ウルトラマンゼロ物語(ストーリー) in RED ZONE STAGE   作:剣音レツ

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 明けましておめでとうございます!


 お待たせしました!年末年始特別編第2弾です。


 今回の主役は前回(第36話)のラストで出会ったクレナイ・ガイと、道枝真・八橋ひかる・渕上愛紗の麟大1年生トリオであり、登場するウルトラマンは“タロウの息子”と“ジョーニアスの後輩”と“新たな惑星O-50の戦士”です!

 また、ラストには去年大出世した“あのウルトラ戦士”も登場します!


 相変わらず文才はあまり無いですが、とりあえず楽しんでもらえたら幸いです(笑)


 そして宜しければ、今年も本作やその他の作品、そして、特撮ヒーロー(特にウルトラマン)大好きな私・剣音レツをよろしくお願いします!


 では、どうぞ!


 そういえば、今回の投稿日(1月4日)は、ウルトラマンタロウの超豪華な“ある回”の放送日でもあったような…(独り言)。


 ※ウルトラマンタイガ最終回のネタバレも含まれています。


番外編3
番外編「大きな我(じぶん)」


 (OP:ULTRA BRAVE)

 

 

 M78星雲・光の国。

 

 それは、地球から300万光年離れた所に位置する惑星であり、ウルトラマンたちの故郷で、“ウルトラの星”とも呼ばれている。

 

 エメラルドグリーンに輝く神秘的なその惑星が目の前に見える宇宙空間のとある岩壁だけの小惑星で今、戦いが繰り広げられていた!

 

 光の国の中でも特に優れた戦士で構成されたチーム『ウルトラ兄弟』の1人で、光の国で教官を務める戦士『ウルトラマンタロウ』が、数人の宇宙警備隊隊員・候補生と共に超獣軍団に立ち向かう!

 

 現れた超獣は、珊瑚と宇宙怪獣の合成で、黒い体に生えた無数の赤い管が特徴の『ミサイル超獣ベロクロン』

 

 芋虫と宇宙怪獣の合成で、蛇腹状の青い前面と鉱物を思わせるオレンジの背中が特徴の『一角超獣バキシム』

 

 蛾と宇宙怪獣の合成で、毒々しい緑の体に髑髏のような顔から突き出た赤い二本牙が特徴の『蛾超獣ドラゴリー』

 

 蘭の花と宇宙怪獣の合成で、緑の体に、左右に大きく広がった羽、右手に持った武器・短槍が特徴の『忍者超獣ガマス』

 

 アゲハ蝶の幼虫と宇宙怪獣の合成で、悪魔のような物々しい風貌に、左手は鎌、右手は鉄球になっており、頭部には遠隔操作可能な剣が付いているなど、正に“全身武器”な超獣『殺し屋超獣バラバ』

 

 カウラ、ユニタング、マザリュース、マザロン人、巨大ヤプールが合体した、“超獣の王”とも言うべき最強の超獣『最強超獣ジャンボキング』の六体だ!

 

 赤い者と青い者と2種類おり、カラータイマーの無いその胸がまだ一人前のウルトラ戦士ではない事を物語っているが、候補生たちはそれぞれ一体に2人1組で全力で挑む!

 

 だが、やはり怪獣を超えた存在・超獣たちのパワーは凄まじく、それぞれベロクロンのミサイル乱射で吹っ飛び、バキシムの火炎放射に焼かれ、ドラゴリーの怪力で軽々と投げ飛ばされて行く!

 

 ガマスと戦う組は、ウルトラブレスレットを変化させたウルトラランスに似た槍で、同じく短槍を持つガマスと剣戟を繰り広げるが、ガマスの煙幕による瞬間移動、まきびしなどの忍術に翻弄された隙に切りつけれて行き、バラバと戦う組は、バラバの頭部の剣から放つショック光線を受けて怯んだ隙に右手の鉄球、左手の鎌で痛めつけられ、ジャンボキングと戦う組だけは3人なのだが、3人がかりでもケンタウロス型の巨体を誇るジャンボキングは押さえ切れず、逆に前後の体に付いている計4本の腕による怪力で圧倒され、後半身の目から発射する黄色い光線『サークルイエロー光線』で身動きが取れなくなった所に前半身の目からのレーザー、口からのミサイルや火炎で吹っ飛ばされる!

 

 

 候補生たちが超獣軍団に苦戦を強いられる中、タロウは『異次元超人エースキラー』と戦っていた。

 

 タロウはエースキラーの左手の鉤爪や、右手に持つ音叉状の刃物による攻撃を素早くかわしつつパンチやキックで応戦し、エースキラーもそれに負けず攻撃を続ける。

 

 両者は組み合い、そのままエースキラーは頭部の発光部から『エメリウム光線』を放ち、タロウもそれに対し頭部のウルトラホーンから『ブルーレーザー』を放ち、互いに光線がぶつかり合う反動で後ろに飛ぶ事で距離を取る。

 

 続けてエースキラーが腕を十字に組んで放った『スペシウム光線』をタロウは突き出した両手先から放つ『シューティングビーム』で相殺し、その際に発生した爆発の中から飛び出す形で両者は宇宙空間を飛び回り始め、エースキラーは『ウルトラブレスレット』を飛ばし、タロウはそれに対して腕を十字に組んで三日月状の光のカッター『タロウカッター』を飛ばし、二つの光のカッターがぶつかり合う中、両者は再び組み合い、そのまま小惑星に落下する。

 

 タロウはエースキラーの回し蹴りを宙返りをしてかわす形で距離をとって着地すると同時に腕をT字に組んで『ストリウム光線』を放ち、それに対しエースキラーは赤い光弾状の『M87光線』を放ち、2つの強力な光線がぶつかり合って大爆発が起こる!

 

 エースキラーが爆発で視界がくらんでいる隙にその中からタロウが飛びかかり、落下のスピードも加えた右手のチョップを首筋に叩き込み、続けてボクシングのように連続でパンチを腹部に打ち込んだ後、跳躍しての横蹴りを脇腹に叩き込んで吹っ飛ばす!

 

 

 跳ね起きで起き上がるエースキラーの元に、ウルトラの候補生たちを痛めつけた超獣軍団は集まり、ウルトラの候補生たちも、傷ついた体を引きずりながらタロウと交流する。

 

 「みんな! 大丈夫か?」

 

 タロウは候補生たちを気にかけるが、次の瞬間、何者かの不気味な笑い声が響いた事により身構える。 その主は『異次元人ヤプール』のものだった。

 

 「タロウ! 今から貴様に、我らの傑作を見せてやる!」

 

 ヤプールがそう言うと、エースキラーの右腕に黒い禍々しいオーラと共にあるガントレット状のアイテムが装着される。

 

 「何だと!?」

 

 そのアイテムを見て驚愕するタロウを他所に、候補生の1人はウルトラランスを手にエースキラーに飛び掛かる!

 

 「極星光波手裏剣!」

 

 ヤプールの声と共にエースキラーはアイテムに手をかざしてスライドする事で手裏剣状のエネルギー波を生み出して投げつけ、候補生の1人を撃ち落とす!

 

 タロウ達がその候補生を気にかける暇も与えず、エースキラーは次の必殺技に入る。

 

 「プラニウムバスター!」

 

 今度はアイテムから緑色の光球を発生し、左腕を大きく振り下ろし鉤爪で引っ掻く事で撃ち出し、他の候補生たち数人はそれが間近に直撃した爆発により吹っ飛ぶ!

 

 「あれらの技…さては!」

 

 タロウが動揺する間に、エースキラーは次の必殺技に入り、ストリウム光線に似た予備動作でエネルギーを溜めて行く。

 

 「ストリウムブラスター!」

 

 エースキラーは腕をT字に組んで虹色の必殺光線を放ち、それらが周囲に当たって大爆発する中、それにより発生した爆風にタロウはなんとか耐え抜くが、候補生たちは全員吹き飛んでしまう!

 

 

 「フハハハハハ! 我々はたった今、目的の場所を特定した! 行くぞ超獣ども!そして、タイガキラー!」

 

 ヤプールが高笑いと共に発した指令を受けた超獣軍団は咆哮を上げ、ガラスのように割れて現れた異次元の入り口に入って行き、そして“エースキラー”改め『タイガキラー』もその中に入った後、入り口は塞ぐ。

 

 

 「タイガキラーだと…?」

 

 先程ヤプールが叫んだ名前が気になっていたタロウは、ダウンした候補生たちの安否を確認しながら呟いた…。

 

 

 しばらくすると、光の国から『ウルトラの母』率いる『銀十字軍』が駆けつけ、傷ついた候補生たちを治療するために光の国に運び始める。

 

 そんな中、タロウは母に先程の敵の事を伝える。

 

 「と、いう事です、母さん。」 「もしその名が本当だとしたら、もしや奴らの狙いは…。」

 

 タロウから事情を聞いたウルトラの母は、ある程度検討がついたのか少し不安になりながらも、タロウに命じる。

 

 「行きなさいタロウ。 必ず、その世界を救うのです。 “お前の息子”とともに。」

 

 「はい、母さん。」

 

 タロウは返事をした後、腕をクロスさせて発射した光線『トゥインクルウェイ』により発生した次元の穴へと飛び込んで行く。

 

 

 今回の物語(ストーリー)の舞台となる、ある世界の地球に向かって…。

 

 

 

 その世界の地球に、宇宙人が密かに暮らしている事は、あまり知られていない。

 

 これは、そんな星で出会った若者たちの、奇跡の物語である!

 

 

 

 一方、その世界の地球のとある場所で、ある男女4人組が光のエフェクトと共に降り立つ。

 

 『クレナイ・ガイ』が、『道枝真』(みちえだ まこと)、『八橋ひかる』(やつはし ひかる)、『渕上愛紗』(ふちがみ あいさ)の3人、所謂“麟大1年生トリオ”を連れて来たのである。

 

「まずはこの世界を回ってみるか。」

 

ラムネ瓶を片手にガイがそう言う中、ひかるはある事を確認する。

 

「あの、ここって本当に私達が住んでるのとは違う世界の地球なのですか?」

 

「あぁ、そうだ。 言ったろ?俺は銀河の風来坊だと。」

 

「凄い! 私達、本当に次元を超えちゃったって事だね!」

 

愛紗が益々はしゃぎ始める中、真は申し分なさそうに言う。

 

「なんか、本当にすいません。 僕らのためにわざわざ…。」

 

「なに、たぴおか? だっけ? 君達が美味いもんを飲ませてくれたほんのお礼だ。」

 

どうやらガイは、先程ひかる達と飲みに行ったタピオカが気に入ったみたいであり(第36話エピローグ参照)、それを飲ませてくれた彼らへのお礼として、別次元の地球に連れて行く事にしたと言う事である。

 

最も、ガイが真っ先に飲み干す中、ひかる達は主にインスタ映えの写真を撮るのに夢中だったワケだが(笑)

 

「それに、この世界は、“俺の後輩”が頑張っている世界でもあるしな…。」

 

更にそう呟くガイ。 どうやらこの世界に来た理由は、他にもあるみたいである。

 

 

ガイの発言から少なくとも分かったのは、この世界は“あるウルトラマン”が活躍して世界でもあるという事だ。

 

…いや、厳密にはあるウルトラマン“達”と言った方がいいのかもしれない…。(それは後ほど分かります)

 

 

「タピオカだけで別次元の世界に連れてもらえるなんて…なんか感激だな。」

 

真も、来た事ない世界へのワクワクが湧き始めているようであった。

 

「じゃあさ、せっかく来たんだし、もっと探索してみない?」

 

「賛成ー! 新しい友達も出来るかもしれないしね!」

 

ひかるの提案に愛紗は明るく賛成する。

 

「くれぐれも気をつけるんだぞ。 ま、いざという時は俺がついている。」

 

「はい、ガイさん。」 真は安心の表情で返事をした。

 

 

…しかし、彼らがはしゃぐのも束の間、次の瞬間事件は起きる!

 

 

「…ん? あれは何?」

 

ひかるが指差す方を一同は振り向く。

 

そこには不気味な揺らめきと共に、一体の巨大生物が半透明な状態で姿を現していた。

 

 

殺し屋超獣バラバである!

 

 

半透明な状態で咆哮を上げるバラバに怯え始めるひかる。

 

「そんな…この世界にも怪獣が!?」

 

「いや…あれは超獣だな。」

 

冷静に訂正をしながら身構えるガイ。 真と愛紗も驚愕の表情でバラバの巨体を見上げる。

 

 

するとバラバは、真達に気づくや、右手の鉄球の先端をムチのように伸ばして攻撃し始める!

 

「きゃっ! こっちに向かって来るよ〜!」

 

「早く逃げろ!」

 

ひかるが更に怯え始める中、ガイは彼女達に早く安全な場所に避難するように促す。

 

ガイの指示を受けた3人は急いで避難しようと逃げ出すが、“殺し屋超獣”の名を持つバラバの殺意に満ちた攻撃はなおも容赦なく襲い掛かり、やがて真達は、バラバのムチの先端が近くの地面に命中した衝撃で転んでしまう!

 

真とひかるは大した怪我は無かったが、愛紗は砕けたコンクリートの破片などにより、右足を怪我してしまっていた!

 

「愛紗! 大丈夫か!」 「早く捕まって…!」

 

真とひかるは急いで愛紗を肩を貸して起き上がらせ、安全な場所へと急ぐ。

 

 

尚も真達に襲い掛かろうとするバラバの方を振り向き、ガイはオーブリングを挙げる!

 

《ウルトラマンオーブ! スペシウムゼペリオン!》

 

そして紫の光と共に『ウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオン』へと巨大変身して構えを取る。

 

「スペリオン光線!!」

 

オーブは腕をL字に広げた後十字に組んで必殺光線『スペリオン光線』を放つが、光線は半透明なバラバの体をすり抜けてしまう。

 

そしてバラバは攻撃をやめると、不気味な揺らめきと共に姿を消した…。

 

 

突然の敵の撤退に戸惑い、その場に立ち尽くすオーブ。

 

真とひかるは、怪我をした愛紗に呼び掛けるが、どうやら気を失っているようである。

 

「傷も案外深いわ…早く何処かで治療をしないと…。」

 

「しかし、どこでしよう…?」

 

 

2人が困っている中、変身を解いたガイは考え事をしていた。

 

「さっきの超獣…何しに現れたんだ…? それに、誰に送り込まれた…?」

 

 

尚も困っている真とひかる。 そこに、ある1人の青年が声を掛ける。

 

「あの…何かお困りでしょうか?」

 

2人は振り向くと、そこには青いジャケットに黒い帽子を被った青年が、膝に手をついて見つめていた。

 

やがてその青年も、愛紗の傷に気付く。

 

「酷い傷だ…早く手当をしないと。」

 

「でも、一体どこですれば…。」 ひかるは問いかける。

 

「僕の会社の事務所で良かったら。」

 

優しい笑顔でそう言う青年。 真達は困惑しつつもそれに甘える事にし、青年に案内されて歩き始め、ガイも少し遅れてついて行く。

 

 

因みにその青年の右腕には、とある“ガントレット状のアイテム”が付いていた…。

 

 

気を失っていた愛紗は、その青年が働く会社の事務所のソファーの上で毛布をかけてもらっている状態で目を覚ます。

 

「ぅ…うぅ…。」

 

愛紗はゆっくりと目を開け始め、やがて虚ろな視覚がハッキリとし始める。

 

「大丈夫かい?姉ちゃん。」

 

視界がハッキリとすると同時に、自身に覗き込んでそう呼び掛ける者の顔もハッキリと見える。

 

 

…しかし、その顔は人間ではなく、黒いタイツを着たような姿に、金髪に仮面を被った宇宙人『サーベル暴君マグマ星人』の顔であり、それを見た愛紗は一気に意識が戻ると同時に驚く!

 

「キャ〜ッ!!」

 

“ベチンッ”

 

「!? 痛ってっ!!」

 

愛紗は驚きの余りマグマ星人にビンタすると同時に起き上がり、近くにいたひかるに抱き付く。

 

 

「よっ…良かった、意識が戻って。」

 

ひかるはパニックながらも意識が戻った愛紗に、苦笑しながらも安心する。

 

「一体何!? 何処なのここ〜!」

 

「落ち着けよ。 ここは安全な場所だし、あの人達も悪い人達ではない。」

 

「…え?」

 

真の言葉を聞いた愛紗は、一旦落ち着くと辺りを見渡す。

 

 

「痛ってぇな〜。」 「大丈夫ですか?」

 

「フッ、その顔でいきなり覗き込むからだ。」

 

「凄い瞬発力…!」

 

「ごめんなさいね、いきなり驚かせちゃって。」

 

ビンタされた頬を押さえるマグマ星人に、それを気遣う『宇宙商人マーキンド星人』、そんな彼らに皮肉を言う男性、愛紗の起きて早々の行動力に呆気に取られるメガネをかけた女性、愛紗に一言詫びるスーツ姿の女性…。

 

そして、先程真達を案内した青年が歩み寄る。

 

「ここはイージス。 君たちみたいな人を、宇宙人絡みの事件から警備する組織だ。」

 

 

真達が案内されたのは『E.G.I.S.』(正式名称:Enterprise of Guard and Investigation Survice)。 それはこの世界の地球で結成された民間警備組織であり、主に地球に移住した宇宙人絡みの事件を追う組織である。

 

宇宙人絡みの事件を専門に扱う警察組織『外事X課』に所属していた女性『佐々木カナ』が立ち上げた企業であり、メンバーも宇宙人絡みを扱うだけに個性揃いで、正体はヒューマノイド型の宇宙人『アマヤルム星人』で、元不良宇宙人でもある実働隊員『宗谷ホマレ』、元は『宇宙爆蝕怪獣ウーラー』を抹殺する為に『エオマック星』の科学者が作ったアンドロイド『ピリカ03』でもあった、オペレーターの女性『旭川ピリカ』、元は悪の宇宙人で構成された犯罪組織『ヴィラン・ギルド』の構成員及びオークションの主催者であったが、ウーラーとの戦いを経て心を通わし、新たにそれぞれ警備士、会計としてメンバーとなったマグマ星人、マーキンド星人などがいる。

 

 

…つまりこの世界の地球は宇宙人が密かに暮らしており、最近、その宇宙人との共存に大きな一歩を踏み出したばかりと言った所である。

 

 

そして先程真達を案内した青年は、イージスの新人隊員であり、心優しく正義感の強い青年『工藤ヒロユキ』だ。

 

 

「あっ、超イケメン…。」

 

ヒロユキを見た愛紗は、更に落ち着きを取り戻す。

 

そして、ヒロユキ達からイージスの事を更に詳しく聞き、完全に不信感が無くなる。

 

「そうですか…宇宙人との共存も目指してるのですね(凄い世界に来たんだ、私達…)。」

 

 

「そ、宇宙人だからと言って、偏見は良くない。 宇宙人にだって、悪人じゃない奴もいるんだから。」

 

カナは、かつて外事X課にいた頃に助けられなかった“セミ少女”や、腐れ縁でもあった“セモン星人ミード”の事を思いながら言った。

 

「俺も、元は不良宇宙人だったが、変わる事が出来たしな。 中には、変われる余地のあった奴もいたし…。」

 

ホマレはそう言いながら、嘗ての弟分でもあった宇宙人“ヴォルク”の事を思い浮かべる。

 

「そうそう! 種族なんて関係ない。 頑張れば友達にだってなれるんだから。」

 

ピリカも笑顔で便乗しながら、かつて交流を深めた“セゲル星人・葵”の事を思い浮かべる。

 

 

「それに、今正にここにいる彼らこそが、その証拠だしね。」

 

ヒロユキはそう言いながら、自身の後輩でもあるマグマ星人やマーキンド星人に手を向ける。

 

「おぅ! 俺達も、すっかり足を洗ったぜ。」 「今や、イージスの一員として、汗水流す毎日です。」

 

 

愛紗は、恐る恐るマグマ星人に、先程ビンタしてしまった事を詫びる。

 

「あ、あの、さっきはすいませんでした。」

 

「なに、いいって事よ。 姉ちゃんが無事だったんだから。 それより、俺達の事、怖くないのか?」

 

「はい! 私…いや、私達、宇宙人とか怪獣とか、慣れっこなので。」

 

「こりゃたまげたな…。」 「凄い子達ですねぇ…。」

 

愛紗達の肝の大きさに感心するマグマ星人とマーキンド星人。

 

 

それもそのはず、彼女たちは以前にとても恐ろしい体験をしているのだから(第34〜36話参照)、そのお陰もあって、宇宙人を見た程度ではなんとも思わなくなったのであろう。

 

 

「例え宇宙人であっても分け隔てなく…だから、見ず知らずの僕達の事も助けてくれたのですね。」

 

そう言う真に、ヒロユキはこう言った。

 

「困っている人がいたら助けるのは当たり前だよ。 それが誰であっても、例えどこの星の人であっても。」

 

「そうですか。」 (なんて熱いハートの持ち主なんだ。)

 

改めてヒロユキの優しさに触れた真は、嬉しい気持ちになった。

 

 

「凄い。このコンピューター、全部一人で扱っているの?」

 

「えへへ、まあね〜。 あ、触らないでね。」

 

「分かってるよ。 それにしても凄いな〜。」

 

 「あはははは、あなた達、すっかり仲良くなっちゃって。」

 

ひかるも、すっかりピリカと笑い合って心を通わせており、カナはその様子を嬉しそうに笑いながら見つめていた。

 

 

「素敵ですね。 知らない人でも手を差し伸べられるなんて。」

 

「まぁ、アイツは熱血バカだからな…。 お人好しな所あるんだよ。」

 

「それでも素敵ですよ。 私もああいう風に、もっと優しくなりたいな…。」

 

愛紗はホマレの皮肉を聞きながらも、ヒロユキに憧れを抱き始めていた…。

 

 

 因みにガイは、敢えて敵の奇襲に備えてイージスの事務所の中に入らず、外から真達の様子をラムネを飲みながら伺い、フッと微笑んでいた。

 

 「俺の後輩も、この世界でいい仲間を得たもんだな…。」

 

 

…因みにヒロユキだが、実は彼には、ある“3体の戦士”が宿っている。

 

 「タイガ、さっき現れたのは、確か超獣って言ったね?」

 

 「あぁ。 きっとまた、何者かが暗躍を始めたのだろう。」

 

 ヒロユキと会話をしながらミニサイズで現れたのは、ヒロユキと一体化している戦士の一人であり、赤と銀の体に青のプロテクター、頭部の二本の角“ウルトラホーン”が特徴の『ウルトラマンタイガ』である。

 

 

 ウルトラマンタイガ。 それは、M78星雲・光の国出身で、ウルトラマンタロウの息子である新米ウルトラ戦士であり、“光の勇者”の二つ名を持つ。

 

 性格は正義感の強い熱血漢で、候補生時代はトップクラスの実力を持っていた程だが、精神的に未熟な面もあり、タロウという偉大なウルトラ戦士の息子である事もコンプレックスであったが、仲間と共に幾多の困難を乗り越えて行った事もあり、最終的には“タロウの息子”というコンプレックスも乗り越えるほど成長している。

 

 宇宙で修行している過程で『ウルトラマンタイタス』や『ウルトラマンフーマ』と出会って意気投合し、彼らと『トライスクワッド』というヒーローチームを結成。

 

 その後、元は光の国の科学者で、タロウの旧友でもある闇の戦士『ウルトラマントレギア』に、タロウやニュージェネレーションヒーローズに加勢する形で挑むが敗れ、光の粒子となって時空の狭間を彷徨っていた所、自らの危険も顧みずに友達でもあった怪獣『チビスケ』(後の『海獣キングゲスラ』)を助けようとしたヒロユキを救うために自らと一体化させ、回復のために眠りに就き、そして12年後、尚も危険を顧みず他者を助けようとするヒロユキの覚悟を受け取る形で復活した。

 

 その後、ヒロユキやタイタス、フーマと共に、トレギアの乱入や狡猾な罠にかかりながらも地球を守り抜き、トレギアとも決着を付けている。

 

 

 ウルトラマンタイタス。 それは、かつて地球の守りに就いたウルトラ戦士『ウルトラマンジョーニアス』と同じ『U40』出身のウルトラマンであり、“力の賢者”の二つ名を持つ。

 

 赤と黒のボディに、“スターシンボル”でもある星型のカラータイマー、額の星型のランプ・アストロスポット、そして鍛え抜かれた筋肉隆々の体つきが特徴であり、その肉体を活かした格闘戦を得意としている。

 

 また、“賢者”と言われるだけあって知識も豊富で、健全な精神の持ち主で相手の挑発にも動じない冷静沈着な所もあり、タイガとフーマの仲裁に入る事もしばしばである。

 

 

 ウルトラマンフーマ。 それは、『ウルトラマンオーブ』などが力を授かった『惑星O-50』出身のウルトラマンであり、“風の覇者”の二つ名を持つ。

 

 スマートな青い体に、胸部のプロテクターと、他2人に比べて比較的オーソドックスな外見が特徴であり、忍者のような素早い身のこなしで敵を翻弄する戦法を得意としており、光の手裏剣を駆使する。

 

 性格は荒っぽく、似たような性格のタイガとは衝突する事もあるが、義理堅く、頭が切れる一面もある。

 

 

 「超獣と言うのは確か、タイガが「ヤプールが滅んだ今も出現し続けている」と言っていたな。」

 

 「もしかしたらヤプールが密かに復活しているのかもしれないな。」

 

 同じくミニサイズで現れたタイタスとフーマも警戒体勢に入りつつある。 因みに定時のトレーニングを欠かさないタイタスは、腕を組んでスクワットをしながら会話をしている。

 

 「でも、今の俺達は以前よりも絆が強まっている。 あのトレギアにも勝ったんだ。きっと負けることは無い。」

 

 「そうだな。」 「そうこなくっちゃ!」

 

 タイガの前向きな言葉にタイタスとフーマも同調し、ヒロユキも無言で頷く。

 

 

 その時、同じくイージスの事務所のソファーで寝ていた一人の宇宙人が騒ぎ出す!

 

 「うわっ!? 一体なんだ!?」

 

 イージスや真達はもちろん、トライスクワッドもタイガを始めその方を振り向く。

 

 そこには見慣れない宇宙人が、何かに怯えるような仕草をしながら座っていた。 イージス実働隊員のヒロユキ、ホマレによると、先程怪物(バラバ)に襲われており、救助し保護した際に、偶然その場に居合わせていた真達に出会ったたのだという。

 

 「あの子は確か、『遊牧宇宙人サイモン星人』の子供だな。」

 

 その宇宙人を見て、タイタスは即座に名前を当てる。

 

 更にタイタスが言うには、サイモン星人はかつて母性をヤプールに侵略されて以来、当てもなく宇宙を彷徨っている悲劇の存在だという。

 

 実際、攻撃的な態度を見せない事から、友好的な宇宙人である事は一目瞭然である。

 

 

 「へぇー…他の星まで侵略しちまうとは、やっぱひっでー奴らだ。ヤプールは。」

 

 フーマは後頭部に両手を当てながら言った。

 

「それ程の悪魔…やはり、エースの言ってた事は本当みたいだな。」

 

タイガもヤプールの狡猾さを改めて認識する。

 

 

ホマレも宇宙人ギャング時代になんらかの形で知ったのか、サイモン星人やヤプールの事を知っており、彼らについてをイージスや真達に話した。

 

「そんな…そんなにも可哀想な子だったなんて…。」

 

ひかるは憐れむような顔で見つめながら言った。

 

 

その時、サイモン星人の子供は、愛紗の元に歩み寄り、包帯が巻かれている彼女の足にそっと触れる。

 

「心配してくれるの? あなたも傷心していると言うのに…。」

 

愛紗は優しくそう言うと、サイモン星人の子供をそっと抱き寄せて頭を撫でる。

 

 

 その愛紗の優しい行動を見たヒロユキは、どこか嬉しそうに微笑んだ。

 

 (いつかこのように…人間と宇宙人が手と手を取り合い、共存できるようになったらいいな…。)

 

 

「ホマレ先輩の言っている事が本当なら、さっきの怪物も、そのヤプールって奴が関わっているのかも。」

 

「かもね…また、あなた達の力が必要になるかも、ヒロユキ。」

 

ヒロユキの考察を聞いたカナは、ウルトラマンの力を持っているヒロユキに、再び力を貸すように頼む。

 

「もちろんです。 僕も、彼ら(タイガ達)も、様々な戦いを通して、以前よりも大きくなっています。 だから、絶対に負けません。」

 

「ははっ、逞しくなったわね!」

 

ヒロユキの心強い言葉を聞いたカナは気さくにヒロユキの肩を叩き、ヒロユキもふと笑みを浮かべる。

 

 

「俺達も、あの子(サイモン星人の子供)の為に、怪物の在り処を炙り出さねーとな。」

 

「しょうちのすけ!」

 

ホマレとピリカも、気合が入り始めていた。

 

 

「仕方ねぇ、俺達も協力しますか!」 「ですね。」

 

マグマ星人とマーキンド星人も、ヤプールが相手ながらやる気を出し始める。

 

 

「僕達も、出来る限りの事はします。」 「さっさと見つけ出して、やっつけて貰わないとね! ウルトラ戦士に。」

 

真とひかるも、イージスに協力する事を誓った。

 

 

「フッ、この世界の人間も、俺の世界のアイツら(SSP)に負けず立派だな。」

 

外からやり取りを聞いていたガイも、彼らの逞しさに感心していた。

 

 

「それじゃあ、私は佐倉さんにも情報提供を要請するわ。 その間ヒロユキ、ホマレ、マグマ星人は在り処を探して、ピリカとマーキンド星人はそのサポートをお願い。」

 

「分かりました。」 「了解!」 「いっちょやってやるか!」 「あいよ。」 「了解です。」

 

カナ社長の指示に、イージスの面々は返事をし、すぐに取り掛かろうとする。

 

因みに『佐倉』とは、カナの外事X課時代の上司であり、今もたまにイージスに顔を出しては宇宙人絡みの事件の解決を依頼したりしている。

 

 

しかし、その時だった!

 

 

「その必要はない!」 「キャーッ!!」

 

突然、醜悪な声と共に愛紗の悲鳴が響き、全員その方へと振り向く。

 

 

そこにはなんと、サイモン星人の子供が愛紗を羽交い締めにして捕らえている姿が!

 

「…ぉ、おい、何の冗談だ?」 「どうしたの?」

 

真とひかるは動揺しながらも声を掛けるが、その直後、サイモン星人の子供の目は白から禍々しい赤に変色し、触角の先端を怪しく点滅させながら先程の醜悪な声で話し始める!

 

 

「ご親切にここまで連れて来てくれてありがとよ、人間ども。」

 

「…お前…まさか!」 ヒロユキは早くも勘付く。

 

 

「そうだ! お前らが探そうとしているヤプールというのは、この私だ!」

 

なんと、ヒロユキ達が匿っていたサイモン星人の子供は、実はヤプール人が化けた偽物だったのだ!

 

 

「やはりな…この宇宙人のように弱い者に化けておけば、人間どもはたちまち警戒心を無くす…愚かなものだ。」

 

ヤプールは更に話した。 友好的でひ弱な宇宙人の子供に化ける事で庇護欲に訴えかけ、更に念の入った事に、自作自演で自らをバラバに襲わせる事でイージスを欺き、連れて行ってもらう事で相手基地に潜入しようという目論見だったのだ。

 

 

 全てはそう…ウルトラマンタイガを、仲間諸共抹殺するため!

 

 

 恐らくこのヤプールは、真達の世界で、『竜野櫂』が変身する『ウルトラマンゼロ』達に滅ぼされたヤプール(第16、17話参照)の残党が、マルチバースを超えてやって来たモノなのであろう。

 

 

 人間の良心を利用してウルトラマンを抹殺しようとしている事、そして、それにより愛紗が怪我をしてしまった事を知った真とひかるは怒りが湧いて来ており、それはイージスも同じであった。

 

 「何て下衆な奴らなんだ!」

 

 「関係ない人まで巻き込んで…怪我までさせるなんて!」

 

 

 「下衆だと? ファッ! 最っ高の褒め言葉だぜぇ~!」

 

 サイモン星人の子供の姿のヤプールは高笑いをしながら、愛紗を捕えたまま外に出始める。

 

 「待てッ!」

 

 先陣を切ったホマレを始め、一同も後を追うように外に出る。

 

 

 やがて外でヤプールと対峙する一同。 するとヤプールは、サイモン星人の子供から『巨大ヤプール』の姿に戻る!

 

 「ひゃっ!?」

 

 捕えられている愛紗を始め、その赤くトゲトゲした禍々しい容姿に驚愕する一同。ホマレはスタンガンとしての機能付きのトンファー、マグマ星人はサーベルを、それぞれ既に構えている。

 

 

 やがてヤプールは、天高く叫び始める。

 

 「出でよ!! 我がしもべ達よ!!」

 

 

 ヤプールの叫びと共に、青空がガラスのように音を立てて割れ、その中の異次元空間からベロクロン、バキシム、ドラゴリー、ガマス、ジャンボキングが現れ、激しい地響きと共に土砂を巻き上げながら着地する!

 

 

 「超獣ども! ウルトラマンタイガ及びその仲間達は、纏めてここにおる! この街諸共叩き潰してしまえー!!」

 

 更に驚愕する一同を他所に、ヤプールの指示を受けて超獣達は一斉に暴れ始め、街の人々は逃げ惑い始める!

 

 

 「そんな…。」 「マジかよ…!超獣があんなに!」

 

 ミサイルや火炎を噴射しながら暴れるベロクロンとバキシム、自慢の剛腕や、そこから発射するロケット弾でビル等を崩して行くドラゴリー、短槍や八方手裏剣などでビルを切り崩していくガマス、目からのレーザーや口からの火炎やミサイルなど、全身の武器をフルに活かして暴れるジャンボキング…。

 

 流石のヒロユキもタイガも、超獣の数に圧倒され始めていた…。

 

 

 「ふははははは!! どうだ!! これで貴様らは終わりだぜ!! この女の命が惜しけりゃあ、大人しく超獣どもの攻撃の前に塵になるんだな!! …あ、でもそうするとこの女も死ぬから、どっちみち助からねぇな~!! さぁどうだ!? 恐怖で言葉も出まい!?」

 

 既に、勝利宣言とばかりに高笑いをするヤプール。 恐らく恐怖で縮まっているであろう愛紗にも声を荒げる。

 

 

 人質を取られている以上、このままタイガ達はヤプールに敗れ、街も完全に破壊されてしまうのだろうか…!?

 

 

 …しかし、愛紗は思わぬ事を言った。 しかも笑顔で。

 

 「なーんだ、この程度の侵略か。」

 

 

 「んなっ!?」

 

 思わぬ発言に驚くヤプール。 愛紗は続けて言う。

 

 

 「残念だけどね、私は…いや、私達はさっき、もっと恐ろしい侵略者により、もっと恐ろしい目に遭って来たのよ。 ま、ウルトラマン達が助けてくれたけどね。」

 

 愛紗が言っているのは、ゼットン星人ゼボス率いる怪獣軍団との激闘の事である。

 

 「それに、今も私達には心強い味方が付いている…。 だから、それに比べたら貴方なんて…トゲトゲした気持ち悪いオッサンにしか見えないわ!」

 

 

 「んなっ!? …なんだと~!!??」

 

 

 愛紗の発言に動揺するヤプール。 その隙に颯爽とガイが現れ、ヤプールに蹴りをお見舞いし、それを受けたヤプールは愛紗を手放してしまい、即座に真が愛紗を助ける。

 

 

「お前ら立派だな。 ここは俺に任せろ。」

 

ガイは真達の強さを認め、ジャケットを着直した後、オーブリングにオーブオリジンのカードをリードしてオーブカリバーを召喚して手に持ち、カリバーホイールを回してトリガーを引いて上に挙げる!

 

「オーブ!!」

 

ガイは叫びと共に眩い光に包まれ、『ウルトラマンオーブ・オーブオリジン』へと巨大変身し、オーブカリバーを手に持ち超獣軍団に果敢に立ち向かう!

 

「銀河の光が、我を呼ぶ!!」

 

「おぉ!! オーブじゃねぇか!!」

 

フーマは思わぬオーブの登場に驚きと共に興奮する。

 

「あれは…!」 「見たことないウルトラマン!?」 「結構カッコいいかも?」 「あれが…フーマと同じ星のウルトラマン?」

 

真とひかる、愛紗が安心の表情になる中、イージスの面々は初めて見るオーブの姿に見入っていた。

 

 

 オーブは五体一という不利な状況ながらも、極力カリバーや自身の光線技や光輪などを活かした遠距離戦で超獣軍団に対応し、やがて接近して来たベロクロンやドラゴリーを、蹴りを交えつつのオーブカリバーでの斬撃で迎え撃つ!

 

 

 「大丈夫? 怪我は無い?」 「えぇ、ありがと。」 「おのれ~!」

 

 愛紗を気遣う真に襲い掛かろうとするヤプール。 すると今度は、ひかるがヤプールの腕を掴む。

 

 「ふんにゅ~!!」

 

 そして、何処か可愛らしい掛け声と共に背負い投げの要領でヤプールを放り投げて地面に叩き付けた!

 

 「おぉ~…お見事!」

 

 ひかるの思わぬパワーを目の当たりにしたピリカは、軽く拍手をする。

 

 

 「おぉ! あのお嬢さん、なかなかのパワーだな。」

 

 案の定、力自慢のタイタスも、ひかるの思わぬ腕力に驚きつつも感心していた。

 

 「なぁなぁ、旦那とあの子がバディゴーした方が強かったんじゃねーのか?」 「おぉ、それもそうかもしれないな。」

 

 フーマの軽口に同意しかけるタイタス。

 

 

 「でも、やっぱ俺たちの一番の相棒はヒロユキだ。」

 

 「そうだな。」 「異議なし!」

 

 「みんな…。」

 

 タイガの言葉にフーマもタイタスも同意し、ヒロユキは嬉しそうな表情になる。

 

 

 今度はホマレとマグマ星人がヤプールを相手し始め、高い格闘能力を発揮してパンチ、キック等で押して行き、やがてホマレが回し蹴りを打ち込んで後ろを向かせた所にそれぞれトンファーとサーベルでの一撃を叩き込んで吹っ飛ばす!

 

 

「おのれ〜人間ごときが何故ここまでの強さを!?」

 

お決まりの、追い詰められた悪役の見苦しい発言を放つヤプール。 ヒロユキは数本前に出て言った。

 

「人間の力を侮っていたな! 確かに、宇宙人や異次元人に比べたらひ弱かもしれない…。 でも、あらゆる苦難を、困難を、仲間と共に超えて行けば、貴様らに屈しない強さが手に入る!」

 

「何だと…!?」

 

「僕たち、ここにいるみんなは、これまで様々な困難や、辛い事に当たって来た…タイガ達も、闇の力に負けそうになった事があった…。 でも、それらを超えて来たからこそ、その時よりも大きな我(じぶん)になっている…だから、お前みたいな奴には絶対負けない!!」

 

 

鋭い視線で指を差して自分達の強さを断言したヒロユキ。 その時、ある“伝説の戦士”が舞い降りる!

 

 

「その通りだ! ヤプール!」

 

「…この声は…!?」

 

聞き覚えのある声が響いてタイガがそれに反応したその時、上空から太陽のように光り輝く光球が降りて来る。

 

 

「…この輝きは…!」

 

タイガを始め、一同がその神秘的な輝きに見入っている間にも、その光球は更に光り輝き、やがてその中から光の戦士が現れる!

 

 

 (BGM:愛の戦士タロウ)

 

 

「父さん!」

 

「タロウさん!」

 

タイガとオーブが驚く視線の先で、パーにした右手を挙げて現れたのは、ヤプールを追ってやって来たウルトラマンタロウだ!

 

 

「あれが、タイガのお父さん?」

 

「あぁ、まさか、ヤプールを追ってここに来たのか?」

 

ヒロユキやタイガを始め、一同は登場したタロウを見上げる。

 

「あれは確か…ウルトラマンタロウ。」

 

「あのウルトラ兄弟の?」

 

「なんか…感激。」

 

「ウルトラマン…。」

 

「タロウ…。」

 

「カッコいいじゃん!」

 

「確か、レオの先輩か?」

 

「そうらしいですねぇ…。」

 

真、ひかる、愛紗、カナ、ホマレ、ピリカ、マグマ星人、マーキンド星人と順に呟く。

 

 

「ヤプール!襲うタイミングを誤ったな! 今やタイガも、仲間達も強くなっている! お前のような邪悪な存在に負けるはずが無い!」

 

タロウは、ヤプールに啖呵を切った後、ポーズを取り、オーブと共に超獣軍団に立ち向かう!

 

 

 タロウは素早い身のこなしから繰り出すパンチ、キックなどの格闘戦でバキシム、ジャンボキングと戦い、オーブは、引き続き主に遠距離戦に持ち込んでベロクロン、ドラゴリー、ガマス戦う。

 

タロウとオーブ。 どちらも歴戦の勇者だけあって、超獣が二体以上相手でも遅れを取らず、互角の戦いを展開している。

 

 

 (BGM終了)

 

 

父の言葉を聞き、戦う父の背中を見たタイガは、嬉しい気持ちになると同時に勇気が湧いて来る。

 

例え違う世界で離れていても、父は常に自分の事を思っていた…。 その時点で自分は一人では無かったし、そのお陰もあって苦難を超えて来れたのだと…。

 

 

「我らは1つ! その力の拳が、邪悪な侵略者を砕く!」

 

「ぶっちぎろうぜ! 勝利と言う、煌めく未来へダッシュだ!」

 

「行こう! ヒロユキ! 大きな我(じぶん)になって、強くなった俺達の強さを、見せてやろうぜ!」

 

タイタス、フーマ、そしてタイガと順に前向きな言葉を掛け、やがてヒロユキにも完全に勇気が満ちる!

 

「あぁ! 行こう…仲間と共に…そして、父と共に!」

 

 

 「生まれた星は違っていても!」

 

 「共に進む場所は一つ!」

 

 「永遠の絆と共に!」

 

 「我ら四人!」

 

 「「「「トライスクワッド!!」」」」

 

 フーマ、タイタス、タイガ、ヒロユキ、そして全員と順に分ける形で、トライスクワッド誓いの言葉を叫ぶ4人。 今こそ変身の時である!

 

 

「そうはさせんぞ! こうなったら…!」

 

ヤプールはそう言うと、赤黒いオーラのようなエネルギー体になり、5つに分かれて各超獣に入り込む!

 

怨念体になって直接超獣に入り込み、自ら操るつもりである!

 

 

「超獣どもと共に、貴様らを捻り潰してやるわ!!」

 

 

ヤプールの叫びと共に、ガマスはタロウやオーブの攻撃を撒菱、煙幕などで振り切り、イージスや真達を潰そうと向かい始める!

 

「ここは逃げるぞ!」

 

ホマレの合図で、ヒロユキ以外のみんなは安全な場所へと逃げ始める。

 

既にガマスは、口からの吹き矢で攻撃を始めていた!

 

 

「行くぜ!相棒!!」

 

 

《カモン!》

 

 

遂に変身を決意したヒロユキは、掛け声と共に右腕のガントレット状のアイテム『タイガスパーク』のレバーをスライドさせて起動させ、そして腰に付けた『ウルトラマンタイガホルダー』から『ウルトラマンフーマキーホルダー』を取り出す!

 

 

「風の覇者、フーマ!!」

 

 

ヒロユキは二つ名を叫ぶと、フーマキーホルダーをタイガスパークを付けた右腕に持ち替える事でリードし、スパークのクリスタル“バディスフィア”が青に発光する事でフーマの力が解放される。

 

 

「バディー…ゴー!!」

 

 

ヒロユキは掛け声と共に大きく振りかぶった後に右腕を高く挙げ、青い眩い光に包まれる。

 

 

《ウルトラマンフーマ!》

 

 

「セイヤッ!!」

 

 

そしてウルトラマンフーマに変身(バディゴー)が完了し、フーマは光の中から左腕を突き出して飛び出す!

 

 

一方、愛紗は痛手を負っている事もあり、転んで逃げ遅れてしまう!

 

「はっ、愛紗ちゃん!」

 

ひかるが手を伸ばすも間に合わず、無情にもガマスに宿っているヤプールはそれに気付くや指示を出す!

 

「まずは俺様に生意気な口を叩いた、あの小娘を狙え!!」

 

ヤプールの指示を受けたガマスは、倒れている愛紗目掛けて八方手裏剣を放つ!

 

愛紗が諦めかけ、目をつぶって顔を背けたその時!

 

 

「極星、光波手裏剣!!」

 

 

現れたフーマが超スピードで愛紗の前に回り込み、左手をバディスフィアに当ててスライドさせて生成した光の手裏剣『極星光波手裏剣』を投げつけて八方手裏剣を相殺し、更にそれにより発生した爆風から愛紗を守るために彼女の前に右手を立てる。

 

 

爆風が落ち着き、愛紗がそっと顔を上げると、そこには自身を見下ろしながら安否を確認するフーマの姿があった。

 

 

「大丈夫かい? 姉ちゃん。」

 

「ぁ…はい。」

 

「下がってな。」

 

「はい…。」

 

フーマに促された愛紗は、何故か頬を赤らめながら安全な場所へ。

 

 

「大丈夫?愛紗ちゃん。」

 

「うん。 ありがとう。」

 

心配してくれたひかるにお礼を言った愛紗は、皆と共にウルトラマンの戦いを見守り始める。

 

 

 (BGM:覇道を往く風の如し)

 

 

「俺の名はフーマ! 銀河の風と共に参上!!」

 

 

フーマは決め台詞と共に構えを取り、ガマスはそれに向かって吹き矢や八方手裏剣で攻撃を仕掛ける!

 

「疾風怒濤! ぶっちぎるぜぇ!!」

 

フーマはそう叫ぶと、残像を残す程の目にも留まらぬ速さでガマスの飛び道具をかわしながら周囲を飛び回り、逆に光の手裏剣を打ち込んでダメージを与えて行く。

 

だが、ガマスもやられてばかりではなく、煙幕による移動、八方手裏剣などでの相殺などをしてフーマの攻撃に対応して行く。

 

その間にベロクロンとバキシムが火炎を噴射して加勢するが、フーマはそれを避けるどころか両腕を下げ、真正面から受け止めながら突撃し、そのまま体当たりを叩き込んで二体纏めて吹っ飛ばす!

 

そしてスライディングしながら着地すると、短槍を持ったガマスに対抗して右手のタイガスパークから蛇腹状の光の剣『スラッシュソード』を形成して挑む!

 

両者は、火花を散らしながら目にも留まらぬ互角な剣戟を繰り広げており、その様子は正に激しく吹きつける2つの風がぶつかり合っているようである。

 

 

 両者の剣戟が互角かに見えたが、フーマは一瞬の隙を突かれ、ガマス短槍での一突きを腹部に受けてしまう!

 

 “ザブシュッ”

 

 「ぐぉあぁぁっ!!」

 

 (BGMが一旦止まる)

 

 

 「ひゃっ!!」

 

 悲鳴を上げる愛紗を始め、腹部を貫かれて動きを止めたフーマに驚き、不安になって行く一同…。

 

 フーマはガマスにやられてしまったのであろうか…?

 

 

 …だが次の瞬間、フーマの体は煙と共に姿を消し、ガマスは驚きと共に辺りを見渡す。

 

 

 「残念だったな!」

 

 

 そして、フーマは無傷だったどころか、いつの間にかガマスの後ろに回り込んでいた!

 

 

 フーマは、ガマスに短槍を突き立てられる直前に『神速残像』を発動して自身の残像を作り出し、致命傷を受けたかのように見せかけて幻惑したのである!

 

 

 (BGM再開)

 

 

 ガマスは驚きながらも振り向き、再び短槍を突き立てようとするが、フーマは即座に回し蹴りで短槍を蹴り落とし、続けて跳躍しての左回し蹴りを頭部に打ち込む。

 

「ストライクスマッシュ!!」

 

更にフーマは、タイガスパークから形成した光エネルギーを右脚に纏っての回し蹴り『ストライクスマッシュ』を放ち、それを頭部に受けたガマスは大きく吹っ飛び地面に落下する。

 

「兄ちゃん! そろそろ決めようぜ!」 「おぅ!」

 

フーマの呼びかけにヒロユキは答えた。

 

 

《カモン!》

 

ガマスが怯んだ隙に、ヒロユキは再度タイガスパークのレバーをスライドして起動させる。

 

そして、立てた左手の肘から先の手首に、『ウルトラマンギンガ』の力を秘めた、ギンガの頭部とカラータイマーを模したブレスレット『ギンガレット』が装着される。

 

《ギンガレット! コネクトオン!》

 

ヒロユキは両腕を前方に伸ばす形でギンガレットにタイガスパークをかざしてリードして力を解放する。

 

 

そして、フーマはギンガのビジョンと重なった後、敵にピースマークを向けて宣言する!

 

 

「これはピースマークじゃねぇぞ! お前はあと2秒で終わりだ!!」

 

 

…そう、これはただのピースマークではなく、相手の残りの秒数を表していた!

 

 

逆上したガマスはフーマ目掛けて八方手裏剣を放つ。

 

「七星光波手裏剣!!」

 

フーマは超スピードでそれをかわしてガマスの後ろに回り込むと同時に、七色に輝く光の手裏剣『七星光波手裏剣』を投げつける!

 

…それは正に、フーマの宣言通り、僅か2秒での出来事だった!

 

光の手裏剣で斬り裂かれたガマスは大爆発して砕け散り、それと同時にフーマは左手を背中に置いた状態で着地する。

 

「っしゃあっ! 一丁上がりぃ!!」

 

 

 (BGM終了)

 

 

「かっこいい〜!」

 

愛紗は頬を赤らめて無邪気にそう言いながら、両手をハート型にする。

 

…間違いない。 彼女、すっかりフーマに惚れてしまっている。

 

 

 「フーマ、いいよな。」

 

 「はい!」

 

 同じくフーマが推しなホマレの言葉に、愛紗は元気よく返事をした。

 

 

 最も、同じフーマが“好き”でもそれぞれホマレは“LIKE”、愛紗は“LOVE”という意味なのだが(笑)

 

 

ガマスを撃破したフーマに、今度はベロクロン、バキシム、ドラゴリーが襲い掛かる!

 

巨体を振るわせて襲い掛かる三体の攻撃をフーマは素早くかわしながら言った。

 

「旦那! 力でぶちのめしてやれ!」

 

「分かった!」

 

 

《カモン!》

 

 

ヒロユキは再度タイガスパークを起動し、次は『ウルトラマンタイタスキーホルダー』を取り出す。

 

 

「力の賢者、タイタス!!」

 

 

ヒロユキは二つ名を叫び、タイタスキーホルダーを右手に持ち替える事でタイガスパークでリードしてタイタスの力を解放する。

 

 

「バディー…ゴー!!」

 

 

ヒロユキは掛け声と共に大きく振りかぶって右腕を高く挙げ、黄色い眩い光に包まれる。

 

 

《ウルトラマンタイタス!》

 

 

「フンッ!」

 

 

そしてウルトラマンタイタスに変身(バディゴー)が完了し、タイタスは光の中からガッツポーズの体勢で飛び出す!

 

 

(BGM:WISE MAN'S PUNCH)

 

 

「タ! イ! タス!!」

 

現れたタイタスは、登場して早々、三段階でボディビルダーのポーズを決めて気合いを入れる!

 

 

「「キレてるよ〜!!」」

 

それを見たピリカとひかるは、思わず笑顔で声援を飛ばす。

 

ピリカは元々トライスクワッドだとタイタスが推しのウルトラマンであり、馬鹿力のひかるも、その筋肉を見て、早速タイタスが気に入り始めたのであろう。

 

 

ベロクロンとバキシムは、タイタス目掛けてミサイルを発射して行くが、タイタスはそれらを避けるどころか、体の自慢の筋肉で弾き返しながら接近して行く。

 

「オォォラァァァ!!」

 

そして、接近すると同時にダブルラリアットを繰り出して二体纏めて叩きつけた!

 

 

次はドラゴリーがタイタスに襲い掛かり、両者は互いに手と手を掴んで組み合い、そのまま力比べを始める。

 

ドラゴリーはかつて、『巨大魚怪獣ムルチ(2代目)』の体をバラバラに引き裂いた事がある程の怪力の持ち主であり、力比べでもタイタスに負けてなかったが、それでもタイタスは賢者の精神で動じる事は無い。

 

 

「なかなかのパワーだな…しかし!」

 

そう言ってタイタスは、ドラゴリーの腹部に膝蹴りを叩き込んで後退させる事で一旦引き離す。

 

 

「賢者の拳は、全てを砕く!!」

 

タイタスはそう言って構えると、ドラゴリー目掛けて駆け始める!

 

 

タイタスのショルダータックルとドラゴリーのボディアタックがぶつかり合い、その後タイタスはドラゴリーの右フックを左腕で受け止めて右拳で叩き落とした後、胸部に右腕のチョップ、左拳のパンチを続けて打ち込み、ドラゴリーの頭突きを両腕をクロスして受け止めてそのまま押し飛ばした後、頭部に右フックを叩き込む。

 

そしてドラゴリーが前屈みになった所で右腕でヘッドロックを掛けると、そのままプロレスラーの如く左腕を曲げてポーズを取る。

 

「はいっ!」

 

振りほどこうともがくドラゴリーを他所に、掛け声と共にポーズを決めた後、首筋に右拳を打ち込み、左拳で頭部にアッパーを叩き込んで突き上げる。

 

 「マッスル! マッスル! スーパーマッスル!」

 

 更にタイタスは、謎の掛け声を上げながらドラゴリーの胸部にパンチ2発を打ち、そして1回転しての強力な一撃を叩き込んで吹っ飛ばした。

 

 

 力勝負では一枚上手であったタイタス。 ドラゴリーは体勢を立て直すと、タイタス目掛けて口から赤黒い稲妻状の光線を放つ!

 

 「星の一閃! アストロビーム!!」

 

 タイタスは即座に、ボディビルダーのようなポーズで、額のアストロスポットから星型のエフェクトが連続している黄色いビーム『アストロビーム』を放ち、二つの光線はぶつかり合って大爆発が起こる!

 

 

 「マアアァァッスルッッッ!!」

 

 タイタスは爆発で起こった煙の中から走って現れ、そのままドラゴリーに接近し、緑色のエネルギーを纏った右拳での渾身のパンチ技『ワイズマンフィスト』を胸部に叩き込み、ドラゴリーは喰らった部位が爆発し火花を散らすと同時に、大きく吹っ飛んで地面に落下する。

 

 

 「すご~い!!」

 

 タイタスの戦いを見ていたひかるは、大柄な体からは想像もつかない程、嬉しそうに軽く飛び跳ねながら拍手をしている。

 

 彼女は同じ力持ちとして完全にタイタスが気に入ったみたいである。

 

 

 タイタスの豪快な格闘技の連続に弱ったドラゴリー。 今こそトドメだ!

 

 「強烈な一撃をぶち込むぞ!」

 

 タイタスはそう言いながら、左腕を曲げ、右腕を斜め上に伸ばすポーズを取る。

 

 

 《カモン!》

 

 ヒロユキは再度タイガスパークを起動し、左腕の手首に今度は『ウルトラマンジード』の力を秘めた、ジードの頭部とカラータイマーを模したブレスレット『ジードレット』が装着される。

 

 《ジードレット! コネクトオン!》

 

 ヒロユキはタイガスパークでジードレットをリードして力を解放し、それによりタイタスはジードのビジョンと重なる。

 

 

 タイタスは、ボディビルのポージングをしながらバディスフィアから紫に輝く光球を生成する。

 

 「レッキングバスター!!」

 

 そして、技名を叫ぶと共に、右手のパンチで光球を打ち出す!

 

 光球の直撃を受けたドラゴリーは、胴体に大きな風穴が出来た後、そのまま大爆発して砕け散り、タイタスはその爆発を前に勝利のボディビルのポージングを取る。

 

 

 (BGM終了)

 

 

ガマス、ドラゴリーと続けて撃破された超獣軍団だが、尚も怯まずに、ヤプールの意のままにウルトラマン達に襲い掛かる。

 

「タロウさん、そしてその息子さんが一緒なら、俺はこれで行くぜ!」

 

《ウルトラマンオーブ! バーンマイト!》

 

オーブは、タロウと『ウルトラマンメビウス』のビジョンと重なりながら炎のような光に包まれ、やがてそれが消滅して姿を現わすと同時に『ウルトラマンオーブ・バーンマイト』へと変身(フュージョンアップ)が完了する!

 

「紅に、燃えるぜっ!!」

 

オーブは口上と共にポーズを決めた後、タロウと共にジャンボキングに挑む!

 

ジャンボキングは、それぞれ前後の体でタロウとオーブの相手をし、前半身はタロウと互角な格闘戦を展開し、やがて至近距離で目から破壊光線を放ち、タロウは即座に『タロウバリヤー』を張ってそれを防ぐ。

 

後半身は、オーブ目掛けて触角からサークルイエロー光線を放ち、オーブはそれをメビウスの『メビウスディフェンサークル』に似た光のバリヤー『ストビュームディフェンダー』で防いだ後、跳躍して全半身と後半身の間に跨り、そのまま後半身にパンチを連打して行く。

 

 

 尚も超獣軍団と激闘を繰り広げるウルトラ戦士達。 街の人々(+宇宙人)も、気が付けばウルトラマンに声援を送り始めていた。

 

 

タイタスがベロクロンとバキシムの二体を相手に互角に戦う中、タイガは改めて決心してヒロユキに呼びかける。

 

「父さん達も頑張ってくれているんだ…。 俺達も、そんは父さんに見せてやろうぜ! 俺達の強さを!」

 

「あぁ! 行くぞタイガ!!」

 

 

《カモン!》

 

 

ヒロユキはタイガスパークを再度起動し、『ウルトラマンタイガキーホルダー』を取り出す。

 

 

「光の勇者、タイガ!!」

 

 

そして二つ名を叫ぶと、タイガキーホルダーを右手に持ち替える事でタイガスパークでリードし、バディスフィアが赤に発光する事でタイガの力が解放される。

 

 

「バディー…ゴー!!」

 

 

ヒロユキは掛け声と共に大きく振りかぶって右腕を高く挙げ、赤の眩い光に包まれる。

 

 

《ウルトラマンタイガ!》

 

 

「シュアッ!!」

 

 

そしてウルトラマンタイガに変身(バディゴー)が完了し、タイガは光の中から父タロウよろしく、パーにした右手を突き出して飛び出す!

 

 

(BGM:超勇者BUDDY GO!)

 

 

登場したタイガはそのまま空高く飛び立ち、ベロクロンとバキシムはそれを撃ち落そうとミサイルを連射して行く。

 

「スワローバレット!!」 「ハンドビーム!!」

 

タイガは迫り来る無数のミサイルを、上空を飛び回りながらかわしつつ、腕を十字に組んでタイガスパークから放つ光弾『スワローバレット』や、突き出した両手の先から連続で放つ光弾『ハンドビーム』などで相殺して行く!

 

 

 《カモン!》

 

 

 再度タイガスパークを起動させたヒロユキは、今度は左の拳を突き出し、中指に『最凶獣ヘルべロス』の力を宿した、ヘルべロスの頭部を模した怪獣リング『ヘルべロスリング』が装着される。

 

 怪獣リング。 それは本来、トレギアがタイガを闇に落とすために仕組んだ物であり、かつてヘルべロスを始め、様々な怪獣リングをその怪獣を倒す度に手に入れていたタイガは、知らずにそれを乱用した事により一度闇に落ちた事がある。

 

 だが、仲間との絆(←トレギアが最も嫌うモノ)で光を取り戻して以降は、闇を克服した故か問題なく使えるようになっている。

 

 

 《ヘルべロスリング! エンゲージ!》

 

 ヒロユキは、左拳に右手をかざす事でリングをスパークでリードし、ヘルべロスの力を解放する。

 

 

 「ヘルスラッシュ!!」

 

 タイガは、両腕に生成したヘルべロスの技でもある二本のカッター状のエネルギー波『ヘルスラッシュ』を飛ばし、それを受けたバキシムはダウンする。

 

 

 タイガは空中で素早くムーンサルトスピンを決めた後、右足にエネルギーを集中させて急降下し、強烈な跳び蹴り『タイガキック』を放ち、それを胸部に受けたベロクロンは吹っ飛ぶ。

 

 

 タイガは着地してポーズを取った後、ベロクロン向かって駆け寄ると同時に跳躍しての右脚蹴りを胸部に打ち込み、続けて頭部に右フック、腹部に後ろ回し蹴りを打ち込んで後退させる。

 

 ベロクロンも負けじと両腕を振るって殴り掛かるが、タイガはそれらを素早く往なした後、ベロクロンにヘッドロックを決め、そのままジャンプして落下スピードを利用して地面に叩き付ける。

 

 次にタイガはベロクロンの頭部を掴んで起き上らせ、アッパーで頭部を打ち上げた後、腹部に連続パンチを打ち込んだ後、両足のドロップキックを叩き込んで吹っ飛ばした!

 

 

 ベロクロンはふらつきながらも起き上がると、大きく開けた口からそこからミサイルを発射しようとする。

 

 「させるか!!」

 

 タイガはそう叫ぶと、再度腕を十字に組んでスワローバレットを一発放ち、見事ベロクロンの口内を打ち抜く!

 

 ミサイル攻撃を封じられたと同時に弱点を攻撃されたベロクロンは動きが止まる。 今こそトドメだ!

 

 

 「行くぞヒロユキ!」

 

 《カモン!》

 

 タイガの呼びかけを受け、再度タイガスパークを起動させたヒロユキの左手首に、今度はウルトラマンオーブの力を秘めた、オーブの頭部とカラータイマーを模したブレスレット『オーブレット』が装着される。

 

 《オーブレット! コネクトオン!》

 

 ヒロユキはタイガスパークでオーブレットをリードして力を解放し、それによりタイガはオーブのビジョンと重なる。

 

そして、父・タロウの必殺光線『ストリウム光線』と似た予備動作で、体を虹色に輝かせながらエネルギーを溜める。

 

「スプリーム、ブラスター!!」

 

タイガは右腕のタイガスパークが正面に来る形で腕をT字に組み、前方にO-50の光の輪っかに似たリング状の光を発生させながら、自身の必殺技『ストリウムブラスター』をオーブの力で強化した必殺光線『スプリームブラスター』を放つ!

 

光線の直撃を受けたベロクロンはその場で大爆発して砕け散った…。

 

 

ベロクロンを撃破したタイガ。しかしそれも束の間、今度は息を吹き返したバキシムが襲い掛かる!

 

 

「どんどん行くぞ!」

 

ヒロユキの気合の声と共に、タイガキーホルダーは発光し、やがてタイガキーホルダーと地球の力が融合した『フォトンアースキーホルダー』へと変化する。

 

 

《カモン!》

 

 

《アース! シャイン!》

 

 

再度タイガスパークを起動させたヒロユキはフォトンアースキーホルダーを取り出し、スパークでダブルリードした後前に突き出す。

 

 

「輝きの力を手に!!」

 

 

ヒロユキは掛け声と共にフォトンアースキーホルダーを右手に持ち替え、それによりキーホルダーの先端が左右に展開して力が解放され、タイガの身体へ脚から順に黄金の鎧が装着されて行き、最後にウルトラホーンが大型化し金色になる!

 

 

「バディー…ゴー!!」

 

 

ヒロユキは掛け声と共に大きく振りかぶって右腕を高く挙げ、金色の眩い光に包まれる!

 

 

《ウルトラマンタイガ! フォトンアース!》

 

 

 「シュアッ!!」

 

 

 タイガは、太古から地球に眠っていた神秘の力で、黄金の鎧を全身に纏った荘厳な姿が特徴の“大地天空の勇者”の二つ名を持つ強化形態『ウルトラマンタイガ・フォトンアース』へと転身が完了し、光の中から一旦左腕を挙げた状態から右腕に挙げ直すポーズで飛び出す!

 

 

 現れたタイガ・フォトンアースはポーズを取った後、襲い掛かって来るバキシムに正面から向かって行く!

 

 バキシムはタイガ目掛けて鼻や両手からのミサイルを連射するが、タイガはそれらを頑丈な鎧やチョップなどで弾き返しながら向かって行き、やがて接近すると同時に一回転してのパンチを胸部に打ち込む。

 

 続けてタイガはバキシムの左フックを右腕で受け止めてそのまま左拳のパンチを腹部に打ち込み、更にバキシムが振り下ろして来た頭部を、頭部の一本角と掴む事で受け止め、右膝を顔面に打ち込む事で突き上げる。

 

 更に胸部に連続でパンチを打ち込んだ後、下顎にアッパーパンチ、頭部に右フックを打ち込み、そして跳躍して両足のドロップキックを胸部に叩き込んで吹っ飛ばした!

 

 

 立ち上がったバキシムは、接近戦では不利と見たのか、ミサイルでもある頭部の一本角をタイガ目掛けて発射し、タイガはその直撃を受けて爆発する!

 

 …しかし、黄金の頑丈な鎧で耐え切ったタイガは煙の中から現れてバキシムに駆け寄り、バキシムの巨体を掴み、そのまま力一杯放り投げて地面に叩き付けた!

 

 

 「オーラム、ストリウム!!」

 

 タイガは、両腕を引き絞るポーズでオーロラを背に大気中の光エネルギーを体内に吸収した後、腕をT字に組んで黄金の必殺光線『オーラムストリウム』を放つ!

 

 光線の直撃を受けたバキシムは、大爆発して黄金の粒子と共に跡形も無く消し飛んだ!

 

 

 (BGM終了)

 

 

 「流石は私の息子だ。」

 

 ジャンボキングと戦いながらタイガの戦いを見ていたタロウは、息子の成長ぶりに、やや親バカとも取れるようなコメントをする。

 

 

 その隙にジャンボキングは接近するが、タロウは即座にそれをジャンプして避け、そのまま空中でムーンサルトスピンを繰り返した後、急降下して放つ蹴り技『スワローキック』を繰り出し、ジャンボキングの頭部に叩き込む!

 

 更にジャンボキングが怯んだ隙に、背後からオーブ・バーンマイトが足先に炎を纏ってスライディングする形で蹴り技『ストビュームフット』を繰り出し、それを後半身から前半身にかけて受けたジャンボキングは体勢が崩れ始める。

 

 そして並び立ったタロウとオーブは、同時に前蹴りをジャンボキングに叩き込んで吹っ飛ばした!

 

 

 歴戦の勇者2人が最強超獣を相手している間、それ以外の超獣を撃破されたヤプールは、遂に今回の切り札を呼び出す!

 

 「出でよバラバ! そして、タイガキラー!!」

 

 ヤプールの叫びと共に再度青空が割れて現れた異次元空間から、バラバ、そしてタイガキラーが現れる!

 

 

 「あれね! さっき愛紗ちゃんを怪我させたのは!」

 

 ひかるはバラバの姿を見て、一瞬で先程の出来事の犯人である事を見抜いた。

 

 

 「タイガ…キラーだと!?」

 

 思わぬ敵の名前に驚きながらも構えを取るタイガ・フォトンアースに、2体は襲い掛かる!

 

 タイガはタイガキラーの走りながらの上段回し蹴りをしゃがんでかわし、続けてバラバの鉄球の殴り込みを両腕で防いだ後胸部に右肘を打ち込んで後退させ、その後もタイガキラーの素早い身のこなしから繰り出す格闘技や、バラバの鉄球や鎌による攻撃をかわしたり防いだりしつつ、互角に戦って行く。

 

 

 すると、2体と戦うタイガに、ヤプールは言い放った。

 

 「フハハハハ! そのタイガキラーは、貴様らがトレギアと言う奴に敗れたあの時、私の一部が密かに貴様らかが放ったエネルギーの一部を回収し、それを元にエースキラーを改造したタイガ抹殺用の兵器だ!! 貴様らはヤプールの怨念パワー、そして、己の持っている技で、敗れる事になるのだ!」

 

 

 またしても勝利宣言のように高笑うヤプール…。 しかし、タイガ達の返答は、ヤプールの予想と大きく違った。

 

 「…フフッ…フッハハハハハ! 何がタイガキラーだ! 笑わせるな!」 「なぁにぃ~!?」

 

 フーマの言葉に苛立ちを見せ始めるヤプール。 続けてタイタスが言った。

 

 「どうやら貴様は襲うタイミングだけでなく、力を調べるタイミングも間違えたみたいだな!」

 

 そして、タイガが続く。

 

 「俺達は、あれからヒロユキや色んな人たちと出会い、その仲間達と様々な困難を超えて来た…! 即ち、あの時よりも、確実に強くなっているんだ!!」

 

 現にタイガは、2体相手でも一撃も受ける事無く互角に戦えている。

 

 タイガは、同時に組み合っていたバラバとタイガキラーを一旦押し飛ばす事で距離を取る。

 

 

 「今こそ見せてやろう…僕ら4人の力を!!」

 

 ヒロユキの掛け声を合図に、彼らは最後の変身に入る!

 

 

 「タイガ!トライブレード!!」

 

 

 ヒロユキは叫びと共に、燃え上がる聖火のような炎の剣『タイガトライブレード』を手に取り、下部のスイッチを押す。

 

 

 「燃え上がれ! 仲間と共に!!」

 

 

 次にヒロユキは口上を上げた後、回転盤“バーニングホイール”を回し、それにより剣身に炎が迸り、エネルギーが充填されると共に切っ先のクリスタルが発光する。

 

 

 「「「「バディー…ゴー!!」」」」

 

 

 そしてタイガ、タイタス、フーマと共に、彼らのビジョンと重なりながら掛け声と共にブレードを天に揚げてトリガーを引く!

 

 

 ブレードから放たれた赤、黄、青の三色の光が光のオーロラに変わり、その中から青い吹雪をバックにフーマ、無数の光球をバックにタイタス、そして三色の光が渦巻くエフェクトをバックにタイガのポーズを取りながら、燃え盛る炎のようなボディライン、プロテクター、ウルトラホーンが特徴の、ヒロユキを含めたトライスクワッドのメンバーが合身した最強形態『ウルトラマンタイガ・トライストリウム』が飛び出す!

 

 

 「セイヤッ!!」 「フンッ!!」 「シュアッ!!」

 

 

 (BGM:Buddy,steady,go!(full))

 

 

 「俺は、ウルトラマンタイガ! トライストリウム!!」

 

 

 街の人々、そして真達の歓声も最高潮になる中、現れたタイガ・トライストリウムはタイガトライブレードを手に敵目掛けて駆け始める!

 

 

 タイガは、殴りかかって来たバラバの鉄球を蹴りで撥ね返し、一回転しながらすれ違いざまにブレードの一撃を叩き込む。

 

 その後、タイガキラーの背後からの鉤爪を背を向けたままブレードで受け止めると、振り向き様に左右斜め、横一直線と斬撃を三発決め、次にタイガキラーが放った蹴りをブレードで防いだ後、下から斜めに振り上げる斬撃を叩き込み、そのまま一回転しての回し蹴りを右脇腹に叩き込んで吹っ飛ばした!

 

 

 バラバは背後から左手の鎌で斬りかかるが、タイガはそれを背を向けたまま左手持ちのブレードで防ぎ、そのまま右肘を腹部、裏拳を顔面に打ち込んで後退させ、更に後ろ蹴りを腹部に打ち込んだ後、振り向きざまにブレードを振り下ろして強力な一撃を叩き込んだ!

 

 

 タイガトライブレードでの攻撃が決まる度に、その部位から小さな爆発と共に火花が飛び散る。

 

 

 バラバは遠距離からの攻撃に切り替え、頭部の剣をタイガ目掛けて発射する!

 

 しかしタイガはそれを避けるどころか、正面からブレードで受け止めて力ずくで振り飛ばし、剣は地面に刺さった。

 

 

 バラバは今度は鉄球の先端を鞭のように伸ばして捕えようとするが、タイガはそれを敢えてブレードに絡み付かせ、そのままぐるぐると剣身に巻き付けながらバラバに接近し、やがてブレードを勢いよく振るう事で鞭を引き千切って投げ捨てた後、渾身の一撃でバラバの右手の鉄球を斬り落とし、更にブレードの先端を突き立てる一撃を胸部に叩き込んで吹っ飛ばした!

 

 

 バラバが怯んだ隙にタイガは必殺技の体勢に入る。

 

 「トライスクワッド!!」

 

 ヒロユキはブレードのスイッチを四回押した後、同じくタイガトライブレードを構えるトライストリウムのビジョンと共に回転盤を回しエネルギーを充填した後トリガーを引く。

 

 そしてタイガは、ブレードを三色の光を放ちながら三回スイングした後、剣先から赤・黄・青の三色に燃え盛る螺旋状の必殺光線『トライストリウムバースト』を放つ!

 

 「「「「トライストリウムバースト!!」」」」

 

 光線の直撃を受けたバラバは、断末魔の悲鳴を上げた後、大爆発して消滅した!

 

 

 バラバを撃破したタイガ・トライストリウムは、再度ブレードを構えてタイガキラーに挑む!

 

 

 一方、ジャンボキングと戦っているタロウとオーブは、ジャンボキングの火炎、ミサイル、レーザーの一斉砲火にも怯まず、それらを回避しながらジャンボキングに接近し、オーブはすれ違いざまに炎を纏ったパンチ『ストビュームナックル』を顔面に叩き込み、その後タロウは腹部にボクシングの様に連続パンチを打ち込んだ後、顔面にストレートパンチを打ち込み、更に跳躍して横蹴りを叩き込んで吹きっ飛ばした!

 

 

 タイガ・トライストリウム対タイガキラーの戦いは、仲間と一つになっているタイガが優勢であり、タイガキラーの荒々しい動きの攻撃をブレードで往なして行った後、後ろ回し蹴りを胸部に打ち込んで後退させる。

 

 

 体勢を立て直したタイガキラーは、遂にタイガ達の必殺技を使い始める!

 

 「極星光波手裏剣!」

 

 ヤプールの声と共に、タイガキラーはフーマの必殺技・極星光波手裏剣を投げつける!

 

 

 「「風真烈火斬!!」」

 

 タイガはそれを横に跳んで避けると同時にフーマの力を発動し、刀身に蒼い風を纏ったブレードを逆手に持って振るい、蒼い炎を纏った巨大な光輪『風真烈火斬』を放つ!

 

 巨大な光輪が直撃して体を斬られたタイガキラーは吹っ飛んで地面に落下する。

 

 

 「プラニウムバスター!」

 

 跳ね起きで立ち上がったタイガキラーは、次はタイタスの必殺技・プラニウムバスターを放つ!

 

 

 「「タイタスバーニングハンマー!!」」

 

 タイガは敵の放った光球をブレードで受け止め、そのままタイタスの力を発動し、剣先に黄金の光球を発生させて、ハンマー投げの要領で投げつける『タイタスバーニングハンマー』を放つ!

 

 偽の光球を上乗せした黄金の光球は、タイガキラーに突っ込んで直撃し、大きく吹っ飛ばす!

 

 

 「ストリウムブラスター!」

 

 流石に僅かにふらついて来たタイガキラー。 今度はタイガの必殺技・ストリウムブラスターを放つ!

 

 

 「「タイガブラストアタック!!」」

 

 タイガは今度はタイガの力を発動し、刀身を左手で撫でる事で炎を纏ったブレードを突き出しながら全身にも炎を纏って突撃する『タイガブラストアタック』を放つ!

 

 炎を纏ってブレードを突き出しているタイガは、偽の必殺光線を切り飛ばしながら突撃し、やがてその直撃を受けたタイガキラーは大きく吹っ飛び、地面に落下して転がる。

 

 

 「馬鹿な!…完璧にコピーした貴様らの技を、それ以上の力で打ち消すとは…!」

 

 タイガキラーに宿っているヤプールは、悔しそうな声を上げる。

 

 

 「どれだけ表面をコピー出来ても、仲間との絆がある俺達は、侵略しか考えない貴様らとはワケが違うんだ!」

 

 自分達の強さの意味を叫ぶタイガ。 そこにジャンボキングが背後から迫る!

 

 タイガは即座にブレードで噛み付きを防ぎ、蹴りを腹部に打ち込んで後退させた後、ブレードによる乱れ斬りを打ち込む!

 

 更に強力な一撃を、タロウのキック、オーブのパンチと同時に叩き込んでジャンボキングを吹っ飛ばした!

 

 

 《カモン!》

 

 タイガスパークを起動させたヒロユキは左手首に、かつて共に戦ったゼロに授けられた、ゼロの力を秘めたブレスレット『プラズマゼロレット』を装着する。

 

 そしてスイッチを押してブレードとクリスタルを展開した後、そこに右手をかざす事でスパークでリードして力を解放する。

 

 《プラズマゼロレット! コネクトオン!》

 

 

 「ネオストリウム光線!!」

 

 「ストビューム光線!!」

 

 「タイガダイナマイトシュート!!」

 

 タロウは腕をX字に組んでストリウム光線の強化版『ネオストリウム光線』を、オーブは全身を七色に発光させてエネルギーを溜めた後、腕を十字に組んで必殺光線『ストビューム光線』を、そしてタイガはゼロのビジョンと重なった後、両腕を左右に広げて、全身から虹色の破壊光線『タイガダイナマイトシュート』を、一斉に放つ!

 

 巨体を誇る最強超獣も、三つの強力な光線技の直撃には耐えられず、その場で大爆発して砕け散った…!

 

 

 父と先輩と共にジャンボキングを撃破したタイガは、再びタイガトライブレードを手に持ってタイガキラーと戦う…!

 

 

 父や先輩、そして仲間達と力を合わせて超獣軍団を撃破し、残った敵・タイガキラーを追い詰めて行くタイガ。

 

 そんなタイガをひかる達と共に見守りながら、真は呟いた…。

 

 

 「そうか…。 あれが偉大な父親から生まれた息子が得た…大きな我(じぶん)…!」

 

 

 タイガは一回転しての強力な斬撃の一撃を叩き込んでタイガキラーを吹っ飛ばし、更にそれによりタイガキラーのタイガスパークが破壊された!

 

 グロッキーになったと同時にエースキラーに戻ってしまった相手に、タイガ…いや、トライスクワッドは最後の攻撃に入る!

 

 

 「クワトロスクワッド!!」

 

 ヒロユキはブレードのスイッチを長押しした後、同じくタイガトライブレードを構えるタイガ、タイタス、フーマのビジョンと共に回転盤を回しエネルギーを充填した後トリガーを引く。

 

 そしてタイガは突き出した剣先から、ヒロユキを含めた“クワトロスクワッド”全員の力を秘めた、虹色に燃え盛る螺旋状の最強光線『クワトロスクワッドブラスター』を放つ!

 

 「「「「クワトロスクワッドブラスター!!」」」」

 

 

 最強光線の直撃を全身に浴びる形で受けたエースキラーは、虹色の光と共に大爆発して完全に消し飛び、タイガはその爆発を背にポーズを決めた。

 

 

 (BGM終了)

 

 

 タイガ達の大勝利に街の人々はもちろん、真達も歓声を上げる。

 

 「見事な大勝利だ!」 「うん! やっぱウルトラマンの力は素晴らしいわ!」 「うん!惚れ惚れしちゃう!」

 

 真、愛紗、ひかると口々にそう言うが、それも束の間、実は敵は完全に滅んでいなかった…!

 

 

 不気味な唸り声と共に、それぞれ各超獣が撃破された場所からヤプールの邪念と思われる赤黒いオーラが現れ、やがてそれらが一つになって、ウルトラマン達の数十倍の大きさの巨大ヤプールの姿となる!

 

 「おのれウルトラ戦士ども…! しかし、怨念がある限り、我らヤプールは何度でも蘇るぞ!」

 

 

 肉体を失い、邪念のみになりながらも最後のあがきを見せるヤプールを見上げながら、タイガは通常の姿に戻ってタロウやオーブと合流する。 カラータイマーは赤く点滅を始めていた。

 

 

 「行くぞ! タイガ!」

 

 「あぁ!!」

 

 タロウの呼びかけに気合の返事を返したタイガ。 今こそ親子の力でヤプールの邪念を消し飛ばす時だ!

 

 

 タロウ・タイガ親子は数歩前に出た後、それぞれストリウム光線とストリウムブラスターのチャージに入る。

 

 流石は親子なだけあって、必殺光線の予備動作がそっくりで、動きもバッチリシンクロしている。

 

 

 「「ストリウム…!!」」

 

 「光ー線っ!!」「ブラスター!!」

 

 

 二人は体を七色に輝かせた後、同時に腕をT字に組んで一斉に放つ!

 

 

 「ヤプール死すとも…超獣死なず…怨念となって必ずや…復讐せん…!!」

 

 

 親子の放つ七色の合体光線を受けたヤプール(邪念体)はそう言い残すと、全身が燃えて塵になるように消滅した…!

 

 

 ヤプールを完全に消し去ったウルトラ戦士たちに、人々は再度喜びの声を上げ、真達はもちろん、イージスの面々も喜び合う。

 

 

 強大な敵に勝利した三大ウルトラマンは合流する。

 

 「お二人とも、お疲れさんです。」

 

 オーブオリジンに戻っていたオーブは、タロウ・タイガ親子に労いの言葉を掛け、タロウは無言で頷き、タイガは軽く笑いながら自身の後頭部を撫でる。

 

 

 そして、タロウはタイガの方を振り向いて言った。

 

 「しばらく見ない内に、立派になったな、タイガ。」

 

 「ありがとうございます。 しかし、まだまだです。 もっと強くなって、いつかは父さんを完全に超えてみせます!」

 

 「そうか…お前はまだまだ伸びそうだな。 楽しみにしておるぞ。」

 

 「はい!」

 

 タロウ・タイガ親子は拳を合わせた。

 

 

 やがてタロウは別れを告げて飛び立ち、空の彼方へと飛び去って行った。

 

 

 タロウを見送った後、タイガとオーブも光と共に縮小して変身を解く。

 

 「タイガのお父さん…とても偉大な人だね。」

 

 「あぁ。 やはりウルトラ兄弟の一員は、実際に会うと貫禄が違うものだ。」

 

 「それに、まさかオーブにも会えるなんて…ホント感激だぜ。」

 

 ヒロユキ、タイタス、フーマと順にそう言った後、タイガは改めて目標を呟いた。

 

 

 「いつかは絶対、父さんを超えるぞ!」

 

 

 戦場から帰った二人は、戦いを見守っていたイージスの面々や真達と合流する。

 

 ヒロユキは、今までにない激闘で流石に疲れたのか、崩れるようにぐったりし始め、イージスはそれを慌てて支え、笑って軽口を言いながらヒロユキを労う。

 

 「…ただいま。」

 

 「お帰り。」 「お疲れ様です。」 「今日もカッコよかったですよ!」

 

 真達も笑顔でガイを労い、ガイは満更でもないようにふと笑った。

 

 

真な今度はヒロユキに歩み寄る。

 

「ヒロユキさんも、お疲れ様でした。 まさか1人で3人ものウルトラマンになるなんで、ホント凄いですね。」

 

「はは、そんな事ないよ。 僕も初めてタイガ達が付いた時はダメダメだったんだから。 真君達も、なかなかの勇気だったよ。」

 

お礼を言われたヒロユキは真達を褒め返し、真もひかるも愛紗も嬉しそうな表情になる。

 

 

次に真は苦笑しながら申し分なさそうにこう言った。

 

「僕も、ヒロユキさん達みたいに強くなりたいな…。 実は僕、なかなか自分に自信が持てなくて…すぐ凹んでしまうんですよ…。」

 

それを聞いたヒロユキは、ふと笑った後、優しい表情で真に言った。

 

「誰だって完璧じゃないよ。 僕だって、時にどうやったら完璧に出来るか悩んだ時もあった。」

 

「え…ヒロユキさんも?」

 

「うん。 でも、僕は“ある恩師”のお陰で、あまり気にせずに、自分なりに頑張る事が出来るようになった。 「失敗しても何度でもやり直せばいい」って感じでね。」

 

ここでヒロユキが言う恩師とは『小田さん』(本名:ナックル星人オデッサ)の事である。

 

「完璧じゃなくてもいい…自分なりに…。」

 

ヒロユキの言う事を理解し始めて行く真。

 

「誰かに笑われたって、気にしなくてもいい。 自分の信じるものを貫けばいいと思うよ。」

 

 

「…そうですね…。 やってみます! 自分なりに。」

 

真は自身に満ちた笑顔で返事をし、それを見たヒロユキも微笑む。

 

 

周りを見渡せば、イージスと真達をの親睦は深まっており、ヒロユキと真の他にも、ホマレとマグマ星人、マーキンド星人は同じ宇宙人故か早速ガイと意気投合しており、カナ・ピリカとひかる・愛紗は女子トークを繰り広げている。

 

 

そして、遂に別れの時が来た。

 

「それじゃあ、真君達も頑張ってね。」

 

「はい。 ヒロユキさんもイージス、それからウルトラマン頑張ってくださいね。」

 

ヒロユキと真は友情の握手を交わす。

 

 

「あ〜もうお別れか〜。」 「もっとお話ししたかったな〜。」

 

ひかると愛紗は別れを惜しみ始めるが、そんな彼女たちにカナとピリカが笑顔で言う。

 

「またいつでも来なさい。 歓迎してあげるから。」

 

「うん! ひかるちゃんと愛紗ちゃんはもう、“ペアルック&おさぼり同盟”の正式なメンバーなんだから。」

 

「「…はい!」」

 

2人の言葉に、ひかると愛紗も同じく笑顔になって返事をする。

 

「その時は、俺も歓迎と共にビシバシ鍛えてやる。」

 

「え?…あ、あの、すいません…それはいいです。」

 

「え? うそ〜ん…。」

 

トレーニングをひかるにナチュラルに断られて呆気にとられるホマレを見てカナとピリカ、そしてヒロユキ、真、愛紗も笑う。

 

 

最後にガイが、タイガの変身者でもあるヒロユキの肩に手を置いて言った。

 

「まさか、アンタが1人でタイガ、タイタス、フーマの3人に変身してたとはな。」

 

「はい…僕もまだ、未熟な所はありますが…これからも一生懸命やります。」

 

「フッ、そうか…頑張れよ、後輩。 あばよ!」

 

ガイはヒロユキの肩を軽く一回叩いてそう言うと、テンガロンハットを深くかぶって振り向いて歩き始める。

 

それに真、ひかる、愛紗も続き始め、ヒロユキ達イージスに手を振りながら歩き去って行き、イージスもそんな真達を手を振りながら見送る。

 

タイガ、タイタス、フーマの3人も、ミニサイズでヒロユキの近くに立って真達を見送っていた…。

 

 

(BGM:Sign)

 

 

やがて、ガイの移動能力により、自分達の世界に戻った真、ひかる、愛紗の3人は、ガイにお礼を言って別れた。

 

最も、ガイは別れ際に「どうせ地球は丸いんだ。 またどこかで会える。」というお決まりのセリフを言っていたという事を付け加えておこう。

 

3人は夕焼けの中帰り道を歩きながら、最近の出来事について話し合っている。

 

「なんか、最近凄い体験を結構したね。」

 

「うんうん! 笑えない事もあったけど、沢山のウルトラ戦士にも会えたしね!」

 

愛紗は、一時期嫌っていたウルトラマンを今ではスッカリ気に入ってしまっている。

 

「マコちゃんなんか、怪獣n…」 「うぉーい! それやめろひかる。 黒歴史なんだから。」 「あぁ、ごめんごめん。」

 

真もひかるのブラックジョークを慌てて止めながらも笑っている事から、自身が怪獣になってしまった事はそれ程トラウマになっていない様である。

 

恐らくこれもウルトラ戦士のお陰であろう。

 

「でも、それらの経験のお陰もあって、僕はもっと多くの事を経験したいと思った。」

 

「私も! 大学生活もまだ1年目なんだし、もっと色んな事にチャレンジしよっかな〜。」

 

「確かに。 そうすればもっと多くの人に会えるかもしれないしね。」

 

真、愛紗、ひかると順に前向きな発言をする。

 

 

「ハートぶつけ合える誰かや…」 「ずっと笑い合える誰かと、もっと出会うために!」

 

真とひかるは、それぞれヒロユキとピリカの事を浮かべながら呟いた。

 

 

「それに、もっと色んなウルトラ戦士に会ってみたいしね!」

 

「そうだね。 タイガカッコよかったし、彼らを見習って、もっと強くならないと…。」 「私も、タイタスさんみたいにもっと力をつけたいな〜。」

 

愛紗の言葉に、真とひかるもそれぞれ気に入ったウルトラマンを浮かべながら同調した。

 

…それにしてもひかる、アンタ十分に腕の力強いだろ!? これ以上強くなったらいよいよ手が付けられなくなるんじゃないか?(笑)

 

 

「うんうん! カッコいいウルトラマン達にもっと会いたいよね〜。」

 

愛紗はそう言いながら、こっそりと何かを取り出して見つめ始める。

 

 

それは、戦闘中にこっそりとカメラで撮っていた、戦うフーマの写真である。

 

「…フーマ様♡」

 

愛紗はどうやら守ってもらった事もあって、余程フーマの事が気に入っているみたいである。

 

 

同じ頃。

 

「ヘッ…ヘックシュン!!」

 

「大丈夫か?フーマ。」

 

「あぁ、何だか知らねーが急に寒気が…。」

 

「風邪でも引いたんじゃねーの?」

 

「いや引いてねーし!」

 

思わずくしゃみをしたフーマをタイタスが案じるが、その直後にタイガがおちょくったために再びいつもの喧嘩が始まろうとしてしまう。

 

「もう…いつもこれなんだから…。」

 

ヒロユキは、喧嘩しそうになるタイガとフーマ、そしてそれの仲裁に入るタイタスを見ながら、呆れながらも何処か楽しそうに呟く。

 

 

やがて4人は、今回の出来事について話し合い出す。

 

「それにしても、今日は凄い経験をしたね。 タイガのお父さんや、フーマの先輩も来てくれたし。」

 

「あぁ、改めて見たけど、やっぱ父さんは凄いよ。 俺も追いつけるように頑張らなくちゃ!」

 

「俺も、いつかオーブやロッソ、ブルと肩を並べられるように。 (小声で)あと、グリージョにも会いたいし。」

 

「私も、いつかタロウ達ウルトラ兄弟のように威厳のある戦士になるためにも、欠かさず定時のトレーニングだ。」

 

タイタスはそう言うと、定時のトレーニングである“腹筋3万回”を始める。

 

 

ヒロユキは、先輩達と共に戦った今回をキッカケに改めて気合いを入れる3人を見て、ふと微笑んだ。

 

 

「これからもよろしくね。」

 

「あぁ!」

 

ヒロユキの言葉に、タイガは返事をした。

 

 

そして真達は互いに別れを告げ、それぞれ帰り道を歩き始める。

 

真は、夕日を見上げて帰り道を歩きながら、改めて誓いを呟いた。

 

 

「自分なりに頑張り続けて、いつかは何事にも負けない大きな自分になるぞ。 ヒロユキさん達みたいに!」

 

 

(BGM終了)

 

 

(ED:ヒトツボシ)

 

 

〈エピローグ〉

 

タイガ達によって倒された超獣軍団。 しかし、実はまだ残党がいた!

 

 

宇宙空間で、迷子になったと思われる『鳥怪獣フライングライドロン』の子供を追いかける1匹の超獣。

 

古代カメレオンと宇宙翼竜の合成で誕生した、緑の体に背中に生えた翼等と、カメレオンと翼竜を合わせたような外見が特徴の『古代超獣カメレキング』である!

 

 

口から発火ガスを吐きながら追いかけ続けるカメレキング。 やがて必死に逃げていたフライングライドロンの子供はガスを受けて小さく爆発してバランスを崩し、とある小惑星に落下してしまう!

 

倒れ伏して痛みや恐怖で泣いているフライングライドロンの子供に襲い掛かろうとするカメレキング、その時!

 

 

「リブットキックG!!」

 

 

何処からか聞こえた勇ましい掛け声と共に、一人の光の巨人がカメレキングに急降下キックを決めて吹っ飛ばす形で現れる!

 

 

 現れた巨人は着地した後、名乗りを上げながら構えを取る。

 

 

 「ギャラクシーレスキューフォース・ウルトラマンリブット、出動!!」

 

 

 現れたのは、赤と銀のボディに、腕や脚に青いクリスタル“ギャラクシウム”を付けているのが特徴で、宇宙の厄災から生命を守る存在であり、光の国とも協力関係にある組織『ギャラクシーレスキューフォース』に所属するウルトラ戦士『ウルトラマンリブット』である!

 

 

 カメレキングは標的をリブットに変えて襲い掛かり、リブットも颯爽とカメレキングに立ち向かう!

 

 リブットはカメレキングに接近すると同時に腹部に右ストレート、更に一回転しての右手のチョップを胸部に打ち込む。

 

 カメレキングも負けじと左フックでリブットを殴りつけるが、リブットはすぐさま体勢を立て直すと、後ろ回し蹴りを腹部に、更に跳躍しての右手チョップを首筋に連続で決める。

 

 カメレキングは再度右フックを放つが、リブットはそれを両手で掴んで受け止めてそのまま右肘を首筋に打ち込み、続けてカメレキングの左ストレートを両手で受け止めると同時に腹部に左膝蹴りを叩き込み、更に跳躍しての右足蹴りを胸部に叩き込んで吹っ飛ばした!

 

 

 マレー語で“嵐”と言う意味でもあるリブット。 その名の通り、嵐のような素早い動きで相手の攻撃を回避し、東南アジアの伝統的な武術“シラット”に似た動きを交えた格闘戦で戦いを優位に進めるリブット。

 

 

 カメレキングは翼を羽ばたかせ、上空に飛び立って攻撃しようとする!

 

 「リモートカッター!!」

 

 リブットは掛け声と共に、両腕を振るう事でギャラクシウムから水色の円盤状の光のカッター『リモートカッター』を二発投げつけ、それぞれ複雑な軌道を描いて飛びながら、カメレキングの左右の翼を斬り落とした!

 

 

 格闘戦で追い込まれ、翼も斬り落とされて完全に弱ったカメレキングに、リブットはトドメの体勢に入る。

 

 リブットは両腕を回し、腰を落としてエネルギーを溜めた後、両腕をL字に組んで必殺光線『ギャラクシウムブラスター』を放つ!

 

 「ギャラクシウムブラスター!!」

 

 光線の直撃を受けたカメレキングは、断末魔の叫びと共に大爆発して砕け散った…!

 

 

 リブットがカメレキングを撃破するのを見たフライングライドロンの子供は元気になって喜ぶような仕草を見せ、そして歩み寄って来るリブットに律儀に一礼した。

 

 「礼には及ばないよ。 か弱き生命を守り、救助するのが、ギャラクシーレスキューフォースの使命だからね。」

 

 リブットは胸に拳を当ててそう言った後、フライングライドロンの子供と共に飛び立ち、親の元へを案内し始める形で共に飛び去って行く…。

 

 

 今も、ギャラクシーレスキューフォースの一員として宇宙の平和を守っているリブット。

 

 果たして彼も今後、今現在ゼロ達が来ている世界の地球に来るのだろうか…? それはまだ知らない。

 

 

 〈完〉




 読んでいただきありがとうございます! いかがでしたか?


 今回はタイガの世界の後日談という設定にしつつ、「私的にこういう形のタロウ・タイガ親子の共演が見てみたいな」という思いから、パラレルストーリーという意味合いも込めて製作しました。


 ウルトラマンタイガは、初めて情報が解禁された時は“タロウの息子”と言う事で非常に興奮した覚えがありますね。

 更にはジョーニアスの後輩、新たなO-50の戦士、劇場版R/Bで初登場したトレギアも登場するという事で、非常に豪華な作品だなと思いました。

 ボイスドラマも三人の雑談だったり、三人の過去が更に深く分かる内容だったりと、とても楽しめましたね。

 OPソングは、ニュージェネシリーズのOPの中でも上位に入るくらい好きになりました。

 また、恐らくネクサス以来であろう前半と後半でEDが違うという試みも面白いと思いましたね。


 今回主役を張った真、ひかる、愛紗の三人も、今後も登場させて行きたいと思います。


 皆さんはトライスクワッドだと誰が推しですか?

 私は前はタイガと言いましたが、どれもカッコよくて良いキャラしているので、結局一番は決めづらいです(笑)

 因みにエピソードだと、私は第6話『円盤が来ない』と第18話『新しき世界のために』、あとゼロが登場する第23話『激突!ウルトラビッグマッチ!』が特に好きでした。

トレギアも、いつか本作に登場させたいですね。 共演させるのはもちろん、トレギアの先輩でもあるあの“闇のウルトラマン”です!


 因みに劇場版は、なんでもタロウが闇堕ちするという事で、タロウ大好きでもある私としては正直複雑な気持ちもありますが、ニュージェネレーションヒーローズが勢ぞろいするという事で、既に期待値は大です!

 タイガが闇堕ちした父親をどう救うのかも楽しみですね。


 また、ラストに登場したリブットですが、去年配信された『ULTRA GALAXY FIGHT NEW GENERATION HEROES』にて晴れて映像作品への登場が実現したという事で、それの記念も含めてちょっとだけ登場させました。

 ギャラクシーファイトもニュージェネ勢揃いに大迫力のバトルと、とても見所があって大満足でしたね。

 リブットも早速好きになりました。


 後書きが非常に長くなって申し訳ありません。


 今年も時間を見つけては作品を制作して行こうと思いますので、宜しければ今年もよろしくお願いします。


 感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています!

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