ウルトラマンゼロ物語(ストーリー) in RED ZONE STAGE   作:剣音レツ

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 今回は特に前もって書くことがありません。強いて言うなら私はいつもバトルシーンに力を入れて書いています(笑)

 では、始まります。


第8話「悪魔と天使の狭間……。~未知なる戦いへ~」

 (OP:TAKE ME HIGHER)

 

先ほどコンビニで櫂に痛ぶられた女子高生三人(ナオミ、リンコ、ユリカ)は、悔しさで有り余る怒りを抑え切れずにいた。

 

「ほんっと最低よね!女子を本気で殴るなんて…」

 

 「メイクが乱れちゃったし……正に男の屑だわ!あいつ。」

 

 「あんな奴、怪獣に潰されればいいのよ!」

 

 三人は、愚痴を言い合いながら道を歩く。その時、

 

 

 「フフフ……随分とご立腹ですなぁ、お嬢さん達。」

 

 突然、どこからか紳士的な声がしたので三人はふと後ろを振り向く。するとそこには、鋭い無数の棘が生えた金属製の球体に手足を付けた様な形状の姿をしている宇宙人『光波宇宙人リフレクト星人リバース』が立っていた。ウルトラマンテラが新たに送り込んだ刺客である。

 

女子達は、いきなり現れた異形の者に驚き、少し身震える。リバースは、手に赤くT字の形をしていて、窓の様な物が三つ付いていて、全体に複雑に青・黒の稲妻の様なラインが走っているアイテム『テラバトルナイザー』を持っている。

 

テラが超能力で作ったアイテムで、怪獣を召喚して操るだけでなく、マイナスエネルギーを吸収して怪獣に変えたり、怪獣のエネルギーにしたりすることもできるという恐ろしいアイテムである。

 

 「その邪念、使わせていただきますよ。」

 

 リバースはテラバトルナイザーを三人に向けて突き出す。すると、三人の体から黒雲の様な物が発生し、テラバトルナイザーに吸収されていく。リバースは、女子三人の、櫂にボコられた事に対するマイナスエネルギーを利用しようと考えたのだ。

 

 「ふぅ……これでいいのです。フフフフフフ………。」

 

 マイナスエネルギーを吸収し終えたリバースは、怯える女子三人をよそに笑いながら何処ともなく去って行った。

 

 「………何だったの、今のは……。」

 

 「全く、男にボコられるし、変なのに遭遇するし、今日はツイてないわ~。」

 

 「…まあ、殺されなかっただけまだマシじゃない?さぁさぁ、ショッピングでもして嫌な事忘れましょ。」

 

 三人は、次々と起こる異常な出来事に整理がついてないながらも、再び他愛も無い話をしながら歩き始めた。

 

 

 一方、迷子の親探しをしていたマーベラスとアイムは、無事母親を見つける事が出来た。

 

 「どうもありがとうございます。」

 

 「お兄ちゃん、お姉ちゃん、ありがとう!」

 

 「いえいえ。もう親から離れないでね。」

 

 礼を言う母と子。アイムはしゃがんで子の頭をなでる。

 

 「んじゃ、俺達もそろそろ行くか、アイム。」

 

 「そうですね。」

 

 マーベラスとアイムは、親子に手を振って別れを告げ、大学への道を歩き始める。

 

 

 同じ頃、アイム達と同じく大学に向かっている竜野櫂と新田真美は、楽しそうに会話をしながら歩道を歩く。

 

 「あ、そう言えば櫂君、見せたい物があるんだ。」

 

 真美はそういうと、鞄からウルトラゼロアイを取り出し、櫂に差し向ける。それが、ウルトラマンゼロそのものであるとも知らずに………。

 

 「これ、道端で拾ったの。」

 

 「へえ、随分と珍しいサングラスじゃん。」

 

 「サ…サングラスって……」

 

 ゼロはサングラス呼ばわりされ少し困惑する。櫂はゼロアイを珍しそうに見つめながら、受取ろうと右手を出す。

 

 櫂がゼロアイを受け取った瞬間、何かに気付いたのか、少し目を見開き「ハッ」と静かに驚く。櫂の右手の甲に、数か所切り傷があるのだ。これは、先ほど女子高生三人を脅すために石の塀を殴った際に出来た傷である。

 

 「どうしたの?ひどい傷……」

 

 「あ………こ、これはだな………さっきひ、ひったくりを捕まえたんだが、その際にナイフで切られてな。」

 

 「そう…それは大変だったね……今手当てするからね。」

 

 櫂は少し困るが、何とか言い訳を絞り出して言う。真美は鞄から救急箱を取り出して手当てを始める。手当てをしながら、真美は何やら考えていた。

 

 (どうしたんだろう…櫂君と言い海羽ちゃんと言い……それにこのサングラスの様な物……何かの前触れに感じるわ……)

 

 昨夜の海羽に続き、櫂までもが謎の傷を負っている事や、未知のアイテムを拾うなど、変わった事が多い事で、何かが起こるのではないかと不吉な予感を感じているのだ。

 

 「ありがとな、真美。いや~今日が空手部の助っ人じゃなくて良かったよ。ハハハ、」

 

 「あんまり無理しないようにね。」

 

 櫂は礼と共に軽く冗談をぬかし、真美は笑顔で返す。その時、後ろから二人組の男女が歩いてきた。マーベラスとアイムである。

 

 「おはよう、櫂君、真美ちゃん。」

 

 「おう、マベ、アイム。お前らも大学か?」

 

 「ああ。奇遇だな。」

 

 「せっかくだから一緒に行きましょう。」

 

 四人は合流すると、そのまま楽しそうに会話をしながら歩き始める。

 

 

 

 一方、二日前から霞ヶ崎の異常探索をしていたケンイチ・カイは、とある空き地でリバースを見つけ、交戦していた。リバースは右腕を上から振り落とし、カイはそれを両腕をクロスさせて防ぐ。

 

 「フフフ、これはこれはウルトラマンパワード、私の邪魔をしに来るとは、だがもう遅い。直にこのテラバトルナイザー内のマイナスエネルギーが怪獣に変わる。」

 

 「お前らの目的は何だ、答えろ!」

 

 「我々はただの尖兵に過ぎない。あるお方の為にも、マイナスエネルギーを集める必要があるのだよ。」

 

 「なにっ⁉」

 

 リバースは左腕を横に振るい殴ろうとするがカイは素早く後ろに軽く跳んでかわす。カイとリバースは左右パンチの打ち合いをした後、カイはリバースの左横殴りを身体を反らせてかわし、右回し蹴りを放つが、リバースはそれを左手の円盤状のシールドで防ぐ。カイはそのまま跳んでもう片方の足でリバースのボディに前蹴りを決め、その反動を利用して宙返りで後ろへ跳び距離を取る。

 

 カイは高く跳んで跳び蹴りを放つがリバースは右手のシールドで受け止める様にそれを防ぎ、そのまま振るい飛ばすが、カイは空中で一回転して体勢を立て直し着地する。

 

 その時、リバースのテラバトルナイザーがピコピコと鳴った。マイナスエネルギーが怪獣に変わった知らせである。

 

 「おっと、ようやく怪獣が完成しました。あるお方にマイナスエネルギーをささげる前に、あなた達ウルトラマンを潰さなければなりませんからね。」

 

 「なにっ⁉」

 

 リバースは、テラバトルナイザーを空高く上げる。

 

 「さあ、出でよ‼」

 

 《テラバトルナイザー、モンスロード!》

 

 テラバトルナイザーは野太い電子音声と共に赤黒く発光し、一つの赤い球状の光を発射する。球状の光は黒雲に変わり、中から怪獣が出現する。

 

 そいつは、赤と青で彩られた恐竜の様なボディに頭部には赤い棘やトサカが生えているのが特徴の『黒雲超獣レッドジャック』だ!

 

 レッドジャックは咆哮を上げると、火炎を放射して暴れ始める。

 

 「……しまった。」

 

 「さ・て・と、私はもっと落ち着く場所で高みの見物といきましょうかな。さらば!」

 

 “シュゥゥン”

 

 リバースはレッドジャックを召喚した後、テレポートで姿を消して去った。レッドジャックは、剛腕や長い尻尾などでビルを叩き潰しながら暴れ続ける。

 

 「まずはあいつを止めないと。」

 

 カイは変身アイテム『フラッシュプリズム』を取り出そうと胸元に手を入れるが、レッドジャックはそれに気づいたのか、カイ目掛けて両手を合わせ、稲妻状の破壊光線を発射する。光線はカイの足元に命中して爆発し、カイは爆風に吹っ飛ばされる。

 

 「うぉあああっっ‼」

 

 カイは地面に落下すると、そのまま気絶してしまった。

 

 

 

 同じ頃、大学に向かっている櫂、真美、マーベラス、アイムの四人。櫂は、先ほど真美から受け取ったウルトラゼロアイをマーベラスとアイムに見せる。

 

 「なあ、これ、何だか知ってる?」

 

 「‼それは………」

 

 マーベラスが何かを言おうとしたその時、

 

 《ドシーン‼》

 

 突然、強烈な地響きが起こり、四人はよろめく。周りをよく見渡すと、逃げ惑う人々の姿が。

 

 「はっ、あれは何⁉」

 

 真美が指差す方向に三人も振り向く。そこには、暴れ回るレッドジャックの姿があった。

 

 「あれは確か、鎧さんが言ってたレッドジャック。」

 

 「マジかよ……」

 

 マーベラスとアイムは、レッドジャックの事を既に鎧から聞いていたようだ。ビルを崩し、火炎を放射して暴れ続けるレッドジャック。櫂達四人も逃げ始める。

 

 「くそ…あの怪獣野郎…出来たら爪を分捕ってやりてえぜ!」

 

 櫂は逃げながら愚痴を言う。だがそれも束の間、レッドジャックの火炎は四人の近くで爆発し、四人は一斉に吹っ飛ぶ。

 

 櫂とマーベラスとアイムは無事だが、真美は少し足を挫いてしまった。

 

 「大丈夫か真美。」

 

 「私にかまわず逃げて。」

 

 「んな事出来る訳ないだろ。」

 

 櫂は真美の腕を自身の肩に回して担ぎ上げようとするが、その隙にレッドジャックはもう目前までに来ており、四人は絶体絶命の状況に追い込まれていた。

 

 その光景を、同じく大学に向かっていた眞鍋海羽が遠くから見ていた。そして、胸のポケットから『ハートフルグラス』を取り出すが、昨夜真美に治療してもらった右肩を見て思いとどまる。

 

 (傷が完治していない……今変身して戦えば、私は死んでしまうかもしれない………でも、友達を救いたい………お願い、誰か助けて………!)

 

 海羽は心の中で必死に叫ぶ。それはフェードアウトするかの様にだれかの心に響く様だった。

 

 助けて……助けて……助けて……

 

 その時、海羽の思いが届いたのか、レッドジャックに吹っ飛ばされて気絶していたカイが目を覚まし起き上る。そして、フラッシュプリズムを右手に持って高く揚げてスイッチを入れる。すると、開放された光エネルギーに包まれて巨大化し、『ウルトラマンパワード』となった。

 パワードの着地と同時に、周囲の地面から勢いよく土煙が舞い上がる。

 

 櫂達を襲う寸前だったレッドジャックはパワードの出現に気付き、注意を向ける。櫂達四人もパワードの登場に見入っていた。

 

 「……あれが、ウルトラマンパワードか。」

 

 櫂は初めて見るパワードの登場に感心する。

 

 「あれが、鎧が言っていたウルトラマン…」

 

 「確かに女性には見えませんね。」

 

 アイムは笑顔で軽く冗談を言う。マーベラスはそれを横目で見て少し笑う。四人はとりあえず安全な場所へと移動し、観戦する。

 

 パワードは構えを取った後、地面を蹴って跳び、レッドジャックに跳び蹴りを放つ。レッドジャックはそれを腕をクロスさせて受け止めそのまま振るい飛ばすが、パワードはその勢いを利用してビルを台にして側転し、更に高層ビルを蹴って勢いをつけレッドジャック目掛けて跳び、そのまま右肘鉄を胸部に打ち込む。

 

 レッドジャックは怯まず右腕を横に振るって殴りかかるがパワードはそれを左回し蹴りで弾き、更に一回転して右後ろ回し蹴りを胸部に決める。

 

 レッドジャックは今度は左フックを繰り出すがパワードはそれを回転しながらしゃがんでかわし、そのまま右拳を右横腹に決め、更に背を向けたまま畳みかける様に腹部に左右交互に肘打ちを打ち込む。

 

 その後パワードは時計回りに振り向きながら跳躍し右回し蹴りを繰り出すがレッドジャックはそれをしゃがんでかわす。

 

 両者体勢を立て直した後再び組み合う。パワードはレッドジャックの右振りのパンチを左腕で受け止め、胸部に左右交互にパンチを打つ。そして、横に回り込んで右ヘッドロックをかけ、そのまま跳躍し、落下スピードを利用して地面に叩きつけた。

 

 戦いは、両者の周りに土埃が次々と勢いよく舞い上がり、攻撃炸裂の際、たまに小さな爆発が起きたりなど激しいもので、四人は見入っていた。

 

「おもしれーじゃねーか、あいつ。」

 

「まあ、何て立派な。」

 

 マーベラスとアイムは、パワードの強さに感心する。

 

 「流石は地球を愛した無敵のヒーローだね。」

 

 「……ああ。」

 

 櫂と真美も、勝利を確信したのか、笑顔で見つめ合う。だが、リバースもまた、パワードの戦いを見ていた。

 

 「フッ、レッドジャックのやつ、手間取ってるみたいだな。ハアアッ‼」

 

 リバースはレッドジャックに加勢しようと身体を発光させて巨大化する。パワードもそれに気づく。

 

 「!お前は。」

 

 「今ここで叩き潰してやりましょう、ウルトラマンパワード。」

 

 リバースは右手のシールドのスリットから剣を出現させ、パワードに斬りかかる。パワードは、跳びかかると同時に上から振り下ろす斬撃を左にそれてかわし、続いて繰り出して来た横振りの斬撃を回転しながら後退してかわすが、その隙を突かれ左足払いを受けてしまうが、その際に宙に浮いたところで右拳を顔面に打ち込む。

 

 リバースが怯んで後退した隙にパワードは跳ね起きで起き上るが、その直後、左肩に激痛を感じる。レッドジャックが後ろから噛み付いてるのだ。さらに体の赤い部分から6千度の熱を発散し、熱の二重攻撃で苦しめる。パワードはレッドジャックを離そうとトサカなどを掴むが、逆に自分の手が焼けてしまうためすぐに手を離してしまう。

 

 リバースは動けないパワードに左右袈裟斬りを決め、更に強烈な横振りで吹っ飛ばす。斬撃が決まるたびに火花が飛び散る。感情が高揚したのか、『パワード・アイ』は青から深紅に変わっていた。

 

 パワードは体勢を立て直し、腕を十字に組んで『メガスペシウム光線』を発射する。だが、光線はリバースを直撃するどころか撥ね帰って来て、自身の胸部に直撃してしまい吹っ飛ぶ。リフレクト星人の体は『光学エネルギー無効装甲』で覆われているため、どのような光線技も弾いてしまうのだ。

 

 「あいつ…光線が効かないのかよ!」

 

 「二対一とは卑怯です!」

 

 (くそっ……俺にエネルギーが残ってれば………)

 

 四人はパワードの苦戦に目を注ぎ、ゼロは目の前でウルトラ戦士が苦戦していると言うのに何もできない自分に悔しがる。

 

 「櫂君……」

 

 真美は不安になり、櫂の袖を軽く掴む。櫂は何かしてやれないのかと必死に考えていた。

 

 (……俺に何か出来る事があれば………はっ、そうだ!)

 

 櫂は直感で何かを思ったのか、ウルトラゼロアイを取り出し見つめ始める。 

 

「やいっ!お前ももしかして大いなる力か何かを持っているのか⁉持ってるなら今すぐくれ‼」

 

 必死に語り掛けるが、持ってるのはエネルギーを失ったゼロ本人。光り輝くことは無かった。

 

 ((くそっっっ‼))

 

 ゼロと櫂の心の声が重なる。パワードはなおも二体に苦戦している。今度はレッドジャック目掛けてメガスペシウム光線を放つが、リバースが瞬時にレッドジャックの前に回り込み盾になることで光線を弾く。弾かれた光線は櫂達目掛けて飛んで行く!

 

 「…まじかよ……!」

 

 「こっちに向かってくる…」

 

 「早く逃げましょう!」

 

 三人は急いで逃げるが、どうしたことか櫂だけはゼロアイを上げたままその場を動こうとしない。

 

 「……!櫂君」

 

 真美は呼びかけるが、櫂は一向にその場を動かない。光線はもうすぐそこまで迫っていた。

 

 (……こうなったら賭けだ!)

 

 櫂はウルトラゼロアイを空高く揚げる。すると、ゼロアイは迫って来るメガスペシウム光線を吸収し始めた!三人は強烈な光で目を隠しながらもその光景に驚愕する。

 光線を吸収し終えたゼロアイは、青白い強烈な光が満ち溢れ輝いている。

 

 「フゥ、こいつやってくれるぜ。まさかこういう形で俺を蘇らせるとはな………」

 

 ゼロはエネルギーを取り戻した事でいつもの調子も取り戻す。

 

 「さ~て、俺もそろそろ加勢に………」

 

 ゼロがいつもの姿に戻ろうとした次の瞬間、櫂は光り輝くゼロアイ(ゼロ本人)を目に当てる!

 

 「⁉えっ……ちょ、おま…」

 

 ゼロが困惑するのを他所に、櫂はまばゆい光に包まれ巨大化していく。そして、全身を包んでいた光が徐々に消えていき、やがて『ウルトラマンゼロ』が姿を現す!ゼロは思わぬ形で復活を遂げたのだ。

 

 (BGM:ウルトラマンゼロのテーマ)

 

 「まじかよ……あいつ、ウルトラマンになりやがった…」

 

 「………櫂君が…ウルトラマンに?」

 

 「あれは確か、鎧さんが言ってたウルトラマンゼロ。」

 

 三人も突然の櫂の変身に唖然とする。櫂もウルトラマンになった自身の姿に驚く。

 

 「…やっと…新たな勇者が来てくれた…」

 

 海羽もゼロの登場に嬉しそうな笑みを浮かべていた。

 

 「うおっ!マジか!まさかと思ったが本当にウルトラマンになっちまうとはなあ!」

 

 「おいお前!何勝手に俺になってんだよ!」

 

 ゼロはいきなり選んだわけでもない人が勝手に自分に変身した事に少し荒っぽい口調で指摘する。だがこれは関係ない一般人を巻き込みたくないと言うゼロの不器用な優しさではあるが……。

 

 「君は確か…ウルトラマンゼロだね。」

 

 「お前…俺の事を知ってるのか?」

 

 「ああ。知ってる上で俺は変身した。頼む。俺に力を貸してくれ。俺はウルトラの力で、友達のみならず、人々を守りたいんだ!」

 

 ゼロは唐突だが櫂の熱い言葉にわずかながら心を動かされる。ゼロは少し考えた後、ついに決心する。

 

 「……覚悟はいいか?お前。」

 

 「ああ、いつでもいいぜ。あと、俺の名は竜野櫂だ!」

 

 「そうか…じゃあ櫂、いくぜっ‼」

 

 「おうっ!」

 

 ゼロは櫂と一体化し戦うことを決め、櫂も気合を入れる。その一方で、櫂は何やら不敵な笑みを浮かべていた。

 

 

ゼロは構えを取る。パワード及びリバース、レッドジャックもゼロの存在に気付く。ゼロは跳躍し、超スピードで飛び掛かる。そして、右ドロップキックでレッドジャックを吹っ飛ばす。レッドジャックは約2百メートル吹っ飛び地面に落下する。

 

 「なかなかやりますね。なら、これならどうです!」

 

 リバースは背後からゼロに剣を突き立てるが、ゼロは既に持っていた左手のゼロスラッガーで即座に防ぎ、振り向き様に右手に炎の力を集め振り下ろす。

 

 「ビッグバンゼロ‼」

 

 右の炎の手刀は容易く剣を叩き折る。爆発と共に剣が折れ、リバースが怯んだ隙にゼロは横振りの左肘を顔面に叩き込み、更に身体にパンチを乱射した後、上向きの右回し蹴りでぶっ飛ばす。

 

 リバースは回転しながら吹っ飛び、何とか大勢を立て直し着地するが、気付いたら体の至るところにヒビが入っていた。先ほどゼロから打撃攻撃を受けた影響である。

 

 「馬鹿なっ、こんなにも容易く………」

 

 「うおお、すげえ、凄すぎるぜゼロ!天井知らずにパワーが湧いてくるぜ。」

 

 レッドジャックは全身から黒雲を発生させ姿をくらます。奴は黒雲に化け移動する事も出来るのだ。そしてゼロの背後から黒雲と共に姿を現し襲い掛かるが、既に見切っていたゼロが繰り出した右後ろ蹴りのカウンターを胸部に受けて後退する。

 

 リバースはゼロに襲い掛かろうとするが、突如何かに頭部を踏まれる様な感覚がする。パワードが自身を踏み台にして跳んだのだ。

 

 「おっ、俺を踏み台にっ⁉」

 

 レッドジャックは上空のパワード目掛けて火炎を放射するが、パワードはそれを空中一回転して避け、落下スピードを活かして袈裟懸けに右の手刀を叩き込む。

 

 レッドジャックをダウンさせたパワードはゼロの元に駆け寄る。

 

 「お前が、噂のウルトラマンゼロか。よし、共に奴らを倒すぞ!」

 

 「ああ!いくぜっ‼」

 

(BGM:DREAM FIGHTER)

 

 ゼロとパワードは構えを取った後、それぞれ敵に立ち向かう。ゼロ対レッドジャック、パワード対リバースと、それぞれの戦いが始まった!

 

 リバースは左右フックを繰り出し、パワードはそれを左右の拳で弾いて防ぎ、バク転を連続して距離を取る。リバースは今度は両手のシールドから光弾を連射するがパワードはそれを避けながら駆け寄り、走りながら軽く跳躍して右跳び蹴りを打ち込む。リバースの体は既にゼロの攻撃でひび割れていたため、パワードの打撃が炸裂する度に更にヒビが増えていく……。

 

 ゼロは土煙を巻き上げながらレッドジャックに駆け寄る。レッドジャックは両手を合わせて破壊光線をゼロ目掛けて連射するが、ゼロは側転、バク転をしつつ足でそれを弾きながらレッドジャックに近づいていく。

 

 レッドジャックは今度は大きく一回転し尻尾で攻撃しようとするが、ゼロは走りながら跳躍してそれをかわす。レッドジャックの近くまで駆け寄ったゼロは、繰り出して来た右横殴りを左足で弾いて防ぎ、右フックを顔面の左側面に打ち、更に右肘打ちを胸部に決め、左ストレートを腹部に打ち込む。両者の周りに土煙が舞い上がり、攻撃が炸裂する度にその個所に小さな爆発が起こったりするなどの様子が、戦いの激しさを物語る。

 

 ゼロは右ローキックをレッドジャックの足元に打ち、膝を付いたところを畳みかける様に跳躍して左膝蹴りを頭部に決める。

 

 レッドジャックは一度転倒するがすぐに体勢を立て直しゼロに右フックを繰り出すがゼロは素早く左手で受け止め上へ振り上げ、そのまま右拳を腹部に打ち込み、左ミドルキックを右脇腹に決め、更に左右素早くパンチを連打して体力を減らし、怯んだ隙に跳躍して右前蹴りを腹部に打ち込み、その反動を利用して宙返りで跳んで距離を取り、土煙を巻き上げながら着地する。

 

 ゼロは百戦錬磨の戦士で、無敵の強さを誇るが、今回は一体化した人物も、学園最強の身体能力を誇る青年であるため、その力もプラスされた事で、油断も隙も無い、向かう所敵なしの最強戦士となっているのだ。

 

 「空手部のキックや手刀、ボクシング部のパンチ、陸上部の走力や跳躍力、体操部のジャンプ力、弓道部の目力………櫂君の超絶身体能力の全てが、ゼロに反映されているわ。」

 

 真美も櫂とゼロのシンクロ度合いに気付いていた。マーベラスとアイムも、櫂が変身したゼロの強さに見入っている。

 

 パワードは、左右袈裟懸けにチョップを決め、強烈な右前蹴りでリバースを吹っ飛ばす。リバースの体は、もはや光線を弾き返すのが不可能なほどひび割れていた。

 

 「まだまだああああ‼」

 

 リバースは最後の悪あがきとばかりに両手から光弾を発射するが、パワードはそれを上空に跳んで避け、そのまま静止した状態でメガスペシウム光線を放つ!光線はリバースのボディを十字に貫く。

 

 「バカなっ、俺が、こんな所でええええええええ‼」

 

 リバースはガラスが砕け散る様に木端微塵に吹き飛んだ。パワードは十字に組んだ腕を解き、ゼロの戦いを見つめ始める。

 

 レッドジャックは最後の力を振り絞り、ゼロ目掛けて火炎を放射するが、ゼロは避けるどころかボディで受け止める。そしてレッドジャック目掛けて右腕を胸に当て、額のランプから『エメリウムスラッシュ』を発射。細い緑色の光線はレッドジャックの口内に命中し爆発。喉を焼かれたことで火炎が吐けなくなった。

 

 ゼロはレッドジャックが怯んだ隙に左腕を横に伸ばしてエネルギーを溜める。

 

 「地獄への片道切符はお持ちか?なら、いくぜっ‼ワイドゼロショットォォォ‼」

 

 ゼロは腕をL字に組んで必殺光線『ワイドゼロショット』を発射!光線はレッドジャックの腹部に直撃する。光線を撃ったゼロは、レッドジャックに背を向ける。そして、レッドジャックはフィニッシュポーズを決めるゼロの背後で大爆発した。

 

 「……決まったぜっ!」

 

 見守っていたパワードは「やったな」とばかりに頷き、真美達も喜びの歓声を上げる。遠くで見ていた海羽も「やったー」と飛び跳ねて喜ぶ。

 

 

 

 変身を解いた櫂は、真美達と合流し、カイから事情の全てを聞く。櫂の左腕にはゼロと一体化した証のUBが付いていた。

 

 「なるほど…君たちウルトラ戦士は謎の声で地球の危機を知らされて来たわけだな。」

 

 「そうだ。そして君はゼロに選ばれた。これから待ち受けるのは、過酷な戦いだろう。だが、俺達が力を合わせれば、必ず乗り切れられる。共に頑張ろう。」

 

 「おう!よろしくお願いします!」

 

 カイと櫂は固い握手を交わす。そして四人は再び探索に出るカイと別れを告げる。

 

 

 ゼロは櫂達四人にUBから光を発射する。すると四人の脳内にゼロのこれまでの戦いの記憶が流れ込む。それと同時に光を浴びた四人だけゼロと会話が出来るようになった。

 

 「随分と過酷な戦いを乗り切って来られたのですね……」

 

 ゼロの戦いの歴史を知ったアイムは深く感心する。

 

 「そんな百戦錬磨の戦士に櫂君が選ばれた…これって運命かもしれないわ。」

 

 「運命…?」

 

 「櫂君は頭が良くて体力抜群で、優しくて正義感がある……櫂君ならきっとどんな困難も平気で越えられるわ。私も全力でサポートする。だから頑張って、櫂君。」

 

 「……フッ、ありがとな、真美。頑張るぜ、俺。」

 

 櫂と真美は笑顔で見つめ合う。

 

 「俺達も全力でサポートしようぜ、アイム。これ以上俺達の町を破壊されるわけにはいかねーからな。」

 

 「ええ。みんなで力を合わせて頑張りましょう。」

 

 マーベラスとアイムも協力する決心をする。

 

 「と、言う訳で、よろしくな、ゼロ。」

 

 「おう!どうやら今回は、人選が良かったみたいだな!ヘヘヘ。」

 

 かくして、櫂はゼロと共にテラ軍団の脅威に身を投じる事になった。だが、櫂を好青年としか思っておらず、二面性を知らないゼロ及び真美達。櫂は何を考えているか、何を企んでいるのか、それとも純粋な正義感で決心したのか……もはや誰も知らない。

 

 果たしてこの先、どんな戦いが待ち受けているのだろうか………今はそっと見つめていよう………。

 

(ED:赤く熱い鼓動)




 今回でようやくゼロが主人公と一体化しました(笑)

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