艦隊これくしょん -鹿屋基地第六〇三戦闘大隊の日常- 作:リュウ@夕立提督
秋イベ直後とか今更感しかありませんが…。
ある大規模作戦が終了した日の夜、祝勝会が開かれた。
宴会の形式で、これが楽しいのよね。
提督さんが挨拶をし、新しく着任した艦娘を迎え、飲む。
舞風と野分は同じ四駆のメンバーに会えたことでうれし涙を浮かべている。ドイツ艦のみんなはグラーフさんと会えて喜んでいる。香取さんも鹿島さんに会えてうれしいようだ。
私は楽しく騒いでいる中、一人だけ浮かない顔をしている艦娘の元へ向かう。
「浮かない顔ね、海風。」
「夕立姉さん・・・」
まあ、海風の事だし大方『ちゃんと役に立てたのか』とか思ってるんだろうなぁ・・・
「初めての大規模作戦でちゃんと動けてたのかって思ってる?」
「・・・はい。私、皆さんにフォローされてばかりで・・・」
やっぱり。姉として励ましてあげないとね。
「そりゃ当然よ。初めての実戦だったんだから。」
頭でわかっていても、慣れないうちは身体がついてこない。そんなのは当たり前。
ちょっとずつ慣れて、動けるようになればいい。
「夕立姉さんも初陣の時はそうだったんですか?」
「もっとひどかったわ。多摩さんや電に何度も怒られたし。」
「夕立姉さんもそんな時があったんですね・・・」
「そうよ。だから始めはフォローされまくって当然なの。それに、海風は上手い方よ?」
「・・・もっと強くなって、みんなを護れるようにならないと・・・」
「うん、その意気。でも今は祝勝会を楽しみましょ?」
「はい!」
海風に笑顔が戻る。これで一安心ね。
そう思っていると菊月や時雨、電がこちらに来る。
「海風、お疲れ様。初の実戦にも関わらずよく動けていたぞ。」
「あ、ありがとうございます。」
菊月は「ところで」と視線を私に向ける。
「今回着任した艦娘は誰が教練担当につくんだ?」
「嵐は私が、萩風は時雨が、鹿島さんは由良さんが、グラーフさんは龍鳳さんがそれぞれつくわ。」
私が答えると時雨が割って入る。
「嵐が『一番厳しい艦娘の下で研修をしたい』って言った時は驚いたよ。」
「なかなか度胸のある奴だな。」
「根性もある艦娘なのです。でも、嫌な予感がするのです・・・」
嫌な予感・・・?何かしら?
「嵐が何か変だったりするの?」
「いえ、萩風さんの方なんですが・・・何か、イレギュラーな気がするのです。」
「イレギュラー、か・・・」
「・・・こんな暗い話、祝いの席でするようなものではありませんでしたね。」
そう言うと電は来月にある長期休暇の話題に変えた。
「皆さんは何か予定とかありますか?」
「私と時雨は一度実家に帰る予定よ。」
「お前たちの実家というと・・・長崎か?」
あ、それは知ってるんだ。
「それで、菊月は予定とか入れてるのかい?」
「私は特にないな・・・いや、三日月でも連れて買い物に行こうか。」
不意に海風にも投げかけてみる。
「海風は?」
「そう、ですね・・・姉妹と一緒に実家にでも帰ろうかと・・・」
・・・海風に姉妹って居たんだ。まあ、姉妹とか知り合いも艦娘でしたーなんて事よくあるものね。
同型艦じゃない場合も多いみたいだけど。
「姉妹が居るのか。どんな姉妹なんだ?」
「えっと・・・ドジで放っておけない姉と、とても元気な妹です。」
ドジで海風より年上の艦娘・・・あぁ、あの子か・・・。
「それは楽しそうだ。一度会ってみたいものだな。」
「皆さんはもう会っているはずですよ?」
それを聞いた瞬間、「えっ」という声が漏れてしまった。時雨達も同じだ。
姉は予想ができていたが、妹は見当がつかない。
「妹は同型の中で一番練度が低いーって愚痴をこぼしてましたし・・・」
・・・一体誰だろう。そう思いながら手にした酒を飲み進める。
翌朝、多くの艦娘が二日酔いで出撃が困難になった事はまた先のお話。
大型艦は8割以上が酔いつぶれましたとさ。