ウルトラマンゼロ物語(ストーリー) in RED ZONE STAGE 作:剣音レツ
今年も出来る範囲で頑張って行きたいと思います!
今回は年末年始特別編と言う意味も込めた番外編で、タイトルの通り「ウルトラマンブレーザー」のオリジナルストーリーです!
相変わらず文才は無く、ストーリー展開も少々強引な所もあるかもしれませんが、とりあえず楽しんでもらえたら幸いです!
そして宜しければ、今年も本作やその他の作品、そして、特撮ヒーロー(特にウルトラマン)大好きな私・剣音レツをよろしくお願いします!
では、どうぞ!
一面に青がどこまでも広がる程の晴天に恵まれた空。
そんな中を、一機の“鋼の体を持つ獣”が、戦場に向かって飛び続けていた。
二足歩行の恐竜型怪獣のような見た目をしたそのロボット兵器は、特殊怪獣対応分遣隊『SKaRD』(以降:スカード)が運用する「特戦獣」と呼ばれる主力巨大兵器『23式特殊戦術機甲獣アースガロン』である。
スカードとは、地球防衛隊『GGF』日本支部内に設立された特殊部隊であり、部隊名は『Special Kaiju Reaction Detachment』の略である。
「怪獣の動向を調査・分析し、必要な場合は直接行動によって排除する」が設立理由であり、単純な怪獣撃退のみならず、その情報入手や対応の為に身分を隠した潜入捜査なども行われる。
今回も、怪獣の現出を受け、アースガロンを駆ってその現場に向かっているのである。
搭乗しているのは、アースガロンの操縦士であり、開発にも関わっていたスカードのメカニック『バンドウヤスノブ』、そして同じくアースガロンの操縦士であり、生身の戦闘が得意な女性隊員『ミナミアンリ』である。
因みに今回のアースガロンは、右肩に『600㎜電磁榴弾砲レールキャノン』、左肩に『多目的レーザー』と言った特殊戦闘支援ユニット『Mod.2ユニット』を実装した『アースガロンMod.2(モッドツー)』の状態で出撃している。
一方、地上では、同じくスカードのメカであり、移動指揮車でもあるワゴン車『スカード移動前哨』(以降:モッピー)が、アースガロン同様、現場に向かい走っていた。
アースガロンよりも先に出発していたため、一足早く現場に到着したモッピーは安全な場所で停車し、中から乗車していた2人が出て来る。
まず出て来たのは、スカードの副隊長であり、怪獣の情報収集・分析を担当する参謀『ナグラテルアキ』。
そして少し遅れて出て来たのは、元地球防衛隊の『第一特殊機動団(特機団)』の隊長でもあるスカードの隊長『ヒルマゲント』である。
現場・府東市多摩川付近に到着したゲントとテルアキは、双眼鏡等を駆使して現場の状況を確認する。
「目測約2キロメートル先、目標を確認しました。」
テルアキがそう告げると、ゲントもそれを確認する。
「ああ、俺も見えた。概ね、予想作戦区域内と言った所か。」
2人の視線の先では、一体の巨大怪獣が多摩川付近の市街地で我が物顔に暴れている。
小さい爆発やそれによる煙を連続で起こしながら前進して行き、立ち塞がるビルを剛腕や頭突きで破壊するなどして暴れ回るその怪獣を見て、ゲントは、何処か神妙な表情になる。
「これまた派手に暴れてくれてるな…コスモリキッド…!」
怪獣の名は『液体大怪獣コスモリキッド』であり、以前も地球防衛隊と交戦した事があり、実はゲントもその時、討伐に参加した事がある。
今回の個体はその時と同一なのか別個体なのかは不明だが、今回はスカードとして、再び相手する事になったという事だ。
(OP:僕らのスペクトラ)
ゲントはアースガロンに通信を送り始める。
「こちらゲント、アースガロン応答せよ。」
「こちらアースガロン。」ヤスノブが返答した。
「念のための確認だが、作戦内容は頭に叩き込んでいるな?」
「もちろんです。」ゲントの問いかけにアンリが返事した。
今回の作戦内容をざっと言うと、既に人々の避難が完了している府東市多摩川を中心とした半径約3キロメートルを作戦区域とし、アースガロンを駆使してまずは格闘戦でコスモリキッドを川まで誘い込み、コスモリキッドが川に浸かった所に超電磁誘導弾を放って感電させて動きを止めた所で更に液体窒素弾を撃って凍結させて粉砕するというものである。
ゲントは以前コスモリキッドと交戦した際、奴が液体化する事も知ったため、そしてテルアキも豊富な怪獣の知識を持っている故、その事も知っていたため、スカードとしてコスモリキッドを殲滅する作戦としてメンバーでアイデアを出し合って考えた作戦でもある。
超電磁誘導弾とは、以前出現してスカードとも交戦した怪獣の一体であり、強度の電磁エネルギーを体内に備蓄しており、それを放出する能力も持っていた怪獣『宇宙電磁怪獣ゲバルガ』の残骸の一部を回収し、そこに宿っていた電磁エネルギーを元に作り上げた兵器であり、電気を通すものが広範囲にあればあるほど感電力を発揮する代物である。
コスモリキッドを完全に感電させる効果を発揮させる為には、奴が川に浸かった所に足元ギリギリの位置に打ち込む必要があるのだ。
「いつもよりイレギュラーな編成だが、今回の作戦を確実に成功させる為だ。アンリは格闘戦に専念、そしてヤスノブはその後超電磁誘導弾と液体窒素弾を正確に決める事に集中するんだ。」
ゲントの言葉に、2人は改めて気を引き締める。
いつもはアースガロンは機長にゲントかテルアキが、操縦士にヤスノブかアンリかが、ローテーションで乗る事になっているのだが、今回は2人の長所がどちらも必要不可欠な作戦のため、それぞれ機長にヤスノブ、操縦士にアンリを指名したという事だ。
そしてゲントは現場の状況、テルアキは怪獣の動向をそれぞれ確認しながら指示を出すという役割である。
「あと、大事な事がもう一つある。 “そして全員、無事に帰還する事”だ!」
「「「ウィルコー!」」」
ゲントの言葉にヤスノブとアンリ、そしてテルアキは同時に返答した。
「アースガロン、あと約5分程で現着予定です。」
ヤスノブは言った。
「適材適所って事ですね。存分に発揮しましょうねヤスノブさん。」
アンリは士気が上がるようであった。
『あのー…私からも一言宜しいでしょうか?』
「どうしたの?」
そこに、アースガロンに搭載されている新型AI対話システム『EGOISS』(イーゴイス)(以降:アーくん)も話しかけ、アンリはそれに反応する。
『間もなく、目的地周辺です。』
「いやカーナビやないねんから!」
2人はズコッとなり、ヤスノブは苦笑いで関西弁でツッコむ。
「アースガロン、間もなく現着ですね。」テルアキは言った。
「ああ…2人ならやってくれる。 “あの穴”に、何も起こらなければな。」
一方、多摩川の、ゲント達から離れた河川敷にて、同じくスカードの隊員の1人であり、主に情報収集のための潜入捜査・諜報活動を担当する『アオベエミ』が、何やら地面に空いた直径約2メートルぐらいの大きな穴を監視していた。
地面にぽっかりと空いた謎の穴。当初は以前現れた怪獣『幻視怪獣モグージョン』の別個体が現れてそれによるものではないかと思われたが、以前そいつが開けた穴よりもずっと小さく、また周囲の人が幻覚で苦しむという情報も無かった。
そして実は他にも数日前から各地でも似たような穴が目撃されているのである。
一晩にして家畜や鶏がごっそりいなくなる事件が各地牧場や養鶏場などで発生し、エミがそれらの場所に赴いて情報収集をした結果、現場には必ず謎の穴だけが残されていて、時折そこから何やら笑い声のような不気味な音も聞こえていたという。
今回河川敷に現れたそれも、直径がほぼ一致しており、その不気味な音も聞こえる事から同一のものであると確信した。
上記の現象から、怪獣が潜んでいる可能性が濃厚になりつつあるが、穴から下の熱反応は日によって大きくなったかと思えば小さくなったりとまちまちであり、まだ怪獣と断定するには乏しい事から、判明するまでは『脅威警戒態勢アルファ』として、隊員が日替わりで監視する事になったという。
そして今回は、作戦の編成上、エミが監視する事になった。
「こちらエミ。以前、穴には何も変化はありません。 熱反応も微弱であり…相変わらず、不気味な声が聞こえるだけですね。」
『分かった。引き続き監視を続けててくれ。 だが無理はするな、少しでも身の危険を感じたら離脱するんだ。』
「ウィルコー。」
ゲントとの通信を切ったエミは、改めてその穴の監視を始めた。
やがてアースガロンは、コスモリキッドが暴れている現場上空に到着する。
「目標、コスモリキッド確認!相対距離100でランディング!」
「逆噴射、相対距離100でランディング!」
ヤスノブの指示にアンリは了解し、コスモリキッドから約100メートル離れた場所に着地する。
遂に戦場に降り立ったアースガロンは、逆光を背に、隊員達の気合に呼応するかのように咆哮を上げる。
ゲントとテルアキも、アースガロンの現着を確認する。
「奴は大ダメージを受けると体を液状化してダメージを回復させる。凍結させるまでは武装での直接攻撃は極力控えて格闘戦で誘い込むんだ。」
「了解。それなら私に任せてください。」
テルアキのアドバイスを受けたアンリは、自信満々に返事をする。
「よし、では予定通り作戦を決行する!」
「「ウィルコー!」」
ゲントの言葉を合図に、遂に作戦が開始される!
まずアースガロンは、ヤスノブの操作により右手から『105㎜機関榴弾砲アースガン』を発射し、それが近くの地面に命中して爆発した事により、コスモリキッドはアースガロンの存在に気づき威嚇するように身構える。
自身の縄張りに、外敵が侵入したと思っているのであろうか。
「近接戦闘CQCモード、交戦開始!」
「ウィルコー!CQCモード、エンゲージ!」
ヤスノブの指示にアンリは了解し、彼女の操縦によりアースガロンはコスモリキッド目掛けて前進し始め、コスモリキッドもアースガロンに襲いかかる。
2体はまずはお互い肩での体当たりでぶつかり合うのを皮切りに、格闘戦を始める。
お互いに抱き合って押し合う形での力比べの後に、コスモリキッドは腕を振るってパンチ攻撃を繰り出すが、アースガロンはそれらを腕を振るって悉くいなして行き、頭部や胸部などにパンチやチョップなど打ち込んで行く。
コスモリキッドも負けじとアースガロンの胴体に頭部の角を活かした頭突き、剛腕を活かしたパンチを打ち込むが、アースガロンは怯まずに反撃を続ける。
アースガロンでの戦闘だとCQC(近接戦闘)モードを得意とするアンリの操縦テクニックにより、上手い事格闘戦をしながら移動して行き、今の所徐々に現在地と多摩川の距離が縮まって行く。
「多摩川までの距離、目測であと約1.5キロ…今の所着実ですね。」
テルアキは双眼鏡で確認して言った。
「あぁ…この調子で…!?」
ゲントは何かを言いかけたその時、突然何かにいきなり話しかけられるような衝撃を感じ、喋るのが止まる。
「…どうしました?ゲント隊長。」
「…そうだな…万が一のために…。」
テルアキが心配して話しかけている間に、何やら小声で呟くゲント。
「すまんが、しばらくここを頼めるか? 俺は逃げ遅れた人の確認も兼ねて、万が一のために援護出来るように備えておく。」
「…分かりました。ですが、くれぐれも無茶しないでくださいね?」
「大丈夫だ、俺はそう簡単にくたばらない。 それに、2人ならきっとやってくれると信じてるからな。」
ゲントはテルアキと少し笑って見つめ合った後、アサルトライフルの『23式電磁小銃(RAR-23)』と拳銃『23式電磁拳銃(RHG-23)』を持って、アースガロンがコスモリキッドと戦闘をしている街へと向かう。
…しかし、先程のゲントの謎の動きは何なのだろうか…?
何やら誰かと会話をしているようにも見え、この判断もゲント自身のみの判断ではないようにも見えるが…。
アースガロンの方はというと、コスモリキッドの反撃に多少手こずりつつも、尚も着実に川との距離を縮めつつあった。
アースガロンはコスモリキッドの右フックを掴んで受け止めると、そのまま腹部に右足蹴りを決め、続けて右ストレートを胸部に打ち込んで後退させる。
コスモリキッドは体勢を立て直すと、口から長い舌を伸ばしてアースガロンの右腕に絡み付け、そのまま引き寄せ始める!
舌だけとは思えないその力は想像を超えるものであり、徐々に引き寄せられて行くアースガロン。
「ぐっ!…虫(タガヌラー)よりはずっとマシだけど…これもこれで気持ち悪い…!」
アンリはコスモリキッドの長い舌の思わぬ力に手こずりつつ、その気持ち悪さをぼやく。
「モグージョンと同じく、あの舌で獲物を捕らえて捕食する…これまでも多くの作業員や釣り人が犠牲になった…。」
テルアキはコスモリキッドの舌の恐ろしさを噛み締める。
「俺に任せるんや!」
ヤスノブはそう言うとアースガンのスイッチを押し、アースガロンの左手から発射された弾丸は見事にコスモリキッドの舌を焼き切り、それによりアースガロンは解放された。
「良かった…ヤスノブさんナイス!」
だが安心するのも束の間、その焼き切られた舌は即座に緑色の液状に変形し、やがてコスモリキッドの口内に戻って行く。
やはりどうやら体の一部でも、切り落としてもそれが即座に液状化して元に戻るようである。
だがアンリはそれでも怯まず、体勢を立て直してアースガロンの操縦を再開する。
左右フック、両拳を同時に突き出すダブルパンチなど、アースガロンの格闘技が徐々に決まって行き、コスモリキッドは遂に川まで残り約500メートルの所まで追い込まれた。
「このまま一気に行くよ!」
アンリの気合いの言葉と共にアースガロンは再度パンチを放つが、なんとコスモリキッドの喉元に命中するどころか、そこをまるで水の中に手を突っ込んだかのようにすり抜け、水飛沫が飛ぶ。
コスモリキッドは、姿形はそのままで、即座に自身の体を液体化して打撃攻撃を防いだのだ!
「嘘?そんな事も出来るんや!?」
思わぬ相手の防御法にヤスノブが驚愕している間に、コスモリキッドは体を緑色の液体状に変化させ、そのままアースガロンに飛び込み、大蛇のように絡み付き、怪獣の姿に戻ってアースガロンに背後から組み付いて押さえ込み始める。
「コイツっ…意外とパワーが凄い…!」
流石のアンリの操縦でも、振り解くのに手間取っている。
「やはりお前の野生の勘は当たっていたか!」
予め街に駆け出していたゲントはそう言うとアースガロンの援護を始め、まずは23式電磁拳銃をコスモリキッドに撃ち始める。
それにしても、ゲントが先ほど言っていた“お前”とは一体誰の事だろうか…?
コスモリキッドは銃撃が体に当たるも全く意に介さず、それに対してゲントは23式電磁小銃の攻撃に切り替えるが、コスモリキッドは再び即座に姿はそのままで姿を液体化する事で無効化する。
「思った以上に学習できる奴だな…!」
ゲントは少し感心するようにぼやく。
アースガロンは尚もコスモリキッドに押さえ込まれている。
『この状況を打破するには、テイルVLSが最も妥当かと思われます。』
アーくんはアドバイスをする。確かに後ろからしがみ付かれてる故、格闘技どころかアースガンもMod.2ユニットも非常に当てづらい状況であるため。尾部からミサイルを発射するテイルVLSの方が有効的であろう。
「まだ武装攻撃は極力避けるべき段階だが、やむを得ん、テイルVLSの使用、2発だけ許可する!」
「ウィルコー! テイルVLS、発射!」
ゲントの指示に了解したヤスノブの操作で、アースガロンは尾部からミサイルを2発発射する。
2発のミサイルは上空を飛んだ後、コスモリキッド目掛けて垂直に落下し、1発目が背部に命中して爆発した事によりコスモリキッドはダメージや驚きでアースガロンから離れる。
しかし、時間差で降って来た2発目は、コスモリキッドがそれに気づくや頭部を振るっての角攻撃で弾き飛ばされてしまう…!
そして、そのミサイルが向かった先は、なんとエミが待機・監視している穴の方向であった!
「嘘でしょ…?」
エミは自身の現在地にミサイルが飛んで来るのに気づくや、その場から全力で走って離脱し始める。
やがてミサイルは穴にスッポリ嵌まる形で地面に落下して爆発し、ギリギリ爆発圏内まで逃げ切れていたエミはその爆風で前方に吹っ飛んで地面に叩き付けられ、更に時間差で飛んで来た土砂がかかる。
「んもう〜、危ないなぁ…。」
エミはそうぼやきながら立ち上がり、体に付いた土砂をはたき落とすが、その最中に何やら地震が起こり始め、それと同時に何かに気付き、即座にゲントに通信を入れる。
「こちらゲント!どうしたエミ?」
「穴の下の熱源が急速に増大中!そして、地上に上がって来ます!」
なんと、ミサイルが落ちて爆発した直後、さっきまで熱反応がほとんど無かった穴の下から何かが地上目掛けて上がって来ているのである!
「急いでその場から離れろ!」「ウィルコー!」
エミはその場から走って離れ、やがて地面の穴のある所から勢いよく土砂が巻き上がり、そこから頭頂部から徐々に、一体の巨大怪獣が地上に上がって姿を現す!
新たに現れたその怪獣は、カモノハシのような顔に、首元にぶら下がる無数の緑色のコブ、大きな出っ腹と出べそが特徴のコミカルな外見をしており、しかも現れるや何やら笑い声を上げ続けている…!
名前は『再生怪獣ライブキング』である。
「新たな怪獣現出! 恐らく謎の穴の正体だと思われます!」
エミは通信で新たな怪獣・ライブキングの現出を知らせる。
「あれは…私も見た事がない…!」
どうやらこの世界では初めての個体みたいであり、テルアキですらまだ知らない状態であった。
テルアキは、双眼鏡等でライブキングを観察して行き、やがてある事に気づく。
「あの鼻の穴…地面に空いていた穴とそっくりだ…そうか!」
テルアキが確信した事。それは、謎の穴は、落ちたが最後、鼻の穴を入り口にライブキングの体内に飲み込まれるものであり、それを出して落ちて来たものを次々と捕食していたのである。
熱反応がほとんど無かったのは恐らく眠っている間は体温が極限まで下がっているからであり、また日によって熱反応の大きさがまちまちだったのは、恐らくその日、その時に飲み込まれて捕食された者の熱反応であり、飲み込んだ量によって変化していたという事だ。
そして今日も、眠りながら鼻の穴だけを出して何かが落ちるのを待ち構えていたのだが、そこにミサイル(テイルVLS)が入って爆発した事により叩き起こされ、地上に上がって来たのであろう。
現れたライブキングにコスモリキッド、そしてそれと対峙していたアースガロンも気づく。
「新たな怪獣?」 「でもなんか、随分間抜けっぽい見た目だな。」
コックピットの2人が驚愕している間にも、ライブキングは飛び跳ねるような動きをしながら笑い続ける。
「何笑ってんねんこの怪獣…?」「なんか、気味悪いですね、怪獣が、しかも人間みたいに笑うなんて…。」
ヤスノブもアンリも若干引き気味である。
「満腹になってそんなに嬉しいのか…!?」
ゲントはそう軽口を言いながらライブキングに23式電磁小銃を放つが、ライブキングはそれが体に命中したにも関わらず、その部分を軽く手で擦って再び笑い始める。
アースガロンは現在は前方にコスモリキッド、後方にライブキングと、ニ体に挟まれてる状態であり、それにより戸惑っている隙に、ライブキングは口から火炎放射を放つ!
「危ない!」
アンリの咄嗟の操縦でアースガロンは横に逸れてかわすが、再度振り向くとライブキングがその巨体に似合わず全速力で走って来ており、想定外の行動に避けきれずそのままライブキングの出っ腹を活かした体当たりを受けて転倒する。
地面に倒れたアースガロンを見てライブキングは再度手や腹を叩いたりして笑い始める。
コスモリキッドは、縄張りに新たな余所者が入った事への怒りか、単にライブキングの仕草が気に入らないのか、ライブキングを威嚇するように吠え始め、それに気づいたライブキングは今度はコスモリキッドの方を振り向いて笑い始める。
ライブキングが笑い続ける事で馬鹿にされたと思ったのか、コスモリキッドはライブキングに向かって行き、両者は戦い始める。
両者は共にパワーのある腕で殴り合うが、殴られても笑い続けるライブキングがいかにも不気味である。
思わぬ乱入者により作戦遂行に狂いが生じ始めたが、それでも挫けずアースガロンは立ち上がるとニ体を引き離そうと接近するが、二体、特にコスモリキッドは「邪魔だ」と言わんばかりに払い除けて戦い続けるためなかなか接近できない…!
接近するのが無理ならばと、アースガロンは今度は距離を置き、ライブキング目掛けて多目的レーザーを撃って命中させ、それが右肩に当たって爆発したライブキングは驚きからかコスモリキッドから数歩後ずさって離れる。
その隙にコスモリキッドは近くのガスタンクを引き抜き、それをライブキング目掛けて投げつける!
ガスタンクが腹に当たり大爆発するが、ライブキングは少し驚くような仕草をしたのみであり、爆風が晴れると再び笑い始め、それを見たコスモリキッドはイラつくように地団駄を踏む。
「これはかなりまずいな…。」
二大怪獣の戦いにより、作戦遂行が困難になって来たスカード。ゲントも焦りを見せる。
「ゲント隊長!」そこに武装を携えたエミが合流する。
「ヤスノブさん、もういっそこのままあの二体に超電磁誘導弾を撃ってみてはどうでしょうか?」とアンリ。
「今撃っても、電撃の威力が二体分に分散されて十分な効果が得られない、それに超電磁誘導弾は、相手が水に浸かっている時が1番ベストな効果を発揮出来るんです…!」とヤスノブ。
『既に破損部分が数カ所、このままだと作戦遂行する前にアースガロンのエネルギーが尽きてしまいます。』とアーくん。
「これは、かなりやばいですね…。」
不利な状況に立たされたアースガロンを見て、エミも先程のゲントと同じように焦りを見せる。
そこでゲントは目を瞑り、右のこめかみを指で押さえ始める。彼は何か考え事をする際に、よくこういう仕草をするのだ。
そして数秒考えた後、ゲントは言った。
「俺が行く…!」
「え?」
自身の発言にエミが困惑している間に、ゲントはアースガロンに通信を入れ始める。
「アンリヤスノブ!俺があの太っちょ怪獣を引き付ける!その間に作戦を再開しろ!」
『『ウィルコー!』』
「ゲント隊長、何をする気ですか?」
「流石に至近距離からの銃撃なら、奴も注意が逸れるだろう。 エミはここから援護射撃をしててくれ!」
「え?そんなゲント隊長、無茶ですよ!」
エミの制止の言葉も他所に、ゲントはコスモリキッドと戦い合うライブキングの方へと向かい走り始める!
戦い合う二体により瓦礫等が飛んで来る中、ゲントはそれらをなんとかかわしながら向かって行き、やがて一旦コスモリキッドと距離を取ったライブキングの足元近くまで辿り着く。
ゲントは真下から、持ってる武装での銃撃を始め、ライブキングの出っ腹や下顎などに命中させる。
ゲントからの攻撃を受けたライブキングは、ゆっくりと彼のいる真下に顔を向ける。
「おい!!そこの太っちょ!!狙うから俺を狙え!!」
自身の方を向いたライブキングに、ゲントは両腕を大きく振りながら叫んで注意を引こうとするが、ライブキングはそれを見ながら首を少し傾げた後、再度笑い始め、子どもが足元の蟻を蹴飛ばすように足元のゲント目掛けて足を振り、ゲントはなんとかその直撃を回避出来たがそれにより発生した強風により吹っ飛び地面を転がる。
ライブキングはゲントを吹っ飛ばした後、再度コスモリキッドと組み付き戦い合い始める。
陽動作戦も失敗し、戦い合うコスモリキッドとライブキングにより周囲の街が破壊されて行き、アースガロンもそんな二体相手に攻めあぐねている…!
スカードの作戦はこのまま失敗し、街はこのまま二体に蹂躙されてしまうのであろうか…!?
「このままでは…!」
ゲントがそう呟いたらその時、光と共にゲントの左腕にブレス型のアイテムが装着され、それを見たゲントは不敵に笑いながら言った。
「ブレーザー…俺もちょうど行こうと思ってた所だ…!」
ブレーザー、それはゲントが変身するウルトラマンの名前であり、彼の腕に現れたアイテムはその変身アイテム『ブレーザーブレス』である!
『ウルトラマンブレーザー』、それは、遠い銀河の天体『M421』からやって来た未確認大型宇宙人であり、揺るがぬ正義感を持ち、ゲントの人命を救うために力を欲する強い心に共鳴して一体化した。
宇宙飛行士たちの間では何十年も前から噂されていたらしく、「ウルトラマン」のコードネームで呼称されていた。名前の由来はゲントが一体化した瞬間に見た銀河の光景から「遠い銀河のブレーザー」という意味である。
当初は見た目からは想像できない蛮族っぽい荒々しい戦いぶりや、言葉をほとんど喋らない事もあって、意思疎通が難しく、互いの意思が噛み合わずそれにより苦戦を強いられたり、上手く戦えない事もあったが、戦いを重ねて行くうちに互いに「命を救う」という共通の意思を知り、言葉による意思疎通こそは出来ないもののそれを皮切りに互いを知って行き、2人の結束は強いものとなって行ったのだ。
先程、ゲントが唐突にアースガロンの援護のために街に出始めたのも、ブレーザーが、戦うゲントの仲間達にもしもの事があってはいけないという野生の勘からそれを促したためである。
その後ゲントがライブキングの足元まで接近するという側から見れば無謀な行動に出たのも、恐らくブレーザーに変身するきっかけを作るためも含まれており、ブレーザーもそれを汲み取って今、変身を促しているのであろう。
ゲントはブレーザーストーンをブレーザーブレスの赤ライン部分に装填し、それによりブレスの結晶体が外側に展開し、同時に本体が赤と青の円状の光を放ち始める。
「行くぞブレーザー!」
そしてゲントはそう叫ぶと、ブレスの青ライン部分のボタンを右手で押し込み、それによりブレスの輝きが増して外へはみ出し、そのままゲントを包む。
そしてその光の中からブレーザーは無色の状態で現れ、それに赤と青のラインが色付くと同時に左拳を突き出して飛び出す!
「ルロロロロロロロロロロィ‼︎」
飛び出して現れたブレーザーはそのままその先にある高層ビルに飛び付いてよじ登り、そしてビルを蹴って飛び、そのまま急降下しながら組み合っていたコスモリキッドとライブキングに両膝蹴りを叩き込んだ。
いきなり蹴られて同時に吹っ飛んだ二体が即座に立ち上がって振り向くと、そこには着地をして立っているウルトラマンブレーザーの姿があった。
ブレーザーは両腕を大きく回して片膝を上げた後、地面に深く身を沈めて両手を突き出すという祈祷の動作をした後に構えを取る。
「ブレーザー…!」「来てくれたのですね!」
「いい所に来てくれた…!」
ブレーザーの登場にヤスノブとアンリは安心したように反応し、テルアキはいいタイミングで来てくれた事に感謝するように呟く。
ブレーザーはまずはライブキングの注意を引こうと、手を振って赤と青のエネルギーが渦巻く光弾『サプレッシブ・スプライト』を数発放ちライブキングに命中させ、それによりライブキングが自身の方を振り向いて笑い始めると、更に威嚇をするように吠え始める。
側から見ると、やたら爆笑する怪獣と、ひたすら吠え続ける巨人が対峙しているという、なんとも奇妙な光景である。
「今だ!」
ブレーザーがライブキングを引き付けてる隙に、アースガロンはアンリの言葉と共にコスモリキッドとの戦闘を再開する。
ブレーザーはそれを確認したのか吠えるのをやめてライブキングに飛びかかると同時に頭部に右肘を打ち込み、続けて腹に膝蹴りを決め、それを皮切りにライブキングと激しい格闘戦を始める。
ライブキングも怪力を誇る腕を大振りにしてブレーザーに殴りかかるが、ブレーザーはそれらを避けたり多少喰らったりしながらも、肘打ちや膝蹴りを中心とした格闘技を決めて行く。
やがてブレーザーとライブキングはお互いの手を掴んで力比べを始め、ブレーザーはライブキングの怪力に徐々に手を下にひねられてそのまま持ち上げられそうになるが、咄嗟にライブキングの足を踏み、ライブキングが「いってっ!」という叫びと共に手を離した所で、更に跳躍して両足蹴りを胸部に叩き込んで吹っ飛ばす。
ブレーザーは再度ライブキングに接近すると、右腕でヘッドロックをかけてそのまま左肘を何度も頭部に打ち込んだ後、跳躍して腹部、胸部と二段蹴りを決めて後退させる。
常に笑いながら怪力を活かして襲い掛かるライブキングに対し、巻き舌を伴う叫び声のような掛け声を上げながら、野生的な荒々しい戦闘スタイルで戦うブレーザー。
同時にバトルをしているアースガロンとコスモリキッドの方が、外見、鳴き声などどれも比較的正統派な怪獣・ロボット怪獣である事から、よし異質さが目立つバトルである。
ゲントは以前『天弓怪獣ニジカガチ』と戦った際に入手した『ニジカガチストーン』をブレーザーブレスに装填してスイッチを押し、それによりブレスに円状の鮮やかな虹のエフェクトが浮かぶ。
ブレーザーは構えを取った後、一旦両手を合わせてそこから放出された虹のエネルギーを凝縮して、7色の刃を持つ光輪にして投げつける『レインボー光輪』を放つ!
7色の巨大な光輪はライブキングを真っ二つにしようと縦に回転しながら飛んで行くが、なんとライブキングはそれを出っ腹で受け止めてしまい、しばらく自身の腹に接触した状態で回転する光輪を笑いながら見つめた後、両腕を振るって光輪を弾き飛ばし、弾き飛ばされた光輪はライブキングの背後の地面に落下し爆発して砕け散った…!
ブレーザーはレインボー光輪を無効化された事に驚愕するように顔を上げるが、更に驚く事に、ライブキングはレインボー光輪を受けた腹に切り傷が出来ていたのだが、それもあっという間に塞いで回復してしまった!
ライブキングはブレーザーが動揺している隙に急接近し、出っ腹を活かした体当たりを決め、そのまま倒れるブレーザーにマウントポジションを決めてそのまま押し潰そうとする。
ブレーザーは必死に手で押さえる、殴るなどして抵抗するが、ライブキングの重量を誇る巨体の下敷き状態からなかなか逃れる事が出来ない…!
その時、何処からか飛んで来た銃撃がライブキングの頭部に命中し、それによりライブキングは注意が逸れる。
ブレーザーの援護射撃をしたのは、地上のエミであった。
「さっき脅かしてくれたお返し。」
エミは23式電磁小銃を下げた後、不適な笑みでそう言った。
一瞬だけ動きが止まったライブキングに、ブレーザーはすかさず喉突きを決め、ライブキングがえずいている隙に更に両足蹴りを顔面に打ち込み、そのまま後転して立ち上がる事でマウントから逃れる。
そして再びライブキングと組み合い、泥臭い格闘戦を再開する…。
果たしてブレーザーは、驚異的な生命力・再生能力を持つライブキングをどう倒すのだろうか…?
コスモリキッドと交戦を再開したアースガロンは、格闘戦では比較的優位だったが、相変わらずコスモリキッドはそれらを体を液体化して回避したりするため、作戦がスムーズに進んでいるわけでは無かった。
アースガロンはコスモリキッドに両拳のパンチを決めて後退させる事で一旦距離を取る。
コスモリキッドと多摩川の距離はとうとう100メートルを切ったのだが、アースガロンはその間に立たされている状態だった。
「後少しですが…この状態でどうやって奴を川に…。」
アンリは頭を悩ませる。
「奴は既に、アースガロンの様々な格闘攻撃を学習してますからね。」とヤスノブ。
『それに、何やら我々が何をしようとしているかも勘付いている感じがしますね。』とアーくん。
「こうなったら、急上昇して一気に奴の背後に回り込んで…あかん、上昇してから回り込むまで、多少のタイムラグがある…。こうなったら、液体化で回避されるのも覚悟で武装を使うしか…。」
万策が尽きかけ、やむを得ず武装攻撃を決行しようとしたその時。
「アースガロン応答せよ。こちらテルアキ。」
「副隊長…?」
突然入ったテルアキからの通信にヤスノブは反応する。
「実は、私に一つだけ提案があります。」
「本当ですか?」
思いもよらぬ発言にアンリは嬉しそうに反応する。
「ですが、これはかなりの賭けでもあります。 それでも乗りますか?」
テルアキがこれからする提案は、一か八かの行動でもあると知らされるが、それでもパイロット2人の意思は揺るがなかった。
「テルアキ副隊長、あなたの提案なら、喜んで乗ります!」とアンリ。
「この際、やれる事は全てやっちゃいましょう!」とヤスノブ。
『右に同じです。』とアーくん。
「…分かった!」
自分を信頼してくれる部下たちに、テルアキは少し嬉しそうに了解した。
しばらくするとアースガロンは再びコスモリキッドの方を振り向き、それを見たコスモリキッドも再び身構える。
すると、アースガロンは何やら右手を掌を上にして突き出し、指先を数回曲げる動きをし、それを見たコスモリキッドが首を傾げた所に、更に左手も同じように突き出し、今度は両手で同じ動作をする。
アースガロンは、所謂“挑発”のポーズをやっているのだ。
コスモリキッドは両腕を挙げて地団駄を踏み始める。どうやら見事挑発に乗って逆上したみたいであり、闘牛のように数回地面を蹴った後、アースガロン目掛けて勢いよく飛びかかり始める!
「今だー!!」
アンリの叫びと共に、アースガロンは即座に最大出力で横に飛んでかわし、アースガロンによけられた事によりコスモリキッドはそのまま川に向かって飛んで行き、そのまま落下した!
コスモリキッドの巨体が水面を叩いた後にそのまま沈み、それにより水飛沫が飛び散る中、アースガロンはすぐさま水に浸かっているコスモリキッドの方を振り向き、ヤスノブが照準を合わせ始める。
テルアキは作戦開始からずっと観戦していて、コスモリキッドがライブキングの笑っているのを見て苛立っていた様子から挑発に弱いと洞察し、アースガロンからはまだ挑発されてない故に学習されるリスクも比較的少ない事から、わざと挑発して怒らせて、突っ込んで来た所で回避して一気に川の中に飛び込ませるという作戦を思いついたのだ。
挑発に乗らない可能性もある、もしくは予想外の動きをする可能性もあった事から、発案者のテルアキも言っていたように、半分は賭けでもあったこの作戦は、見事に成功したのである。
川の水に浸かった状態でコスモリキッドは水飛沫を上げながら立ち上がり、再びアースガロンに向かって行こうとする。
「今や!! 超電磁誘導弾、発射!!」
遂に照準が定まり、ヤスノブの操作でアースガロンはMod.2ユニットの右肩のレールキャノンから、装填していた超電磁誘導弾を発射する!
強力な電気を込めた弾丸は、見事、川の水に浸かっているコスモリキッドの足元ギリギリの所に命中し、破裂した弾丸の中から一斉に流れ始めた強力な電気はあっという間にコスモリキッドの体を包み、またそれを中心に電気は多摩川の前後半径約1キロ先までにも広がる!
強力な電気が身体中に走るコスモリキッドはもがき苦しみ始め、また感電している事により身動きが取れず、液体化も出来なくなった。
「続けて、液体窒素弾発射!!」
続けてヤスノブの操作によりアースガロンはレールキャノンから液体窒素弾を発射し、発射された弾丸はコスモリキッドの頭上で爆発・破裂してそこから冷気がコスモリキッドの体を包むように一気に広がり、冷気を全身に浴びたコスモリキッドは体が凍りつくにつれて徐々に動きが鈍って行き、やがて完全に凍り付いて動きを止める。
「今だ!全兵装一斉射!!」
「オールウェポン!!」「ファイヤー!!」
テルアキの指示を受けたヤスノブとアンリの叫びと共に、アースガロンはアースガンとテイルVLS、Mod.2ユニット、そして口部からの荷電粒子砲『アースファイア』を一斉に放ち、鋼鉄の獣の攻撃の乱舞は凍結したコスモリキッドの体を包むように一気に命中し、瞬く間に粉々に砕いた!
砕け散ったコスモリキッドの凍った残骸は、テルアキやエミの元にも飛び散り、それにより彼らも勝利・作戦成功を確信する。
『ミッション、完了ですね。』
アーくんの言葉を皮切りに、見事作戦が成功した事にコックピットのヤスノブとアンリは喜び合い、地上で観戦していたテルアキはガッツポーズを決め、エミもふと笑顔を見せる。
アースガロンの勝利及びコスモリキッド撃破の瞬間を、ブレーザーとライブキングも組み合った状態で止まって見ていた…。
やがてお互い相手の方をゆっくりと振り向き、目が合った瞬間に同時に驚くような仕草を見せる。
だがブレーザーは即座に切り替え、ライブキングの腹部に飛び膝蹴りを打ち込み、脛に蹴りを入れてバランスを崩した所に更に大きく前転してあびせ蹴りを叩き込んで地面に叩きつけた!
ゲントは『ガラモンストーン』をブレーザーブレスに装填してスイッチを押し、それによりガラモンの足音のような音と共にブレスに電撃のエフェクトが浮かぶ。
ブレーザーは稲妻状のエネルギーと共に生成されたガラダマ雷鳴剣『チルソナイトソード』を手に取り、右手持ちで、左手で刃先を撫でるような形で構えを取る。
そしてライブキングに接近し、チルソナイトソードで左右斜めに斬撃を決めた後に胸部にぶっ刺し、その状態のままレバーを一回引いて引き抜いた後、一回転しつつ横一直線に振り抜いて稲妻状のエネルギー波を3発発射する『イナズマスラッシュ』を放ち、それをゼロ距離で受けたライブキングは爆発と共に吹っ飛んで仰向けに地面に倒れ、その状態のまま再び笑い始める。
相手を挑発してるのか、自身の攻撃が決まっているのが嬉しいのか、ブレーザーは吠えながら数回地団駄を踏むように飛び跳ねた後、チルソナイトソードを地面にぶっ刺して構える。
ゲントは今度は『ファードランストーン』をブレーザーブレスに装填してスイッチを押し、それにより炎のエフェクトが浮かび上がる。
そしてそれにより、上空から真っ赤な炎と共に、ブレーザーの相棒でもある赤い炎を纏った不死鳥のような怪獣『炎竜怪獣ファードラン』が飛びながら現れる。
ライブキングは上空を見上げてそれに気づくと再び手を叩いて飛び跳ねながら笑った後、ファードラン目掛けて火炎放射を放つが、ファードランはそれを周囲を旋回する形でかわすと同時に火炎を吹き返し、それを浴びたライブキングは「あっちっ!」と口走りながら後退りをするが、炎を受けた影響で出べそが焦げてしまっていた。
次にファードランは飛びながらコスモリキッドの破片が散らばっている地面スレスレを通り過ぎ、それによりファードランの炎を受けた液体大怪獣の凍った破片はその熱により解凍される事も無く瞬時に蒸発した…!
これによりコスモリキッドは完全に復活出来なくなった。
ファードランは、両腕を広げて待ち構えているブレーザーの元に飛んで行き、接触した瞬間、ブレーザーの右手から順に鎧として装着されて行き、やがてブレーザーは鎧となったファードランを右半身に纏った後、燃え盛る炎を背に右拳を握って突き上げて飛び出す!
(BGM:僕らのスペクトラ)
自身の体を包む炎を振り払って現れたのは、ファードランが変化した炎のような装甲を右半身に纏ったブレーザーの強化形態『ウルトラマンブレーザー(ファードランアーマー)』である!
ブレーザーは更にチルソナイトソードを引き抜くと、それを燃える炎のエフェクトと共にファードランと合体させて双刃の長剣『チルソファードランサー』に変えて構える!
ライブキングは尚も笑いながらブレーザー目掛けて頭を突き出して突進するが、ブレーザーはチルソファードランサーのファードランの部分で受け止めて、そのまま地面を削りながら後ろに下がって耐え抜いた後、炎を纏わせる事でライブキングが熱さで離れた隙に、チルソナイトソードの部分の稲妻を纏った斬撃で下から振り上げる形で斬りつけ、続けて数回転しながら連続で交互に炎と雷の斬撃で斬りつけて行き、ライブキングの腹を蹴ってその反動で宙返りしながら後ろに飛んで着地する事で距離を取る。
ライブキングは再び火炎を放射して反撃に出るが、ブレーザーはチルソファードランサーを突き出して両手で回す事で防ぐと同時に火炎を絡み取りながら接近して行き、やがて距離を詰めた所で、ファードランの炎に絡め取ったライブキングの炎を上乗せした巨大な火球を先端に生成し、それを上から大きく振り下ろして叩きつけ、それを受けたライブキングは大爆発と共に吹っ飛んで地面を転がる。
流石に大ダメージを受けたのか、ライブキングは笑いながら立ち上がるもふらつきが目立ち、動きも若干鈍っていた。
ブレーザーはトドメとして、チルソファードランサーのレバーを4回引き、チルソファードランサーを弓の要領で構え、右肩の鎧を燃え上がらせながら雷と炎の矢を放つ必殺技『チルソファード炎竜射』を放ち、それに体を貫かれたライブキングは動きこそはもがき苦しんでるものだが、最期の最期まで笑い続け、雷と炎のエフェクトを発しながら大爆発して砕け散った…!
大爆発した後もしばらくライブキングの笑い声が木霊し続けており、ブレーザーは発射態勢を解いた後、炎を纏った後にファードランアーマーを消失させて通常の姿に戻った。
(BGM終了)
カラータイマーが赤く点滅を始めている中、ブレーザーはライブキングが爆発した場所の爆風がある程度消えた時、その場所に散らばっている肉片の中に何やら一定のリズムで鼓動を刻んでいるものを見つける。
恐らくライブキングの心臓であろう。
ブレーザーの強力な攻撃や技を受けて体自体はバラバラになったにも関わらず無事であり、そして今でも動き続けている…恐らくライブキングの驚異的な生命力の秘訣はこの心臓からだと思われ、そして今まさにそこから再生して行こうとしてるのであろう…!
ブレーザーは野生の勘でそれに気づいたのか、ライブキングの心臓を若干気持ち悪そうな手つきになりながらも掴み上げると、そのまま上空に飛び上がり、ある程度低空飛行で飛んだ後、手を後ろに伸ばすと同時に高速飛行に移行し、赤と青の光が残るソニックブームを発生させながら空の彼方へと飛び去って行く。
そして宇宙空間に入ったブレーザーは一旦止まると、手に持ったライブキングの心臓を思い切り前方へと投げつけた後、右手から発生させたブラックホールのような空間から光り輝く槍『スパイラルバレード』を取り出し、それを大きく回しながら右手に持ち替えて構えた後、上下左右に激しく回転して勢いをつけた後に投擲する!
赤と青の二重螺旋状の光の槍はライブキングの心臓を貫通し、それによりライブキングの心臓は爆発して砕け散った…!
ライブキングを完全に倒したブレーザーは、勝利の雄叫びなのか、その場で大きく顔を上げて獣が吠えるような叫び声を上げた。
こうして、恐怖の二大怪獣はスカードの作戦、そしてブレーザーの活躍により破られ、人々に束の間の平和が戻ったのである…。
翌日、スカードの作戦室にて、各々が各自の作業をしながら昨日の作戦を振り返っていた。
「それにしても昨日の液体怪獣には参りましたね。」とヤスノブ。
「しかも、あの穴から別の怪獣も出て来るなんて…。」とエミ。
「それにしても、テルアキさんの咄嗟の作戦は見事でしたね。」とアンリ。
「いやいや、ブレーザーがサポートしてくれたお陰でもある。」テルアキは照れ隠しも含めた表情で言った。
「やっぱブレーザーも我々の仲間。間違い無いですね。」
ヤスノブの言葉に一同は笑顔で頷いた。
「それにしてもあの太っちょの怪獣、なんであんなに笑っていたんだろう…?」
エミは、例え攻撃を受けようと常に笑っていたライブキングに疑問を持ち始める。
「きっと、どんな事されても生きていられるのがよっぽど嬉しかったんだろうな。」「なんせ、奴は驚異的な再生能力を持ってましたからね。」
テルアキとヤスノブは少し困惑しながらも、それっぽい理由付けという形で答えた。
「しっかし気持ち悪かったですね、あの笑い声…夢に出て来そう…。」
アンリはそう言いながらふと身震いした。
「タガヌラーとどっちがキモいっすか?」「ちょ…やめてくださいよ〜!」
ヤスノブが軽くからかい、アンリがそれに嫌がる様子を、テルアキとエミは笑顔で見つめた。
「そういえば今本人いないから言えるんですけど、あの太っちょ怪獣、ゲント隊長は…「ライブキングでどうだろうか?」と言ってましたよ。」
エミは言った。
「なんやそれ?生命力凄いから?」「流石に直球過ぎるでしょ。」
ヤスノブとアンリは苦笑いしながら言った。
「いやそれが、上層部もそれをそのまま採用したらしいですよ。」とエミ。
スカードの一同は、本人がいないというのもあって、ゲントの独特なネーミングセンスと、上層部の変なノリについて笑い合った。
「しかしゲント隊長、今頃楽しんでるんだろうな〜。」とエミ。
そのゲントはと言うと、その日は休みを取り、家族である妻のサトコと息子のジュンと一緒にお出掛けをしていた。
コンサートである。
既に開演されており、ヒルマ家、そしてその他会場の観客達は、演奏されている『BLACK STAR』に合わせて振り付けをしながら盛り上がっていた。
そんな中、ゲントは会場の喧騒に紛れて、1人呟いていた。
「昨日の作戦は、スカードの力のみでは成功するのは怪しかったし、ブレーザーがいてくれたお陰で成功したのも事実だ。 俺は君を信じている。 これからも頼むぞ。」
その時、ブレーザーは嬉しくなったのか(それか同じくライブで盛り上がって来たのか)、ゲントのポケットの中に入っているブレーザーストーンが赤くなって熱を発する。
「あっちぃぃぃ!!」
ゲントは、ライブで観客達がちょうど拳を突き出して跳ぶタイミングで、熱さのあまりその人達以上に飛び上がったのであった。
(ED:Brave Blazar)
〈完〉
読んでいただきありがとうございます!
今回は劇中の時系列とか関係なく、私なりのブレーザーの物語の1話を作ってみたいなという気持ちで制作しました。
なので、今回も前回、前々回同様、本作のオリジナル主要人物(竜野
櫂、新田真美など)が一切登場しませんでした(笑)
最初は、それなりにドラマパートも入れるつもりでしたが、恥ずかしながら私自身、ミリタリにそれほど詳しく無いのと、ブレーザーの第1話を意識してというのもあって、最初から既に怪獣が登場していて戦闘開始という形にしました。
登場怪獣をコスモリキッドとライブキングにしたのは、それぞれブレーザーとアースガロンを相手するという事でセットで登場させやすいのと、昨年のタロウ50周年を記念してでもありますね。
ウルトラマンブレーザーは、初見時はザ・ネクスト辺りを彷彿とさせつつ斬新なデザインで神秘的だなと思ってたら、いざ戦闘シーンを見てみると想像の斜め上、いや真上を行くワイルドさで、そのギャップも素晴らしかったですね。
出演者も演技力高い方ばかりで、何より主人公が嘗て(何気に今年10周年を迎えた)「仮面ライダードライブ」でハートという主人公のライバル的存在でもある人気キャラを演じられた方という事で、そういう点でも放送開始前から期待値上がりまくりでしたね。
登場怪獣もまさかの大半が新規怪獣で、毎回こいつはどんな攻撃をして来るのだろう、こいつとはどう戦うのだろう等と毎回ワクワクしながら見てましたね。
因みに私はブレーザーの新規怪獣だとザンギルが1番好きで、他にもタガヌラー、ニジカガチ、デルタンダル辺りも気に入りました。(特にタガヌラーは第23話を見て一気に見方が変わりました。)
毎回毎回が見応えある回ばかりで、いよいよクライマックスに突入するという事で、最終バトル、そして今年2月に公開される劇場版もとても楽しみです!
ウルトラマンの他にも「シン・仮面ライダー」や「ゴジラ−1.0」など、昨年も特撮映画が豊作でしたね。(何気にどちらも私の好きな女優さんが出てるという(笑)) あとは特撮ではないですが、円谷関連だと「グリッドマンユニバース」もですね。
そして、ネトフリ配信の「ULTRAMAN:RISING」も楽しみです!
後書きが長くなってしまって&勝手に興奮してしまって申し訳ありません。
今年も時間を見つけては作品を制作して行こうと思いますので、宜しければ今年もよろしくお願いします!
感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています!