ウルトラマンゼロ物語(ストーリー) in RED ZONE STAGE   作:剣音レツ

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 遅くなってすみません。

今回から第2章に入ります。


第2章「暴走する本能」
第9話「誓いの共闘!クール&キュートなウルトラ戦士」


 (OP:TAKE ME HIGHER)

 

 地球と月の間を浮遊しており、ウルトラマンテラ達が拠点としているT字型の宇宙船『テライズグレート』では、次なる作戦の会議が始まっていた。

 

 「リバースの奴、もうやられやがって…我がテラ連合の恥さらしめ‼」

 

 「その上結果としてウルトラマンゼロを復活させてしまうとは……ほんと、弔う価値すらありませんね。」

 

 テロリスト星人バスコとメフィラス星人キョウは、敗れた上に偶然とは言えゼロの復活を許してしまったリフレクト星人リバースに対し言いたい放題である。彼らは友達の様に仲が良く、コンビで行動することが多いため、意見が合致することが多いのだ。

 

 「まあまあそう言うなって。俺は丁度、ゼロが早くも敗れてつまらないと思ってたのだ。ウルトラマンが増えただけでも刺激だと思わないかい?」

 

 テラは陽気に嬉しそうに言う。何よりも刺激が大好きな彼らしい考えである。

 

 「え~いじれったい!こうなれば俺が直接ぶっ倒して来ますぞ!」

 

 ウルトラマン討伐を焦るバスコは何も考えず直接真っ向から攻めて一気に潰そうと考える。

 

 「待てよバスコ。相手は百戦錬磨のウルトラマンゼロだぜ。ここはよ~く作戦を立てて…」

 

 「ええいっ!俺はゲドーやリバースとは違う!俺様はテロ星のエリート剣士。俺様のこのテロリストソードワイルダーさえあれば、ゼロなんて怖くはないぜ!待ってろキョウ!俺様がゼロの生首をお土産に持って帰って来てやるぜ~!」

 

 バスコは、キョウの忠告を無視して直接攻め込んでウルトラ戦士を倒そうと勝手にテレポートして地球に向かい始める。その様子にはキョウも「やれやれ…」と呟きながら頭を抱えていた。

 

 バスコとキョウには、合致しないところが一つだけあった。それは、作戦の方針である。キョウが策士であるに対し、バスコは力ずくで何とかなるタイプであるため、作戦会議の時だけ意見が合致しないのだ。

 

 「……まあいいでしょう。また新たな刺激を味わせてくれたまえ。」

 

 テラは不気味に静かに笑いながらバスコを見送る。

 

 

 

 一方、ウルトラマンゼロと一体化したばかりの竜野櫂は、その後の部活を無事終えた。一人暮らしのアパートに帰り、12時頃だったか、ベッドに横たわりながらUB越しにゼロと会話している。

 

 ゼロから彼のこれまでの旅の事などの話を聞き、櫂は関心していた。

 

 「なるほどな、つまりこのブレスレットを付けてれば、いつでも変身できるわけか。」

 

 「ああ。俺とお前が一心同体になった証だからな。プライベートの時などは外してても構わないが、その代わり怪獣が現れた時すぐ付けて変身できるようにしててくれ。」

 

 「ああ。よろしくなゼロ。共に愛する者を守るため頑張ろうぜ。」

 

 「おう!………」

 

 櫂の言葉を聞いた瞬間、ゼロは何か思いとどまる。

 

 (愛する者……確かギンガもそう言ってたな………いつかはあいつも元に戻してやるぜ。)

 

 自身を倒したギンガダークも、「愛する者」を守るみたいな事を言ってたからだ。そもそもゼロが櫂と一体化するきっかけを作ったのはある意味ギンガダークでもある。

 

 その時、櫂の部屋のインターホンが鳴る。誰かと思って出てみたら、少し深刻そうな顔をしている眞鍋海羽だった。

 

 「おう海羽。どうした?」

 

 「……櫂君…折り入って話があるの。」

 

 「?」

 

 

 

麟慶大学軽音部で結成されたバンド「豪快パイレーツ」と「特急レインボー」は、朝9時に練習を始め、11時頃に練習を終えた。メンバーが帰っていく中、特急レインボーのメンバーであるカグラだけどこか気落ちした顔で部室の椅子に座っている。

 

 (……ヒカルさん………今…どうしてるのだろう…)

 

 先日、友達になったばかりの礼堂ヒカル(ウルトラマンギンガ)を失った事へのショックが消えてなかったのだ。ライトはあの後何とか立ち直った様だが、カグラはまだ外から見ても分かるほどに気落ちしている。

 

 「……どうしたの?カグラ。」

 

 特急レインボーのメンバーであり、黄色の半そでシャツを着、茶髪のショートヘアのさっぱりした外見の少女『ミオ(本名:夏目美緒)』がカグラに気付き話しかける。

 

 彼女は外見と同じく性格もさっぱりしており、世話を焼くのが好きな所謂特急レインボーのベース担当であり『世話焼きリーダー』でもある(笑)

 

 今回もそんな性格のために気落ちしているカグラに気付く。

 

 「あぁ…ごめんミオちゃん……私、もうちょっといるから先帰ってて……。」

 

 「……そう…部室の鍵、置いとくからね。」

 

 ミオは少し心配そうながらも今はそっとしといてやろうと思ったのか、カグラを置いて部室を出て行った。

 

 私、カグラは、友達のヒカルさんを失ったショックからまだ立ち直れずにいた。何も考えられずしばらく軽音部の部室の椅子に座っていたけど、そのうちそれさえも辛くなり、部室を出て、当ても無く学校中をとぼとぼ歩き回った…。

 

 夏休みの学園は当然ながら人はほとんどいない…しばらく歩くと何となく寂しくなったから、一人暮らしのマンションに帰る事にし、大学を後にしたの…。

 

 「あ、カグちゃん。」

 

 大学を出た直後、一人の女子学生が話しかけるのが聞こえた。振り返ってみると、水泳部を終えて丁度帰ろうとしている(新田)真美ちゃんだった。私が大学を出るタイミングと、真美ちゃんが部活を終えるタイミングが偶々一緒だったみたい。

 

 「夏休み楽しんでる?」

 

 「……まぁ…それなりに…」

 

 真美ちゃんが優しく話しかけてくれたのに、私は無理やり笑顔を作って素っ気ない返事をしてしまった。

 

 「ライブの練習や準備とか大変だと思うけど……」

 

 「はあ……」

 

 「私にできることがあったら言ってね。」

 

 「えぇ…大丈夫です…」

 

 いけないいけない…せっかく優しくしてくれてるのに…これじゃあ心を開いてないのがバレちゃうよ~。でも、ウルトラマンの友達を失ったなんて…よくよく考えたら簡単には言えないよね……それもこの世界では伝説なウルトラマンギンガだもの……。

 

 「……どうしたの?元気無さそうだけど……」

 

 真美ちゃんは、僅かに湿っている長髪を後ろ側へかき集めながら心配そうに私を見つめている…真美ちゃんは普段から察しが良くて、特に気落ちしている人への察しはすごく良いの。早くも私が気落ちしているのに気づいたみたい…。

 

 でも、真美ちゃんはそれ以上聞いてこなかった。多分、これ以上問い詰めたらかえって追い詰めてしまうかもしれないから、今はそっとしとこうと判断したんだと思う。そして、笑顔で明るく違う話題を振り始める。

 

 「そういえば昼だし、お腹空いたね。ねえ、今からカグちゃんとこに食べに行っていい?」

 

 「…え?」

 

 「軽音部の話とかいろいろ聞きたいし、私も聞かせたい話とか色々あるの。……もしかして、迷惑?」

 

 「ううん。いいよ。真美ちゃんと話すの久しぶりかも。」

 

 別の事で気晴らしをさせてくれようとしている真美ちゃんの優しさに気付き、私は少し元気を取り戻した。そして、ヒカルさんの件については、本当に話したくなった時に話す事にしたの。とりあえず少し笑顔に戻った私は、真美ちゃんと他愛も無い話をしながら実家に向かう。

 

 因みに私の実家は『Merope』というレストランを経営してるの…と言っても今の私は霞ヶ崎のマンションで一人暮らししていて、実家は霞ヶ崎から電車で二駅の『昴ヶ浜』(特急レインボーの地元)と言う町にあるんだけど……友達と電車で遊びに行くのも何だか大学生らしくて良いかも……。

 

 

 

 因みに、櫂の家では、

 

 「何ッ⁉……み…海羽もウルトラマンだったのか?」

 

 「ええ。私、女子だから正確には『ウルトラウーマン』だけどね(笑)」

 

 海羽の櫂への折り入っての話とは、自分もウルトラ戦士だと言う事だった。海羽はこれまで自分の事を他の友達に黙っておくようにしていたが、同じウルトラ戦士となった櫂なら、自分がウルトラ戦士である事を話してもいいと思ったのだろう。櫂達は、昼食のカップヌードルをすすりながら話を続ける。

 

 「つまり海羽は、俺が初めてゼロになるところも見てたわけか。」

 

 「ええ。光に選ばれソルとなった私は、侵略者を倒すため、数人のウルトラ戦士をこの地球に呼んだの。」

 

 「やはり、あの時俺を呼んだのも、あんたと言う訳か。」

 

 ゼロ達を呼んだ謎の声の正体は、ウルトラウーマンSOL(ソル)の力を手に入れた海羽の声だった。

 

 「侵略者……今朝現れた、あの反射板野郎(リフレクト星人)も、その一味と言う訳か?」

 

 「ええ。ゼロ達が来る前から、奴らの暗躍は始まっていた。私は一生懸命奮闘したけど…とても一人では敵わない…だから、ゼロ達の協力も必要なの。」

 

 海羽の話にゼロも櫂も耳を疑った。櫂に関しては、自身もそんな強力な悪の連合に立ち向かう事になるのかと言う使命感や責任感を感じ始めていた。

 

 

 「っで、その連合の親玉とやらは一体何なんだ?」

 

 「それが……私がウルトラの力を手に入れた瞬間記憶が飛んじゃったみたいで……」

 

 海羽は必死に思い出そうと考える。その時、微かだが何かが脳裏に浮かんだ。それは、廃墟の町の真ん中で燃える紅蓮の炎の中にうっすら浮かぶ人影……それはまるでウルトラマンの様であると言う。

 

 「黒幕はウルトラマンの様な姿をしてるわけか…」

 

 「………?」

 

 櫂が呟いた瞬間、ゼロは突然電気ショックにかかったかのように何かに引っかかる。

 

 (ウルトラマンの様な悪……そういえばこの前襲って来た黒いギンガから感じた殺気……その前も感じた様な気が……ベリアルか?いや、ベリアルは俺が生涯忘れる事の無い宿敵だ。ベリアルとは違う何かだった気が………)

 

 ゼロは、ギンガダークやベリアル以外にも悪のウルトラマンの殺気を感じたことがある様な気がし始めたが、余りにも記憶が曖昧なため、はっきりした物が浮かばずにいた。

 

 「ま、考えていても意味無いか、今はとりあえず目の前の敵の殲滅に専念するか。」

 

 ゼロは小声でつぶやき、考えるのをやめた。

 

 「とにかく、私が一番言いたいのは………これからは友達としてだけじゃなくて……同じウルトラ戦士として、一緒に戦って欲しいの。」

 

 「……同じ…ウルトラ戦士として?」

 

「私、これまでも櫂君や真美ちゃんと一緒に遊んで来た……でも…ウルトラ戦士として戦う時だけ……何となくどうしようもなく寂しさを感じて………辛くて………グスンッ」

 

 海羽は、やっと櫂に自分の意思を伝える事が出来たことで、溜め込んでいた感情が破裂したのか、すすり泣きを始める。これまで自分がウルトラウーマンである事を誰にも言わずに一人で抱え込みながら孤独に戦って来たためだ。

 

 「……意外と水臭い所あるんだな…海羽は。分かった。これからは一緒に戦おうぜ。俺だけでなくパワードもいるし。だからもう一人で苦しむことは無い。」

 

 櫂は海羽の頭に手を置き、海羽は泣き止み顔を上げる。

 

 「……櫂君、ありがとう。よろしくね。」

 

 「ああ、一緒に協力して、悪の軍団をぶっ潰そうぜ。」

 

 櫂と海羽は互いに誓いに満ちた表情で見つめ合った。これからは、仲間と一緒に戦える……海羽の心はそう言う安心感にも満ちていた。

 

 だが、海羽は当然知らない。今は優しくしている櫂が、恐るべき二面性を持っていることを…。しかし、今回は企むように不敵な笑みを浮かべていない…。恐らく今回は相手が友達故、純粋な良心からだろう。

 

 「はあ~これで安心した。じゃ、私はこの辺でお暇するね。あと、チーズケーキありがとう。」

 

 「おお。じゃあ俺はちょっと昼寝でもするかな。」

 

 さっきまで深刻な表情だった海羽はいつもの明るさに戻り、櫂の部屋を後にした。櫂は、朝の戦闘に部活と身体を動かし続けて疲れてたのか、その場で倒れこむように昼寝を始める。

 

 「フッ、万能で良心な青年……今回は人選が合ってたみたいだ。」

 

 ゼロも、表面の芝居が上手い櫂の、二面性の激しさに気付くはずも無かった。

 

 「よし、俺はこいつや新たな仲間と共に悪をぶっ潰し、ギンガも元に戻してやるぜ。」

 

 ゼロは、程よいいびきをかきながら眠る櫂を見つめながら決意を固めた。

 

 

 

 それから約1時間後の事だった。昴ヶ浜にあるカグラの実家のレストラン『Merope』で食事を終えた真美は、カグラと共に店を後にする。カグラは父、母、そして妹と笑顔で別れる。食事をしながらカグラは真美と部活の事など色んな話をしたことにより、真美との友情関係も深まっていた。

 

 カグラは、学園の女子の中で人気の高い真美と仲良くなった事が嬉しいのか、すっかりいつもの明るさに戻り、真美を褒め始める。

 

 「私、正直真美ちゃんがうらやましいな~。運動も勉強もできるし、美人で優しいし、スタイル良いし、それに……」

 

 カグラは目をつぶり、真美の肩に顔を近づける。

 

 「と~っても良い匂い!」

 

 「カグちゃんったら……ありがとう。」

 

 真美は自分を褒めちぎるカグラに照れながらも笑顔で礼を言う。

 

 「でもね、私にも欠点だってあるのよ。」

 

 「え?真美ちゃんの欠点って……」

 

 カグラは意外そうな顔で聞く。

 

 「私、よくみんなから優しいって言われるんだけど…自分ではそれを通り越してお人好し過ぎるかな~って思ったりするの。」

 

 意外な事を言う真美に困惑するカグラ。真美は話を続ける。

 

 「自分で言うのもあれだけど…私、人を褒めたり励ましたりすることはできるけど……その優しさが裏目に出て相手に気を使い過ぎて無理しちゃう所があるの。だから、自分の気持ちを伝えられない事や、相手の悪い所をビシッと指摘したりすることができない事があるの」

 

 カグラは少し驚き意外そうな顔をする。いつもにこやかに過ごしている真美が意外な悩みを抱えているとは思っても無かったのだろう。

 

「そう…真美ちゃんも悩みを抱えたりするんだ……でもいいじゃない。みんな真美ちゃんと友達になって良かったと言ってたよ。……でも、本当に伝えたいことを今でも黙ってるのなら…伝えた方がいいかもね。」

 

 カグラは自分なりのアドバイスをする。

 

 「……ありがとう。」

 

 真美が笑顔で礼を言ったその時、

 

 

 「よう、随分と楽しそうだな、お嬢さん達。」

 

 突然声がし、二人は振り向く。そこに立っていたのは新たな刺客として攻めにやって来たテロリスト星人バスコだった。真美は少し身構え、カグラは少し真美の後ろに隠れる。

 

 「あなた、何者?」

 

 「俺はテロリスト星人…バスコと呼んでくれ。」

 

バスコは自己紹介をした後、テロリストソードを空に突き立てる。

 

 「あ…あなたの目的は何?」

 

 カグラは怯えながらも問いかける。

 

 「フッ、悪いがお嬢ちゃん達とフリートークをしている場合ではない。さっさと大勢ぶっ殺して、あのお方のためにマイナスエネルギーを集めるのだ!」

 

 空高く突き立てたテロリストソードが眩い光を放って光る。その時、激しい地響きが起こり二か所から爆音と共に土煙の柱が立ち上る。

 

 一方は激しく地面が割れて崩れ、中からは恐竜の様なグレーなボディに頭に一本角を持つ怪獣『凶暴怪獣アーストロン』が現れる。

 

 もう一方からは、地面から勢いよく太く長い蛇の様な物が突き出たかと思うと、その部分から徐々に地面を崩しながら姿を現し、咆哮を上げながら体の土を振るい落とす。『古代怪獣ゴメス(S)』だ。因みにこのゴメスは普段のゴメスよりも大型の種であるため、「S」とは「スペシャル」の「S」である。

 

 「さあ、暴れろ!町を壊滅させ、人は皆殺しだ‼」

 

 バスコの指示と共に、二匹は咆哮を上げ、ビルを崩しながら暴れ始める。ゴメスは剛腕や長い尻尾を振るい、アーストロンは一本角を突き立てた突進や口からの溶岩熱戦で、昴ヶ浜を蹂躙する。昴ヶ浜の人々は、いきなりの怪獣出現に大混乱となり、我先にと逃げ惑う。

 

 カグラも真美と一緒に逃げていたが怪獣が暴れる際の振動で転んでしまい、足がすくんで動けなくなってしまった。起き上れないカグラと、それにより立ち止まる真美。

 

 その時、真美は祈った。

 

 (…お願い……誰か助けて……)

 

 真美は友達の町を、そしてそこに住む友達や人々を消されたくない思いで必死で祈り続けた。

 

 

 その時、普段なら届くはずもない願いが届いた!

 

 

 突然、二人の目の前に眩い金色の光が現れ、二人は眩しさで目を覆う。

 

 「!?何だ!」

 

 バスコも目を覆いながら叫ぶ。光は徐々に消えていき、中からは英雄になり、共に戦う事を誓った男と女が現れる。

 

 『ウルトラマンゼロ』に変身する竜野櫂、そして、『ウルトラウーマンSOL(ソル)』に変身する眞鍋海羽だ。

 

「……櫂君、海羽ちゃん?」

 

 真美は突然現れた二人に驚愕する。しかし、櫂と海羽は真美達に背を向けているため気付いていない。

 

 「突然ゼロに起こされたから何かと思ったら…こういう事か。ったく、昼寝ぐらいゆっくりさせろっての。」

 

 「私だってチーズケーキ食べようとしてた所だからね!」

 

 櫂と海羽は目前のバスコに軽く不満をぶつける。

 

「貴様ら、何者だ!なぜ光と共に…」

 

 バスコは突如現れた二人に驚き問いかける。

 

 「答えは簡単。それは私たちが、ウルトラ戦士だからです!」

 

 「友達の町を荒らすとは、断じて許せねえな!」

 

 櫂の言葉にバスコは引っかかる。友達の町?……て事はこいつらはこの町の住人ではない………と。

 

 「あ、くそっ、やらかした‼焦るあまりに攻める街を間違えてしまった~‼」

 

 バスコはウルトラマン討伐を焦るあまりに霞ヶ崎を攻めるべきが間違えて昴ヶ浜に来てしまったことに気付く。彼は血気盛んで野心家だが、思慮に欠けるのが欠点でもある。

 

 「こいつバカなのか(笑)まあいい。櫂!海羽!今こそ俺達のウルトラ魂を見せてやろうぜ!」

 

 「ああ。」

 

 「オッケー!」

 

 櫂は左腕を横に伸ばし、UBから『ウルトラゼロアイ』を召喚させ、海羽は胸のポケットから『ハートフルグラス』を取り出しながら一回転し、右手に持ったグラスを上に上げた後目に当てる。

 

 櫂はUBの上で浮遊するゼロアイが顔の前に来るように左腕を折り曲げる。

 

 「レッツ、ゼロチェンジ‼」

 

 櫂の掛け声に応えるかのようにゼロアイは櫂の目にくっ付く。

 

 櫂と海羽を包み込むかのように赤、青、黄、ピンクの光の柱が現れ、二人はその中で高くジャンプする。そして、それぞれ徐々にゼロとソルの姿に変わり巨大化する。

 

 まばゆい光が徐々に消え、目をつむってた真美及びカグラが目を開けると、そこに見えたのは雄々しく立つウルトラマンゼロとウルトラウーマンSOL(ソル)の姿だった。

 

 「……やっぱり…海羽ちゃんも…ウルトラマン…」

 

 真美は前から海羽がウルトラ戦士である事に少し感づいていたみたいだ。二人の変身を始めてみるカグラは驚く。

 

 ゼロとソルは構えを取った後、それぞれゴメスとアーストロンに立ち向かう。

 

 ゴメスは向かってくるゼロに大きく一回転して尻尾攻撃を繰り出すが、ゼロは跳んでそれを避け、そのままゴメスの上を飛び越えながら頭部に右足蹴りを決める。そして、振り向き様に左右ミドルキックを左右腹部に打ち込み、更に跳躍して胸部に右跳び蹴りを決める。

 

 ゴメスは怯むが体勢を立て直し、角を突き立てる頭突きを繰り出すがゼロは左手で角を掴んでそれを易々と受け止め、そのまま首筋に二、三発右手刀を打ち込み、更に右腕でヘッドロックを掛け、そのまま地面に叩きつける。

 

 ソルは駆け寄りながらアーストロンが吐いてきた溶岩熱戦を腕をクロスさせながら防ぎ、その腕を左右に勢いよく広げる事で熱戦を弾き飛ばす。駆け寄ったところでアーストロンの右腕で左頬を叩かれるが、その際の回転を活かしてお返しとばかりに右頭部に左ハイキックをお見舞いする。

 

 アーストロンは左右横振りを繰り出しソルはそれを両腕で防ぐが、アーストロンは怪力の持ち主。一撃一撃が重いのか、少し反動を受ける。それでもソルは怯まずに素早くアーストロンの横にそれ、「エイエイエイ…」と無邪気な掛け声を発しながら腹部に右横蹴りを連続で打ち込む。

 

 アーストロンは頭部の一本角を振り下ろすが、ソルはそれを素早くかわし、「それっ!」と言う掛け声とともに顔面にヒップアタックを決める。『凶暴怪獣』とあろう者、まさか女性戦士の尻で攻撃されるとは思っても無かっただろう(笑)

 

 クールに戦うゼロとキュートに戦うソル。両者ともアグレッシブに戦いを繰り広げるため、その衝撃で周りの地面が爆発し、土煙が舞い上がる。

 

 二体が手こずっていることを見かねたバスコは巨大化して暴れ始める。彼が振り回すテロリストソードワイルダーは切れ味抜群でビルを次々と易々と切り崩す。そして、真美とカグラに目を付ける。

 

 「うろうろと目障りだ…こいつらから殺してやる!」

 

 バスコは二人目掛けてソードを振り下ろす。完全に諦め地面にうずくまるカグラとそれを守るように地に伏せる真美。絶体絶命………!

 

 

 が、間一髪、ゼロが右手に持ったゼロスラッガーでそれを防ぐ。二人は安心の笑みでそれを見上げ、バスコはてっきりゼロがゴメスに気を取られていると思っていたので驚く。

 

 「バカなっ…いつの間にっ⁉」

 

 「残念だったな。俺の目は節穴じゃないんでね。」

 

 バゴンッ‼

 

 「ぐおあッ‼」

 

 ゼロは左拳をバスコの顔面に打ち込み吹っ飛ばす。バスコは顔を押さえのたうち回った後、ゴメスの方を見てみると、いつの間にか『ウルトラマンパワード』と交戦を始めていた。

 

 「お前ら…まさかッ」

 

 「そう、そのまさかだ。俺たちは、いざという時の為に、事前にパワードとも打ち合わせしておいたというわけだ。」

 

 「そうそう、作戦大成功って事だね。」

 

 ソルはアーストロンと交戦しながらピースを決める。そう、櫂と海羽は、バスコ達が暴れていると知って、出撃前にパワードの変身者である『ケンイチ・カイ』と打ち合わせしておいたのだ。

 

 「よくもダチを殺ろうとしたな!たっぷりお礼をさせてもらうぜ!」

 

 怒る櫂の意識が前面に出ているゼロは指をポキポキ鳴らせる。

 

 「ゼロ!ゴメスは俺に任せろ。」

 

 「ああ。さあ行くぜ、巻き糞野郎‼」

 

 ゼロはバスコの頭を見て安直なあだ名を付ける(笑)そして、ゼロスラッガーを両手に持ってバスコに挑む。因みに下品なあだ名を付けたのはゼロ自身である。

 

 (BGM:すすめ!ウルトラマンゼロ)

 

 バスコもソードで応戦する。力任せにソードを振り回すがゼロはそれを華麗にことごとくかわし、逆にナイフの様に使うゼロスラッガーで腹部に斬撃を決めていき、バスコの体力を奪っていく。斬撃が決まるたびに火花が飛び散る。

 

 バスコはすっかり自棄になり、思い切りソードを振り下ろすがゼロは右手のゼロスラッガーを振ってそれを難なく弾き、強烈な左前蹴りを胸部に打ち込んで吹っ飛ばす。手も足も出ずにやられるバスコ。櫂を怒らせたのが運の尽きだろう。

 

 パワードはゴメスの左右フックを両手で弾き、腹部に右拳を打ち込み、怯んだ隙に左ローキックでひざまずかせる。そして、尻尾を掴んで力一杯投げ飛ばし、地面に叩きつける。

 

 ソルは小柄かつ身軽さを活かし、アーストロンの攻撃をかわしつつ鋭い蹴り、手刀を決めていく。しかし油断したのかアーストロンの張り手を胸部に喰らい後退する。

 

 アーストロンは隙ありとばかりにソルに溶岩熱戦を放つがソルは咄嗟に「きゃあっ!」と言う声と共に頭を抱えてしゃがんでかわす。しかもその熱戦はゴメスの頭部に命中して角を破壊してしまった。「しまった~」とばかりに頭を抱え慌てるアーストロン。

 

 パワードはゴメスが怯んだ隙に跳躍して左膝蹴りを胸部に打ち込み、しゃがんだところで尻尾を掴みジャイアントスイングで回し始める。

 

 ソルはアーストロンの角を突き立てた突進を跳び箱ならぬ『跳びアーストロン』でかわし、バランスを崩したところで渾身の両足ドロップキックで空高くぶっ飛ばす。

 

 パワードは空中のアーストロン目掛けてゴメスを放り投げる。二体は空中で激突する。

 

 パワードとソルは空中の二体目掛けてそれぞれ腕を十字に組んで『メガスペシウム光線』を、軽くアキレス腱を伸ばして左拳を腰に当て右拳を突き出して『ミスティックシュート』を放つ!

 

 二人の光線は空中のゴメスとアーストロンを直撃。二体は空中で大爆散した。

 

 追い詰められたバスコはゼロ目掛けて左手先から破壊光弾『テロファイヤー』を発射する。ゼロはゼロスラッガーを投げてそれを相殺し、爆風で相手の目を眩ました隙に爆風の中から炎を纏った右跳び蹴りと共に姿を現す。

 

 「ウルトラゼロキック‼」

 

 炎の跳び蹴りはバスコの腹部に直撃。バスコは叫び声を上げながら空の果てまで吹っ飛びやがて星になった。

 

 悪を倒した三人はゼロをセンターに並び立つ。ゼロは「決まったぜ」とばかりに得意げにフィニッシュポーズ(手の甲を向けて親指、人差し指、小指を立てるポーズ)を決める。真美達はそれを笑顔で見上げる。

 

 三人は変身を解き、二人に歩み寄る。

 

 「……真美ちゃんごめん。実は私…」

 

 「いいのよ海羽ちゃん。私、大体わかってたから…。」

 

 「……え?」

 

 ウルトラ戦士である事を黙ってた事を謝る海羽に真美は優しく話し出す。

 

 「海羽ちゃんが昨夜負った傷…あれはどう見てもこけたぐらいじゃ出来ないと思ったの。だから…」

 

 「…察してたんだ…私が戦ってることを…」

 

 「まさかという感覚ではあったけどね。」

 

 真美は両手で海羽の両手を優しく握る。

 

 「もう一人で苦しむことないよ。人に迷惑を掛けたくない気持ちも分かるけど…だからって自分を苦しめないで。これからは私達もいる。だから、一緒に頑張ろう。私は変身できないけど…出来る限りのことはするから。」

 

 真美は独りで無理して戦っていた海羽に自分の思いを伝えることが出来た。海羽は嬉しさの余り、真美に抱き付き嬉し泣きを始める。真美は海羽の頭を優しく撫でる。

 

 櫂は「グッジョブ」とばかりにサムズアップを決め、カグラは自分の思いを伝える事が出来た真美に「やったね」とばかりにウィンクする。

 

 (彼らなら…良いチームとなりそうだ…)

 

 それを見つめていたカイも笑顔で頷く。

 

 「絆がより深まったってやつだな。」

 

 ゼロも安心したように言う。

 

 「真美ちゃんありがとう。これからもよろしくね。」

 

 真美と海羽は笑顔で見つめ合う。

 

 櫂「さて、そろそろ夕暮れだな。みんなで中華店でラーメン食ってこうぜ」

 

 海羽「いいね、行こう行こう!…あ、私昼にカップヌードル食べたから今度はエビチリが食べたいな~」

 

 友情がより深まった四人はカイと別れを告げ、楽しく話をしながら夕暮れの道を歩いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 [エピローグ]

 櫂達と同じく、霞ヶ崎の夕暮れの道を歩いて帰る買い物帰りの親子。楽しそうに話しながら帰る中、子供は急に立ち止まり空を見上げ始める。

 

 「どうしたの?」

 

 「ママ、あれ。」

 

 子供が指差す先には、まだ夜になってないと言うのに一つの彗星が空を飛んでいた。しかしそれは色は黒く、どちらかと言うと黒い人魂の様だった。

 

 「何かしら?気味悪いわね。」

 

 「ママ、こりゃ何か起こるよ。きっと、怪獣が出るよ。」

 

 「大丈夫よ。怪獣はウルトラマンがきっと倒してくれるから。さ、行こう。」

 

 「うん!」

 

 親子は再び帰り道を歩き始める。何も起こることなく、黒い彗星は霞ヶ崎の空を飛び回る一方であった……。

 

 

 一方、テライズグレートでは、メフィラス星人キョウが個室で何か独り言を呟いていた。

 

 「ったくバスコったら…言わんこっちゃない。ま、せいぜい僕のやり方を見てると良いよ。」

 

(ED:赤く熱い鼓動)




 次回、新たなゲストウルトラ戦士が登場します。

 活動報告内でアンケートを取っております。どうかご協力お願いします。

 ふと思ったのが、最近ギンガを出してませんね(汗)(一応タイトルに載せているけど…)

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