモノであった!

 

 

 ソルは先ほどの大ダメージにより横たわっているため、二人を助けに行く事もできない…!

 

 海羽「…ヒカルさん…ショウさん…!」

 

 

 

 …だが、そんな戦いを見つめている一人の人影がいた。

 

 

 スマートなスーツ姿のその男は、不敵な笑みを浮かべながら、何やら『クレナイ・ガイ』が奏でるオーブニカのメロディに似た口笛を吹いている…。

 

 

 彼こそ、ガイを追ってこの世界にやって来た『ジャグラス・ジャグラー』である!

 

 

 レッドマンとハヌマーンに苦戦するギンガとビクトリー、そして、瀕死のソルを見渡したジャグラーは、口笛を止めて舌打ちをする。

 

 

 ジャグラー「お嬢さん(海羽)とは夜明けのコーヒーを飲む約束をしてるんだ…その前に死んでもらっちゃあ困るぜぇ?」

 

 

 ジャグラーはそう言うと、黒いオーブリングのようなアイテム『ダークリング』を取り出して突き出し、赤黒い闇に包まれる。

 

 

 ジャグラー「ゼットンさん!」

 

 《ゼットン!》

 

 

 ジャグラー「パンドンさん!」

 

 《パンドン!》

 

 

 ジャグラーはリングに『宇宙恐竜ゼットン』と『双頭怪獣パンドン』のカードをダブルリードし、ジャグラーの左右に二体のビジョンが現れる。

 

 

 ジャグラー「闇の力、お借りします!」

 

 

 《超合体!》

 

 

 ジャグラーはダークリングを揚げ、左右のゼットンとパンドンもそれにシンクロして腕を揚げる。

 

 ダークリングは音声と共に側面のカバーが展開し、エレキギター調のメロディと共にジャグラーは赤黒い闇に包まれ魔人体となり、同じくゼットンとパンドンも赤黒い闇に包まれる。

 

 そしてジャグラーはゼットンとパンドンのビジョンと合体するかのように重なり、やがて全身を覆っている闇が下から消えていき姿を現す。

 

 

 《ゼッパンドン!》

 

 

 全身を覆っていた闇が消えて姿を現した、ゼットンとパンドンの特徴を併せ持った外見が特徴の合体獣『合体魔王獣ゼッパンドン』は、赤黒い闇の中から右腕を突き出して飛び出す!

 

 

 ゼッパンドンはジャグラーの高笑いと共に、リング状の闇を発生させながら姿を現す。

 

 

 ゼッパンドンの登場に気付くレッドマンとハヌマーン、そして、ギンガとビクトリー、ソル。

 

 

 ヒカル「!何だあれは!」

 

 ショウ「こんな時に新たな怪獣か!」

 

 

 海羽「…あの声…もしかして…。」

 

 以前ジャグラーと顔見知りの海羽は、声を聞いただけで察した。

 

 

 するとゼッパンドンはソルの方を向く。

 

 ジャグラー「やぁお嬢さん。また会いましたね。」

 

 

 それを見たギンガとビクトリーは、ゼッパンドンの様子を不思議がる。

 

 ヒカル「何してんだ?アイツ…。」

 

 ショウ「何者なんだ…?」

 

 

 すると、レッドマンは、新たに現れた怪獣・ゼッパンドン目掛けてレッドアローを投げつける!

 

 

 しかし、ゼッパンドンはその場からテレポートで姿を消すことで避ける。

 

 

 突然相手が消えた事により動揺しているレッドマンとハヌマーン。その隙にゼッパンドンは二人の背後に現れる!

 

 レッドマン達もそれに気づいて振り向くのだが時は遅し、ゼッパンドンはレッドマンの顔面に右フックを叩き込んで吹っ飛ばし、ハヌマーンの腹部に左脚蹴りを叩き込んで吹っ飛ばす!

 

 

 すぐさま起き上ったレッドマンとハヌマーンは、今度はそれぞれレッドサンダーとハリケーンガンを放つ!

 

 

 ジャグラー「ゼッパンドンシールド!」

 

 

 ゼッパンドンは自身の前方に、ゼットンの力を利用した緑色のバリヤー『ゼッパンドンシールド』を展開してレッドサンダーとハリケーンガンを防ぐ。

 

 

 そしてシールドを消滅させると同時に口からゼットンとパンドンの力を利用した火炎弾『ゼッパンドン火炎弾』を連射する!

 

 

 火炎弾はレッドマンとハヌマーン、そして彼らの周囲の地面に命中して爆発し、二人は怯む。

 

 

 レッドマンとハヌマーンが怯んでいる隙に、ジャグラーはソル達に呼びかける。

 

 

 ジャグラー「今の内ですよお嬢さん。」

 

 海羽「え?…えぇ…。」

 

 

 ジャグラー「小僧たちも、ここは一旦引け!」

 

 ショウ「くっ…誰が小僧だ!」

 

 ヒカル「確かに、このままじゃらちが明かない。一旦引くぞ!」

 

 

 レッドマンとハヌマーンは爆発により起こった煙をなんとか払いのけて再び構えるが、その視線の先には既に誰もいなくなっていた…。

 

 

 二人が怯んでいる隙に、ギンガとビクトリー、ソル、そしてゼッパンドンは変身を解いたのである。

 

 

 

 ソルから変身を解いた海羽は、やはり大ダメージにより、ボロボロの状態で横たわっていた…。

 

 そんな海羽にモットクレロンは心配そうに寄り添う。

 

 

 海羽「…モットちゃん…大丈夫だから…ね…。」

 

 

 海羽は苦しみながらも無理して笑顔を作ってそう語り掛けると、モットクレロンを守るように抱きしめ、胸のポケットに入れる。

 

 

 …だが、それに気づいたレッドマンは、モットクレロンを海羽ごと踏み潰そうと歩みを始める!

 

 

 海羽「はっ…!」

 

 

 絶体絶命だと思ったその時、海羽の前方にジャグラーが立ちふさがる!

 

 

 《モモザゴン!》

 

 

 そして、ダークリングに『食いしん坊怪獣モモザゴン』のカードをリードして召喚する!

 

 

 レッドマンとハヌマーンの前方に立ち雄たけびを上げるモモザゴン。レッドマンとハヌマーンはそれに気づき身構える。

 

 

 「レッドファイッ!!」

 

 

 そしてレッドマンの掛け声を合図に、二人はモモザゴンに猛然と襲い掛かる…!

 

 

 海羽「怪獣を…呼び出した…?」

 

 するとジャグラーは海羽の方を振り向き、不敵な笑みで語りかける。

 

 ジャグラー「今の内ですよ?」

 

 同じく駆け付けたヒカルとショウは、自身の肩を貸して海羽を起き上らせる。

 

 ヒカル「とりあえず安全な所へ。」

 

 ショウ「しっかり掴まってろよ。」

 

 

 やがてヒカルとショウは海羽を連れてその場を立ち退き、ジャグラーもその場から去って行った…。

 

 

 (BGM:ぼくらのウルトラマン)

 

 

 レッドマンとハヌマーンは、二人がかりでモモザゴンを痛めつけていた。

 

 

 ハヌマーンは再び三叉槍を剣に変えて構え、モモザゴンの突進を交わすと同時に背中に一撃を決める。

 

 その後二人でモモザゴンを挟み、レッドマンはパンチ、キック、ハヌマーンは剣による打撃を容赦なく打ち込んでいきモモザゴンを痛めつける。

 

 完全にうずくまって無抵抗のモモザゴンに、その行為を楽しむかのように打撃を連打していくレッドマンとハヌマーン。

 

 なんとかリンチから抜け出せたモモザゴンは、一旦距離を取ると、レーダー上の耳から怪音波を発射して攻撃を仕掛けるが、ハヌマーンは剣の一撃でそれを打ち消してしまう。

 

 

 レッドマン「レッドキック!」

 

 

 レッドマンはモモザゴンに勢いよく駆け寄ると、必殺の跳び蹴り『レッドキック』を叩き込み、片方のレーダー状の耳を叩き折ってしまった!

 

 

 完全に怯んだモモザゴン。ハヌマーンはトドメとばかりに剣を縦に持ち、それを三日月状カッター『ハヌマーンスラッシュ』に変えて投げつける!

 

 

 三日月状のカッターはモモザゴンを縦真っ二つに斬り裂き、やがてモモザゴンは大爆発して炎上した…。

 

 

 またしても残酷なやり方で怪獣を撃破したレッドマンとハヌマーンは、互いに手を繋ぎ、その手を上に揚げる。

 

 

 怪獣には容赦なく撃破にかかり、それの味方をする者にも容赦ない彼らの目的とは一体何なのであろうか…?

 

 

 

 一方、レッドマン達の近くでは、ジャグラーが何やらモモザゴンが爆発した方からドス黒い闇のようなモノを、自身の武器『蛇心剣』で吸収していた。

 

 恐らく吸収しているのは、撃破されたモモザゴンの怨念みたいなモノなのであろう…。

 

 

 吸収し終えたジャグラーは、その蛇心剣をじっと見つめる…。

 

 

 ジャグラー「まだだ…まだこれしきじゃあ…。」

 

 

 相変わらず先が読めない行動をするジャグラー。彼もまた果たして何を企んでいるのであろうか…?

 

 

 

 その時、レッドマンに何者かからテレパシーが入る!

 

 

 『よぉ、今日も派手にやってるみたいですなぁ。』

 

 

 レッドマンにテレパシーを送っている者は、宇宙空間で残りのバルの群れを襲っていた。

 

 

 その宇宙人は、何やら銀ピカの鎧のようなスーツに身を包み、そこに武装されている武器で次々とバルを襲いながらレッドマンに語り掛け続ける。

 

 

 『いい情報を見つけたんでね。なんでも、怪獣が多く保護されている世界を見つけたのだよ。』

 

 

 宇宙人からの知らせを受けたレッドマンは、「了解した」とばかりに頷くと、テレパシーを切る。

 

 

 そして、ハヌマーンと何やら指示を出し合うようにジェスチャーでやり取りをする。

 

 

 やがて二人は別れ、ハヌマーンは卍型のポーズで何処かへと飛び去って行く。

 

 

 「レッドナイフ!!」

 

 

 レッドマンは再びレッドナイフを取り出し、思い切り一振りする。

 

 

 すると、ナイフの刀をなぞるように空間に次元の裂け目が出来る!

 

 レッドマンはその中に入って行き、やがて裂け目はレッドマンが入った後ゆっくりと閉じて行った…。

 

 

 果たしてレッドマンは、宇宙人からの知らせを受け、何処に向かっているのであろうか…?

 

 

 一方で、先ほどレッドマンに情報提供した宇宙人は、右腕に武装されているバルカン砲や、左腕に武装されているビーム砲などでなおもバルを襲っていた。

 

 

 「ふっふっふ…やっぱアイツらのグルになって正解だったぜぇ!

 

 桜井敏樹とかいう奴から授かったこのパワードアーマーのお陰もあって、以前よりもこんなにも怪獣を狩る事が出来るようになったからなぁ!

 

 …狩ってやるぜぇ…この調子で、アイツらと共に、全怪獣を狩り尽くしてやるぜぇ!

 

 このノワール星人デニス様がなぁ!!」

 

 

 宇宙人の正体は、『桜井敏樹』率いるテラ軍からの新たな刺客であり、レッドマン達と手を組んで攻めて来た『怪獣狩人ノワール星人デニス』である!

 

 

 ノワール星人はJ34星系ノワール星出身の宇宙人であり、かつて怪獣を生きた資源と考えていた同族が、地球の怪獣を利用しようと『地底怪獣テールダス』や『岩石怪獣ネルドラント』などを改造(メカレーター化)した事がある邪悪な宇宙人である。

 

 

 このデニスという個体もそのノワール星人の一人なのだが、彼は以前の個体とは少し異なり、単に“怪獣を狩る事”を至高の喜びとしているのである!

 

 そのためなら、例え罪の無い怪獣にも容赦なく、その残忍さを見たテラ軍から仲間として招き入れられ、そしてレッドマン達と協力して怪獣たちを根絶やしにするようにと指令を受けているのだ!

 

 

 因みにデニスは、敏樹から授かったパワードアーマーという特殊な銀色の鎧を着ており、それにはバルカン砲やビーム砲など、様々な武器が武装されている。

 

 

 デニス「ふぅ~…いい加減鳥どもを狩るのも飽きたなぁ…。」

 

 するとデニスは、地球の方を振り向く。

 

 デニス「地球に行けば、もっと多くの怪獣が狩れるかもなぁ! 行こうぜ!レッドキラー!」

 

 

 …そう、デニスは、ノワール星の技術で作り上げた一匹の怪獣兵器を引き連れていた!

 

 

 その怪獣は、両手に切れ味鋭いブーメラン『カミソリブーメラン』が武装されているのが特徴の怪獣『ブーメラン怪獣レッドキラー』である!

 

 

 レッドキラーもまた、ブーメランを飛ばしてバルを斬り裂いて襲っていたが、ノワール星人の指示を受け、彼と共に地球に向かい始めた…。

 

 

 デニス「さぁ、狩るぜ狩るぜー!! ヒャッホーゥ!!」

 

 

 地球に向かうデニスとレッドキラー。果たして、彼らの今後の動向は何なのか!?

 

 

 

 一方地球にて。

 

 

 レッドマン達の攻撃により重傷を負った海羽は病院送りとなった。

 

 

 ヒカルとショウから事情を聞いた櫂と真美も、偶然居合わせた『伊狩鎧』『ライト(鈴樹来斗)』『ミオ(夏目美緒)』と一緒に病院に駆けつける。

 

 

 既に医師からの手当てを終えていた海羽は病室のベッドで横になっていた。どうやら医師によると、今日、明日入院して安静にしていれば退院できるとの事。

 

 

 櫂「大したことなくて良かった…大丈夫か?海羽。」

 

 海羽「え、えへへ、どうやら大丈夫みたい。心配かけてごめんね。」

 

 真美「海羽ちゃんが誤る事ないよ。それにしても、一体何者かしら…。」

 

 

 鎧「海羽さんが、ここまで痛めつけられるなんて…。」

 

 ライト「それに、ギンガとビクトリーでも苦戦を強いられた…。」

 

 ミオ「相当な相手ね…。本当に誰なんだろう…?」

 

 

 一同が疑問を投げかける中、櫂は“良心モード”で海羽を笑顔で見つめつつ、心中では…。

 

 

 櫂(…許せねぇ…どこの誰だか知らねーが…海羽をこんな目に遭わせやがって…駆逐してやる…ぶっ殺してやる…!!)

 

 

 ゼロ「しかし、そいつらはウルトラマンとはどこか違う奴らだったんだろう? 新手の宇宙人なのかそれとも…?」

 

 

 鎧「レッドマンとハヌマーンなんて…俺も聞いた事がありません!」

 

 

 ヒカル「なぁタロウ。何か奴らの事知ってるか?」

 

 ヒカルは、左腕の『ストリウムブレス』を通じて『ウルトラマンタロウ』に問いかける。

 

 

 すると、タロウは意外な発言を返した。

 

 

 タロウ「あぁ…まさか奴らもこの地球に来ていたとはな…。」

 

 

 ヒカル「!奴らもこの地球に!?」

 

 ショウ「どういう事なんだ?」

 

 

 タロウ「…奴らはレッドマンとハヌマーン…彼らもかつては、我々ウルトラ戦士と同じく平和を愛する戦士だった…。」

 

 タロウは少し躊躇ったが、遂に真実を話し始めた…。

 

 

 

 なんでもレッドマンとハヌマーンは二人とも、かつては正義の戦士として戦っていたんだが、“行き過ぎた正義”により、その道を誤ってしまったのだという。

 

 

 先ほども言ったように、レッドマンは銀河連邦の一員として、凶悪な怪獣や宇宙人と戦い続けていた。

 

 

 …だが、そうしていく内に、彼は怪獣を善悪関係なく次々と倒していくようになったのだという。

 

 

 善良な怪獣も手に掛け始めた為に、何度かは銀河連邦隊長に注意を受けたり、謹慎を受けたりしたのだが、それでも一向に無差別な怪獣殺害を止める事無く、遂に善良な怪獣だけでも倒した数が10万匹を超えてしまった事により、銀河連邦を追放されたのだという…!

 

 だがその後も、『ウルトラセブン』の相棒達でもある『カプセル怪獣』達の星『メタル星』『バッファロー星』『アニマル星』などの惑星の善良な生物をも多数手に掛けた事により、とうとう光の国で“指名手配”“見つけ次第死刑判決”が下ってしまったのだという…!

 

 

 はて、彼は正義感が強すぎたのか、それとも怪獣に対する何やら強い私怨があるのであろうか…?

 

 先ほどの戦いを見ても分かるように、怪獣に対する攻撃や殺り方が惨たらしい所から見て、後者の方が当てはまるのかもしれない…。

 

 

 ハヌマーンも、3人組の仏像泥棒に殺害された勇気あるタイの少年『コチャン』に『ウルトラの母』が命を与えた事により誕生した。

 

 その後、熱射病で倒れた少年『アナン』を、サングロテトリチャナーの花で救ったり、タイを襲う異常気象の原因でもある、地球に近づきすぎている太陽の精『スーリヤ』に直接語り掛ける事により、太陽を地球から遠ざけさせ、干ばつの危機を回避させたりと、こちらも正義や平和のために戦う戦士であった…。

 

 

 しかし、その一方で、コチャンの姿に戻って仏像泥棒の前に現れて然るべき報いを与えたのだが、そのやり方は非常に惨たらしく、

 

 「逃げても無駄だ!仏様を奪った罪は重い!生かしてはおけぬ!」

 

 「お前たちを殺してやる!」

 

 「仏様を大切にしろ!大切にしない奴は、死ぬべきなんだ!!」

 

 「どうした? どこに行ったぁ?」

 

 「おぉ? ボクシングか。お前がその気なら相手になってやる!」

 

 …などと、ヒーローらしからぬ物騒な言葉を言い放ちながら楽しそうに追いかけまわした後、踏みつぶしたり、倒した木の下敷きにしたり、手で掴んで握り潰したりと次々と殺害していったのだ!

 

 

 その後も、人類の行き過ぎた科学が引き起こした大爆発によって地中から目覚めた5体の怪獣相手にも容赦なく襲い掛かり、なんでもその時『ウルトラ6兄弟』を洗脳し、彼らと共に惨たらしく怪獣たちを倒していったのだととか…!

 

 

 その後もハヌマーンは、罪を犯した人を容赦なく殺害したり、レッドマンと同じく怪獣も善悪関係なく無差別に殺害していった事により、遂にレッドマンと同じく“指名手配”“見つけ次第死刑判決”が下ってしまったのだという…!

 

 

 恐らくハヌマーンは、殺された少年の私怨がヒーローの力に乗り移った事により、歪んだ正義のヒーローになってしまったのであろう…。

 

 

 

 タロウから二人の事を聞いた一同は驚愕した。

 

 長く続いているウルトラの歴史の中で、そのように道を誤った戦士もいたなんて…そう思うと、その戦士たちに対する憐れみも浮かんで来る。

 

 

 ヒカル「まさか、そんなにもヤバい奴らだったとはな…。」

 

 海羽「そんな…怪獣にも罪の無い子だっているのに…酷過ぎるよ…。」

 

 

 よく見てみると真美は、何やらすすり泣きを始めていた…。

 

 櫂「…何を泣いているんだ?」

 

 

 真美「うっ…だって…罪の無い怪獣も殺されていったんでしょう?…彼らにとって、どんなに辛いか…。」

 

 

 だが、櫂は心の中で…

 

 

 櫂(…何で怪獣なんかに同情してんだ?…俺と真美は同じ怪獣に親を殺された身なのに…この考えの差は一体何なんだ…?)

 

 

 海羽(…間違いないわ…あの時モっちゃん(モチロン)とキラちゃん(キララ)を襲ったのも、恐らく奴らね…。)

 

 海羽は確信した。モチロンとキララを襲ったのも間違いなくレッドマン達だという事を…!

 

 

 ゼロ「ふっ…暴走する正義…か…。それにより、正義の道を誤った者達…ちょっと哀れだが、俺たちが倒してやるしかないみたいだな…。」

 

 タロウ「あぁ。次生まれ変わったら、真の正義の戦士として生まれ変わってくれと願いつつ、彼らを葬ろう。」

 

 

 櫂(いや、彼らはもう正義の戦士だろ?…凶悪怪獣やっつけるんだぜ?)

 

 

 ショウ「そのためにも、俺たちの正義の力を存分にぶつけてやらないとな。」

 

 ヒカル「あぁ。次こそは、全力で奴らに挑もうぜ。 だよな、櫂さん。」

 

 

 櫂「え?…え、あぁ、そうだよな。」

 

 

 タロウ「私も、タイでの後悔を胸に、ハヌマーンを倒さなければならない。」

 

 ヒカル「だな。奴らに本当の正義というのを見せてやろうぜ。」

 

 

 かくして、(あまり気が乗らない櫂を除く)一同は、本当の正義の心を込めてレッドマンとハヌマーンを打倒する事を決意した。

 

 

 ライト「俺たちにも、出来る事があったら言ってください。」

 

 ミオ「力になりますから。」

 

 鎧「遠慮なんて、いりません!」

 

 

 ヒカル「ありがとう。じゃ、その時は力になってもらうぜ。」

 

 

 櫂「海羽はゆっくり休んで…奴らは、他にウルトラ戦士に任せろ。」

 

 海羽「うん。ありがとね。 気を付けてね。」

 

 櫂「おうよ!任せろ。」

 

 海羽「あ、あと…高原に置いている卵の事も…よろしくね。」

 

 櫂「あぁ。」

 

 

 櫂(ふっ…俺は奴らとは戦わねーがな…奴らはせいぜいヒカル達に任せておくか…最も、レッドマンとハヌマーンが勝ってくれればベストだがな。卵も、適当に他の奴らに任せておけばいいか…。)

 

 

 …やはり、怪獣絶対殺すマン・櫂にとって、レッドマンとハヌマーン程共感できる存在はいないのであろうか…?

 

 

 やがて、一同は病室を後にする事にした。

 

 真美「また何かあったら、いつでも呼んでね。」

 

 海羽「うん。みんなありがとう!」

 

 櫂「んじゃ、元気でな。」

 

 

 一同は病院を後にし、やがて鎧とライト、ミオはそれぞれ帰り道を歩き始める。

 

 

 真美「私、海羽ちゃんに何かデザート買ってあげよっかな。」

 

 櫂「お、いいんじゃねーのか?海羽のやつ、きっと喜ぶぜ。」

 

 真美「へへ、そうだよね。じゃあ、私、近くのコンビニ行って来るね。」

 

 櫂「おぉ、それじゃあな。」

 

 櫂と真美は、お互い手を振り合いながら別れた。

 

 

 ヒカル「じゃあ櫂さん、俺たちは奴らの探索をしてきますので。」

 

 櫂「お…おぅ。」

 

 ショウ「櫂さんも、奴らを見つけたら、すぐにお知らせください。」

 

 櫂「おぉ。もうすぐ日が暮れるし、気を付けるんだぞ。」

 

 ヒカル「はい!行こう、ショウ。」

 

 ショウ「あぁ。」

 

 ヒカルとショウも、レッドマンとハヌマーン探索のため櫂と別れた…。

 

 

 …しかし、一人取り残された櫂は、どこか浮かない表情をしている…。

 

 

 櫂(…アイツらがいれば、凶悪怪獣殲滅が早まるハズなのに…何故どいつもこいつも有効利用じゃなくて駆逐する事しか考えないんだ…?)

 

 

 心の中でそう呟く櫂。すると、そんな櫂にゼロが語り掛ける。

 

 

 ゼロ「櫂…どうせあいつらと、戦わないつもりでいるんだろ?」

 

 

 櫂「うっ…。」

 

 

 痛い所を突かれたのか、櫂は一瞬言葉を失う…。

 

 

 ゼロ「ふっ…だろうな。お前は恐らく、怪獣を次々とやっつける奴らを上手く利用できるんじゃないかと考えてるかもだが、現にそれにより、奴らは今や脅威の存在になっているのも事実だぞ。」

 

 

 ゼロの言った事はあまりにも図星過ぎた…櫂は思わず何かを考えこむように黙り込んでしまう…。

 

 

 ゼロ「んま、お前がアイツらと戦わないのは自由だ。けど、そうなった場合誰が犠牲になると思う?

 

 真美だ。」

 

 

 櫂「…何…だと?」

 

 

 ゼロの思わぬ言葉に櫂は驚く。

 

 

 ゼロ「忘れるなよ、奴らは巨大なんだ…もし奴らが下手に暴れて、真美がその巻き沿いになったらどうする?それもあり得る事なんだぞ?」

 

 

 櫂「えぇいうるせー!!俺がどうしようと俺の勝手だ!それに、もし奴らが真美に何かしようとしたら、その前に俺が奴らをぶっ潰してやるよ!!」

 

 

 ゼロ「ふっ、そうか…。」

 

 

 櫂「とにかく、怪獣、そして、真美に危害を加える者、これらはみんな俺の敵だ!容赦はしないつもりだからなぁ!!」

 

 

 そう言うと、櫂は早歩きで帰り道を歩き始めた…。

 

 

 ゼロ(とりあえず、今櫂に言える事は言ったつもりだ…。あとは、コイツがどう動くかだな…。)

 

 

 

 因みに、先ほど一同の病院でのやり取りを、こっそりと聞いている者がいた…。

 

 

 ガイ「盗み聞きをするつもりは無かったが…どうやら、新たな敵の出現みたいだな。」

 

 

 その者は、『ウルトラマンオーブ』こと『クレナイ・ガイ』であった!

 

 

 ガイ「それにしても、怪獣を無差別に倒すものか…ふっ…アイツらは答えを急ぎ過ぎなんだよ…。怪獣にだって、悪くない奴らもいる…俺たちウルトラマンは、それを守る必要もあるからな…。」

 

 ガイはそう言いながら、付き添いの『友好珍獣ピグモン』の頭をポンポンする。

 

 

 ガイ「安心しろピーちゃん。お前も絶対に死なせない。」

 

 

 そう言った後、ガイは帽子をかぶり、ピグモンと共に歩き出す。

 

 

 ガイ(俺たちウルトラマンは、正義のためにも戦っている…アイツらに、本当の正義とやらを見せてやろうじゃねーか…。)

 

 

 

 引き続きレッドマンとハヌマーンの探索を続けるヒカルとショウ、奴らと戦うかどうかを躊躇う櫂、そして、密かに決意をするガイ…果たしてウルトラ戦士たちは、行き過ぎた正義故に闇に落ちたレッドマンとハヌマーンに勝てるのであろうか…?

 

 

 (ED:ウルトラの奇跡)

 

 

 [エピローグ]

 

 

ノワール星人デニスは、相棒のレッドキラーと共に地球に到着し。先ほどレッドマン達が降り立った高原に着地していた…。

 

 

デニス「ほほぅ、これが、俺達が狩ったバルどもが遺した卵ってやつか。」

 

 

そう楽しそうに言いながらデニスは、目の前の巨大なバルの卵を見つめていた。

 

 

レッドキラーは早速卵を切り崩そうと、ブーメランを飛ばそうと構える!

 

デニス「待て!レッドキラー!」

 

しかし、デニスの制止を受けて止める。

 

 

…そしてデニスは、卵をじっくりと見つめながら呟いた…。

 

 

デニス「…卵のまま殺っちまっても面白くねーだろ…孵化した後だ…その時を狙って狩ってやる…その方が悲鳴も聞けるし、正に一石二鳥だぜぇ〜! ヒヒヒヒヒヒ…!」

 

 

不敵な笑みを浮かべるような表情で、恐ろしい事を考え呟くデニス…果たしてバルの卵、そしてそこに眠る雛の運命やいかに!?

 

 

 

 …そして一方、そんなデニスから先ほど状況提供を受け、時空を移動したレッドマンはとある世界に来ていた…!

 

 

 レッドナイフを振り回しながら、その世界の街で大暴れするレッドマン。彼は、ある方を目指しているようであった…!

 

 

 暴れる彼の進む先には、何やらX字型の巨大な建物が建っている…。

 

 

 この世界にも、地球を守る防衛軍が存在していた…!

 

 

 ジュネーブに本部を置く地球防衛組織『UNBER(アンバー)』。それは未だ地球各地で不安定な状態で眠っているスパークドールズの回収、保管、研究を任務としている。

 

 

 因みにこの世界のスパークドールズは、地球各地で眠っていた怪獣の姿をしたオーパーツという事になっている。

 

 

 UNBERによって組織された防衛部隊『Xio(ジオ)』は、15年前に発生した太陽フレア『ウルトラ・フレア』によってスパークドールズから目覚めた怪獣たちに対抗するために結成された組織であり、そのX字型の基地『オペレーションベースX』を拠点としているのである。

 

 

 そう、この世界とは、上記の説明でも分かるように、“とあるウルトラマン”が活躍していた世界なのである!

 

 

 恐らくノワール星人デニスは、この世界で大量に眠るスパークドールズという怪獣に目を付けたのであろう…!

 

 そしてそのスパークドールズを狙い、レッドマンはやって来たのである!

 

 

 レッドナイフを振るって傍若無人に暴れながら、Xioの基地を目指すレッドマン。

 

 

 神木「何としてでもタイプAの進行を食い止めろ!」

 

 

 基地内で副隊長と共に、出動した隊員達を見守る『神木正太郎』隊長は隊員たちに指示を出す。

 

 

 XiO隊員一同「了解!!」

 

 

 上空からはXiOの戦闘機『スカイマスケッティ』が光弾『ファントン光子砲』を、地上からはXiOのホバー戦車『ランドマスケッティ』が光弾『ファントンレールキャノン』を連射して攻撃を仕掛ける。

 

 

 だが、レッドマンはそれをレッドナイフで斬って相殺していき、いくつか被弾したのだが大したダメージを受けた様子は無い…。

 

 

 恐らくスカイマスケッティには『貴島ハヤト』隊員が、ランドマスケッティには『風間ワタル』隊員が搭載しているのであろう。

 

 

 地上からは、XiOの女性隊員『山瀬アスナ』が、携帯銃『ジオブラスター』にカスタムパーツ『ウルトラブースター』を装着する。

 

 

 《ウルトライザーモード、起動します》

 

 

 ウルトラブースターを装着したことで、ジオブラスターは『ウルトライザー』へと変形した。

 

 

 アスナは引き金を引くと、ウルトラマンの両腕を模したパーツがL字型に組まれる。

 

 

 《ウルトラマンの力を、チャージします》

 

 

 音声ナビと共にエネルギーがチャージされ、やがて『スペシウム光線』にも似た破壊力の高い必殺光線が発射される!

 

 

 強い反動と共に発射された光線はレッドマン目掛けて飛んで行く!

 

 

 …しかし、レッドマンはそれもレッドナイフで受け止めると、思い切り振って弾き飛ばし、弾かれた光線は四方八方の地面に飛んで爆発した!

 

 

 アスナ「嘘!?これもダメ?」

 

 強力武器も通用しない事に動揺を隠せないアスナ。

 

 

 なおも進撃を続けるレッドマン。もうXiO基地の近くにまで来ていた!

 

 

 大地「アスナ、ここは俺が行く!」

 

 アスナ「えぇ、気を付けてね。」

 

 大地「あぁ。必ず、奴を食い止める!」

 

 

 そう言うと、『大空大地』と言うXiOの隊員はレッドマンの近くまで走り、立ち止まる。

 

 

 大地「エックス、ユナイトだ!」

 

 

 エックス「よし、行くぞ!」

 

 

 そう、彼こそ、この世界で活躍したウルトラ戦士『ウルトラマンエックス』とユナイト(一体化)している隊員なのである!

 

 

 大地は、エックスがデータ化して宿っている、金を基調としたマルチデバイス『エクスデバイザー』を突き出し、上部ボタンを押して側面のパーツをX字に展開して『Xモード』に変形させる。

 

 そしてそこから出現したエックスのスパークドールズを手に取ってリードする。

 

 

 《ウルトラマンエックスと、ユナイトします》

 

 

 大地「エックスー!!」

 

 

 大地はエクスデバイザーを高く揚げて叫び、X字の光に包まれる!

 

 

 そしてその光の中から、大地とのユナイトが完了した『ウルトラマンエックス』が右拳を突き出して飛び出す!

 

 

 エックス「イーッサアアアッ!!」

 

 

 《エックス、ユナイテッド!》

 

 

 To Be Continued………。




 読んでいただきありがとうございます!いかがでしたか?


 今回はレッドマンとハヌマーンの大暴れを中心に描いてみました。


 今回は海羽ちゃんファンにとって心を痛めるような描写をしてしまった事をお詫び申し上げます(笑)


 因みに本作のレッドマンとハヌマーンですが、姿形や能力は全く同じですが、私オリジナルの存在として、悪役として登場させています。

 例えるなら、劇場版仮面ライダーフォーゼで言う『キョーダイン』、MOVIE大戦アルティメイタムで言う『アクマイザー』みたいな感じで見てもらえたらなと思います。


 次回は、VSレッドマン&ハヌマーン編三部作の第二弾で、ウルトラマンエックスも本格参戦します!お楽しみに!


 感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています!


 因みに今回隠れたサブタイトルは『暴走する正義』(ウルトラマンオーブ第14話)でした!


 あと余談ですが、遂にウルトラマン新シリーズ『ウルトラマンR/B(ルーブ)』が解禁されましたね!

 今回は兄弟ウルトラマンとなかなか面白そうな設定で、正に『ウルトラ兄弟』や『レオ兄弟』を彷彿とさせますね!

 兄のウルトラマンロッソと弟のウルトラマンブル…どちらも最高にカッコいいので早く戦う姿が見たいです!


 では、次回もお楽しみに!
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