艦隊これくしょん -鹿屋基地第六〇三戦闘大隊の日常-   作:リュウ@夕立提督

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お久しぶりです、リュウです。
久しぶりの更新です。過去編がなかなか進まないのと、無事イベントを突破できた記念に書きました。

ここに着任した神風はちょっと訳あり。


24話「神風」

今、執務室には提督さんの他に秘書艦である私。

新しく着任した艦娘が挨拶にくるらしい。着任歓迎会で提督さんと色々話してたみたいだけど。

すると執務室の扉をノックする音が聞こえた。

 

「入れ。」

 

提督さんがそう言った後、一人の少女が執務室へ入ってくる。

 

「駆逐艦神風、到着いたしました。」

 

入ってきたのは神風。赤紫の長髪と赤系の和装が印象的な艦娘。

 

「用件は?」

 

「ないわ。」

 

提督さんの質問に即答する神風。

それを聞いて提督さんは背もたれにもたれかかる。

 

「だろうと思ったよ。」

 

「どうして?」

 

「『神風』が貴方だからですよ・・・」

 

「え、提督さん・・・なんで敬語を・・・?」

提督さんが神風に対して敬語を使う事を疑問に思っていると「相手が相手だから」と流されてしまった。

 

「どういう事・・・?」

 

「人生の大先輩には敬語を使うのは当然だからな。」

 

神風は30歳超えてるって事・・・?でも15歳くらいなんじゃ・・・

 

そう考えていると神風は説明をし始める。

「驚くかもしれないけど、私は元第零世代の艦娘よ。今の深海棲艦の素材で艤装を第一世代に更新したけれど。」

 

「そんな事ってできるの・・・?」

 

「無理矢理だけどな。だから適合率も同調率もかなり下がってる。」

 

でもパッと見じゃ15歳よね。ちょっと理解ができないんだけど・・・

 

「夕立、第零世代の初期型艤装の欠点は知ってるな?」

 

「え?ええ、『記憶の欠落』・・・適合前の記憶のほとんどを失う・・・」

 

「そうだ。そしてその欠陥を改善したのが第零世代前期型・・・つまり神風(彼女)達だ。」

 

つまり彼女たちは私たちと同じ、適合前の記憶を保ったまま艦娘になった・・・

だけどそれじゃあ彼女の容姿と年齢の矛盾の説明がつかない・・・

 

すると提督さんが話し始める。

「記憶の欠落は改善されたが、前期型には新たな欠陥が生じてしまった・・・」

 

「適合時に身体の成長の抑制及び停止・・・要は成長しなくなるって事ね。」

 

それを聞いた時、言葉が出てこなかった。

 

暫くして提督さんが私に対し「やれやれ」とでも言いたげな顔をする。

「中期型、後期型も欠陥の改善と欠陥の発生を繰り返し、第一世代で欠陥がほぼすべてなくなった、というわけだ。」

 

「な、なるほど・・・」

第零世代は思っていた以上にハンデを持って戦ってたみたい・・・

 

「そうそう、彼女は白兵戦・・・特に近接戦闘においてこの鎮守府トップの実力者とも言えるだろうな。」

 

「え・・・!?」

 

「それは第零世代全般に言える事よ。白兵戦をさんざんやらされたんだもの。」

 

私や電はおろか、提督さんすら勝てないほど・・・第零世代艦娘ってすごい・・・

 

「尤も、第一世代としての戦い方は一からになるわけだが。」

 

「ええ、あの電って子にお願いするつもりよ。」

 

「わかった、伝えておきましょう。」

 

私は驚きを隠せないが、まず気になった事を質問してみる事にした。

「提督さんと第零世代の神風さん・・・知り合いみたいな雰囲気だけど・・・」

 

私が言い切る前に提督さんが答える。

「知り合いっちゃ知り合いだな。」

 

「あら、共闘した仲じゃない?」

 

「あれは任務だったでしょう。」

 

え?え?提督さんは第零世代の人と一緒に戦った・・・?どういう事なの・・・

 

理解できてない私を見て提督さんは「そういえば」と切り出す。

「お前には言ってなかったな。俺は鹿屋(ここ)に着任する前はある迎撃部隊に所属してたんだ。」

 

迎撃部隊・・・?そんなのあったのね・・・

 

「今から5年くらい前に迎撃部隊に入ってな、その翌年辺りから彼女と戦うようになったんだ。」

 

「待って、迎撃部隊って・・・何を迎撃するの?まさか・・・」

提督さんは「そのまさかだ」と笑う。

 

「俺らが迎撃してたのは深海棲艦。第零世代の退役後から第一世代の完成まで間が開いてたからな、一応前期型の艦娘は居たが、数が少なすぎて追い付かなかったんだ。」

 

確かに第零世代と第一世代の入れ替わりの間は2年ほどあったみたいだけど・・・

その2年間を前期型の艦娘と迎撃部隊の人達がなんとかしてたって事か・・・

つくづく人外じみた人だなぁ提督さん。

 

「おいおい、あん時は俺も一応まともな部類だったんだぞ?強化人間も普通に居たくらいだ。」

 

強化人間ってホントに居たんだ・・・

 

「提督さんは・・・?」

 

「当然だが純人間。まあ、強化人間と一緒に前線張ってると俺くらいの力はつくもんだ。ウチの隊長も純人間だったがぶっ飛んでたしな。」

 

「その隊長さんってどんな人?」

 

「真面目で優しいけど容赦がない・・・人として手本にしたい、彼女はそんな人だな。今は呉で提督として動いてるみたいでな、近々演習をすることになるかもな。」

 

そんなベテランな人の率いる艦隊との演習・・・沢山学べそうね。

 

「因みに提督さんの階級は?」

 

「最終階級は少尉。一応副隊長だったな。」

 

副隊長って事は・・・結構優秀だったって事よね・・・多分。

そう思っていると彼は少し残念がるように続ける。

 

「つっても、本来副隊長になるべき奴に押し付けられた形でなったから俺自身の実力ってわけじゃないんだよな。」

 

「それでも副隊長って凄いと思うんだけど・・・」

 

「そう言ってくれるとありがたいな。」

 

私の言葉を聞いて提督さんは少し笑う。

でもそんな即席の部隊で2年間戦い抜いたのは正直すごいと思う。錬成する時間もないのに戦場に出て、深海棲艦と戦ってたんだもの。

 

「錬成の時間もなかったと思うけど、それで2年も戦ったのはかなりのものじゃない?」

 

「まー、そうだな。とはいえ、生き残りはホントにわずかだけどな。ウチの部隊では俺含めて3人、他所じゃ多くても2人、殆どは全滅してる。全迎撃部隊を含めても10人居ないと思う。」

 

「第零世代も生き残りは少ない・・・最前線じゃなかった鹿屋(ここ)は比較的多かったけどね。」

 

暫くの沈黙の後、提督さんは顔を上げる。

「だがな、今回は誰も死なせないし犠牲の上で成り立つ作戦など考えない。俺のやる事はお前らを生かし、護るべきものを護る。それは何があっても変わらないし変えるつもりもない。」

 

提督さんの方針は今も昔も同じ・・・両立の難しいそれらを提督さんの無茶で通す。正直今でも馬鹿だなとは思うけど、その『馬鹿』を貫き通すのは彼。まあ、無茶はあんまりしてほしくないんだけど。

 

「ふふ、雨宮中将の時と同じ・・・賑やかでいいわね。これからが楽しみ。」

 

「こちらこそ、楽しみにしていますよ。」

 

「ええ・・・それじゃ、失礼するわね。」

 

神風さんが立ち去るのを見送った後、私たちは執務に戻る。

 




神風かわいいよ神風

しかしまぁ、艦娘に白兵戦用の装備を持たせたくなるのは何故なのか…
神風にはグロック18持たせたくなる。
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