ウルトラマンゼロ物語(ストーリー) in RED ZONE STAGE   作:剣音レツ

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お待たせしました! VSレッドマン&ハヌマーン3部作も遂に完結編です!


また、いつもながらサブタイトルも1つ隠しております。


それでは、どうぞ!


第33話「輝け!ニュージェネレーションヒーローズ」

 (プロローグ)

 

 

 宇宙空間で浮遊している宇宙船『テライズグレート』の船内にて『レッドマン』と『ハヌマーン』、そして『怪獣狩人ノワール星人デニス』が、『桜井敏樹』達と対話していた。

 

 

 敏樹「どうやら明日、ウルトラ戦士どもと決着を付けるみたいじゃないか。」

 

 デニス「イエース! 奴らを片付け終えたら、楽しい怪獣殲滅を再開するのさ!!」

 

 

 だが、『ナックル星人ゲドー』と『メフィラス星人キョウ』は、そんな彼らを皮肉る。

 

 ゲドー「あまり自惚れない方がいいぞ?」

 

 キョウ「ウルトラ戦士の力を甘く見てると痛い目に合うぜ?」

 

 経験者は語る。

 

 

 ハヌマーン「問題ない! ウルトラ戦士なんぞ、怪獣ども同様、切り刻んで、引ん剝いてやるぜ!」

 

 レッドマン「奴ら…怪獣殲滅に…邪魔な存在…!」

 

 ハヌマーンとレッドマンは、何やら余裕そうに返答した。

 

 

 ゲドー「フンッ、随分と余裕綽々みたいだな…どーせあれだろ? 奴らを倒した暁にはこの軍団に加入して、俺達から地位を横取りってか?」

 

 その時、突然デニスの声色が変わる。

 

 デニス「は?地位? そんなの興味ないね。」

 

 ゲドー「…へ?」

 

 レッドマン「俺たちが…求めるもの…怪獣…それに味方する者を…殲滅…!」

 

 ハヌマーン「それが、唯一俺達を満たしてくれるものだ!」

 

 三人の発言に、ゲドーとキョウは一気に恐怖を感じ始めた。

 

 キョウ「…こいつら…かなりヤベー奴らだ…!」

 

 

 ハヌマーン「それとも、この中の誰かが、今から俺達の相手をしてくれるってのか?」

 

 レッドマン「(レッドナイフを取り出し)誰だ…名乗れ…!」

 

 ゲドー「ヒィィ…!」

 

 キョウ「ぅぅぅ…。」

 

 

 一気に緊迫した空気になる!

 

 

 デニス「まあまあ、体力は明日の決戦までに取っておこうぜ!」

 

 ハヌマーン「それもそうだな。」

 

 レッドマン「見逃して…やろう…。」

 

 ゲドー「フゥゥ~…。」

 

 キョウ「助かった~…。」

 

 

 気を改めて、デニスは敏樹に語り掛ける。

 

 デニス「な~に、奴らには勝てますよ。人質も取ってますからね~。」

 

 そう言うと、デニスは人質として捕えている『友好珍獣ピグモン』に視線を向ける。

 

 

 デニス「それでは、俺様たちはここで失敬! よっしゃ!明日が楽しみだぜぇ~!ヒャッホーゥ!!」

 

 やがてレッドマン、ハヌマーン、デニスは船外へと出て行った…。

 

 

 敏樹は、窓から去って行く三人を見つめながら、ふと右の拳を胸に当て、小さく発光させる。

 

 敏樹「もし彼らまでやられてしまった時は…いよいよ俺がテラ様の力を解放する時が来るかもなぁ…!」

 

 

 

 (OP:英雄の詩)

 

 

 

 8月20日の夕方、竜野櫂と新田真美は、再び眞鍋海羽のお見舞いに来ていた。

 

 海羽「櫂君、真美ちゃん、本当に何度もありがとね。」

 

 真美「うぅん、気にしないで。海羽ちゃんも元気になってるみたいで良かった。」

 

 櫂「明日の朝にはもう退院出来るんだろ?」

 

 海羽「うん! 体もすっかり元気だよー! ほら、この通り。」

 

 海羽は元気よく両腕を伸ばしたり曲げたりするが、その際にうっかり右の拳を壁にぶつけてしまう。

 

 海羽「痛っ! いった~!」

 

 真美「大丈夫?」

 

 真美は痛がる海羽に慌てて心配しながら寄り添い、櫂はその光景を見て呆れるように笑う。

 

 そして、海羽の回復ぶりに安心した。

 

 櫂「完全に、いつもの海羽に戻ってるな。」

 

 

 櫂と真美は病室を後にする事にした。

 

 真美「それじゃあ、明日の朝また来るね。」

 

 海羽「うん、ありがとう。」

 

 海羽は満面の笑みで二人を見送った。

 

 

 病院を出た櫂と真美は、お互い別れて帰る事にした。太陽はもう沈みかけており、オレンジの光が街中を包んでいた。

 

 真美「それじゃあ、また明日ね。」

 

 櫂「あぁ。気を付けるんだぞ。」

 

 

 別れた二人はそれぞれ別の帰り道を歩き始めた。

 

 

 川沿いの帰り道をルンルンと歩いて行く真美。

 

 真美「海羽ちゃんも元気になった事だし、後はレッドマンとハヌマーンね…。」

 

 真美がそう呟いたその時、

 

 

 ガイ「その事なら、心配いらないぜ。」

 

 

 真美「…ん?」

 

 突如、何処かから聞こえる声に気付いた真美はふと前方を見据える。

 

 

 そこには、レザーコートを肩に被せ、テンガロンハットを被った男が、道沿いの手すりに座り込んでラムネを飲んでいるのが見えた。

 

 『ウルトラマンオーブ』に変身する『クレナイ・ガイ』である。

 

 

 真美はガイに恐る恐る声を掛けてみる。

 

 真美「あの~…貴方は一体…?」

 

 

 すると、ガイは立ち上がってレザーコートを着直し、真美の方を振り向く。

 

 

 ガイ「俺の事、覚えてないか? “トナカイの姉ちゃん”。」

 

 

 真美「トナカイの?…あ!」

 

 トナカイの姉ちゃんという言葉、そして彼が手に持つラムネの瓶で、真美は思い出した!

 

 

 真美「もしかして、あの時の“ラムネのお兄さん”?」

 

 

 真美は思い出した。昨年のクリスマスイブの日に、人混みの中でぶつかった人だという事を。(番外編『私のクリスマス』参照)

 

 

 意外な形でガイと再会した真美。

 

 

 一方、すっかり体が元気になった海羽は、少し夕方の散歩として病院の周辺を徘徊する事にした。

 

 

 海羽「ふぅ~…やっぱ体が元気って最高だね~!」

 

 

 その時、

 

 

 大地「良かった…すっかり元気になったみたいだね。」

 

 

 海羽「ん?」

 

 海羽は声のした方を振り向くと、そこには『ウルトラマンエックス』に変身(ユナイト)する青年『大空大地』と、『山瀬アスナ』の姿が。

 

 

 海羽「あの~…どなたですか?」

 

 エックス「いきなりですまない。海羽。」

 

 海羽「あ、その声はエックスさん?…て事は?」

 

 

 大地「初めまして、俺は大空大地。」

 

 アスナ「私は山瀬アスナ。よろしくね。」

 

 

 海羽「エックスさん…無事に大地さんと再会出来たんだ。」

 

 

 エックスと再会し、大地とアスナとは初対面の海羽。

 

 

 そして、真美と同じく帰り道を歩いている櫂。

 

 

 櫂「さてと、海羽が元気になって何よりだ…後は、レッドマンとハヌマーンをどうするかだなぁ…。」

 

 櫂は、先ほどの真美と同じことを不敵な笑みで呟いていた…。

 

 

 ゼロ「櫂…お前って奴はまた変な事を…」

 

 ゼロが櫂に何か言おうとしたその時、

 

 

 ヒカル「オッス、櫂さん。」

 

 ショウ「また会えたな。」

 

 

 話しかける声に気付いた櫂は前方を振り向くと、そこには『ウルトラマンギンガ』に変身(ライブ)する『礼堂ヒカル』と、『ウルトラマンビクトリー』に変身(ライブ)する『ショウ』の姿が。

 

 

 ゼロ「ヒカル、ショウ。」

 

 櫂「お…おぅ、また会えたな。」

 

 すぐさま“良人モード”になった櫂、そしてゼロは、二人に挨拶をし返した。

 

 

 櫂「俺に何か用かい?」

 

 ヒカル「あぁ、その“レッドマンとハヌマーン”の事で。」

 

 

 それぞれ別の場所で、ニュージェネレーションヒーローズの変身者に出会った櫂、真美、海羽。

 

 

 

 まずは、ガイと出会った真美から見てみよう。

 

 

 道沿いの手すりに座って話し合う二人。

 

 ガイ「あの時はすまなかったな。」

 

 真美「いえいえ、私も、もっと注意して歩くべきでした。」

 

 ガイ「で、あれからクリスマスは楽しめたか?」

 

 真美「はい…でも…途中、悪夢が降りかかって来ました。 恐ろしい宇宙人が、怪獣軍団と共に襲い掛かって来たの…。」

 

 ガイ「…そうか…。」

 

 真美「でもその時、恐ろしい怪獣軍団の魔の手から、一人のウルトラ戦士が助けてくれたの。名前は確か…“ウルトラマンオーブ”だったかな…?」

 

 ガイ「…。」

 

 真美「正に奇跡だったわ。 戦う彼の姿は、眩しくて、勇ましくて、カッコよくて…まるで神のようだった…。」

 

 ガイ「…。」

 

 真美「だから、私はオーブに本当に感謝しているの。また来てくれたらいいな~なんて思いながらね。ふふふ…。 あ、ごめんなさい。なんか、私が一方的に喋っちゃって…。」

 

 ガイ「いや、いいんだ…。」

 

 

 真美の話を聞いたガイは、少し考えるように俯いた後立ち上がり、真美を見つめて話し始める。

 

 

 ガイ「実は、さっき君が言っていたレッドマンとハヌマーンの事なんだが…。」

 

 真美「え?ご存知なんですか?」

 

 ガイ「あぁ、俺は明日、そいつらと決着を付けるために、行かなければならない。」

 

 真美「え?どうして、あなたが…?」

 

 

 ガイの突然の言葉に困惑し始める真美。すると、ガイは遂に打ち明けた!

 

 

 ガイ「実は俺は、普通の人間じゃないんだ。 俺こそが、遠くの宇宙からやって来たウルトラマンオーブなんだ。」

 

 

 ガイの告白に衝撃を受ける真美!それに同調するかのように、夕日に光る川の水面が輝きを増す!

 

 

 夕日に光る水面をバックに見つめ合うガイと真美。

 

 

 ガイ「…驚いたか?」

 

 真美「…うぅん…私も前から勘づいていたわ…。あの巨人…どこか雰囲気があなたに似てるなー…ってね。」

 

 ガイ「そうか…。俺は銀河の風来坊…流れ者だからな。」

 

 真美「宇宙の風来坊か…なんかロマンチックだね…。そして、旅をしながら宇宙の平和を守って来てたんだね…。」

 

 ガイ「ま、そう言った所かな。」

 

 真美「あの時は、本当にありがとう。今でも、感謝してもしきれないわ。」

 

 ガイ「平和を守る者・ウルトラマンとして当然の事をしたまでだ。」

 

 真美「そして…また戦いに向かうのね。」

 

 ガイ「あぁ。奴らも、放っておけない存在だからな。」

 

 

 真美「私も連れて行って。」

 

 ガイ「…え?」

 

 真美「彼らに、本当の正義とは何なのかを説いたいの…。」

 

 ガイ「…フッ、バカ言うなよ。奴らはもはや銀河の犯罪者なんだぜ。」

 

 真美「…冗談に決まってるじゃない。」

 

 真美は、少し残念そうながらも、笑いながら言った。

 

 

 真美「必ず…勝って戻って来てね。」

 

 ガイ「あぁ。当然だ。」

 

 そう言うとガイは、テンガロンハットを被り直し、真美の肩に手を置いた。

 

 ガイ「それじゃ、あばよ。」

 

 

 夕日の方へと歩き去り始めるガイ。

 

 

 真美「待って。」

 

 ふとガイを呼び止める真美。ガイは顔だけを振り向かせる。

 

 

 真美「あなたの名前…まだ聞いてなかったね…。」

 

 

 ガイ「…俺はガイ…クレナイ・ガイだ。」

 

 

 真美「私は真美…新田真美。」

 

 

 真美に名前を告げたガイは、再び夕日に向かって歩き去り始め、そして歩きながら『オーブニカ』を取り出してメロディーを奏で始める。

 

 

 夕焼けの空に響き渡るオーブニカのメロディーにうっとりしながら、真美はガイを見送った。

 

 

 真美(まさかあの人がウルトラマンオーブだったなんてね…。 私、信じてる…必ず、勝って帰って来ることを…。)

 

 

 ガイ(真美か…いい名だな。 彼女なら大丈夫だと思い正体を打ち明けたが、どうやら間違いじゃなかったみたいだな…。 必ず、奴らに本当の正義とやらを見せつけてやるぜ。)

 

 

 互いを信じながら別れたガイと真美。

 

 

 

 次は、大地とエックス、アスナと出会った海羽を見てみよう。

 

 

 まず海羽は、大地たちから『渡り鳥怪獣バル』の事を聞いた。

 

 海羽「そっか…あの卵から生まれたバルちゃんを、保護する事にしたのですね。」

 

 大地「あぁ。(バルのスパークドールズを取り出して)この子はもはやこの世界では生きていけない身だったから…だから俺たちで、この子の住みやすい環境を作ってあげる事にしたんだ。」

 

 海羽「へぇ~…バルちゃん、良い環境が出来たらいいね。」

 

 大地「それに、他の怪獣たちも、元の生息域に近い環境が整ったら、元に戻して解放してあげる…怪獣たちと共に生きる事が、俺たちの目指している夢なんだ。」

 

 海羽「はぁ~なんて素敵な夢なの!」

 

 アスナ「あなたも、怪獣が好きなの?」

 

 海羽「うん! 悪い子ばかりじゃなくて、かわいい子もたくさんいるからね。」

 

 

 すると、大地は気を改めて話し始める。

 

 大地「それじゃあ…俺たちの夢や、君の笑顔のためにも…奴らを倒さないとな。」

 

 

 海羽「…え?…奴らってもしかして…。」

 

 

 大地「レッドマンとハヌマーン。俺たちは明日、奴らと決着を付ける事になったんだ。」

 

 海羽「…そうですか…。」

 

 少し心配そうに返事をする海羽。

 

 

 エックス「心配はいらない。私たちはこれまで数々の戦いを潜り抜けて来た。それにより、今ではより強固なユナイトを果たせるようになっている。決して負けはしないよ。」

 

 大地「そうだ…絶対に、勝って帰って来るよ。」

 

 

 海羽「…分かった。信じるよ。だから頑張ってね。」

 

 大地たちを信じる事にした海羽は、満面の笑みと共に握手の手を差し伸べる。

 

 大地「ありがとう。約束する。」

 

 大地と海羽は約束の握手を交わした。

 

 

 大地は今度はアスナの元に歩み寄る。

 

 大地「アスナも、必ず勝って帰って来るから…だから待っててね。」

 

 アスナ「…言われなくても信じてるよ。大地。」

 

 大地とアスナは、信頼の握手を交わした。

 

 

 アスナ「しかし、これってまるで昔の時代劇か何かみたいね…。」

 

 大地「…え、何が?」

 

 アスナ「ほら、女・子供が、戦いに出る戦士を見送るみたいな。」

 

 大地「…はは、そうだね。」

 

 

 海羽「ちょっとちょっと! 子供ってまさか私の事~!?」

 

 アスナ「え?ち、違う違う。子供はこの子の事。」

 

 アスナは慌てながらバルのスパークドールズを見せる。

 

 海羽「な~んだ、良かった~。」

 

 

 海羽が安心したのも束の間、

 

 

 エックス「確かに、海羽は子供みたいに元気で可愛らしい子だしな。」

 

 エックスが口を滑らせてしまった!(笑)

 

 海羽「ほら!やっぱり私の事子供だと思ってるじゃ~ん!」

 

 大地「エックスったら、余計な事言っちゃって!」

 

 

 一同は笑い合った。

 

 

 やがて海羽は、大地たちと別れる事になった。

 

 海羽「それじゃあ、またね、大君、エッ君、あーちゃん。」

 

 大地「大君…か。ルイルイみたいな子に同じあだ名付けられちゃった。」

 

 エックス「エッ君って…私の事か?」

 

 アスナ「あーちゃんって…私?」

 

 困惑するエックスとアスナ。

 

 海羽「えへへ、ちょっとあだ名を考えてみたんだけど…どうかな?」

 

 アスナ「…いいんじゃないん。それほど私たち、仲良くなったって事なんだから。」

 

 エックス「そうだな。知らぬ間に私たちとあの子も、強くユナイトしているのかもしれない。」

 

 

 大地「必ず…また戻って来るよ!海羽ちゃん。」

 

 

 海羽「待ってるからね~!」

 

 

 海羽は大きく手を振りながら大地たちを見送った。

 

 

 海羽(大君達なら…きっとやってくれるよね! 私、信じてるよ!)

 

 

 大地(海羽ちゃんは俺たちを信じてくれた…この想い、絶対に無駄にしない!)

 

 

 エックス(絶対に、勝利しよう!)

 

 

 新たな友情を築き、別れた大地達と海羽。

 

 

 

 そして、最後はヒカルとショウと出会った櫂を見てみよう。

 

 

 櫂「何?それは本当かい?」

 

 ヒカル「あぁ…明日の朝、月で決着を付けようと奴らに告げられたんだ…。」

 

 ショウ「その事を、櫂さんに伝えようと思ってな。」

 

 どうやらヒカルとショウは、翌日レッドマン達と決着を付ける事を櫂に伝えるために会いに来たようである。

 

 

 櫂「…それを何故、俺に伝えに来たんだ…?」

 

 様々な感情が交叉する中、櫂は問いかけ、それを聞いたヒカルは笑顔で答えた。

 

 

 ヒカル「ヘッ…だって、櫂さんはレッドマン達にコテンパンにされた海羽さんの仲間じゃないですか。」

 

 

 櫂「…君達…。」

 

 ショウ「だから彼女の仇は、俺たちがきっちりと取る。それを伝えに来たんだ。」

 

 

 ヒカル「それにタロウも、タイでの後悔を胸に、ハヌマーンと決着を付けたいみたいだしな。」

 

 タロウ「あぁ、その後悔を払う為にも、私には奴を倒さなければならないという義務がある。」

 

 ヒカル「必ず勝とうぜ。ウルトラ兄弟の力と共にな。」

 

 ヒカルの左腕の『ストリウムブレス』になっている『ウルトラマンタロウ』も、既に決心を固めていた。

 

 

 櫂「しかし大丈夫か? 知ってるかもしれんが、奴らは強敵だ。」

 

 一見ヒカル達を心配しているように見える櫂だが、一方で本心では…

 

 櫂(フッ…お前ら二人で奴らに勝てるかな? 現に昨日追い詰められたみたいじゃねーか…奴らの勝利は目に見えている。)

 

 

 だが、ヒカル達は前向きだった。

 

 ヒカル「大丈夫さ。俺たちには、頼もしい仲間も付いている。」

 

 櫂「…仲間?」

 

 ショウ「俺たちと共に戦いに出る、頼もしいウルトラ戦士が二人いるんだ。」

 

 ヒカル「櫂さんはまだ会ってないと思うから、戦いが終わったら紹介するぜ。」

 

 

 櫂「…そうか…楽しみにしているぜ。 その代わり、絶対に勝って来いよ。」

 

 

 ショウ「フッ…言われるまでもないさ。」

 

 ヒカル「必ず、奴らに本当の正義と言うのを見せてやるぜ。」

 

 

 三人は拳を合わせた。

 

 

 やがてヒカルとショウは、櫂と別れる事にした。

 

 ヒカル「それじゃあ、戦いに行って来るぜ。」

 

 櫂「あぁ、気を付けて来いよ。」

 

 ゼロ「困った時は、いつでも呼んでいいからな!」

 

 ショウ「大丈夫だ。俺達が絶対に片づけてやるから。」

 

 ゼロ「フッ、そうかい…じゃあ、全力で戦って来い!」

 

 ヒカル・ショウ「ガレット!」

 

 

 櫂と別れたヒカルとショウは、何処かへと歩き去って行った…。

 

 

 …ところが、ヒカル達と別れた直後、櫂は不敵な笑みを浮かべる…。

 

 

 櫂(フッ…何が“本当の正義”だ…! ま、こうなったら戦いの最中に奴らがレッドマン達の価値に気付く事を祈るしかないか。 奴らほど、悪い怪獣達を殲滅するのに必要不可欠な人材はいないからなぁ…!)

 

 

 そう心で呟くと、帰り道を歩き始めた…。

 

 

 …まずこれだけは言える。

 

 

 ヒカル達が、レッドマン達の価値に気付くことは無いであろう。

 

 

 

 櫂と別れたヒカルとショウ。

 

 ヒカル「櫂さんにあんな事言っちまったし、こりゃあ絶対に勝たないとな。」

 

 ショウ「あぁ、だが今回は俺たち二人だけじゃない。」

 

 ヒカル「あぁ、ガイさんに大地、頼もしい仲間も付いてるしな。」

 

 

 ショウ「…それに、大地からこれも借りてるしな。」

 

 そう言いながらショウは、『古代怪獣ゴモラ』のスパークドールズを取り出す。

 

 

 実は大地は、同じ怪獣の力で戦う者同士として、ショウに自身の友達でもあるゴモラのスパークドールズを貸したのである。

 

 “奴らに正義の怪獣の力を見せつけるため”という思いも込めて…。

 

 

 ショウ「大地…お前の思い、絶対に無駄にしないぜ。」

 

 ゴモラのスパークドールズを見て改めて決心を固めたショウに、ヒカルは声を掛ける。

 

 ヒカル「彼らと力を合わせて、必ず掴もうぜ、ビクトリーを!」

 

 ショウ「おぅ!」

 

 

 ヒカルは、ショウの差し伸べた拳に上、下と順に拳を当て、その後二人はハイタッチを交わした。

 

 

 ヒカル・ショウ「見せてやるぜ!俺達の絆!!」

 

 

 

 一方、別次元の地球では、

 

 ???「へッ…ヘックション!!」

 

 ???「ちょっとどうしたんだよカツ兄。」

 

 ???「分からん…なんか、誰かが俺たちの真似した気がして…。」

 

 ???「そんなの気のせいだよ、さ、早くすき焼きの材料買いに行こ。」

 

 ???「そうだな。」

 

 

 

 場所を戻そう。

 

 

 先ほど大地達と別れた海羽は、病院に入り、自分の病室に戻っていた。

 

 

 海羽「大地さん達なら、きっとやってくれるよね。」

 

 

 笑顔でそう言いながら、病室の扉を開いて入ったその時!

 

 

 ジャグラー「やぁ、お嬢さん。」

 

 

 海羽「ひゃッ!?」

 

 

 なんと、海羽の病室にはいつの間にか『ジャグラス・ジャグラー』が入っていた!

 

 突然ジャグラーに声を掛けられた海羽は驚く。

 

 

 海羽「あ、あ、あなた…いつ入ったんですか!?」

 

 海羽の質問を他所に、ジャグラーは花瓶の花をいじっていた手を止め、海羽に接近する!

 

 ジャグラーに迫られ思わず後ろに下がる海羽はやがて壁に背が付き、すかさずジャグラーは海羽に“壁ドン”をする!

 

 

 海羽「な…な、何なんですか!?一体…。」

 

 ジャグラー「案ずる事は無い。あなたの様子を見に来ただけです。 どうやらすっかり元気になったみたいで安心しましたぁ…ヒヒヒッ。」

 

 海羽「そ…それは、どうも。」

 

 海羽は困惑しながらもジャグラーに礼を言った。

 

 

 やがてジャグラーは海羽から離れ、病室の窓をゆっくりと開ける。

 

 そして顔だけを海羽の方に振り向かせる。

 

 ジャグラー「どうやら明日のようだな、決着の日は。」

 

 海羽「…え?あなたもご存知なのですか?」

 

 ジャグラー「あぁ、俺は“奴”のため、そして、あなたの為なら何とでも。」

 

 海羽「一体…あなたは何者なの…?」

 

 ジャグラー「おっと、確かにいずれ共に夜明けのコーヒーを飲む者に名前を覚えてもらわないとですねぇ…。 ジャグラス・ジャグラーという者です。」

 

 海羽「ジャグラス…ジャグラー?」

 

 ジャグラー「それから、そこに置いてあるのは俺からの差し入れです。 それではお嬢さん、アデュー。」

 

 そう言うとジャグラーは、明けた窓から外へと飛び出した!

 

 海羽「へ? ちょっと!」

 

 海羽は慌てて窓から頭を出して外を見渡すが、何処を見てもジャグラーの姿は見当たらなかった…。

 

 

 海羽「ジャグラーさん…もしかして彼も…ウルトラ戦士か何かなのかな…?」

 

 

 そう言った後、海羽はベッドのそばの机に置いてあるジャグラーからの差し入れを手に取る。

 

 プラスチック製のコップにストローが刺さっており、中には氷と共に茶色い飲み物が入っている。

 

 海羽はそれを恐る恐る飲んでみる。

 

 

 海羽「うぅー…味は…コーヒーかな? でも何かソーダみたいにシュワシュワするし…変わった飲み物ね…。 でも、ちょっと微妙かな。」

 

 ジャグラーからの差し入れは『しゅわしゅわコーヒー』であった。

 

 

 海羽「…それに、私と夜明けのコーヒーを飲むとか言ってたけど…私、紅茶の方がいいな~…。」

 

 

 

 先ほど海羽と別れたジャグラーは、既に病院から遠く離れた場所にいた。

 

 そして、闇のエネルギーが満ちた蛇心剣を引き抜いてそれを不敵な笑みでじっくりと見つめていた…。

 

 

 ジャグラー「ヒッヒッヒ…遂に…遂に機は熟したぜぇ…! 待ってろよ? ガァイ…!」

 

 

 ジャグラーは一体何をしようとしているのであろうか…?

 

 

 

 その夜、櫂は何やら真っ暗な道を当ても無く歩いていた…。

 

 櫂「…ここは…どこなんだ…?」

 

 

 するとその時、何処からか女性の悲鳴が聞こえる! しかもよく聞いたら二人分の!

 

 

 驚いた櫂は辺りを見渡す。

 

 櫂「…何だ!? 誰かいるのか!?」

 

 

 その時、突然櫂の前方にスポットライトのような光が射し込む!

 

 そしてその光の先にはとんでもない光景が!

 

 

 櫂「…嘘だろ…?」

 

 

 櫂の目線の先、そこにはレッドマンとハヌマーンが、弱っている真美と海羽を追いかけ回している光景が…!

 

 

 真美「…櫂君…。」

 

 海羽「…助けて…!」

 

 

 櫂「真美!海羽!」

 

 二人の危機を目の当たりにした櫂は、変身しようとウルトラゼロアイを取り出すが、ふと手が止まってしまう…!

 

 

 それは、二人を助けたい気持ちと同時に、自身にとって必要な存在・レッドマンとハヌマーンを倒そうかどうかという躊躇いの気持ちも出始めていたのである…!

 

 

 悩み俯き、ゼロアイを握る手に力を入れる櫂…気が付いたらその手には汗が出始めていた。

 

 

 海羽「きゃっ!」

 

 真美「海羽ちゃん!」

 

 やがて、海羽が躓いてこけてしまった!

 

 

 それをチャンスとばかりにそれぞれレッドナイフと三叉槍を振り上げるレッドマンとハヌマーン!

 

 ハヌマーン「今だ!」

 

 レッドマン「怪獣は…みんな敵…それに味方する奴も…みんな…敵!」

 

 ハヌマーン「死ねー!」

 

 

 真美・海羽「きゃー!!」

 

 

 絶体絶命の危機!

 

 

 櫂「…ぅっ…ぅっ…ぅっ………うああああああああああー!!!」

 

 

 まだ整理がついていなかった櫂は、まるで何かに突き動かされるように、発狂しながらゼロアイを目に当て、『ウルトラマンゼロ』へと巨大変身する!

 

 

 あわや真美と海羽に襲い掛かりそうになったレッドナイフと三叉槍を、ゼロは両手持ちのゼロスラッガーで受け止める。

 

 そして何が何だか分からないまま発狂しながら、まずはレッドマンの腹部を二発斬りつけ、その後向かって来たハヌマーンを腹部にヤクザキックを打ち込む事で怯ませた後、袈裟懸けに斬撃を叩き込む!

 

 次にゼロはゼロスラッガーを合わせてゼロツインソードを形成し、尚も発狂しながらそれで闇雲にレッドマンとハヌマーンを斬りつけて行く…!

 

 

 櫂「うぉぉぉぉああああー!!!」

 

 

 ゼロ(櫂の意識)は、必殺の『プラズマスパークフラッシュ』を叩き込み、それを受けたレッドマンとハヌマーンは大爆発して砕け散った…。

 

 

 二人を撃破したゼロは、まるで一気に力が抜けたようにその場で膝を付いてしまう…。

 

 どうやら櫂自身は、まだ混乱しているようである。

 

 

 櫂「ハァ…ハァ…真美…海羽…大丈夫k…」

 

 

 とりあえず真美と海羽の安否を確認しようと振り向いたその時…!

 

 

 …その視線の先には、二人が変わり果てた姿で力なく横たわっていた…。

 

 

 どうやら闇雲にレッドマン達を攻撃していく内に、知らぬ間に真美達を巻き込んでしまっていたようである…!

 

 

 最悪な結果…そのショックに同調するかのように、カラータイマーが赤く点滅を始める…!

 

 

 …信じられない光景を見たゼロ(櫂の意識)は、その場で膝を付いたまま力なく俯き、そしてしばらく痙攣した後、上を向いて発狂した…。

 

 

 櫂「うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉああああああー!!!」

 

 

 

 その時!

 

 

 櫂「…ぅぶはぁっ! ハァ…ハァ…ハァ…。」

 

 

 気が付くと場所が変わっており、辺りには見慣れた風景…自分の部屋の壁や時計、窓などが見え、自身はベッドの上だった…。

 

 

 どうやら夢だったようである。

 

 

 時刻はまだ夜中の3時であった。

 

 

 櫂「ハァ…ハァ…ハァ…夢か…良かった…。」

 

 

 だが、安心するのも束の間、櫂は先ほどの夢の事を考え始めていた…。

 

 ジレンマに陥りながらも、真美と海羽を助けるべくやむなくレッドマンとハヌマーンを倒したものの、真美達もその巻き添えで死んでしまった夢…。

 

 

 櫂(あれは一体どういう事なんだ?…何かを暗示しているという事なのか…!?)

 

 

 すると、櫂はある考えに行きついた…。

 

 

 櫂「…レッドマン達を仲間にしたければ真美達を諦め、真美達を守りたければレッドマン達を諦めろ…そういう事なのか…?」

 

 

 その考えに行きついた瞬間、櫂は徐々に気持ちが落ち着き始め、そしてとりあえず外の空気を吸うために窓を開けて外を見つめながら呟いた…。

 

 

 櫂「…そもそも俺が戦っているのは…自分の為…怪獣どもを殲滅する為…そして、“真美達を守る為”…。 やはりレッドマン達を仲間にするのは…不可能だという事なのか…?」

 

 

 ゼロ(…櫂…お前まさか…。)

 

 

 もしかすると、櫂はレッドマン達は倒すべき存在だという事に僅かながら気付き始めているのかもしれない…。

 

 

 

 櫂の思考が気になる中、やがて朝焼けが街を包み込み、朝がやって来た…。

 

 

 遂に、決戦の日がやって来たのである!

 

 

 ガイ・大地・ヒカル・ショウの4人・ニュージェネレーションヒーローズは、既に昇る太陽を背に、決心を固めた表情で横並びに立っていた。

 

 

 4人を照らす朝焼けの光は輝きを増し、その様子はまるで4人の闘志に同調しているようである。

 

 

 ヒカル「いい朝が来たぜ…いよいよだな、みんな!」

 

 ショウ「あぁ、覚悟は、とっくに出来ている!」

 

 大地「行こう! 地球の…そして、怪獣達の未来のために!」

 

 エックス「心がユナイトした私達の力、見せてやろう!」

 

 ガイ「諸先輩方、皆さんの力、お借りします!」

 

 

 4人「いざ、勇気を胸に!!」

 

 

 遂に4人は変身に入る!

 

 

 ヒカルとショウはそれぞれギンガスパークとビクトリーランサーからギンガとビクトリーのスパークドールズを取り出し、大地はエクスデバイザーの上部ボタンを押してXモードに展開させ、それにより出現したエックスのスパークドールズを取り出す。

 

 

 《覚醒せよ! オーブオリジン!》

 

 ガイ「オーブカリバー!」

 

 ガイはオーブリングにオーブオリジンのカードをリードし、それにより光から現れたオーブカリバーを手に取る。

 

 そしてカリバーホイールを回転させて全紋章を点灯させた後、トリガーを引く!

 

 

 《ウルトライブ! ウルトラマンギンガ!》

 

 《ウルトライブ! ウルトラマンビクトリー!》

 

 《ウルトラマンエックスと、ユナイトします!》

 

 ヒカル、ショウ、大地もそれぞれスパーク、ランサー、デバイザーにギンガ、ビクトリー、エックスのスパークドールズをリードする!

 

 

 ヒカル「ギンガー!!」

 

 ショウ「ビクトリー!!」

 

 大地「エックスー!!」

 

 ガイ「オーブ!!」

 

 

 4人は一斉に変身アイテムを揚げ、眩い光に包まれる!

 

 

 「ショォラァァ!!」

 

 「ツェァッ!!」

 

 「イーッサァァァ!!」 《エックス、ユナイテッド!》

 

 「テアーッ!!」

 

 

 そして、光の中からギンガ、ビクトリー、エックス、オーブ(オーブオリジン)と順に右腕を突き出して飛び出した!

 

 

 変身が完了し登場した4人のニュージェネレーションヒーローズは、朝陽を背に雄々しく立つ。

 

 そして、4人一斉に上を向いた後、決戦の地・月向けて飛び立つ!

 

 

 戦いに出て行く4人の戦士を、櫂、真美、海羽、アスナはそれぞれ違う場所で見送る。

 

 真美「ガイさん…。」

 

 海羽「大君…。」

 

 アスナ「大地…。」

 

 櫂「ヒカル…ショウ…。」

 

 

 

 その頃、月でニュージェネレーションヒーローズ4人を待つレッドマン、ハヌマーン、デニスは、暇つぶしかつ準備体操感覚で猛威を振るっていた!

 

 奴らは今度は月の砂漠で、そこに生息する『月怪獣ペテロ』の群れに襲い掛かっていた!

 

 既に数体のペテロが犠牲になっており、いずれもバラバラになってたり、何かで斬られたり刺されたような痛々しい傷を残して倒れたりと無惨な姿で死んでいる…!

 

 

 デニス「ヒャッハー!! 奴らが来る前の準備体操には丁度いい獲物だぜぇー!!」

 

 妙なハイテンションで、ペテロの群れにバルカン砲やビーム砲をぶっ放していくデニス。

 

 

 因みに奴に捕えられたピグモンは、とある岩山の上に、球状のエネルギーカプセルの中に閉じ込められた状態で置かれていた。

 

 カプセルを壊そうと必死に小さな手を振るピグモン。そんなピグモンにデニスは接近する。

 

 

 デニス「安心しろ。今から来る奴らが俺達に勝ったら解放してやる。 ま、無理な事だけどな! ヒャーッハッハッハッハ!!」

 

 デニスは高笑いをした後、再びペテロの群れを狙い始める。

 

 

 レッドマンとハヌマーンはそれぞれレッドナイフと三叉槍を構え、デニスも彼らと共に、必死に逃げる残りのペテロの群れ向かって駆け始める!

 

 このままレッドマン達によって全滅してしまうのだろうか!?

 

 

 

 その時!

 

 

 

 ヒカル「ギンガクロスシュート!!」

 

 ショウ「ビクトリウムシュート!!」

 

 大地・エックス「ザナディウム光線!!」

 

 ガイ「オリジウム光線!!」

 

 

 “ズドガガガーン”

 

 

 レッドマン「…くっ…!」

 

 ハヌマーン「うぉわっ!!」

 

 デニス「…ッ、何だ!!」

 

 

 突如、上空から4つの光線が降り注ぎ、それらが足元で大爆発したレッドマン達は思わず後退する!

 

 

 …遂に参上したニュージェネレーションヒーローズ!

 

 

 4人はレッドマン達を得意光線で牽制した後、一斉に土砂を巻き上げながら着地する!

 

 

 着地後ゆっくりと立ち上がった4人は、レッドマン達と対峙する。

 

 デニス「フッ…待ってたぜぇ!」

 

 ハヌマーン「遂に来たな!若きウルトラ戦士ども!」

 

 レッドマン「…殺る時が…来た…!」

 

 

 両者が対峙している隙に、ペテロ達は無事に遠くへと逃げて行った。

 

 

 ガイ(オーブ)は、レッドマン達の更に向こうの岩山に置かれているピグモンに気付く。

 

 ガイ「ピーちゃん…待ってろよ。 こいつらを倒して、助けてやるからな。」

 

 

 デニス「フッハァッ! やれるものならやってみるんだなぁ!!」

 

 ハヌマーン「お前らも怪獣ども同様、切り刻んで、引ん剝いてやるぜ!!」

 

 レッドマン「…今度こそ…殺す…!」

 

 

 4人を挑発するレッドマン達だが、決心を固めていた4人は怯まない。

 

 ヒカル「へッ!やってやるさ! 今度こそケリをつけるぜ!」

 

 ショウ「覚悟しろよ! 今度は本気で行くぜ!」

 

 大地「これ以上、怪獣達の血を流させない!」

 

 エックス「人々と同様、地球上で生きる命だからな!」

 

 ガイ「悪を挫き、平和を築く…それがウルトラマンだ!」

 

 

 デニス「へッ!どうほざこうと無駄だ! どうせお前らはここで、死ぬんだからなぁー!!」

 

 

 ガイ「いや、死ぬ気は無いな…。 最後に勝つのは、真の正義だ!」

 

 

 そう叫ぶと、オーブはオーブカリバーを取り出し構える!

 

 

 ガイ「銀河の光が、我を呼ぶ!!」

 

 

 ガイの口上と共に4人は構えを取り、そして一斉にレッドマン達向かい駆け始める!

 

 

 レッドマン「レッドファイッッ!!」

 

 

 レッドマン達も、レッドマンの掛け声を合図に一斉に駆け始める!

 

 

 オーブはレッドマンを、エックスはデニスを、ギンガ・ビクトリーはハヌマーンをそれぞれ相手に戦い始める!

 

 

 遂に、激闘の火蓋が切って落とされた!

 

 

 

 一方地球では、海羽は無事に病院を退院し、櫂と真美はそれを出迎えていた。

 

 海羽「櫂君真美ちゃん、本当に何度も来てくれて、ありがとね。」

 

 櫂「いいって事よ。それより良かった。海羽が元気に戻って。」

 

 真美「うん。今日はお祝いで、夜どこか食べに行きましょ。」

 

 海羽「わーい! 賛成ー!」

 

 

 海羽の退院でお祝いムードになる中、3人は心の中で、レッドマン達と戦うウルトラ戦士達の事を思っていた…。

 

 真美(…信じてる。 私たちも応援してる。 だから頑張って!)

 

 海羽(きっとやってくれるよね! だって、ウルトラマンなんだもん!)

 

 

 真美と海羽がそう思う一方で、櫂は…

 

 櫂(さーて…勝つのはどっちかなぁ? フッ。)

 

 …まるでどっちが勝ってもいいみたいな思考であった…。

 

 

 

 (BGM:英雄の詩(1~2番))

 

 

 ギンガ・ビクトリーVSハヌマーン!

 

 

 ビクトリーは跳躍して飛び蹴りを放つが、ハヌマーンはそれを三叉槍で受け止めて防ぎ、続けてギンガが打って来た左拳のパンチも三叉槍で受け止め、そのままカウンターの左拳を放つが、ギンガはそれを右手で掴んで受け止める。

 

 それによりハヌマーンの両手が塞がった隙に、ビクトリーはスライディングキックをハヌマーンの右膝の裏に打ち込んで所謂“膝カックン”を決め、バランスを崩したハヌマーンがよろけた隙にギンガは膝蹴りを胸部に叩き込んで吹っ飛ばす!

 

 

 次にビクトリーはハヌマーンの三叉槍を持つ右腕に掴みかかる。

 

 ハヌマーンはそれを振りほどこうとしながらも接近して来たギンガに左脚蹴りを繰り出すが、ギンガはそれを両腕で防いだ後、腹部に右拳を打ち込み、続けてビクトリーがハヌマーンの右脇腹に左脚蹴りを打ち込み、そしてギンガとビクトリーはそれぞれ右足、左足の蹴りを同時にハヌマーンの胸部に叩き込んで吹っ飛ばす!

 

 

 体勢を立て直したハヌマーンは、反撃として三叉槍からハリケーンガンを放つ!

 

 《ウルトランス! キングジョーランチャー!》

 

 ビクトリーはすかさずウルトランスで右腕をキングジョーランチャーに変形させ、そこから弾丸を連射してハリケーンガンを相殺していき、その間にギンガはクリスタルを黄色に輝かせて空高く飛び上がる。

 

 ヒカル「ギンガサンダーボルト!」

 

 ギンガはギンガサンダーボルトを上空から放ち、ビクトリーに気を取られていたハヌマーンはその直撃を受けてダメージを受ける。

 

 

 《ウルトランス! EXレッドキングナックル!》

 

 “ドゴンッ”

 

 ハヌマーン「ぐわっ!」

 

 更にビクトリーは、ウルトランスでEXレッドキングナックルに変形させた右拳でハヌマーンを殴り飛ばす!

 

 ハヌマーンはそれをすかさず腕をクロスさせて防ごうとしたが、威力の高さにそのまま吹っ飛び岩山に激突した!

 

 

 タロウ「ヒカル! 今こそ、ウルトラ兄弟と共に戦うんだ!」

 

 ヒカル「あぁ! 行くぜタロウ!」

 

 ヒカルはストリウムブレスを変身モードにしてギンガスパークでリードする。

 

 タロウ「今こそ、一つになる時! ウルトラマンタロウ!ギンガに力を! ギンガストリウム!」

 

 タロウの掛け声と共にギンガはタロウと一体化し、眩い光と共に『ウルトラマンギンガストリウム』へとスタイルチェンジする!

 

 

 ハヌマーンは跳びはね体を掻くような仕草をしながら接近し、(切れ味の悪い)剣に変形させた三叉槍を振り下ろすが、ギンガストリウムはそれを右膝で受け止め、左拳で打ち上げた後、右拳のパンチを胸部に叩き込んで後退させる。

 

 その後、ギンガストリウムは跳躍して膝蹴りを叩き込み、ハヌマーンはすかさず両腕クロスさせるが、防ぎ切れずに直撃を受けて吹っ飛ぶ!

 

 

 ショウ「大地…使わせてもらう!」

 

 ショウはそう呟くと、大地から借りたゴモラのスパークドールズをランサーにリードする!

 

 

 《ウルトランス! ゴモラテイル!》

 

 

 今ここに友情のウルトランスが発動され、音声、そしてゴモラの鳴き声と共に、ビクトリーの右腕はゴモラの尻尾『ゴモラテイル』へと変形した!

 

 ショウ「行くぞ!」

 

 新たなウルトランスで立ち向かうビクトリー。ハヌマーンの剣の一振りをスピンしながらしゃがんでかわすと同時に腹部に一撃を決める!

 

 ハヌマーン「ぐぉわっ!」

 

 

 ギンガストリウムは自身の方に吹っ飛んで来たハヌマーンの右腕を左腕で掴んで捕える。

 

 タロウ「ゾフィーの力よ! M87光線!」

 

 そしてそのまま『M87光線』を発動させ、右手を胸に当てた後ハヌマーンの腹部に当て、ゼロ距離で叩き込んで吹っ飛ばす!

 

 

 ハヌマーン「くっ! …これならどうだー!」

 

 なんとか着地して体勢を立て直したハヌマーンは、剣を三日月状カッター『ハヌマーンスラッシュ』にして投げつける!

 

 タロウ「ウルトラマンの力よ! スペシウム光線!」

 

 ギンガストリウムは腕を十字に組んで『スペシウム光線』を放つ!

 

 スペシウム光線がハヌマーンスラッシュとぶつかり合う中、ビクトリーは接近し、超振動波を纏ったゴモラテイルの一撃でハヌマーンスラッシュを吹っ飛ばした!

 

 吹っ飛ばされたハヌマーンスラッシュは剣に戻り、地面に突き刺さる。

 

 

 ハヌマーンは今度は後ろを向き、伸縮自在の尻尾を伸ばして捕えようとするが、ギンガストリウムとビクトリーはそれを側転やバク宙、宙返りなどでかわしていく。

 

 タロウ「ウルトラセブンの力よ! エメリウム光線!」

 

 ギンガストリウムは上空で静止し、両手を額に当ててビームランプから『エメリウム光線』を発射し、ハヌマーンの尻尾を根こそぎ焼き切った!

 

 

 ハヌマーン「ぐわっ! なにくそー!」

 

 更に怒ったハヌマーンは、剣を引き抜いて三叉槍に戻した後、三叉槍から3発の光輪『ウィンドスラッシュ』を放つ!

 

 タロウ「ウルトラマンジャックの力よ! ウルトラバーリア!」

 

 ショウ「ビクトリウムスラッシュ!」

 

 ギンガストリウムは光のシールド『ウルトラバーリア』を展開して2発を防ぎ、ビクトリーは『ビクトリウムスラッシュ』で1発を打ち落とす!

 

 

 タロウ「ウルトラマンエースの力よ! メタリウム光線!」

 

 ギンガストリウムはシールド消失と同時に上半身を左後方に捻った後両腕をL字に組んで『メタリウム光線』を放ち、その直撃を受けたハヌマーンは岩山をいくつか破壊しながら吹っ飛ぶ!

 

 

 なんとか立ち上がったハヌマーンにビクトリーは駆け寄り、キックも交えながらゴモラテイルを鞭の如く連続で叩き込んでダメージを与えていき、そしてテイルを首に巻き付けて思い切り引っ張ることで空中できりもみさせ、更にそこにハイキックを叩き込んで打ち落とした!

 

 

 タロウ「ウルトラマンタロウの力よ! ストリウム光線!」

 

 ギンガストリウムは右手を上げ、そこに左手を重ねてスパークを起こし、両手を腰に添えて身体を虹色に光らせながら大気中の宇宙エネルギーを溜めた後、両腕をT字に組んでタロウの必殺光線『ストリウム光線』を放つ!

 

 ハヌマーンはすかさずハリケーンガンを放って迎え撃つが、押し合いの末にストリウム光線が押し勝ち、直撃を受けたハヌマーンは大きく吹っ飛んだ!

 

 ハヌマーン「馬鹿な!…タイでの戦いが、こんな形で仇になるとは…!」

 

 

 かつてタイにて自身が洗脳したウルトラ兄弟、そして彼らと共にリンチしたゴモラの力で追い詰められていくハヌマーン…正に因果応報である。

 

 

 

 (BGM:ウルトラマンX(1~2番))

 

 

 エックスVSノワール星人デニス!

 

 

 組み合って力比べをしていた両者は一旦離れて対峙する。

 

 大地「人と怪獣が、必ず共存できる日が来る!」

 

 エックス「共に羽ばたこう!」

 

 大地・エックス「新時代へ!!」

 

 デニス「ほざけええぇ!!」

 

 

 両者は互いに駆け寄り、デニスはエックスが放った跳び蹴りを両腕をクロスさせて防ぐ。

 

 次にデニスは右脚蹴りを放ち、エックスはそれを両腕で防いだ後、続けてデニスが打って来た左フックを右腕で受け止めて左拳で叩き落とした後、右拳のパンチを胸部に叩き込み、その後デニスが打って来た右フックをしゃがんでかわすと同時に左脚蹴りを右脇腹に叩き込んで後退させる!

 

 デニスは走り込んでエックスに殴り掛かるが、エックスはそれをかわすと同時にすれ違いざまに右足蹴りを背中に打ち込んで転倒させる。

 

 

 デニス「馬鹿なッ! パワードアーマーで、俺様のパワーは上がってるハズ!!」

 

 動揺しながらもデニスは再びエックスに駆け寄り、エックスは再び構えを取り、地面に拳を当てて体勢を立て直すと同じくデニスに駆け寄り、すれ違いざまにラリアットを叩き込んで地面に叩き付けた!

 

 

 エックス「私達はさまざまな戦いを超え、より強くユナイト出来るようになった。」

 

 大地「そしてそれは、怪獣達とも同じ…だから、怪獣の命を平気で切り捨てるお前達には絶対に負けない!」

 

 デニス「あり得ぬ! そんなの、俺様は認めんぞォォォ!!」

 

 

 自尊心を傷つけられ逆上したデニスはエックスに殴り掛かるが、エックスはしゃがんでかわし、腹部に左右交互にパンチを打ち込む。

 

 大地・エックス「Xクロスキック!」

 

 そして、至近距離で跳躍し、両腕、両脚を開いたX字の姿勢からエネルギーを集中した右脚で飛び蹴り『Xクロスキック』を繰り出し、それを胸部に受けたデニスは爆発と共に吹っ飛んだ!

 

 

 エックス「次は貴様が、怪獣達に狩られる番だ!」

 

 大地「受けてみろ!怪獣達の力を!」

 

 

 ここからは、エックス最大の特徴の一つ・サイバー怪獣の鎧『モンスアーマー』を活かした攻撃の始まりだ!

 

 

 《サイバーゼットン、ロードします サイバーゼットンアーマー、アクティブ!》

 

 まず大地はサイバーゼットンのカードをデバイザーでロードし、それによりエックスは『ゼットンアーマー』を装着する!

 

 デニスはアーマーの右腕部のバルカン砲を乱射するが、エックス・ゼットンアーマーは上空でゼットンシャッターを張ってそれを防ぎ、逆にゼットンの手を模した両腕を突き出して波状光線を打ち込んでダメージを与える。

 

 大地・エックス「ゼットントルネード!」

 

 エックスはゼットンシャッターを纏って回転突撃する『ゼットントルネード』を繰り出し、その直撃を受けたデニスは大きく吹っ飛び地面に落下する。

 

 

 《サイバーベムスター、ロードします サイバーベムスターアーマー、アクティブ!》

 

 次は『ベムスターアーマー』を装着するエックス。デニスはアーマーの左腕部のビーム砲を放つ!

 

 大地・エックス「ベムスタースパウト!」

 

 エックス・ベムスターアーマーはベムスターの腹部を模した盾でビームを吸収し、地面に突き立てて撃ち返す『ベムスタースパウト』を決め、デニスは撃ち返されたビームの直撃を受ける!

 

 更にエックスは、回転して横に跳びながら盾を投げつけ、その直撃を受けたデニスは転倒する。

 

 

 《サイバーエレキング、ロードします サイバーエレキングアーマー、アクティブ!》

 

 次に装着したのは『エレキングアーマー』。

 

 デニスは接近して右フックを繰り出すが、エックス・エレキングアーマーはそれをしゃがんでかわすと同時にエレキングの腕を模した右腕の砲身を腹部に突きつけ、そのまま鞭のような電撃を放ってデニスを絡め取り、大きく振り回して地面に叩き付ける!

 

 大地・エックス「エレキング電撃波!」

 

 エックスは右腕の砲身から青・黄・緑の3色の電撃『エレキング電撃波』を放ち、デニスに叩き込む!

 

 

 デニス「ぐぉあッ!! 馬鹿なッ! 俺様がこうも圧されるとは!」

 

 この時デニス自身も気付いていなかった…モンスアーマーの連続攻撃により、自身のパワードアーマーにヒビが入り始めていたという事を…!

 

 

 大地「行くぞゴモラ!」

 

 《サイバーゴモラ、ロードします サイバーゴモラアーマー、アクティブ!》

 

 大地は最後にサイバーゴモラのカードをロードし、エックスは『ゴモラアーマー』を装着する!

 

 デニスは猛接近し左右交互にパンチを放つが、エックス・ゴモラアーマーはゴモラの腕を模した両腕でそれを防いだ後、右足の前蹴りを腹部に打ち込んで後退させる。

 

 そして、両腕を大きく振って巨大な爪を活かしたパンチを繰り出し、それらがデニスの胸部に炸裂する度に火花を散らす。

 

 デニスは怯まず再び駆け寄るが、エックスはそれをかわすと同時に、すれ違いざまに爪の一撃を背中に打ち込んで転倒させた。

 

 大地・エックス「ゴモラ振動波!」

 

 エックスは両腕の爪でデニスの体を挟み込み、『ゴモラ振動波(ゼロシュート)』を叩き込む!

 

 振動波を流し込まれたデニスの体は爆発し、それによりパワードアーマーも遂に完全に破壊され、デニスは砕けたアーマーの破片と共に吹っ飛び地面を転がる。

 

 デニス「そんな…あり得ない! 俺様のパワードアーマーが…!」

 

 

 これまで自身が楽しみで狩って来た怪獣達の力に押されていき、遂にはアーマーが砕けて丸裸になってしまったデニス…こちらも因果応報である。

 

 

 

 (BGM:Ultraman Orb -Touch the Sun-)

 

 

 オーブVSレッドマン!

 

 

 オーブ・オーブオリジンはオーブカリバーを、レッドマンはレッドアローを手に、互いに対峙しながらゆっくりと歩み寄って行く…。

 

 …やがてその歩みは走りに変わり、両者は互いに駆け寄ると同時に武器を振り下ろす!

 

 

 両者は剣を振り下ろすと同時に金属音と共に火花を散らしながらすれ違い、次にオーブは振り向き様にカリバーを振ってレッドマンはそれをしゃがんでかわす。

 

 その後両者は互いに金属音と火花を発しながら武器を振るってぶつかり合わせ、やがて武器同士をぶつかり合わせて力比べをした後、オーブはハイキックを打ち込んで引き離す。

 

 

 レッドマン「イヤッ!」

 

 レッドマンはレッドアローの先端を突き立てて突進を繰り出すが、オーブはそれを宙返りをしながらレッドマンを跳び越える事でかわす。

 

 そして着地すると、背後からレッドマンにカリバーを振り下ろすが、レッドマンは即座に背を向けたままレッドアローでそれを防ぐ。

 

 レッドマンは振り向き様にレッドアローで斬りかかるが、オーブは即座に後ろに下がってかわし、その後なおも振り下ろして来たレッドアローをカリバーで受け止めると、力づくで押し飛ばすと同時にレッドマンの腹部に膝蹴りを叩き込んで後退させる!

 

 

 レッドマン「必ず…殺す! レッドアロー!」

 

 ガイ「テアーッ!」

 

 

 両者は対峙した後、それぞれ自身の武器を投げつける!

 

 そして空中でレッドアローとオーブカリバーが激しくぶつかり合う中、戦いは肉弾戦に変わる!

 

 

 両者は駆け寄ると同時にパンチを放ち、同時に胸部に当たる事で後退する。

 

 その後両者は掴み合い、押し合いを展開した後、レッドマンはオーブを地面に投げつけるが、レッドマンの腕を掴んでいたオーブはレッドマンを投げ返す!

 

 立ち上がったレッドマンはオーブに前蹴りを放つが、オーブは脚を掴んで受け止めると逆に脚に数発パンチを打ち込んでダメージを与え、それによりレッドマンが怯んだ隙に胸部にハイキックを打ち込む!

 

 レッドマンは怯まず右ストレートを放ち、オーブはそれを左手で掴んで受け止め、右拳で打ち落とした後、腹部にボディブローを打ち込み、更に左頬に右拳を叩き込む!

 

 なおもレッドマンはパンチを放つが、オーブはそれをしゃがんでかわすと同時に一回転して右脇腹に右拳を打ち込み、それにより怯んだ隙にレッドマンの頭部、左腕を掴み、一本背負いの要領で放り投げて地面に叩き付けた!

 

 

 レッドマン「理解…不能…! この俺…追い込まれる…?」

 

 ガイ「誰かのために戦う気持ちが、俺に限界を超えた力を与えてくれる…そう、お前が捨てた力だ!」

 

 ガイは動揺するレッドマンに一喝した。

 

 

 オーブカリバーによる剣戟、そして初代ウルトラマンを彷彿とさせる泥臭い肉弾戦を駆使してレッドマンを追い込んで行くオーブ・オーブオリジン…既に勝負は見えているかのように見えた。

 

 

 その時。

 

 

 デニス「レ…レッドマン! なぁ、頼む!助けてくれないか?」

 

 突如、デニスがレッドマンに縋り始める。エックスの猛攻により過信していたパワードアーマーが砕けてしまった今、仲間であるレッドマンに助けを求め始めたのだ。

 

 

 レッドマンは無言でデニスの方を振り向く。

 

 デニス「なぁ頼むよ~! 仲間だろ? 怪獣殲滅の為でもある。 俺様に、新しいアーマーを…!」

 

 さっきまで自信満々だったデニスが、不利になった途端必死になって仲間に助けを求めるその姿…実に哀れである。

 

 

 その時!

 

 

 レッドマン「…お前…もう用ない…!」

 

 

 デニス「…へ?」

 

 

 “ザシュッ”

 

 

 デニス「…ぅぐほぁっ…!?」

 

 

 ガイ「!」

 

 大地「何だと!?」

 

 

 …なんと、無情にもレッドマンは戦力外となったデニスの腹部に、用済みとばかりにレッドアローを突き刺したのだ!

 

 

 信じられない光景にオーブ、そしてデニスの相手をしていたエックスは驚愕する。

 

 

 デニスは薄れゆく意識の中、血を吐きつつ、レッドマンに縋り付きながらこう言った。

 

 デニス「ぐぉはっ…フッ…し…所詮…は…俺様も…怪獣殲滅の為に…利用されてた…と言う事なの…か…?」

 

 レッドマンはデニスを見つめたまま無言で何も言わない…。徐々に倒れ行くデニスを見つめるその表情は、まるで落ちぶれた者を見下げているようで不気味である。

 

 デニス「…ヘッ…最悪だ…ぜ…。」

 

 そう言い残すと、デニスはその場に力なく倒れ伏せ、完全に息絶えてしまった…。

 

 

 これまで自身が狩って来た怪獣達の力で追い詰められていき、最後は仲間だと思っていた者に切り捨てられる形で散って行ったデニス…あまりにも皮肉であり、哀れな最期である。

 

 

 エックス「何て奴だ! 自分の仲間まで手に掛けるとは…!」

 

 大地「間違いない…奴は共存不可能な悪魔だ!」

 

 

 ガイ「何て事を…!」

 

 レッドマン「レッドフォール!」

 

 なおも驚きを隠せないオーブ。レッドマンはその隙を突いてオーブ目掛けてデニスの死体を放り投げる!

 

 オーブはなんとかそれをかわす事が出来たがその隙にレッドマンはレッドナイフを取り出し、先端から弾丸『レッドショット』を発射してオーブを攻撃する。

 

 レッドマン「レッドサンダー!」

 

 レッドショットを放ちつつ、更にレッドサンダーを重ねるレッドマン!オーブは光弾や光線が足元や周囲で爆発する中、自身もそれらの爆発でダメージを受けていく。

 

 レッドマン「レッドナイフ!」

 

 “ズパーン”

 

 ガイ「ぐぉあっ!」

 

 そして、レッドマンは怯んだオーブに駆け寄りながらレッドナイフの一振りで斬りつけ、オーブは斬られた胸部から火花を散らしながら吹っ飛び地面に落下する!

 

 

 エックス「オーブ!」

 

 大地「ガイさん!」

 

 

 予想外の事態により、形勢が逆転され始めているオーブ…!

 

 

 レッドマン「怪獣は…みんな敵…それに味方する奴も…みんな敵…!」

 

 レッドマンは勝ち誇るように、レッドナイフを手に、横たわるオーブ向かって歩みを進めて行く…。

 

 

 

 オーブのピンチ、その時!

 

 

 

 ジャグラー「蛇心剣抜刀斬!」

 

 

 “ザシュッ” “ズドーン”

 

 

 レッドマン「…ぐおっ!?」

 

 

 突如、聞き覚えのある声と共に闇の一筋がレッドマンを斬り裂き、吹っ飛ばした。

 

 

 ガイ「…何だ?」

 

 戸惑うオーブの目の前に、何者かが着地する。

 

 それを見た瞬間、ガイは驚愕した…。

 

 ガイ「…お前は…!」

 

 

 ジャグラー「どうだ?テメーのナイフよりもよっぽど斬れるだろぉ?」

 

 

 レッドマンにそう言い放つ彼を、オーブは足元から徐々に見上げていき、やがて彼が巨大化した『ジャグラス・ジャグラー(魔人態)』である事に気づいた!

 

 ジャグラーは巨大化し、ガイ達を追って月まで来たのである!

 

 

 ガイ「何故…ここに…。」

 

 いきなりのジャグラーの登場に動揺するオーブに、ジャグラーは手を差し伸べる。

 

 ジャグラー「相変わらずのようだな、ガイ。」

 

 ガイ「…フッ、お前さんもな。」

 

 オーブはとりあえずジャグラーの手を取り立ち上がる。

 

 

 色々疑問に思いながらも、とりあえずガイはジャグラーにこう聞いた。

 

 ガイ「お前さん、何故ここに来た? 巨大化までして。」

 

 ジャグラー「テメーを倒すのはこの俺だ。他の者に横取りされてたまるか。 それに…」

 

 ジャグラーは、先日海羽(ソル)がレッドマン達に痛めつけられた事を思い浮かべる…。

 

 ジャグラー「(レッドマンに蛇心剣を向けて)アイツらには借りがあるんでね。」

 

 どうやらジャグラーは、海羽がレッドマン達に痛めつけられた事への報復のためにやって来たみたいである。

 

 

 因みにジャグラーが巨大化できたのは、蛇心剣の闇のエネルギーによるものであり、先日から集めていた闇のエネルギーは、巨大化してレッドマン達と戦うために溜め込んでいたのである。

 

 

 ガイ「フッ、そうかい。 じゃあアイツらは、俺とお前さんの共通の相手という事か。」

 

 

 立ち上がったレッドマンは構えを取り、オーブとジャグラーも、それぞれオーブカリバー、蛇心剣を手に構えを取る。

 

 

 レッドマン「新たな敵…だが…俺が殺る…!」

 

 

 (BGM:True Fighter)

 

 

 ジャグラー「遅れるなよ?ガイ。」

 

 ガイ「フッ、こっちの台詞だ。」

 

 

 オーブ・ジャグラー、そしてレッドマンは互いに地面を蹴り、土砂を巻き上げながら飛び掛かる!

 

 

 ジャグラーはレッドマンのレッドナイフの一振りを蛇心剣で受け止め、それをオーブがカリバーで下から打ち上げた所にジャグラーがすれ違いざまに横一直線の斬撃を腹部に決め、更にオーブがカリバーで背中に一撃を決めて追い打ちをかける。

 

 レッドマン「レッドサンダー!」

 

 レッドマンはレッドサンダーを放ち、オーブはそれを『カリバーシールド』で防ぎ、その間にジャグラーがオーブを飛び越えて高く跳躍し、落下のスピードも加えた強烈な蛇心剣の一撃を叩き込む!

 

 怯んだレッドマンにジャグラーは更に袈裟懸け、半回転しながらの横一直線と連続で斬撃を決め、更に後ろ蹴りを腹に打ち込んで後退させる。

 

 レッドマンが再度放つレッドショットをオーブとジャグラーはそれを剣で弾き飛ばしながら接近し、2人同時に剣を振るってX字を描くような斬撃を叩き込んで吹っ飛ばす!

 

 

 ガイ「オーブウインドカリバー!」

 

 

 オーブは“風”の紋章を光らせてオーブカリバーを振るい、巨大な竜巻を起こしてレッドマンを上空に巻き上げる!

 

 そしてジャグラーはレッドマンの位置まで飛び上がり静止する。

 

 

 ジャグラー「蛇心剣・新月斬波!」

 

 

 ジャグラーは闇のエネルギーを三日月状の刃にして飛ばす必殺剣『蛇心剣・新月斬波』を繰り出し、その直撃を受けたレッドマンは上空で爆発した後地面に落下した。

 

 

 ジャグラー「どうだ?痛めつけられたお嬢さんの恨みは。」

 

 着地したジャグラーに今度はハヌマーンが三叉槍を振り下ろすが、ジャグラーは即座に蛇心剣で受け止める。

 

 ハヌマーン「お前も新たな敵だな? 血祭りに上げてやる!」

 

 ジャグラー「そうか、テメーにも借りがあるんだっけなぁ…?」

 

 そう言うとジャグラーはハヌマーンの腹部に右足蹴りを打ち込んで後退させ、更に剣を振るって立ち向かう。

 

 

 大地「俺達は、絶対に負けないんだ!」

 

 ふと何かに気づいた大地はそう言って辺りを見渡すと、大地の周囲に無数の怪獣達のサイバーカードが飛んでいる。

 

 大地と絆を繋いで来た怪獣達は、再び大地達と戦おうとしているのである。

 

 エックス「怪獣達が、私達の思いに応えてくれている!」

 

 大地「みんな…一緒に戦おう!」

 

 大地はデバイザーを突き出し、そこに全てのサイバーカードが読み込まれていく!

 

 そしてそれらと一体化したエックスは、右肩と胸部にゴモラアーマー、左肩にエレキングアーマー、左腕にベムスターアーマーのシールド、そして右腕にはゼットンアーマーの装甲とエクスラッガーが装備される!

 

 

 大地・エックス「ハイブリッドアーマー!アクティブ!」

 

 

 今ここに、奇跡のアーマー『ハイブリッドアーマー』が再び登場した!

 

 

 (BGM:オーブの祈り(1~2番))

 

 

 いよいよ激闘はクライマックスへ!オーブは次のフュージョンアップを始める!

 

 

 ガイ「セブンさん!」

 

 《ウルトラセブン!》

 

 セブン「デュワッ!」

 

 

 ガイ「ゼロさん!」

 

 《ウルトラマンゼロ!》

 

 ゼロ「デェェェヤッ!」

 

 

 ガイはウルトラセブンとウルトラマンゼロのカードをダブルリードし、彼の左右に二人のビジョンが現れる。

 

 

 ガイ「親子の力、お借りします!」

 

 ガイは二人のビジョンと共に右腕を真横に伸ばすポーズから、両腕を拳にして交差し、胸を張って力こぶを作った後オーブリングを揚げる!

 

 

 《フュージョンアップ!》

 

 音声と共にオーブオリジンの姿となったガイは二人のビジョンと重なり、やがてその光が周囲を回るオーブスラッガーショットに沿って下から消えていき、オーブが姿を現す。

 

 《ウルトラマンオーブ! エメリウムスラッガー!》

 

 そしてフュージョンアップが完了した『ウルトラマンオーブ・エメリウムスラッガー』は、光の渦のエフェクト、セブンOPの影絵が出現した後、赤と青の閃光が煌めく背景と共に右拳を突き出して飛び出す!

 

 

 ガイ「智勇双全、光となりて!」

 

 “ドゴンッ”

 

 登場したオーブは口上と共にレッドマンに飛びかかり、青のエフェクトを纏った回し蹴りを顔面に叩き込んで吹っ飛ばす!

 

 

 レッドマンはレッドナイフを手に斬りかかるがオーブはそれを手持ちのアイスラッガーで受け止め、回し蹴りで叩き落とす。

 

 素手となったレッドマンは今度はパンチを放つがオーブはそれを片手で掴んで受け止め、そのまま胸部にアイスラッガーでの乱れ斬りを打ち込んで行く!

 

 ガイ「俺達は負けない! 俺達を信じ行かせてくれた、人達の思いに応えるためにも!!」

 

 そう叫びながらオーブは乱れ斬りを決めた後、スラッガーでの渾身の一撃を叩き込んで吹っ飛ばす!

 

 

 ハヌマーン「はっ…レッドマン!」

 

 ジャグラーと交戦していたハヌマーンは狙いをオーブに変え、ウィンドスラッシュを放つ!

 

 

 ガイ「トリプルエメリウム光線!」

 

 

 オーブは上空に飛び上がると、両腕を額に添えた後、左腕を胸元に当てながらエネルギーをチャージし、右拳を突き出して額のランプから光線『トリプルエメリウム光線』を放ち、瞬く間に迫り来る三つの光輪を破壊した。

 

 

 ハヌマーンは今度はオーブに飛びかかろうと跳躍。オーブは迫り来るレッドマンを跳び越えると同時に肩を踏み台にして更に飛び上がり、ハヌマーンの顔面にゼロキックを彷彿させる強力な跳び蹴りを叩き込み、それを受けたハヌマーンはたまらず地面に落下した。

 

 

 ガイ「超(ハイパー)ウルトラノック戦法だ!」

 

 

 オーブは頭部のオーブスラッガーショットとアイスラッガーの三刀流をウルトラ念力で飛ばす『超(ハイパー)ウルトラノック戦法』を繰り出す!

 

 オーブスラッガーショットは回転しながら、アイスラッガーは白熱化しながら空中で乱舞しつつ、レッドマンとハヌマーンを斬り裂いて行く!

 

 

 三つのスラッガーを頭部にしまったオーブは次のフュージョンに入る!

 

 

 ガイ「ギンガさん!」

 

 《ウルトラマンギンガ!》

 

 ギンガ「デュアッ!」

 

 

 ガイ「ビクトリーさん!」

 

 《ウルトラマンビクトリー!》

 

 ビクトリー「ジュァ…!」

 

 

 ガイ「エックスさん!」

 

 《ウルトラマンエックス!》

 

 エックス「イーッサーッ!」

 

 

 ガイはギンガ、ビクトリー、エックスのカードをリードし、彼の周囲に三人のビジョンが現れる。

 

 

 《トリニティフュージョン!》

 

 ガイがオーブリングのトリガーを引くと、音声と共に光の渦が現れ、やがてそこから丸鋸状の武器『オーブスラッシャー』が形成され、ガイは手に取る。

 

 そしてスラッシャーの側面のギンガの額、ビクトリー・エックス・オーブのカラータイマーの形のマークをスライドタッチすることで4色の刃が発光する。

 

 

 ガイ「三つの光の力、お借りします! オーブトリニティ!!」

 

 

 ガイは三人のビジョンと共に、スラッシャーで逆時計回りで円を描きそれを真上にかざす事でトリニティフュージョンを発動させる!

 

 オーブオリジンの姿となったガイは三人のビジョンと合わさって輝き、やがてその光が下から消えていく事でオーブは姿を現す。

 

 そして『ウルトラマンオーブ・オーブトリニティ』へとトリニティフュージョンを完了したオーブは、宇宙空間に光が迸った後、淡い水色のサイバーラインが走り、ビクトリウムにも似た結晶が飛び散った後、虹色に光る電脳空間の中心で交差する銀河を背に右拳を突き出して飛び出す!

 

 

 ガイ「三つの光と絆を結び、今立ち上がる!」

 

 現れたオーブは口上を上げると同時にレッドマンとハヌマーンに両拳を突き出しながら飛びかかり、それぞれ右拳、左拳で強力なパンチ『トリニティウムストレート』を叩き込み、更に二人が怯んだ隙に一回転しながら跳躍し、ビクトリウムスラッシュにも似た蹴り技を叩き込んで吹っ飛ばす!

 

 

 着地し、右肩からオーブスラッシャーを取り出して構えを取るオーブ。立ち上がったレッドマンとハヌマーンはそれぞれレッドサンダー、ハリケーンガンを放って反撃するが、オーブは即座に虹色のバリア『トリニティウムシールド』を張ってそれを防ぐ。

 

 そしてその隙にギンガストリウム、ビクトリー、エックス・ハイブリッドアーマー、そしてジャグラーは上空に高く跳び上がり、それぞれギンガスパークランス、シェパードンセイバー、エクスラッガー、蛇心剣で順にレッドマンとハヌマーンを斬りつけ、その後更にオーブが駆けつけ、虹色のエフェクトを発しながら左右斜め、横一直線にとオーブスラッシャーで斬りつける!

 

 更に5人は振り向き様に一斉に七色のエフェクトを発しながら斬撃を放ち、それらの直撃を受けたレッドマンとハヌマーンは大爆発と共に吹っ飛び地面に落下する。

 

 

 ハヌマーン「ゴフッ!…ハァ…ハァ…馬鹿な…俺達は…ここでやられてしまうのか…!?」

 

 レッドマン「…理解…不能…俺達が…やられるなど…!」

 

 

 ニュージェネレーションヒーローズ、そして加勢したジャグラーの猛攻撃により、レッドマンとハヌマーンは遂に満身創痍となった。

 

 体中無数の切り傷を負って流血しており、吐血すら始めてしまっているボロボロの二人。まさか自分自身が、かつて狩って来た怪獣達の立場になってしまうとは思いもしていなかったであろう…。

 

 

 今こそ、長年に渡って怪獣を無差別に狩って来た悪魔二人に止めを刺す時だ!

 

 

 ニュージェネレーションヒーローズは、オーブをセンターに並び立つ。

 

 ヒカル「さぁ、決めるぜ!」

 

 ショウ「行くぞ!」

 

 大地「これでトドメだ!」

 

 エックス「真の正義の前に!」

 

 ジャグラー「砕け散れ…!」

 

 ガイ「今こそ、力を一つに!」

 

 

 5人は一斉に必殺技の体勢に入る。

 

 ギンガストリウムとビクトリーは周囲にウルトラ6兄弟のビジョンを現しながらそれぞれ腕を回してエネルギーを溜めて行き、エックスは体中のアーマーを光らせながらザナディウム光線を同じ予備動作でエネルギーを溜めて行き、ジャグラーは蛇心剣にありったけの闇のエネルギーを込める。

 

 そしてガイは側面を三回スライドタッチした後、グリップ部の下にあるブーストスイッチを入れる事で刃部を伸ばし、それによりオーブは大きく振りかぶる溜めポーズの後、ガイのいる空間内でギンガの額とビクトリー・エックス・オーブのカラータイマーを組み合わせたエンブレムがガイの背後で輝き、オーブはそのエンブレムに似た形の超巨大な八つ裂き光輪を頭上に生成させる。

 

 

 ヒカル・ショウ「コスモミラクルエスペシャリー!!」

 

 大地・エックス「ウルティメイトザナディウム!!」

 

 ジャグラー「最大出力、新月斬波!!」

 

 ガイ「トリニティウム光輪!!」

 

 

 ギンガストリウムとビクトリーはそれぞれ『ギンガエスペシャリー』と『ビクトリウムエスペシャリー』を同時に放つ合体光線『コスモミラクルエスペシャリー』、エックスは胸から最強光線『ウルティメイトザナディウム』、ジャグラーは闇のエネルギーを極限までに込めた巨大な新月斬波を、そしてオーブは究極の光輪技『トリニティウム光輪』を、一斉に放つ!

 

 

 まずはコスモミラクルエスペシャリーとウルティメイトザナディウムが一つになってレッドマンとハヌマーンを包み込むように直撃し、次に新月斬波が二人の体を貫き、そして最後にトリニティウム光輪が二人を直撃し、縦に両断する!

 

 

 ハヌマーン「…このっ…我々が…何故だーっ!!」

 

 レッドマン「…敗北…死…理解…不能ー!!」

 

 

 二人はそう言い残し、やがて仰向けに倒れると同時に巨大な炎の輪っか状の光を発生させながら大爆発し、跡形も無く消し飛んだ!

 

 

 ニュージェネレーションヒーローズの大勝利! 遂に、光の国の罪人二人を撃破した一同は必殺技の体勢をゆっくり解く。

 

 大きな爆風が晴れたその先に見えたのは、大爆発により出来た大きなクレーターに、その中心の地面にはまるで二人の墓場を現すかのように、レッドナイフと三叉槍が交叉して刺さっていた…。

 

 

 

 因みにその大爆発は地球からも微かに見えたのか、地球でニュージェネレーションヒーローズの勝利を信じていた人たちはそれぞれ別の場所で喜ぶ。

 

 真美「ガイさん…みんな…ありがとう。」

 

 海羽「やったー! 遂にやったんだね!」

 

 アスナ「えぇ、大地達がやってくれたわ。」

 

 

 女性陣が純粋に喜ぶ中、櫂は…、

 

 櫂「フっ…逝ったか…。」

 

 レッドマンとハヌマーンの死を喜んでるのか悔やんでるのか分からない妙な反応を示していた…。

 

 

 

 遂に悪魔二人に勝利したニュージェネレーションヒーローズは、輪になって互いに見つめ合っていた。

 

 ギンガとエックスは通常の姿に戻っており、オーブもオリジンの姿に戻っていた。

 

 4人ともカラータイマーが赤く点滅しているが、激闘の後という事もあり、それは危険信号と言うよりも、戦いを終えたウルトラ戦士に「お疲れさんです」と語り掛けているようであった。

 

 

 ガイ「皆さん…お疲れさんです。」

 

 ガイ(オーブ)は、無事に救出したピグモンを手に乗せ、先輩達に労いの言葉を掛けた。

 

 

 ヒカル「オーブこそお疲れ! 良かったなタロウ、雪辱を果たせて。」

 

 タロウ「あぁ。これでまた、我々ウルトラ兄弟も更に前に進める気がして来た。」

 

 

 大地「皆さんと力を合わせたからこそ、俺達は勝てたんですね…。」

 

 ショウ「その通りだ。 大地、ありがとな。これ返すぜ。」

 

 ショウは空間を通じて大地にゴモラのスパークドールズを返却し、大地はそれを受け取る。

 

 

 エックス「だがまだ油断は出来ない。宇宙には、ハヌマーンやレッドマンみたいな奴がまだいっぱいいる。」

 

 大地「でもその時は、また俺達が力を合わせて戦えばいいよ。」

 

 エックス「そうだな。可能性はゼロではない。」

 

 ガイ「誰かを守りたいという思い、それがあれば、どんな敵にも負けません。」

 

 

 ジャグラー「…誰かを守りたいという…思いか…。」

 

 闇の力を出し切った事により等身大に戻っていたジャグラーは、少し離れた所でオーブ達の会話を聞いていた。

 

 

 ヒカル「例え離れていても、俺達は空の下で繋がっている。」

 

 ショウ「もしまた、強大な敵が現れたその時は…、」

 

 ガイ「あぁ、また共に戦いましょう。」

 

 

 4人は拳を合わせた。これからも力を合わせて戦おうという思いを込めて…。

 

 そして、ふと振り向いた先の太陽に照らされている地球は、いつもよりも明るく見えた…。

 

 

 

 (ED兼BGM:TWO AS ONE(full))

 

 

 地球に戻り、変身を解いたニュージェネレーションヒーローズ。

 

 

 ガイは思わぬ再会を果たしたジャグラーと話し合う。

 

 ジャグラー「ったく、テメーと言う奴は。 俺がいなかったらどうなってた事か。」

 

 ガイ「お生憎様。俺は他人(ひと)の力を借りて戦うのが得意でね。」

 

 ジャグラー「フッ。」

 

 相変わらずお互い皮肉り合う二人。

 

 

 ガイ「お前さんこそ、ワケありとはいえ自ら俺と共に戦いに来るとは珍しいじゃないか。」

 

 ガイにそう言われたジャグラーは、またしても海羽の事を浮かべてしまう。

 

 ジャグラー「たっ…たまたま気にくわない相手だっただけだ。 それより忘れるなよ、いずれテメーを倒すのはこの俺だ。」

 

 ガイ「まだそんな事を…ま、好きにするがいいさ。」

 

 そう言うとガイはテンガロンハットをかぶりながら立ち上がる。

 

 ガイ「あばよ。」

 

 そう言いながらジャグラーの肩に手を置いた後、どこかへと歩き去って行った。

 

 

 去って行くガイを見つめながら、ジャグラーは呟いた。

 

 ジャグラー「ガイ…テメーがいる限り、俺もこの世界にいるぜ…少なくともお嬢さんと夜明けのコーヒーを飲むまではなぁ。」

 

 

 

 一方違う場所にて、

 

 海羽「ヘックチ!」

 

 アスナ「大丈夫?海羽ちゃん。」

 

 海羽「ェ…エヘヘ、誰か私の噂してるのかなぁ? それより、もう帰っちゃうなんて寂しいよ~。」

 

 

 どうやら大地とアスナは一旦自分達の世界に帰る事にしたみたいであり、大地はその後、隊長や副隊長、仲間達に事情を説明した後、必要な物を揃えてこの世界に戻る事にしたみたいである。

 

 

 大地「大丈夫。俺はすぐ戻って来るよ。 この子をラボに届けたらね。」

 

 そう言いながら大地は、海羽にバルのスパークドールズを見せる。

 

 海羽「バルちゃんを助けてくれたし、レッドマン達をやっつけてくれたし、ホントに感謝してもしきれないよ…。」

 

 海羽は思わず嬉し涙を流し、慌ててそれを手で拭く。

 

 大地「あぁっ…大丈夫?」

 

 海羽「エヘヘ…ごめんちゃい。 バルちゃんをよろしくね。」

 

 大地「あぁ。必ず、良い環境に住ませてやるからな。」

 

 

 アスナはバルのスパークドールズを見つめてこう言った。

 

 アスナ「ルイルイ、この子気に入りそうだね。」

 

 大地「そうだね。」

 

 

 海羽「あーちゃんとも、もっと話したかったな~。」

 

 アスナ「きっとまた会えるよ。だって、私達はもうユナイトしてるんだから。」

 

 エックス「それ私のぉ~…。」

 

 海羽「そうだね! 今度また会ったら女子トークしましょ! あ、その時は真美ちゃんも一緒に!」

 

 

 海羽は今度はエックスに話しかける。

 

 海羽「エッ君も、また戻って来るんだよね!」

 

 エックス「あぁ。私は大地と二人で一人だからな。 それに、私ももっと君と話したい。」

 

 海羽「やったー!」

 

 

 その時、エックスはまたしても余計な一言を!

 

 エックス「それに君は魅力的だ。アスナと違って“ザ・女の子”って感じだしな。」

 

 アスナ「エックス、それどういう事よ!」

 

 エックス「すまんアスナ、ひっくり返すのだけはやめてくれ!」

 

 一同は笑い合った。

 

 

 やがて別れの時が来た。

 

 大地「それじゃ、またね。」

 

 エックス「しばしのお別れ。」

 

 アスナ「元気でね。」

 

 海羽「うん!」

 

 

 大地「エックス!」

 

 大地はエクスデバイザーの上部ボタンを押し、そこから溢れる光と共にエックスとユナイトし巨大化する。

 

 そして『ウルトラマンゼロアーマー』(所謂ウルティメイトイージス)を装着し、アスナを手に乗せて飛び立つ。

 

 海羽「バイバーイ!」

 

 海羽は元気よく手を振りながら、ワームホールへと入って行くエックスを見送った。

 

 

 やがてエックスが入ったと同時にワームホールが消失した後、海羽は輝かんばかりの笑顔で元気よくステップ踏みながら歩き始める。

 

 海羽「私も、仲間達と一緒に頑張るよ…大君達みたいに。 ね、モットちゃん。」

 

 「モットー!」

 

 海羽の胸のポケットに入っている『食いしん坊怪獣モットクレロン 』は元気よく返事をする。レッドマンとハヌマーンが滅んだためか、いつもより元気で活き活きとしているようであった。

 

 

 その時、海羽の元にウルトラサインが届く。『ウルトラマンコスモス』からだ。

 

 どうやらモチロンとキララも無事に回復して元気を取り戻したため、月に帰したみたいである。

 

 海羽「良かった…モッちゃんもキラちゃんも元気になって…いつか遊びに行こっと!」

 

 そう言うと、海羽は再び鼻歌を歌いながら軽やかなステップで歩き始めた。

 

 

 一方、ジャグラーはそんな海羽を、少し離れた場所から見つめていた。

 

 ジャグラー「お嬢さん…また会いましょう。」

 

 不敵な笑みでそう言った後、何処かへと歩き去って行った。

 

 

 

 因みに、先ほどジャグラーと別れたガイは、今度は真美に会っていた。

 

 真美「ありがとう。 私、信じてたわ。」

 

 ガイ「今回もまた、ウルトラマンとして当然の事をしたまでさ。」

 

 真美「私、応援したり、信じたりする事しか出来なくて…。あまり力になれなくて、ごめんね。」

 

 ガイ「フッ…何を言う。君は俺達を信じ続けた、それだけでも、俺達の力になったんだ。悪に勝てたのはそのお陰でもある。俺からもお礼を言うぜ。」

 

 真美「ガイさん…。」

 

 

 ガイはテンガロンハットをかぶる。

 

 ガイ「それじゃ、俺はこの辺で。」

 

 真美「またどこか行っちゃうの?」

 

 ガイ「どうせ地球は丸いんだ。またどこかで会える。」

 

 真美「そうだね。もしまた会えたら、その時は何か美味しい物を作るわ。」

 

 ガイ「美味しい物?…フッ、楽しみにしてるぜ。 あばよ。」

 

 そう言うとガイは、ピグモンを連れて何処かへと歩き去って行った…。

 

 

 真美は歩き去って行くガイに手を振りつつ、満面の笑みで呟いた。

 

 真美「いつか…またどこかで…。」

 

 

 

 一方、ヒカルとショウは櫂に勝利を報告し、そしてある食べ物を進めていた。

 

 櫂「うん、このブイチョコってやつ、なかなか美味いな。」

 

 櫂が進められて食べている食べ物とは『ブイチョコウェハース』である。どうやらこの世界でも商品として売られているみたいだ。

 

 ショウ「だろ? 一度食うとやみつきになるぜ。」

 

 櫂「後で真美と海羽の分も買ってやるか。ありがとよ、美味いもん進めてくれて。」

 

 ヒカル「なに、俺達を信じてくれたほんのお礼だ。 櫂さん達が信じてくれたから、俺達は勝てたんだからな。」

 

 櫂「そ、そうか。それは良かったな。」

 

 

 だが、櫂は心の中で…。

 

 櫂(アイツらがやられてしまったか…惜しい奴らを亡くしてしまったが、まあいい。怪獣どもはゼロの力でも十分やっつけられる。 そして今後どうするかは、またじっくり考えればいいさ…!)

 

 

 ヒカル「それじゃ、またな櫂さん!」

 

 ショウ「また共に戦おう!」

 

 櫂「…おぅ、またな!」

 

 

 ヒカル達と別れた櫂は、道を歩き始めた。ゼロはそんな櫂を見つめながら、心で呟く。

 

 ゼロ(今回の件や、昨夜の夢の効果で、少しは考えが変わってるといいがな…ま、少なくとも真美達を守る為にも戦っているのは確かだ。 そうである限り、どんな奴でも許さないんだろうな…。)

 

 

 

 その夜、櫂・真美・海羽の三人は、海羽の退院祝いとして、回転寿司に食べに来ていた。

 

 因みにお会計は、櫂と真美で割り勘する予定である。

 

 海羽「う~ん!美味しい! 寿司食べるのいつぶりだろう? それに退院後だから格別ね~!」

 

 真美「そうだね、次は何食べよっかな~?」

 

 櫂「真美…もう20皿食ってるのか…相変わらずすげーな。」

 

 真美「えへへ。 今回は海羽ちゃんの退院祝いだから、いっぱい食べましょ。」

 

 櫂「そうだな。 俺は次は…しめさばにしよっかな…。」

 

 因みに現在の皿の数は、櫂12枚、真美20枚、海羽9枚である。

 

 

 食べながら笑顔で話し合う二人を見つめながら、櫂はまたしても不敵な笑みで心で呟いた。

 

 櫂(この笑顔を…これからも守って行くんだ…。そのためには例えどんな奴でも許さない…。怪獣はもちろん、例えウルトラマンであろうがなぁ!)

 

 

 怪獣への敵意はそのままで、今後も真美達を守る為に戦う事を改めて強く誓った櫂…。

 

 

櫂(そういえば確か、26日は真美の誕生日だったなぁ…。)

 

 

 果たして、今後櫂の本性が誰かにバレてしまうのであろうか? そして、櫂が心を入れ替える時は来るのか? …今後も見守って行こうではないか…。

 

 

 (ED兼BGM終了)

 

 

 〈エピローグ〉

 

 

 レッドマン達とニュージェネレーションヒーローズが激闘を繰り広げた月の近くの宇宙空間を彷徨う者がいた。

 

 

 ハヌマーン「まだ…これで終わらんぞ…!」

 

 

 なんと、ハヌマーンの生首が宇宙空間を彷徨っているのである!

 

 

 実はハヌマーンは、トリニティウム光輪で身体を両断されたものの、間一髪頭部だけは両断を逃れたため、結果生首だけが微かな生命を持って残ったのである。

 

 なんたる生命力であろうか…。

 

 

 ハヌマーン「すぐさま…桜井敏樹の元に戻って…元の体を…。」

 

 

 その時、

 

 

 アスカ「そうはさせない!」

 

 

 ハヌマーン「…!誰だ!?」

 

 

 突如何処からか声が響き、ハヌマーンはふと振り向く。

 

 

 …その視線の先には、ある一人の巨人が浮遊していた。

 

 

 赤・青・銀で彩られたボディに、カラータイマーの両脇に付いたプロテクター『ダイナテクター』、頭部に付いた結晶『ダイナクリスタル』が特徴の光の巨人。

 

 

 現れたのは『ウルトラマンダイナ(フラッシュタイプ)』である!

 

 

 アスカ「ハヌマーン…お前の悪事もここまでだ!」

 

 そう言いながらファイティングポーズを取るダイナ。

 

 ハヌマーン「何者か知らんが、邪魔はさせんぞ!」

 

 ハヌマーンはふと大口を叩くものの、所詮は頭部のみの弱体化。攻撃できるハズも無ければ、その場からすぐさま逃げ切る事も不可能であった。

 

 

 ハヌマーン「しまった!早く桜井敏樹の元へ…!」

 

 自身の立場に気付いたハヌマーンは、そう言って急いでテライズグレートに向かおうとするが、ダイナは「逃がすか!」とばかりに頭部を掴み、野球のピッチングのように投げつける!(所謂『ウルトラフォーク』)

 

 アスカ「おりゃーっ!」

 

 “ズガンッ”

 

 ハヌマーン「ぐおわっ!」

 

 

 宇宙岩石にめり込んだハヌマーンの頭部。ダイナはすかさずそこに、両腕を十字に組んで青色の必殺光線『ソルジェント光線』を放つ!

 

 

 ハヌマーン「ぐぉわーっ!!」

 

 “ズドガーン”

 

 

 光線の直撃を受けたハヌマーン(頭部)は、オレンジ色の光輪を発生させ、岩石ごと大爆発して砕け散った!

 

 

 アスカ「見たか!俺の超ファインプレー!」

 

 

 『アスカ・シン』(ダイナ)はそう言うと、振り向いて地球を見つめる。

 

 アスカ「あれが、ゼロが来ている別世界の地球か…。 待ってろよゼロ、今行くぜ! ジュワッ!」

 

 

 ダイナは飛び始め、地球に入って行った…。

 

 

 はて、ダイナは何故突如この世界にやって来たのであろうか?

 

 台詞から見るに、もしかするとゼロのウルトラサインは彼に届いたのかもしれない…。

 

 

 レッドマンとハヌマーンが滅びた今、今後敵側もどう攻めて来るのか…気になる所で次回に続く。

 

 

 To Be Continued………。




読んでいただきありがとうございます!


今回は私自身も書くのを楽しみにしていたレッドマンとハヌマーンとの決着編という事で、気合いを入れて制作しました。

恐らく今回のバトルシーンは今までで一番力を入れて書いた気がしますが、決着編という事もあり、また“徹底的に真の正義をぶつける”という裏テーマの下、怪獣、そして海羽ちゃんに仇成す3人には派手に散ってもらいました。


レッドマンとハヌマーンが滅んだ今、今後櫂達のバトルはどうなって行くのか、敵側はどう攻めて来るのか等を楽しみにしていただけると幸いです。

また、最後にちょっとだけ登場したウルトラマンダイナも今後本格参戦しますので、そこも楽しみにしていてください。


感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています!


また、今回隠れたサブタイトルは『勇気を胸に』(ウルトラマンマックス第30話)でした。


あと余談ですが、私最近、ウルトラマンR/B(ルーブ)が毎週の楽しみになっています!

素人ながらも自分達なりに力を合わせて戦うウルトラマンロッソ&ウルトラマンブルの兄弟がとてもカッコよく、オーブダーク・ノワールブラックシュバルツも結構魅力的なキャラクターだなと思いました!

次のエレメント・グランドの登場も楽しみです!

ロッソ・ブルもいつか機会があれば本作に登場させたいと思います。

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