艦隊これくしょん -鹿屋基地第六〇三戦闘大隊の日常- 作:リュウ@夕立提督
それでもこの作品の主人公は夕立だと言い張る。
萩風の事を提督に報告するため、廊下を歩いていると近くのスピーカーから待機中の艦娘へ指示が出される。
『待機中の全艦娘に告ぐ。警備隊が戦艦棲姫を旗艦とする敵艦隊を捕捉した。迎撃の準備を急げ!』
警備隊は巡洋艦と駆逐艦で構成された艦隊・・・戦艦棲姫や他の姫と殴り合ったら勝ち目は薄い・・・
でもAL・MI作戦の時のような大規模な作戦が無い以上敵も「鎮守府近海の防御は手薄になっている」と考えるほど馬鹿ではないはず・・・なら、どうして・・・?
そう考えながら踵を翻し、第二工廠へ向かった。
「明石さん、今の放送・・・」
工廠に着くやいなや僕は明石さんを呼び止める。
「ええ、聞いたわ。だけど時雨ちゃんの艤装は修理中だから待機していて。修理が終わったら知らせるから。」
僕の艤装が修理中でも・・・戦えるはず。
僕も主力艦の一隻だ。ここで動かないと・・・肝心な時に何もできないなんて・・・仲間を護れないなんてもう御免だから・・・!
そう思い、工廠の奥へ向かう。
「あった・・・!」
見つけたのは一つの艤装。僕の艤装と同じ形状のもの。
僕はそれを持って外へ出る。
「時雨ちゃん、その艤装はダメ・・・!」
明石さんが止めるのを無視して埠頭へ走る。
埠頭に着いた僕は艤装を纏い、海へ出る。
沈んではいない・・・使う事は可能のようだ。
「よし・・・いける・・・!」
そのまま戦場へ向かおうとした時、様々な記憶が僕の脳裏を流れる。
これは・・・前戦争・・・?まさか、艤装に刻まれた歴史・・・?
目が覚めると、最初に白い天井が目に入った。
身体のところどころが痛む。それに、自分の身体に少し違和感がある。
「気が付いたか、よかった・・・」
「よかったぁ・・・寝たきりなんて私が許さないからね!」
「先代の艤装を持ち出すなんてとんでもない無茶しますね・・・」
少し無理をして起き上がるとそこには提督に夕立、明石さんが居た。
そうだ、あの後は・・・
暫くすると、明石さん以外の2人とも驚いた表情を見せる。
「え、2人ともどうかした・・・?」
そう聞くと明石さんが無言で手鏡を渡してくる。
それを手に取り、
「えっ・・・!?」
鏡に映っているのは確かに
左目の瞳の色が灰色がかっていた。
「なんで・・・!?」
「恐らく、先代時雨の艤装を使ったせいでしょう。」
「どういう事・・・?」
「今の時雨ちゃんには『雨宮時音』と『駆逐艦時雨』の他にも『先代の駆逐艦時雨』の魂も入ってしまってるんですよ。」
先代の艤装を使った事により先代の艦の魂が入り込んできた、という事だろうか。
「それで、今後戦闘や生活での影響は?」
「戦闘時に違和感を覚えるとは思いますが、日常生活には影響しないでしょう。まあ、絶対とは言えませんから定期的に診せてくださいね。」
「わかりました。その時は連絡をください。」
そう言うと明石さんは「勿論です」と頷く。
「さて、後の事は任せてしっかり休んでね、時雨!」
「それじゃあ、暫く休ませてもらうよ。」
夕立たちにそう言ってから僕は再び横になり、目を瞑る。
迎撃に関しては先代時雨が時雨の意識を乗っ取って無事成功させました。