艦隊これくしょん -鹿屋基地第六〇三戦闘大隊の日常- 作:リュウ@夕立提督
僕は昼食のため食堂へ向かう。
「今日のお昼はたしか・・・丼ものだったかな。うわぁ、重いなぁ・・・」
僕は呟きながら食堂へ入る。
空いている席を探していると、江風と電が昼食をとっている。二人の隣が丁度空いてる。
「二人とも、隣いいかな?」
「大丈夫なのです。」
「お、姉貴も昼飯か?一緒に食おうぜ。」
そんな会話をしつつ僕は席に座る。
電は海鮮丼のセット、江風はカツ丼か。肉好きだね、江風。
そう思っているとウエイトレス姿の少女が小走りで来る。
「海鮮丼のセットをお願い。」
「かしこまりましたぁ!」
注文をすると少女は厨房の方へ駆けていく。とてとてと効果音が聞こえそうだ。
「そういや姉貴・・・」
「ん?」
「なんで深海棲艦がここに居るんだよ?どう見ても駆逐棲姫だろアレ。」
「ああ、それは・・・」
僕が答えようとすると電が割って入る。
「第二次渾作戦の際に電が司令官さんに直接頼んだのです。『鎮守府まで曳航させて欲しい』って。」
「よく許可が下りたなァ・・・」
「まあ、提督も『どうせ奪われて困る情報なんてないからな』って笑ってたもんね。」
「いや、それは軍としてどうなんだ?」
「それで、その後明石さんが彼女に『脚』を作って、今に至るんだ。戦闘は不可能ではないみたいだけどね。」
「ここの技術おかしいんじゃねぇか?」
「ご尤も・・・」
うん、それには同感。笑うしかできないや。
駆逐艦に詰めるサイズのレールガン作ったり振動剣作ったりで本当におかしいよ。
オーバーテクノロジーにも程があるよ、まったく。
「電の艤装には可変ギミックがあるのです。なかなかかっこいいのです。」
「電の艤装は飛べそうだもんね。ヴェールヌイのもだけど。」
「でも航空戦艦の人達ほど凝った変形はしないのです。」
「あの4人は規格外だからね。」
電とそんな会話を交わしていると江風が尋ねてくる。
「姉貴の艤装もギミックがあるよな?」
「あれは展開してるだけなんだけど・・・」
「いいよなぁああいうの。カッコイイから江風にも欲しいもんだぜ。」
「でも僕の艤装は特殊だから江風との適合率は低いと思うよ?高くて70%じゃないかな。」
「特Ⅲ型の艤装は互換性が高いおかげで姉妹間で予備艤装の貸し借りができるのがいいのです。」
「確かにそうだね。僕たちの場合は僕と夕立の艤装は特殊だから予備の貸し借りができないし。」
江風が電に「いいなぁ」と言いたげな目を向ける。
「それに、カッコイイよなぁ特Ⅲ型の艤装はさ。」
「電も自分の艤装を気に入ってるのです。」
普段見せない自慢げな表情の電はなんだか新鮮だ。
そう思っていると江風が不意に尋ねる。
「そういや、艤装で強化かされてんのになんで基礎訓練なんてやるんだ?」
「あー・・・説明していませんでしたね。」
おほん、と小さく咳払いすると電は説明を始める。
「艤装の無い艦娘は普通の女の子となんら変わりません。」
「そりゃそうだ。人間が艤装に適合して艦娘になるもんな。」
「それが一つ目の理由です。鎮守府の外で何かがあってからでは遅いのです。」
「・・・二つ目は?」
「艤装で強化されるのは身体能力だけだからです。戦闘中は少しも気が抜けません。当然体力の消耗も激しいですし、集中力も切れてきます。だから戦闘中に体力が無くなったなんて状態になったら目も当てれません。」
「つまり、長期戦でも持つ程度の体力は必要だから・・・ってワケか。」
「そういう事です。」
二つの理由を説明した後、電はお茶を飲む。
よく見るともう食べ終わってるじゃないか。早いよ。
「艤装は身体能力しか強化してくれないのか・・・」
カツ丼を食べながら江風が呟く。
「その強化も申し訳程度に過ぎません。だから明日以降は白兵戦の訓練も行いますよ。」
「うへぇ・・・キツそうなのがまた・・・」
「でも白兵戦訓練は電でよかったと思うよ?」
「どういう事だ?」
「夕立や菊月だったらそれはもう地獄以上のものだよ・・・特に夕立はね。」
「マジか・・・海風の姉貴、大丈夫か・・・?」
確かに心配だ。海風の教練担当は菊月・・・白兵戦の鬼だ。
でも、海風なら大丈夫かもしれない。ひょっとすると・・・あるかもしれない。
そう考えていると駆逐棲姫が海鮮丼のセットを持ってくる。
「お待たせしましたぁ!」
箸を手に取り、両手を合わせる。
「それじゃあ、いただきます。」
昼食後は何をしようかと考えながら僕は海鮮丼を食べ進める。
特Ⅲ型の艤装でフリーダムっぽい事やりたい。
駆逐棲姫と一緒にちっさい後期型駆逐艦'sがついてきたけど普通に居ついてる。(イ級は癒し)
この鎮守府にはあと一人、深海棲艦が居る。(結局間宮さんとこで働いてるけど)