ウルトラマンゼロ物語(ストーリー) in RED ZONE STAGE 作:剣音レツ
今回はゼロと、彼の仲間である“ある戦士達”が大活躍します!
とりあえず楽しんでもらえたら幸いです。
では、どうぞ!
※因みに今回は、試しに久々に「」の前に名前を付けずに小説を書いてみましたが、分かり辛い等と何か意見があれば遠慮なく言ってください。
番外編「俺たちの光」
(プロローグ)
地球から遠く離れた宇宙にて、一つの光り輝く惑星があった。
エメラルドのように緑に光り輝くその惑星の美しさは、その外見だけでも平和な星であると確信できる程であった。
…しかし、そんな平和な惑星に、突如、“凶獣”が降り立った…!
凶獣は、緑溢れる惑星に降り立つや、口や口状の両手からの青色破壊光線や肩の角からの赤色の電撃で破壊の限りを尽くす。
凶獣の蹂躙により、緑で溢れていた周囲は次々と赤く燃え上がって行き、逃げ惑うその惑星の住民も次々と死んで行き、正に徐々に地獄へと変わって行く…!
凶獣に破壊されて燃えて行く惑星は、緑から赤く染まりながらヒビ割れて行き、やがて大爆発して砕け散ってしまった…!
凶獣は、滅ぼした惑星の爆発の中から姿を現し、何処かへと飛び去って行く…。
美しい平和な惑星を瞬く間に滅ぼした凶獣は、果たして何処へ向かっているのだろうか…?
(OP:GO AHEAD~すすめ!ウルトラマンゼロ~)
時は、本作の(腹黒)主人公・竜野櫂が、ウルトラマンゼロと出会う一年前の夏のある日…。
陽が沈んでも暑さが止まない夜を迎えたとある街にて、一人の可憐な女性が、苦しそうに腹を抱えながら、覚束ない足取りで街を歩いている…。
…私は今…何処へ向かっているの…?
…私は…何処に行けばいいの…?
…突然現れた悪魔…によって…故郷を滅ぼされ…て…必死に逃げていく内に気を失い…気が付いたらこの星に…来ていた…この星は…何処か…故郷に似て…いるけど…結局私の…居場所なん…て…見当たら…ない…。
…私は…このまま死ぬ…のかな?…死ん…で、お父…さんや…お母さんや、友…達の所に行く方が…楽…なのかもしれ…な…い…。
女性は、遠のって行く意識の中、何かを求めるかのように心で必死に呟きながらも歩みを進めて行くが、やがて力尽きてその場で倒れ込んでしまう…。
お願…い…誰か…助け…て…。
女性はやがて瞼をゆっくりと閉じて、意識を失ってしまった…。
彼女は何者なのだろうか…?
ただ一つ思われるのは、発言から見るに、もしかしたら彼女は凶獣によって滅ぼされた惑星の異星人の生き残りなのかもしれない…。
そして翌日。
ハロー!みんな! 私は眞鍋海羽。
今日もいい天気でお出かけ日和! と言うワケで、今日は(新田)真美ちゃんと二人で男子禁制(笑)女子だけのお出かけしているの!
…本当は(竜野)櫂君も誘いたかったけど、櫂君は別の用事があるみたいだから…残念だな~。
ま、櫂君はまた今度誘えばいっか(笑) とにかく今日は私と真美ちゃん、2人っきりの女子会ね♪
因みに今日のスケジュールは、午前はカフェでお茶をして、午後は遊園地で遊んで〜、そして夕方以降は晩御飯として焼肉屋さんに行く予定なの!
あ〜!もう楽しみ過ぎて仕方がないわ!(笑) そう心がはしゃぎながらも、私は真美ちゃんと一緒にたわいも無い話を楽しみながら最初の目的地・カフェに向かう。
「う~ん!今日もいい天気でお出かけ日和! 楽しみだね、真美ちゃん。」
「えぇ。久しぶりだわ。こうして女子だけで出かけるの。」
「へ? って事は普段は男子も一緒?」
「うん。男女混合と言う感じね。櫂君だけじゃなくて、いろんな男子とも親睦を深めるために一緒に御飯に入ったりしてるの。」
「真美ちゃんって、とっても顔が広いんだね。 まぁ当然か。(指折りしながら)真美ちゃんは綺麗だし、優しいし、と~っても良い匂いがするんだもん!」
「(照れ臭そうに)そんな…それほどでもないよ~。」
早速女子トークで盛り上がっている私達。これは楽しい一日になりそうだわ!
「まずはカフェね。海羽ちゃんはコーヒー派?紅茶派?」
「紅茶! コーヒーはまだ飲み慣れてなくてね。 真美ちゃんは?」
「私も紅茶かな~…一応コーヒーも飲めるんだけどね。 ケーキ何個食べよっかな~?」
「へ? …もしかして真美ちゃんって、結構食べる人?」
「えへへ…よく驚かれるんだけどね。 実は私、いっぱい食べないと力が出ないの。」
「よく食べて、よく運動する…それも美貌や良スタイルの秘訣なんだろうな~。 私も見習わなきゃ。」
「海羽ちゃんも、毎日元気一杯でニコニコしてる。羨ましい程の愛されキャラだわ。」
いや、此方からすれば、陽気な海羽ちゃんとおっとりした真美ちゃん。どちらも愛されキャラな気がするが(笑)
私、眞鍋海羽は、尚も真美ちゃんと会話を楽しみながら道を歩いていた。その時。
「…ん?あれは何?」
私は何かに気づき指を差し、真美ちゃんもその方を振り向く。
「誰だろう?あの人…。」
「あんな所に倒れていて…ちょっと行ってみよ、真美ちゃん。」
そこには、ポニーテールの髪形が特徴の、どこか儚げな雰囲気がある若い女性が一人、道端に倒れ込んでいたの。
気になって歩み寄ってみると、体に所々汚れが付いている事から、私達はタダ事じゃないと感じたわ。
「大丈夫。死んではいないみたい。」
手首に触れて脈を診た真美ちゃんは、その人がまだ生きている事を確認する。
「それにしてもどこの人だろう?…ここ霞ヶ崎では始めて見る顔だし…。」
「とりあえず、どこか安全な場所で手当てしましょ。」
「大丈夫かなぁ?…見ず知らずの人だし…危ない人だったらどうしよ~。」
「大丈夫。傷を負って倒れているなんて、きっと何かあったんだよ。それに、落ち着いて話せばきっと分かり合えるよ。」
「…そうだね。まずは話す事が大事だよね。じゃあ、運びましょ。」(真美ちゃん…やっぱり優しいし、落ち着いているな…。)
この人を助ける事にした私と真美ちゃん。とりあえず真美ちゃんは上半身を抱え、私は両足を持って、二人でその人を安全な場所まで運び始める。
…と言っても、両足を持っているだけだから私はあまり負担が無いんだけどね…。真美ちゃん…力もあるんだな…羨まし~。
同じ頃、この世界の宇宙空間にて。凶獣が地球目掛けて一直線で飛んでいた。
真っ赤な目を光らせ、良い獲物を見つけたとばかりに不気味に咆哮を上げながら徐々に地球へと近づいて行く凶獣。
このまま地球も、凶獣の手によって滅ぼされるのであろうか?
「ちょっと待った!!」
その時、何処からか声が響くと共に、凶獣は突如飛行を止めてその場で浮遊し始める。
何かに行く手を阻まれたみたいである。
(BGM:ウルトラマンゼロのテーマ)
咆哮を上げながら赤い目で睨み付ける先には、赤と青と銀で構成されたボディに、胸部から腕にかけてのプロテクター、鋭い目つき、そして、頭部にトサカのように二つ付いた宇宙ブーメラン『ゼロスラッガー』が特徴のウルトラ戦士が腕組みをして立ち尽くすように浮遊している。
今ここに『ウルトラマンゼロ』の登場だ!
「…フッ!」
凶獣の前に現れたゼロは、親指で口元を擦る仕草を見せた後、啖呵を切る。
「こっから先には、行かせねぇぜ!」
邪魔をされて怒った凶獣はゼロ目掛けて口から破壊光線を放つが、ゼロは即座にウルティメイトブレスレットから取り出した槍・ウルトラゼロランスを盾・ウルトラゼロディフェンダーに変形させてそれを防ぐ!
盾に直撃した光線はそこを中心に拡散していき、ゼロの背後で大爆発する。
「これ以上の破壊は許さねぇ! 行くぞ、凶獣ルガノーガー!!」
ウルトラゼロディフェンダーを収めたゼロは、ファイティングポーズを取った後、ルガノーガー目掛けて雄たけびを上げながら飛びかかる!
ゼロが立ち向かう怪獣、それは『凶獣ルガノーガー』であった!
奴は美しい惑星を次々に滅ぼす悪魔の様な怪獣であり、わずか一日で星一つ壊滅させるなど朝飯前である。
先ほど緑の惑星を破壊したのも奴であり、恐らくゼロの台詞から見るに、ゼロは様々な宇宙を跨ぎながら、星を襲うルガノーガーを追跡していたと思われる。
そして次はこの世界の地球を破壊しようとした今、ようやく見つけて追いついたゼロはこの場でやっつけようと立ち向かっているのである!
赤色の電撃を放つ肩の角、牙の生えた口状の両手、腹部の反射板のような装甲、エネルギー吸収能力を持つ尻尾と、正に全身凶器の体であり、また先程も言ったように星を容易く破壊する程の強さを持つ怪獣ルガノーガー相手に、果たしてゼロはどう戦うのであろうか…!?
…私は今、周囲が爆発し、炎が燃え盛る中、両親と手を繋いで逃げていた。
美しい緑に囲まれた私の星が地獄と化していく中、私はただ、迫り来る炎から逃げるべく必死に走るしかなかった…。
やがて、私達の近くで大爆発が起こり、そのはずみで両親と離れてしまい、私と両親の間は炎で隔たれてしまう。
「お父さん! お母さん!」
私は必死に呼びかけるが、高温と転倒のダメージにより、両親は既に力が尽きかけていた。そんな中、両親は私に最後の言葉を投げかける。
「逃げるんだ…!」
「あなただけでも…生きるのよ…!」
躊躇う私。その間にも炎がすぐそこまで迫っていた…。
いよいよ身の危険を感じた私は、ギリギリまで両親を見つめた後、涙を散らしながら振り向いて走り始めた…。
必死に走る中、両親の最後の言葉が何度も頭の中で繰り返されていき、やがて気が遠くなるように視界が暗くなり始め、私の意識も薄れて行く…。
「お父さん…お母さん…。」
やがて意識が戻った私は、譫言のようにそう呟きながらそっと目を開ける。
気が付くと私は寝かされており、視線の先には優しい眼差しで私を心配そうに見つめる顔が…。
そうか…私は夢を見ていたのか…。それにしても、ここは何処だろう…? この人たちは…誰? それに、私が枕にしている膝から伝わるこの温かさは一体…?
ここで、語りをチェンジしよう。
私、新田真美と海羽ちゃんは、道端で倒れている女性を発見し、その人を二人で公園まで運び、傷の手当てをした後、私の膝枕で寝かしていたの。
そして遂に、その人はゆっくりと目を覚ましたわ。何やら片目から一筋の涙を流しながら…。
「あ、目を覚ました!」
海羽ちゃんもそれに気づく中、その人は譫言のように呟く。
「…ここは…何処…?」
とりあえず私は、その人の安否を確認する。
「大丈夫ですか?」
「…あなた達は…?」
「道端で倒れていたから、私と真美ちゃんで安全な場所まで運んで手当てをしたんだよ。」
海羽ちゃんが明るく説明した後、その人はゆっくりと起き上る。
「そ…二人ともありがとう…。」
その人は素っ気なく私達にお礼を言った後、トボトボと何処かへと歩き始める…。
「何処へ行くのー?」
「何処でも一緒でしょ…。」
海羽ちゃんの問いかけにもそっけない返事…それに暗い表情…何かあったに違いないわ。
「真美ちゃん、あの人なんかブルーだね。」
「うん…なんか悲しい顔してる…。」
「なんか、放っておけないかも…。行ってみる?」
「そうね。」
私、眞鍋海羽と真美ちゃんは、元気が無さそうなその女性の元へ歩み寄る。
「元気無さそうだけど、大丈夫?」
まず真美ちゃんがそう優しく問いかけてみる。でも、その子は俯いたまま何も答えない…多分、私達が見ず知らずの人達だから戸惑いもあるんじゃないかな…。
「今日はいい天気! だから暗い顔しないで、笑顔になろ? さあさあ!」
私は気を紛らわそうと明るく笑顔を促してみるけど…彼女は尚も俯いている…よっぽど心を閉ざしているわこれ…。
そんな彼女を真美ちゃんは尚も心配そうな優しい表情で、上目遣いで見つめる。
周囲を自然と笑顔にする力を持つ明るさを持つ海羽。だが、今回は彼女の明るさを以てしても一人の女性の心を晴らす事が出来ない…。
無理も無いかもしれない…。何しろ彼女は故郷を滅ぼされ、両親も友達も全て殺されたのだから…。
私、眞鍋海羽は、真美ちゃんと一緒に彼女を元気付けようとするけれど、彼女は一向に俯いた顔を上げてくれない…。
「…もしかして、よっぽど辛い事があったのかな…?」
「関係ないでしょ…どうせ私なんて…どうなったって…。」
私の気を取り直した問いかけも素っ気なく返した後、彼女は再度トボトボと歩き去ろうとする。
「関係なくないよ! だってこの星(地球)、この空の下で出会ったんだもん。 だからもう仲間じゃない。」
「うん。それに、あなたは悪い人じゃないわ。その純粋な瞳を見れば分かるもん。」
再度私は明るく、真美ちゃんは優しく彼女に語り掛ける。
…凶獣に故郷を滅ぼされ、家族も友達もみんな殺され、それでも必死に逃げてこの星(地球)に辿り着いたものの行く当ての無い私は今、絶望で頭が支配されそうになっていた…。でもそんな中、こんな私に懸命に話しかけてくれる二人がいた…。
一人は明るく、一人は温かく、私に話しかけてくれる…。
多分この星の人物で、初めて出会う人なんだけど…それにも関わらず私を心配してくれる二人…そんな二人に私は徐々に警戒心が薄れて行く…。
「何かあったの?良かったら話してみて。 何か私達に出来る事があるかもしれないじゃない?」
温かい一人(真美)が、私にそう語り掛けた…。その確かな優しさと包容力を感じた私は、完全に二人への警戒心が無くなり、ゆっくりと顔を上げた…。
どうしようか迷った…この人達なら話しても良いかもしれない…でも、やっぱり話しづらい…て言うか、思い出すとまた悲しみが込み上がって来る…。
思い出してまた心が痛くなった私は、思わず涙目になってしまった…その時。
「…ぇ?」
温かい一人は、私をそっと抱きしめた。突然の事に私は思わずちょっと驚く。
「無理に話さなくてもいいよ…。ごめんね、思い出させちゃって…。」
そう優しく私に語り掛ける彼女…。彼女の温かさを肌でも感じた私は、遂に感極まって目に溜めていた涙が頬を伝い始める。
「辛かったよね。でも、話そうとしてくれてありがとう。 いつでも聞くから、話したくなった時でいいよ。」
「うぅ…ぐすん…ぁ…ありが…とぅ…。」
涙声ながらも、私は自分に優しくしてくれた二人に絞り出すような声でお礼を言った。
それと同時に、私に新しい友達が出来た事を確信した…。
明るい一人(海羽)は、泣いている私の顔に小さな布切れ(ハンカチ)を当てて涙を拭いてくれる。よく見たら彼女も涙を流していた。
「うぅ…ェ…エへ…ごめんね。私、泣き虫なモノだから…。」
泣きながらも明るさを忘れずに語り掛ける彼女を見ていると、何故だか不思議と笑顔になり始める。
「二人ともありがとう。こんなにも人に優しくされたのって、いつ振りかしら。」
「エヘヘ、あ、そう言えば自己紹介まだだったね。私は眞鍋海羽。(ダブルピースで)よろしくね~!」
「(満面の笑みで)私は新田真美。よろしく。」
へぇ~、明るい方は海羽ちゃんで、温かい方は真美ちゃんね。
「…リリカ…私は、リリカって言います。」
私、リリカも、照れ臭く感じながらも自己紹介をした。
「へぇ~、リリカちゃんって言うんだ。」
「可愛くて良い名前だね。」
二人とも、早速私の名前を気に入ってくれた。嬉しい。 名前を褒められたのもいつ振りだろう…?
「ねぇリリカちゃん。良かったらこれから私達と一緒に出掛けない?」
「…え?」
「私達は、これからお出かけをする所なの。遊んだり、食事をしたり…リリカちゃんもどう?」
「もう私達は友達! だから一緒に楽しもうよ。ね!」
輝くような笑顔で明るく誘ってくれる二人。そして、私を友達と言ってくれた…。私は更に嬉しくなった。
「うん!」
私は、新しい友達二人と出かける事にした。
「よーし、じゃあまずはカフェへレッツゴー!」
そう言いながら海羽ちゃんは私の手を握り元気よく駆け始め、私もそれにつられて走り始め、真美ちゃんもそれに続く。
しかし何故だろう…小柄だけど誰よりも明るい海羽ちゃんを見てると自然と元気になり、そっと包み込むような優しさを持つ真美ちゃんを見てると自然と気持ちが落ち着いて来る…。
ここ、地球と言う星の人間が、こんなにも素晴らしいなんてね…。
海羽と真美の優しさに触れて僅かながら元気を取り戻し、更に二人と友達になった孤独な異星人・リリカ。
彼女なら、他にも多くの地球人と仲良くなれるかもしれない。
だが、そんな彼女を狙うかのようにこの世界の地球を狙うルガノーガー。ゼロはそいつと激闘を繰り広げている。
ルガノーガーは肩の角から赤い電撃を放ち、ゼロはそれを飛び回りながら、先が読めているかのようにかわしていく。
一瞬の隙を突いてルガノーガーは口状の両手から破壊光線を放ち、その直撃を受けたゼロは大爆発する…。
…かに見えたが、間一髪両手持ちのゼロスラッガーで防いでいたゼロは、爆発の中から飛び出すと同時に飛行の勢いも加えた『ウルトラゼロキック』を放つ!
炎のキックはルガノーガーの胸部に直撃し、ルガノーガーは少し吹っ飛ぶが、蹴りが当たった部分が反射板のような装甲であったために、致命傷どころか大したダメージを受けていないようであった。
「フッ、面白い。久しぶりの手ごたえのある相手になりそうだぜっ!」
幾度の激闘をくぐり抜けて来た事により培われた恐れを知らない強い心を持つゼロは、慌てる事無くそう言うと、再度ルガノーガーに立ち向かう。
その頃、宇宙でそんな激闘が行われている事を知るはずも無い地球にて。
私、眞鍋海羽と真美ちゃん、そしてリリカちゃんは、カフェでの一時を終えた。
「ん~!やっぱ紅茶を飲みながらのケーキは最高だね!」
「そうね。 あ、海羽ちゃん、(右の口元に指を当てながら)クリーム付いてるよ。」
「ほえ?」
真美ちゃんにそう言われ、私は右の口元を舐めてみる。ホントだ。クリームが付いてたわ。
「気付かなかった…(右手を後頭部に当てて少し舌を出しながら)エへ。」
その時、リリカちゃんが思わぬ事を言い出したの。
「…あのふわふわして甘い食べ物…なかなか美味しいわね。」
「…へ?…もしかしてリリカちゃん、ケーキ食べたの初めて!?」
「へぇ~、あれケーキって言うんだ。」
驚いたわ…リリカちゃん、見た感じ結構生きてそうなのに、まさかケーキを食べた事が無いどころかそれ自体知らなかったなんて…。
(最も、リリカはそもそも地球人ではなかった。それ故なのだが…。)
「うふ、リリカちゃん、ちょっと不思議ちゃんかな?」
真美ちゃんが口に手を当てて微笑みながらそう言った。
「…そう、なのかな?」
なにやら天然っぽい発言をするリリカちゃん。次第に私達は可笑しくなって来て笑い合った。
「じゃあ、次は遊園地ね。行きましょ。」
「うん!少しでも多くアトラクションに乗れるように…早く行こう行こー!」
私は楽しみでテンションが上がり、走り出そうとしたその時。
「きゃっ!」
…間抜けな事に、うっかり転んでしまったわ。
「海羽ちゃん大丈夫?」
急いで真美ちゃんとリリカちゃんが歩み寄って起き上らせてくれる。
「え~ん!怪我しちゃったよ~!」
右膝に痛みを感じる私は怪我をしたと確信し、泣き出しそうになる…。
…でも、実際見てみたら、なんと痛みを感じていた右膝は無傷で、気が付いたら痛みも引いていたわ。
「…あれ?何ともないみたい。」
「良かった…(笑いながら)んもう海羽ちゃんはしゃぎ過ぎよ。」
「えへへ、ごめんちゃい。」
私達は再び笑い合った。そしてそのまま遊園地に向かい始める。
友達二人との遊園地。思いっきり楽しむぞ~!
…先ほどの海羽の無傷は偶然ではなく、実はリリカの能力によるモノであった。
海羽の確信通り右膝を擦り剝いていたが、リリカは彼女を起き上らせている間に、気づかれないように患部に手を当て、治療能力で傷を治したのである。
やはり異星人だけあって、地球人には無い能力を持つリリカ。その能力を、自分を笑顔にしてくれた新しい友達へのちょっとした恩返しとして使ったのであろう。
(海羽ちゃん達は、私に笑顔を取り戻させてくれた…。だから、今度は私も、彼女たちの笑顔を守りたい。)
海羽達と笑い合いながら、リリカは心でそう呟いた。
宇宙空間にて。ゼロとルガノーガーの死闘は激しさを増していた。
ゼロはルガノーガーの口からの破壊光線を回避しつつも突撃し、装甲の無い喉元にパンチを決める!
少し怯みながらもルガノーガーは右腕を振るって殴り掛かるがゼロはそれを左腕で受け止め、そのまま右拳で胸部、頭部とパンチを撃ち込んだ後、右フックを繰り出すが、ルガノーガーの口状の左腕に噛み付かれてしまう。
ゼロは怯まずルガノーガーの左腕に右脚蹴りを打ち込む事で噛み付きを放させ、続けて左足蹴りを胸部に打ち込んで吹っ飛ばすと同時にその反動を利用して宙返りをしながら距離を取る。
ゼロは距離を取った後、腕をL字に組んで必殺光線『ワイドゼロショット』を放つが、またしても胸部の装甲で防がれてしまう。
次にゼロは、後ろの小隕石を蹴って勢いを付け、再度ウルトラゼロキックを放つ!
だがルガノーガーはそれに対し、まずは口からの破壊光線で勢いを相殺し、その隙に肩の角からの電撃を上半身に浴びせて撃ち落とす!
ルガノーガーの知性をも感じさせる攻撃を受けたゼロは、近くの小惑星の上に落下する。
「くっ…なかなかやる奴だ。しかし、地球に侵入させてたまるか!」
ゼロは口元を擦りながら立ち上がると、再びルガノーガー目掛けて飛び立つと同時に、エレキギターのサウンドと共に体を燃え上がらせて『ストロングコロナゼロ』へとタイプチェンジする!
「俺に挑んだ事を後悔させてやるぜー!!」
死闘はまだまだ続きそうである…!
再度地球に戻ろう。
私、眞鍋海羽と真美ちゃんは、新しい友達・リリカちゃんと一緒に遊園地を楽しんでいた。
どうやらリリカちゃんは遊園地も初めてだったようで驚いたけど、いざ一つアトラクションに乗ってみた瞬間ドハマりしたようで、終いには私よりもはしゃぎ始める始末(苦笑)
ジェットコースターにコーヒーカップ、観覧車、空中ブランコ等…結構色々乗ったハズだけど、それでもリリカちゃんはまだはしゃいでいるわ。
因みにお化け屋敷にも入ったんだけど、恥ずかしながらビビったのは私ぐらいで、肝が大きい真美ちゃんは平気どころか楽しんでいて、リリカちゃんに関しては平気どころかどんどん前へ進んで行く感じだったわ。
リリカちゃん…お化け平気なタイプなのね…羨ましいな~。
(最も、彼女がお化け平気なのは、皮肉にも凶獣により故郷を滅ぼされるという所謂“お化け以上の恐怖”を味わったためなのだが…。)
「ねぇ!私、またあれに乗りたい!」
そう言いながらとあるジェットコースターを指差すリリカちゃん。でも私は、少し疲れ気味になっていた。
「ごめん…私、ちょっと休憩するよ。」
「じゃあ、私が付き合うわ。近くにベンチやショップもあるし、海羽ちゃんはゆっくり休んでるといいよ。」
「うん、ごめんね真美ちゃん。」
リリカちゃんは、付き添いの真美ちゃんと一緒にアトラクションへと向かい始める。
ベンチに座り、再度ジェットコースターを楽しむ二人を見上げながら、私はふと笑顔になる。
「まさか、最初はあんなに暗かったリリカちゃんが、あそこまで笑顔になるとは思いもしなかったな~。」
私は空を見上げてそう呟きながら、今日出来た新しい友達を今後も大事にしていこうと改めて心に決めた。
そんな海羽が見上げる空の先の宇宙空間にて。
ストロングコロナのゼロは、ルガノーガーに炎のパンチやキックを連続で浴びせて行き、やがてルガノーガーを頭部から掴む。
「ウルトラハリケーン!」
ゼロは技名を叫ぶと同時に竜巻のように高速回転させながらルガノーガーを放り投げる!
「ガァァルネイト、バスタァァァ!!」
ゼロはウルティメイトブレスレットを叩く様な仕草を見せた後、エネルギーを溜め、右拳を突き出して炎状の強力光線『ガルネイトバスター』を放つ!
だが、ルガノーガーは竜巻の中で回転しながらも、口と両手から同時に破壊光線を放ってガルネイトバスターを相殺し、その隙に電撃を放ってゼロに浴びせる!
電撃攻撃により光線の発射が止まったゼロに、破壊光線が追い打ちをかける!
…しかし、ゼロは大爆発の中で、ハープのような音色と共に体を青く輝かせて『ルナミラクルゼロ』へとタイプチェンジし、ウルトラゼロランスを手に飛び出す!
ゼロは、超スピードの突進『パーティクルナミラクル』でルガノーガーに接近すると同時にランスの一撃を叩き込むが、案の定装甲で防がれて通用しない。
逆に殴り飛ばされるゼロだが、それでも怯まず、自身の周囲に無数の光のゼロスラッガー『ミラクルゼロスラッガー』を出現させる。
「ミラクルゼロスラッガー!」
ゼロは掛け声と共にランスを持った手を突き出し、それにより無数のスラッガーは一斉にルガノーガーに向かって飛ぶ!
ルガノーガーは自身の周囲を跳ぶスラッガーに対し、飛び回りながら破壊光線や電撃で防いだり撃ち返したりしていく。
その隙に通常形態に戻っていたゼロは、本体のゼロスラッガーをカラータイマーの左右に装着し、そこにエネルギーを溜めて行く。
「これで終わりだっ!!」
ゼロは胸部のスラッガーから必殺光線『ゼロツインシュート』を放ち、光線はルガノーガーに命中して大爆発した!
「決まったぜ!」
ゼロはゼロスラッガーを頭部に戻しながら、右手のフィニッシュポーズを突き出して勝利宣言をする。
…しかし、爆発が晴れた先にはルガノーガーの姿どころか、バラバラになった死体すら確認できない…!
「何だと!?」
動揺するゼロ。その間にもルガノーガーはゼロの背後に回っていた!
実は、星の大爆発にも耐えられる強度を誇るルガノーガーはゼロツインシュートの直撃にも耐え抜き、更にその際に生じた爆発に紛れてゼロの後ろに回ったのである!
ゼロが辺りを見渡している隙に、ルガノーガーは尻尾を勢いよく伸ばしてその先端をゼロの背中に突き刺す!
「ぐぉあっ!!? …ヤロー!」
ゼロは突然の痛みに驚きつつも振り向いて反撃しようとするが、どうした事か突然ふらつき始める。
「うっ…何だこれは…力が抜けていく…!」
そしてよく見てみると、ルガノーガーの尻尾から体へエネルギーが走って行くのが確認できる。
ルガノーガーは尻尾でゼロのエネルギーを吸収しているのだ!
エネルギーを吸われて力が抜けていくゼロ。やがてカラータイマーが点滅を始める!
ルガノーガーは弱ったゼロに両手からの破壊光線を浴びせ、当たって爆発すると同時に尻尾を抜いて離す。
ある小惑星の上に落下して転がるゼロ。エネルギーを吸われたためか既に息切れを起こしていた。
同じくルガノーガーも小惑星に着地し、余裕を見せるかのようにゼロ向かってゆっくりと前進する。
「こいつは…ちょっとヤベェかもな…。」
流石のゼロも、不利になった状況に焦りを見せ始めていた。
ルガノーガーは、ゼロへのトドメとして口と両手からの破壊光線、そして肩の角からの電撃を同時に発射しようとエネルギーを溜め始める…!
その時、突如上から一筋のリング状の光線が飛んで来てルガノーガーに直撃し、それによりエネルギーのチャージが止まる。
ゼロがそれに驚く中、彼の前に、光と共に一人の巨人が降り立つ。
「はっ…!」
それを見た瞬間、ゼロは微かに驚いた。
ゼロの前に雄々しく立っているのは、真っ赤なボディに、胸から腕にかけてのプロテクター、ゼロと同じく鋭い目つき、そして、頭部に立つ一本の宇宙ブーメラン『アイスラッガー』が特徴の戦士。
登場したのは、M78星雲・光の国出身で、ウルトラ6兄弟の一員であり、そしてゼロの父親でもある“真紅のファイター”と言われるウルトラ戦士『ウルトラセブン』だ!
先ほど牽制したリング状の光線は、セブンの技の一つ『ウルトラスパイラルビーム』である。
「親父…!」
突然の父親の登場に驚きを見せるゼロ。
「相変わらず無茶をしているようだな、ゼロ。」
セブンはゆっくりとゼロの方を振り向いてそう言った。
「何故、親父がここに…?」
「我々も、あの凶獣を追っていたのだ。 それに、危なっかしい息子を放っておけないからな。」
セブン…何気に親バカ?(笑)
しかし、歴戦の勇者であり、“生涯現役”の戦士だけあって、立ち尽くすだけでもかなりの貫禄を感じる。
(ウルトラセブン戦闘BGM)
ルガノーガーは、現れたセブン目掛けて口からの破壊光線を放つ!
「デュワッ!」
セブンはファイティングポーズを取った後、頭部に手を当ててアイスラッガーを投げつける!
セブンのウルトラ念力により白熱化しながら飛ぶアイスラッガーは、ルガノーガーの光線を両断していき、やがて光線を全て切った後、高く飛んで反転した後、急降下しながら尻尾の先端を切り落とす!
セブンは戻って来たアイスラッガーを頭部に戻す。これでルガノーガーは相手のエネルギーを吸収出来なくなった。
怒ったルガノーガーは肩からの電撃を乱射するが、セブンはそれを軽快なフットワークでかわしながら接近し、右肩の体当たりを撃ち込んで後退させる。
「ダーッ!!」
更に跳躍して、両足のドロップキックの形で『ウルトラキック』を叩き込み、それを胸部に喰らったルガノーガーは少し吹っ飛んで転倒した。
「やっぱ凄ェな…。」
父親の強さに改めて感心するゼロ。
ルガノーガーが倒れている隙にセブンはゼロの元に歩み寄り、腕を貸して立ち上がらせた後、額のビームランプに手を当ててゼロのカラータイマーにエネルギーを照射する。
これはウルトラ戦士にエネルギーを与える『ウルトラチャージ』であり、エネルギーを補給したゼロのカラータイマーは青に戻る。
「サンキュー親父。力が湧いて来たぜ!」
元気を取り戻したゼロは、軽快に足踏みしながら首を回し、ポーズを取る。
ここからは、セブン・ゼロ親子による反撃が始まるのであろうか…!?
その頃、地球にて。
私、眞鍋海羽と真美ちゃんは、新しい友達・リリカちゃんと一緒に、遊園地を遊び尽くした後、今日最後の楽しみ・焼肉屋で夕食を楽しんでいた。
ハラミ、トントロ、タン、カルビ、ホルモン等…どれもジューシーで美味しかったな~! あ、あと合間に食べたクッパやサラダも美味しかった!
食事をしながら楽しくワイワイ話す…これぞ女子会の醍醐味ね!
(最も、食べた量は真美ちゃんが一番多かったのは言うまでもない(笑))
…え?大学生だからお酒も飲んだのかって?
私も真美ちゃんもまだ一年生で20歳いってないから今回は飲んでないよ~!(笑)
十分肉を味わった私達は〆として冷麺を味わっていた。因みにこの後控えているデザートのシャーベットも楽しみ~♪
「今日食べたモノ、どれも美味しかったな~。地球って、こんなにも美味しいモノが一杯あったなんて。」
「…へ?地球?」
「ぁ…ぃ…いやあ、今まで食べたモノの中で一番美味しかったって意味ね!」
またしてもリリカちゃんの天然っぽい言動。私達は笑い合った。
ビックリした~。発言からして一瞬リリカちゃんが他の星の人かと思っちゃったから…。
(実際、他の星から来た者なのだが…。)
やっぱリリカちゃんって、不思議ちゃんで面白いわね。
「…海羽ちゃん…真美ちゃん…今日は本当にありがとね。」
リリカちゃんはかしこまり、改めて私達にお礼を言った。
どうやら私達と出会い、私達と初めて遊んだ今日一日は本当に楽しかったみたい…私達は改めて嬉しい気持ちになった。
真美ちゃんは「どういたしまして」とばかりに満面の笑みで一礼し、私は笑顔でピースをしたわ。
「それにしても、なんかまだ足りないわ…追加注文でクッパもう一杯食べよっかな~。」
真美ちゃんが上品に冷麺をすすりながらそう言った。
「…え?まだ食べるの!?」
「真美ちゃん…やっぱりよく食べるんだね…凄いな…。」
私もリリカちゃんも驚きを隠せなかった。 やっぱり凄いわ…細身をキープしながらよく食べれるって…。
…とまあこんな感じで女子達が楽しく食事を楽しんでいた頃、宇宙空間にて。
セブンが加勢した事により、ルガノーガーとの激闘はいよいよ佳境に入ろうとしていた!
小惑星上で対峙するセブン・ゼロ親子とルガノーガー。ゼロは既にやる気満々だ。
「っしゃあ! ここからは、親子の力で一気にぶっ倒すぞ!」
「…いや、それだけでは無い。」
「…え?」
「お前の仲間達も、連れて来たぞ。」
「…仲間…?」
セブンの気になる発言に首をひねるゼロ。
その時、ゼロの頭のスラッガーが太陽の光を受けて光った瞬間、そこから特殊な効果音と共に光り輝く十字型の鏡のような紋章が現れ、ゼロがそれに驚く中、その中から一人の巨人が飛び出す!
(ミラーナイト登場BGM)
現れたのは、別次元宇宙・アナザースペースの鏡の星出身であり、二次元人の父とエスメラルダ人の母を持つ“鏡の騎士”『ミラーナイト』だ!
「フッ!」
光り輝く体で飛び出したミラーナイトは、腕をY字型に広げた状態で残像を現しながら跳躍し、ルガノーガーの頭部に二、三回蹴りを決めた後、宙返りをしてゼロたちの元に着地する。
「ミラーナイト!」
華麗に登場したミラーナイトに反応するゼロ。
「助太刀に参りましたよ、ゼロ。」
さて、お次は…。
(グレンファイヤー登場BGM)
「ファイヤアアアアァァァァ!!」
何処からか熱い叫びが聞こえ、ルガノーガーがその方を振り向くと、一人の巨人が全身に炎を纏った状態で突っ込んで来ていた!
炎を纏ったその巨人は、同じくアナザースペース出身で、そこを股にかける炎の海賊の用心棒を務めていた“炎の戦士”『グレンファイヤー』だ!
「どりゃっ!!」
グレンファイヤーは勢いよく突っ込みながらルガノーガーの顔面に炎のパンチを決めた後、ゼロたちの元に着地する。
「ヒャッホーゥ!いっちょ上がりぃ!」
熱く登場したグレンファイヤーは、炎を起こしながら髪をかき上げる仕草を見せる。
「グレンファイヤー…!」
反応するゼロ。ルガノーガーは奇襲したミラーナイト、グレンファイヤーに怒り、破壊光線を一斉に撃とうとする!
(ジャン兄弟登場BGM)
その時、何処からか無数のミサイルや光弾が降り注ぎ、ルガノーガーはそれらが自身や周囲の地面に命中した事により光線のチャージが止まる。
ルガノーガーがふと上を向くと、そこには二人の鋼の戦士が!
一人は、アナザースペースの惑星・エスメラルダに代々伝わる、伝説の宇宙船『スターコルベット・ジャンバード』が変形した“鋼鉄の武人”と言われる巨大ロボット『ジャンボット』!
もう一人は、かつてはジャンボットをベースに人工天球・ビートスター内にて暗殺ロボット・ジャンキラーとして生み出されたが、ゼロ達と交戦していく内に命の意味を説かれた事で心を学んで正義に目覚め仲間となった“最強のメカロボット”『ジャンナイン』!
所謂“鋼鉄のジャン兄弟”と言われる二人の武人が登場! 先ほどルガノーガー牽制したのは、ジャンボットの『ジャンミサイル』とジャンナインの『ジャンキャノン』である。
「「ダブルジャンナックル!」」
二人は、左腕のロケットパンチ『ジャンナックル』を同時に放つ合体技『ダブルジャンナックル』を放ち、それを頭部に受けたルガノーガーは転倒する。
ジャン兄弟もゼロたちの元に着地し、ゼロはそれに反応する。
「ジャンボット…ジャンナイン…!」
「我々も力を貸すぞ、ゼロ。」
「兄さんと一緒に…!」
ゼロの元に駆け付けた四人の戦士。今ここに『ウルティメイトフォースゼロ』のメンバーが揃った!
ウルティメイトフォースゼロ。それは、かつてゼロがアナザースペースにて『カイザーベリアル』として君臨していた『ウルトラマンベリアル』の帝国軍に立ち向かった際、その旅路で(ジャンナインを除く)彼らと出会い、彼らと協力してベリアル軍を破った後、ゼロの発案により結成された宇宙警備隊であり、それ以降は人工天球・ビートスターでの戦いを通じてジャンナインを加えた後、アナザースペースに建造した秘密基地『マイティベース』を拠点に宇宙の平和を守り続けていた。
そして今回、セブンの呼びかけによって星々を滅ぼすルガノーガーの存在を知り、ゼロの危機に駆け付けたのである!
因みにこの四人の戦士は、それぞれ『ミラーマン』、『ファイヤーマン』、『ジャンボ―グA』、『ジャンボ―グ9』に酷似しているんだとか…?
父親が連れて来た思わぬ援軍に、どこか嬉しそうに口元を擦るゼロ。
「ヘッ…お前ら…来てくれたのか。」
「何故我々を呼ばなかったのだ?」
「ほんっと!たまに水臭い所あるよな~ゼロちゃんは!」
ジャンボットは疑問を投げかけ、グレンファイヤーは軽口を叩く。
「ヘッ、戦いに熱中する余り、忘れちまってたぜ。」
何処か冗談交じりに返すゼロ。
「なるほど!今回の敵はそれほどやべ~奴って事だな!」
伸脚をしながら勝手に納得するグレンファイヤー。まぁ、当たってはいるが。
「あぁ。奴は星を簡単に破壊する程の怪物だ。」
「なんと…これは久々に腕が鳴りそうですね。」
そう言いながら警戒するように構えるミラーナイト。
「それに、奴の装甲は、俺のゼロキックやワイドゼロショットもはね返すほど頑丈だ。」
「相当硬いんだな!焼き鳥の頭といい勝負じゃねーか!」
「誰が頑固だ!それに私は焼き鳥ではない!」
「何だよぉ!」
「あぁあぁ!お前らまたかよ…。」
いつの間にかいつものやり取りになってしまっているグレンファイヤーとジャンボットにゼロは少々呆れ気味。
「でも、奴は一人…それに、殺戮は心の無い者がする事…だから、僕達が負けるはずが無い!」
「その通りですね。皆で力を合わせましょう。」
前向きな言葉をかけるジャンナインに、ミラーナイトは同調する。
やがてルガノーガーは、ゼロ達に向かって「無視をするな!」とばかりに咆哮を上げる。
「お前ら、覚悟はできてるか?」
改めて、メンバー全員に投げかけるゼロ。
「問題ない。行こうゼロ。」
「そんなの…ゼロと出会った時からとっくに決めていた。」
「おうよ!それに、今回はセブンの伯父貴もついてるしなぁ!」
「我々の力を見せてやりましょう。」
一人一人返事をするウルティメイトフォースゼロのメンバー。それを見ていたセブンは無言で頷いた。
「覚悟しやがれ! ルガ…え、えーと…ルガノール…いや、ルガノーダー…え~と…あ!ルガノーガー!!」
相変わらず名前を間違えながらも、ルガノーガーに啖呵を切るグレンファイヤー。
「今度こそ、ここでお前を討つ!」
ジャンボットもそれに続く。
…何やら前からルガノーガーの存在を知っていたかのような言い回しだが、そのワケについては後ほど…。
「お前ら…上等だぜっ!!」
遂に決意を固めた一同は、ゼロの言葉と共に一斉にルガノーガーの方を振り向く。
「行くぜっ!」
ゼロの掛け声と共に、一同は一斉にファイティングポーズを決める!
今ここに、ウルティメイトフォースゼロwithウルトラセブンの、宇宙の命運をかけた戦いが始まる!
先手必勝とばかりにルガノーガーは口からの破壊光線を放ち、それがゼロ達の足元で大爆発する!
ゼロ達はその爆発の中から飛び立ち、ルガノーガーもそれを追うように飛び立つ!
「俺たちは、ウルティメイトフォースゼロ!! 宇宙のワルは、全部ぶっ倒す!!」
ゼロの言葉と共に、遂に戦闘が始まった!
(BGM:運命のしずく~Destiny's Star~)
ルガノーガーは電撃を乱射して攻撃を仕掛けるが、ゼロ達はそれらを飛び回ってかわしつつ、ゼロは額のビームランプからの光線『エメリウムスラッシュ』、ミラーナイトは手からの手裏剣状の光線『ミラーナイフ』、グレンファイヤーは手から放つ火球『グレンスパーク』、ジャンボットは頭部から放つ緑色のビーム攻撃『ビームエメラルド』、ジャンナインは胸部の発光部からの光弾『ジャンフラッシャー』、そしてセブンは額のビームランプからの光線『エメリウム光線』で、それぞれ相殺していく!
「行くぞ、ゼロ!」
「おぅ、親父!」
セブン・ゼロ親子は一旦並んで静止し、それぞれアイスラッガーとゼロスラッガーを飛ばしてそれらをプロペラ状に並べて飛ばす合体技『コンビネーションゼロ』を放つ!
合体した三つのスラッガーはルガノーガーの電撃をことごとく消し飛ばしながら飛び、やがて電撃の発射口である両肩の角を斬り落とした!
ルガノーガーが怯んだ隙に、ジャンナインが下から上昇しながらアッパーパンチでかち上げ、更に上で待機していたミラーナイトが急降下キック『ミラーキック』を叩き込む!
「ファイヤースティック!」
「ジャンブレード!」
更に、ルガノーガーが降下する先で待ち構えていたグレンファイヤーとジャンボット。グレンファイヤーは炎の棒『ファイヤースティック』による打撃、ジャンボットは右腕に生成したエメラル鉱石の剣『ジャンブレード』による斬撃を同時に放ち、それを受けたルガノーガーが吹っ飛んで小惑星の上に落下する。
同じく小惑星に着地してルガノーガーに駆け寄る一同。土砂や石などを振るい落としながら立ち上がるルガノーガーは、自身に駆け寄るゼロ達目掛けて両腕からの破壊光線を発射する!
ジャン兄弟は飛び上がり、ミラーナイトはバック転をし、そしてゼロ、セブン、グレンファイヤーは受け身を取りながら前転をして、それらをかわす。
ゼロとグレンファイヤーはそれぞれルガノーガーの左右に回って腕を掴んで動きを止め、その隙にセブンがルガノーガーの胴体に体当たりを決めた後、更に前蹴りを打ち込んで後退させる。
怯まずルガノーガーは両腕を振るって殴り掛かるが、三人はそれを回避しながら一旦距離を取り、今度はジャン兄弟とミラーナイトが駆け寄り、ジャン兄弟はルガノーガーの腹部に同時にパンチを叩き込み、ミラーナイトは跳躍して大きく右脚を振り上げた蹴りを頭部に叩き込む!
ミラーナイトは着地をした後、ルガノーガーの右フックを右脚蹴りで弾き、続けてそのまま一回転をしながら後ろ向きの左ハイキックを頭部に打ち込む。
「俺たちのビッグバンは!!」
「もう止められないぜぇぇっ!!」
そして、飛び上がったミラーナイトと入れ替わる形でゼロとグレンファイヤーが駆け寄り、ゼロは炎を纏った手刀『ビッグバンゼロ』、グレンファイヤーは全身に超高熱エネルギーを纏って連続で殴る『ファイヤーダッシュ』を繰り出す!
炎の手刀とパンチの連続は、激しく火の粉を散らして炸裂しながらルガノーガーに確実にダメージを与えていく!
やがて二人はルガノーガーが怯んだ隙に体勢を立て直し、ゼロは跳躍してウルトラゼロキックを、グレンは炎のパンチ『グレンファイヤーパンチ』を放つ!
炎のキックが胸部に、炎のパンチが腹部に直撃したルガノーガーは、小隕石をいくつか破壊しながら大きく吹っ飛ぶ。
何とか踏ん張って静止したルガノーガーは、再びゼロ達目掛けて口、両手からの破壊光線を一斉に放つ!
「ジャンバスター!」
ジャンナインは、両腕を広げた状態で腰のパーツを展開させ、そこから超強力ビーム『ジャンバスター』を放ってルガノーガーの破壊光線を相殺していく!
ジャンナインがルガノーガーと光線の打ち合いをしている隙に、ジャンボットは左肩のシールドを巨大な斧『バトルアックス』に変形させて手に取る。
「バトルアックス! 必殺風車!!」
そして『必殺風車』を発動させ、高速回転しながらルガノーガーに突っ込み、バトルアックスの強力な一撃を叩きつけて吹っ飛ばす!
更に、ルガノーガーが吹っ飛んだ先で待機していたセブンがルガノーガーの尻尾を掴み、『ウルトラスウィング』で何度も振り回した後、大きく投げ飛ばす!
ウルティメイトフォースゼロの連携攻撃を受けていくルガノーガーは徐々に弱っているようであった。
「今こそ、絆の力を見せる時だ!」
「あぁ!」
セブンの言葉を受けたゼロは左腕を揚げ、ウルティメイトブレスレットから光の鎧を出現させてそれを装着する!
これは、かつてベリアル帝国軍との戦いの中で『ウルトラマンノア』から授けられた、どんな悪も倒し、時空すら超える事が出来る伝説の鎧『ウルティメイトイージス』であり、それを装着したゼロは“光の勇者”『ウルティメイトゼロ』になったのである!
「ブラックホールが吹き荒れるぜっ!!」
ゼロは高速でルガノーガーの周囲を飛びながら、連続ですれ違い様に右腕の刀剣『ウルティメイトゼロソード』による斬撃を決めて行き、やがて強力な一撃を叩き込んで吹っ飛ばした!
それでも意地を見せるルガノーガーは、ウルティメイトゼロを見つけるや、そこに口からの破壊光線を浴びせる!
破壊光線が命中したゼロは、大爆発して砕け散ったかのように見えた…!
…だが、砕け散った欠片をよく見てみると、一つ一つが鏡の破片であり、その中からミラーナイトが姿を現す!
「鏡を作るのは得意でね。 残念でした。」
ミラーナイトは、鏡でゼロの虚像を映し出すトリックプレイでルガノーガーを翻弄したのである!
「引っかかったな!バ~カ!!」
再びファイヤースティックを手に持って、ルガノーガーを挑発するグレンファイヤー。それに乗ったルガノーガーは破壊光線や殴り掛かり等で攻撃を仕掛ける。
「燃えるマグマのォ!ファイヤーフラァァァッシュ!!」
「シルバー、クロス!!」
グレンファイヤーはそれらをかわしながらファイヤースティックですれ違い様に殴りつける『ファイヤーフラッシュ』を繰り出し、更にミラーナイトは両腕をクロスした後勢いよく広げて十字型の光の刃『シルバークロス』を連射する!
光の刃の雨あられを浴びるように受け、更にファイヤーフラッシュでの一撃を喰らったルガノーガーは大きく吹っ飛んで小惑星の上に落下する!
「これで決める!」
仲間たちがルガノーガーの相手をしている間、ゼロは“ゼロディフェクター”という現象でイージスを超弓状の『ファイナルウルティメイトゼロモード』に変形させる。
そしてゼロは、光の弓を引いてエネルギーを充填しながら照準の調整を始める。
「俺たちに勝とうなんざ、二万年早いぜ!」
今こそ、数々星々を滅ぼし、沢山の人々の幸せを奪った悪魔の怪獣にトドメを刺す時だ!
一方、破壊光線で接近出来なくすることでミラーナイト達の陽動を振り切ったルガノーガーは、ゼロの方を振り向き、口と両手から破壊光線を一斉に放とうとエネルギーを溜め始める。
それを見たセブンは「させるか!」とばかりに再度アイスラッガーを投げつけ、白熱化しながら飛ぶアイスラッガーはルガノーガーの体を斬りつつ周囲を飛び回り注意を引く。
「最強光線、一斉発射ぁぁぁ!!」
その隙に、セブンは腕をL字に組んで必殺光線『ワイドショット』を、それに続きグレンは叫びと共に火球状のグレンスパーク、ミラーナイトはシルバークロス、ジャンボットはビームエメラルド、ジャンナインはジャンバスターを、それぞれ一斉に放つ!
五人の一斉攻撃をそれぞれ五方向から囲まれるように喰らったルガノーガーは、大爆発を起こすと共に完全に弱り動きが止まる。
そして、遂に腹部の装甲にヒビが入った!
「受けてみろ!凶獣!」
ルガノーガーが弱ったと同時に、ゼロもエネルギーの充填と照準の調整が完了する!
「これが、俺たちの、光だー!!」
ゼロは叫びと共に、光り輝くウルティメイトイージスを撃ち出す必殺技『ファイナルウルティメイトゼロ』を放つ!
撃ち出されたイージスはルガノーガーに命中すると高速回転し、ルガノーガーの体を貫いた!
ルガノーガーは赤く発光し、稲妻状の光を発生させながらもがき苦しんだ後、断末魔と共に大爆発して吹き飛んだ!
(BGM終了)
遂に父親や仲間と共に悪魔のような強敵を撃破したゼロは、大爆発が晴れた後、イージスを戻したウルティメイトブレスレットを見つめながら呟いた。
「みんな…ありがとう。」
そして、セブンやグレン達もゼロに合流する。
「フゥ~…あーあ、疲れた。」
グレンは合流すると同時に、炎を起こしながら髪をかき上げるような仕草を見せる。
「やりましたね、ゼロ。」
ミラーナイトはゼロに労いの言葉を掛ける。
「俺たち、いいチームワークだったよなぁ!」
「あぁ、久しぶりの熱い戦いだった。」
「ま、計算内の結果だがな。」
グレンファイヤー、ジャンボット、ジャンナインも勝利を喜ぶ。
そしてセブンは、腕組みした状態で何も語らず静かに頷いた。
「…ヘッ…やっぱ、最高のチームだぜ!」
嬉しそうに口元を擦りながらそう言ったゼロは、父親や仲間達と共に守り抜いた地球の方を振り向く。
そして、「もう大丈夫だ」とばかりにフィニッシュポーズを決めた。
その時、突如、ゼロ達ウルティメイトフォースゼロの周囲が白い空間に変わる!
「…!何だ…?」
「この空間は…?」
「兄さん、これは一体…?」
「何が起こるんだ?」
「おいおい!何がどうなってんだよぉ!」
一同が驚きを隠せない中、彼らの前に一人の人間の女性らしき者が現れる。
「彼女は…?」
「お?何なんだこの可愛い子ちゃんは!?」
「人間らしいですね。」
「新しい…有機生命体…?」
四人が彼女に反応する中、ジャンボットは…。
「君は、S-851惑星のリリカじゃないか!」
なんと、突如ゼロ達の前に現れた女性はリリカであり、ジャンボットは彼女の事を知っていたのである!
因みにこの空間はリリカの精神世界であり、彼女はそこに一時的にゼロ達の精神を誘い込んでいる状態なのである。
「ありがとう。邪悪を倒し、地球と宇宙の平和を守ってくれて。」
リリカ(精神体)は、笑顔でゼロ達にそう言った。
「おいおい!何がどうなってんだ焼き鳥!」
「ジャンボット…彼女とは知り合いなのか?」
「これは、何かあったっぽいですね。」
「兄さん、教えてよ。」
四人に問い詰められたジャンボットは、少し躊躇いつつも話す決心をする。
「いいだろう。それは、約四日前の事だ。」
約四日前。それは、ルガノーガーがリリカの故郷『S-851惑星』を襲った日であった。
たまたまその惑星近くの宇宙をジャンバードの状態でパトロールしていたジャンボットは、その惑星でのルガノーガーの蹂躙を目撃し、急いで駆け付けたのである。
だが時すでに遅し、惑星は既に崩壊寸前な状態であり、住人もほとんどが死に絶えていた…!
そんな中で、瀕死の状態で唯一生き残ったリリカを見つけたジャンボットは、ジャンバード状態の自身の中にリリカを回収し、近くの安全な惑星・地球に避難させようと飛び立ったのである。
ジャンバードは一旦リリカを地球上に降ろした後、ルガノーガーの存在を他の仲間に知らせようと再び宇宙に飛び立ち、恐らくその最中にルガノーガーを追っていたセブンと出会ったのだと思われる。
しかし、リリカの生存を知っていたルガノーガーは、S-851惑星を破壊した後、密かにジャンバードを追い始めており、結果としてジャンバードの行動が地球が狙われる引き金になってしまっていたのである!
因みに、何故リリカはルガノーガーの撃破を知っているかと言うと、実は彼女は治療能力の他に、遠くの状況を把握する能力も持っており、真美たちと楽しみつつもその能力でゼロたちの戦いを見守り、勝利を信じ続けていたのである。
「つまり、ルガノーガーが地球に接近するきっかけを作ってしまったのは私だったんだ。申し訳ない。」
自身の過失を謝罪するジャンボット。ゼロ達は珍しくドジを踏んだジャンボットに驚きを隠せない。
「まさかジャンボットがドジを踏むとは…。」
「珍しい事もあるのですね。」
「兄さん…嘘でしょ?」
ゼロとミラーナイトは珍しがり、ジャンナインは兄の思わぬ失敗に動揺を隠せない。
「そんな失敗しやがって、やっぱどっか壊れてんじゃねーのか焼き鳥ぃ!?」
「だから謝ったじゃないか! それに私は焼き鳥ではないジャンボットだ!」
またしてもグレンファイヤーがからかい、ジャンボットがムキになるいつものやり取りが始まる。
そんな彼らのやり取りを微笑みながら見ていたリリカは、再び語り掛ける。
「でも、結果としてルガノーガーを撃破してくれた。本当に感謝してるわ。」
「しかし、私は君の惑星を守れなたっか…どう詫びたらいいやら。」
ジャンボットはリリカの星を守れなかった事に罪悪感を感じているようだ。
「ううん。気にしないで。私は、故郷に似た地球を第二の故郷にする事にしたから。 それに、とっても素敵な新しい友達も出来たから。」
リリカの前向きな言葉を聞いた一同は、安心し始める。
「それなら良かった…。どうかこれからも、元気で過ごしてくれ。」
「兄さんが守った、素晴らしき有機生命体。」
「また何か困った事があったら、我々を呼んでくださいね。」
「銀河の果てからでも、駆け付けてやっからよぉ!」
「じゃあ、あばよ!達者でな!」
ウルティメイトフォースゼロの言葉を聞いたリリカは、「ありがとう」と言わんばかりの満面の笑みを見せると、光と共に消滅し、それと同時に白い空間も消えてゼロ達は元の場所に戻る。
「彼女なら、今後も地球で元気に過ごせそうだな。」
ゼロは、リリカの地球生活の安心を確信する。
その時、突然グレンファイヤーが小言を言い始める。
「しっかしよぉ!地球に接近したルガノーガーを迎え撃ったって事は、ゼロもルガノーガーの存在を知ってたって事だろ!?」
「え?…まぁ、そうだが。」
「何だよどいつもこいつも!それなら俺も呼んでくれても良かったじゃねーかよ!」
「あなたが少し鈍いだけじゃないですか?」
「おいおい人の事言えるのかなミラちゃん?オメーも知らなかったくせに!」
「僕も、ルガノーガーの存在を知らなかった…。」
「ほら!ナインの坊主も知らなかったって言ってんぞ!」
「ジャンナインはその時たまたま別の宇宙をパトロールしていたんだ。」
「何だよそれなら俺だってよぉ!その時色んな宇宙を飛び回って超ー忙しかったんだかr…」
…いつの間にかいつもの賑やかな雰囲気になっているウルティメイトフォースゼロの面々。
そのやり取りを見つめながら、ゼロは「フッ」と微笑んだ。
平和になったからこそ、いつものやり取りが出来ているんだと…。
「ゼロ。」
「何だ?親父。」
セブンの呼びかけに振り向くゼロ及びウルティメイトフォースゼロの面々。
「宇宙とは、常に不安定なもの。だから今後も、凶悪な敵が現れる可能性もあるであろう…。だがお前と、お前の仲間達なら、どんな困難も超えて行けそうだな。」
「…ヘッ、心配いらないぜ、親父。」
セブンの安心の言葉を受けたゼロは、何処か嬉しそうに逆ピースを向ける。
「ウルティメイトフォースゼロの諸君。 これからも、ゼロをよろしく頼むぞ。」
「おうよ!」
「仰せの通りに。」
「任せてくれ。」
「うん。」
「デュワッ!」
グレン達の返事を受けて頷いた後、セブンは両腕を揚げて何処かへと飛び去って行った…。
セブンを見送った後、ゼロ達もアナザースペースに帰る事に決めた。
「さてと、私達もそろそろ帰りますか。」
「い…いや、ミラーナイト、そうしたいんだが、まだイージスの力が戻ってなくてな。」
先程ルガノーガーとの戦闘にウルティメイトイージスを使ってしまったため、まだエネルギーが回復するのを待つ状態であった。
「じゃあ、しばらく待つ事になるのか。」とジャンナイン。
「なんだよ! んじゃあちょっくらこの宇宙の探索でもしよっかな~。 しっかし可愛かったな~さっきのリリカって子! 異星から来た、儚げな美少女!って感じで…。」
「ま、姫様の美しさ程ではないがな。」
「ちぇっ!焼き鳥は相変わらず姫様バカだよな~!」
「私はバカではないし焼き鳥でもない! 一体どれだけ私を侮辱したら気が済むのだ!」
再びグレンファイヤーと口論になるジャンボットだが、その時何かを思い出した。
「あ!」
「どうしたの?兄さん。」
「そういえば今日は姫様がマイティベースに…。」
「「「「あーっ!!」」」」
ゼロ達も何かを思い出して驚く。
実はこの日は、惑星エスメラルダの第二王女『エメラナ・ルルド・エスメラルダ』が、ゼロ達の基地・マイティベースを訪れる日だったのである!
「ゼロ、どうにか早くイージスを回復出来ないのか?」
「いっ…いやぁ、そう言われても…。」
「ったくこんな時に!どんだけ融通の利かないイージスちゃんなんだよ!」
「知らねーよそんなの!ノアに聞けよノアに!」
急用を思い出した瞬間、グレンファイヤーとジャンボットはイージスの回復を急かし始めてしまう。
「それじゃ、イージスが回復するまで、少しこの宇宙を探索してみませんか?」
「もしかしたら、悪がいるかもしれないし。」
ミラーナイトとジャンナインが提案をした瞬間、ゼロ達の口論も治まった。
そして、提案した二人は先に飛び立つ。
「フッ、それもいいな!」
「仕方がない。しばらく付き合うか。」
「それいいねぇ…って、それさっき俺が提案したやつじゃねーかよ!ミラちゃんよぉ!!」
ゼロ、ジャンボット、グレンファイヤーと順に、後を追うように飛び立つ。
そしてウルティメイトフォースゼロは、他愛もない言い合いをしながら、この宇宙の探索を始めるのであった…。
「これからもよろしくな…お前ら。」
仲間達と飛びながら、ゼロはひっそりと呟いた。
だが、この時ゼロは思いもしていなかった…。
地球時間で一年後、『竜野櫂』という好青年を装ったエゴイストと共に戦う事になってしまうとは…。
…一方、そんなゼロ達を、遠く離れた場所から紫のオーラと共に見つめている一人の“黒いウルトラマン”がいた…。
「おのれゼロ!そしてウルティメイトフォースゼロ! まさかルガノーガーも倒すとはな…。」
憎しみの籠った声でそう言った後、その“黒いウルトラマン”は何処かへと去り始める。
「だがいつか必ず、お前らを地獄に叩き落としてやる…!」
どうやらルガノーガーは、その“黒いウルトラマン”の差し金だったようである…。
『ウルトラマンベリアル』の…!
(そしてゼロとベリアルの戦いは、『ウルトラマンジード』の物語へと続く…。)
その頃、夜を迎えた地球にて。
私、リリカは、今とても嬉しい気持ちで溢れている。
絶望しかけていた私を新しい友達が助けてくれて楽しませてくれたし、それにゼロ達がルガノーガーを倒してくれたのだから…。
焼肉屋を出る前にトイレに行き、能力でゼロ達にお礼を言った私は、海羽ちゃんと真美ちゃんと一緒に焼肉屋を出て、星空を見上げながら夜の道を歩く。
そして、別れの時が来た。
「海羽ちゃん、真美ちゃん、今日は本当にありがとう。 とても楽しかったわ。」
「私達も、リリカちゃんと遊んで楽しかったわ。」
「そうそう! 楽しい一日、あっという間だったな~。」
心からお礼を言った私に、二人は笑顔で返してくれた。
「私、これからも頑張れる気がして来たよ。二人のお陰だわ。」
「良かったわ。もしまた気分が落ち込んでどうしようもなくなったら、いつでも声を掛けてね。助けてあげるから。」
「出来る限りの事、何でもするよ~!」
どこまでも優しい二人。私は益々嬉しい気持ちになった。
「またいつか、何処かで会おうね。」
「うん。約束だね。」
「また一緒に遊ぼうね!」
私達は笑い合いながら、別れの握手を交わした。
そして、見えなくなるまで手を振りながら海羽ちゃん達と別れた。二人も、見えなくなるまで笑顔で手を振ってくれた。
「さようならー!」
「元気でねー!」
「また遊ぼうねー!」
やがて海羽ちゃん達が見えなくなった後、しばらく歩いた私は、綺麗な星空を見上げる。
今日食べたケーキ、ソフトクリーム(遊園地にて)、焼き肉…どれも美味しかったな~。
お父さん…お母さん…私、ここ地球という綺麗な星に来て、素晴らしい友達に出会うことが出来た…。
これからは、この星を、第二の故郷として生きる事にしたわ。
宇宙に散ってしまった命の為にも、私は強く生きて行くわ。 だから、見守っていてね。
リリカは星空を見上げて心でそう言った後、ふと一つの小箱を取り出す。
そしてその小箱の蓋を開けると、美しいオルゴールの音色が響き始める。
演奏されている曲は、『星のように…』である。
リリカはそっと目を閉じてそのメロディーを聞きながら、改めて心に決めるのであった…“強く生きる事”を…。
母の形見でもある、オルゴール小箱から優しく鳴り響くメロディーを聞きながら…。
私、新田真美は、海羽ちゃんと一緒に帰り道を歩いていた。
リリカちゃんという素晴らしい友達と別れた後…。
「リリカちゃん、一体何処から来たんだろうね。」
無邪気に海羽ちゃんが話しかけ、私は笑顔で応える。
「そうね…聞いてみたらどうかな?」
「あ、そうだね!早速聞いてm…。」
海羽ちゃんがそう言いながらスマホを取り出したその時、何かを思い出した。
「あ!…そう言えば、LINE交換してなかった…。」
「あ、そう言えば…。」
私もそれを思い出す。そう言えば遊びに夢中で連絡先交換してなかったね(笑)
(最も、リリカは異星人であり地球に来たばかりであったため、そもそもスマホ自体持っていなかったのだが…。)
「あ~しまった~!これじゃあいつまたどこで会えるか分からないよ~!」
今にも取り乱しそうになっている海羽ちゃんに、私は落ち着いて笑顔で語り掛けた。
「大丈夫。必ずまた会えるよ。」
「…へ?」
「だって…リリカちゃんも私達も、みんな同じ空の下にいるんだもん。」
「…そうだね! じゃあそのためにも、私達も前向きに生きて行こうね!」
「(満面の笑みで)うん。」
私達は、他愛もない会話を楽しみながら帰り道を歩き始める。
リリカちゃんは、何処でどんな生活をしているのだろう…?その事は私も海羽ちゃんも知らない。
…でも、私達は信じている。リリカちゃんは、これからも元気で暮らして行ける事を。
そして、いつかまた会える事を…。
何時しか聞こえ始めていたオルゴールの音色の“星のように…”を口ずさみながら、私達は帰り道を歩き続けた…。
素直で良い子であるリリカなら、今後ももっと多くの友達が出来、元気に暮らして行けるであろう…。
我々もそれを信じようではないか。
そしてあれから数か月が経ち、クリスマスが近い時期。真美達の大学『麟慶大学』は、野外でクリスマス会を行っていた。
学生たちのほとんどはコスプレをしており、衣装だけではなく鬚まで付けて本格的にサンタさんになりきっている男子生徒もいれば、友達同士で可愛らしいトナカイのコスプレをしている女子生徒がいたりなど、コスプレは様々であった。
軽音楽部のバンドの演奏を聴いたり、ビンゴ大会を楽しんだりなどして会は盛り上がっている。
そして、最後のオードブルを味わいながら自由に雑談などをする時間の時、サンタ服を模した白いファー付きの衣装を着ている真美と海羽は、女子同士の会話を楽しんでいた。
そんな中、海羽はふと何かを思い出して上を向く。
「…それにしても、リリカちゃん、どっかで元気でやってるかな?」
海羽はやはり、数か月前に出会って友達になって別れたリリカの事が気になっていた。
「きっと元気でやってるよ。」
真美は満面の笑顔で返した。
その時、真美は何かに気づく。
それは、大学の敷地外のデパートの入り口で、一人の女性がサンタさんの衣装で道行く人たちに笑顔で「メリークリスマス」と元気よく言いながらクリスマスキャンペーンの広告のチラシを配っている姿だった。
それを見た真美はふと微笑む。
その女性は、どこかリリカに似ていたのである…いや、きっとリリカ本人だと確信したのであろう。
「きっと大丈夫だよ。だって、リリカちゃんだもん。」
真美は改めて海羽に笑顔でリリカは大丈夫だと語り掛けた。
「そうだね。リリカちゃんは素直で強い子だもん。だから私達も、こえからも元気に過ごそうね!」
「(満面の笑みで)うん。」
新しい友達の無事を確信した二人は、引き続き他の学生たちと共にクリスマス会を楽しんで行った…。
私、眞鍋海羽と真美ちゃんは、これからも降りかかるであろうどんな困難にも負けないつもりで生きていく事を改めて決意した…。
元気に過ごしているであろう私たちの光…新しい友達を信じて…。
(ED:我らがウルティメイトフォースゼロ!)
〈エピローグ〉
真美たちの世界の宇宙空間を探索後、イージスの力が元に戻ったウルティメイトフォースゼロは、アナザースペースの基地・マイティベースに戻った。
因みにジャンボットだけやたら急ぎ気味だったのは言うまでもない(笑)
マイティベースには、純白なドレスに身を包んだ可憐な女性が、『友好珍獣ピグモン』(ゼロ曰く『モロボシ君』)と共に、帰って来たゼロ達を迎えた。
「ヘッ…帰って来たぜ。エメラナ。」
「ようこそ、マイティベースへ。」
「ひっさしぶりだなぁ!」
「ご無事で何よりです。」
「ただいま。素晴らしき有機生命体。」
一人ずつ挨拶をするウルティメイトフォースゼロの面々。
「お帰りなさいませ。皆さん。」
エメラナは笑顔でゼロ達に返した。
その時、ゼロは何かを思い付く。
「そうだな~…久々にエメラナが来てくれたから…“あの姿”になってやっか!」
そう言うとゼロは、両腕を広げたガッツポーズのようなポーズで光と共に等身大になって行き、やがて“あの青年”の姿になる…。
アナザースペースの『惑星アヌー』に住む開拓民であり、ベリアル帝国軍の攻撃で瀕死の重傷を負った際にゼロが一時的に一体化する(体を乗っ取る)形で命を救った青年『ラン』の姿に…。
ランの姿になったゼロと、エメラナは、無言で笑顔で見つめ合い、改めて再会を喜び合う。
その様子を、他のウルティメイトフォースゼロのメンバーとピグモンは、空気を読んで無言で見つめていた(最も、グレンファイヤーが茶化そうとしてミラーナイトがそれを止めるやり取りがあったワケだが…)。
ウルティメイトフォースゼロは、これからもどんな敵にも負けないであろう…。
信頼し合える仲間、そして、守るべき者がいる限り…!
〈完〉
読んでいただきありがとうございます!いかがでしたか?
今回の物語を書こうとしたきっかけは、「そう言えばまだウルティメイトフォースゼロを登場させてなかったなぁ…」と思ったそれだけです(笑)
ただ、前からいつかウルティメイトフォースゼロも登場させたいなと思っていたので、今回がそのベストタイミングだと思いました。
また、今回の人間側の主役・海羽ちゃんと真美ちゃんですが、いつか櫂抜きで彼女達のコンビを書いてみたいと思っていたので今回取り入れてみました。
そしてルガノーガーをチョイスしたのも、他者を思いやる優しさのある彼女達と、故郷を滅ぼされた異星人との交流を書いてみようと思い付いたのがきっかけでもあります。
ただ、彼女たちが傷ついた者を助ける展開はそろそろマンネリ化しつつあるかなとも思っていますので、次は別の形で彼女達の活躍を描いてみたいなと思ったりもしている私です。
因みに、UFZと海羽ちゃん達のシーンで、それぞれ“男の友情”と“女の友情”も少し意識してみました(笑)
因みに皆さんはウルティメイトフォースゼロの、ゼロ以外のメンバーでは誰が好きですか?
私はグレンファイヤーかミラーナイトで迷っています。
※今回登場した異星人・リリカと、彼女が住んでいた星の名前・S-851惑星は、原作『ウルトラマンマックス』に出たモノと全く同じですが、今回は別宇宙の全くの別物のつもりで描写しました。
感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています。
後書きが長くなって申し訳ありません。また、今回が今年最後の投稿になる可能性もありますので一応言っておきます。
皆さん、よいお年を!